新型の iPod についてお知らせした後、今週号は先週開催された Boston での Macworld Expo に焦点を絞る。まず Tonya がショウを概観し、次に Adam がカンファレンスのさまざまの異なった様相ごとに採点を実行する。また TidBITS の伝統に従って最も興味を引いた製品やイベントなどもリストする。ニュースの部では、Stairways Software が Interarchy 7.2 をリリースし、Apple は 6,100万ドルの純利益を発表、さらに今後の iMac が PowerPC G5 を使用することを確認した。
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Apple が 6,100万ドルの純利益を発表、G5 iMac を確認 -- 新登場の iPod mini が需要に追い付かないという問題や新型 iMac を 9 月まで延期せざるを得ないという問題を抱えつつ、Apple Computer 社は 2004 年第3四半期決算を発表し、20億 1400万ドルの売り上げによって健全な 6,100万ドルの純利益があったことを報告した。当四半期の業績には、税引後の事業再編に伴う費用として 600万ドルが含まれているので、この費用を除外すれば会社の四半期利益が 6,700万ドルであったことになる。Apple の今四半期の売上総利益率は 27.8% となり、米国市場以外の売上比率は 39% であった。この四半期において、Apple は 876,000 台の Mac と 860,000 台の iPod を出荷した。iPod の売り上げ成長率は 2003 年の同期に比べて 183% 高くなり、第2四半期に比べても 6% 以上高くなっている。
<http://www.apple.com/ipodmini/>(日本語)アップル - iPod - iPod mini
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07728>(日本語)Apple が iMac の出荷を 2004 年 9 月まで延期
<http://www.apple.com/pr/library/2004/jul/14results.html> (日本語)米国報道発表資料抄訳:アップル、第3四半期の業績を発表
今後数ヵ月間にコンピュータを購入する可能性のある人々のために特記すべきこととして、Apple CFO の Peter Oppenheimer は Apple の四半期決算カンファレンスコールにおいて、9 月に発売される新型 iMac が PowerPC G5 プロセッサを採用することになると明らかにした。また、この遅れはニューヨーク州 Fishkill にある IBM の工場で生産されている G5 プロセッサ自体の供給が限られていることが原因であったとも述べた。[GD](永田)
<http://www.apple.com/quicktime/qtv/earningsq304/>
Interarchy 7.2 が役に立つ新機能を搭載 -- Stairways Software の Interarchy は古参のファイル転送ユーティリティだが、最近リリースされた Interarchy 7.2 での2つの新機能は多くのユーザーたちの助けになるに違いない。新設の Bookmark バーで、よく訪れる場所に素早くジャンプするのが易しくなる。また、Auto Uploads 機能を使ってローカルのフォルダを遠隔の場所に同期させるのが可能になる。ローカルの側のフォルダにファイルをドロップすると、自動的にそれが目的地にアップロードされるのだ。その他細かな変更の一つとして、Stairways は Safari の中のコンテクストメニューを改良して、Interarchy を使ってウェブからもファイルをダウンロードできるようにした。Interarchy 7 は Mac OS X 10.2 かそれ以降を要する。既に Interarchy 7.x を持っている人は、今回のアップデートは無料だ。[TJE](永田)
TidBITS Goes Med で混乱した人のために -- Tonya と私が中心となって今年の 11 月 7 日から 13 日まで地中海の Gozo 島で一週間の iPhoto ワークショップと写真撮影旅行を、と計画していることを以前発表したが、これがいくつかの混乱を引き起こしたようだ。これをクルーズ旅行だと思った人もいたが、短時間フェリーに乗船する必要がある以外は、ずっと陸の上で過ごすので、船酔いになることを心配する必要はまったくない。また、アメリカ経由で旅行しなければならないのではないかと思った人もいたようだが、実際に必要なのは Gozo 島の隣の島である Malta までの飛行機の便をご自分で利用して頂くことだけだ。Malta は Sicily の南沿岸からおよそ 60 マイルほど離れている。ヨーロッパから Malta へ飛ぶのはもちろん簡単だが、北アメリカやアジアからも、主要なヨーロッパの都市経由の便がある。(私たちも、どこかはわからないが経由地の都市を訪れるだけの余分の時間がとれないかと楽しみにしている。)最後にもう一つ。(Sicily や Sardinia はイタリアだが)Malta (それに Gozo も)はイタリアの一部ではない。ここは独立の国であって、European Union の加盟国の一つでもあるのだ。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07705>(日本語)11 月に地中海でお会いしましょう
Tonya と私はこのイベントで皆さんにお会いできるのを楽しみにしている。ことに、Apple が Mac OS X 10.4 Tiger のリリースを 2005 年まで延ばしたので、このイベントの時点ではまだ、すべての Take Control 電子ブックを Tiger 用にアップデートするという大事業に専心しなければならない時期には至っていないのが嬉しい。まだ若干予約に空きがあるので、私たちと共に地中海でワークショップとのんびり過ごす一週間(Mac についておしゃべりをする時間もたっぷりある)に参加してみたい方は、どうぞ $1,100 という TidBITS 読者用割引価格が 2004 年 8 月 15 日まで有効であることをご注意頂きたい。午前のワークショップに参加しない同伴者の分はたったの $800 で、これらの価格はホテルでの6泊と、Gozo 島を巡る5日間の写真撮影旅行、フェリーの運賃と博物館の入場料、それに島内のミニバンの運賃も含んでいる。
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>
Apple は本日、iPod ラインナップを一新し、音楽大好き人間にとって、このポータブルミュージックプレーヤーはさらに魅力的なものになった。iPod のデザインはまだ白を基調としたものだが、iPod mini("iPod mini Joins Successful Music Player Line" を参照)で紹介された革新的なコントローラー“クリックホイール”を採用している。旧型 iPod ではスクロールホイールの上部に見られた4個のタッチ・センシティブボタンは無くなり、スクロールホイールの縁を押すと、再生、巻き戻し、早送り、あるいはメニューへアクセスできるように変更されている。
<http://www.apple.com/ipod/>(日本語)アップル - iPod
<http://www.apple.com/ipodmini/>(日本語)アップル - iPod - iPod mini
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07494>
新しい iPod(20GB モデル)は旧モデルよりも1ミリ薄くなっている。おそらく、もっとエキサイティングなことは、再充電が必要になるまでの再生時間が、新しいモデルでは12時間に延長されていると Apple が述べていることだ。
<http://www.apple.com/ipod/specs.html>(日本語)アップル - iPod - 仕様
クリックホイール iPod に付属するソフトウエアも少し変更が加えられている。トップメニューに現れる新しい項目 Music は曲への入り口になっている。Apple はまた「曲をシャッフル」オプションに簡単にアクセスできるように、トップメニューに持ってきた。そして、複数の On-The-Go プレイリストが保存可能になった。オーディオブックのファンのために、iPod のソフトウエアで再生スピードを(不明瞭になること無く)調節できる機能が装備された。Apple はまた iPod Updater 2004-07-15をリリースした。これにはクリックウィール iPod 用の iPod ソフトウエア 3.0、iPod mini 用のiPod ソフトウエア 1.1、ドックコネクター付きの第3世代 iPod 用の iPod ソフトウエア 2.2、そして旧 iPod モデル用の iPod ソフトウエア 1.4が含まれる。(クリックホイール iPod 以前の全てのモデルのソフトウエアは、前回のアップデート以来変更されていないことに注意。)
<http://www.apple.com/ipod/download/>(日本語)アップル - iPod - ダウンロード
新しい iPod は2つのタイプがある。300ドルの20 GB バージョンは159グラム(5.6オンス)の重さがあり、インナーイヤー型ヘッドフォン、AC アダプタ、FireWire ケーブル、そして USB 2.0 ケーブル(これは以前は別売りされていた)が付属している。400ドルの40 GB バージョンは176グラム(6.2オンス)の重さがあり、Dock も付属している。両方の値段とも、同様仕様の第3世代モデルから100ドル引かれた勘定だ。2機種とも現時点で購入可能だ。
関連ニュースでは、HP は、HP ブランドの iPod を9月にこの新しいデザインでリリースすることを発表した。
<http://www.apple.com/pr/library/2004/jul/19ipod.html>(日本語)アップル、新しいiPodを発表
文: Tonya Engst <[email protected]>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>
前回のMacworld Expo Bostonが開催されてからずいぶん経つ。初期の東海岸のExpoに行ってからご無沙汰だった人は、街の大きな変化に驚いた:大きなフリーウェイが撤去され地下のトンネルに変更された。World Trade Center付近はさびれた工業地域ではなくなり(より街らしくなった)、新しくできた巨大なBoston Convention & Exhibition Centerは、カーペットがそこら中でキューキュー音を立てる程新しい。
過去 -- ボストンでもニューヨークでも、東海岸のMacworld Expoは熱気と湿度、にぎやかなショーフロア、Macintoshに関する幅広い展示が特徴だ。
今回のボストンのMacworld Expoではそれらのどれも見ることができなかったが、エキスポコンファレンスのチェアマンPaul Kentによれば、今年のExpoを過去のものと比べるのは、りんごとみかんを比べるようなものだという。今年のボストンは気温が20数℃未満にとどまり(いろいろと持ってきたドレスを着ることもなかった。どの日も、それよりもパンツや傘の方が必要だったからだ)、展示場は十分静かだったので、騒音に勝つために声を張り上げる必要もなかった。過去の展示にあったいくつかの要素がなくなっていたが、新しい要素も追加されていた。
現在 -- Macユーザはベータテストが得意だ。この展示では、Boston Convention & Exhibition Centerのテストをしたようなものだ。バーモント州と同じくらいあるのではと思わせるほど大きい建物で、公式には米国で7番目に大きな展示設備である。予測で9,000から10,000人の入場者と約80のベンダーで、ショー全体を2つ3つの廊下に収めることもできた。(9月までに、IDG World Expoは入場者数を確認し、おそらく発表するだろう。)展示はコンパクトだったが、展示場は多くの時間活発な雰囲気だった。しかし、展示場の端の方(プレスルームやユーザグループラウンジ)へ行くと自分ががらんとした場所に縮こまった虫のように思えた。
主に大きな企業が醸し出す存在感とざわめきがなかったのも寂しかった。予想通り、Appleはショーに不参加だったが、Adobe, Aladdin, Dantz Development, Microsoftなどの大物企業のブースがないことに皆気づき話題にしていた。(同じくらい驚いたのは何年もMacworld Expoで見られなかったQuarkが珍しく出展していたことだ。)しかし、最もいなくて残念だったのはMacでできるクールなことを広める、面白く変てこ(だが役に立つことの多い)な新しいものを展示するDeveloper Centralの小規模開発者たちだった。
歩かなかった分の時間をうめるために、プレゼンテーション(Geeks and Gadgetsステージの一般向けのものなど)を沢山見て回った。追加料金を支払った入場者向けのコンファレンスセッションにも出た。展示場の狭さを残念がる入場者もいたが、このExpo自身を過去のExpoと比べずに受け入れれば、他のMacユーザと仲良くなったり、新しいTipsや技を覚えたり、面白いMacの新製品をチェックできるいい機会だ。私が話を聞いたベンダーの人々は皆このExpoに肯定的だった:特に強い興味をもった入場者が多くなり、個人個人のユーザにかけられる時間が増えたことなどを挙げていた。
未来 -- もちろん、皆が持っている疑問は「来年の7月にもMacworld Expoが行われるだろうか?」ということだ。その答えは確かにイエスのようだ。来年の予定開催日と会場が入場者用名札の裏に、2005年7月18日から21日、Boston Convention and Exposition Centerと印刷してあったのだ。数人の主催者とのパネルセッションの中で、私はIDG World Expoのグループ副社長のWarwick Daviesに、この日程は確定しているのか聞いてみた。3つの答えが返ってきた。一つは、IDGはすでに来年の出展者登録を始めていること、二つ目に、入場者はエキスポを楽しんでいるようだということ(User Group Loungeの人々もうなずいていた)、三つ目に、Macworld Expoはビジネスであり、財政状況を分析してからでないと来年どうなるかはっきりは分からないとのことだ。
全般的には、少なくともMacworld Expoとしては今回は成功だったと思う。もしそれが以前のボストンMacworldとも1月のサンフランシスコのMacworldとも大きく違うものなら、それも一興。来年も参加します!
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
先々週の号で私は業界カンファレンスを採点してみようと考え、その方法を提案する記事を書いた。(実はカンファレンス主催者たちに向けた暗黙の問題提起でもあったのだが。)さて、今週私は Boston で既に3日間 Macworld Expo に参加しているので、早速この採点システムがうまく働くか、今年の Macworld Expo を採点すればどうなるかと、実地に試してみたい。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07732> (日本語)業界カンファレンスを採点する
観衆の立場での採点 -- もちろん、すべての人を代弁することはできないので、ここでの私の採点はあくまでも私自身の経験と、ショウの期間中に私が話をした人たちの声とに基いたものである。
費用と価値。無料で入場した人たち(私たちも配布を手伝った Peachpit からの入場券や、その他いろいろな所から特典が入手できたので、そういう人たちは大勢いた)にとっては、今回ショウのフロア規模がいくら小さくなったとはいえ、費用と価値の点については文句が付けられなかっただろう。Boston は旅費と滞在費の面で比較的高額な側に属するので、ちょっと地下鉄に飛び乗って気軽に数時間ショウを楽しむことのできた地元の人たちが、きっと一番ショウを魅力的に感じたことだろう。セッションの価値については私はコメントできない。間違いなくそれは個々のセッションによって違っていただろう。+1 点。
時と場所。Macworld Expo はもう何年にもわたってこの 7 月中旬という時期に開催されてきているので、ただカンファレンスが連続するシーズンの真っただ中にあるというだけの理由で減点するのはフェアでない。(シーズンは 6 月末に始まり、Apple の Worldwide Developer Conference に続いて、カリフォルニア州 Santa Barbara で開かれた小規模の(しかし成功裏に終わったという)Mac Networkers Retreat もあった。今週は、ミシガン州 Dearborn で開かれる ADHOC(旧名 MacHack)カンファレンスに私は参加する。)Boston は素敵なところだし、あの大規模な工事が終わりさえすればさらにもっと素敵になると思うので、私は Macworld に良い評価を与えたい。+1 点。
<http://developer.apple.com/wwdc/>
<http://www.macretreats.com/mnr/>
<http://adhocconference.com/>
利便性。IDG World Expo 社は、利便性に関しては今年はなかなか良い仕事をしてくれた。難点を挙げるとしたらただ一つ、ホテルからコンベンションセンターへのシャトルバスだけだった。予約も簡単かつスムーズで、厄介な問題は何も起こらなかった。+1 点。
出展者の幅広さ・奥深さ。IDG World Expo の発表では出展社数は 80 ということだったが、ウェブサイトにリストされていたのは 71 社だけだった。実際の数字がどうであったにせよ、これこそが今回 Macworld が最も凋落した点であったことだけは議論の余地が無いだろう。腰を落ち着けて話し込まない限り、全フロアを歩いて回るのに一時間とは掛からなかったのだから。-1 点。
製品サポート。観衆は一般的に大手のベンダーからのサポートを望んでいただろうし、そのような大手の会社は今回ほとんど参加していなかったのだが、出展していた中小の会社の多くではブースに技術サポートのスタッフを常駐させていたようだ。+1 点。
セッションの質。私自身は聴衆としてはセッションに参加しなかったが、他の人たちから聞いた限りでは好意的な感触を得たということだった。+1 点。
キーノート。キーノートの代わりに、今回の Macworld Expo では初期の Mac 開発チームのメンバー4人が参加したパネルディスカッションが呼び物となった。その4人とは Andy Hertzfeld、Bill Atkinson、Jerry Mannock、それに Jef Raskin で、David Pogue が司会を務めた。このパネルで語られた逸話の多くは楽しくて、David も巧みな司会で話題を次々に動かしていたが、Jef Raskin が Macintosh を発明したのは自分だと主張した上に今日のインターフェイスに対する軽蔑をあらわにした頃から、全体のムードが何となく沈滞してしまった。彼は、自分の理想のインターフェイスがどんなものなのかを説明しようとさえしなかったのだ。もちろん、Jef Raskin が Macintosh の創造に重要な役目を果たしたのは言うまでもないし、最初にそのアイデアを思いついたのは自分だという彼の主張を尊重するに吝かではないが、彼がそのことを語る口調は Macintosh チームの他のメンバーたちにとっては名誉を毀損されたように聞こえただろう。ことに、彼は Mac が最初に出荷されるよりも何年も前に Apple を去っていたのだから。-1 点。
<http://www.folklore.org/>
<http://www.billatkinson.com/>
<http://www.jefraskin.com/>
無料のワイヤレスインターネットアクセス。ワイヤレスのカバー範囲については何の不満もない。実際ほとんど至る所でワイヤレスが使えた。けれども実際にインターネットに接続するのははるかに問題が多く、私も他の人たちも始終トラブルに悩まされた。その上、Doubletree Bayside(カンファレンスのホテルの一つ)ではポータル用の役にも立たない必須ページだけのために技術サポートに電話して 20 分も費やさなければならなかったのを考えれば、何がどうあっても私は断固ここにポイントを与える気にはなれない。0 点。
割引販売。この部門もやはり、悪印象を与える出展者がいくつもあった。観衆たちの中には、なかなか良い割引をしてもらえた人たちもいた。例えば Peachpit では 20% 割引の本があったし、O'Reilly では Belkin 製品がすべて 50% 割引とか、また Logitech Harmony の汎用リモコンもかなりの割引がされていた。けれども全体的には、割引を提供しているベンダーの数はそれほど多くなかった。0 点。
無料提供品。Quark でミントの小さい缶を貰えた人たちもいた。Audible.com では一ヵ月無料購読のサービス券を配っていた。Peachpit は赤い野球帽を気前良く大量に配っていたし、IDG World Expo も毎日バッジホルダを取りに来た人先着 400 名に無料で t-シャツを提供していた。けれども、それでほぼ全部だった。笑いを誘うような無料提供品は一つも見当たらなかったし、この部門でポイントを与えたい気にさせるようなものは無かった。0 点。
軽食。Macworld Expo は規模が大きすぎて参加者全員にスナックを提供するのは不可能だ。確かに食品を提供する区画はあったが、明らかにまだ全面的営業開始には至っていない感じだった。0 点。
楽しさ。Macworld Expo は例年どちらかと言えば真面目な感じのショウだった。けれども今年は、MacBrainiac Challenge の再開が何と言っても目を引いた。これは良く知られた Mac 有名人たちが2つのチームに分かれてトリビア・ゲームに挑戦するショウだ。トリビア・ゲームというのは、生活にまったく役に立たないような、豆知識を競うのだ。私は今年は Andy Ihnatko 率いる Copland Development Team のメンバーだった。チームメイトには (Macworld と MacFixIt で有名な) Dan Frakes と、(Bare Bones の) Rich Siegel がいた。向かい合う相手の Genius Barred チームの方は Jason Snell (Macworld)、Jim Dalrymple (MacCentral)、Peter Cohen (MacCentral)、それに Bryan Chaffin (the Mac Observer) という面々で、すべてを仕切って巧みに総合司会をこなしたのが Chris Breen (Macworld) だった。私たちの使命は何よりも観衆を楽しませることで、人々の反応から判断するに、私たちはそれに成功したようだった。チームが優勝するというのも確かに使命の一つだったが、こちらは思うようにはいかなかった。選択肢から答を選ぶタイプの問題では私たちのチームがほとんど勝ったのだが、相手チームもなかなかの好敵手で、Chris の繰り出す早押しタイプの問題では相手の方が早いことが多かった。結局最終的には同点で引き分けとなり、勝負は来年 1 月 San Francisco での再試合に持ち越しとなった。+1 点。
コミュニティ。今年のショウは規模が小さくなったので、コミュニティの感覚が高まったのははっきりと感じることができた。コンベンションセンターの物理的配置からもその点が見えた。人々が座って集まり、おしゃべりをしたり一緒に時間を過ごしたりできるようなテーブルやベンチもあちこちにたくさんあった。それに加えて、IDG World Expo が参加者たちのために企画した Mardi Gras タイプのパーティーも良かった。これは入場無料というわけにはいかなかったが、参加した人たちは皆、Macintosh All Star Band を聴きながらパーティーを楽しめたようだった。+1 点。
出展者の立場で -- 私は、出展者として Macworld Expo を採点できる立場にはない。けれども人から聞いた話で判断してもよいとするならば、今回はブース費用の点で若干辛い採点を付けなければならないようだ。どうやら、今回のブース使用料は観客の数がずっと多かった San Francisco での使用料とほぼ同じだったようだ。評価できる点としては、例年よりも観客の数が少なかったとはいえ、私が話をしたベンダーたちは皆、観客たちが標準以上に興味を持ってくれていたと言っていたし、製品を販売していた出展者たちは、セールス成績も上々だったと話していた。
講演者の立場で -- Macworld Expo で講演をする面々は、例年ほぼ同じだ。だから、講演者控室では長年にわたってまるで井戸端会議のようなくだけた雰囲気が培われてきた。どこの会場のショウでも同じ、いつもの丸いテーブルにいつもの白いテーブルクロスが掛けられて、ワイヤレスのインターネットアクセスと何か食べるものが用意されており、私たちはセッションの講演のために飛び出して行く前にここでいつも一息つくのだった。
報酬。Macworld Expo で講演する主な動機は、一般的に言ってそれだけのために別途旅行の手配をしたり、その他面倒な準備の手間が増えるということが無いからだ。だからこそ、私たち面々はショウフロアがオープンする前日のセッション日の一日参加資格以外には Macworld から何も報酬を支払って貰えなくても平気なのだ。それでも、無料で参加できるのは嬉しいし、今回は特に食べ物が美味しかったし、それに記念品として貰えたアノラックのお陰で、私たちの多くがショウの最初の晩の雨に濡れずに済んだのが超ラッキーだった。+1 点。
司会者。Macworld では司会者を置いたことがない。そうなってくれれば嬉しいとは思うが。評価できる点としては、今回は AV 関係のスタッフが特に親切に手伝ってくれた。0 点。
利便性。初めて講演をするという人には戸惑う点もあるかもしれないが、セッション運営に関しては Paul Kent 率いる同じ人たちのグループが毎年担当してきているので、毎回講演をする講演者にとっては利便性はすべてかなりスムーズになっている。+1 点。
報道関係者の立場で -- ジャーナリストとして言えば、今回の Macworld Expo は決して良いものとは言えなかった。いくつか採点すると:
参加登録。Macworld Expo への登録はいつもちょっと面倒なものだ。たくさんのウェブページをプリントアウトして IDG World Expo にファクスで送り、自分の資格の正当性を証明しなければならない。ただ、この手続きは毎年いつも同じものなので、だんだんと煩わしさは減ってきている。それに、初日の朝に Steve Jobs のキーノート会場の前に長い時間列を作って待つということが今回は無かったので、Tonya も私もあっけないほど簡単にプレスバッジを受け取ることができた。+1 点。
ニュースイベント。今年の Macworld は全然そういうタイプのショウではなかったし、特記すべきニュースもほとんど無かった。0 点。
プレスルーム。プレスルームというものは確かに用意されていて、テーブルやカウチがあり、ラップトップを持っていないジャーナリストのために何台かの iMac まで用意してあったが、このプレスルーム自体の場所が外モンゴルみたいな所で、結局私はそんな所まで足を延ばす代わりに賑やかな講演者控室で空き時間を過ごすことになった。0 点。
食料。正直なところ、私はプレスルームに食料が用意されていたかどうかも知らない。私がたった一回そこまで遠征してみた時には、食べるものは何も置いてなかった。その後は、私はあんな遠くまで二度目の遠征を敢行する気にはなれなかった。0 点。
合計点は -- 今回こうして実地にこの採点システムを使ってみると、当初純粋な思考実験として考えていた時とは違って、合計点を計算しても何の意味も無いということがますますはっきりしてきた。一番大きな理由は、全く違うカンファレンス同士で合計点を比べても正当な比較にはなり得ないと思われるからだ。思うに、これらの得点は個々のカンファレンスがどの程度成功したかの目安としてのためだけに使えるものだろう。ひょっとしたら、同じカンファレンスで前回と今回とを比べるのには使えるかもしれない。
また、個々のカテゴリーごとの採点を見て、読者の方々が今後のカンファレンスに参加する意味があるかどうかの判断の助けにして頂けたらとも思う。今回の Macworld が「楽しさ」と「コミュニティ」の項目で得点を得たことは、できるだけ数多くの Mac ベンダーを見て回りたいというタイプの人には判断基準に入らないかもしれないし、また、ショウのフロアを歩き回るよりもプレゼンテーションをじっくりと見たいと思うようなタイプの人の場合にも、やはり判断基準から外れるだろうから。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
Macworld Expo への出展者も参加者も少なくなったが、すぐれものという意味では変わっておらず、興味深い製品にも注目すべき出来事にも事欠かなかった。
運転中は使用禁止 -- Apple Specialist Tech Superpowers は思っていたより大きなブースにおさまる事になったので、何か楽しいことでその場所を埋める事にした。Lexus の 4ドアセダンに Macintosh ベースのビデオ編集機器一式を詰め込んだのである。これにはトランクに収めたラックマウントのXserve と Xserve RAID に接続された複数のモニタと制御デバイス(勿論助手席用のみ)が含まれている。これは勿論人目を引くことが目的のものではあったが、中にはこの仕掛けは実際の用途を考えてのものかどうか見極めようとする人達がいることを見るだけでも価値のあるものであった。
<http://www.techsuperpowers.com/pages/geekmyride.html>
バスの運転手もいろいろ -- 毎日ホテルから会場までのシャトルバスを利用してみてわかったのはこれはかなり変化に富んだものだと言うことであった。最初の日のバスは何事もなく順調だったが、二日目の我々のバスは、ホテルの裏側を回って来てホテルの横につけ一分も待たないうちに出て行ってしまった。お陰でロビーの中にいて濡れるのを防ごうと思っていた我々は慌てて出て行っても間に合わなかった。Tonya と私は幸いな事にすぐにタクシーを捕まえることが出来たので私の話す時間に遅れることはなかったが、誰もがこのバスの運転手の配慮のなさに唖然としていた。反対に、最終日の運転手は愛想がよく親切であるだけでなく、通の Macintosh ユーザーでもあり我々が展示会場への無料パスを彼と彼のパートナーに上げる事が出来た時の喜び様は大変なものであった。
BCEC では仕出しも楽し -- Macworld Expo は Boston の新しいConvention & Exhibition Center (BCEC) での最初のトレードショーの一つであった。それで会場の色々な所でまだ未完成の様相が見られたが、ここのスタッフはもっと定評のある会場よりもずっと生き生きしていた。とりわけ目に付いたのはケータリングのスタッフで、講演者控え室に食事を出してくれたのだが、それはちょっと変わっていて、美味しくそして健康的でもあった。例えば、ある日はコーンとフェタチーズのサラダ、次の日はシュリンプサラダといった具合であった。他のイベントでの当たり前の変わりばえのしない甘すぎる食事からすれば大変嬉しい変化であった。
絶対に欲しい椅子 -- 多少オーバーかもしれないが、ここ BCEC での椅子はこの様な施設の椅子としては今迄で一番座り心地の良いものであった。私は走者でもあり私の体はよくクッションが効いている方とは言いがたいので、二時間のキーノートを通して座っているのは苦痛でモソモソし通しで、終わって見るといつも痛いお尻のおまけが付いてくる。BCEC の椅子には、あの Herman Miller Aeron のような高級なデスクチェアに見られるのと同様な黒のメッシュが使われており、腰骨を支えるランバーサポートまで付いている。どうしてもこの製造業者を見つけ出さなければ! - ディナーパーティ用にしゃれた折り畳み椅子をずっと探していたのである。
iPod を On Stage に -- audio-in ポートさえあれば iPod をどの様なスピーカーにもオーディオ装置にもつなぐことが出来るが、Harman Multimediaの JBL 部門は更に一歩踏み出して On Stage を出してきた。これはフリスビーの大きさの輪の形をしており、4個の小さなスピーカーを内蔵しどの iPodでも iPod mini でも対応できるドッキングポートを持っている。音も良さそうだったが、何せあの会場の騒々しさの中なので確かなことはいえない。このiPod/On Stage の組み合わせは、iPod のクロック機能のお陰で素晴らしいクロックラジオにもなる。JBL はさらに On Tour も展示していた。これはポータブルのスピーカーで 4個の AAA バッテリ(単4形電池)で 24時間持つ (万能型のパワーアダプタも付いてくる)。On Stage の値段は 9月に発売になる時には $200 になるだろうと報じられている;On Tour の方は 8月に $100 で出される予定である。
<http://www.jbl.com/home/products/product_detail.asp?ProdId=ONSTAGE>
<http://www.jbl.com/home/products/product_detail.asp?ProdId=ONTOUR>
iPod も Bluetooth で -- 会場のホールでウクライナのデベロッパーBeLight Software の Irina Nazarova と駄弁っている時、近寄ってきて iPod用の Bluetooth ヘッドフォンを試してみる気はないかと話しかけてくる人がいた。私は元来ヘッドフォンからぶら下がっているケーブルは大嫌いである。勿論 iPod の白いケーブルが殆ど象徴的になって来ているのは認めるが、それでも邪魔くさいし、しょっちゅう絡まってしまう厄介ものである。Bluetakeの Clement Wen が我々に見せてくれたのは i-Phono Bluetooth ドングルとヘッドフォンで、なかなかの音で問題なく動いた。明らかにこの装置は複数のBluetooth デバイスを扱えるらしいので、もし Bluetooth セルフォンを持っているならば、電話がかかってくれば自動的に音楽を切り通話の方へ切り替えてくれる (このヘッドフォンには折り畳みのマイクも付いている)。この i-Phono 装置が今出荷されているのかどうか、そして値段はいくらなのかもはっきりしなかったが、Clement はドングルを短いケーブルでつなぐ形から iPod の上面に直接差し込む形のものの開発をやっている所だと説明してくれた。量産型が出来たら現実の世界で試してみるのが楽しみである。
<http://www.bluetake.com/products/BT420EX.htm>
メッセージを受ける PhoneValet -- 私は前に TidBITS-699 で Parliantの PhoneValet をレビューしたことがあるが、それ以後 Parliant はこの製品を改良して留守電機能 (複数のボイスメールボックス付き) と通話録音機能を追加した。何と言っても素晴らしいのは AppleScript を組み入れることでメッセージを携帯やメールに転送出来る様になったことである。これは受付を置けないような小さな会社にはぴったりのもののように思える。と言うのも、PhoneValet は Caller ID を読み取って電話をかけてきた人が誰か声に出して教えてくれるので、皆の人がどれに対応すればよいかわかるし、もしかかってきた人が居ない場合は、メッセージを残してもらう様にも、必要があれば転送する様にも出来るからである。PhoneValet は一回線当り $200 で、今回 Now Software の Now Up-to-Date & Contact と一緒に動作するようになったことも特記すべきだろう。これで自動通話記録、遠隔予定表 (電話をして自分の予定表を読み上げて貰う)、それに(近日装備予定の)自動ダイヤルが出来るようになる。Now Softwareは既存の顧客と、自社の製品と PhoneValet をバンドルで買う人に対してPhoneValet の割引を実施している。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07380>(日本語)PhoneValet、おまえに出来るかい?
<http://www.parliant.com/phonevalet/>
<http://www.nowsoftware.com/Phonevalet.html>
Mac はいつでも完璧 -- もしあなたの管理する Mac がいろいろな人によって使われているのなら、設定が変わったりファイルが消えたり新しいソフトウエアがインストールされるのを目の当たりにしていることだろう。Centurion Technologies 社の MacShield があれば、Mac を一台ずつ元に戻す作業とさよならできる。Mac の再起動時、MacShield によりユーザーが行った変更は全部無効にされ、設定された初期状態に復旧されるのだ。MacShield はユーザーの操作を制限せず、ユーザーの変更をすべて一時的な領域に書き込むため Mac 上にあるオリジナルファイルが変更されないので、長時間かかる復元作業を不要にしている。Centurion Technologies 社は価格を公表していないが、ライセンス数によって変わってくる価格体系だと推測される。
<http://www.centuriontech.com/dsms-about.htm>
iPod に写真を -- Belkin 社の Media Reader は、デジカメのメモリーカードから iPod へ写真を転送することを可能とする (聞くところによると、容量が 256 MB 以下なら動作するが、それより大きいと異常にダウンロードの時間がかかるという)。Belkin 社はこのほど、これに Digital Camera Link というラインナップを加えた。これはデジカメの USB ケーブルを Digital Camera Link に接続し、そしてそれをiPod につなぐことにより写真をダウンロードすることができるものである。Belkin 社によると、Digital Camera Link はMedia Reader よりも高速だということだ。Apple はこの種の機器が iPod の内蔵バッテリーを利用しないように定めているため、Media Reader と同様Digital Camera Link にもバッテリーが必要である。残念ながら どちらの製品も iPod mini では使えない。Digital Camera Link は 90 ドルで Media Readerより 20 ドル安いが、購入前には自分のカメラで使えるかどうか調べてほしい。
<http://www.belkin.com/ipod/cameralink/>
<http://catalog.belkin.com/IWCatProductPage.process?Product_Id=158350>
Roku でハイビジョンを楽しむ -- TiVo 社の Home Media Option( TidBITS-698 の Alex Hoffman によるレビューを参照のこと。ちなみに Home Media Option は現在無料である) があれば、iTunes からステレオを通して音楽を再生したり iPhoto の写真をテレビの画面に表示することがテレビで操作できるが、一つ残念なのは両方同時に、つまり音楽を聴きながら写真がスクリーンセーバーのように動かすことができないことだ。Home Media Option だけのために TiVo を買ったりはしないだろうが、音楽と写真だけで構わないならRoku 社から 300 ドルで販売されている HD1000 High-Def Digital Media Player を代わりに考えてみてはどうだろうか。ほかのデジタルメディアプレイヤー同様、MP3 を iTunes からステレオにストリーミングすることができ、同時にハイビジョンテレビの画面に画像を映すことができる。画像はメディアカードあるいはネットワーク経由でコンピュータから転送できるが、iPhoto と一緒には動作しない。標準では有線 Ethernet を使うようになっているが、オプションとしてワイヤレスアダプターも用意されている。そして、画像は静止画だけにはとどまらない。HD1000 は MPEG2 動画も表示でき、Roku 社では 他のフォーマットをサポートするサードパーティー製アプリケーションも入手可能だと言っている。もし表示するための画像 (静止画と動画) が必要なら、Roku 社では4 種類の異なるハイビジョンイメージパックを 70 ドルで 販売している。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07366>(日本語)TiVo Series2 初代に改良を加える
<http://www.tivo.com/1.2.13.asp>
<http://www.rokulabs.com/products/hd1000/>
究極のフォトフレーム -- あなたが写真を飾りたいのはテレビではない?究極のフォトフレームをお探しなら、PhotoVu 社の PV1910 Digital Picture Frame はいかがだろうか。これは立派な縁取りがされている Linux 内蔵で有線Ethernet あるいは Wi-Fi でネットワーク接続されるワイドアングル 19 インチ LCD ディスプレイである。iPhoto と連携して動作し、USB ドライブを接続することにより写真をダウンロードすることも可能だ (これをディスプレイに使っている店舗ではよくこのような使い方をしている)。表示の制御はウェブインターフェースを使って行う。ディスプレイをオン・オフする時間を設定したり、どの画像を表示するかなど、多くの設定が可能だ。Apple が Mac OS X のスクリーンセーバーで使っている Ken Burns エフェクトがサポートされていないのにはがっかりしたのだが、それに関して PhotoVu 社員は現在作業中だと言っていた。PV1910 は写真を拡大しないことにも触れておいたほうが良いだろう。小さい写真の周りには枠が付いてしまうということだ。このような機器にとって 1,200 ドルという価格は高いと思われるだろうが、高解像度 LCD モニターと組み込み Linux が動作する CPU、有線と無線ネットワークインターフェース、カスタムウェブインターフェース、そして頑丈なフックが付いている本物の額縁の価格を考えれば、それほど悪くはないと思う。あなたは (そして私も) 古い Mac を改造して同じようなものを作ることはできるだろうが、これほどエレガントにするのは難しいだろう。
Spymac が Wheel を考案 -- Macintosh サイトである Spymac は今まで特に私の興味を引かなかったので、大きくおしゃれなブースで Apple の .Mac に対抗するインターネットサービスを集めた Wheel を展示していたのには驚かされた。Wheel は、3 GB の電子メールスペース (POP、IMAP、そしてウェブからアクセスできる)、そして WebDAV と FTP によりアクセス可能でウェブページおよびiCal 共有や WheelGuard と呼ばれる (Apple の Backupのような) 簡単なプログラムによるバックアップで使うことができる 250 MB のディスク容量が含まれている。Wheel は年額 40 ドルである。1 GB だけの電子メール用スペースとウェブメールに広告が入る無料アカウントもある。Spymac 社の好意的で熱心なスタッフと話している間、私はドットコムが華やかなりしころのデジャヴに襲われた。このようなサービスで必要となるネットワーク接続と冗長サーバーは決して安くはなく、アクセス料金、宣伝、そして Spymac 商品の売り上げの組み合わせで充分なのかどうかは疑問である。名称こそ変わっていないが、伝え聞くところによると Spymac は元の噂系サイトからニュースとコミュニティに重点を置くようになったという。Wheel はこの大きな変化の現れだ。
<http://www.spymac.com/>
<http://www.spymac.com/wheel/>
学生向け最上無料試供品 -- マサチューセッツ州を本拠とするiScienceProject が、同プロジェクトの HOBO データロガー、教育者向け貸与プログラム、そして 100 以上の理科教材への無料アクセスを宣伝するためMacworld Expo にやってきた。iScienceProject のバッテリー駆動式データロガーはトランプ一組分程度の大きさで、湿度、明度、そして温度などのデータを記録する。データを利用するためには、これを OS X が動作する Mac に USB経由で差し込んだり、あるいは Windows 98 以降が動作する PC にシリアルあるいは USB 経由で接続し、データをダウンロードし、Onset 社のソフトかスプレッドシートを使い解析する。さまざまな HOBO ロガーが iScienceProject のスポンサー企業である Onset Computer Corporation 社から販売されているが、幼稚園から高校 3 年までの教師はこれを 2 ヶ月間無料で一台借りることができる。もしあなたが先生でこのデータロガーで使うために自分自身で教材を作成する場合、HOBO Project Contest に応募することができる。iScienceProjectでは優勝した教材の作成者に賞品として HOBO をさらに提供する予定だ。なお、この貸与プログラムとコンテストはアメリカ国内に在住の人に限られる。[TJE]
<http://www.onsetcomp.com/>
<http://iscienceproject.com/>
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の2つ目のリンクは、私たちの Web Crossing サーバに繋がる。こちらの方がずっと高速だが、まだ望ましいデザインに改良できる所にまでは至っていない。
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/>
Power Mac に Ethernet を追加する -- Power Mac G4 の Ethernet カードを交換したという Adam の記事を見て、読者たちが古いマシンに gigabit Ethernet を追加する話題を議論する。(メッセージ数 3)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2274>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/138>
Webstractor を使う -- この珍しいタイプのウェブページ収集および編集用プログラムをレビューした Matt Neuburg の記事を見て、読者たちが使用体験を報告する。(メッセージ数 2)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2276>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/140>
Web 収集ツール -- Webstractor の第一の機能は別に新しくもユニークでもない。読者たちが同種のアプリケーション(それに関連する特許)について指摘する。(メッセージ数 4)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2275>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/139>
AirPort Express の使用体験第一印象 -- Apple のこの驚くべきワイヤレス新機種は先週出荷が始まったが、一人の読者から第一印象の報告が入った。(メッセージ数 1)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2277>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/141>
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA