Take Control of OS X Server の著者 Charles Edge が死去したことを、深い悲しみをもってお伝えしなければならない。彼は Mac 管理者コミュニティーの著名な一員であった。今週は Glenn Fleishman が寄稿記事で、Google の Find My Device ネットワークがいくつかの重要なプライバシー対策によって Apple の Find My ネットワークの一歩先を行っている様子を検討する。Adam Engst はオンラインのボランティア管理システム Helper Helper を調べる。数多くのイベントボランティアたちを取りまとめる必要がある団体のための、中央化されたシステムを提供するものだ。それから、AirPlay がホテルの客室で使えるようになり始めていること、Apple が公式の修理で中古部品の使用を認める決断をしたこと、海底ケーブルの維持管理をめぐる興味深い物語について、それぞれ簡潔に紹介する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは 1Password 8.10.30、Default Folder X 6.0.6、GraphicConverter 12.1.1、Microsoft Office for Mac 16.84、それに Zoom Workplace 6.0.1 だ。
これは私にはとても生々しすぎる。今朝、MacAdmins Slack 上の Rich Trouton のDer Flounder ブログ、そして Tom Bridge のサイトで、我々の友人で Take Control の著者でもある Charles Edge が 19 April 2024 に突然亡くなったというニュースが広まり始めた。彼は 40 代後半で、そして、はい、下記の彼の典型的なバイオ写真からは彼のユーモアと太々しさの感触が感じられるであろう。
私が Charles に会ったのは 2012 年に New York で開催された MacTech イベントで あったが、彼がシステム管理の話題に関する何冊もの技術書と何千というKrypted ブログ記事を書いたことはすでに知っていた。私たちは、彼が Take Control の本を書く可能性について何回かの電子メールを交換したが、Take Control of OS X Server の考えに辿り着いたのは 2014 年初頭になってからであった。
Charles の頭の中の情報量は驚くべきもので、私が彼の下書きを読んでいた時、彼は調べなど必要とせず、頭の中から全体をただ放り出しているという印象を受けた。私はそれが必ずしも正しくはないとは思っているが、Charles は一緒に仕事をしていて楽しい人間で、質問には非常に敏感で、良い編集には何時も感謝していた。彼のコンテンツを一時も早く共有するため、出版の実験の一つとして、TidBITS 会員のために彼の本全体を章毎にストリーミングした (""Take Control of OS X Server" を TidBITS でストリーミング" 12 May 2014 参照)。彼を追悼して、私はこれらの章を誰もが利用できるようにした。
Charles は Winnie-the-Pooh (クマのプーさん) の意味で正真正銘の Tiggerであり、プロジェクトからプロジェクトへと精力的に飛び回っていた。Take Control of OS X Server の執筆の終わりに向けて、彼は全国展開の Apple コンサルト会社 318 の Chief Technology Officer から、Jamf Software での Jamf Nowの開発を管理へと転職し、そこに数年間いた後、より研究開発的な役割へと移った。
コンピューティングの歴史は、特に Charles の心に近く、大切なものであった。彼は7年間もそれに関する一冊の本に取り組んでいたが、このプロジェクトは4巻と 2000 ページ以上に膨れ上がった。一週間前の彼の最後の Facebook の投稿は、彼がどの様にその契約に署名したばかりかについてであった。私は、彼が一緒に働いていた出版者がその原稿に興味を持ち続けることを願っている。なぜならば、Charles はその編集者が完成させてそれが日の目を見ることが出来る事を願っていると私は確信しているからである。私は間違いなく Charles の思い出の品としても一冊欲しい。
最後に、私は Apple の世界の他の多くの人々ほど Charles と親しくはなかったが、彼は、いつも話す時間を取ってくれ、出来るものはどんな質問でも手伝ってくれ、そして出来ない時にはあなたを他の人に紹介することをとても楽しんだ。以下の Facebook の投稿からも分かるように、彼は親切で、魅力的で、いつも他人のことを考えていた。彼の死は、彼の多くの友人や同僚、そして Apple の世界全体にとって大きな損失である。
このネットワークに接続された機器は、信号を発している機器からの Bluetooth信号を、それは暗号化されている、データを検査することなく Apple や Googleが走らせる中央サーバーに中継する。登録された機器やアイテムの所有者のみがソフトウェアを使え - Apple 機器用の Find My と Android ギア用の Find My Device - それがこれらの中央サーバーで位置情報を照会させてくれる。一旦ペイロードが紛失したアイテムの所有者によって取得されると、それはその所有者のデバイス上でローカルに復号化される。
暗号化のため、自らの機器が位置データを中継している Apple ユーザーも Androidユーザーも、紛失したアイテムの所有者や、どのアイテムがブロードキャストしているかすらをも特定することは出来ない;同様に、追跡されている機器を所有する人は誰であっても、信号が中継された機器について知ることは全く出来ない。(アイテムは Bluetooth 識別子を、一日を通してある間隔で新しい繰り返すことのない値に更新して、誰かがその追跡器を追跡するデータベースを構築するのを防ぐ。)
それは全て良さそうに聞こえるし、このやり方は Apple の最初の3年間の AirTagと Find My ネットワークで、実際にびっくりする程うまく機能してきた。危険は小型追跡機が認知や承諾なしに人々を追跡するのに使われ得る方法にあり、窃盗やストーカー行為のために AirTag 追跡を悪用する人達がいる。
これらの警告は、AirTag のような追跡器を作る企業の参加を得て、Apple とGoogle が共同開発した業界標準の基礎を形成した。("AirTag がニュースに: NYPD の推奨と Apple と Google による追跡への業界規格提唱" 8 May 2023 参照。)Find My ネットワークと互換性のある追跡器は全て、すでに一定間隔でビープ音を鳴らす。クロスプラットフォーム機器ベースの警告は、2024 年に Android、iOS、そして iPadOS で展開されるはずである。
Google のプライバシー追加分
Google は、その Find My Device ネットワークをストーカーや他の犯罪者が自らの目的のためにクラウドソースされた位置追跡を妨害する方法を阻止する追加の選択を行うことで特色を出した。
まず、Google の Find My Device ネットワークのアルゴリズムは、近くに複数のAndroid デバイスがない限り、ブロードキャストするアイテムに関する位置情報を中継しない。その考えは、自宅や他の私的な場所にいる誰かは、位置報告を発するのに十分なだけの Android 機器を周りに持っている可能性は低いであろうということである。Google は、"我々の調査によると、Find My Device ネットワークは、近くに多くの機器がある可能性の高いカフェや空港等の公共の場で最も価値があることが分かった" と言っている。追跡データは Bluetooth 経由で送信されるため、Android (そして Apple) のハードウェアは信号強度を使って近さを判断出来る。従って、Android 携帯電話でいっぱいのアパートに居ても、Google が呼ぶ "集約しきい値" を自動的に越えることはないであろう - それ等の機器も十分に近いところにいる必要がある。(Google は - おそらく意図的に - そのしきい値に達するには何台必要かを言っていない。)
第二に、Android 機器は、あなたが家にいて Google アカウントに自宅の住所を指定している場合、検出したブロードキャストからクラウドソースされた位置データを中継しない。これは追跡に関してのプライバシー先行であり、自分のハードウェアがリレーポイントとなる状態で意図せずに位置を明らかにしないようにするが、一方では、自宅の住所を Google に渡し位置追跡を有効にする必要があることを意味する。Google は、広告を配信したり他の儲かるターゲティングを提供するために位置データを必死で望んだあまり、同社はある時点で、ユーザーが表面上は Google アプリからログアウトしていた場合でもユーザーを追跡した。その行為は、昨年 40 の州と $392 million で和解する結果となった。
Apple は Find My に別の在宅保護形態を採用している。Apple は、Contacts の Meカードに自宅の住所を定義させてくれるが、その情報を Apple 自身には送信しない。Apple はまた Significant Locations と呼ぶものを追跡する。それはあなたの旅行から推測し、機器上にのみ保存、そしてあなたの機器間で同期する時にもエンドツーエンドで暗号化する。自宅または重要な場所に未知の AirTag またはFind My アイテムを持って到着すると、以前に警告を発した場合でも、Find Myは警告を発する。しかしながら、私が知る限りそして Apple が開示した限りで言うと、Find My ネットワークのクラウドソースはあなたが自宅にいる時でも引き続き働き続ける。
第三に、Google の Find My Device ネットワークは、誤用を防ぐために2つの異なる絞り弁を採用している:Android デバイスが近くでブロードキャストされたアイテムの場所を中継する頻度と、 加えて そのアイテムの所有者がその場所を照会できる頻度である。Google によれば、殆どの紛失したアイテムは静的な場所にあると言うが、このやり方だと、盗まれたり忘れ物になったりして移動中の車両 (バス、地下鉄、電車など) にあるアイテムを追跡するのが難しくなる可能性があると思われる。しかし、そのような場合、近くの人々は不要な追跡について通知されるべきであり、潜在的にあなたのものを見つけるのに役立つであろう。それはトレードオフで、そして Google はフェンスのこちら側に立つ論理的な論証をしている;Apple は同様の制限があるかどうかを開示していないので、反対側に立っているように見える。
これら3つの要素は示唆に富んでいる。それぞれが等しい重要性や価値を持っているかどうかは私には分からないし、私のプライバシーを保護するために Googleに私の居場所に関する情報をより多く提供することは心配でもある。しかし、特に安全性が懸念される市場でのプライバシーをめぐる競争を見るのは良いことであり、私は Apple が Google の例から学ぶのを期待したい。
作業にサインアップするのは Sign Up ボタンをタップしてからその選択を確認するだけの単純なことだが、新規ユーザーは最初にアカウントに登録しなければならず、しばらく離れていて戻ってきたユーザーはログインしなければならない。これはよくあるインターネット上のアカウントとのやり取りなので、テクノロジーに疎くてログインに困難を感じた人たちはほんの少数だった。
高度なオプションを使えば責任分担の表示をプライベートに設定することができ、そう設定しておけばコーディネーター以外の人から見えなくなる。設定しなければ、例えば 1 of 2 と書かれている横の人のシルエットのように見えるところをタップすれば誰がサインアップしているのかが分かる。また、サインアップの際にコーディネーターにメッセージを送ることもできる。実際、この機能を効果的に使っている人たちも何人かいた。
Message Center の一番上のところには非常にありがたいポップアップメニューがあって、これを使って特定のタイムスロットのみに宛先を絞ることができる。私たちはたいていの場合これを使っていないが、非常に規模の大きなレースでは目的ごとに、例えばビブスを集めるボランティア、救護所ボランティア、コースマーシャルに分けてそれぞれ別々のメッセージを送る必要がある。残念ながらこれはポップアップメニューなので、いろいろ違った場所を担当するコースマーシャルに分けて同じメッセージを 17 回も送る必要があって手間が大変だ。
Team 管理者 は、その管理者のチームだけに制限された仕事項目に対してのみ、仕事項目やボランティアの管理ができる。それ以外の仕事項目については、自分のチームに属するボランティアの追加と削除はできるが、それ以外のことは何もできない。FLRC にとってはこれでは困る。FLRC のレースディレクターたちは、仕事内容の編集をしたり、自分のチームにまだ属するに至っていない人たちの管理をしたりする必要があるからだ。
Microsoft がバージョン 16.84 の Office for Mac をリリースした。Outlook での新機能とバグ修正、および Excel のセキュリティアップデートが主な内容だ。今回のアップデートでは Outlook が拡張されて macOS 14 Sonoma 用の新しい Calendar タイムライン・ウィジェットが備わり、ミーティングのシリーズを編集する際にシリーズ全体を編集する代わりに特定のインスタンスでそれ以後のものを編集できるようにし、ナビゲーション枠でアカウントウィジェットを使ってプロファイルとアカウントの切替ができるようにし、レガシー Outlook クライアントの左レールで IMAP アカウントが表示されなくなった問題を解消し、同一の名前の複数の添付ファイルをダウンロードできなかったバグを修正し、初期インストールや最初のアップデートの後に Outlook がハングすることがあったパフォーマンスの問題を改善した。(一回限りの購入は $149.99、年払い講読オプションは $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.15+)
Apple のかなり曖昧なこの発表は、どうやら“部品ペアリング”を禁止しようとする国の追加規制に対処するためのもののように思われる。部品ペアリングは、修理業者が他の点で故障したデバイスから機能する部品を取り出して利用することを防止するための対策であった。規制のおそれに迫られて Apple が伝統的な修理方法を許す方向に進むのは、たとえそれがごく一部のデバイスに限られるものであったとしても良いことだ。それと同時に、Apple が腰を上げるのを遅らせた後で自らが施したシステムへの修正を“革新的”と自称するのを見るとフラストレーションが溜まる。Apple の John Ternus は次のように述べた:
“ここ二年間かけて、Apple 社内のいくつものチームが革新的な製品デザインと製造プロセスを生み出し、ユーザーの安全とセキュリティとプライバシーを侵害しない方法で Apple 中古部品を使った修理を可能に致しました。”