TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#888/16-Jul-07

あなたは、Mac 関係のニュースや情報をどこで手に入れますか? Adam が TidBITS 2007 読者アンケートの結果をさらに掘り下げ、いくつかの驚くべき答を引き出す。また今週号では、Brian Tanaka が彼の課金労働時間を追跡記録する秘密の方法、OfficeTime について語る。ニュースの部では、QuickTime 7.2、iTunes 7.3.1、MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデート 1.3、Firmware Restoration CD 1.3、Microsoft Office 2004 11.3.6、それから“Take Control of Running Windows on a Mac”のメジャーアップデートのリリースについてお伝えする。最後にもう一つ、もしもあなたが新しく iPhone を買ったばかりで、吐き気のしやすい体質なら、見ない方が良いビデオがある。iPhone がハイパワーのミキサーとの戦いに敗れる様を撮った映像だ。

記事:


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Apple、QuickTime 7.2 と iTunes 7.3.1 をリリース

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple は QuickTime と iTunes をアップデートし、H.264 ビデオコーデックにまつわる問題を解消していくつかのバグを修正した。QuickTime における主な変更点は、不正なムービーファイルを再生したり悪意を持って作られたウェブサイトを訪れたりしたときに関する潜在的なセキュリティ脆弱性がいくつか修正されたことだが、もっと興味深いことが1つある。これは長らく待ち望まれていた変更点なのだが、ついに QuickTime Player でムービーをフルスクリーン表示できるようになった。この機能は、これまでは QuickTime Pro ライセンスを購入しなければ利用できなかった。このアップデートではまた、書き出しフォーマットが2つ追加された。Movie to iPhone では .m4v ビデオが作成でき、Movie to iPhone (Cellular) ではよりサイズの小さい .3gp ビデオが作成できる。さらに QuickTime 7.2 では、詳細は明らかにされていないが H.264 コーデックがアップデートされ、ほかのバグも修正された。これはSoftware Update 経由で、またはスタンドアロンのダウンロードとして入手でき、Mac 版が 51.4 MB のダウンロード、Windows 版が 19.3 MB のダウンロードだ。

iTunes 7.3.1 は、Apple によれば、「iTunes ライブラリにアクセスする際のiTunes 7.3 での問題を解決します」そうだ。ということは、この新しいバージョンはライブラリを再構築するから、アップデートする前に最近のバックアップがとってあることを確認するとよい。iTunes 7.3.1 には Mac 版(33.8 MB のダウンロード)Windows 版(47.6 MB のダウンロード)とがある。

discussion in TidBITS Talk で話題になったのだが、Microsoft Office 2004 など、Intelベースの Mac で動くのに Mac OS X の Rosetta 翻訳環境を必要とするPowerPC ベースのアプリケーションに対し、これらのアップデートが問題を引き起こすことがある。Apple のサイトでの議論MacFixIt のレポートから私たちが判断するところでは、この問題はアップデート過程でupdate_prebinding が適切に実行されないことと関連があるようだ。Terminalで "sudo update_prebinding" とタイプして update_prebinding を確実に実行するか、)Mac OS X 10.4.10 Combo アップデータを再適用すれば、万事うまく行くはずだ。ただし、Java SE 6.0 Release 1 Developer Preview 6 がインストールされているなら、update_prebinding を実行する前に、MacFixIT にある手順にしたがってアンインストールしなければならない。


MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデート 1.3 リリース

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple は MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデート 1.3 をリリースした。Apple のダウンロードページにある最小限のテキストによれば、これは「2.2 GHz および 2.4GHz 15 インチ MacBook Pro のディスプレイの問題を修正します」。MacFixItが推測するには、このアップデートは、以前のMacBook Pro ソフトウェア・アップデート 1.0 によってもたらされた、色がくるうという問題を修正する。今回のファームウェア・アップデートを適用するにはこのソフトウェア・アップデートが必要だ。

Apple はまた、Firmware Restoration CD 1.3 もリリースした。このユーティリティは 22.5 MB のダウンロードで、これで焼いた CD を使うと、ファームウェアのアップデートを中断したり失敗したりした結果動かなくなった Intelベースの Mac を起動したり直したりできる。この CD は、ファームウェアのアップデートが成功していれば、ファームウェアを修正しようとはしない。言うまでもなく、MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデートを適用する前に、このユーティリティをダウンロードして CD を焼いておこう。


Microsoft Office 2004 11.3.6 がセキュリティ問題に対処

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Microsoft は Microsoft Office 2004 for Mac 11.3.6 Update をリリースした。これは、Excel の脆弱性に対処し、Entourage のバグを修正するものだ。Microsoft によれば、Excel では攻撃者が「お使いのコンピュータのメモリの内容を不正なコードで上書きする」ことが可能だった。Entourage の問題は、Microsoft Exchange のパブリックフォルダを使ったときにデータが失われる可能性があったというものだ。さらに、日本の郵便番号辞書がアップデートされている。このアップデートは、Microsoft AutoUpdate ユーティリティを使えばもっとも簡単に適用でき、15.4 MB のダウンロードだ。以前に Microsoft Office 2004 for Mac 11.3.5 Updateを適用している必要がある。


ミキサーの中に iPhone?

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

これは見るのも辛い。Blendtec と言う名前の会社があって、そこは強力なミキサーを作っている。その性能を見せるために、この会社は数多くの愉快な "Will It Blend?" ビデオを作成し、色々な対象物をミキサーにかけたらどうなるかを見せてきた。これまでに、偽チーズの缶詰、古いトイレの部品、更に庭の水撒きホースまでも壊してきた。Blendtec は、最新のかき混ぜ挑戦として iPhone 一台を彼等の悪魔のミキサーに放り込んだのである、で、その結末は?これはもうご自分で見ていただくしかない。家庭では絶対に真似しないこと、まともな人ならやって見ようなどとは思わないとは思うが。


OfficeTime でプロジェクトの時間を管理

  文: Brian Tanaka <brian@briantanaka.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

私のような仕事をしていると、常に複数のプロジェクトをやりくりし続けなければならない。当然のことながら、それぞれのプロジェクトにどれだけの時間を費やしたのか管理しなければ、顧客に請求することができない。そこで私は何年ものあいだ、さまざまな時間管理アプリケーションを試してきた。数か月前、私は OfficeTime に乗り換え、これまで試した数々の中でこれが一番だと思っている。

OfficeTime は、複数の活動にかかった時間を管理したい人なら誰にでも役立つだろう。使い方はすぐに覚えられるほど簡単で、それでいて機能が豊富で本当に役に立つ。毎日使っていると、これはまさに私がしてほしいことを、過不足なく、してくれていると思える。

管理すべき一区切りの時間をセッションと呼ぶが、これはユーザが定義するプロジェクト名で管理される。たとえば、あなたに3人の顧客がいるとすると、それぞれに対して1つずつプロジェクトを作成できる。レポートでは、セッションはそれぞれのプロジェクトごとに見やすくまとめられる。セッションをカテゴリに分類することもできる。カテゴリというのは作業の種類、たとえば執筆とかプログラミングなどで、それぞれにデフォルトの時間給を設定することができる。

計時は簡単だ。QuickStart メニューにプロジェクトがすべてリストされ、最初の 10 個には Command-0 から Command-9 までのキーボードショートカットが割り当てられる。計時を始めるには、リストからプロジェクトを選ぶか、キーボードショートカットを使うか、あるいは OfficeTime のメインウインドウにあるポップアップメニューからプロジェクトを選んでもよい。タイマーウインドウのすべての欄、たとえば経過時間などは、どれもその場で編集できる。それぞれのセッションには Notes 欄もある。タイマーの一時停止、停止、開始、再開はすべて、キーボードからでもメニューからでもできる。

[画像を見る timer-window]

時間給について言えば、これはプロジェクトごとにデフォルトのカテゴリで(もし定義されていれば)設定されるが、それぞれのセッションごとに異なるカテゴリを選ぶことができる(そうすると時給も変えることができる)し、カテゴリにかかわらずセッションごとに時給を変えることすらできる。カテゴリを変更したり、新しいカテゴリを定義したり、カテゴリをまったく使わないこともできる。別の言い方をすれば、セッションの計時を始めたとき、デフォルトのままでよければ、それですべて完了だ。デフォルトでだめなら、変更したいものは何でも、すぐにその場で、タイマーが動いている最中に、変更できる。これが OfficeTime の強みの一例だ。基本的な使用はすばやく単純に、それでいて作業するうえでの柔軟性は胸のすくように、という論理的な慣習にしたがっている。

もう1つとりわけ役に立つ機能は、プロジェクトの切り替えがすばやくできるということだ。たとえば、あるプロジェクトのただなかで、何かが起こって15 分だけ別のプロジェクトの作業をしなければならなくなったとしても、プロジェクトタイマーを切り替えるのはすばやく簡単にできる。

なくてはならないレポート機能とグラフ機能もよくできている。たとえば、今日1日でどれだけの時間を使ってどれだけの金額を稼いだのか知りたいと思ったら、Command-T を押すだけでよい。クイックレポートが現れて、今日これまでに作業したすべてのプロジェクトが表示され、プロジェクトごとおよび1日の合計でどれだけの時間働きどれだけの金額を稼いだのかが表示される。加えて、このレポートにはきれいに色分けされた円グラフがあり、たとえば今日の私は Getting Things Done リストを確認するのに時間を使いすぎてコードを書く時間がなくなったというようなことが一目で分かる。

[画像を見る pie-chart]

さまざまな期間で、または特定のプロジェクトやカテゴリのデータで新しくレポートを作成するには、ポップアップメニューからいくつかの選択肢を選ぶだけでよい。一般的な期間、今日、先週、今月などにはキーボードショートカットもある。現在計時中のプロジェクトについて、プロジェクト全体でこれまでにどれだけの時間を費やしたのかを知るには、Command-R を押すだけでよい。

プロジェクトの終了処理に差し掛かったら、OfficeTime で請求明細書を作成することもできるし、OfficeTime のレポートからデータをコピーして、電子メールのメッセージや別のアプリケーションで作った請求書テンプレートにペーストすることもできる。

OfficeTime は iCal や Address Book と同期でき、Universal バイナリで、価格は 40 ドルだ。Mac OS X 10.4 以降を必要とする。完全に機能するデモ版もあり、9.5 MB のダウンロードで 21 日間使用できる。

[Brian Tanakaはフリーランスのライター、IT コンサルタント、ウェブディベロッパ、そして "Take Control of Permissions in Mac OS X" の著者だ。]


TidBITS 2007 読者調査結果: ニュースと情報の出所

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちはずっといろいろなことで忙しかったが、 この前の読者アンケートの結果のことを忘れてしまったわけではない。3,500 人以上の人たちから回答が寄せられたのだから。その結果を扱った記事の第一部(2007-03-12 の記事“TidBITS 2007 読者調査結果: 読者像”)で、私はアンケートの結果からどんな人たちが TidBITS を読んでいると分かるかについて考えた。そこで今回の記事では、読者たちがどのようにしてテクノロジー関係のニュースや情報を仕入れているのかという点に注目してみよう。結果の数字をいくつかのグラフにあらわしてみた。リンクされている画像を開くか、あるいはこの記事を私たちのウェブサイト(英語版)で読めば記事の中に直接インラインでグラフィックスが表示されるようになっているのでそのまま見て頂ける。

このアンケートで、私たちは皆さんがどのようにして Mac 関係あるいはテクノロジー関係のニュースや情報を入手していらっしゃるのかとお尋ねした。その回答分布をまとめれば下記の表のようになる。

ニュース源(1)(2)(3)(4)(5)ランク
メールのニュースレター 48 119 363 687 2177 15008
ウェブサイト 52 215 706 949 1422 13506
個人的メール 255 732 825 638 820 10846
印刷された雑誌 541 738 746 598 638 9837
討論フォーラム 589 918 707 498 501 9043
直接人に聞いて 753 974 766 419 291 8130
RSS フィード 1261 641 350 226 705 8022
アグリゲータサイト 1357 665 486 268 345 6942
ポッドキャスト 1383 799 415 285 267 6701
個人ブログ 1294 871 527 289 151 6528

まず、いくつか注釈をしておこう。思い出して頂きたいが、1 は「使わない」、2 は「ごくたまに」、3 は「時々」、4 は「しばしば」、5 は「定期的に」だ。つまり、この表の意味は、メールのニュースレターは 48 人の人に完全に無視され、119 人の人がたまに読み、363 人の人が時々読み、687 人の人がたびたび読み、2,177 人の人が毎回規則正しく読んでいるということだ。

最後の項目の「ランク」とは、1 から 5 までの数字をそれぞれの項目の投票数に掛け算して足し合わせた答の数で、これが比較のための目安になるだろうということで記してみた。つまり、表の中程の列にある数字をただ眺めているだけでは、討論フォーラムを「使わない」人数が「しばしば」読む人数や「定期的に」読む人数と同じくらいだということから何か意味を引き出すのは難しいだろうということで、その困難を避けるために「ランク」という一つの数字にして比較を易しくしようという意図で書いたのだ。

この表と、それに対応するグラフとでは、ランクの数字で順序付けてみた。そこからすぐに分かることは、ほとんど同義反復とも言えることだが、TidBITS 読者の大多数が TidBITS を電子メールで受け取って読んでいるので、その人たちはメールのニュースレターによってニュースを頻繁に受け取っていることになる。TidBITS 自体がこのように結果を歪めているということは差し引いても、電子メールのニュースレターが私たちの読者層において人気ある方法だということはうなずける。なぜなら、わが読者層の多くは長年インターネットを利用してきているので、ブログやポッドキャスト、RSS などがまだ考え出されていないような時代から続いている習慣というものはそうそう変わらないからだ。また、TidBITS 読者たちは直接ウェブサイトへ行って情報を読むことも頻繁にしている。例えば MacworldMacFixIt のようなサイトは、皆さんがニュースや情報を直接仕入れているサイトの代表格だろう。

[画像を見る-ランキング比較]

これらの結果で一番示唆に富んでいると私が感じたのは、両極端の数字だ。つまり、特定のニュースソースを全く使わない人と、それを定期的に使う人との対比だ。電子メールとかウェブサイトへの直接訪問などとは対極にある事実は、TidBITS 読者たちが基本的にブログやポッドキャスト、あるいはアグリゲータサイトなどに情報源として依存することはあまりないということだ。

これはデータを棒グラフにビジュアル化してみるとはっきりすることだが、変則的な事実が一つある。RSS は、ランクにしてみるとかなり低い順位になるのだが、グラフを見れば分かるように、それは RSS が「すべてかゼロか」という事柄であるらしいことが寄与している。RSS を全く使わないか、ごくたまにしか使わないという人は多い。そして、時々あるいはしばしばという人はほんの少数しかいない。ところが定期的に RSS に依存しているという人が、これまたかなり多いのだ。

[画像を見る-情報源要素]

このようなデータを念頭に置いて、ニュースを入手するそれぞれの方法ごとに、どんな人々の層にとってそれが意味ある方法なのか、またその方法を使う目的は何なのか、といったことについて検討してみたいと思う。

メールのニュースレター -- 長年インターネットに暮している多くの私たちにとって、電子メールのニュースレターは依然としてニュースや情報を入手するための最良の方法だ。他の電子メールに混じって届くので、他のメッセージを処理しつつ手軽に読み進むことができる。その上、受け取ったものは何であれあなたの電子メールアーカイブに保存されているのであとで見つけることもできるという安心感がある。通常、電子メールクライアントを使えばそこに書いてあることは何でも手軽に読むことができる。

けれども、そうした利点はすべて電子メールニュースレターの欠点でもある。どんなタイプのメーリングリストも購読をもう止めてしまおうと考えている人たちが多くなっているのも、メッセージの数が多すぎて、スパムの到来もますます増え続けるという電子メールの重荷を、少しでも緩和したいという努力の一つなのだ。電子メールクライアントで手軽にメールが読めるとはいっても、最初から最後まで読み通したくはないようなメッセージの中で中身を拾い読みしたいだけの場合、それを手助けしてくれるような機能はほとんどない。私の理解するところでは、若い世代の人たちも電子メールアドレスを必ず持ってはいるが、実際にそれを使うことはますます少なくなってきており、代わりに MySpace とか Facebookのような、いわゆる walled garden(囲い込み)ウェブサイトの中でコメントあるいは討論機能が利用されるようになってきているようだ。

出版者としての立場からは、電子メールのニュースレターの価値は計り知れない。なぜなら、誰かが自らの意志であなたを招いて、定期的に電子メールでコンタクトするようにと言ってくれるのだから、それは間違いなく他のどんな方法よりも強力なコミュニケーションのチャンネルに違いないからだ。けれども大きなメーリングリストを管理して、バウンスしてくるメールに対処し、購読手続きの問題を処理していくことは一筋縄ではいかない時間と労力を必要とする上に、いったん何かを電子メールで送り出してしまえば、もはやそれをアップデートしたり間違いを修正したりすることができない。これがウェブベースの出版と違う点だ。

ウェブサイト -- TidBITS 読者たちは、電子メールのニュースレターに依存するのと同じくらいの程度に直接のウェブサイト訪問を利用している。これはもっともなことだ。なぜなら、私が思うに TidBITS 読者たちは定期的に読むべき一連の必須サイトをちゃんと決めて利用しているのが普通だろうからだ。(私の場合、OmniWeb のワークスペースを使って、また Safari でブックマークのフォルダを Command-クリックし多数のサイトをタブに分けて一斉に開くことによって実行している。)サイトが多数あるので、欲しい情報はたいてい最初からロードされたページにあって、あとから更なる情報を求めてナビゲーションしたりする必要もない。ニュース見出しを探している際には、それらを元通りのコンテクストで元々意図された通りのプレゼンテーション法で提供してくれるウェブサイトもある。

一言で言えば、どんな出版プロジェクトであっても、やはりウェブサイトこそがその核心となる。ただ、いろいろなウェブサイトを効率的に読めるためには、あなたが利用可能な時間内にこなせる程度の比較的サイズの小さなセットに焦点を絞って実行する必要があるだろう。

個人的メール -- 個人的な電子メールをニュースと情報の収集方法の一つとして含めたのは、これこそ実際に私が、今起こっている多くのことの中から必要なものを選びだすために採っている方法だというのが大きな理由だ。基本的にこれは電子的な口コミと言え、どのニュースがあなたの興味を惹くかを評価するためには他の人の判断に頼る以上の方法がないという理由で、これは実にうまく機能する。言葉を替えて言えば、実際にあなたの友人や同僚である人を編集者として利用する( Diggdel.ico.us のようなソーシャルブックマーキングサイトで見られる単なるインターネットユーザー仲間を利用するのではない)ことこそ、興味深いニュースを発見するためにおそらく最も効果的な方法だと思われる。

もちろん、問題はこのことが実現するためにはあなたが広い個人的ネットワークを持っていて、相手の人たちがあなたが何に興味を持っているかを知っており、また重要な記事を見つければそれを知らせてくれるだけの動機付けを持っていなければならない。そういう人々のネットワークを持たない人たちも多いのだから、そういう人たちは何か他の方法によって何がホットかを見つけ出すようにしなければならない。

印刷された出版物 -- 当然のことながら、印刷された雑誌や新聞などはずっと以前から多数の人々が読むニュースを選び出す役割を担ってきたし、今日でもまだ他に並ぶもののないその役割を担い続けている。それもこれも、プロフェッショナルな編集者たち、何がおもしろくて何がおもしろくないかを見分けるために人生を費やしてきたような人たちを、彼らが雇うことができるからこそだ。その一方で出てくる欠点は、印刷された出版物が一般に無料ではないことだ。そこがインターネットのコンテンツとは違うところだ。また、多くの場合購読料金に加えて広告を使うことによって印刷や配布のためのコストを埋め合わせるようにしている。

TidBITS 読者たちが印刷された出版物に大きく依存しているという事実は、まさにこの読者層の人口統計情報に合致している。年輩の人になればなるほど、信用できる情報源を確保していることが多いし、収入にも余裕があって購読料金も支払うことができ、紙に書かれたものを読む方が好きだという志向を持っていたりしがちだ。

そうは言っても、印刷の世界は厳しい。現に、タイムリーな出版を看板として競ってきたような出版物が、印刷とオンラインの混合モデルを採用するのを避けて 100% オンラインに移行していく例を、私たちは数多く見てきた。私の気持としては、今日の世界で印刷出版物が生き残れる唯一の道とは、十分に掘り下げたなコンテンツを出版することによって、読者たちがオフラインの環境でもすべての注意をそれに向けてもよいという気持になれるまでのものとなることだと思う。もちろん私は The New Yorker 誌をオンラインでも読めるが、それでもやはり、その長々しい記事は(ちゃんと漫画がちりばめられているので楽しい)ソファの上にゆったりと座って、紙に印刷されたものを集中して読む方がずっと良いと思う。

討論フォーラム -- 当初私は、読者たちが討論フォーラムをこんなにも高く評価しているのを見てちょっと当惑してしまった。でも、その後考え直して、討論フォーラムというのは似たような考えを持つ人たちの間で大規模なネットワークを提供しているのだからと納得できた気がした。一つのリンクを大勢の友人たちに個別に送るのは手間もかかるし、あらかじめ大勢の人々を知っている必要がある。けれども討論フォーラムなら、興味深いイベントについて大勢の人々に素早く知らせるのも簡単にできるし、その上受け取る側にしてみれば、グループ内の他の人たちが何をおもしろいと思っているかが読むだけで簡単に分かるということにもなる。

メーリングリストやウェブフォームによる討論に頼ってニュースを知るというのは、世の中一般で何が起こっているかを知るためにはたぶんあまり効果的な方法とは言えないだろう。けれども、そうではない情報収集目的のために討論をフォローするのならば、そうやって入ってくるニュースの数々は非常に適切な話題でありタイムリーなものとなるだろう。

直接人に聞いて -- 定期的に直接人に聞くことでニュースや情報を入手すると答えた人は非常に少なかった。もちろん、これは驚くほどのことではない。だって、私たちは生活のほとんどの時間を自分と似たり寄ったりの情報源しか持たない人たちと共にしているのが現実なのだから。それにもかかわらずこれがニュースを知るための方法としてかなり高いランクになったのは、多くの人たちが「ごくたまに」あるいは「時々」直接人に聞いて情報を入手すると答えたからだ。きっと、Macintosh ユーザーグループのミーティングのような所もあるだろう。言い換えれば、友人や親戚、同僚といった人たちと話をして情報を手に入れることは時々はあるかもしれないが、今どき口コミに大きく依存して生きているような人はほとんどいないということなのだろう。

RSS フィード -- 前にも述べたように、TidBITS 読者たちは RSS (Really Simple Syndication) をしっかりと使うか、それともほとんど使わないかのどちらかで、その中間はない。(RSS って何のことか知らない、という方たちのために説明すると、これはどんなウェブベースのサイトでも使えるテクノロジーで、頻繁に更新される情報を公表するために使われ、例えば Safari や、あるいは人気ある NetNewsWire のような、数多くある RSS プログラムがその情報を分かりやすくて一覧しやすい表示方法で提供できるというものだ。)

私は RSS に関するこの統計情報の分岐状況についてずっと考えてきたが、現実に起こっているのはこういうことだと思う。まず、電子メールのニュースレターを受け取るためにサインアップをするということは、本質的にはあなたが送られたものを何でも読むと非公式の同意を与える行動だ。一方 RSS は、その対極を具現化する。ここでの目標は、可能な限り読むのを _避ける_ ということだ。とても正気とは思えないほどの数のフィード、多くの場合何百という RSS フィードを購読している大勢の人たちに話を聞いたことがあるが、いったいどうやってそんなに大量のコンテンツを読む時間を見つけるのかと私が尋ねると、たいてい彼らは入ってくる情報のほんのちっぽけな一部分しか読んでいないと認めるのだった。でも、大切なのは、たくさんのニュース見出しをさっと眺めて、最小限の時間を使って世の中に何が起こっているのかの感覚を掴むことなのだ。

その結果として、RSS は特定の職業と性格の人々に向いていると私は思う。例えば、TidBITS 編集者の Glenn Fleishman は Wi-Fi ネットワーキングやその他のワイヤレステクノロジーに関係した数多くのブログも運営しているのだが、そうした話題で世の中に起こっていることに遅れずについて行くためには、非常に多数のサイトや出版物に目を通して、大多数の情報が自分には全く興味ないものだということを覚悟した上で、すべてをチェックできるようにしておくことが彼にとって重要なのだ。このように、干し草の山から針を見つけ出す必要のある人にとって RSS は便利だ。また、別に針を探しているのでなくても、たくさんの異なった話題の中から非常に少量の情報だけを知りたいというタイプの人もいる。そういう人がもっと詳しく知りたいと思えば、さらに深く飛び込むこともできるだろう。ここに当てはまるのは政治家たちかもしれない。たとえ地方の政治家であっても、その地方の出版物やブログなどに RSS で手早く一覧ができ、今後重要となるかもしれない分野を見つけ出すことができれば役に立つだろう。

けれども、別に針を見つけ出すためとか職業的な大展望を得るためとかに RSS を使ったりするわけではない人たちも大勢いる。私が思うに、そういう人たちにとって RSS は、自分が情報の最前線にいると感じたいという心理的必要を満たすための道具なのだ。世界で何が起こっているかを、あるいは少なくとも世界の中のある一部分で起こっていることを、自分が知っていると感じていたいのだ。そういう必要を感じるタイプの人は、きっと以前は New York Times 紙を毎日隅から隅まで読む(あるいは少なくとも目を通す)習慣のあった人だろう。個人的に、これは今日の情報社会ではとても危険な心理的傾向だと私は思う。インターネットは、たとえ見出しだけという形であっても、もはやどんな人も吸収し切れないほど大量の情報を提供できるのだから。でも、ニュース中毒者たちは現に今もこれに対処している。そして、今後も世に溢れるニュースはますます増え続けるのだから、彼らは今後もそれに対処し続けなければならないのだ。

アグリゲータサイト -- TidBITS 読者たちがそれほど RSS を使っていないという事実は、アグリゲータサイトにも同様に当てはまるようだ。主だったところではMacSurfer や、Apple 関係の業界ニュースに焦点を絞った新サイト Apple Investor News などがある。これらのサイトは、ウェブ上の他のサイトからニュース見出しを収集して表示するという仕事をなかなかうまくこなしている。実際、RSS が使われていることが多い。私が思うに、やはりここでも問題は見出しの数の多さで、RSS と全く同様に、見ただけで圧倒されてしまうかもしれない。

これらのサイトが便利に使えるのは、主にそこに集められた見出しと、それらが表示される方法とが、たまたまあなたの欲しいタイプの情報と、あなたがそれを受け取る方法とに、うまく合致している場合に限られるだろう。

ポッドキャスト -- ここ数年来もてはやされているにもかかわらず、ポッドキャストは TidBITS 読者たちの間にニュース獲得の方法としてはそれほど大幅な侵食を果たしていないことが分かった。ひょっとしたらポッドキャストがそれほどニュースに特化していない(Your Mac Life や、Tonya と私も参加している MacNotables ポッドキャストなど、ニュースに特化したものも確かに存在してはいる)からかもしれないし、またそれほどタイムリーになり切れていない(ウェブ出版ほど頻繁に更新されているものは少ない)からかもしれない。あるいは、内容のプロフェッショナル度が足りないのかもしれない。この点は個人のブログもほぼ同じ状態にあるだろう。

私はポッドキャストが大好きだが、正直に言って、大好きなポッドキャストの数はそれほど多くない。これは、内容の良くないものが多いと言っているのではない。そうではなくて、オーディオを聴くのは文章を読むのに比べてずっと時間のかかることだからで、私にはそれほど多くのポッドキャストをフォローできるだけの時間がないのだ。でも、長時間の通勤に耐えている人たちや、旅行の多い人たち、あるいはエクササイズの最中に iPod を聴くのが好きな人たちならば、ポッドキャストを聴いて過ごす時間がたっぷりあるかもしれない。

個人ブログ -- そして、リストの最下位に来るのが、個人のブログだ。どうやら TidBITS の読者層は、少なくともニュースに関する限りではそれほど大規模にブログ世界へと足を踏み入れていないらしい。私はこの結果を見ても別に驚いたりはしなかった。なぜなら、ブログの中の個々の記事が一つのイベントに対して興味深い洞察を与えることはあるかもしれないが、たいていの場合、そういう記事は単に別のサイトにある元記事を指し示すのみだからだ。だから、興味の方向があなたとぴったり一致しているブロガーを発見しでもしない限り、そしてそのブロガーがあなたが読みたいと思う話題に特別に効果的に気付いてくれでもしない限り、どこかの個人ブログに依存してニュースを入手するというのは、世の中の出来事を知る方法としてはあまりにも場当たり的なものだと言わざるを得ない。

その他 -- 人々が Mac 関係のニュースや情報を手に入れる方法で私たちがまるまる取り上げるのを忘れてしまったものがあるかもしれないということで、このアンケートでは読者からの新たな提案も受け付けるようにしておいた。寄せられたもののほとんどはニュースを入手するための特定の方法の実例を挙げたものだったが、正真正銘の新潮流もいくつか浮かび上がった。

今後の分析 -- 今回はここまでとしよう。今後もこの読者アンケートの結果を引き続きよく検討して、新たな記事を書くつもりだ。皆さんが情報を得ている具体的な場所について、皆さんが TidBITS の記事のうちどんな種類のものに興味があるか、また皆さんがどんな記事を読みたいと思っているかについて、分析して行こうと思っている。


Take Control ニュース/16-Jul-07

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最新の助言を得て Windows を Mac で走らせよう -- 私たちは電子ブック“Take Control of Running Windows on a Mac”のバージョン 2.5 をリリースしたばかりだ。この 148 ページの本も、これで完璧に最新の内容となった。ここには Windows を Mac で走らせるために必要な詳細情報が満載だ。Apple の Boot Camp 1.3 beta、Parallels Desktop 3.0、VMware Fusion のリリース候補版、それに VirtualBox の無料公開ベータ版で走らせる方法もカバーしている。

ベストセラーの著者であり、TidBITS の編集主任でもある Joe Kissell の手になるこの本は、今回 Windows XP と Vista の双方の記述を加え、また Windows のインストール方法、厄介な周辺機器の扱い方、Windows と Mac OS X でのファイル共有、Windows インストールのバックアップ、Windows のマルウェアを避ける方法、その他について実用的なアドバイスを盛り込んでいる。そしてもちろん、仮想化をやってみようと思っている人のために、Parallels Desktop 3.0 の $10 引きクーポンまで付いていることを考えれば、この本を $10 で買うなんていともたやすいことだろう。

既に“Take Control of Running Windows on a Mac”をお持ちなら、2006 年 9 月 1 日以降に購入された方は無料でアップデートができ、それ以前に購入された方には 25% 引きで購入していただける。該当される方々には電子メールでお知らせしてあるが、受け取られた覚えのない方はご連絡いただきたい。


TidBITS Talk/16-Jul-07 のホットな話題

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

GPS の Mac サポート現状 -- Adam が GPS をレビューした去年の記事以降、現時点での状況はどうなっているのか? さらに重要なことだが、Mac サポートの現状は? (9 メッセージ)

最高の FM 送信機 -- iPod からの音楽を自動車のステレオシステムで聴けるために作られた機器はたくさんあるが、それらを比較するとどうか? また、有線接続のカセットアダプタは、もっと良い選択肢となるのか?(12 メッセージ)

PDF の「解像度」 -- PDF ファイル自体は解像度と無関係だが、画像の品質については、ビットマップ画像(例えば JPEG 写真など)を含んでいる場合、解像度によっていろいろ変わってくる。(8 メッセージ)

FTC がネットの中立性を放棄 -- Federal Trade Commission(米国連邦取引委員会)は、ネットの中立性という概念を放棄することに決めた。これで、インターネットコンテンツを配付する際の変動価格制に門戸が開かれることになるのかもしれない。(1 メッセージ)

Mail 用 Open Message AppleScript -- Apple の Mail アプリケーションがルールに基づいてメッセージを別ウィンドウに開くようにしたいなら、この一連の AppleScript スクリプトをダウンロードするとよい。 (1_メッセージ)

家庭内 Wi-Fi に代わって電力線搬送通信を使う -- 先週号の Kevin van Haaren の記事を受け、ある読者が Powerline ネットワーキングを使って不満足な結果に終わった体験を語る。(1-メッセージ)

Apple「購入証明書クーポン」 -- Apple 製品に付属している購入証明書クーポン (Proof of Purchase Coupon) って、いったい何に使うの? 何人かの読者たちは過去にこれを使って交換用のシステムディスクを貰ったことがある。(7 メッセージ)

雷雨の中 iPod を身に付けてジョギング -- ある男が雷に打たれてしまったのは、iPod を聴きながらジョギングしていたせいか? 医学レポートの内容はさておき、何人かの読者はもっと情報がなければ軽々しく因果関係を言うわけには行かないと思っている。(6 メッセージ)

アップデータの所為で Office やその他 Rosetta アプリに問題発生 -- これは人によって起こったり起こらなかったりするようだが、QuickTime 7.2 と iTunes 7.3.1 にアップデートした後で Intel ベースの Mac 上で Rosetta の下で走るアプリケーションに問題が起こることがある。これは、Java が原因なのか? (4 メッセージ)

ProCare -- Apple の ProCare サポートプログラムに最近変更が加えられたことで、困ってしまった読者たちがいる。 (2 メッセージ)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2007年 8月 12日 日曜日, S. HOSOKAWA