TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#779/09-May-05

Apple は iPhoto 5 でいろいろな改良を加えたが、それらの機能やその他の点は Adam の厳しい目にはどう映ったか? 今週号ではまた、Jeff Carlson が新しい機種の iMac や eMac を概観し、Tiger の iChat AV 3.0 をその多方向ビデオ・オーディオチャットに重点を置いて点検する。ニュースの部では、Security Update 2005-005 が Mac OS X 10.3.9 にパッチをあて、iTunes 4.8 が登場し、DragThing が 10 歳の誕生日を迎え、Spotlight の詳細情報が公表された。また Adam がラジオ番組を訪ねてまわり、株式分析プログラムの Stock WatchTower が 5 本、賞品となる。

記事:

Copyright 2005 TidBITS: Reuse governed by Creative Commons license
<http://www.tidbits.com/terms/> Contact: <editors@tidbits.com>


本号の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/09-May-05

Mac OS X 10.3.9 の Security Update 2005-005 -- Apple は、Mac OS X 10.3.9 と Mac OS X Server 10.3.9 のオンラインセキュリティー上の問題を解決するため、Security Update 2005-005 をリリースした。このパッチは、ソフトウェア・アップデートから、または Apple の Web サイトからダウンロードできる(バージョンによって異なるが、およそ 6 MB)。

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=301528>(日本語)About Security Update 2005-005
<http://www.apple.com/support/downloads/>(日本語)ソフトウェアアップデート

Security Update 2005-005 には、多数の Mac OS X アプリケーションやテクノロジー、また Mac OS X の基盤となっている Unix 実装の構成要素についてのパッチが含まれている。主な修正としては、バッファオーバーフローの問題が解決され、攻撃者が Finder やヘルプビューア、Fundation と AppKit アプリケーションフレームワーク、ターミナル、AppleScript を使ってファイルを書き換えたり、アクセス権を増加させたり、任意のコードを実行したりする可能性があったという問題が解決された。また、Apache Web サーバ、lukemftpd、sudo、ディレクトリサービス、VPN、X11 も修正された。それに加えて、Security Update 2005-005 によって、Bluetooth ファイル共有がデフォルトで使用停止になり、Bluetooth サービスでデフォルトのファイル交換ディレクトリ以外の場所のファイルにアクセスできなくなる。この記事の執筆時点では、Mac OS X 10.4 Tiger 用の似たようなアップデートはでておらず、Tiger でこれらのセキュリティー上の問題がすでに解決されているかどうかは定かではない。 [GD](羽鳥)

Apple が iTunes 4.8 をリリース -- Apple は本日、iTunes 4.8 をリリースした。ダウンロードは無料で、最小限の説明書がついている。「iTunes のインストールの前に」ファイルによれば、「『iTunes 4.8』には、ミュージックストアに関する新機能と、お使いのコンピュータから iPodにアドレスデータおよびカレンダーを転送する機能(Mac OS X バージョン10.4 が必要です)が含まれています。」ということで、後者の機能については Mac OS X 10.4 Tiger が必要だ。少しいじってみれば、Apple がビデオ機能を iTunes に取り込んだことが分かる。QuickTime ムービーをライブラリにドラッグすることができて、ライブラリの中では小さな灰色のビデオカメラのアイコンとして現れる。そのムービーを再生すると、小さな「再生中」ボックス(アルバムのカバーが表示されるところ)に現れる。ムービーをクリックすると、別のウインドウで開き、新しい「ビデオをフルスクリーンで表示します。」ボタンをクリックすると、ムービーをフルスクリーンで見ることができる(ただし、フルスクリーンオプションは、iTunes Music Store からダウンロードしたビデオや映画の予告編では使えない)。新しい環境設定でも、ビデオ再生のデフォルトの画面設定を変更できる。この記事の執筆時点では、このアップデートは独立のダウンロードでしか提供されていないが、まもなくソフトウェアアップデートにも現れるだろうと思う。iTunes 4.8 のインストーラは 11 MB のダウンロードだ。 [JLC](羽鳥)

<http://www.apple.com/downloads/macosx/apple/itunes48.html>

ラジオインタビューを三つ -- TidBITS の 15 周年と、Tiger 版の Take Control 電子ブックの発刊に関連して、私はここのところいろいろのラジオ番組に出演してインタビューに応えている。2005 年 4 月 27 日に、どうしようもないバグを追いかける仕事を一時中断して、私は Tech Night Owl Live で Gene Steinberg と対談し、TidBITS や Macintosh の歴史について話をしてきた。それから、2005 年 4 月 30 日には Inside Mac Radio で Scott Sheppard と 10 分間楽しくお喋りした。その次の日、2005 年 5 月 1 日の夜は、User Group Report で Chuck Joiner と恒例の心弾む議論を楽しんだ。[ACE](永田)

<http://www.macradio.com/thursday/nightowl/>
<rtsp://stream.mactvnetwork.com/nightowl_archive/2005/04/nightowl_050428.mov>
<http://www.osxfaq.com/radio/04-2005/04-30.html>
<http://www.mugcenter.com/usergroupreport/2005/514.html>

DragThing が 10 周年を祝う -- TidBITS が 15 周年を祝ったのにすぐ引き続き、James Thomson のランチャーソフトウェア、DragThing が 10 年目の記念日を迎えた。DragThing が最初に登場したその時から、私たちがずっとこのソフトウェアについて書き続けてきたのを私は誇りに思う。この Tiger の時代になっても DragThing は力強く活動を続けており、私たちの中の幾人かにとっては無くてはならないユーティリティーとして、Dock の不備な点を補完しつつさらに追加の機能も提供してくれている。この喜ばしい記念日を祝して、James は新しく DragThing を購入する人向けに秘密の割引価格を実施している。どんな割引か、どうすれば利用できるのかなど詳しいことは、以下の最初の URL で開く記念日ウェブページをご覧あれ。[MAN](永田)

<http://www.dragthing.com/english/tenyears.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08071>(日本語)TidBITS の誕生日: Macintosh の 15 年間を振り返って
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01488>

Spotlight 用語法が Apple サイトで公開された -- こうなることはわかってた。私が記事の中で Apple がこれこれのことの詳細をまだ発表していないと書くと、その後で彼らは重い腰を上げてサイトをアップデートするというわけだ。先週号の TidBITS で、私は Tiger において Spotlight で検索する時に検索を絞り込むためのシンタックスを使うことについて書き、そのためのコントロール用単語や用語法をどうすればよいのか、Apple がまだ詳細を提供してくれていないと述べた。それが今は、もう公表されている。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08087>(日本語)Spotlight にスポットライトを
<http://www.apple.com/macosx/tips/spotlight.html>

メタデータにはたくさんの種類があるが、Apple はその中から項目の種類と項目の修正日、またはカレンダー項目の日付だけについて公開している。そのシンタックスはごく素直なもので、そのための語彙も提供されている。これ以上のメタデータ属性を使って検索したい場合は、スマートフォルダを使えばよい。[GF](永田)


DealBITS 抽選: Stock WatchTower

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

1995 年から 2001 年まで、Tonya と私は多くの Mac 使いの友人たちとともに株式投資クラブに参加していた。そこで私たちは貴重な経験をした。クラブの全般的成績も良かった。もっとも、その当時の株式市場の状況では、どうやっても成績が悪くなることはあり得なかったのだろうが。私たちは主に National Association of Investors Corporation (NAIC) の公表していたアドバイスに従って投資をしていた。このシステムはそれほどデータ依存傾向が強いわけでもなかったが、それでもやはり私たちは自分の興味ある株式のデータを入力したり、自分のポートフォリオにある株式の現況を追跡したりするのが結構難しいと感じていた。いくつかのオンラインサービスでは有料で情報がダウンロードできるようになっていたが、その料金が高過ぎるとか、その他の点でサービスに問題がある(例えば Windows 専用のサービスだったりする)とかの理由で、結局利用に踏み切れなかった。Tonya と私は Seattle から引っ越した時にこの投資クラブとはお別れしたのだが、このクラブという組織の存在と毎月のミーティングに参加しなければならないというプレッシャーがなくなった途端、私たちは忙しいスケジュールに追われるあまり、基本的に個別の株式に投資するということそのものを止めてしまった。

<http://www.better-investing.org/>

私たちがいつ投資を再開することになるか、あるいはそもそももう一度投資に手を出すのかどうか、それはわからないが、とにかく私たちだったらそのデータ提供の柔軟性が気に入ったであろう、Macintosh 用アプリケーションがある。WillStein Software の Stock WatchTower は、最初の起動の際にさまざまの無料アクセスウェブサイトから、何千もの株式をカバーする大量のデータ(およそ 150 MB)をダウンロードして、その後も起動の度ごとに、最初の時よりはずっと早いがそれでもかなりの量のダウンロード(ブロードバンドのインターネット接続でおよそ一時間)でアップデートを続ける。これらのデータを使って、あなたが設定した条件に合致するデータを持つ株式のみをフィルターして並べて見ることができる。例えば株価収益率が指定の範囲に納まって、現年度利益が指定の金額を超え、かつ株価が 52 週最高値に近付いているもの、といった条件だ。Stock WatchTower は表示された個々の株式のデータをグラフ表示してあなたが買い時を見極められるようにしたり、あなたが所有している株式については売り値を見極められるようにしてくれる。Watch List を作ることもできる。これは iTunes のプレイリストのようなもので、あなたが手で選んだ株式だけを集めたものだ。また、WatchTower というものもある。こちらはスマートプレイリストのように自動的に生成されるリストだ。

<http://www.willstein.com/stocks/>

もちろん、私は個人的に Stock WatchTower の動作を保証しているわけではない。私はこれを実際に使ってみたことはないのだから。けれども、もしもあなたが株式データを収集して分析できるツールを探してこられたのなら、ぜひ奮って今週の DealBITS 抽選に応募して頂きたい。今週は Stock WatchTower が 5 本、賞品となる。それぞれ定価 $49.95 相当の製品だ。幸運が足りずに当選から漏れた応募者には、もれなく割引価格の資格が贈られる。また、今すぐこのソフトウェアを試してみたいという方には、WillStein から 30 日間無料の試用版も出ているし、製品には 30 日間返金保証が付いている。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。ご自分のスパムフィルターには注意されたい。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。それから、あなたのお友達にこの DealBITS 抽選のことをお知らせ頂くだけであなたに Stock WatchTower が当選する確率が上昇するのだということもお忘れなく。

<http://www.tidbits.com/dealbits/willstein/>
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html>(日本語)TidBITS プライバシー規約

[訳注: 応募期間は 11:59 PM, 15-May-2005 Pacific Standard Time まで、つまり日本時間で 5 月 16 日(月曜日)の午後 4 時頃までとなっています。]


iMac G5 と eMac シリーズが新装

文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

新シリーズの Power Mac G5 がリリースされてから間もなく( TidBITS-778 の記事“Apple の最高速 Power Mac G5”を参照)Apple はコンシューマ向けのデスクトップ機二つ、iMac G5 と eMac についてもアップデートを発表した。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08083>(日本語)Apple の最高速 Power Mac G5

iMac G5 が改良 -- Apple はこのフラットパネルの iMac G5 にプロセッサ、グラフィックスカード、それに内蔵メモリの更新を施した。これまでと同じく、2種類のサイズと3種類の標準構成で販売される。ローエンドの 17 インチモデルは $1,300 で、1.8 GHz の PowerPC G5 プロセッサ(従来は 1.6 GHz)と 600 MHz のフロントサイド・バス、160 GB ハードドライブ、それにスロットローディングのコンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW 両用)を備えている。ミッドレンジの 17 インチモデル ($1,500) と 20 インチモデル ($1,800) はどちらも 2.0 GHz のプロセッサ(従来は 1.8 GHz)と 667 MHz のフロントサイド・バス、それに 8 倍速のデュアルレイヤー SuperDrive を備えている。17 インチモデルの方は 160 GB ハードディスク、20 インチのでっかい奴には 250 GB のハードディスクが付く。

<http://www.apple.com/imac/>(日本語)アップル - iMac G5

これら3機種とも、標準装備として 512 MB の RAM(2 GB までアップグレード可能)と 128 MB のビデオメモリを搭載した ATI Radeon 9600 グラフィックスカード、それに初代の iMac G5 から付いているポート一式、つまり FireWire 400 が2基、USB 2.0 が3基、VGA 出力と S-Video 出力が付く。また、すべての機種に AirPort Extreme と Bluetooth 2.0+EDR ワイヤレスネットワーキングが内蔵される。従来は Bluetooth は工場出荷オプションであった。どの機種も Mac OS X 10.4 Tiger を走らせており、iLife '05 が付属している。

eMac が高速化 -- CRT スクリーンベースの eMac は依然として静かに Apple の低価格ワークハウスとして働き続けており、そのことは先週このオール・イン・ワンのコンピュータに施された改良のお陰でますます確かなものになった。新しく登場した eMac には 1.42 GHz の PowerPC G4 プロセッサと 512 MB のメモリ、64 MB のビデオメモリを搭載した Radeon 9600 グラフィックスカードと 8 倍速のデュアルレイヤー SuperDrive が付く。$800 のローエンドモデルには 80 GB ハードディスク、$1,000 のモデルには 160 GB ハードディスクが付く。どちらも Mac OS X 10.4 Tiger と iLife '05 が付属する。[訳注: ローエンドモデルの方はメモリは 512 MB でなく 256 MB、SuperDrive でなくコンボドライブが付くようです。]

<http://www.apple.com/emac/>(日本語)アップル - eMac


iChat AV の新次元

文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

去年、私は Seattle の自宅の仕事場に居ながらにして、何人かの Apple の代表者たちとのブリーフィングに「出席」した。彼らは皆 Cupertino に居たのだが、iChat AV のビデオチャット機能のお陰で私たちは顔と顔を突き合わせての会話ができたのだ。でも、向こうは3人もいたので、私が全員を見られるために彼らはお互いの肩越しに顔を出すようにして座らなければならなかった。

もしも私たちが今同じようなブリーフィングをしたとしたら、私はもっとはっきりと一人一人の顔を見ることができたはずだ。なぜなら、Mac OS X 10.4 Tiger に付属の iChat AV 3.0 は、最大4名(あなたと、3人までの相手)のビデオチャットを扱うことができるようになり、しかも以前よりも高画質の画像をサポートできるようになったからだ。けれども能力が向上したことには代償も伴う。一部の Mac は参加できないのだ。

<http://www.apple.com/macosx/features/ichat/>(日本語)アップル - Mac OS X - iChat AV

多方向のチャット -- 多方向のビデオチャットは、Tiger の新機能の中で最も人目を引くものの一つだ。だからこそ、Apple は私の見たほとんどの広告の中でこの機能を示したスクリーンショットを含めているのだろう。2人の人がチャットする場合は、iChat AV 3.0 は Panther 下での iChat AV と見かけは変わらない。あなたが下の隅の小さなウィンドウに現われ、相手方が全体ウィンドウの大部分を占める。

けれども、3人目の人が加わった途端に、あなたの相手方は立体的に角度の付いた平面の上に現われ、まるであなたの前に2つの LCD スクリーンを置いたような感じになる。(iChat のメンバーリストにある Audio と Video のステータスボタンは積み重なったアイコンとして表示され、これがその人物が iChat AV 3.0 を動かしていて多方向チャットが出来るということを示している。)4人目の人が加わると、その人も独立の平面が与えられ、これがあなたの正面に来る。すると、4人がまるで会議のテーブルを囲んで座っているという趣になる。さらに Apple はこのイリュージョンに真実味を持たせるため、それぞれの人物の平面のすぐ下のところに、床面に反射して映った影まで添えている。白状すると、私はこの多方向ビデオチャットを初めて使った時、思わずこの影を見つめ続けていた。この影もリアルタイムで見事にアップデートされる。

<http://www.tidbits.com/resources/779/ichat3-Rich-Jason-Adam.jpg>
<http://www.tidbits.com/resources/779/ichat3-Jon-Jason-Chris-Jeff.jpg>

従来のバージョンとは異なり、誰もがこの多方向ビデオチャットを始められるわけではない。チャットを開始する側のコンピュータはビデオエンコーディングやオーディオ・ビデオの同期などの作業の大半を引き受けるので、かなり厳しいハードウェア要請があり、1 GHz 以上のデュアル G4 または G5 プロセッサを持つ Mac に、384 Kbps 以上のインターネット接続帯域幅が必要となる。残念ながら、この条件によって Apple のラップトップ機はすべてビデオチャットの開始者の資格がないことになる。

多方向ビデオチャットに参加するだけならば、条件はもっと緩やかだ。1 GHz 以上の G4、800 MHz 以上のデュアル G4 または G5 プロセッサの Power Mac に、100 Kbps 以上のインターネット接続帯域幅というのが条件だ。iChat AV はまた最新バージョンの AIM (AOL Instant Messenger) が走る Windows 機のユーザーとのビデオチャットもサポートしているが、これについては一対一のみで多方向のチャットはできない。

Apple が宣伝している通り、ビデオ画質は iChat が H.264 ビデオコーデックを採用したことによって向上している。けれどもこの画質もやはりインターネット接続とハードウェアに依存する。接続速度が遅ければそれだけ画質がぼやけてくる。これは必ずしも悪いことではない。iChat は画像の鮮明度を犠牲にしても、より滑らかな動きの方を優先させているのだ。(例として上記の二番目の URL の画像をご覧あれ。)

iChat AV 3.0 にはまた最大 10 名のオーディオチャットの機能もある。こちらにはまた別のハードウェアおよび接続の条件がある。10 名の会議をホストするためには、1 GHz 以上の G4、800 MHz 以上のデュアル G4 または G5 プロセッサの Mac に 128 Kbps 以上のインターネット接続帯域幅が必要だ。オーディオチャットに参加するには、G3、G4 または G5 プロセッサならば何でもよく、インターネット接続も 56 Kbps 以上あればよい。

その他の変更点 -- これら二種類の多方向チャットが目玉の機能なのは間違いないが、iChat AV 3.0 にはその他にも数々の大きな変更点がある。他の iChat または AIM アカウントに切り換えるのが、iChat メニューに新設された Switch To 項目で簡単にできるようになった。他の人がメンバーリストであなたの情報を見る時に表示される説明となるあなたのプロフィールを、Buddies メニューから Change My Profile を選んで変更できるようになった。従来は、このフィールドを編集するために AIM アプリケーションを起動させる必要があった。

切り替えといえば、ファーストユーザスイッチで他のユーザーに切り替わった時にこのプログラムがどう挙動すべきかが iChat の環境設定で指定できるようになった。iChat をログアウトする(これが従来の挙動)か、またはあなたのステータスを Away にするかが選べるのだ。あなたが Away になっている時に、それでも他の人があなたにチャットを呼び掛けてきた時、iChat が返答を送れるようにも設定できる。(返答はあなたのカスタムステータスメッセージにもできるし、またデフォルトの Away ステータスとして設定されている場合には“Auto-reply: I am away from my computer”のようにもできる。)

グループ化機能も改良され、よりわかりやすいインターフェイスになった。これまで私はグループ化など全く興味がなかったが、今はチャット仲間たちを自分との関係に従って(例えば TidBITS グループなど)グループ分けしている。これはメンバーリストでバナー見出しの部分に表示される。

インスタントメッセージの交信にセキュリティを加えたいという向きのために、iChat AV 3.0 が Jabber をサポートするようになった。これで、メッセージが暗号化される。既存の Jabber サーバにサインアップすることもできるし、また Jabber ベースの iChat Server が Mac OS X 10.4 Server に含まれているので、そちらを使うこともできる。

<http://www.jabber.org/>
<http://www.apple.com/server/macosx/features/collaborationservices.html>(日本語)アップル - Mac OS X Server - コラボレーションサービス

Apple はまた人気のあるサードパーティの機能を一つ、iChat に取り入れた。Available と Away についてのステータスメッセージの他に、現在 iTunes で再生中の曲のタイトルとアーティスト名を表示するよう指定できるようになった。(以前 iChat Status を私はまさにこのために使っていた。)ステータスメッセージの右端にある矢印をクリックすると、iTunes Music Store でのその曲のページが開き、あなたの友達が再生中の曲をあなたもサンプル(または購入)できる。

<http://www.ittpoi.com/ichatstatus/>

ビデオの未来は -- 私は毎日 iChat を使って友人や同僚たちとテキストでのチャットをしているが、オーディオやビデオのチャットはほんの時折にしかしていない。新しい多方向ビデオチャットの機能はたしかにクールだが、実際に人々がどの程度それを使うようになるのか、私は興味津々だ。それでも、従来はもっと高価な、多くの場合独自機能のサービスを利用しなければ実現できなかったものが、今や安価な、システム内蔵の方法で手軽にビデオ会議に参加できるようになったという、そのことだけでも喜ばしいことだと思う。


iPhoto 5: 新機能は多数、でも限界点は変わらず

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

おっしゃる通り。私は iPhoto 4 が出た時、どちらかと言えばがっかりした。iPhoto 4 は Apple のコンシューマレベルの写真管理プログラムの前回のバージョンだった。( TidBITS-718 の記事“iPhoto 4 : 底力は消えず”を参照。)それは、何もこのプログラムに先進的機能が欠けていたからというわけではなかった。これが元来素晴らしいアイデアであり、現在でも依然としてアイデアの素晴らしさは変わらないのに、それを何ともまずい具合に実装したプログラムという状態のままで、最新版という名のもとに出されていたからだった。Apple は、たいていの人々の求める写真管理プログラムとは一つのプログラムが何から何までやってくれるもの、つまり写真の読み込みや整理から編集や出力まで、すべてをこなしてくれるものなのだ、ということを理解していた最初のメーカーだった。そして、iPhoto は今でもその条件を満たすほとんど唯一の Mac 用プログラムだ。Windows の側では類似のプログラムがいくつか登場してはいるのだが。

<http://www.apple.com/ilife/iphoto/>(日本語)アップル - iLife - iPhoto
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07556>(日本語)iPhoto 4 : 底力は消えず

忘れないで頂きたいのは、私が普通の人よりも少しばかり余計に iPhoto に思い入れがあるということだ。これまで私は、このプログラムのメジャーバージョンが出る度に、Visual QuickStart Guide を書き換えてきた。そして今回も、私の本“iPhoto 5 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide”はもう書店の売り場に並んでいるはずだ。別のルートとして、この本の PDF 版を $14 で購入することもできる。これは、安売りの書籍小売店での価格とほぼ同じだろう。

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0321335384/tidbitselectro00/ref%3Dnosim/>
<http://store.eSellerate.net/store/catalog.aspx?s=STR4750768179>

こうして iPhoto 5 の本を書くために何ヵ月も費やした経験から言って、私は皆さんにアップグレードをお勧めできるだろうか? iPhoto はもともと無料(iPhoto 1 と iPhoto 2)だったが、その後 iPhoto 4 で $50 の iLife '04 パッケージの一部となり、今回の iPhoto 5 も、入手方法は $80 の iLife '05 パッケージの一部としてか、または新規購入の Mac に搭載されてという形のいずれかしかない。無料のプログラムならば、iPhoto がある程度いい加減に作ってあっても許せた。けれども、既に iPhoto に深く掛かり合ってしまっているのでない人たちに対して iPhoto 4 を勧めたいという気には、私はどうしてもなれなかった。今回の iPhoto 5 では数々の改良が施されていて、従来のバージョンよりも遥かにパワフルなプログラムに進化しているのだが、重大な手落ちがいくつも、その多くが iPhoto の一番最初のバージョンからずっと存在していたものなのに、まだまだ残っている。全体的に判断すれば、そう、既に iPhoto を使っている人とっては iPhoto 5 は疑いもなく iPhoto 4 の改良型なのでアップグレードをお勧めしたい。でも、だからと言って私がこのプログラムの隅々まで気に入っているというわけではない。そこで、これからこのプログラムの主要な点のいくつかについて検討してみよう。どの部分が良くてどの部分がそうでもないのかは、皆さんがご自身で判断して頂きたい。

写真の読み込みと管理 -- 写真を iPhoto に読み込むことに関しては、あまり変わりはない。ただし、Apple はインターフェイスを少々変更している。「ソース」ペインにあなたの他の写真コレクションと並んであなたのカメラやメディアカードリーダーが表示されるようになった。読み込みの最中には、読み込まれている写真のプレビューが次々に見られるようになった。iPhoto 4 でと同じく、読み込み作業中でもこのプログラム内の別の部分で作業をすることができる。

Apple が大きく宣伝しているのは、カメラのムービーや RAW フォーマットの画像ファイルなどを読み込めるという iPhoto 5 の新機能(実際は Mac OS X の新機能)だ。(少なくともいくつかのカメラからは、ということだ。私のカメラは RAW を扱えない。)どちらの機能も、私の心を揺さぶるというほどではなかった。iPhoto が RAW ファイルを扱うやり方に混乱させられてしまったという人も多い。どうやら、iPhoto は RAW ファイルを読み込むと即座にそのファイルは適切な Originals フォルダにしまっておき、その JPEG フォーマットのコピーを作ってそちらをあなたの作業用に提示するらしいのだ。これは、RAW が「デジタル・ネガ」のフォーマットであることに合致している。つまり、直接あなたが作業の手を加えるようには出来ていない。RAW ファイルを iPhoto の外に持ち出すには、元のフォーマットで書き出すようにすればよい。「オリジナルに戻す 」機能を使ってしまうと、その RAW オリジナルの JPEG コピーが新たに作られるだけだから。

ムービーの方はもっと単純に説明できる。そして、この機能の方にはがっかりさせられた。確かに iPhoto はムービーを読み込める。もちろん、それをアルバムに追加したり、ランク付けやキーワードを付けたりもできる。そして、それで終わりだ。ムービーを iPhoto 内で再生して見ることすらできない。ムービーをダブルクリックすれば、QuickTime Player で開かれる。少なくとも、他のアプリケーションを開くことなどせずに、iPhoto 自身でムービーの再生くらい出来るようになって欲しいものだ。

本当にがっかりさせられたのは、四年も経った今でさえも、iPhoto が Apple 自身の Image Capture アプリケーションの基本機能を身に付けていないことだ。つまり、カメラ一杯の写真の中から数枚の欲しい写真だけを選択して読み込むことができないのだ。もちろん、iPhoto には重複を避ける機能はある。でも、サムネイル写真をいくつかクリックしておいて「読み取り」をクリックする方がずっとずっと早いではないか。カメラが「ソース」ペインに登場するようになったのだから、そのための完璧なインターフェイスも目に見えているのに。「ソース」ペインでカメラをクリックすると、他のソースと同様にすべてのサムネイルがメインウィンドウに表示されるようにしさえすればよいのだから。

もう一つ不満なのは、iPhoto で複数の iPhoto Library フォルダが使えるのに、それらの間で切り替える時のインターフェイスがどうひいき目に見ても原始的としか言えないことだ。iPhoto の起動の際に Option キーを押していると、新しいライプラリを作るか選択するかできる。結局のところ、私からのアドバイスは以前と同じだ。もしもあなたが全く違った種類の写真を別々の iPhoto Library フォルダに振り分けて管理したいのならば、Brian Webster のフリーウェア、iPhoto Library Manager を使うべきだ。ただ、そういう振り分けを使ってもプログラムの動作が高速化されるわけではない。これはあくまでも写真の整理の便宜のためのもので、例えば仕事の写真と個人的な写真は別々にしておきたい、というような目的に使うだけのものだ。

<http://homepage.mac.com/bwebster/iphotolibrarymanager.html>

写真の整理 -- iPhoto 5 は、写真の整理についてはいくつかの重要な新機能を搭載している。最も目立つ新機能は、「フォルダ」と呼ばれる概念を持ち込んだことだろう。この言葉は、きっと皆さん聞いたことがおありですよね? フォルダというのは、実世界では紙の書類をまとめて保存しておくために使われるものだ。それと同様に、iPhoto 5 におけるフォルダは、いくつかのアルバムやスライドショー、あるいはブックなどをまとめておくために使う。これをいわば「階層型ファイリングシステム」として使うことができ、これは非常に便利だ。同じ概念を Finder に導入してからたったの 20 数年しか経っていないのにもかかわらず、早くも iPhoto 5 に導入してくれた Apple に万歳三唱を捧げたい。いや、どうか私の皮肉をお許し願いたい。でも、前のバージョンで階層的な整理が全くできないというのが私の聞く限りユーザーからの最大の不満であった。とにかく、今は階層的な整理ができるようになった。これは良いことだ。

「ソース」ペインには従来はアルバムしか置くことができなかった。けれども iPhoto 5 では、それ以外の集まりもここに置けるようになった。フォルダやスライドショー、ブックなどだ。従来は、スライドショーの設定やブックのレイアウトはアルバムの属性としてしか存在せず、別々のセッションでいろいろと違ったものを作って使い分けるのが難しかった。この「ソース」ペインに表示されたいろいろの項目を配置し直すことはできるが、基本的なソート順は常に変わらない。フォルダ、スマートアルバム、アルバム、ブック、最後にスライドショーの順だ。このことは、個々のフォルダ内部でも同じことだ。

Apple はキーワードの扱いを完全に書き換えてしまった。その結果、キーワードの定義は iPhoto の環境設定ウィンドウの中のペインでするようになった。また、キーワードの割り当てや検索も「ソース」ペインの下にあるキーワードペインでするようになった。この新しいキーワードインターフェイスの評価については今は論評を控えさせて頂きたい。従来の iPhoto でのどうしようもないやり方のせいで、私たちにはキーワードなど使い物にならないという先入観が身に付いてしまっているからだ。一つだけ興味深いことがある。iPhoto 5.0.2 で、検索で二つのキーワードを選択した場合の処理が修正された。5.0.2 より前では、その場合どちらかのキーワードに対応する写真(検索の拡大)が表示された。5.0.2 から、iPhoto は両方とものキーワードに対応した写真(検索の絞り込み)を表示するようになった。

「ソース」ペインにもう一つ新しい要素が加わった。カレンダーペインだ。これは、選択した期間内の写真だけを表示させるのに素晴らしく便利に使える機能だ。その期間というのは連続したものであっても、あるいはばらばらの日付の集まりであってもよい。特定の日付の範囲内の写真だけに限定して表示させられるというのが、私はとても気に入った。

新しく装備された検索フィールドで、タイトル、ファイル名、コメント、あるいはキーワードの中に含まれるテキストを検索できる。これは、iTunes での検索機能とよく似ていて、とても良く出来た特定語検索機能だ。私の場合はとりたてて自分の写真にメタデータを追加するという習慣がないためにあまりこの検索機能を使っていないが、私の使った範囲では問題なく、しかも高速に動作していた。(ついでに言い添えると、私が iPhoto でメタデータを使いこなす気になれない理由は、iPhoto が依然として写真とメタデータを合わせて書き出す機能を内蔵していないからだ。Flickr 書き出しプラグインを使えば出来るのだから、その内蔵機能を提供することも可能なはずだろうにと思う。でも、もしも将来私が他のプログラムに乗り換えた場合にその努力が無駄になってしまうかと思うと、メタデータ書き出しが内蔵されないうちは、どうしてもキーワードを割り当てたり写真にタイトルを付けたりする気にはなれない。)

さて、以上のような新機能はすべて歓迎すべきものだが、またまたもう一つ驚天動地の機能欠落がある。いったいなぜ、写真やフィルムロールのタイトルを(あるいは日付、キーワード、ランク付けなども)直接変更ができないのだろうか? その同じ機能が、Finder では 1984 年以来ずっと標準装備だというのに! 写真やフィルムロールを改名したければ、普通誰もがその名前をクリックして数秒待てば Finder と同じように新しい名前がタイプできるようになるはずだと思うだろう。でもそうはならない。名前を変えるためには、その項目を選んでから情報ペインを開いて、そこで改名作業をしなければならないのだ。この点、iPhoto はそのデビュー当時からずっと今まで、壊れた状態のままだ。これは、恥ずかしいことだと言わざるを得ない。

写真の編集 -- iPhoto 5 の看板機能といえば、おそらく調整パネルになるだろう。これを使うと、写真の色や露出、シャープネスなどをさまざまに調整することができる。私は、以前はレベルヒストグラムというものをまったく理解しておらず、自分の本で説明するために勉強したような人なのだが、そんな私でも調整パネルで写真を自在に調整することができて、いたく気に入った。補正ボタンは、iPhoto 4 から変わっておらず、私が調整パネルを使ったときほど上手な補正はできない。私は、下手をすればお粗末になってしまう写真の画質を大幅に向上させることができた。もちろん、以前よりも写真の修整に長い時間をかけるようになったという欠点もある。理想を言えば、補正ボタンをクリックしたとき、その効果を調整パネルのスライダーで見ることができて、そこを出発点として写真を向上させることができるとよい。

調整パネルがとてもよいものだとしても、文句がないわけではない。明度とコントラストのスライダーはほとんど役に立たない。露出とシャープネスのスライダーを使ったほうが、いつでもよりよい結果が得られる。ただし、あなたが PowerPC G3 ベースの Mac を使っているなら、明度とコントラストしか調整できない。調整パネルが半透明のフローティングウインドウで、下の画像を見ることができるというのは、面白いインターフェースだが、スライダーそのものは気が利かなくて扱いにくい。その大きな要因は小さいサイズだ(私は目が悪いわけでも不器用なわけでもない!)。両端にあるアイコンをクリックして一単位ずつ動かすこともできるが、キーボードから操作できればもっとよかった。

調整パネルを別にすれば、iPhoto の編集機能に加えられた変更のほとんどは後ろ向きだ。赤目補正のインターフェースは悪い方に変更された。ツールを選択してから、直したい目の真ん中をクリックするようになったのだが、目というのはしばしば小さくて、標的としては厄介だ。また、適切な色の領域をはずしてしまうと、赤目補正は何もしないから、正しい位置をクリックしたのにうまく機能しなかったのか、それとも間違った位置をクリックしたのか、分からない。加えて、集合写真で赤目を直そうとすれば、それぞれの人の目をクリックするのに時間がかかる。うれしいことに、iPhoto 5.0.2 で古いインターフェースが戻ってきた。目の周辺の領域を大まかに選択して、赤目ボタンをクリックするだけだ。

拡大表示している写真を Command-ドラッグで動かすこともできなくなってしまった。Command-クリックでは、白色点が設定される。もし調整パネルが開いていれば、色温度と色合いのスライダーが動く。これは、写真の中で白いものをクリックするというように使うのだが、私にとっては、どんな写真であっても、ちょうどよい陰影のものを見つけることはほとんど不可能だ。

しかし、もっとも気に入らない点は、写真に編集内容を適用する方法を Appleが変更したことだ。以前のバージョンでは、取り消しを何度でもすることができて、ほかの写真の編集を始めていたり、モードを切り替えていたり、どんな場合であっても、編集をさかのぼってやり直すことができた。iPhoto 5 では、ひとたび写真の編集を始めると、加えられた編集のすべてが待ち行列となって(これには、調整の順番を気にする必要がないという、便利な効果もある)、他の写真に移ったりモードを切り替えたりすると、それが適用される。取り消しができるのは、あなたがその写真を編集しているあいだだけだ。変更が保存されてしまえば、最初までさかのぼってオリジナルに戻すことしかできなくなってしまう。

したがって、実験がやりにくくなる。ある画像を編集しているあいだは、取り消しでそれぞれの変更を戻すことができるといっても、Control キーのショートカットを使って調整前と調整後を表示するときは、最後に加えた変更ではなく、変更全体の効果を見ることしかできない。予期しない編集をしてうっかり保存してしまうというのもありそうなことで、その場合でも変更が保存されることを示すものは何もない。もっとも気に入らないことは、変更を保存するのが耐えられないほど遅いということだ。あの Saving Changes ダイアログを見るたびに、私の血圧は上がってしまう。

写真を自慢する -- 写真を取り込んで、整理し、編集し終わったら、次はそれらを他人に見せびらかす番だ。この点に関しては、iPhoto 5 はさまざまなものの寄せ集めだ。スライドショーとブック作成はまったく新しくなり、はるかによくなった。プリントや Web ページへの書き出しそのほかは、iPhoto 4 からほとんど変わっていない。

iPhoto 5 では、「保存されたスライドショー」とでもいうべき機能が加わった。これは、ソースペインに置いておけるスライドショーで、何度でも繰り返し使うことができる。古いやり方、いうなれば「基本的なスライドショー」もまだ存在しており、たとえば最近取り込んだ写真の中から悪いものを間引くためだけにスライドショーを使いたいという場合には、こちらのスライドショーが使える。一方、保存されたスライドショーは、本当のスライドショーだ。個々の写真について、タイミングやトランジション、さらには Ken Burns エフェクト(静止画像内でパンとズームをする)を調節できる。また、保存されたスライドショーを QuickTime ムービーに書き出すこともできる。ただし、1つだけ注意。自動 Ken Burns エフェクトは、同じスライドショーの中でも再生するたびに異なって動く。思い通りの結果を得たければ、それぞれのスライドで Ken Burns エフェクトを手動で設定するように。iPhoto 5.0.2 ではスライドショーの便利な機能が修繕された。選択した音楽の長さにスライドショーの長さを合わせる機能が直ったのだ。そのためには、iTunes で曲を1曲かプレイリストを1つ選択する必要がある。好きな曲をいくつも選ぶことはできない。

もう1つ、完全に刷新され、全体的に改善されたのは、ブックの作成だ。左から右へ作業したり、全くの混乱状態を覚悟したりする必要はなくなった。配置されていない写真のリストから、ページ上の特定の場所に写真をドラッグできるようになったのだ。空白の場所にドラッグすれば(デザインによって場所が異なるが)写真が追加され、すでにある写真の上にドラッグすれば、写真が置き換わる。新しいブックのインターフェースに文句をつけたいところといえば、ブックをどのようなものにしたいかということについて明確な意見を持っている場合、Autoflow レイアウトオプションを使うと、作業量が減るどころか増えてしまうことだ。そういうときは手動レイアウトを使えばよい。iPhoto 5.0.2 では、レイアウトインターフェースが 5.0 から少し変わった。始めるたびに手動レイアウトか自動レイアウトかを選ぶ必要がなくなり、その代わり iPhoto が Autoflow ボタンの存在を知らせてくれる。また、最初のリリースでは、ページタイプポップアップメニューから何かを選ぶと、配置されていない写真のリストから写真が流し込まれていたが、これが変更されて、いつでも手動で写真をドラッグしなければならないようになった。iPhoto 5.0.2でもっとも歓迎するべきは、私がメインの iPhoto ライブラリでブックを作るときにしょっちゅうクラッシュしていたというバグが直ったことだ。ありがとう、Apple。

iPhoto 5 のスライドショーとブックで一番気に入っている点は、本質的に、それぞれの場面に応じて画像の切り抜きができるということだ。オリジナルの画像を切り抜いて元に戻れないということはない。スライドショーでは、普通にズームスライダーを使えばよい。ブックの場合は、写真をダブルクリックすれば拡大される。どちらの場合でも、いったん拡大すれば、枠の中で画像を好きなようにドラッグして、中心の位置を変えられる。インターフェースが異なるので、少し混乱するかもしれない。保存されたスライドショーで写真をダブルクリックすると、編集できる。しかし、ブックの写真を編集するには、まずダブルクリックしてズームモードに切り替え、さらにダブルクリックしなければならない。ブックで写真を Control-クリックすれば、Edit Photo オプションが現れるが、保存されたスライドショーで写真を Control-クリックしても、そのようなものは出てこない。

写真を共有するということについて、注意するべき点があって、残念ながらこの問題はそのまま残されているのだが、写真をディスクに焼くと、そのディスクに iPhoto Library フォルダが作られてしまい、iPhoto ユーザは簡単に写真にアクセスできるが、そうでない人にとってはアクセスが難しい。Finderでディスクを焼く用意をしておいて、そこに写真を書き出すということもできるが、これでは必要以上に要領が悪い。単純に、iPhoto が、保存先に iPhoto Library フォルダを作ればよいのか、アルバムに対応したフォルダを作ればよいのか、たずねればよいだろうと思う。

もう1つ改善されていないこととして、iPhoto は、同じ Mac を使っているユーザのあいだで写真を共有したり、複数のユーザがネットワーク越しに写真を共有したりして、複数の人が同じ写真を整理したり編集したりすることをサポートしていない。どちらの制限についても、回避策はある。たとえばiPhoto Library Manager を使ったりすればよいのだが、そのようなハックの必要はなくなるべきだ。

まとめのスナップショット -- 私が iPhoto 5 に満足していないように聞こえたかもしれないが、そんなことはない。私が満足していないことは、以前のバージョンにあった、一見したところ分かりきった問題が、今回も解決されなかったということだ。実際、私は新しい保存されたスライドショーをとても気に入ったし、ブックの新しいインターフェースも気に入った(新しいテーマは、ひどく素晴らしいというほどではないが)。それに、調節パネルのおかげで私はいろいろなことができるようになり、ありがたく思っている。キーワードのインターフェースも明らかに改善されたし、カレンダーペインと検索フィールドは大歓迎だ。

しかし、私は再び次のバージョンの iPhoto を待ち焦がれることになってしまった。次のバージョンでは、少なくとも理論的には、選択的な読み込みや、iPhoto 専用でないディスク焼き込み方法、同じ Mac やネットワークでつながった Mac での写真共有の改善、メタデータの書き出し方法、写真やフィルムロールの題名の直接変更といった基本機能を提供することができるはずだ。壊れた古い機能を直すことは、新しい機能を作り出すことに比べて、楽しいことではないということは理解できるが、4回のリリースの後でもこれらの機能が欠けているというのは、苦痛になりつつある。

私は iPhoto から乗り換えるつもりはない。その大きな理由は、日常的に写真を取り扱うのに、さまざまなプログラムを組み合わせるのでは、iPhoto ほど簡潔で使いやすくはならないだろうということだ。それに、iPhoto の直接の競争相手というのは存在しない。実際、iPhoto に本当に必要なものは、そんなものがあったら私は驚くだろうが、本格的な対抗馬だ。理想を言えば、そういうプログラムが同じデータベースと写真の保管場所を使えばよいのだが、そういうプログラムが存在しさえすれば、私たち一般人にとっての写真管理というものが格段に向上されるだろう。


TidBITS Talk/09-May-05 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋が る。こちらの方が高速のはずだ。

Tiger の出荷と教育用割引の問題点 -- Tiger を予約注文した人たちで予定の日になっても受け取れなかった人たちがいた。ただ、その中にはお詫びの印として無料でソフトウェアの提供を受けた人もいたという。また、Apple の教育関係者用割引はオンラインでの注文のみに適用され、Apple 小売店では適用されていないようだが、いくつか例外もあった。(メッセージ数 7)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2565>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/423>

Tiger での Safari の改良点 -- Safari 2.0 は従来のバージョンよりもメモリの扱いが格段に改良されたようだ。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2566>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/424>

Tiger での Mail.app -- 一人の読者が新バージョンの Mail で“途方もなく奇妙な”挙動に出くわした。またこのプログラムの新しく変更されたインターフェイスについての議論もあった。(メッセージ数 3)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2567>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/425>

Tiger での iChat AV -- Tiger の下での iChat AV は、従来のバージョンの Panther 下での動作に比べてどう変わったか? ある読者が予期しない挙動を体験する。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2568>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/426>

Tiger での Unix に関連したあら探し -- Tiger では追加のデータ情報(リソースフォーク)を、従来のバージョンとも、また他の Unix 流とも違った方法で扱う。(メッセージ数 13)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2569>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/427>

Tiger インストールのトラブル -- Tiger のインストールの前にバックアップをしようとして、Retrospect Express のバックアップ動作が異常に遅いという現象に見舞われた読者がいる。そこで、他の読者たちからこの新しいオペレーティングシステムにアップグレードする際にどんなアプローチを用いたかというメッセージが寄せられる。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2571>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/429>

Dashboard は使えるか -- Dashboard のレイヤーベースのやり方は、はたしてうまく行くのか? それともただ邪魔なだけか? (メッセージ数 6)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2572>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/430>


tb_badge_trans-jp2

非営利、非商用の出版物およびウェブサイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載またはウェブページにリンクすることが できます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありませ ん。書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA