TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#865/05-Feb-07

あなたなら、23 インチの MacBook を購入するか? いや、これは Apple 製品ではない。Jeff Porten が、調子の悪くなった 17 インチ PowerBook G4 を、彼の MacBook の第2モニタへと変貌させた顛末を物語る。それから、Mac のセキュリティの問題が最近取り上げられることが多いのに鑑み、John O'Fallon が、たいていの攻撃を防ぐことのできる実用的な予防策を紹介する。また今週号では、Apple が iPod shuffle シリーズに彩りを加え、the Beatles の Apple Corps 社との間で長年にわたって続いた論争を解決に導く。さらに Nolobe 社が Interarchy を買収して Interarchy 8.5 をリリースし、Open Door Networks 社がその一連のセキュリティ関連製品をアップデート、AirPort Extreme の出荷が始まるとともにそのワイヤレス能力の詳細が新たに発表され、Macinstruct が Adam と Tonya と Joe を審査員に加えた Mac チュートリアルコンテストを開く。最後にもう一つ、私たちの“Month of Apple Sales”企画の第1弾として、Mac 特定内容の Take Control 電子ブックをバンドル販売しているのでどうぞご利用を!

記事:


----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------

---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----


Apple Inc. と Apple Corps 商標権訴訟和解合意

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

Apple Inc. と Apple Corps は本日、新たな合意の下、Apple Inc. が"Apple"に関するすべての商標権を所有し、その一部の商標を Apple Corps にライセンス供与すると発表した。今回の合意は 1991 年の合意に取って変わるものだ。その合意では、Apple Corps が Apple Inc. に対して Apple Corpsの商標を使用することを認め、Apple Inc. が "あらかじめ録音されたコンテンツを配布するための物理的メディア" を販売しない限りは、Apple Corps の使用領域(エンターテイメント)の範囲内の項目についてもこれを許可するものとしていた(両社関係の歴史について詳しくは、Geoff Duncan による 2006-03-27 の "担うべき重荷: Apple 対 Apple"を参照)。今回の合意により、現在審理中の、商標権侵害で Apple Corps が Apple Inc.に対し起した訴訟にも区切りが付いた。Apple Corps は敗訴したが、この判決に対しすぐに上訴した。両社は各自訴訟費を負担し、Apple Inc. は iTunes で名称とロゴを継続して使用できる(同様に詳細については、Geoff による 2006-05-08 の"無罪! Apple が Beatles との商標争いに勝つ"を参照)。新しい合意の条件については明らかにされていない。

Beatles の楽曲が iTunes Store で販売されるのかどうかは、未だはっきりとしていない。2007 年 1 月に行われたばかりの Macworld Expo での Steve Jobs による基調演説では、Beatles についての微妙な発言があり、そのため多くの人たちは近いうちにそうした発表があるのだろうと考えたものだ。しかし口に出してはっきりと「さあ、売り出そう」とは言っていない。Apple Corps のマネージャー Neil Aspinall は声明の中で、「当社は、Apple Inc. の成功を祈るとともに、長期にわたる友好的な協力関係を期待している」と語った。調査会社の NPD Group によると、Beatles の楽曲は、ピアツーピアのファイル共有サービスにおいて、最も頻繁にダウンロードされている。


色とりどりの iPod shuffle

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

Apple は先週、小型の iPod shuffle5 色のカラーになったと発表した。色は、ピンク、オレンジ、グリーン、ブルー、そしてオリジナルのシルバーだ。容量は変わらずメモリー 1 GB で 80 ドル。この報道はジェラシーを表す色、バイオレットの提供でお送りしました。


究極の Mac ファンの地下室

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

本日のお宅のリフォーム拝見は、私たちが Soyburger 宅を訪ねてみよう。彼は 28 歳のビデオ編集者/コンピューター・アニメ製作者/グラフィック・デザイナーで、明らかにインテリアデザインの才がある。Soyburger もまた Macintosh のファンだが、ほとんどの Mac ファンが、Think Different のポスターや iMac をリビングに目立つように陳列することで満足する一方、Soyburger 宅には、私たちがかつて見た中でもっとも膨大な Mac の個人コレクションがあり、カスタムデザインされた地下オフィス兼レクリエーションルームの IKEAの家具の上に、エレガントに陳列されていた。バーは大方 Classic II で構成されていた。壁一面の iMac に、さまざまなモデルの Mac が並び、所々に Newton や Apple II が点在していた。また娯楽のために、クラシックなビデオゲーム機のコレクションがあった。ほんとにあっぱれだ!


DealBITS 抽選: Billable 当選者

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

cox.net の Steve Green、ewmullin.com の Ed Mullin、upei.ca の Matthew MacKay、そして austin.rr.com の Steve Cronin おめでとう。先週のDealBITS 抽選: Billableでは、この方々の応募がランダムに選ばれ、$24.95 相当の Clickable Bliss のBillable が贈られた。当選しなかった TidBITS の読者も、Billable を購入する際、2007年2月14日まで 20% の割引が受けられる。 注文時に、クーポンコード "tidbits1" を使用のこと。今回の DealBITS 抽選は 388名もの応募があったことに重ねてお礼を言いたい。そしてまた、将来の抽選にも皆さんから続けてご応募いただけることを願っている。


DealBITS 抽選: SmileOnMyMac 製品 スイート

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

SmileOnMyMac は、過去数年に渡り、Macintosh の便利なアプリケーションの数を増やしていくことで、その名を築いてきた。SmileOnMyMac のアプリケーションでは、PDF 編集ユーティリティである PDFpen がもっとも良く知られているだろう。しかしまた、CD/DVD のラベルを作成、印刷する DiscLabel、ファックスとして書類を送信できる PageSender、Web ブラウザの視覚的な履歴を作成してくれるBrowseBack、テキスト断片を繰り返し入力するのをスピーディーにしてくれる TextExpander、そしてフォトアルバムやスクラップブックをデザイン、印刷する PhotoPrinto も開発している。SmileOnMyMac 製品は、いままで DealBITS でも紹介してきたが、これらの製品がthe SmileOnMyMac Productivity Suite としてひとつになった。通常、アプリケーションを別々に購入した場合 $200を超えてしまうが、まとめて買うとわずか $129 だ。

今週の DealBITS 抽選では、SmileOnMyMac Productivity Suite を 3 本、賞品にする。それぞれ定価 $129 相当の製品だ。幸運が足りずに当選から漏れた応募者にももれなく SmileOnMyMac製品の価格が割引になるので、ぜひ奮って下記リンクの DealBITS ページで応募して頂きたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。どうかご自分のスパムフィルターに注意されたい。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。また、もしもあなたがこの抽選を紹介して下さった方が当選すれば、紹介に対するお礼としてあなたの手にも同じ賞品が届くことになるのもお忘れなく。

[訳注: 応募期間は 11:59 PM, 11-Feb-2007 Pacific Standard Time まで、つまり日本時間で 2 月 12 日(月曜日)の午後 5 時頃までとなっています。]


Nolobe、Interarchy を買い取り、8.5 を出荷

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Peter Lewis と Stairways Software は、先週、新会社 Nolobe が Stairwaysから Interarchy を買収したと発表した。Nolobe は Interarchy の開発を率いる Matthew Drayton が設立したものだ。つまりこれは従業員による買収ということになる。Interarchy は、かつては Anarchie という名で知られていたが、10 年以上にわたって Peter と Stairways が開発を続けており、Matthew が開発に加わったのは6年以上前のことだ。

現在の Interarchy ユーザにとっては、本質的に何も変わることはない。Interarchy 8 のライセンスは引き続き有効で、リリースされたばかりの 8.5に無料でアップグレードできるという特典もある。今年中に出る予定のInterarchy 9.0 へは、割引価格で有料アップグレードできる。Stairways Software は、ホットキー・ユーティリティ Keyboard Maestro に加え、現在は販売されていないいくつかの古いプログラムを保持するが、Peter はしばらくのあいだほかのことに注力するのだろうと私たちは考えている。なにしろ、彼と彼の妻 Nikola とのあいだには、いまにも3人目のお子さんが誕生するのだから。

今回の発表に伴って登場した Interarchy 8.5 では、AppleScript の記録機能とアプリケーションの Scripts メニューによってスクリプトのサポートが強化され、選択された SFTP フォルダをターミナルのリモート ssh セッションで開くことができる Open in Terminal コマンドが加わり、Dock メニューからブックマークや開いているタブにすばやくアクセスできるようになり、強化された Get Info ウインドウではリモート FTP サーバのフォルダサイズを計算したりファイルのパーミッションを変更したりできるようになった。Interarchy 8.5 のリリースノートに変更点がすべて挙げられているので、ご覧いただきたい。7.8 MB のダウンロードで、Mac OS X 10.3.9 以降が必要だ。登録ユーザは無料でアップグレードでき、新規購入は 60 ドルだ。


Macinstruct が Mac Tutorial コンテストを開始

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

ここにひとつ、私の気に入ったアイディアがある。それは、Macintoshユーザーのための、最高にクリエイティブで革新的なチュートリアルをつくるコンテストだ。もちろん、Macユーザーであるからには、マニュアルを読むなんてことは必要ないし、それこそが Mac ミームなのだが、実は Mac ワールドは、地球上においても最高のライターと教師たちがいる場所なのだ。非営利サイト Macinstruct により運営されているTutorama コンテストでは、Mac ユーザーが、わかりやすく便利なチュートリアルを使って、他のユーザーを助けることを推進している。応募の形式は特に決められていない。もちろん文章によるものが依然多くの人にとって究極のコミュニケーション方法であるに違いないが、ビデオチュートリアル、Flash アニメーション、その他もろもろの形式での応募も歓迎している。自分のテーマをうまく教えることが鍵だということをお忘れなく。また、あなたがそのとてもクールな賞の受賞を逃したとしても、他の Mac ユーザーと知識を分け合えたことに満足するだろう。

ところで、私が Tutorama についてここに書いているのはただ良いアイディアだからというだけではない。実は、 私はこのコンテストの審査員も務めている。また、Tonya、我が編集主任 Joe Kissell、Take Control の著者 Kirk McElhearn、そして Take Control の編集者 Dan Frakes も名を連ねる。他の審査員には、Mac の技術文書の第一人者である Robin Williams、偉人 Guy Kawasaki、No Starch Press の創立者 William Pollock、Apple の初期スタイルガイドのクリエーター Jonathan Price、ニューメディア・ジャーナリストでビデオの司会者 Amber MacArthur などがいる。

Tutorama Resourcesページ で、公式ルールと審査員からのアドバイスをチェックしよう。それから、世界の人々に何を説明するのか考えると良いだろう。


Open Door Networks が Security 製品をアップデート

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 松田 栄 <sacaboom@gmail.com>

最近の Mac のセキュリティー騒動を考えると、Internet の一般的な危険から身を守ってくれる、たくさんのツールがあることを指摘する価値はある。Open Door Networks は最近、同社の Internet セキュリティー製品をアップデートし、単独でもバンドルでも販売している。 DoorStop X Firewall 2.0 は、Location Set を追加し、環境に応じた固有の保護設定を行える(たとえば、自宅での NAT ゲートウェイ下での使用に比べ、公共のホットスポットを使用する際には、さらに堅固なファイヤウォール設定をしたい場合など)。その他の新しい特徴としては、自動ログ・アーカイビング、特定のサービスのロギング・オプションなどがある。Who's There? Firewall Advisor 2.1 は、攻撃と攻撃者についての追加情報を提供するアプリケーションで、フィルタリングと検索機能を新たに追加している。またリアルタイムのスクローリングが強化されており、サービス定義も更新している。

最後に、Open Door は同社の電子ブック "Internet Security for Your Macintosh: A Guide for the Rest of Us" を更新した。これは、Mac ユーザー向けの Internet セキュリティー問題について論じており、とりわけ Intel ベースの Mac での Windows 使用に関する話題を扱っている。この電子ブックと Open Door のセキュリティブログは、すべての製品に統合されているので、DoorStop X もしくは Who's There の中から、ブログの関連する項目を、直接検索することができる。2007 年 2 月 14 日まで DoorStop X Firewall は $40 (アップグレードは $30)で、Who's There? Firewall Adviser は、$30 (アップグレードは $20)、電子ブックは $10 (アップグレード無料)、すべての製品がバンドルされた DoorStop X Security Suiteは、$70 (アップグレードは $40)だ。


コンピュータ・セキュリティ: 誰の責任?

  文: John O'Fallon <john@maxum.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

「セキュリティ・アラート! Mac OS X で HTTP プロトコルの処理に脆弱性があり、サービス拒否攻撃および任意コード実行の危険性があります。」

そこであなたは考える。「おお、それは大変だ。私の Mac は安全ではないのか? もっとひどいことに、私のネットワーク全体が危険にさらされているのか?」

実際は、現実世界にせよインターネットにせよ、「安全」というのは相対的な言葉だ。自動車に乗って QuickieMart に買い物に行くのは、安全だろうか。近代的な自動車には、シートベルトがあるし(かつては必ずしもついていなかった)、衝撃吸収帯やエアバッグも備わっているが、だからといって事故が起きたときに怪我をしないという保証はない。長い時間をかけて、このような機構が追加されることで、自動車はますます安全になっているが、それでもまだ安全水準は相対的だ。自動車を指差して「これは絶対に安全だが、これは絶対に危ない」と言うことはできない。

コンピュータとネットワークについても同じことだ。オンライン・バンキングのサイトは、ごく普通の Britney Spears ファン・ブログよりも安全であることが期待されているが、実際は、どちらのサイトも、技術に通じたユーザにとってすら、ハックすることは十分難しいだろう。また一方、どちらのサイトも、悪意を持ったクラッカーにとっては脆弱かもしれない。

セキュリティ報告の問題は(いや、問題はほかにもあるが、問題の1つは)、私たちの注意を、常識的な予防策から難解な技術詳細へとそらしてしまう傾向があるということだ。ほとんどの場合、技術的なセキュリティホールよりも、「ソーシャルな」セキュリティホールの方が、危険性が高い。パスワードをPost-it に書きつけてモニタに貼り付けたことはないだろうか。あるいは、1つのアカウント名とパスワードを複数のユーザで共用したり、パスワードを通常の電子メールで送ったりしたことはないだろうか。このようなことの方が、セキュリティに対してはるかに大きな脅威となりうる。それに対し、脆弱性のほとんどは、「理論上は」ネットワークを攻撃するのに使われるかもしれないというものだ。

もう1つの問題は、インターネット・セキュリティの警報が、ときに熟練のネットワーク管理者やシステム管理者にとってすら、理解が難しいことがあるということだ。その理由は、多くの場合、報告されている問題があまりに技術的で分かりにくいため、専門家でなければ理解したり応答したりできないからだ。そのため、私たちの多くにとっては、問題の重要性を判断したり、そもそも問題が自分の状況にあてはまるのかどうか判断することが難しくなっており、その一方で、より実際的な、ほとんど直感的と言えるような問題こそが、一般的にネットワークのセキュリティに対して重大な脅威を与えているということを理解することが、ますます重要になっている。

私たちのほとんどが自動車を運転するのは、利益がリスクを上回っているからだ。私たちがコンピュータをインターネットに接続するのも、同じ理由だ。もちろん、リスクを管理するために、私たちはできる限りのことをするが、最終的な責任は私たちにある。ソフトウェア・ベンダーには、基本的に安定した安全なソフトウェアを供給する責任がもちろんあるが、自動車と同じように、そのソフトウェアを責任を持って使うかどうかは、エンドユーザにかかっている。

もしも、不運な男が自動車のブレーキを踏んだとき、その自動車が加速して車庫を突き破ったり、あるいは Ford Pinto が追突されたときにガソリンタンクが爆発したりしたら、その問題を修正する責任は企業にあると人々が考えるのも当然だ。しかし、ほとんどの事故の原因は、運転者や道路上の別の自動車、あるいは誰も制御できかったような状況に帰せられるのであって、自動車の設計や製造に根本的な欠陥があったということではない。これもまた、コンピュータとネットワークにも同じように当てはまる。現実のセキュリティ脆弱性のほとんどは、ユーザが基本的な安全対策を講じることで対処できる。

実際的な予防策 -- ここで述べている常識的な予防策とは、たとえば以下の5項目のような簡単なことだ。

  1. コンピュータや重要なネットワーク機器への物理的アクセスを安全にする。究極の「サービス拒否」攻撃とは、誰かが部屋に侵入し、Mac のコードを抜いて、持ち去ってしまうことだ。
  2. パスワードは、ありふれたものでなく、推測の難しいものを割り当てる。ただし、覚えるのが難しくてはいけない。ありふれたパスワード("abc123"や "admin"、"test" など)は、ポート・スニフィング・ロボットによってたやすく推測されてしまうから、絶対に避けなければならない。同時に、ランダムな文字を長く並べたものは、安全に見えるかもしれないが、ユーザにとっては、書き留めて手軽に参照せざるをえないことになる。[覚えやすくて安全なパスワードを管理するための現実的な方法については、Joe Kissell の "Take Control of Passwords in Mac OS X" をご覧いただきたい。-Adam]
  3. ネットワークサービスを設定するときは、ユーザアカウントを複数のユーザで共有しないようにする。2人以上の人が同じユーザアカウントを使っていると、彼らが自動的に同じコンテンツやサービスにアクセスできるだけでなく、管理者がアクティビティをたどる能力が大幅に制限される。何らかの理由でアクティビティログを調べなければならなくなったとしても、ユーザを区別する方法がなくなってしまうだろう。
  4. できるだけ少ない数のアプリケーションを動かし、出所の信頼できるソフトウェアだけを使う。多くの潜在的攻撃は、1つのアプリケーションに対してしかけられるのではなく、複数のアプリケーションが互いに連係しているのを利用する。必要のないアプリケーションを削除し、怪しげな出所のソフトウェアを避けることにより、1つのプログラムの小さな欠陥がシステムに大きな穴を開けるという危険性を最小限にすることができる。
  5. 通常のデスクトップ Mac やサーバ、ネットワークを設定するときには、ファイアウォールを起動して適切に設定する(ファイアウォールは Mac OS Xや最近のほとんどのルータに内蔵されている)。それには数分間追加の時間が必要かもしれないけれど、セキュリティが主要な関心でない場合であっても、それだけの時間を費やす価値がある。インターネット上の悪意を持ったトラフィックの量と言ったら、ぞっとするほどだ。このようなトラフィックの多くは、Mac ユーザにとっては実際に危険があるというよりわずらわしいというものだが、電子メールアドレス収集ロボットや、ウイルスが撒き散らすポートスキャナ、あるいはそれより悪質なものからあなたを守る第1の砦は、適切に設置されたファイアウォールだ。

このリストは完全には程遠いが、大まかな考えとしては、個人用の Mac にせよ、あるいはサーバにせよネットワーク機器にせよ、重要なシステムのセキュリティにとって、常識的な予防策こそが、インターネットで報じられる難解な「脆弱性」よりも、はるかに重要だ。

自動車が広く使われ始めたころ、最高速度が限られていたために、運転のリスクは最小限だった。自動車がよりパワフルになり、道路がより混雑するようになると、リスクも増大し、安全にあちこち運転するためには、運転者により多くの技能と注意が求められるようになった。同様に、いたるところで利用でき、ネットワークでつながったコンピュータシステムに、私たちが次第に依存するようになり、同時にそのようなシステムに重要な情報がますます多く保存されるようになると、私たちは、最近の潜在的脆弱性を心配するよりも、基本的な予防策に時間を割かなければならない。

エアバッグはすばらしい安全装置だが、それでも、運転中によそ見をしてはならない。

[John O'Fallon は、 Maxum Development の創業者で、FTP およびウェブ対応のファイル転送サーバとして人気のある Rumpus の作者だ。彼は 25 年にわたって Apple コンピュータ用の商用ソフトウェアを作り続けている。]


Apple、802.11n Base Station と有効化ソフトを出荷

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

802.11n 搭載のAirMac Extreme Base Station が目下出荷されている。802.11n 対応機器が既に搭載されている既存の Mac をアップデートするに必要な有効化ソフトウェアもこのベースステーションに含まれており、また個別にも $2 で Apple Store から購入 できる (2007-01-22 の "100 Mbps 802.11n 有効化ソフトに対して 2ドルの課金" 参照)。Intel Core 2 Duo プロセッサ (17 インチ 1.83 GHz iMac を除く) か Xeon プロセッサを持つ全ての Mac は 802.11n にアップデートできるし、かつ AirPort Extreme オプションを持つ Mac Pro デスクトップも可能である。Apple は 802.11n オプションを上記以外の旧型 Mac には提供していない;サードパーティからの機器を必要とするであろう。

当初この有効化ソフトの発表があった時出された懸念であった特定の Mac 用にロックされるのではないかと言うのは、当てはまらない事が分かった。先週の会見で、Apple の Mac の全世界マーケティング担当の副社長である David Moody は "自宅にある全ての Mac にインストール出来る" と語っている。購入ページに書いてあるライセンスを見るともっと広範囲である:"この 802.11n Enabler software(有効化ソフト)のソフトウェアライセンスは、あなたが所有下にあるか管理下にある全てのコンピュータにインストールし使用する事を許す。"

この新しい AirPort Extreme Base Station は 802.11b (AirPort) や 802.11g (オリジナルの AirPort Extreme) が使っている 2.4 ギガヘルツ (GHz) 帯か、今日では殆どどのワイヤレスハードウェアも使っていないが使用可能周波数はずっと大きい 5 GHz 帯かのどちらかで動作する。この新しい AirPort Extreme Base Station はベースステーションをワイヤレスにリンクする Wireless Distribution System (WDS) のサーポートを含んでいるし、旧型の AirPort Extreme や Express ベースステーションとも 2.4 GHz で働くが、Moody の語るところによると、802.11n のより広範囲なレンジのお陰で家庭での WDS 接続の必要性はないであろうということである。

2.4 GHz では、他の Wi-Fi ネットワークが存在しない場合スループットを倍に出来る 40 MHz "ワイド" チャネル (2007-01-29 の "AirPort Extreme 802.11n スループットの限界" 参照) は Apple が許可しないであろう。Moody は、最近の殆どの Mac に Wi-Fi と一緒に出荷してきた Bluetooth の機能を守っていくことにも Apple は大きな関心を持っていると説明している。"我々は Bluetooth と 802.11n が完璧に共存するよう努力していく必要がある" と彼は語っている。

2.4 GHz で 40 MHz のワイドチャネルを許すと言うことは、米国では 2.4 GHz 帯ではほぼ 80 MHz しか (そしてこれは地域によって異なる) 割当てられていないので Bluetooth の能力を大幅に制約してしまうであろう事を意味している。Bluetooth 1.2 及びそれ以降では - そして 1.2 か 2.0 が最近の Mac には使われている - 使用中の周波数を避ける事が出来るが、この 40 MHz ワイドチャネルは Bluetooth が安定したスループットを出していく能力を制限するのは間違いない。このことは、例えば Bluetooth ヘッドセットへの送信がどもりになってしまう可能性も意味する。

Apple のシニアプロダクトマネジャーである Jai Chulani は次の様に進言している、多くのユーザーにとっての最善の方法は、既存のベースステーションと一緒に使っている従来の 802.11b/g 機器の 2.4 GHz ネットワークはそのままにして、そしてその旧型のベースステーションは新しい AirPort Extreme の Ethernet ポートに差し込んで使う様にすれば、5 GHz での新しい 802.11n ハードウェアが出回るようになればそれも使えるようになる。

802.11n 付きの AirPort Extreme は 5 GHz で最善のチャネルを自動的に選択するよう設定されているが、Chulani は詳細設定で 5 GHz のチャネル選択を可能に出来ると言っている。このことは重要かもしれない、と言うのも Apple が提供している 5 GHz の 9 チャネルのうち 4つはレンジが小さい小電力モードに限定されているからである。Chulani は更に Apple TV も 2.4 GHz か 5 GHz のバンドのどちらかで動作するが、AirPort Extreme の様に、最善の動作モードは自動的に選択されるけれども、手動でオーバーライドも出来る事を認めている。

Apple の AirPort Admin Utility も新しい標準に合わせてアップデートされ、尚且つそのインターフェースもオーバーホールされ、Chulani の言によれば "二つの顔を持つ" ようになった。一つは、設定をカスタマイズする必要も無いか或いはしたくもないユーザーのためのより自動化された意味の分かる選択肢を提供する。もう一つの方は、従前のリリースよりもより技術的な詳細を含んでいる。例えば、接続された機器とその信号強度をグラフィカルに示していた AirPort Client Monitor は別個のもので無償であったが、これは今や AirPort Admin Utility の一部となった。複数のベースステーションを一度に設定してしまう AirPort Management Utility へのアップデートは、今の所ずっと先のことになると見られている。この新しい管理ユーティリティを走らせるには、Mac OS X 10.4.8 か Windows XP が必要である。

Apple のこれからリリースされる Mac は 802.11n が未だ有効化されていない;この転換は今後公表されていない期間の間に行われる見込みである。802.11n が有効化されていない Mac を買った人は $2 の有効化ソフトを買う必要がある;しかしながら、新しい AirPort Extreme Base Station (有効化ソフトは含まれている) を買うと言う人でなければ、この新しい 802.11n 標準には興味を持たないのではなかろうか。

新しい AirPort Extreme Base Station の出荷は先週始まったので、発表があった時に申し込んだ人にはもうすぐ手元に届くものと思われると Moody は語っている。私の場合は、キーノートの後数日たってから Macworld Expo で申し込んだのだが、03-Feb-07 に Apple Store からメールが入って私の新しい Extreme Base Station は 06-Feb-07 迄に届くはずと言ってきた。


自分だけの 23 インチ MacBook を作ろう

  文: Jeff Porten <civitan@jeffporten.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

二週間ほど前、私は新しいラップトップ機を意気揚々と使い始めた。RAM は 3 GB、ハードドライブは 200 GB、デュアル光学バーナーに、4 つの USB ポートと 3 つの FireWire ポートが付いている。でも、何と言っても最高なのはその 23 インチのモニタだ。

そうだよ、これは Mac さ。何でそんなことを聞くんだい?

まあ、話を最初から聞いて欲しい。何週間か前、私の愛機だった 17 インチ PowerBook が私の目の前で死んでしまった。もちろんあとで修理することもできただろうが、その時私はまともに動く Mac がすぐに必要な状態だったので、新しい MacBook を買ってくることにした。(何しろその修理というのは私のアパートの部屋を 50 度(摂氏 10 度)に冷やした上で PowerBook を氷の入ったトレイの上に吊るしておくというものだったから - いや、これは余談だ。)この MacBook は、多くの皆さんがご存じだろうが、素晴らしいコンピュータだ。私の 1 GHz PowerBook G4 に比べれば激烈に速い。

でも、この移行でモニタのサイズが小さくなってしまったのは私にとって本当に困ったことだった。1440 × 900 から 1280 × 800 になった程度ならそれほど大した違いじゃないとお思いの方もおられるかもしれない。実際私自身も、スクリーンの解像度が 21% 減るけれどもまあ大したことではないだろうと思っていた。でも、使ってみると、まるで8本の指だけでタイプしようとするのと同じくらい壊滅的な差であることが分かった。私はウェブとデータベースの開発をやっており、たいてい 50 個くらいの違ったウィンドウを開いている。スクリーンが小さくなったことで、私の生産能率はものすごく大きな打撃を受けた。いや、ひょっとしたらそうでもなかったのかもしれないが、まあ、客観的に自分のことを見るのは難しい。でも主観的に見れば、スクリーンの敷地不足のせいで私は窮地に陥ってしまった。

たぶんもっと重要なことは、私がこの MacBook ではたった 8 時間か 10 時間ほどで目の疲れに苦しめられるようになってしまった点だろう。(おっしゃる通り、休憩はもっと頻繁にとらなきゃ、ね。)この MacBook のドットピッチ、つまり各ピクセルの物理的サイズは、私が慣れ親しんだ 17 モデルに比べて小さいもので、私の目に負担をかけるようになってしまったのだ。あなたもお母さんにきっと言われただろうが、そんなことを続けてたら目が見えなくなるわよ、というわけだ。

私はもっと広いディスプレイの敷地面積を求めて外部モニタの購入を検討し始めた。けれども、私の心の中では二つの声が囁きかけてくるのだった。節約家の私は、完璧に良好な 17 インチモニタの付いた PowerBook が既にあるじゃないかと言ってきたし、現実主義者の私は、私の自宅の仕事場は事実上バックアップ用のドライブや本などの置き場に過ぎず、本当の仕事場はクライアントのサイトとか Starbucks の店内などだよと忠告してきた。私はある意味普段から出先で仕事をしているのだ。外部モニタは私を一つのデスクに縛り付けることになるが、それこそがずっと以前から私が避け続けてきたことだった。

だから、もしもこの PowerBook を MacBook の外部モニタとして使う方法さえ見つけ出せたら、それが完璧な解答になるだろうと思えた。もしもそれが実現すれば、私は2つのスクリーンを使えるようになり、その上システムは引き続き持ち運びできるものだろうからだ。(もちろん、厳密に言えばもはやラップトップとは呼べないだろうが。)やってみたところ、これがただ単に可能だというだけでなく、実際結構簡単なことだと分かった。

あなたのラップトップをセットアップ -- そのような魔法の技を実行してくれるのが、ScreenRecycler だ。現在、これはドイツの Jinx という会社からリリース前の段階のものとして入手できる。今のところ、無料のダウンロードだ。ScreenRecycler は二つのコンポーネントから成っている。ビデオドライバと、アプリケーションだ。また、それ以外に VNC スクリーン共有クライアントも必要となる。Mac 用ならびに Windows 用のいくつかのユーティリティへのリンクが、ScreenRecycler ダウンロードページにある。その通りだよ、Virginia ちゃん。Windows ラップトップ機があれば、そいつを Mac のモニタとして使えるんだ。

メイン機となる Mac に、ScreenRecycler ソフトウェアをインストールする。私の場合、MacBook の方だ。ドライバをインストールするためには再起動が必要だ。リリース前の段階のドライバというのは心配の種となることが多いが、私がテストしてみた範囲ではたった一つの問題はマシンが起動するのに以前より 15 秒ほど余分に時間がかかるようになってしまったことだけだった。

次のステップは、ScreenRecycler アプリケーションに関することではない。そうではなくて、二台のラップトップ機の間に補助的ネットワークを設定しなければならないのだ。ひょっとしたらあなたは既にそれを作っているかもしれない。いくつもの便利な使い道があるからだ。この補助的ネットワークのお陰で、一つの接続(例えば Ethernet や、もう片方のラップトップ機に繋いだ FireWire ケーブルなど)を通じて IP トラフィックを送りつつ、その一方で他の好きな接続を使ってインターネットに繋がっていることができる。

あなたの Network 環境設定パネルを開き、あなたのラップトップ機同士を接続すべきポートを選ぶ。私は Ethernet をお勧めする。特に双方のコンピュータが共に gigabit Ethernet を持っている場合はそれが良い。他の選択肢として FireWire もあるが、こちらはあなたが仕事場や家庭のネットワークに Ethernet で頻繁に接続しているような場合に適しているだろう。複数のネットワークロケーションを作るよりも、ポートの種類を増やす方が易しいからだ。もしも Ethernet と FireWire のどちらもあなたの Network Status 表示に登場していないなら、Network Port Configurations を選んでそれらを使用可能にする。

あなたの補助的ネットワークを作るには、メインとなるラップトップ機の側の Network Status であなたの選んだポートをダブルクリックする。そして、以下の設定を入力する:

ここで一つだけ微妙な注意点がある。このアドレスが、あなたが使う可能性のある他のネットワークと衝突しないようにしておく必要があるのだ。例えば、私の家にある Linksys ルータは 192.168.1.1 を使っている。このアドレスでは三番目の数字が補助的ネットワークで使おうとしているものと違っていることが重要だ。192.168.nnn.1 という形のアドレスでは“nnn”の部分に 0 から 255 までの好きな数字を入れることができる。

もう一台の方のラップトップ機で、Network 環境設定パネルを開き、上記と同じ設定を入力する。ただし、IP アドレスは 192.168.2.2(三番目の数字はあなたが選んだ nnn と同じもの)にする。けれどもルータアドレスの方は、必ず最初のラップトップ機で入力したものと同一のアドレスにしておかなければならない。

これで、双方のコンピュータがそれぞれ二つの異なったネットワークで使えるようになった。あなたの第一のネットワークは今までと同様、あなたのいつものアクセスモードのポートを通じてインターネットに接続できる。そして、双方のラップトップ機を結ぶ、あなただけのプライベートなイントラネットが、新たにあなたの手に入ることになったのだ。

ところで、そんな手間を掛けなくても単純に Bonjour を使うことができるのではないか、と不審に思っていらっしゃる方もおられるだろう。その通り、確かにそうすることもできる。ただ、その方法では必ずしも常に最速の接続を使って繋がるとは限らない。IP アドレスの方法ならば、あなたの ScreenRecycler トラフィックが常に適切なケーブルに振り向けられることが保証されるわけだ。

やれやれ。これでやっとインストールの最後のステップにたどり着いた。つまり、補助的なコンピュータの側に VNC クライアントをインストールするのだ。VNCThing ならばずっと高速だが、これは Intel ベースのラップトップ Mac では動作しない。その場合は、Chicken of the VNC が必要になる。

あなたの PowerBook をリサイクル -- さて、これで(ようやく!)二台のポータブルなモニタから何かを絞り出す用意ができた。まず ScreenRecycler アプリケーションを動かそう。第2のラップトップ機で、VNC クライアントを開いてさきほどの補助的ネットワークのために作ったアドレスに接続する。(ScreenRecycler ウィンドウに利用可能なネットワークアドレスがすべて表示されるので、アドレスをあなたが記憶している必要はない。)

すると2つのことが起こる。あなたのメインのラップトップ機のモニタは、あなたが外部モニタを接続した時と同じように変化する。一方あなたの第2のラップトップ機は、その外部モニタの内容に相当するものを一つのウィンドウの中に表示する。さらにフルスクリーンモードに切り替えれば、事実上デュアルディスプレイの MacBook を手に入れたのと同じことになる。もちろん、これは本物の 23 インチモニタではないが、これら 13 インチと 17 インチのモニタの持つピクセル数を合計すれば、23 インチのモニタにあるピクセルの数とほぼ同じになる。

外部モニタの解像度を変更したいと思うならば(つまり、第2のラップトップのスクリーンが全部埋まってくれないならば)Displays 環境設定パネルで普通に変更できる。解像度を変更すると ScreenRecycler の接続は切れるが、あなたの VNC クライアントで接続を開き直すだけで再び動き出す。

もちろん、この方法にはいくつか注意しておかなければならない点がある。まず第一に、あなたはネットワーク経由でビデオのトラフィックを送っているのだから、本物のモニタへの直接のハードウェア接続に比べれば速度の差は否めない。動きのあるグラフィックス、例えばウィンドウをドラッグする時などでは、画像がいったん Atari 2600 風のぼやっとしたものになってからやおら安定する、という具合になる。けれども驚いたことに、これはあまり実際的な問題とはならなかった。私はちょうど今は外部モニタの方には Safari のウィンドウをいくつか開いて見ているが、それらは皆きれいに見えて読みやすい。でも、今この記事を書くのに使っているテキストウィンドウはメインのモニタにある。これを第2モニタの方にすると、やはりタイプするのとそれが画面に現われるのとの間にほんの少しタイムラグがあって、気分的にイライラさせられる。でも、いくつかのグラフィックアプリケーション、例えば私のオンラインポーカーゲームなどは、第2モニタの方でも何の問題もない。皆さんも、どうぞご自分でいろいろなアプリケーションを試してみてどれが ScreenRecycler でうまく行くかを判断していただきたい。

お好みで、Displays 環境設定パネルを開いて、あなたのメニューバーをドラッグして第2モニタの方に移すこともできる。ハードウェアモニタでするのと同じことだ。ただし一つだけ注意点がある。メニューバーをドラッグして元に戻さないまま ScreenRecycler を終了させると、その次に使う時に外部モニタのウィンドウが見えなくなってしまう。このウィンドウが Displays 環境設定パネルを開いたときに表示される場所になるので、元の設定に戻す手順は分かりやすいとは言えないものになる。F7 キーを使えばスクリーンのミラーリングをオンにさせることができる。(あるいは、Keyboard 環境設定パネルで“Use function keys to control software features”がオンになっている場合には Function-F7 キーだ。)そうすれば内蔵ディスプレイが戻ってくるので、そこで設定を直して外部モニタを再び使えるようにできる。または、最初からメニューバーの移動には手を出さないというのも良い考えだ。

使い終わったら、単に ScreenRecycler アプリケーションを終了させればよい。するともう一方のラップトップ機への接続が切れ、あなたの Mac はモニタが取り外された時と同じに画面を元に戻し、外部モニタにあったウィンドウがメインのスクリーンに返ってくる。ただし、ScreenRecycler の“stop”ボタンを押すか、第2のコンピュータで VNC を終了させるかすると、あなたのウィンドウはもはや見えなくなった第2スクリーン上に留まり、あなたのマウスポインタもその幽霊領域に取り残されてしまうかもしれない。困った時には、Command-Tab を使って ScreenRecycler を前面に持ってきてから、Command-Q を押してすべてを正せばよい。

ちなみに、あなたの第2のラップトップ機自身も従来通り普通に使えるということも言い添えておこう。第2モニタに見えているのはただそこにある一つのフルスクリーンウィンドウなのだから、アプリケーションを切り替えてから何でも好きなことをして、その後で VNC に切り替えてデュアル設定に戻るということもできる。

ちょっと待て、まだもう一つある... いや、もういくつかある -- これで、二台のモニタが手に入ったので、いよいよあとは乗り出すだけだ。使ってみればお気付きだろうが、ScreenRecycler を使っている時には目前に二台のキーボードがあるにもかかわらずメインの Mac の方のものしか動かなくてイライラさせられる。ちょっと馬鹿げた感じだし、特に(あなたが私の警告を無視して)メニューバーを第2の Mac の方に移している場合は(実は私もそうしているのだが)非常に違和感がある。

実は、ScreenRecycler は Teleport ユーティリティとも問題なく共に働くことができる。Teleport というのは、一台の Mac を別の Mac のキーボードとマウスでコントロールできるという、なかなかよく出来た環境設定パネルだ。ソフトウェア KVM スイッチと似た働きをする。ここでの場合は、あなたは第2の Mac のキー操作をメインの Mac へと送ることになる。すると、あなたが外部スクリーンで作業をしている時にはそれが第2の Mac の画面に現われる。混乱しやすいが、こう思えばよい。結局あなたは _どちらの Mac でも_ タイプしたりトラックパッドを使ったりしてよいし、どちらも動くのだ、と。

(ちなみに、Teleport が動作していることを示すベゼル表示はオフにしておく方がよいだろう。あなたの外部モニタの上で、目障りな邪魔者のように見えるからだ。オフにするには、Teleport が動作していないことを確認してから、第2のコンピュータの方で Terminal ウィンドウを開き、プロンプトに以下をペーストすればよい。)

defaults write com.abyssoft.teleport hideControlBezel YES

最後にもう一つ、例えば、腕利きの Mac ユーザーたるあなたにとって 23 インチのスクリーンの敷地面積でも不十分だったとしよう。あなたはもっと欲しいのだ。あなたの MacBook は 1920 × 1200 の外部モニタを駆動する能力があるのだから、どうしてこんなけちけちした外部ディスプレイ固有のサイズに縛られなければならないのだろうか?

実際のところ、AppleDisplayScaleFactor という名前の Quartz ハックがしばらく前から出回っている。これを使えば、あなたの Mac 上のどんなアプリケーションでもその相対サイズが設定できる。その反面、ほとんどのアプリケーションにはこれにきちんと対応できるだけの能力がなく、現実にはあらゆる種類の奇妙な現象が起きはじめることになってしまう。例えば、あなたのクリックが 3 インチ (7.6 cm) も離れたところでクリックしたように認識されたりする。けれども、VNCThing はたまたまこのハックと完璧にうまく動作でき、他のアプリケーションで起こるような奇妙なことが起こらずに済む。言い替えれば、あなたはご自分の気の済むまで好きなだけスケールしてよいということだ。

この魔法を起こすには、まず最初にスケールファクターを決めなければならない。私は 1920 × 1200 のスクリーンを 1440 × 900 のモニタに収めたかったので、比率はちょうど 75% となる。もしもあなたのスケールファクターも同じ値ならば、まず VNCThing が動作していないことを確認してから、再び第2のラップトップ機で Terminal を開き、以下をペーストする:

defaults write VNCThing AppleDisplayScaleFactor 0.75

それからもう一度 VNCThing を動かせば、あなたのメインのラップトップ機が搾り出せる最大限のディスプレイの敷地面積が実現されているのを目の当たりにできるだろう。このハックを使えば、実際上あなたは 23 インチモニタと 13 インチモニタを持っていることになり、合計のピクセル数は 330 万に達する。30 インチの Apple Cinema ディスプレイでの 410 万と比べても、確かにほんのちょっと少ないことは認めるが、何と言っても $2,000 安いのだから。

そしてまだまだそれでも十分でなければ、すべてはVirtueDesktopsともうまく働くので、あなたの 330 万ピクセルの画面の上で好きなだけ何個でも仮想デスクトップを走らせることもできる。

ヒューマン・ファクター -- 皆さんの多くがきっと考えていらっしゃるだろう質問に、ここでお答えしておこう。はい、その通り、このセットアップは完璧に持ち運び可能だ。私は二台のラップトップ機をいつも私の Brenthaven バックパックに放り込んで、それで出かける準備完了だ。こうして持ち運んでいる総重量は、想像するに 25 ポンド (11 kg) 程度というところだろう。どちらにしても、私が 17 インチ PowerBook だけを(それと本を一・二冊)持ち運んでいた頃と比べて、背中にかかる重みはそれほど重くなった感じもしない。この手品を初めて試してみた日に、私は 2 マイル (3.2 km) ほど公園の道を歩いて朝食に出かけたが、着いた時にはちょっとだけ息は切れていたものの、真剣にエクササイズした後のような感じにはならなかった。けれども、バックパックでなくショルダーバッグに入れてこれを運ぶのは、私もちょっと躊躇するだろう。

いつも詰め込んでおく用具類に、私は二つだけ品物を追加した。一つは電源用の小さな延長コードで、これで一つの電源ジャックで二台のラップトップ機が使える。もう一つは Ethernet ケーブルだ。

ご想像の通り、二台のラップトップ機を並べるとテーブルの上でかなり場所をとる。Kinko's のラップトップ・キヨスクをご存じの方なら、私が今それをまるまる一つ占領していると言えばお分かりだろう。レストランで夕食をしながらこれを書いていた時には、四人用のテーブルを頼んだのに食べ物の皿を手前の端ぎりぎりにかろうじて置いておける余地しかなかった。このセットアップは、Starbucks コーヒー店の標準の丸いテーブルの上では使えない。混雑した場所では一台のラップトップ機で我慢するしかない。なぜなら、そういう場所でまわりの人たちをいらつかせることは、$5,000 相当の機器のすぐ隣を熱い飲み物を持って忙しく人が行き交う状況では危険過ぎるからだ。

そしてもちろん、一般大衆の中のあまりテクノロジーに詳しくない人たちは、この使用法を見てちょっと... 変わり者だと思うかもしれない。一人で二台のラップトップ機を同時に使ってるなんて変な人、と。笑われるかもしれないし、指差してじろじろ見つめられるかもしれない。悲しそうに首を振る人もいるだろう。でも幸運なことに、あなたは間違いなく両方の耳にヘッドフォンを着けていて、二台のスクリーンを一心不乱に見つめているところだろうから、そんな人たちに気付くことさえないだろう。

[Jeff Porten は、手に入れた新しい複数モニタ環境に、とてもわくわくしている。たぶんかなりの程度、必要以上に。]


Take Control ニュース/05-Feb-07

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple セールス月間: さあ、とりかかろう -- 「ねえ、見て見て、これを破ってみせるから」という子供じみた Month of Apple Bugs プロジェクトにはうんざりだ。そこで、もっと建設的なことをしたいと思う。4週にわたる"Month of Apple Sales" だ。2月の1か月間、Mac 専門 Take Control 電子ブックのセールをしよう。

まず最初の週は Getting Around to It セールだ。年が明けて1か月が経過したので、あなたの一年の計が現在どのような状態であるか、ふり返ってみてはいかがだろう。もしその計画の中に、Mac を Mac OS X 10.4 Tiger にアップデートすることが含まれているなら、今年の早い時期にじっくり時間をかけて、Tiger にアップグレードし情報を収集するための、よい理由を提供したい。そうすれば、Tiger の円熟して安定した立場に立って、Leopard のリリースとその後最初の数か月のアップグレードを、安全な位置から眺めることができる。さて、その理由とは、次の7冊からなる大部なバンドルを、なんと 60パーセントも割り引きするということだ。700 ページ以上に及ぶ、Tiger についての不可欠な情報を、たったの 22 ドルで提供しよう(通常価格は 55 ドルだ)。

この割り引きを利用するには、Month of Apple Sales: Getting Around to Itのページから購入するだけでよい。

バンドルはほしいけれど、これらのうち1冊をすでに持っているというなら、もちろん、余った1冊をお友達にプレゼントしてくださってかまわない。来週のセールもお楽しみに!


TidBITS Talk/05-Feb-07 のホットな話題

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

遠隔サポート用ソフトウェア -- Timbuktu はそれ自体では NAT ゲートウェイを通り抜けることができないが、Skype の助けを得て、あるいは誰か他の Timbuktu を使っている人からの招待を受けることによって、それが可能になる。 (2 メッセージ)

CSS 編集ツール -- CSSEdit 2 の話を読んで、読者たちが Firefox Web Developer Extension を推薦する。 (2_メッセージ)

夏時間の問題点 -- 合衆国が Daylight Saving Time (夏時間) の期間を今年から変更したことに伴う問題点について述べた Andrew Laurence の記事をめぐり、さらなる質問や解答が飛び交う。 (7 メッセージ)

で、その広告にはクラッシュ実験のダミー人形でも登場するのか? -- Microsoft は 5 億ドルという大金を投じて Windows Vista のマーケティングに取りかかっている。Advertising Age に載った記事では、こんな戦略が掘り下げられた。上昇傾向にある Mac OS のマーケットシェアについても触れている。(1 メッセージ)

古いプロジェクトのアーカイブとカタログ -- もしもあなたが古いプロジェクトで一杯のディスクをたくさん持っていたら、それらを管理するためのベストの方法は何だろうか? また、後になってからそれらのファイルがそれぞれのネイティブなアプリケーションで開くのかどうかも確認する必要があるだろうか?(4 メッセージ)

自分の WLAN 使用量をモニターする -- ワイヤレスネットワークの使用量をモニターするには、どんな製品が使えるか? いくつかの提案が寄せられた。(3 メッセージ)

AirPort Extreme 802.11n スループットの限界 -- 新型 AirPort Extreme の機能を報告した Glenn Fleishman の記事を受けて、この機器は接続しているユーザーすべてに対してより良いバンド幅を可能にするようになったのかと思案する読者がいる。 (1_メッセージ)

Eudora の添付書類 -- Eudora から送った電子メールの添付書類が、ある同僚のコンピュータには到着しないように見える。調べてみたところ、Outlook 2002 のバグが判明した。 (5 メッセージ)

一つのディスクを三つのディスクにコピー? -- 一台のハードドライブの内容を、三台の他のドライブへ同時にコピーすることは可能だろうか?(2-メッセージ)

iPod 経由で音楽をデスクトップからラップトップへ -- ダウンロードした楽曲を一つのマシンに転送するためのベストな方法は何だろうか? (2=メッセージ)

キーチェーンの中の証明書 -- ある読者が、自分のキーチェーンの中にある証明書について質問する。これはどこから来たのか、セキュリティ上のリスクがあるものなのか、と。 (1-メッセージ)


tb_badge_trans-jp2 _ Take Control Take Control 電子ブック日本語版好評発売中

TidBITS は、タイムリーなニュース、洞察溢れる解説、奥の深いレビューを Macintosh とインターネット共同体にお届けする無料の週刊ニュースレターです。ご友人には自由にご転送ください。できれば購読をお薦めください。
非営利、非商用の出版物、Web サイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載または記事へのリンクができます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありません。告示:書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017

©Copyright 2006 TidBITS: 再使用は Creative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2007年 2月 16日 金曜日, S. HOSOKAWA