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#1590: USB-C ケーブルの混乱を解説、Apple がスパイウェア会社を提訴、Manifesto for Ubiquitous Linking、プリンタドライバの不具合、TidBITS にご支援を!

2022 年がもうすぐやって来る。この時期に私たちは TidBITS をお届けし続けるために皆さんからの支援を必要としている。あなたも 3600 人以上の TidBITS 会員の方々に加わって、毎週お読みになっている実用的な Apple コンテンツを支えて下さらないだろうか? USB-C で混乱している人たちは多い。これは一つのコネクタですべてに使えることを意図したものだったが、実際にはそうはならなかった。USB-C コネクタを持つケーブルはさまざまの異なるテクノロジーに対応していて、組み合わせた場合に必ずしもうまく働くとは限らない。そこで Glenn Fleishman が最善を尽くして混乱を解消しようと試みたが、これが既に今年で最も人気を集めた記事の一つとなっている。また、Glenn は Apple が iPhone スパイウェアへの闘いの一環としてイスラエルの会社 NSO Group を提訴するとともに独立のセキュリティ研究グループへの財政的・技術的支援を提供することについても伝える。皆さんは、時間をかけてブラウズしたり検索したりする代わりに直接リンクを辿れるようになったらとフラストレーションを感じたことはないだろうか? Adam Engst が、皆さんも Manifesto for Ubiquitous Linking を読んで Apple やお知り合いの開発者たちにもっと多くのリンク活用を推進するように働きかけましょうと呼びかける。それからもう一つ、Adam が新たな LittleBITS コラム記事で Apple Watch からの誕生祝いとプリンタドライバに関連したいくつかの不具合について語る。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Pixelmator Pro 2.3、Mimestream 0.31.1、Zoom 5.8.6、BBEdit 14.0.3、Fantastical 3.5.1、Parallels Desktop 17.1.1 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

2022 年も引き続き TidBITS にご支援を

11 月が終わり、多くの TidBITS 会員の皆さんのところに更新をお願いするリマインダーの電子メールが届き始めているはずだ。届いたなら、どうか更新していただきたいとお願いする次第だ。何かトラブルがあったならば、[email protected] あての電子メールをお送り頂ければ担当の Lauri Reinhardt がお手伝いできるはずだ。TidBITS 会員は毎年更新するようになっているので、今回更新のリマインダーが届かなかった方は年の途中で会員になって下さったからだろうと思われる。会員期間の満了日は、アカウントページでチェックして頂ける。もしも満了日の欄が空白ならば、自動更新となるはずだ。

この TidBITS 会員プログラムは 2011 年に開始したものだが、それ以来私たちはこれを頼りにして続けてきた。編集主幹の Josh Centers や記事を書いてくれる Agen Schmitz、Glenn Fleishman、Julio Ojeda-Zapata その他の寄稿者、それからウェブのホスティング、電子メール配布、さらには継続中のメンテナンスや開発の作業のための財源の、主要な部分がこれに依存している。

しかしながら、2020 年 4 月に私たちの 30 周年を機に 700 名以上の読者が会員に加わって下さった (2020 年 4 月 13 日の記事“パンデミックの時期に TidBITS が 30 周年を迎える”と 2020 年 4 月 20 日の記事“TidBITS 会員数が増加 - ありがとうございます!”参照) その熱気も、今や下火となった。何か月か前に新たな呼びかけをすべきだったのだが、当時はワクチン接種率が高まりそれに応じて経済が急上昇した時期だったので自然と事態は好転するだろうと思っていた。でも残念ながら、その期待は楽観的に過ぎたようで、今は一年前に比べて会員数が 4% ほど減ってしまった。

誤解しないで頂きたい。私たちは今もまだ比較的しっかりした財政基盤の上にある。去年も書いたように、すべての皆様に TidBITS 会員となってください、更新してくださいとお願いしたいとは思いつつも ($20 でも大きな力になります)、皆様の近しい人々や、変化をもたらそうとしている立派な非営利団体、あるいは苦境に陥った地元の小企業のために助けの手が必要ならば、どうぞ TidBITS への寄付よりもそちらを優先して頂きたい。

私たちの仕事は、皆さんが Apple 機器についてよりよく知り、可能な限り効率的かつ生産的に使いこなし、現代のテクノロジーが生み出す魔法を享受できるようにお手伝いすることだ。もちろんそれは TidBITS 記事を通じてもするが、それだけでなくますます活気を増して有用となりつつある TidBITS Talkコミュニティーもあって、ここでは記事の筆者たちが質問に答えたり、知識豊富な TidBITS 読者たちが実世界での体験を語ったりしている。

だから、まだ TidBITS 会員プログラムに参加して下さっていない皆さん、どうか皆さんも他の 3600 人以上の読者の方々に加わって、TidBITS の後押しの力になることをご考慮願えませんか? 私たちが実用的でタイムリーなコンテンツに重点を置いていて、他の多くのサイトが宣伝のためにしているような論争を劇的に演出した記事など書かないことを皆さんはご存じでしょう。そんな私たちの仕事は、皆さんにとってどのくらいの価値があるでしょうか?

Membership Benefits ページを、ぜひとも一度スクロールしてご覧頂きたい。このページに、会員が割引を受けられるすべての Mac 用アプリが並んでいる。中でも重要なアプリは 1Password、Audio Hijack、Default Folder X、DEVONthink、Keyboard Maestro、LaunchBar、Nisus Writer Pro、PopChar X、Scrivener、SpamSieve、TextExpander、他にもまだまだある。(あなたの会社の製品をここに含めたい場合には、どうぞ私にご連絡頂きたい。)

TidBITS membership discount examples

サポートのレベルは、いろいろの異なるものから選べる: $20、$50、$100、$1000、またはあなたのお好きな月額あるいは年額を設定して頂くこともできる。また、PayPal を使いたい方や、不定期の追加の寄付をして下さる方のために、会員レベルのページの一番下のところに Boost TidBITS ボタンを追加しておいた。会員特典はどのレベルでも同じだが、一つだけ例外がある。$1000 の TidBITS Angel レベルは終身会員資格であって、レクリエーションの旅行がまた可能となったあかつきには、あなたがここ Ithaca を訪れた際に、または私たちがあなたの町を訪れた際に、私と Tonya と一緒の素敵なディナーを一回ご馳走したい。この 9 月に TidBITS Angel レベルに参加して下さった方々に心から感謝したい!

そういうわけで、もしもあなたにとって TidBITS が価値あるものなら、あるいはもしもあなたが私たちスタッフメンバーの誰かに尋ねて個人的に助けを得たことがあるなら、どうかあなたも TidBITS 会員になって、私たちが今後も出版を続け、あなたが毎週読むのに慣れ親しんだ種類の記事をお届けできるための援助をして下さるようお願いしたい。あなたには不滅の感謝の念をお送りしたいし、それよりもっと大切なこととして、読んだ記事のすべてがその一部をあなた自身の寛大さによって支えられているという実感を持って頂けるようになるだろう。どうかよろしくお願いします!

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

LittleBITS: watchOS 8 誕生日メッセージ、プリンターの困った問題

Apple が我々の機器をより個人的なものにするやり方についての感想を手短に述べた後、私が苛立たしいほど不明瞭だと感じている話題について掘り下げてみたい - 同じプリンターに対するドライバーの不可解さである。読者の一人は AirPrint ドライバーの彩度に問題があり、そして私は AirPrint ドライバーを使ったプリントジョブが印刷できない問題を経験したことがある。

watchOS 誕生日メッセージ

watchOS 8 birthday wishes

私は最近誕生日を迎えた。そしてその日の朝、私の Apple Watch 上にお祝いの風船が現れたことに思わずニヤッとさせられた。この機能が watchOS 8 で新しく登場したものかどうかは確信をもっては言えないが、これ迄 Apple Watch が私の誕生日を祝ってくれた記憶はない。それはいい感じだし、それが私の腕時計にだけ現れたこともまあ適切だと言える。何故ならば、Apple Watch は一日を通して私の体に最も近い位置にいる Apple 機器だからである。

ありがとう、Apple!

AirPrint ドライバー、彩度不足の原因となり得る

TidBITS 読者の Charles Reeves が最近一つのイライラの募る問題に対する興味深い解を紹介してくれた。彼はプロの写真や美術用に設計された Canon imagePROGRAF PRO-1000 プリンターを使っている - これは本格的なプリンターである。Charles は、最近の Mojave から Catalina そして Big Sur へのアップグレードの多難な長旅を経験した後、Photoshop から印刷する時に印刷物に十分な彩度が得られない問題を経験し始めた。彼は色々調べた結果、色管理コンサルタントの Phil Cruse による有用なページに行き着いた。それは問題が Apple の AirPrint ドライバーにあることを示唆していた。(Preview からの印刷物は - それは Photoshop ファイルを開ける - 問題がなく、これは Adobe/Apple のコンフリクトであることを示している。) Charles はそこにある指示に従って操作し、そして AirPrint ドライバーは削除されたと思ったが、問題は残っていた。Phil Cruse との何回かのやり取りの後、Charles は自分のプリンターを Bonjour プリンターとして再度設定していたことに気づいた。AirPrint はどうもそれを使っているらしい。そのプリンターは彼の Ethernet ネットワーク上にあるので、彼はそれを静的 IP アドレスを持つ IP プリンターとして再度設定できた。その後、彼の印刷物の彩度は正常に戻った。

色管理は、私が全く理解していない黒魔術である。しかしながら、面白半分で、Photoshop に同じカラープロファイルを使う色管理をさせながら、同じ写真を色々なプリンタードライバーを使いながら Photoshop を使って印刷させてみた。私は Charles が見つけた修正方法が働いているのかどうかを見極めることはできなかったが、印刷物の間には結構違いがあることは言える。いずれにしろ、これから得られるものは何かの解釈は皆さんにお任せするが、これが色に関する問題を解明しようとしている人への一助となることを願っている。

プリントジョブがうまくいかない時には別のプリンタードライバーを試す

Charles の疑問は、私が長年苦闘してきた同様のプリンター問題を思い起こさせた。私はHP Color LaserJet MFP M477fdw を持っているが、それは全体的にはよく働いている。しかしながら、Tonya も私も、一見何の変哲もなく見える書類を印刷しようとして印刷できない経験を何回もしている。これに対する我々が辿り着いた回避策は、AirPrint 或いは Secure AirPrint (Auto Select 選択肢は常に Secure AirPrint を選択する) の代わりに Generic Postscript Printer ドライバーを使う新しいプリンターを System Preferences > Printers & Scanners で設定することであった。

私はこの回避策についてこれ迄書いたことはなかったが、その理由はそれが何故働くのか私には見当もつかないからである;それが全ての書類に対して問題を解決するかも私にはよくわからない; Generic PostScript Printer ドライバーを使うことに否定的な側面があるのかどうかもよくわからない。今や、私はこのドライバーを使うことで印刷した写真の品質に悪影響があるのではと思ったりもしている。我々が印刷するものの殆どは、単純なテキストと図表なので、気づいていないだけなのかもしれない。この様な状況に光を当てる試験のために適した書類を一式として集めることも出来ていない - 問題があると、我々は通常印刷を手早く終わらせることに焦点を当てがちで、原因調査は後回しになってしまう。

いずれにしろ、何らかの書類をプリンターで印刷出来ない時には、他のドライバーを使うことを試してほしい。Generic PostScript Printer ドライバーを使ったものは以下の手順で追加できる:

  1. System Preferences > Printers & Scanners で、+ ボタンをクリックする。
  2. Add Printer ウィンドウで、リストにある自分のプリンターを選ぶ。
  3. 後で簡単に見分けられるよう、Name フィールドに "(PostScript)" や似た様なものを含むように編集する。
  4. Use ポップアップメニューから、Generic PostScript Printer を選ぶ。
    Adding a new printer with Generic PostScript Printer
  5. Add ボタン (上記のポップアップメニューの下に隠れている) をクリックする。

色々なドライバーを持つ幾つかの仮想プリンターを作っておくのは意味があるかもしれない。そうすれば、働かない時や思う様にプリントできない時に他を試すことが出来る。忠告しておくが、Generic PCL Printer ドライバーはカラーでの印刷をサポートしないし、1990 年代を思い起こさせる原因となるかもしれない。当時、我々はダブダブの服を自ら好んで着ていたようだ。

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Glenn Fleishman  訳: 亀岡孝仁  

Apple の訴訟、スパイウェア企業 NSO Group を追う

Apple が NSO Group を訴えた。この会社は Apple のオペレーティングシステムと Google の Android の兵器化された弱点を突く手段を売っており、これを使えば政府は、人権活動家、反体制活動家、記者等を、彼らの電話やコンピュータを経由して監視することが可能となる。Apple は、NSO Group が Apple 製品とサービスを使うことそしてそれらに対する弱点を突く手段を開発することを永久に禁止することを求めている。

Apple はこの行動を恥じておらず、自社のサイトに発表している。通常戦略については口を閉ざしているが、Apple はセキュリティエンジニアリング及びアーキテクチャのトップである Ivan Krstic が New York Times と話すのを許した。彼は同紙に以下の様に語った

Apple が言いたいことはこうである:もしそれをやるならば、もし我々のソフトウェアを、純真なユーザー、研究者、反体制の人、活動家やジャーナリストに対して兵器化するならば、Apple は情け容赦しないであろう。

この Cupertino の巨人はまた、二つの著名な独立研究グループである Citizen LabAmnesty Tech に対してその研究促進のために $10 million を与えると言う。Citizen Lab は University of Toronto の公共政策スクールの一部で、そして Amnesty Tech は Amnesty International 内のグループで、これ迄、政府により標的とされた人達によって使われていた機器の多くの乗っ取り事例を暴いたり、明らかにする手助けをして来た。

その様な発見は通常 iOS, iPadOS, macOS, Android, そして Windows に対する、更に Apple, Google, Microsoft 等々によって開発されたアプリに対する広範囲なパッチ当てにつながる。しかも、多くのものが研究者が関係する会社に警告を発してから数日内に行われる。

訴訟の中で、Apple は以下のように主張している

NSO Group とその顧客は、高度に標的化したサイバー攻撃を実行するために国民国家の膨大な資源と能力をつぎ込み、Apple や Android 機器上のマイク、カメラ、そしてその他の機密データにアクセスすることを許している。

この訴訟は US District Court に、NSO Group が "如何なる Apple サーバー、機器、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーション、或いは、他の Apple 製品或いはサービス" を使うことを永久に禁ずることを求めている。Apple はまた、NSO Group が Apple のエコシステム内にある全てのものに対する侵入ソフトウェアを作り出すことに対する永久差し止めも欲している。Apple は補償としてそして罰としての損害額は特定していない。影響を受けた機器の範囲、そして NSO Group に起因するマルウェアに対応するための Apple の費用を考慮すれば、それはかなりの金額になるであろうことは容易に想像出来る。

これらの損害額がどの様なものであれ、Apple はそれを Citizen Lab と Amnesty Tech に寄付しようと思っている。Apple はまた、このグループに対して技術サポート、エンジニアリング支援、そしてその他の識見を提供することを約束しており、そして支援を必要とする同じ様なグループに対しても "必要に応じて" 同じことをする用意があると言っている。

このイスラエルを本拠地とする NSO Group は、Pegasus と呼ばれるスパイウェアを開発している。それは一式の監視ツールで、一旦標的の機器に秘密裏にインストールされると、政府がメッセージを傍受し、データを実時間で監視し、情報を抜き出し、機器のカメラとマイクを音もなく動かす、等々のことをするのを可能にする。Pegasus を展開するため、NSO Group は、アプリやオペレーティングシステムに以前に起こった原因不明のエラーに依存するゼロデイ脆弱性、攻撃に依存する。

色々ある中で、NSO Group の Pegasus に起因する侵入例には、2016 年の 単独人権活動家 Ahmed Mansoor を標的とする攻撃が含まれ、これには3つの連結するゼロデイが絡んでいる;メキシコ政府による多数のメキシコ人ジャーナリスト、人権弁護士、そして活動家に対する監視は少なくとも 2011 年から 2016 年迄続いた;そして、2019 年のスペイン政府によるカタルーニャ独立指導者の電話盗聴も含まれる。Pegasus は個人的理由からも使われたかもしれない:英国の High Court は October 2021 に、ドバイの指導者 Sheikh Mohammed bin Rashid al-Maktoumeven は、彼の前妻、その弁護士、そして彼女を取り巻く人達に対して Pegasus を使ったと結論づけた。

メキシコにおける疑惑の事件はさておき、政府は通常少人数の人々を Pegasus で標的とするが、それは一部には Citizen Lab の様な人達に見つかる可能性を減らすためである。だからと言って、これらの攻撃の影響が減じられるものではない。何故ならば、問題の活動家やジャーナリストは、しばしば人権侵害や政府の腐敗を調査したり或いは暴こうとしているからである。時には、標的とされている人は自らの政府やリーダー達にただ反対しているだけの場合もある - 抑圧的な政権に対する嫌悪だ。そして、勿論、Pegasus が暴く情報は、犠牲者の逮捕や処刑に結びつくことすらある。加えて、ゼロデイが既知となるや否や、Apple や他の会社はそれらをパッチしなければならない。何故ならば、一旦世間一般のマルウェアの世界に探知されると、数億人のユーザーに影響を及ぼす大規模な攻撃に発展しかねないからである。

Apple が選べる事例は沢山ある中で、その訴訟は 2021 年の出来事に固執していて、具体的に Citizen Lab が NSO Group に関連付けた Pegasus 利用の攻撃の使用を挙げている。Citizen Lab はこのゼロクリック不正攻撃を FORCEDENTRY と名付け、そして Apple はそれが February 2021 から September 2021 迄出回っていたと述べた。September 2021 は Apple が既存のオペレーティングシステムにパッチをリリースした時期である。

NSO Group は、電子機器に対して秘密裏のアクセスを許す技術を提供していることを否定はしていないが、色々な場面でこの反応に類するものを出してきた:

NSO は、その技術を吟味された政府の法執行期間と諜報機関に対してだけ販売しており、その唯一の目的は犯罪やテロ行動を阻止する事で命を守ることである。NSO はそのシステムを運用していないし、データに対しても知る術は全く無い。

この場合にも NSO Group は、サウジアラビアが、ジャーナリスト Jamal Khashoggi と彼の周りの人達による通信を傍受しそれには Pegasus ソフトウェアが関わっていると報じた Forbidden Stories の記事の詳細を否定している。サウジ政府は Khashoggi を 2018 年にトルコで殺害した

余り食欲をそそらない使い方についての言及はさておいて、NSO Group は、その技術は "毎日、小児性愛集団、性と麻薬取引の集団を解体する、行方不明や誘拐された子供達を見つける、倒壊したビルの下で閉じ込められた生存者を見つける、そして危険なドローンによる不法侵入に対して空域を守る" ことに使われていると主張している。同社は、プライバシー懸念を引き合いに出し、これらの使い方のどれに対しても、或いは "毎日" の範囲について如何なる文書も提供していない。

報道で幾つかの厳しい目を向けられても、以前は NSO Group と同様の少数の会社は、民主主義から全体主義に亘る広範囲な国で彼らの製品の使用に対する責任から逃れていた。でも事態は変わりつつある。

Facebook は NSO Group に対して 2019 年に、標的が所有する機器上に Pegasus を WhatsApp ネットワークを利用してインストールしたとして、訴訟を始めた。更に Cisco, Google, Microsoft, そして VMWare は、December 2020 に Facebook (今や Meta Platforms) を支持する法定助言書を提出した

しかしながら、この訴訟は遅れた。その理由は、NSO Group が同社は主権免除により保護されていると主張しようとしたからである。同社の言い分は、同社はソフトウェアを政府機関に売ったのであり、そしてそこがそれを使ったのだと言うことである。予審判事はそれをしりぞけ、そして NSO Group は控訴した - 同社は2週間前の 8 November 2021 にこの控訴で敗れた。この訴訟は、和解しない限り、ゆくゆくは判決が出るであろう。

この控訴審の判決が出る直前の November 初期に、US Department of Commerce は NSO Group ともう一つのイスラエルに拠点を置く会社である Candiru を、いわゆる Entity List [訳者注:貿易取引制限リスト] に追加した。これは同省に米国企業が技術を彼らに供与するのを禁止すること許す。Commerce Department はまた最近米国企業が電子侵入のためのソフトウェアを他の国へ売ることを禁ずる一般規則を制定した。

イスラエル政府はしばしば国際市場でイスラエル企業を強く擁護してきたが、これ迄のところ、唯一の公のコメントは Foreign Minister Yair Lapid から発せられた。彼曰く、"NSO は民間企業であり、それは政府プロジェクトでもなく、それ故に、たとえ指定されていても、イスラエル政府の政策とは何らの関係もない。" イスラエルの Defense Ministry は NSO Group に対する独自の捜査に着手したと The Hill は報じている。これはとりわけ厄介である。と言うのも、2020 年にはニュース組織である Haaretz of Israel は、イスラエルと湾岸諸国の間の外交関係の雪解けの一部として、政府が NSO Group にそのソフトウェアをサウジアラビアと UAE の政府と指導者達に売るよう強制したと報じていたからである。

これらの騒ぎに加えて、NSO Group は $500 million 相当の債務が不履行となるかもしれない。The Times of Israel はこの金額に言及し、そして、22 November 2021 に格付け会社の Moody's は NSO Group の格付けを "低品質でクレジットリスクがとても高い" に下げた。このニュースは、Commerce Department が同社をブラックリストに載せた後、共同社長の一人 Isaac Benbenisti の辞任を数日目に報じたものに続くものであった。Benbenisti は CEO になる予定であった。

Commerce Department の行動、そして Facebook の訴訟と共に、Apple が訴訟にそれ相当の力を持ち込み、そして既に進行中の研究を更に支援することで、外見上合法的なスパイウェア業界の背骨を折るに必要な圧力を作り出せるかもしれない。

スパイウェア企業を無力にするだけでは、監視とデータ抽出のための弱点を突く手段を買いそして作成したいという国々の欲望は抑えられないであろう。米国、中国、ロシアと言った超大国は Pegasus の様なソフトウェアを所有し、ゼロデイを発見し購入する;それは大きくは変わらないであろう。しかしながら、この様な会社の新たな違法性の認識は、技術能力に劣る国々が購入し展開出来る既製品型の製品を彼らが作り出すのをより困難にするであろう。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

著名な Apple 開発者たちが Manifesto for Ubiquitous Linking を支持

1974 年に出版した二連本 Computer Lib/Dream Machines の中で、Ted Nelson は「あらゆるものは互いに深く結び付いている」と述べた。Nelson はもちろんあの Project Xanadu の創始者で、彼のプロジェクトはウェブより前の時代にハイパーテキストシステムを開拓したけれども結局は大掛かりなインスタンス化をみることがなく、メインストリームの製品に実を結ぶこともなかった。

Project Xanadu がその高遠な大志を成就できなかったことを巡る多岐にわたった問題点の数々に深入りすることは避けるとして、その志がその後何世代もの執筆者たち、思想家たち、開発者たちに、かく言う私自身も含めて、計り知れない影響を与えたことは言うまでもない。そして、この記事でこれから紹介しようとしているものが目指す先は、Project Xanadu が扱う領域の広さには及びもつかないけれども、その概念的な基盤は類似している。すなわち、連結された知識を促進し、認知的生産性を増進しようとするのだ。

本日リリースされた Manifesto for Ubiquitous Linking (ユビキタスなリンク付けのためのマニフェスト) には、著名な開発者、ポッドキャスター、大学教授たちが署名しており、次のように宣言する:

人々がソフトウェアを使って処理する情報から恩恵を受けられるよう手助けするため、情報資源のリンク付けが至る所で支援されることを提唱する。

それ自体としてはあまり極端な行動要請には見えない。結局のところ、まさにそれを提供しているのがウェブではないか。でも、私たちが日々扱っていることの大部分は自分の Mac、iPhone、iPad に限られた情報資源であって、情報資源をリンクするのが困難であったり不可能であったりすることすら多い。またウェブ上でさえも、アドレスバー上にたった一つの URL しか維持していないサイトが多く、電子メールメッセージや、カレンダーイベントや、タスクや、その他の離散なオブジェクトから切り替えて使った際に独立にアクセスできるようにはなっていない。

忘れないで頂きたいが、今回出されたのは単なるマニフェストであって、テクノロジーでも、規格でも、仕様でも、ましてや製品でもない。この Manifesto for Ubiquitous Linking は、開発者たちが自分のアプリにリンク機能を追加して、そのアプリの中の明確な情報資源のすべてにリンクを通じてアクセス可能にするよう奨励することを目指している。また、その認知的恩恵を望むユーザーたちには、自分たちが使うアプリの開発者に対してそれへの対応をリクエストするよう奨励している。

これらの認知的恩恵について、余談だが少しだけ書き加えておこう。私たちは3つの基本的方法を使ってデジタル情報システムをナビゲートしている。ブラウズ、検索、リンクの3つだ:

Messages link in Calendar event

これら3つのナビゲーション方法はそれぞれの場所で現に活用されているけれども、macOS と iOS ではブラウズがデフォルトであり、検索が許されている一方で、リンクに関しては口約束のみに止まっている。macOS の中でリンク付けが活用されている場所はごく限られていて、例えば Contacts で関係性の見出しをクリックして Show Contact を選べばリンク先の連絡先情報が表示される。Apple はプライベートリンク機能もいくつか提供していて、例えば Messages の会話の中で日付をクリックして Calendar の中にイベントを作成すれば、そのイベントの中に Messages で元の項目を開くリンクが提供される。確かに素敵な機能だが、Apple はこの種のメッセージリンクを開発者たちが使えるようにするための API を提供していないし、ユーザーがそれをコピーできるインターフェイスも提供していない。けれども全体的に見て、私たちが情報資源の間のリンクを作成できるようにするために Apple の側でできることがまだまだたくさんあるだろう。

Apple のオペレーティングシステムとバンドルされたアプリの内部でもっと良いリンク対応があれば、Notes の中で、あるいは Mail の中の電子メールメッセージで、個々の項目へのリンクを作成できることだろう。何かの書類で作業をしていて、Notes や Mail の中にある参考資料へのリンクが一か所に集まっていれば便利ではないだろうか? Preview にある PDF の中の特定の個所へのリンクや、Books にある電子ブックの特定のページへのリンクや、QuickTime Player にあるビデオのタイムスタンプへのリンクはどうだろうか? さらに、必要なサーバやサービスさえあれば、それらのリンクを他の人と共有することさえできるだろう。

サードパーティの開発者たちは既にこの種のリンク付けの実例を数多く提供している。リンク付けユーティリティ Hook と互換なアプリ のリストが出ているので、これを見れば現時点で何ができるかの感じが掴めるだろう。けれどもこれは、それぞれが独立に対応をしているのみで、まだ取り立てて組織的なものとはなっていない。だからこそ、今回の Manifesto for Ubiquitous Linking には当初の署名者として数多くの開発者たちが参加しているのだ。Bare Bones (BBEdit) の Rich Siegel と Patrick Woolsey、Omni Group (OmniFocus) の Ken Case、DEVONtechnologies (DEVONthink) の Eric Bohnisch-Volkmann、Eastgate Systems (Tinderbox) の Mark Bernstein、それから Michael Tsai (EagleFiler)、ProjectWizards (Merlin Project) の Frank Blome、そして Brett Terpstra (Marked 2)、Nitro Software (PDFpen) の Angel Vu、最後に CogSci Apps (Hook) の Brian Shi という面々が署名している。リンク付けへの対応は今や上げ潮の勢いで、誰の船をも持ち上げる。

では、あなたは何をすべきか?

さて、それでは私も、自分の生活の中にどのように新たなリンク付けを持ち込めば役に立つのかと、自分なりに考えてみたい。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

USBefuddled: USB-C の標準とケーブルの混乱したもつれを解く

[タイトルの USBefuddled は USB と befuddled (混乱した) の合成語です。]

かつては簡単だった。お分かりだろう。USB とは、かつてはコンピュータのための唯一つの種類のコネクタであった。つまり Type-A だ。平らで、長方形で、正しい向きは一つに決まっていた。周辺機器は、直接これに繋ぐコードか、もしくは Type-B の USB ポート、つまり四角くてほとんど正方形に近いポートを使っていて、こちらも正しい向きは一つに決まっていた。

けれどもその後、次々と他のタイプのものが出てきた。Mini-B は分厚めの台形で、Texas Instruments のグラフ計算機や、初期の Amazon Kindle、その他のデバイスに搭載された。それから Micro-B はもっとスリムな台形で、モバイルデバイスやヘッドフォン、その他バッテリー駆動のハードウェアで事実上標準的に使われるようになった。もっと変なコネクタも登場して、例えば幅広で奇妙な形をした USB 3.0 Micro-B は外付けハードドライブでよく見られるようになった。

USB connector types
Milos.bmx による、CC-BY の下で使用

USB 3.1 標準のリリース直後に登場した USB-C コネクタへの進化は、単純さを約束した。ホスト機器が Type-A を、周辺機器が Type-B、Mini-B、Micro-B その他まちまちのものを使う状況に代えて、たった一種類のコネクタが接続の両端を担当し、電力とデータの両方を運ぶようにしたものだ。同じケーブルを使って電力を双方向に流すことができる。コンピュータがバッテリーやスマートフォンを充電したり、バッテリーがコンピュータを充電したりできる。細長い軸はリバーシブルなので、間違った向きに差し込むということもあり得ない。

USB-C があればもう他には何も要らないはずだった。でも、実際にはそうならなかった。

USB-C cable end
USB-C Cable 終端 (写真は UnsplashMarcus Urbenz による)

USB の混乱

ハードウェア側は、問題なく動作する。USB-C はどんな USB-C ジャックにもきちんとフィットする。でも、USB 標準を管理し開発しているグループである USB Implementers Forum (USB-IF) は、おそらく USB 配線を 通って 何が行き来するかの複雑さを、そしていかにして効率的なコミュニケーションを実現すべきかを、十分突き詰めて考えなかったのではなかろうか。つまり、電源も、ビデオも通過させ、さらにいくつかの異なる標準でのデータを伝えなければならないということを。

問題は、USB-C が明確に異なるいくつもの目的で使うコネクタとなったこと、そして、ポートやケーブルをいくら眺めてもそれを接続すると何が起こるかがまず分からないことにある。USB-C コネクタには USB 3.1 と 3.2 とが対応し (しかし要件ではなく)、USB 4 (と Thunderbolt 3 および 4) では要件となっている。ただ、それぞれの仕様がバージョン 4 に達するまでの間は、異なる標準がいくつも存在して互いに絡み合っていた。

USB-C ケーブルを差し込むと、あらゆる種類の疑問が起こり得る。これで、デバイス間の最高速度が得られるのか? コンピュータを駆動したり USB バッテリーを充電したりするのに十分のワット数が得られるのか? 何も起こらなくて何故なのかもさっぱり分からないということがあり得るのか? たとえその答がはるか昔に捨ててしまったそのケーブルのパッケージに明記されていたとしても、それだけでは何も分からないことがよくある。何故なら、双方の端にあるポートについても知る必要があるからだ。

私たちが直面する混乱の多くは、コンピュータや、モバイルデバイスや、周辺機器の内部の奥深くですべてのアクションが起こるという事実から来ている。USB-C ポートがケーブルを通じて別のデバイスへどのようなデータや電源を提供できるにしても、それはいわゆる host or peripheral controller、つまりハードウェアの中で USB、Thunderbolt、その他の標準を実装している一連のチップや電源管理回路に依存するものだ。そのコントローラには、マザーボードに追加された独立動作のモジュールもあれば、Apple の M1 のようなシステム・オン・チップの中に深く統合されたものもある。

ケーブルは、2台のデバイスの間を結ぶ外部仲介者だ。ケーブルはデータの運搬を担当するのみであって、データのエンコードやデコードはしない。ケーブルのチップは双方の端で接続されたそれぞれのデバイスに対して、どのような種類のデータをケーブルの端から端へ運搬できるかを知らせる。これは、あらゆる USB-C プラグに組み込まれた極小のチップに依存して働く。(他の種類のプラグの多く、例えば USB 3.1 Type-A や Lightning のプラグもチップを含んでいて、ケーブルの価格が従来より高くなる一因となっている。) コントローラは同じ“回線”を通じて異なる標準を伝送することができ、ケーブルに依存してお互いの会話の最良の共通方法を交渉させる。

困ったことに、私たちは往々にしてそれぞれのデバイスが話すプロトコルのセットをその場では知っておらず、たとえ知っていたとしてもそのケーブルがそれを最大速度で通してくれるかについて確信がなかったり、あるいは場合によっては全く分からなかったりする。例えば、Apple は今もまだ USB-C Charge Cable と呼ぶものを販売しているが、これは USB-C の初期の時代に、同社のいくつかのモデルのラップトップ機のために設計されたものだ。これは USB-C 仕様とフル互換で最大 100 ワットの電源を供給できるけれども、ビデオには対応しておらず、データの転送速度は最大たった 480 Mbps (つまり USB 2.0 の速度) だ! Apple の Thunderbolt 3 ケーブルは同じ最大電力を提供し、加えてビデオと、Thunderbolt 3 で 40 Gbps、USB 3.1 で 10 Gbps のデータを運搬できる。

望みたいのは、ポートとケーブルを見るだけでそれが何をするか分かるという状態だ。それほど難しくないことだと思うのだが、USB-IF が 2021 年 9 月末にリリースした電源ケーブルの新しいラベルを示すチャートを見れば、どうやら難しいことのようだ。この業界団体が意図し得たかもしれない程度をはるかに超えた混乱があまりにも多くあること、そして過去と現在に横たわる難問を、このシンプルなチャートが雄弁に語っている。

USB certification labels

何てことだ! 以下で、USB-C の混乱を整理してみたい。私たちはいかにしてここにたどり着いたか、今はどんな状態にあるか、そして、将来どんなことが望めるかを考えてみよう。

USB はすべてを掴み取る

USB Type-C はほとんど常に USB-C という短縮形で呼ばれているが、USB ハードウェア接続に何十年も存在していた複数の問題を解決しようと試みた。この何十年かの間に、USB データの標準は 1.5 Mbps と 12 Mbps (1.0 と 1.1) から 480 Mbps (2.0) の単一方向速度 (反対方向では速度が落ちる) へ、そして対称的 5 Gbps のデータ転送 (3.0) へと進化してきた。

Wikipedia に載った下のチャートをご覧になればお分かりの通り、USB-C より前に登場したすべてのコネクタは相手方のコネクタとして何が許容されるかについて大きな制約を持っていた。Type-A が最も適合度が高いが、Wikipedia が USB Type-A to Type-A ケーブルに "Proprietary, hazardous" というラベルを付けて「USB-IF 準拠の設備と相互動作可能でなく、差し込むと双方のデバイスにダメージを及ぼす可能性がある」と記していることに注目したい。

Chart of USB connectors

片側の端が Type-A であるケーブルまたはアダプタは、反対側の端のコネクタのタイプとして USB-C 以外に 4 つの可能性があるが、Type-A to Type-A ケーブルはない。対照的に、USB-C は接続のどちらの端でも働き、他の 5 つのプラグタイプに対応している。すなわち Type-A と、4 種類の Type-B コネクタだ。

USB-IF は 2013 年に初めて USB 3.1 を導入し、これが Type-A での最高速度を 5 Gbps から 10 Gbps に引き上げつつ、2014 年の USB-C コネクタの導入への道を開いた。このコネクタタイプは 2015 年に限定された種類のデバイスのみを対象に初登場したが、そこには今は廃止となっている 12 インチ MacBook も含まれ、これは USB 3.1 コントローラしか装備せず、外付けディスプレイを取り付けるためには USB 3.1 ビデオアダプタが必要であった。

その次に来るものを説明する前に、Wikipedia が記したこの簡潔な名言を紹介しておこう「Type-C コネクタはいくつものテクノロジーに共通のものだが、そのうちほんの少数のものしか義務付けていない。」

USB-C コネクタは当初 USB 3.1 のみで動作した。Gen 1 と Gen 2 の種類があり、それぞれ SuperSpeed (5 Gbps) と SuperSpeed+ (10 Gbps) と呼ばれていた。3.1 の規格が発表されたのは USB-C の直前で、その 5 Gbps と 10 Gbps の速度は USB-C を必要とせず、Type-A、Type-B、Micro-B、そして USB-C でも動作した。

2017 年になって、USB-IF は 3.2 仕様をリリースし、コンピュータまたはモバイルデバイスに USB 3.2 コントローラがあれば USB-C やそれ以前のコネクタで 10 Gbps、USB-C のみで 20 Gbps を実現した。従来の命名規則の一部を捨て去って、この業界団体は "SuperSpeed USB 5Gbps"、"SuperSpeed USB 10Gbps"、"SuperSpeed USB 20 Gbps" といったキャッチーな名前を提案した。

この団体の用語使用ガイドラインには次のような (役に立つ?) 説明がある:「USB 3.2 は USB Type-C、USB Standard-A、Micro-USB、あるいはその他の USB ケーブルやコネクタの名前ではありません。」

でもちょっと待って、ここから事態は急激に悪化する。

USB と Thunderbolt が 4 で合流

Thunderbolt もまたそこに存在していた。Apple は Intel の Thunderbolt 規格を早いうちから FireWire の後継者として採用していたが、Thunderbolt の最初の 2 つのバージョンは広く採用されることはなかった。弱かった理由としては、USB の方がはるかに普及していたこと、USB 3.0 が十分早期に 5 Gbps に対応したこと、Apple が価格とコモディティ化を争おうとしない唯一の巨大コンピュータメーカーであったことが挙げられる。より高速のバスカードや特定の PC またはサーバコンピュータ構成で Thunderbolt に対応するものを購入することは特定のユーザーや市場区分においては意味があったかもしれないが、非 Mac 業界全体に広がることはなかった。

けれども Intel が重要な行動を起こした。おそらく Apple と協力してのことだろうが、データレートを 40 Gbps に倍増させるとともに、Thunderbolt 3 が USB-C 接続を実現するようにしたのだ。その際に、業界団体 USB-IF が Alternate Mode と呼ぶものに依存した。USB-C 上で USB 3.1 や 3.2 のデータを運搬するのでなく、Alternate Mode は他の仕様をカプセル化して運ぶことを許す。言わば、USB にとっての第二言語のようなものだ。USB 3 コントローラは Alternate Mode で Thunderbolt 3 を通すことにより Thunderbolt 3 互換ケーブルを使って Thunderbolt 3 コントローラとネイティブに会話できる。お互いに異なる言語を使っていることすら知らずに済むのだ。(Intel の Thunderbolt 3 コントローラも同様のやり方で USB 3 やそれ以前のバージョンと後方互換性を持つが、やはり Thunderbolt 3 ケーブルが要件となる。)

DisplayPort 用や HDMI 用の Alternate Mode もあってビデオを通すこともできる。12 インチ MacBook が USB-C 上でビデオを通せたのもこの方法による。さらにもう一つの Alternate Mode が高速データ転送のための PCI Express を可能にし、それに対応するコンピュータで外付け GPU が可能となる。そして最後に Thunderbolt 3 も可能となる。

あともう一つ、USB-IF は 2019 年に USB 4 をリリースし、Intel は 2020 年に Thunderbolt 4 をリリースした。USB 4 は USB 仕様の内部で Thunderbolt 3 をオプションで実装し、Thunderbolt 4 は USB 4 を通じた USB 対応を必須条件としている。USB 4/Thunderbolt 4 に明示的に対応するデバイス、例えば Apple の 14 インチおよび 16 インチ M1 Pro および M1 Max MacBook Pro モデルは、あらゆる種類の Thunderbolt とあらゆる種類の USB をほとんどすべての既存のケーブルやアダプタを使って処理できる。(Thunderbolt 3 の USB 4 対応はホストコントローラではオプションだが、USB 4 ハブでは必須で、この点がさらにまた混乱に拍車をかける。けれども、コンピュータやデバイスのメジャーなメーカー各社は互換性のために USB 4/Thunderbolt 3 または USB 4/Thunderbolt 4 を含めてくれると期待したい。)

また、Thunderbolt 4 はコンピュータ上のすべての Thunderbolt ポートを通じて最大 40 Gbps、外付けディスプレイ、その他に対応する USB-C ポートを追加できるために、すべての認定コントローラが Thunderbolt ハブを許容することを要求する。Thunderbolt 3 ではハブがオプションであり、一部のオペレーティングシステムとコンピュータは結局それを許すようになった。対応デバイスに Thunderbolt ハブを、Thunderbolt 3 を通じて (Apple は macOS 11.1 Big Sur でこれをすべての Intel および M1 Mac でこれを追加した)、または Thunderbolt 4 を通じて接続することができる。Thunderbolt 4 は 8K 以上のディスプレイ解像度も許している。

USB 4 はあらゆる接続に USB-C を要し、最小限 20 Gbps のデータスループットを要求するが、Thunderbolt 3 および 4 の最大 40 Gbps にも対応できる。

ケーブルの長さも問題となる。Thunderbolt 3 および 4 ケーブルにはパッシブとアクティブの2種類があり、パッシブケーブルが 40 Gbps を転送できるのは最大 0.5 メートルまで、20 Gbps は 2 メートルまでだ。アクティブケーブルは最大 2 メートルで 40 Gbps を転送できる。USB 3 および 4 ケーブルは最大 2 メートルで 10 Gbps、最大 1 メートルで 20 Gbps だが、40 Gbps のタイプは 0.8 メートル以下のケーブルでしか動作しない。

(最大のスループットが必要な状況でない限り、ケーブルの長さのことはあまり気にしない方が良い。長過ぎるケーブルや、そんな速度のためには設計されていないケーブルでも、USB 4/Thunderbolt 4 コントローラを使って 20 Gbps や 40 Gbps より低い速度でコミュニケーションして何の問題もない。これらのバージョン 4 規格は USB 2.0 や Thunderbolt 1 とも後方互換だ。)

USB 4 は Power Delivery をも要件としている。USB 3.2 ガイドラインが素っ気なく述べている通り「USB 3.2 は USB Power Delivery でもなければ USB Battery Charging でもない。」Power Delivery って何だ? Battery Charging って何だ? この2つの USB 規格もまた、さきほど紹介したラベルのチャートを USB-IF が思い付くに至った要因であった。

ここに電力あり

USB を通じて電力を供給する歴史はその最も初期の時代にまで遡るが、当時はワット数が独自仕様のコントローラやプロトコルを必要としない程度のものに限定されていた。そして、高ワット数のケーブルを使った多くのデバイスの間での相互運用が広く使われるようになったのは、USB-C が初めてであった。それを可能にした規格が、Power Delivery と呼ばれるものだ。

Power Delivery 2.0 および 3.0 に対応する USB-C ケーブルは、少なくとも 60 ワット (20 ボルトで 3 アンペア) を運べることになっているけれども、オプションとして 100 ワット (20V で 5A) の設計にすることもできる。ホストや周辺機器の USB-C ポートはそれよりずっと低電力用、例えば 7.5W (5V で 1.5A) や 15W (5V で 3A) を引き出すように設計することも可能だ。Power Delivery 3.1 は 5A でもっと高い電圧を可能にし、最大 240W (48V で 5A) を許す。240W ケーブルは新しい Extended Power Range (EPR) ケーブルタイプを要する。

ケーブルの要件があるにもかかわらず、最大 15W しか約束しないように見えるケーブルが売られているのを見かけることもある。それは 15W の電力を引き出すデバイス用に販売されている 60W ケーブル、例えば Belkin USB-C 充電器のものかもしれないし、あるいは単に規格に従っていないだけなのかもしれない。

Power Delivery 3.1 は高速充電も可能にするが、今のところまだそれに対する商標や特定のラベルは使われていない。独自仕様のバージョンは存在していて、Apple が最新機種の MacBook Pro モデルに付けているものもそれに該当する。高速充電は 14 インチ MacBook Pro モデルでは 96W 充電器、16 インチ MacBook Pro モデルでは 140W 充電器を必要とし、後者がすべてのモデルに付属している。(ただし 14 インチ MacBook Pro の入門レベルモデルには 67W 充電器が付属していて、$20 の追加料金でこれを 96W にアップグレードできる。)

これらの充電器で、macOS は自動的に MagSafe 3 (14 インチおよび 16 インチ MacBook Pro モデル) あるいは USB 4 (14 インチのみ) を使って利用可能な最大ワット数で充電し、バッテリーが空になった Mac を 30 分で 50% まで充電できる。14 インチ MacBook Pro の 67W 充電器、あるいは 16 インチ MacBook Pro の USB 4 ポートでの充電は“通常”速度の充電になり、それよりいくらか遅い。(また、リチウムイオン電池を使っているデバイスはすべて、過熱を防止するため 80% 以上で充電速度を絞るようになる。)

最後にもう一つ、USB Battery Charging の仕様は奇妙にも欠落していた機能を一つ可能にする。バッテリーパックに差し込まれたデバイスでは、これまで単純に「どれだけの電流量を引き出せるか?」を問う標準的な USB コマンドが存在していなかった。その代わりに、いろいろなメーカーがそれぞれに解決策を思い付いていて、それらは必ずしも互換ではない状態にあるので、特定のデバイスを充電する際にしか使えない。

こうして充電についていろいろ語ると、こんな考えが浮かぶかもしれない。繋ぐケーブルを間違えると、私の高価なデバイスが壊れてしまうこともあり得るのか、と。その答はノーであるべきで、実際ほとんどの場合そんなことは起こらない。USB-C ポートやコネクタは互いに速度を交渉して、すべてが折り合える速度を使用するからだ。従来の USB-C および Power Delivery の仕様はデバイスが受け入れられる限界を超えた電力を通すことを避けるように設計されていたし、Battery Charging アップグレードではその点をさらに改良している。(初期の時代の USB-C で、Google エンジニアの Benson Leung が余暇を利用してケーブルのテストを実行したことがある。出来の悪いケーブルがたくさん出回っているのが気になってのことだったが、そのいくつかは 実際にコンピュータを焼き切って煙を出し始めたという。どうやらそういう時代はもはやとっくに過ぎ去ったようだ。)

では、この記事の核心に踏み込もう。どのケーブルが何をするのか? 今はどんなことができるようになったのか? 将来はどんなことが実現されるのか?

何とももつれ合った蜘蛛の巣を編み上げた 4.0

両方の端に USB-C コネクタを持つケーブルにはどんなものがあるか、それぞれどんなデータと電力に対応しているかの主なものだけをまとめておこう:

これでもまだ度肝を抜かれないのなら、あまり一般的でない組み合わせは他にもある。書き上げればこの2倍、あるいは3倍の長さになるだろう。また、独自仕様のケーブル、例えば Apple の MagSafe 3 to USB-C ケーブルなどもここでは除外している。このようなさまざまの USB-C ケーブルを、いったいどうやって見分ければよいのだろうか? そこのところは、コンピュータやその他のデバイスのメーカーや、ケーブルの製作者、周辺機器の製造業者がそれぞれの部品やマニュアルやケーブルヘッドにどれだけ正しく、自らが準拠することになっているさまざまの仕様に従って印を付けているかに依存する。

私はいろいろの実例を集めてみた。下をご覧頂きたい。ケーブルのどこにマークが表示されているか、それがいかにまちまちであるかを示す写真をインターネット上で探して集めたのだ。特に、Thunderbolt 3 ケーブルに記されたマークがどれも似たり寄ったりなことに注目して頂きたい。まあ、私のようなうるさ型なら、使われている多種多様なサンセリフフォントの違いに気付くのだが。

下に示した Thunderbolt 3 ケーブルは、大体において正確にマークされている。いずれも、Thunderbolt の稲妻アイコンと数字の 3 を示している。私が見つけたほとんどのものはこれらと同じような感じで、ケーブルの両方の端にそれぞれアイコンと数字が記されている。けれども、そのケーブルがアクティブなのかパッシブなのかを表示しているものは一つもないし、対応するワット数についての手掛かりを示すものもない。

Thunderbolt 3 cables

正しくマークされていない、あるいはマークが何もない Thunderbolt ケーブルを探してみると、結構簡単に見つかる。少なくとも Apple のケーブル (下左) とノーブランドのケーブル (下中央) には稲妻アイコンがあるが、3 はない。だから、これらについてはたぶん Thunderbolt 3 だろうという程度しか分からない。StarTech.com のケーブルは反対側の端に正しいマークがあるのかもしれないが、見つかった写真は会社のロゴを示したものしかなかった。

Improperly marked Thunderbolt cables

USB 3.1 や 3.2 のケーブルは、10 Gbps かそれ以上に対応したものについては驚くほどきちんとマークが表示されていたが、SS の部分に比べて数字があまりにも小さくて読み取りに苦労する。それに、私の中のうるさ型を呼び出す必要さえなく、誰が見ても黒地の上の薄いグレーとか、さらにはグレーの上の薄いグレーで書かれた文字は読めたものではない。

USB superspeed cables

ワットが問題? 20 Gbps じゃ足りないのか?

よく使う人や技術屋たちから聞こえてくる、そう、不満の声は、同じシンプルなコネクタがあまりにもいろいろの目的で使われていて、ポートやケーブルを見ただけでは何が可能なのかを判断する手掛かりが少ないことだ。

たとえ必要なロゴや記号があったとしても、その上でポートとケーブルの相互作用、データ転送速度、電力量について資料を調べなければならない。さらには、長いケーブルに沿って拡大鏡を手にマークを探さないとアンペア数やワット数が判断できないこともある。

この状況を USB-IF はどうすれば改善できるのか? とりわけ、今は Intel の Thunderbolt グループと協力しているのだから? ここでは、私がさきほど嘲笑ったチャートのラベルが実際正しい方向を示唆している。USB と Thunderbolt が合流して相互互換、後方互換な標準ができれば、将来は明瞭さが実現されるかもしれない。

理想的には、USB-IF がそのようなラベルを後方にも広げる働きをして、各メーカーに対し最大速度とワット数を読みやすい文字で印刷することを義務付けて欲しいものだ。また、Intel とも提携してメーカーに対し Thunderbolt ケーブルにバージョン番号に加えて 20 Gbps (長い、パッシブ) または 40 Gbps (短い、アクティブ) を印刷することを義務付けるようになればさらに素晴らしい。これこそまさに、あの Wi-Fi Alliance が混乱を減らすための取り組みとして、802.11n, 802.11ac, 802.11ax がすべて "Wi-Fi" であるためそれぞれを Wi-Fi 4, 5, 6 とリブランドした戦略と、同じ意味を持つのではないだろうか。

一般的な実践としては、自分の必要のためにケーブルを購入したり、製品に付属していたケーブルを初めて手にしたりした際に、昔からある粘着ラベル(ラベルシール)をケーブルに貼り付けておくのが最善の策だろう。 ラベルライター(テーププリンター)を使ってケーブルに印を付けておくか、あるいは結束バンドのようなものに油性マーカーで印を書き込んでおいてもよい。将来はケーブルそのものにもっと明確な説明が示されるようになるかもしれないけれど、たくさんのケーブルがそこらに転がっていてどうにもならない現状では、やはり私たち自身が何か自分で行動を起こす必要がある。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Pixelmator Pro 2.3

Pixelmator Pro 2.3

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 2.3 (別名 Abracadabra... Steve Miller Band の曲を思わせる) をリリースした。自動背景除去機能と自動被写体選択機能、および Select and Mask ツールを追加した、メジャーなアップデートだ。Pixelmator Pro ツールバーからアクセスする新しい Remove Background 機能は畳み込みニューラルネットワークを使用して事実上どんな画像からでも被写体を見分け、その背景を自動的に除去する。それと組み合わせて使う AI 駆動の Decontaminate Colors 機能は境界部から従来の背景の痕跡を自動的に除去して被写体がよりシームレスに背景に溶け込むようにする。

Pixelmator Pro 2.3 で新設された Select Subject 機能はどんな画像からでも自動的に対象を選択するが、この機能はとりわけ macOS 12 Monterey と M1 ベース Mac でうまく働く。新しい Select and Mask ツールは髪の毛やファーなど非常に複雑な境界を持つオブジェクトも正確に選択できるようにする。

Pixelmator Pro 2.3 Select and Mask tool
新しい Select and Mask ツール

今回のリリースではまた、Shortcuts アプリの Pixelmator Pro アクションを更新して (ポートレート写真のみならず) どんな画像でも背景を除去したり題材マスクを作成したりできるようにし、カスタマイズしたサイズやスケール率で画像を書き出すオプションを Export ダイアログに追加し、最後に使った書き出し場所を書類ごとでなくアプリ全体で記憶するようにしている。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、433.4 MB、リリースノート、macOS 15+)

Pixelmator Pro 2.3 の使用体験を話し合おう

Mimestream 0.31.1

Mimestream 0.31.1

Mimestream が会社名と同名の ネイティブな macOS 用 Gmail クライアントをバージョン 0.31.1 にアップデートして、新機能と改良、バグ修正を加えた。今回のリリースではクイックナビゲーションパネル (Command-Shift-O を押す) を追加し、サイドバーとメッセージリストで (Gmail と同期して) ラベルを示したり隠したりできるようにし、ダッシュ付きリストへの対応を追加し、ファイルを Mimestream から共有できるようにし、メッセージ作成の際に自動的にベストな From アドレスを選ぶようになった。今回のアップデートではまた、Dark モードのリフォーマッティングを改善し、同期エラーを起こした原稿が送信されないようにし、画像をリサイズしても実際にファイルサイズが減らなかったバグを修正し、インラインのドラッグ先に画像をドラッグした後に正しく整列しなかったりぼやけたりした問題を解消し、まだダウンロードし終えていない添付ファイルを開こうとした際に起こったエラーに対処した。(無料、8.5 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Mimestream 0.31.1 の使用体験を話し合おう

Zoom 5.8.6

Zoom 5.8.6

Zoom が会社名と同名のビデオ会議アプリをバージョン 5.8.6 にアップデートして、アプリが自分自身をアップデートできるようにするとともに、ユーザーが2種類のアップデート頻度から選べるようにした。Slow (デフォルト) はアップデートの頻度を下げてより良い安定性を目指し、Fast は最新機能を重視する。今回のリリースではまた、プレゼンテーションのスライドの進行制御への対応 (Google Slides、PowerPoint、Keynote と互換) を追加し、マルチストリームの Smart Gallery 表示の Zoom Room からの処理を改良し、Q&A 質問の並び順を時系列 (デフォルト) と賛成票数の順から選べるようにし、ミーティングの最中に MP4 ビデオを共有する際のバグを修正し、トルコ語とポーランド語への対応を追加した。(無料、25.8 MB、リリースノート、macOS 10.9+)

Zoom 5.8.6 の使用体験を話し合おう

BBEdit 14.0.3

BBEdit 14.0.3

Bare Bones Software が BBEdit 14.0.3 を出した。ユーザーから報告のあった問題点に集中した。メンテナンス・リリースだ。この古参のテキストエディタは HTML シンタックスチェッカーが正しくフォーマットされたコンテンツタイプを正しくないと報告していたバグを修正し、書類のヘッダがノートのタイトルを印刷しなかった問題を解消し、macOS 11 Big Sur で走った際の Multi-File Search ウィンドウの項目タイトルとチェックボックスの間の隙間を復活させ、Perl 言語モジュールがすべての中括弧ブロックで折り畳みを生成するようにし、Window メニューから項目を選択した際に報告されたクラッシュを予防し、新型 MacBook Pro モデルで macOS に対してメニューバーノッチのための表示領域の調整は不必要と宣言するようにした。(新規購入 $49.99、無料アップデート、21.6 MB、リリースノート、macOS 10.14.2+)

BBEdit 14.0.3 の使用体験を話し合おう

Fantastical 3.5.1

Fantastical 3.5.1

Flexibits が Fantastical 3.5.1 をリリースして、Google カレンダーとタスクリストを Fantastical の中から作成したり削除したりする機能への対応を追加した。このカレンダーアプリはタスクセクションで個々のリストでの未完了のタスクの数を表示するようにし、タイムゾーンを検索する際のタイムゾーンのマッチングを改良し、macOS 12 Monterey から印刷する際に時刻が途中で切れて見えた問題を修正し、イベントの未来のインスタンスをすべて変更するとアラートが削除されてしまった問題を解消し、Exchange アカウント上で特定のタイムゾーンにおいて全日イベントが一日ずれてしまった問題を修正した。Fantastical は Cardhop とバンドルされた Flexibits Premium 購読により利用できる。(Flexibits から購読年額 $39.96、Mac App Store から購読年額 $39.99、無料アップデート、55.5 MB、リリースノート、macOS 10.13.2+)

Fantastical 3.5.1 の使用体験を話し合おう

Parallels Desktop 17.1.1

Parallels Desktop 17.1.1

Parallels が Parallels Desktop for Mac 仮想化ソフトウェアのバージョン 17.1.1 を出し、Installation Assistant に新しいオプションを追加して M1 ベース Mac への Windows 11 のダウンロードとインストールが容易にできるようにした。(ただし 2021 年 10 月 26 日の記事“LittleBITS: Crab Fit、Insta360 GO 2、myCharge MAG-LOCK、M1 Mac 上の Windows”を参照のこと。) 今回のリリースでは ARM ベースの Windows 11 仮想マシンに MS Store アプリがインストールされない問題を解消し、仮想マシンが VPN 経由で Mac で利用できるリソースにアクセスできないバグを修正し、Intel ベース Mac で macOS 12 Monterey を走らせている場合に Use Windows from Boot Camp オプションが表示されない問題に対処し、CPU を手動で割り当てる際の問題を解消した。(Standard 版の年額講読 $79.99、Pro 版は年額講読 $99.99、318 MB、リリースノート、macOS 10.13.6+)

Parallels Desktop 17.1.1 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

1440p ディスプレイを持つ M1 ベース Mac でシャープなテキストを実現

4K 解像度より下のモニタ、例えば 1440p 解像度 (2560 × 1440 ピクセル) で鮮明なテキストを表示するための HiDPI (つまり Retina) スケーリングを Mac は提供しておらず、Intel ベース Mac で使えていた既存の回避策は M1 ベース Mac では機能しない。そこで Macworld の Jared NewmanBetterDummyを紹介する。これは、回りくどいやり方でその制約に対処する、巧みなユーティリティだ。macOS を騙して、正しいアスペクト比を持った偽の 5K ディスプレイのコンテンツを、実際の 1440p スクリーンにミラーリングさせるのだ。BetteryDummy は無料でオープンソースなので、外付けモニタのディスプレイ設定に満足できないでいる人は試してみるとよい。

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