Thoughtful, detailed coverage of everything Apple for 28 years
前週号 | 日本語版ホーム | 次週号

#1435: iOS 12 の Do Not Disturb 機能と Apple Books、iOS 12 の新しい HomePod 機能、easyDNS が TidBITS スポンサーに

iOS 12 が世に出てから一週間ほど経ったので、私たちの立場からこの Apple の最新のモバイルオペレーティングシステムを深く探求する作業を始めているところだ。もしもあなたが Do Not Disturb モードをオンにしたままオフに戻すのを忘れていてひどい目にあったことがあるなら、iOS 12 の新しい Do Not Disturb 実装を気に入るかもしれない。また、iBooks を使って電子ブックを読んだりオーディオブックを聴いたりしている人には、iOS 12 で新しくなった Apple Books を Michael Cohen が詳しく調べているので参考にして頂きたい。Adam Engst は HomePod 用の iOS 12 アップデートを調べて、Siri を使って HomePod から電話をかけたり、名前の付いたタイマーを複数個使い分けたり、どこへ行ったか分からなくなった Apple デバイスを見つけたりといったことをする方法を説明する。最後にもう一つ大切なお知らせとして、カナダのインターネット会社 easyDNS を最新の TidBITS 長期スポンサーとして心から歓迎したい。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、< 深く息を吸って...> Pages 7.2, Numbers 5.2, Keynote 8.2、BBEdit 12.1.6、Pixelmator 3.7.5、Safari 12、Default Folder X 5.3、Carbon Copy Cloner 5.1.5、Mellel 4.1.3、Tinderbox 7.5.6、KeyCue 9.1、PopChar X 8.4、Typinator 7.7、Simon 4.3、Nisus Writer Pro 2.1.9、SpamSieve 2.9.33、Evernote 7.5 だ。<ふう、息を整えよう...> そうそう、Apple がついさっき macOS 10.14 Mojave とかいうものを出したみたいだが、それについては次回にしよう。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

easyDNS が TidBITS スポンサーに

私たちの最新の TidBITS 長期スポンサーとして easyDNS を心から歓迎したい。easyDNS はカナダの DNS 登録およびホスティング会社で、私たち TidBITS は 15 年間以上にわたってこのサービスに依存してきた。1998 年に生まれたこの会社は、当初はその当時 Network Solutions が提供していたゾッとするような DNS サービスに対する反応としてスタートしたが、その後 DNS 以外にもいくつかのサービスに手を広げつつ、いつも変わらず高速で、信頼でき、しっかりサポートされたサービスを提供することに目を配り続けてきた。

(厳密に言えば、私たちは現在キャッシング機能を利用したいために DNS には Cloudflare を使っているが、それと併せて easyDNS にもすべての DNS 変更点をミラーしているので、必要となればいつでもすぐに easyDNS に切り替えて戻すことができる。)

現在は、easyDNS の DNS プランは easyMaileasyOutbound SMTP サービスを含んでいる。easyMail はホストされた IMAP サービスで、IMAP アカウントと、メール転送機能、バックアップのメールスプールとバックアップ MX 記録、SMTP ポートフォワーディング、送信側 SMTP を提供する。そして、もしもあなたの ISP がメール送信用の port 25 をブロックしていた場合には、その代わりに easyOutbound SMTP サービスがすべてのメールを easyDNS を通じて送信するようにする。それぞれについて、何個のメールボックスを使用するか、一日あたり何通までのメール送信に料金を払えるかを設定できる。

私たちがインターネット基盤構造を切り替えて従来 Linode で使っていた仮想プライベートサーバを使うのを止めた時に、私たちは SMTP サーバを失った。私たちユーザーはそれぞれ他の電子メールサービスにアカウントを持っていたので、すべての tidbits.com アドレスはそれぞれ別のところへ転送されるようになった。easyMail の転送機能と送信側 SMTP 機能があるので、私たちは電子メール処理のすべてを easyDNS にアウトソーシングすることができた。どんな電子メールサーバにも信じられない量のスパムメールが届くので、私たちの電子メールを専門家たちに世話してもらえるようになって私は大いに肩の荷が下りたし、5 ヵ月前にこの移行をして以来大きな問題は経験していない。

easyDNS はウェブホスティングの世界にも進出して、easyWebeasyPress を提供した。easyWeb は cPanel 駆動のホスティングで、300 以上のウェブアプリと、それらを管理するインターフェイスを提供する。自前で独自に仮想サーバを運営することと、easyPress との間に位置する、これは良い折衷策と言える。easyPress の方は管理された WordPress サービスだ。easyDNS は TidBITS 読者に対して 2 ヵ月の無料 easyWeb ホスティングを提供しているし、私としては今後 easyDNS から広告バナーを通じてさらなる提供の知らせが届くことに皆さんが目を配って下さればと思っている。

あといくつか、easyDNS について知っておくべき点を紹介しておこう:

だから、もしもあなたがドメイン登録とホスティング、電子メールサービス、ウェブホスティングなどができるところを探しているのなら、easyDNS を試してみることをお勧めしたい。私は長年にわたりたくさんのインターネット会社を使って仕事してきたが、easyDNS ほど長く付き合ってきた会社は他にない。

討論に参加

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple、iOS 12 で HomePod をアップデート、電話通話、複数タイマー等々に対応

iOS 12, watchOS 5, そして tvOS 12 と共に、Apple は HomePod 用のメジャーなソフトウェアアップデートを 17 September 2018 にリリースした。このアップデートは、やはり "iOS 12" と呼ばれていて少々紛らわしいが、最初に自分で手動でインストールしようとしない限り、デフォルトでは、いずれ自らインストールすることとなる。このアップデートを避けたり、遅らせたりすべき理由は何もない - 私が知る限り、悪い知らせは何もない。

iOS (または macOS 10.14 Mojave) の Home アプリは、アップデートが入手可となっていることを教えてくれ、そして Details リンクをタップするとそれを見せてくれるが、手動で見に行くことも出来る。Home アプリで、左上隅の家形のボタンをタップし、そして Speakers の下で、Software Update をタップする。そこに至る過程は違っても、最終画面で Install をタップする。1.5 GB はダウンロードとしては大きいが、インスタレーションにはそれ程時間はかからなかった。

Installing iOS 12 on the HomePod via the Home app

では、HomePod 上の iOS 12 には何が入っているのか? Apple は4つの主たる機能と、2つの小さな改善に触れている。

電話をかける、相手を認識する、そして受ける

私の考えでは、HomePod 用の iOS 12 の一番の目玉機能は、新たに追加された HomePod 上で、直接電話をかけたり、受けたり出来る機能である。また、誰からの電話かを Siri に聞くことも出来る。これ迄は、電話をかけたり受けたりするのは iPhone で、それから、オーディオボタンをタップし、オーディオ出力機器のリストから HomePod をタップして HomePod に転送することしか出来なかった。HomePod は素晴らしいスピーカーフォンとなり得るので、"Hey Siri, 母に電話して" と言えるのは何物にも代え難い (とりわけ、夕食の準備をしていて手を離せない時など)。好みが FaceTime を通しての通話ならば、"Hey Siri, 母に FaceTime Audio して" と頼むことも出来る。

幾つか試してみての結果では、HomePod 上の Siri は iPhone 上のものよりも働きは悪かった。一例として、私は Siri に NYSEG Power Outage に電話するよう頼んでみた。因みに、これは停電を報告するために使う会社だけの連絡先である。私の iPhone 上の Siri はこの番号を見つけ出し電話をかけるのになんら問題はなかったが、HomePod 上の Siri はこの連絡先を見つけられず、Siri が "NYSEG" を発音する様に私が言い方を変えるまで出来なかった。

幸いにして、HomePod は他のもっと発音しやすい名前には良く反応したし、Siri はまた、正しい人を選択したかを再確認もしてくる。必要ならば、電話をかけるのは iPhone からにして Audio ボタン経由で転送すれば良い。.

iPhone に電話がかかってきた時、それはもちろん鳴るが、HomePod は反応しない。電話がかかってきた時に、"Hey Siri, 誰からの電話?" と聞くかどうかは、あなた次第である。もしかけ手が Contacts に載っていれば、HomePod はその名前を言い、電話を受けるかどうか聞いてくる。これは会話なので、ただ単に "Yes" か "No" と答えれば良く、改めて Siri を呼び出す必要はない。かけ手が Contacts に無い場合にどうなるかは分からない;アップデートした後、未知の番号からかかってきた電話を受けたことがないからである。

電話を受けたい場合、HomePod は直ちにそれを開始する。しかしながら、"No" と言った場合は、呼び出し音は他の機器上で引き続き鳴り続ける - どうも、HomePod 上の Siri に受信拒否する術はない様に見える。

Siri を使って誰が電話をかけてきたのか調べる迄もなく受けると決めた場合 (iPhone や Apple Watch に目をやって先方が誰か分かっていた場合とか)、"Hey Siri, 電話に出て" と言えば良い。そして、通話が終了したら、HomePod の頂上のボタンをタップするか、"Hey Siri, 電話を切って" と言えば良い。

複数の名前付きのタイマーを設定する

日常的に料理をする人は、タイマーが鍵であることを知っているが、Siri を使って iOS 機器、Apple Watch、そして今や HomePod で設定出来ることで、夕食を焦がしてしまうのを避けられるかもしれない。iOS 12 で、HomePod は複数のタイマーを設定する能力を得た。これは iPhone や Apple Watch では出来ないことである。更に良いことに、これらのタイマーには命令に合わせて名前も付けられ、"Hey Siri, クッキータイマーを8分に設定して" の様に出来る。

タイマーが終了すると、HomePod はそのタイマー音を鳴らし、そして "クッキータイマー" と叫び続ける。終わらせるには "Hey Siri, ストップ" と言うか、頂点のボタンをタップする。別の表現をすれば、この機能はまさにそれがなすべきように、そして期待通りに動作する。Apple は同じことを iPhone や Apple Watch でも出来る様にする必要がある。

iOS 機器を見つける

HomePods は基本的にあまり場所を変えたりしないので、iOS 12 登場でそれは近くにある機器を探す信頼出来る情報源となり得る:対象は iPhone, iPad, iPod touch, Apple Watch, 或いは Mac で、AirPods は対象外となる。ただ単に "Hey Siri, 私の Apple Watch は何処?" とか "Hey Siri, 私の iPad を鳴らして" とか言えばよい。

この機能は Find My iPhone アプリに現れる全ての機器で、Family Sharing メンバーからのものも含んで、働きそうに思えるが、私のテストでは、HomePod は繰り返し家の中にある Tonya の機器のどれをも見つけられなかった。思うに、この機能は現時点では、HomePod を制御する Apple ID に属する機器に限定されているのかもしれない。

機器が近くにあれば、Siri はその様に言い、そしてその場所がわかるように自動的にピング音を鳴らす。(例外:iPhone の場合、Siri は近くにあるとは言うが、音を鳴らしたいか確認してくる。) 機器が家の中にない場合、Siri は icloud.com か、或いは Find My iPhone アプリを使うよう言ってくる。

歌詞で曲を探す

Apple は、iOS 12 Music アプリの歌詞から曲を探す能力、そしてそれを iOS の中の、そして HomePod 上の Siri 経由で呼び出せるという事実の両方を大事にしてきた。これはまあまあ働く - もし頭の中で歌詞が浮かんでくるが、どの曲からのものか分からないならば、こんな感じで聞くことは出来る、"Hey Siri, こんな歌詞を含んだ曲は何だっけ、"Ground control to Major Tom"? (この機能は、歌詞が英語のものに限られる。)

残念ながら、私のテストでの正解率はそこそこでしかなかった。Siri が正常に動作する時もあったが、すぐに3つの種類のエラーに直面した。それぞれの場合で、私は別に iOS 12 が走る iPhone X でもテストしてみた。

私は、HomePod と iPhone の間でこれ程の違いが出ることに驚いた。私はまたこれらの検索を Mac を使って、macOS 10.13 High Sierra でやってみたら HomePod と同様で、10.14 Mojave では、繰り返し見つけられないか、毎回完全に間違った曲を見つけ出した。iPhone でも Mac でも、Siri インターフェースにはどう認識したかが示されるので、私の入力は毎回同じだったことを確認するのは簡単だったし、HomePod 上でも同じ様であったろうと思われる。では、出力の違いは何処からくるのか?

この話の教訓は、HomePod 上での歌詞検索は、働く時もあれば、働かない時もあり、より良い結果を望むなら、iPhone 上の Siri を使うか、或いは iPhone 又は iPad 上の Music アプリに言葉をタイプ入力した方が良い。

ネットワーク名を見る

もし使える Wi-Fi ネットワークが複数あって、そして HomePod で問題があるのであれば、その HomePod が使っているネットワークがどれかを調べてみた方が良い。これをやる隠れた方法は、iPhone 上の Home アプリを開いて、HomePod のアイコンを強くタッチし、Settings をタップ、一番下までスクロールし、Wi-Fi Address ラインをタップしそれを Wi-Fi Network に変えると、現在のネットワーク名が表示される。

The Wi-Fi Network Name location in HomePod Settings in iOS 12

違う言語で Calendar を使う

Apple は、そのリリースノートにある "Calendar は全ての言語に対応" が、何を意味するのか厳密には説明していないが、もし HomePod 設定で個人リクエストを有効にしているならば、恐らく Siri にあなたの好きな言語で (サポートされているならば)、カレンダーを調べたり、新しい会議を作成したり、そして会議の場所はどこかを告げるようにさせられるはずである。

HomePod 上の iOS 12 は何かを変えたか?

全体的に言えば、HomePod 上の iOS 12 は歓迎すべきアップデートであり、とりわけ、HomePod をもっと優れたスピーカーフォンに、そしてキッチンタイマーに変えるやり方は歓迎出来る。置き忘れた機器を鳴らす能力もまた利用価値がありそうである。とりわけ、ポケットのない洋服を好み、家に居る時には場所を問わず iPhone を置きっ放しにする人達にとってはそうであろう。歌詞で検索するのは嬉しい機能のように見えるが、私の記憶と見合う程度にまで Siri の能力が役に立つというのは想像しがたい。もちろん、人によって利用価値は違うかもしれない。

Alexa や Google Home を使うスマートスピーカーではなく、HomePod を買うという決定に iOS 12 アップデートはどの様に影響するであろうか? 私としてはそれほど大きな違いを生むとは考えにくい。Apple がエコシステムを武器に使おうとしているのは明らかであろう - もし Apple の機器やサービスで揃えているのであれば、HomePod で全く問題はないであろう。Amazon と Google も同じことをしているので、もし Android や Windows のユーザーであるならば、Alexa や Google Assistant を使う機器の方が自分のニーズと期待にはより良く応えるであろう。こんなことは iOS 12 が HomePod 用にお目見えする前からそうであり、今日でも事情は変わらない。

HomePod をお持ちですか? もしそうなら、それを何のためにお使いですか? 我々の短い3つの質問調査にご協力を。

討論に参加

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

iOS 12 の内側: DND (おやすみモード) 機能が自動オフを身に付ける

Apple が Do Not Disturb (DND、おやすみモード) の機能を拡張したことは、iOS 12 における最も歓迎すべき変更の一つだ。その大きな理由は、iOS 6 でデビューした DND の機能が今回の変更のお陰でようやく、非常に多くの人々が当初からずっと望み続けてきた形で働くようになったからだ。主たる改善点は二つある。手動で呼び出した DND セッションを自動的に終了させる機能と、朝になってあなたが目覚めるまで通知を保留する Bedtime モードだ。

まずは思い出しておこう。DND とは、あなたの iOS デバイスがロックされている間 (ロックと無関係に常時とするオプションもある) かかってきた電話や、アラートや、通知を黙らせておく機能だ。ただし、Clock アプリでセットしたアラームやタイマーは、DND が機能している間も通常通り働く。特定の人たちからかかって来た電話のみ DND の沈黙円錐域を突き破る設定にしておくこともでき、また Repeated Calls スイッチを入れておけば誰でも 3 分以内に続けてもう一度電話をかければ通じるようにできる。

Do Not Disturb While Driving (運転中の通知を停止) 機能はあなたが車を運転中に DND 機能を享受できるもので、運転中か否かの判定は車載 Bluetooth システムへの接続を通じて、あるいは動きを検出することによって行なわれる。(2017 年 8 月 21 日の記事“iOS 11 で Do Not Disturb While Driving 登場”参照。) また、届いたテキストメッセージに対しては Do Not Disturb While Driving 機能が自動的に返信して、あなたが自動車の中にいることを相手に知らせ、新たなメッセージとして「緊急」と送れば元のメッセージが届くようになっていることも知らせる。

以上のような DND の機能はすべて、今回何も変わっていない。では今回何が変わったのかを見て行こう。

DND セッションの自動終了

DND 機能の根本的な問題点の一つは、従来のバージョンの iOS では手動で呼び出した DND セッションが適切な時刻に終了してくれなかったことだ。例えば DND を 11 PM から 8 AM までと夜間にスケジュール設定しておいた場合、真っ昼間に手動で DND セッションを呼び出せば、翌朝の 8 AM まで自動的に終了することはなかった。かかりつけの医院に 10 AM の予約があって、医院を出た後に DND をオフにするのを忘れていれば、電話も通知も翌朝まで一切届かなくなってしまう! DND のスケジュール設定を何もしていない場合はさらに悲惨で、手動で呼び出した DND セッションがいつ終了するのかはインターフェイスを見ただけではさっぱり分からない。

けれども iOS 12 では、Control Center で三日月アイコンをポンとタップするだけで DND を手動でオンにできることは従来と変わっていないし、セッションは従来のバージョンの iOS におけるものと全く同じに動作し、スケジュール設定があればその終了時刻に DND が自動的にオフに切り替わることも従来と同じだが、一つだけ大きな改善点がある。それは、Control Center の DND ボタン (三日月アイコン) を感圧タッチまたは長押しすれば、DND カードが開いてさらなるオプションが提供されることだ。

Do Not Disturb in iOS 12.

ここには5つの選択肢がある:

最初の四つの選択肢のうちからどれを選んでも、iOS 12 は Lock 画面上に通知を出して DND が自動的にオフになる時刻を表示する。この Lock 画面上の通知をタップすれば、DND がオフに切り替わる。

DND notifications in iOS 12.

私たちの息子 Tristan が高校生だった頃、彼は DND で一つだけしかスケジュール設定ができないことに散々文句を言っていた。友だちからテキストメッセージが届いて起こされることがないように、彼は夜間 iPhone を静かにさせていた。もっともなことだ。でも、彼はもう一つのスケジュール設定で学校の授業時間中にも通知を黙らせたいと思っていた。授業中に iPhone が音を立てては困るからだ。

iOS 12 になってもまだ Settings > Do Not Disturb で複数個のスケジュール設定をすることはできないけれども、追加されたオプションを利用すれば実質的にそれに相当することは可能だ。例えば、息子と同様の状況にある高校生が平日の 9 AM から 3 PM まで "School Hours" というイベントを作っておき、平日のみのリマインダーで 8:55 AM に DND をオンに切り替え、"Until the end of the next event" オプションを選んで下校時刻に DND が自動的にオフになるようにしておけばよい。もう一つの "Until I leave this location" オプションの方も使えるかもしれないが、こちらはその "this location" の位置情報がどの程度の精度で認識されるかにもよるだろう。

けれども、本当の意味で第二の DND スケジュールが欲しい人には、そのような回避策は必要ない。代わりに、iOS 12 におけるもう一つの DND の新機能、Bedtime が使える。

Do Not Disturb During Bedtime オプション

iOS 12 では Settings > Do Not Disturb に新しい Bedtime スイッチが加わる。このスイッチは、Clock アプリの Bedtime 機能 (就寝時刻と起床時刻を一定にすることで睡眠管理をすることを狙った機能) と関係があるのではないかという気がするだろう。けれども私の知る限り、両者は互いに独立のようだ。この記事を書くより前は、私は Clock アプリで Bedtime を有効にしたことが一度もなかったが、DND の Bedtime 機能は何の問題もなく働いていた。

Do Not Disturb During Bedtime

この Bedtime スイッチの下に、次のようなかなり詳しい説明が書かれている:

ベッドタイムを有効にすると、ロック画面が暗くなり、着信音が消音にされ、おやすみモードが終了するまで通知は通知センターの「ベッドタイムの間」に表示されます。また、時計アプリのアラームでおやすみモードを設定することもできます。

Bedtime モードの背後にある考え方は、夜中に今何時か知りたくて iPhone の画面をチラッと見る際のインパクトを減らそうというものだ。画面を暗くし、Lock 画面を壁紙でなく真っ黒にすることで、あなたの目に与える衝撃を減らすことができ、通知を画面に表示せず Notification Center のみに送ることで、夜中に iPhone を使ったために眠れなくなる事態を避けることができる。

手動で呼び出した DND セッションと同様に、Lock 画面上に出ている通知をタップするだけで DND がオフに切り替わる。あなたが早起きして、通知や通話をすぐに再開させたいと思った場合に便利だ。

私にとっては、このオプションはあまり意味がない。私の場合、夜中に時刻を知る必要があればベッド脇のテーブルに置いてある Apple Watch をタップして一時的に時刻を表示させるだけだし、Apple Watch を手に入れるより前にも夜中に通知を読むために iPhone を使った記憶はないからだ。それでも、この Bedtime 機能は歓迎すべきものだし、私としては Apple が iOS デバイスを私たちの日々の生活の中にもっと溶け込ませ、やたらに注目を求めたりはしないものとすることを目指して努力してくれているのを嬉しく思う。

さて、Apple の説明テキストの最後の一文に戻ろう。「また、Clock app のアラームで Do Not Disturb を設定することもできます」とある。これには少々混乱してしまうし、私の知る限り、正確に言えば事実と違う。まず、Clock アプリの標準アラームに付属した DND オプションは存在しない。これはとても残念なことだ。タイマーに "Stop Playing" オプションがあるのだから、同じようにアラームに "Disable Do Not Disturb" オプションがあれば便利なのに。

けれども、その文章の中にある "Clock app" リンクをタップすると、Clock アプリの Bedtime 画面が開く。そして、もし Bedtime が設定されていれば、Bedtime オプション画面に Do Not Disturb During Bedtime というスイッチが現われる。(2016 年 10 月 7 日の記事“iOS 10 で Bedtime Timer を使う”参照。) そして実際、このスイッチをオンにすると、DND はこの Bedtime スケジュールに従っても働く。DND 自体のスケジュールで働くのと全く同様に。

The iOS Bedtime timer.

こうして、複数個の DND スケジュールが欲しいという望みに対して、少しだけ弱いながらも答が提供される。私の息子 Tristan の状況に当てはめて言えば、学校の授業時間中にも DND を有効にするために Clock アプリの Bedtime スケジュールを 9 AM から 3 PM までに設定し、DND 自体のスケジュール設定は 11 PM から 7 AM までとしておけば、授業時間中にも夜中にも通話や通知を黙らせることができる。(夜寝ている時間の方に Bedtime を使うのは彼には向かない。宿題が終わらなければベッドに入れず、夜中の 3 AM まで起きていることもあったし、週末の睡眠スケジュールたるや、驚くには当たらないが、平日とは全く違うものだったからだ。)

以上で説明は終わりだ。iOS 12 では、Do Not Disturb に新しく自動オフのための機能がいくつか追加され、またベッドの脇で iPhone が嫌われ者の挙動を示すことがないようにする試みがなされた。

さて、あなたは Do Not Disturb をどのように使っていますか? そもそもこの機能を使っていますか? TidBITS では現在5問から成る簡単なアンケート調査を実行中なのでご協力頂きたい。

討論に参加

Michael E. Cohen  訳: Mark Nagata   

iOS 12 の内側: "Books" の名前から "i" が消えた

世間一般の通念からすると、数年前に Apple が Department of Justice (司法省) の電子ブック価格操作訴訟に不名誉な敗北を喫して以来、Apple が電子ブックビジネスへのやる気をなくして同社の iBooks 部門を廃れるままに放置しても無理はないのだろう。(2013 年 7 月 10 日の記事“Apple の電子ブック価格操作訴訟を解説”参照。) しかしながら、その通念は必ずしも正しいとは言えない。Apple は、その性格そのままに、あの DOJ への敗北以後も数回にわたって同社の電子ブック読書用アプリに少しずつ改善を加えてきた。そうは言っても、iBooks アプリは Apple が iOS 7 の初期の時代に異素材模倣の木製の本棚のデザインを捨て去って以来、その見栄えをほとんど全く変えずにそのまま保ってきた。(2018 年 6 月 10 日の記事“Apple、全面的に再設計された iOS 7 を披露”参照。)

けれども、今回はそれが変わった。実際、"iBooks" というものはもうない。iOS 12 において、Apple はこのアプリの名前を "Apple Books" に変えた。少なくとも内部的にはそう呼ばれているのだが、アプリのアイコンは単に Books と呼ばれる。名前が変わるとともに、見栄えも新しくなった。ただし見栄えが変わったのは、あなたの目に触れている時間が最も少ない部分のみだ。

具体的に説明しよう。いったん本を開いて実際にそれを読み始めれば、新しい Books アプリの見栄えも動作も、従来のアプリと何ら変わるところがない。ページのレイアウトも全く同じに見える。本の表示に使用できる書体の選択肢も以前と同じだ。本をスクロールしたり、本の中で検索したり、本をマークアップしたり、さらにはページをめくる動作さえ (このアプリの異素材模倣的なページめくりのアニメーションも含めて) iOS 12 に至る長い旅路を変わらず生き存えてきた。これは、賢いことだ。電子ブックアプリの中で私たちの大多数は読書をして時間を過ごすのであって、ベルがリンリン、笛の音がピーピーという派手派手しい新奇な読書インターフェイスで気を散らされたい人など、まずいないだろうから。

今回変わったのは、あなたの電子ブックがある場所と、あなたが電子ブックを入手するストアとの間の、仮想の空間だ。

Reading Now 画面

まず大きく変わったのは、Reading Now 画面だ。Books アプリを開くと、最初にこれが見える。ここにはあなたが最近読んだ本が示され、たっぷり場所を取りつつ大きな表紙が並び、左右方向にスクロールするようになっている。大きく表示されているので、署名や著者名もはっきり読める! リストの左端にはあなたの「現在の」本が示される。これは、あなたが最も最近に読んだ本で、あなたが最後に読んでいたページが開いている。iPad 上ではこの画像が十分大きく表示されるのでテキストさえ読めるほどだ。

The Apple Books Reading Now screen.
Reading Now 画面が、あなたのライブラリへの最初の入り口となる。

Reading Now リストに表示された個々の本ごとに、あなたがどこまで読んだかを示すパーセンテージと、その本に適用できるコマンドのメニューを提供する More (...) ボタンが示される。

この More メニューからは、本を削除したり、本を改名したり、読みたい本のリストに追加したり、コレクションに追加したり、読み終えたとマーク付けしたり、他の人と共有したりできる。注意したいのは、共有の際にはその本のタイトルと著者名と、可能な場合には Apple のオンライン Book Store の中のリンクとが共有されるのであって、その本自体が共有されるのではないことだ。

The More menu for a book.
読むこと以外に、その本に対してできること。

この Reading Now 画面にはその他にもいくつか左右方向にスクロールするリストがある:

ライブラリとコレクション

Reading Now 画面は実用的な入り口と言えるが、あなたが大量に所蔵している個人的な蔵書の書庫を探索したいと思えば、画面の一番下にある Library をタップする。

The Books Library screen.
あなたの本は従来と同じくライブラリの中にあるが、Library の見栄えは変わった。

この画面は、少なくとも当初の時点では、あなたの本のライブラリのすべてを表示する。EPUB も、オーディオブックも、PDF もすべてだ。本の表紙を大きなサムネイルの列として表示することも、もっと小さいサムネイルのリストとして表示することもでき、タイトル順、著者順、最近に開いた順、あるいは手で好きなように順序を変えることもできる。この画面には、従来のバージョンでは入手困難であった情報も表示される。つまり、個々のフォーマットごとに何冊の本がライブラリの中にあるかという情報だ。(現在、私は 876 冊の電子ブックと 72 冊の PDF を持っているが、オーディオブックは 1 冊しかない。)

では、あなたが考え抜いて構築してきたコレクションはどうなるのか? それもやはり、まだある。本のリストの上の方にある Collections メニューをタップしてから、表示させたいコレクションの名前をタップすればよい。あなたのコレクションは、ただ一つの例外を除いて、すべて iBooks からの移行の後もそのまま生き存えている。例外は古い "Books" コレクションだ。これは、あなたが他のコレクションに割り当てなかった EPUB をすべて集めたデフォルトのコレクションであった。その代わりに、Books アプリを最初に開いた際に、"Books" が "My Books" に改名されたというアラートが出る。この Books コレクションは新しいアプリにも残り、依然としてあなたの EPUB のデフォルトの保存場所ではあるが、ただ新しい Books コレクションにはあなたの EPUB すべてが含まれる。

実際、Apple Books には、デフォルトのコレクションが他にもいくつかある:

これらの内蔵コレクションは過去と現在とで大きな違いがあり、それは歓迎すべき違いだ。Books アプリでは、一つの本が複数のコレクションに属することができる! つまり、コレクションはもはや Finder のフォルダのようには動作しない。Finder では、一つのファイルは同時に一つのフォルダにしか属することができない。新しいコレクションでは、むしろ Finder のタグのように挙動する。例えば、私は自分が執筆した著書を集めた "MEC" という名前のコレクションを持っているが、そこに属する本を他のコレクションにも、例えば "Take Control" とか "Fiction" といったようなものにも含めてよい。

この変更には、帰結が伴う。一つの本の More (...) メニューから Remove を選ぶと、それを現在表示されているコレクションから削除するのか、ダウンロードしたファイルを削除する (ライブラリにはそのまま保持し、その同じライブラリを使っている他のデバイス上でも保持する) のか、あるいはすべての場所から削除するのかを選ぶことができる。改訂されたこの新しい機能は、改善されたメッセージングと共に、歓迎すべき点だ。

一つ注意点がある。移行期間の最中、あるデバイスは iOS 11 か macOS 10.13 High Sierra を走らせていて、別のデバイスは iOS 12 か 10.14 Mojave を走らせているということが起こる可能性が高いだろう。あなたが Apple Books の中でコレクションに施した変更は、その本をライブラリから完全に削除するという操作のみを除いて、iBooks には反映されない。また、iBooks でコレクションに施した変更は、Apple Books には反映されない。親切なアラートと通知が、このことを知らせてくれる。

A notification about book syncing.
いったんあなたのデバイスがすべてアップデートされれば、このアラートはもう出ない。

Book Store と検索

現在のところ、どうやら Apple Books はあなたが本を購入できる店舗を一つでなく二つ、提供しているようだ。つまり、Book Store と Audiobooks だ。いや、ひょっとするとこれらは同じ店舗の二つの異なる入り口に過ぎないのかもしれない。Books アプリのツールバーにはこの二つがそれぞれ独自のボタンを持っているのだが、実際これらは同じサービスだからだ。いずれにしても、Apple は今回同社の書籍販売サービスのデザインを改訂して、同社の音楽ストアやアプリストアとマッチするものにし、お馴染みの New & Trending、Top Charts その他のセクションをメイン画面上に含めた。この画面には For You セクションもあり、これは Reading Now 画面上の For You セクションと似ている。加えてメイン画面上には Browse Sections メニューもあるので、さまざまの本のジャンルや、その他の特別のリストへも、素早くアクセスできる。

新しい Book Store は、Books が提供する標準の Want To Read コレクションとも統合される。ストアの中で一つの本の項目をタップすると、その本をあなたの Want To Read コレクションに追加する選択肢が示される。

A Book Store panel showing the Want To Read button.
Apple の Book Store をブラウズしながら、考慮に加えたい本にマーク付けできる。

Books アプリの Search 枠はもはや画面の上端の外に隠れていて下へスワイプしなければ見えるようにならないということはない。その代わりに画面の一番下にある Search アイコンをタップすれば呼び出される。従来と同様、検索語句をあなたがタイプするに応じて Books アプリがあなたのライブラリの中でマッチする本を表示するが、今回新しく加わった機能はいくつかの候補を表示しあなたがその一つをタップすればマッチする本を見つけ出せることで、これは Music アプリの検索機能と同様の動作だ。

結論

私は読書に多くの時間を費やすが、その大部分は iBooks の中でしている。なので、Apple の電子ブック読書用アプリがメジャーな改訂を受けると聞いてかなり心配になった。幸いにも、Apple は iBooks から Books への移行を見事に実行してくれたようだ。Apple は必要なところには変更を加えたけれども、そうでないところでは、Apple のエンジニアたちが見事な自制心を発揮してくれた。私は新しいライブラリ管理と検索の機能が気に入っている。とりわけ、本のコレクションに新しい柔軟性が生まれたところが素晴らしいと思う。また、私がこのアプリで最も長い時間を過ごす部分、すなわち本を読んでいる間は、Apple が私の目に見えているものを一切変更しなかったことを、とてもありがたいと思っている。

さて、あなたは iOS デバイスでどのくらい読書をしていますか? その際どのアプリを使っていますか? TidBITS では現在3問から成る簡単なアンケート調査を実行中なのでご協力頂きたい。

討論に参加

TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Pages 7.2, Numbers 5.2, and Keynote 8.2

Pages 7.2, Numbers 5.2, and Keynote 8.2

Apple が Pages 7.2, Numbers 5.2, Keynote 8.2 をリリースして、この三つ組みの iWork 生産性アプリに macOS 10.14 Mojave の Dark モードへの対応を追加した。また、これら三つのアプリのいずれも、オーディオを録音してそれを書類の中に保存する機能を追加し、Mojave の Continuity Camera (連係カメラ) 機能にも対応した。Continuity Camera とは、iPhone や iPad で写真を撮ったり書類をスキャンしたりすると、それが即座に Mac 上の書類の中に表示される機能だ。さらに、Numbers では新しいスマートカテゴリーを使ってデータを整理したり表を要約したりできるようになった。Pages、Numbers、Keynote は今回から最低限 macOS 10.13 High Sierra を必要とする。(いずれのアプリも無料。Pages は 296 MB、リリースノートNumbers は 204 MB、リリースノートKeynote は 519 MB、リリースノート。macOS 10.13+)

Pages 7.2, Numbers 5.2, and Keynote 8.2 の使用体験を話し合おう

BBEdit 12.1.6

BBEdit 12.1.6

Bare Bones Software が BBEdit 12.1.6 をリリースした。編集ウィンドウに一つだけしかない書類を他のウィンドウのサイドバーへドラッグすると起こったものなど、いくつかのクラッシュを修正した、メンテナンス・リリースだ。macOS 10.14 Mojave にアップデートするよりも前に、必ずあらかじめこの BBEdit 12.1.6 にアップデートして頂きたい。前回のバージョンの自動アップデータでは問題が起こるからだ。この古参のテキストエディタは今回、スペルチェッカーが Python docstring のコンテンツをチェックできるようになり、PHP コードの中へ画像をドロップしても正しい IMG タグが生成されなかったバグを修正し、Preview in BBEdit コマンドが見えないほどに小さなウィンドウを開いていた問題を解消している。(新規購入 $49.99、無料アップデート、13.1 MB、リリースノート、macOS 10.11.6+)

BBEdit 12.1.6 の使用体験を話し合おう

Pixelmator 3.7.5

Pixelmator 3.7.5

The Pixelmator Team が従来からある画像編集アプリ Pixelmator のバージョン 3.7.5 をリリースし、それに加えてさらにフル機能の Pixelmator Proも出した。Pixelmator 3.7.5 には詳細不明ながら将来のバージョンの macOS との互換性に備えた変更が施され、クリッピングマスクを併合すると空のレイヤーが作られてしまったバグを修正し、図形のカットとペーストが期待通りに動作するようにし、Quick Selection Tool や Gradient Tool に関係したクラッシュを解消している。期間限定で、オリジナルの Pixelmator は Mac App Store にて $14.99 (Pixelmator Pro は $29.99) でセール販売中だ。(Mac App Store から新規購入 $29.99、無料アップデート、107 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Pixelmator 3.7.5 の使用体験を話し合おう

Safari 12

Safari 12

Apple が macOS 10.12.6 Sierra 用と 10.13.6 High Sierra 用に Safari 12 をリリースして、新リリースの 10.14 Mojave に含まれる Safari 12 と同じ新機能と内部的な変更を加えた。Apple のウェブブラウザの今回の新バージョンでは、タブ上にウェブサイトのアイコンを表示する機能を追加し、特定のウェブサイトでポップアップをブロックしたり許したりする機能に対応し、アカウント作成やパスワード変更の際に強力でユニークなパスワードを自動的に提案する機能を装備した。

また、Safari 12 では機能拡張とやり取りする方法に関して大きな変更が施された。今回から、ブラウジングのパフォーマンスに悪影響を与える Safari 機能拡張が自動的に無効とされ、また開発者による署名のみで Apple の審査を受けていない機能拡張や、大多数の NPAPI プラグインには、もはや対応しなくなった。Eclectic Light Company の Howard Oakley が、これらの変更点に関して詳しく論じている。Safari 機能拡張に依存して使っている人のために、Jason Snell が無効となった機能拡張を走らせるための回避策を紹介している。

セキュリティの面では、Safari 12 は悪意のある Web サイトが Safari で自動補完されたデータを密かに抽出できる可能性のあったロジックの問題に対処し、データの削除を改善することにより履歴項目を消去してもリダイレクトチェーンを伴う履歴が消去されない場合があった問題を解消した。Safari 12 は Software Update からのみ入手できる。(無料、リリースノート、macOS 10.12.6 および 10.13.6)

Safari 12 の使用体験を話し合おう

Default Folder X 5.3

Default Folder X 5.3

St. Clair Software が Default Folder X 5.3 をリリースして、macOS 10.14 Mojave にフル対応させた。Mojave からあなたに対して、Default Folder X が Finder をコントロールする許可を与えるよう求めてくることに注意しよう。Open/Save ダイアログを拡張するこのユーティリティは、最近使ったファイルの追跡を改良して macOS の Recent Items リストが対象としないファイルも認識できるようにし、Favorites メニューに分離線を追加して区分けが見て分かりやすいようにし、項目をドラッグ&ドロップしている間も Finder のドロワが見えているようにし、Default Folder X の除外項目リストが Java アプリで働かなかったバグを修正し、また iBooks、Books、Newtek LightWave への対応を追加している。(新規購入 $34.95、TidBITS 会員には新規購入で $10、アップグレードで $5 の値引、8.6 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

Default Folder X 5.3 の使用体験を話し合おう

Carbon Copy Cloner 5.1.5

Carbon Copy Cloner 5.1.5

Bombich Software が Carbon Copy Cloner 5.1.5 (CCC) をリリースして、macOS 10.14 Mojave の下では CCC とそのヘルパーアプリに Full Disk Access を認めることを求めるプロンプトをきちんと出すようにした。このドライブクローン作成およびバックアップ用ユーティリティはまた、遠隔の Mac への接続がタイムアウトした際にこれまでより分かりやすいアドバイスを出すようにし、Dropbox の .dropbox.cache フォルダをバックアップから除外し、ランタイム上限を超えたタスクで電子メール通知が一度だけ送信されるようにし、タスクグループにタスクを追加するとそのグループが即座に走ってしまうことがあった問題を解消している。(新規購入 $39.99、無料アップデート、16.3 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

Carbon Copy Cloner 5.1.5 の使用体験を話し合おう

Mellel 4.1.3

Mellel 4.1.3

RedleX が Mellel 4.1.3 をリリースした。長文の執筆のために作られたこのワードプロセッサの、主としてバグ修正を施したメンテナンス・アップデートだ。今回のリリースでは DOCX 読み込みの際に分割禁止ハイフンとソフトハイフンへの対応を追加し、PDF 書き出しの際にヘッダやフッタの中のハイパーリンクが壊れてしまった問題を解消し、ポップオーバーが奇妙な位置に表示されたバグを修正し、注釈をオートタイトルや引用に変換した際にその注釈をテキストから削除するようにし、ハイパーリンク編集パネルの URL フィールドで編集ができなくなったバグを修正している。(RedleX からも Mac App Store からも新規購入 $59、無料アップデート、84.9 MB、リリースノート、macOS 10.6+)

Mellel 4.1.3 の使用体験を話し合おう

KeyCue 9.1

KeyCue 9.1

Ergonis が KeyCue 9.1 をリリースして、macOS 10.14 Mojave とその Dark モードとの互換性をもたらした。互換性の問題を避け、スムーズに移行できるようにするため、Ergonis は Mojave をインストールするよりも前にあらかじめ KeyCue 9.1 にアップグレードしておくことを推奨している。Mojave で走る場合、今回のアップデートは表がアップデートされないことのあったバグを回避している。

このキーボード参照シートのユーティリティはまた、Emoji 11.0 への対応を追加し、絵文字の説明にカテゴリー名を追加し (例えば "Person" や "Food" など)、空白取りが正しくなかった結果絵文字の表示位置がおかしくなったバグを修正し、KeyCue が終了できなくなった問題を解消し、カスタムテーマでメモリリークの可能性があったのを修正している。

KeyCue 9 はそれ以前のバージョンからは有料アップグレード (個人は 9.99 ユーロ、ファミリーパックは 14.99 ユーロ) だが、2017 年 10 月 1 日またはそれ以降に KeyCue のライセンスを購入した場合は無料でアップグレードできる。(新規購入 19.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、3.9 MB、 リリースノート、macOS 10.7+)

KeyCue 9.1 の使用体験を話し合おう

Tinderbox 7.5.6

Tinderbox 7.5.6

Eastgate Systems が Tinderbox 7.5.5 をリリースして、バグ修正やマイナーな調整を施した。このノート取りアシスタントおよび情報マネージャは今回、Attribute Browser カテゴリーを場所の順序で並べるようになり、複雑な書類の中で HTMLView が更新サイクルに遅れることがないようにし、ViewInBrowser を試みる際にパーセント・エンコーディングが過剰に適用されたバグを修正し、Outline 表示でハイライトされた項目がより目立ちやすくなるように調整し、菱形、ダイヤ形、六角形の中のテキストをより賢く配置するようにしている。そのリリースの後間もなく、Eastgate はバージョン 7.5.6 を出して、Map 表示でユーザーインターフェイスの修正を施した。(新規購入 $249、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、33.3 MB、7.5.5 リリースノート (フルノートはアプリ内部から読める)、macOS 10.10+)

Tinderbox 7.5.6 の使用体験を話し合おう

PopChar X 8.4

PopChar X 8.4

Ergonis Software が PopChar X 8.4 をリリースして、macOS 10.14 Mojave とその Dark モードとの互換性をもたらした。互換性の問題を避け、スムーズに移行できるようにするため、Ergonis は Mojave をインストールするよりも前にあらかじめ PopChar 8.4 にアップグレードしておくことを推奨している。Mojave で走る場合、今回のアップデートは表示が極端に遅くなった問題を修正するとともに、フォーマット付き挿入モードのボタンの上にテキストの名残りが見えていた問題を解消している。

この文字発見ユーティリティはまた、いくつかのアイコンの見え具合を改善し、図形発見ボタンが意味を成さない場合は隠すようにし、PopChar ウィンドウを移動させる際の異様なジャンプをなくし、PopChar ウィンドウがスクリーン外に移動された際に起こり得たクラッシュを修正し、起動し直してもフォントの選択を覚えているようにした。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、バージョン 8.0 からは無料アップデート、4.4 MB、リリースノート、macOS 10.6+)

PopChar X 8.4 の使用体験を話し合おう

SpamSieve 2.9.33

SpamSieve 2.9.33

C-Command Software の Michael Tsai が SpamSieve 2.9.33 をリリースして、SpamSieve を macOS 10.14 Mojave の Mail で使う際の手順を Mojave におけるセキュリティ機能の変更に応じて手引きするようにして改善した。このスパムフィルタリングユーティリティはまた、その Mail プラグインが無効化されていれば自動的にルールを無効化するようにし、Hardened Runtime への対応を追加し、SpamSieve が対応するバージョンの macOS の上ではもはや動作しない古いメールクライアント (Claris Emailer、Eudora、Outlook Express、Thunderbird 2.x) への対応を削除している。SpamSieve は今回から公式に Apple の認証を受けた。(新規購入 $30、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、13.5 MB、リリースノート、macOS 10.7+)

SpamSieve 2.9.33 の使用体験を話し合おう

Typinator 7.7

Typinator 7.7

Ergonis が Typinator 7.7 をリリースして、macOS 10.14 Mojave とその Dark モードとの互換性をもたらした。互換性の問題を避け、スムーズに移行できるようにするため、Ergonis は Mojave をインストールするよりも前にあらかじめ Typinator 7.7 にアップグレードしておくことを推奨している。Mojave で走る場合、今回のアップデートは Typinator が「アプリケーションをコントロールすること」を許されるべきアプリケーション一つ一つについてシステムが別々に許可を求めてくる不便さを回避し、このアプリのウィンドウ内のメッセージが途中で切れてしまったバグを修正し、このアプリのウィンドウの上下分割ツールの位置を正しく更新するようにしている。

このテキスト展開ツールはまた、展開フィールドで不可視文字の表示を (とりわけ埋め込まれた写真や背の高いフォントで) 改良し、ホットキーフィールドの実装を改良し、いくつかのクラッシュの可能性を解消し、入力フォームにおけるメモリ処理を改善してメモリリークの可能性を塞いだ。(新規購入 24.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、6.8 MB、 リリースノート、macOS 10.6.8+)

Typinator 7.7 の使用体験を話し合おう

Simon 4.3

Simon 4.3

Dejal Systems が Simon 4.3 をリリースした。このサーバ管理ツールへの重要なアップデートで、macOS 10.14 Mojave との互換性の問題に対処し、新しい Dark モードに対応した。今回のアップデートでは、個々のテストごとに meta refresh に従うか否かを選べるようにし、Auto-Pause のロジックを改良して丸一日働けるようにし、Filters ページの上でテストを編集すると起こったクラッシュを解消し、Port ベースのテストで Password フィールドが値を記憶しているようにし、クラッシュ報告ツール Fabric を削除して不要なデータが第三者に送られないようにし、また Context フィルターのレイアウトを改良している。2016 年 2 月以来のアップデートとなったバージョン 4.3 のリリースを祝って、Dejal は期間限定で、Simon の新規購入価格を $59 に、バージョン 3 からのアップグレード価格を $29 に、それぞれ値引き販売中だ。Simon は Setapp 講読サービスを通じても利用できる。(新規購入 $99、無料アップデート、16.3 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

Simon 4.3 の使用体験を話し合おう

Nisus Writer Pro 2.1.9

Nisus Writer Pro 2.1.9

Nisus Software が Nisus Writer Pro 2.1.9 をリリースして、トラックパッドを使っているうちに時折意図せぬズームが起こり、極めて小さなズーム倍率 (例えばたった 2% のズーム) になってしまうという苛立たしい問題を修正した。このパワフルなワードプロセッサへの今回のアップデートではまた、スクロールバー領域でのクリックの挙動 (ページ単位でスクロールするか、それともジャンプするか) がシステム環境設定におけるスクロール設定に従うようにし、Page View で脚注を編集すると起こることのあったクラッシュを解消し、表のカラムの横幅が人工的に最大 1000 point までに制限されてしまわないようにしている。(Nisus Software からも Mac App Store からも新規購入 $79、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、225 MB、リリースノート、macOS 10.8.5+)

Nisus Writer Pro 2.1.9 の使用体験を話し合おう

Evernote 7.5

Evernote 7.5

Evernote が社名と同じ名前の情報管理アプリにバージョン 7.5 をリリースして、More Options メニューをクリーンアップし、このアプリの背景カラーを最近更新されたアピアランスにマッチするものにした。今回のアップデートでは、Web 表示をロードしたり、PDF に注釈を付けたり、ノートをスペースからゴミ箱フォルダへドラッグしたり、アップデートをチェックしたりする際に起こったクラッシュを除去している。Evernote 7.5 ではまた、番号付きまたは黒丸付きのリストの中へペーストした際に画像と画像の間のリストのテキストが消えてしまったバグを修正し、表の内部のテキストに引いたアンダーラインを削除できなくなったバグを修正し、コーディング用テキストエディタからのテキストをペーストした際に正しくフォーマット付けされるようにし、共有ノートブックが Shared with Me リストに表示されない問題を解消し、ノートに施された変更 (例えば別のノートブックへの移動など) が正しく同期されるようにしている。( Evernote からも Mac App Store からも無料、51.4 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Evernote 7.5 の使用体験を話し合おう