easyDNS はカナダの会社なので、米国よりも厳しいプライバシー法律の下にある。英国や EU とほぼ同等と言ってよい。これは大きな問題とは言えないかもしれないが、電子メールやウェブサイト上のデータに関するプライバシーが心配だと思う人には、easyDNS は良い選択肢だろう。(easyDNS の CEO の Mark Jeftovic がプライバシーに関しては厳しい人だということもある。)
幾つか試してみての結果では、HomePod 上の Siri は iPhone 上のものよりも働きは悪かった。一例として、私は Siri に NYSEG Power Outage に電話するよう頼んでみた。因みに、これは停電を報告するために使う会社だけの連絡先である。私の iPhone 上の Siri はこの番号を見つけ出し電話をかけるのになんら問題はなかったが、HomePod 上の Siri はこの連絡先を見つけられず、Siri が "NYSEG" を発音する様に私が言い方を変えるまで出来なかった。
HomePods は基本的にあまり場所を変えたりしないので、iOS 12 登場でそれは近くにある機器を探す信頼出来る情報源となり得る:対象は iPhone, iPad, iPod touch, Apple Watch, 或いは Mac で、AirPods は対象外となる。ただ単に "Hey Siri, 私の Apple Watch は何処?" とか "Hey Siri, 私の iPad を鳴らして" とか言えばよい。
この機能は Find My iPhone アプリに現れる全ての機器で、Family Sharing メンバーからのものも含んで、働きそうに思えるが、私のテストでは、HomePod は繰り返し家の中にある Tonya の機器のどれをも見つけられなかった。思うに、この機能は現時点では、HomePod を制御する Apple ID に属する機器に限定されているのかもしれない。
Apple は、iOS 12 Music アプリの歌詞から曲を探す能力、そしてそれを iOS の中の、そして HomePod 上の Siri 経由で呼び出せるという事実の両方を大事にしてきた。これはまあまあ働く - もし頭の中で歌詞が浮かんでくるが、どの曲からのものか分からないならば、こんな感じで聞くことは出来る、"Hey Siri, こんな歌詞を含んだ曲は何だっけ、"Ground control to Major Tom"? (この機能は、歌詞が英語のものに限られる。)
残念ながら、私のテストでの正解率はそこそこでしかなかった。Siri が正常に動作する時もあったが、すぐに3つの種類のエラーに直面した。それぞれの場合で、私は別に iOS 12 が走る iPhone X でもテストしてみた。
時として HomePod 上の Siri は、単に見つけられず、誰がその曲を歌っているのか分からないと返してくる。例えば、"And the waitress is practicing politics" を探してみると、iPhone では正しく Billy Joel の "Piano Man" を探し出したが、HomePod ではダメだった。
時として HomePod 上の Siri は、その曲のオリジナルではなくカバー曲の方をを見つけ出しそちらに執着するが、これはおかしいと思う。"Hello darkness, my old friend" を探す場合、Simon and Garfunkel の "The Sound of Silence" を探し出すべきで、Disturbed のカバー曲ではないはずである。iPhone 上の Siri も同じ間違いをした。
時として HomePod 上の Siri は、完全に間違った曲を出してくる。"breaking the back of love" を探してみると、HomePod では Juice WRLD の "Lucid Dreams" を出してきた (これは確かにこれらの単語全部を含んでいるが、順序が違う)。iPhone 上の Siri は Echo & The Bunnymen による "The Back of Love" を正しく認識した。
私は、HomePod と iPhone の間でこれ程の違いが出ることに驚いた。私はまたこれらの検索を Mac を使って、macOS 10.13 High Sierra でやってみたら HomePod と同様で、10.14 Mojave では、繰り返し見つけられないか、毎回完全に間違った曲を見つけ出した。iPhone でも Mac でも、Siri インターフェースにはどう認識したかが示されるので、私の入力は毎回同じだったことを確認するのは簡単だったし、HomePod 上でも同じ様であったろうと思われる。では、出力の違いは何処からくるのか?
この話の教訓は、HomePod 上での歌詞検索は、働く時もあれば、働かない時もあり、より良い結果を望むなら、iPhone 上の Siri を使うか、或いは iPhone 又は iPad 上の Music アプリに言葉をタイプ入力した方が良い。
Apple は、そのリリースノートにある "Calendar は全ての言語に対応" が、何を意味するのか厳密には説明していないが、もし HomePod 設定で個人リクエストを有効にしているならば、恐らく Siri にあなたの好きな言語で (サポートされているならば)、カレンダーを調べたり、新しい会議を作成したり、そして会議の場所はどこかを告げるようにさせられるはずである。
HomePod 上の iOS 12 は何かを変えたか?
全体的に言えば、HomePod 上の iOS 12 は歓迎すべきアップデートであり、とりわけ、HomePod をもっと優れたスピーカーフォンに、そしてキッチンタイマーに変えるやり方は歓迎出来る。置き忘れた機器を鳴らす能力もまた利用価値がありそうである。とりわけ、ポケットのない洋服を好み、家に居る時には場所を問わず iPhone を置きっ放しにする人達にとってはそうであろう。歌詞で検索するのは嬉しい機能のように見えるが、私の記憶と見合う程度にまで Siri の能力が役に立つというのは想像しがたい。もちろん、人によって利用価値は違うかもしれない。
Alexa や Google Home を使うスマートスピーカーではなく、HomePod を買うという決定に iOS 12 アップデートはどの様に影響するであろうか? 私としてはそれほど大きな違いを生むとは考えにくい。Apple がエコシステムを武器に使おうとしているのは明らかであろう - もし Apple の機器やサービスで揃えているのであれば、HomePod で全く問題はないであろう。Amazon と Google も同じことをしているので、もし Android や Windows のユーザーであるならば、Alexa や Google Assistant を使う機器の方が自分のニーズと期待にはより良く応えるであろう。こんなことは iOS 12 が HomePod 用にお目見えする前からそうであり、今日でも事情は変わらない。
Do Not Disturb While Driving (運転中の通知を停止) 機能はあなたが車を運転中に DND 機能を享受できるもので、運転中か否かの判定は車載 Bluetooth システムへの接続を通じて、あるいは動きを検出することによって行なわれる。(2017 年 8 月 21 日の記事“iOS 11 で Do Not Disturb While Driving 登場”参照。) また、届いたテキストメッセージに対しては Do Not Disturb While Driving 機能が自動的に返信して、あなたが自動車の中にいることを相手に知らせ、新たなメッセージとして「緊急」と送れば元のメッセージが届くようになっていることも知らせる。
DND 機能の根本的な問題点の一つは、従来のバージョンの iOS では手動で呼び出した DND セッションが適切な時刻に終了してくれなかったことだ。例えば DND を 11 PM から 8 AM までと夜間にスケジュール設定しておいた場合、真っ昼間に手動で DND セッションを呼び出せば、翌朝の 8 AM まで自動的に終了することはなかった。かかりつけの医院に 10 AM の予約があって、医院を出た後に DND をオフにするのを忘れていれば、電話も通知も翌朝まで一切届かなくなってしまう! DND のスケジュール設定を何もしていない場合はさらに悲惨で、手動で呼び出した DND セッションがいつ終了するのかはインターフェイスを見ただけではさっぱり分からない。
けれども iOS 12 では、Control Center で三日月アイコンをポンとタップするだけで DND を手動でオンにできることは従来と変わっていないし、セッションは従来のバージョンの iOS におけるものと全く同じに動作し、スケジュール設定があればその終了時刻に DND が自動的にオフに切り替わることも従来と同じだが、一つだけ大きな改善点がある。それは、Control Center の DND ボタン (三日月アイコン) を感圧タッチまたは長押しすれば、DND カードが開いてさらなるオプションが提供されることだ。
ここには5つの選択肢がある:
For 1 hour: 最初の選択肢が最も単純で、一時間だけ DND に電話や通知を止めさせて、一時間が経てば自動的に DND をオフにする。しばらくの間だけ静かで平和なひとときを過ごしたい、でもわざわざ手間を掛けて DND をオフに戻す方法なんて考えたくもない、というような状況で使える。
Until this evening/Until tomorrow morning: 二つ目の選択肢は時刻に応じて切り替わる。日中にこれを呼び出せば、電話や通知を 7 PM まで黙らせる。夜間にこれを呼び出せば、7 AM まで iPhone を静かにさせる。DND が有効になっている時間が勝手に決められてしまうという考え方に馴染めない人も多いだろうから、この選択肢はあまり人気を得ないのではないかと私は思う。
Until I leave this location: この選択肢は、特定の場所にいることに関係して DND を呼び出し、その場所を離れれば DND が不要になるような状況で使える。例えば映画館、劇場、病院などだ。
Until the end of the next event: カレンダーにあるイベントの最中に DND をオンにする場合、この四つ目の選択肢が現われる。これを選択すれば、そのイベントの終了時刻に DND が自動的にオフになる。オフになる時刻がはっきりしていることが魅力だ。予定時刻に会議が終われば、即座に通知を受け取れるようになる。
Schedule: このボタンをタップすれば Settings > Do Not Disturb が開く。
iOS 12 になってもまだ Settings > Do Not Disturb で複数個のスケジュール設定をすることはできないけれども、追加されたオプションを利用すれば実質的にそれに相当することは可能だ。例えば、息子と同様の状況にある高校生が平日の 9 AM から 3 PM まで "School Hours" というイベントを作っておき、平日のみのリマインダーで 8:55 AM に DND をオンに切り替え、"Until the end of the next event" オプションを選んで下校時刻に DND が自動的にオフになるようにしておけばよい。もう一つの "Until I leave this location" オプションの方も使えるかもしれないが、こちらはその "this location" の位置情報がどの程度の精度で認識されるかにもよるだろう。
私にとっては、このオプションはあまり意味がない。私の場合、夜中に時刻を知る必要があればベッド脇のテーブルに置いてある Apple Watch をタップして一時的に時刻を表示させるだけだし、Apple Watch を手に入れるより前にも夜中に通知を読むために iPhone を使った記憶はないからだ。それでも、この Bedtime 機能は歓迎すべきものだし、私としては Apple が iOS デバイスを私たちの日々の生活の中にもっと溶け込ませ、やたらに注目を求めたりはしないものとすることを目指して努力してくれているのを嬉しく思う。
さて、Apple の説明テキストの最後の一文に戻ろう。「また、Clock app のアラームで Do Not Disturb を設定することもできます」とある。これには少々混乱してしまうし、私の知る限り、正確に言えば事実と違う。まず、Clock アプリの標準アラームに付属した DND オプションは存在しない。これはとても残念なことだ。タイマーに "Stop Playing" オプションがあるのだから、同じようにアラームに "Disable Do Not Disturb" オプションがあれば便利なのに。
まず大きく変わったのは、Reading Now 画面だ。Books アプリを開くと、最初にこれが見える。ここにはあなたが最近読んだ本が示され、たっぷり場所を取りつつ大きな表紙が並び、左右方向にスクロールするようになっている。大きく表示されているので、署名や著者名もはっきり読める! リストの左端にはあなたの「現在の」本が示される。これは、あなたが最も最近に読んだ本で、あなたが最後に読んでいたページが開いている。iPad 上ではこの画像が十分大きく表示されるのでテキストさえ読めるほどだ。
Reading Now リストに表示された個々の本ごとに、あなたがどこまで読んだかを示すパーセンテージと、その本に適用できるコマンドのメニューを提供する More (...) ボタンが示される。
この More メニューからは、本を削除したり、本を改名したり、読みたい本のリストに追加したり、コレクションに追加したり、読み終えたとマーク付けしたり、他の人と共有したりできる。注意したいのは、共有の際にはその本のタイトルと著者名と、可能な場合には Apple のオンライン Book Store の中のリンクとが共有されるのであって、その本自体が共有されるのではないことだ。
この Reading Now 画面にはその他にもいくつか左右方向にスクロールするリストがある:
Want To Read: 初めて Books アプリを開くと、このリストが表示されるかもしれない。そこにはあなたが読みたいだろうと Apple が考える本が、あらかじめ並べられている。判断基準はあなたの過去の読書・購入の履歴だ。(私が「かもしれない」と言ったのは、私が使うとそうなったという意味だ。Adam Engst の場合は、手動で本を追加するまでそのリストは表示されなかったという。) 時の経過とともに、あなたが Want To Read コマンドを使うにつれて、このリストには Apple の当初の提案に代わってあなたが追加した本が並ぶようになる。
For You: このリストにはあなたの読書・購入の履歴に基づいて推薦される本が並ぶ。Want To Read とは違って、あなたがこのリストに本を追加することはできない。すべて Apple Books があなたのために選んだものだ。
Featured Books: このリストの名前は変化する。ここには Apple が同社の Book Store で宣伝している本が表示される。この記事の執筆時点で、リストの名前は "Read It Before You Watch It" となっていて、映画化された本ばかりが並んでいる。
ライブラリとコレクション
Reading Now 画面は実用的な入り口と言えるが、あなたが大量に所蔵している個人的な蔵書の書庫を探索したいと思えば、画面の一番下にある Library をタップする。
これらの内蔵コレクションは過去と現在とで大きな違いがあり、それは歓迎すべき違いだ。Books アプリでは、一つの本が複数のコレクションに属することができる! つまり、コレクションはもはや Finder のフォルダのようには動作しない。Finder では、一つのファイルは同時に一つのフォルダにしか属することができない。新しいコレクションでは、むしろ Finder のタグのように挙動する。例えば、私は自分が執筆した著書を集めた "MEC" という名前のコレクションを持っているが、そこに属する本を他のコレクションにも、例えば "Take Control" とか "Fiction" といったようなものにも含めてよい。
この変更には、帰結が伴う。一つの本の More (...) メニューから Remove を選ぶと、それを現在表示されているコレクションから削除するのか、ダウンロードしたファイルを削除する (ライブラリにはそのまま保持し、その同じライブラリを使っている他のデバイス上でも保持する) のか、あるいはすべての場所から削除するのかを選ぶことができる。改訂されたこの新しい機能は、改善されたメッセージングと共に、歓迎すべき点だ。
一つ注意点がある。移行期間の最中、あるデバイスは iOS 11 か macOS 10.13 High Sierra を走らせていて、別のデバイスは iOS 12 か 10.14 Mojave を走らせているということが起こる可能性が高いだろう。あなたが Apple Books の中でコレクションに施した変更は、その本をライブラリから完全に削除するという操作のみを除いて、iBooks には反映されない。また、iBooks でコレクションに施した変更は、Apple Books には反映されない。親切なアラートと通知が、このことを知らせてくれる。
Book Store と検索
現在のところ、どうやら Apple Books はあなたが本を購入できる店舗を一つでなく二つ、提供しているようだ。つまり、Book Store と Audiobooks だ。いや、ひょっとするとこれらは同じ店舗の二つの異なる入り口に過ぎないのかもしれない。Books アプリのツールバーにはこの二つがそれぞれ独自のボタンを持っているのだが、実際これらは同じサービスだからだ。いずれにしても、Apple は今回同社の書籍販売サービスのデザインを改訂して、同社の音楽ストアやアプリストアとマッチするものにし、お馴染みの New & Trending、Top Charts その他のセクションをメイン画面上に含めた。この画面には For You セクションもあり、これは Reading Now 画面上の For You セクションと似ている。加えてメイン画面上には Browse Sections メニューもあるので、さまざまの本のジャンルや、その他の特別のリストへも、素早くアクセスできる。
新しい Book Store は、Books が提供する標準の Want To Read コレクションとも統合される。ストアの中で一つの本の項目をタップすると、その本をあなたの Want To Read コレクションに追加する選択肢が示される。
Books アプリの Search 枠はもはや画面の上端の外に隠れていて下へスワイプしなければ見えるようにならないということはない。その代わりに画面の一番下にある Search アイコンをタップすれば呼び出される。従来と同様、検索語句をあなたがタイプするに応じて Books アプリがあなたのライブラリの中でマッチする本を表示するが、今回新しく加わった機能はいくつかの候補を表示しあなたがその一つをタップすればマッチする本を見つけ出せることで、これは Music アプリの検索機能と同様の動作だ。
Apple が macOS 10.12.6 Sierra 用と 10.13.6 High Sierra 用に Safari 12 をリリースして、新リリースの 10.14 Mojave に含まれる Safari 12 と同じ新機能と内部的な変更を加えた。Apple のウェブブラウザの今回の新バージョンでは、タブ上にウェブサイトのアイコンを表示する機能を追加し、特定のウェブサイトでポップアップをブロックしたり許したりする機能に対応し、アカウント作成やパスワード変更の際に強力でユニークなパスワードを自動的に提案する機能を装備した。
また、Safari 12 では機能拡張とやり取りする方法に関して大きな変更が施された。今回から、ブラウジングのパフォーマンスに悪影響を与える Safari 機能拡張が自動的に無効とされ、また開発者による署名のみで Apple の審査を受けていない機能拡張や、大多数の NPAPI プラグインには、もはや対応しなくなった。Eclectic Light Company の Howard Oakley が、これらの変更点に関して詳しく論じている。Safari 機能拡張に依存して使っている人のために、Jason Snell が無効となった機能拡張を走らせるための回避策を紹介している。