TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#919/17-Mar-08

コマーシャルはさんざん見たし、初期のレビュー記事も読んだ。でも、この MacBook Air を実際に日常の目的に使ってみた感触はどうなのだろうか? ただし記事を寄稿してくれた Angus Wong にとっての「日常の目的」とは、週末のゆったりした朝にベッドの中で(あるいは他の場所や時間にも?)どの程度うまく使いこなせるかという意味だ。ベッドといえば、Joe Kissell が睡眠について考え直したのは - いや、つまり彼のラップトップ機のスリープ機能の話だが - SmartSleep というユーティリティを試したのがきっかけだ。Jeff Carlson は Apple がテキスト読み上げ用に使い始めた新しく艶っぽい音声に出会い、Glenn は Apple から新しく出た 802.11n 対応 AirPort Express ベースステーションを手早く概観する。今週号にはアップデートのニュースもたくさん集まった。Microsoft Office 2008 と Office 2004 の重要なアップデートについて検討するほか、独立の AirPort Utility アップデート、Word 2008 にプレーンテキストを貼り付けるための AppleScript を使った新しい方法、それに電子ブック“Take Control of Switching to the Mac”の新バージョンについてもお知らせする。また、その他の重要なアップデートについても簡単なリストにして紹介する。その他のニュースとしては、iPhone オーナー用の AT&T による音声通話使い放題プラン、IPNetMonitorX ネットワークユーティリティが当たる抽選のお知らせもあり、また Windows Vista のシステム要件について不満を表明した電子メールメッセージを覗き見する。メールの筆者は、何と Microsoft 社の重役だった。

記事:


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Apple が 802.11n AirPort Express をリリース

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

老舗のAirPort Express(AirPort は日本では AirMac 、以下全記事で同様)が今度は、Wi-Fi の最高速の香り高い 802.11n を誇るようになった。これは財布にも優しく米国内では $99(日本では11,800 円)だ。Apple が今日、同社のコンパクトなベースステーションの改訂版をリリースしたということだ。AirPort Express は、AirTunes を使って、ネットワーク上で内蔵のオーディオミニジャック(アナログ/オプティカル)につないだオーディオ機器に iTunes の音楽をストリームすることもできる。このプロトコルは Rogue Amoeba の Airfoil が Mac や Windows システムからどんなものでもオーディオ出力にストリーミングできるよう拡張するときに使った物だ。(2008-03-10 の"Airfoil ホームオーディオをワイヤレスに鳴らす"参照)

airportexpress2

AirPort Express は 2004 年に AirPort Extreme Base Station の廉価版として $129 でオーディオストリーミングオプションを加えて導入された(AirPort Extreme Base Station は前年に $299 で導入されていた)。802.11n AirPort Extreme が 2007 年 2 月に現行の $179 でリリースされたが、AirPort Express は価格が $99 に下がっただけでカタログの中身はそのままだった。

802.11n ドラフト規格は、現在The Wi-Fi Alliance で標準として承認中だが、異なるメーカーによる認証ラベルが付けられたいわゆる"Draft N"デバイスを混在して組み合わせても十分に安定している。広げられた通信範囲は 802.11n の大きなメリットによるものだ。複数の内蔵アンテナは、快適に利用できる信号の到達距離を2倍から4倍に延長した(Apple はただ"最高で 2 倍の通信可能距離"としているが)。

AirPort Express は 2.5 GHz と 5 GHz の両方の周波数帯を扱える最も安価なデバイスだ。5 GHz 帯は利用者が相対的に少ないという点で非常に利用価値が高い。2.5 GHz 帯は Wi-Fi ネットワークでヘビーに使われていて、その帯域を他の用途と分け合わなければならない。その上、5 GHz 帯と比べて少ないチャネルしか持っていない。

新バージョンの AirPort Express には古いものと同じ制限が残されたままだ。内蔵の USB ポートはネットワークを通じて共有できる一台のプリンタしか使えない。新しい 802.11n モデルもハードドライブや複数のプリンタを共有することはできない。それをしたいなら、$179(21,800円)の AirPort Extreme または、 $299 (500 GB:35,800円) か $499 (1 TB:59,800円) の Time Capsule が必要となる。Apple は、ベースステーションには最高 10 ユーザが同時にアクセスできること、50 ユーザが見かけ上は同時に AirPort と Time Capsule を使うことができると請け負っている。

AirPort Express は Ethernet を内蔵しているが、これは 10/100 Mbps Ethernet で 802.11n で可能なはずのトップスピードを減速してしまう。私が AirPort Extreme とTime Capsule を gigabit Ethernet とテストしたところでは、100 Mbps Ethernet を使うと、そのトップスピードから 50 % が削られ、 Ethernet と Wi-Fi デバイス間にある他の制限を押しつけられることが分かった。


AT&T が使い放題通話の iPhone プランを提供

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

Ars Technica の助けのお陰で、米国における携帯通信大手4社から出された新たな無制限通話プランに関する混乱を多少整理できた。("3つの携帯通信業者が月 $100 の使い放題プランを提供" 2008-02-19, と "Sprint Nextel、$90 と $100 の使い放題月ぎめプランを追加" 2008-02-28 を参照)。最初の頃は、iPhone の購入者は AT&T が提供する月 $100 の料率プラン (データとテキストメッセージングは含まず) には参加出来ないように見えた。

Ars Technica の David Chartier は AT&T から、AT&T の一般携帯向けの発表と iPhone のための Apple 価格ページへの出現の間には 2週間以上の遅れがあると聞かされた。新しい月 $120 のプランには、使い放題の通話、使い放題の EDGE データと微々たる 200 テキストメッセージが含まれる。Chartier は次の様に報じている、現在 AT&T プランに加入している顧客、或いはこの期間に申し込んだ人は、AT&T に電話してこの使い放題プランへの無料の乗換えを頼める。ファミリープランとして新たな回線を追加する場合も更に月 $120 かかる。(アラスカの人は残念ながら AT&T からの使い放題通話サービスは受けられない。)


Apple が Tiger、Leopard、Windows 用 AirPort Utility をリリース

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

Mac OS X 10.4 Tiger, Mac OS X 10.5 Leopard, それに Windows XPと Vistaのための AirPort Utility 5.3.1 (日本では AirMac ユーティリティ 5.3.1、以下同様)が利用可能になっている。これは Tiger と Windows ユーザがユーティリティを簡単にダウンロードしてインストールできる初めてのものだ。これまでは、AirPort Utility を入手するためには、サポートされたハードウェアに付属のインストーラーCD を使うか、Leopard をインストールするかしなければならなかった。AirPort Utility は AirPort Extreme Base Station、AirPort Express Base Station、Time Capsule 全てを設定することができる。(アップデートは最初にポストされた後数時間利用できなかったが水曜日の朝には再度ポストされた)

このソフトウェアが最初に現れたのは、2007 年 2 月にリリースされた AirPort Extreme Base Station と共にだった。そして、AirPort Express の小売パッケージは 2007 年の中頃アップデートされ同じようにユーティリティが含まれるようになった。AirPort Utility は Leopard の一部として、また Time Capsule と一緒に出荷されるようになった。このソフトは前バージョンの AirPort Admin Utility より小ぎれいなデザインになり、古い機種でも多くのオプションの設定ができるようになった。

AirPort Utility はソフトウェアエージェントをオプションとしてインストールする事ができる。それはバックグラウンドで動作しネットワークをモニターし、USB ドライブが AirPort Extreme Base Station or Time Capsule に接続されたりローカルネットワーク上のベースステーションにトラブルがないかを見守る。さらにそれは、自らとハードウェアのファームウェアのアップデートがないかを自動的にチェックすることもできる。AirPort Utility は、トラブルに見舞われたときに、ベースステーションのファームウェアを前バージョンに戻すことがずっと簡単に行えるようになった。

AirPort Utility 5.3 で始まった最も画期的な変更は記述的な名前とは別にベースステーションのBonjour name を設定する事ができるようになったことだ。AirPort ペインを選び Base Station や Time Capsule タブの中の Name フィールドの傍にある Edit をクリックすればいい。以前は両方の目的のために一つの名前しかつけられなかった。記述的な名前は AirPort Utility によって識別するために使われるだけでなく取り付けられたボリュームにも使われたのだ。

Bonjour name はネットワーク上でベースステーションを公開するために使われ、短く簡潔なものにも、長くてより技術的なものにも、自由に変えられる。Wide-area Bonjour configuration はデバイスの Bonjour name を設定するのと同じ場所にある。Wide-area Bonjour は皮肉にも広くサポートされるに至ってないのだが、これはローカルネットワークの情報を DNS サーバに出力するための方法だ。

私は、Take Control of Your 802.11n AirPort Extreme Network という本でAirPort Utility、wide-area Bonjour やその他の AirPort に関連する話題について詳細に書いた。


DealBITS 抽選: IPNetMonitorX が当たる

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ネットワーキングは、膨大な数の質問が発生する話題の一つだ。私のインターネット接続はどの程度高速か? 私のネットワークでどんな IP アドレスが使われているか? AirPort ベースステーションの置き場所や向きをどう調整すればワイヤレスネットワークのパフォーマンスが改善されるのか? 私の ISP が DNS ブラックリストに載っているせいで私のメールが届かないのではないか? 私の知らなかったサービスが私の Mac で走っている(そうしてセキュリティの脆弱性を作り出している)ことはないか? 私のサーバは夜中にいつもクラッシュしているのでは?

こうした質問のいくつかに答えられるようなツールはたくさんある。ことにあなたが Unix のコマンドラインに非常に堪能ならば、そういうツールには事欠かないだろう。けれどももしもあなたが Mac ユーザーでグラフィカルなインターフェイスの方が好みなら、Sustainable Softworks の IPNetMonitorXがより良い選択肢と言える。ネットワーキングの導師 Peter Sichel の運営する Sustainable Softworks 社は、Mac OS の奥深くに観察の目を光らせて、さきほどのような質問のすべて、さらにはもっと多数の質問にも、しっかりと答を提供できるようなネットワーキングツールを作り出してきた定評がある。

今週の DealBITS 抽選では、IPNetMonitorX を2本、賞品にする。幸運が足りずに当選から漏れた応募者にももれなく IPNetMonitorX の割引価格の資格が贈られるので、ぜひ奮って DealBITS ページで応募して頂きたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。また、もしもあなたがこの抽選を紹介して下さった方が当選すれば、紹介に対するお礼としてあなたの手にも同じ賞品が届くことになるのもお忘れなく。

[訳注: 応募期間は 11:59 PM PDT, 23-Mar-2008 まで、つまり日本時間で 3 月 24 日(月曜日)の午後 4 時頃までとなっています。]


Word 2008 用プレーンテキスト貼り付け AppleScript を更新

  文: Joe Kissell <joe@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

"Word 2008 とプレーンテキスト貼り付けを踊らす" (2008-01-19) の記事で、私は小さな AppleScript を紹介した。これは Word 2008 の中でスタイル情報を持たないテキストを貼り付ける時使うもので、貼り付け先にあるスタイルが何であれそれに合わせて貼り付けてくれるものである。私の所に寄せられたフィードバックから、この作業をワンクリックで行なえる内蔵のコマンドがないことに腹立ちを覚えている人がかなりいることが察せられた。あれ以来、極めて稀にではあるが、私のスクリプトを使って貼り付けたテキストがその周りの実際のフォントではなく Word の Normal テンプレート (Cambria) のデフォルトフォントになってしまう場合があり、それが何故或いは何時起こるのか皆目見当がつかないでいた。

それで私は更に実験を進めてみた結果、一つの修正スクリプトに到達した。これは単にこの問題を解決するだけではなく全く違ったアプローチをとっており、結果的にもより短いかつエレガントな解となった。これまでの所、この新しいスクリプトが間違いをしでかす場面には行き当たっていない。前の時と同じ様に、これを Script Editor に貼り付けるか、或いは出来上がったスクリプトをダウンロード、解凍、そして ~/Documents/Microsoft User Data/Word Script Menu Items に入れるかする。そのスクリプトは下記の通り:

tell application "Microsoft Word"
    tell selection
        try
            set theClip to Unicode text of (the clipboard as record)
            type text text theClip
        end try
    end tell
end tell

ここでは、クリップボードにある文字数を勘定して挿入点を移動させる代わりに、スクリプトではタイピングを模擬するコマンド "type text" を使っていて、これにより挿入点を正しい位置に自動的に置いてくれる。


SmartSleep が Safe Sleep の状況を解決する

  文: Joe Kissell <joe@tidbits.com>
  訳:上松慮生 <ryo.uematsu@gmail.com>

数ヶ月前私は “安全なスリープとは何だろうか”(2007-07-30) で Apple のデフォルトの Safe Sleep の設定によって、自分のラップトップ機がスリープ状態になるのにあまりに時間がかかると不平を言った。さらに、私は Safe Sleep を無効にして自分のコンピュータをより健全な状態に戻すシェルスクリプトを共有した。読者からのかなりたくさんの反応を受けて、私は1ヶ月後に ”安全なスリープ再考”(2007-08-20) でその問題を追跡し、そこでは現在のバッテリの残量に応じて Safe Sleep を有効にしたり無効にしたりするより洗練されたスクリプトを提示した。しかし、依然として実現したいことのためにコマンドラインを操作する必要があることを残念に思っていた。

Patrick Stein によるフリーのシステム環境設定である SmartSleep のおかげで、Mac のラップトップ機を持っていて、我々が ”間違っている” と考えるようにスリープするのを数回のクリックで我々の好み通りに仕立てることができる。SmartSleep はあなたがコンピュータをスリープさせたときにどのような挙動をとるかを厳密に選択することができる。デフォルトの設定 (“sleep &hibernate”) はスリープする前にコンピュータのメモリの内容をハードディスクに書き込む。これはスリープするまであまりに時間がかかるというので私が嫌いな方法だ。しかし、完全な放電状態からほとんど瞬間的にあなたの Mac をスリープ前の状態に復帰できる。以前の Mac のラップトップ機のデフォルトと同じ状況であるハードディスクにメモリの内容を書き込まず即座にスリープする“sleep” や、メモリの内容を保存してからコンピュータの電源を完全に切る“hibernate” 、それから私のお気に入りの “smart sleep” などがある。この“smart sleep” はバッテリ残量に応じて “hibernate and sleep” モードを有効にしたり無効にしたりする(有効にしたり無効にしたりするしきい値はスライダによって調整できる)。また、バッテリ残量が 5 パーセント以下のときは“hibernate” モードが有効になる。つまり、 “smart sleep” は私のスクリプトが行っていたことの一歩先のことを少ない労力で行ってくれる。スリープイメージファイルがあればそれを削除するようなボタンまで備わっている。

SmartSleep

警告を一つ。インストールするときに環境設定ファイルをダブルクリックするとMac OS X は、全てのユーザにインストールしたいのか、現在のユーザだけにインストールしたいのか聞いてくる。このとき、全てのユーザにインストールする選択肢を選ぶ必要がある。こうすると、ファイルを /Library/PreferencePanesに保存してくれる。そこにファイルが無い限りこのプログラムは動かない。


テキスト読み上げ機能でビデオナレーションを自動化

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

先週の Aperture 2.0.1 アップデートとその改善された AppleScript サポートに関する記事で、私は付属しているデモビデオの幾つかで使われているナレーションは合成音声 - 人間のボイスオーバーではなく Mac OS X テキスト読み上げ機能 ("Aperture 2.0.1 アップデートが AppleScript 対応を拡大" 2007-09-07 参照) であることをつい口走ってしまった。

しかしながら、間違いを一つしでかしてしまった。私は私のコンピュータの中に住んでいる女性たちにお詫びを言わなければならない:このビデオで使われている声は Victoria ではなかったのである。私は Speech 設定ペーンにある女性達の声を聞いたのに基づいて推測したのだが、Apple の自動化技術担当のプロダクトマネジャーの Sal Soghoian が私の間違いを指摘してくれた。彼女は Lucy で、Acapela からの女性の英国英語の声だという (そして AssistiveWare の Infovox iVox でも入手できる; "Infovox iVox で Mac の語り口が明瞭に" 2007-09-07 参照)。

Soghoian によると彼のトレーニングポッドキャストは全て人間の声ではないと言う。彼がどの様にしてこれを可能にしているのか知りたい向きは、Automator.us の "Rendered Narrations" ビデオを見られると良い。


Microsoft の内部メールに流された Vista の問題

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

Cornell University での私の母の電子メール経歴の初期の頃、誰かがかなり気恥ずかしい個人的な返信を彼女の属しているメーリングリストに間違って送ってしまったことがある。彼女はこの事態をえらく気にして、その後間違って送られてしまったメールの話が出る度に、彼女の好みの格言を持ち出すようになった:"電子メールには New York Times の一面に出て欲しくない様な事は一切書いてはいけない。"

事実は小説より奇なりで、別にあて先間違いをしなくともこれが本当のことになってしまったのである。それは奇しくも Randall Stross の New York Times の記事 "They Criticized Vista. And They Should Know." に取り上げられることになったのである。Stross が取り上げているのは不満なユーザーからの声で、彼らの新しい PC は Microsoft のスティッカー上で "Windows Vista Capable" とうたっていながら、Vista の全てのバージョンを走らせられるわけでもないし、それに最新バージョンの Windows に関しても数え切れないほどの問題があるというものである。でもおかしいのは、これらの不満の声が不特定のインターネットユーザーが公開の討論フォーラムという得体の知れない空間に対して発信したものではない事である。実はこれらは Microsoft の経営陣によって書かれたもので社内のメール上での論議なのである。これらが公になったのは、"Windows Vista Capable" のスティッカーは誤解を招くという集団訴訟で召喚されたためである。

少なくとも、この Microsoft 経営陣の内の一人は私の母のお気に入りの格言を学ぶ機会はあった筈なのである。Microsoft の Windows 担当の上級副社長である Steven Sinofsky は、1980年代に Cornell の学生であった。なぜこんなことを私が知っているかって?彼は、Tonya が新入生の時の学生寮の指導教官だったのである。そう、世の中狭いですね。

皮肉にも、私の母は今 Cornell University Archivist であり、私の想像するところ Cornell Archives に対する寄贈には電子メールやその他のデジタルの通信文が益々多く含まれる様になるのではなかろうか、これまで長年にわたってそこには個人的な手紙が含まれて来た様に。という事で、あなたが電子メールの中に書いたものが単に New York Times の紙面を飾るだけでなく、その受け手が子孫のために残したいという理由でその電子メールをデジタルアーカイブに寄進して保存されるという可能性もあることを一考されては如何であろうか。


Take Control News:Mac へのスイッチの手伝いがアップデート

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

執筆の Scott Knaster と編集の Caroline Rose は、これまでも共同で Apple、Next、Microsoft そして Google のために記事を書いてきた。今度も共同で "Take Control of Switching to a Mac" のメジャーアップデートのために重労働をこなした。今、彼らの労働の成果が我々全ての楽しみの種として実を結んだ。

すでに Mac を持っているのにスイッチについて何を楽しみにすればいい?もし、あなたが最近スイッチしたばかりなら、まだ Scott と Caroline が鎮められるような困りごとがあるだろう。あるいは、あなたが私達のようだったとしたら、スイッチしようと考えていて、そのための最良の方法としてあなたの脳みそを拝借しようとするいろんな友人達や親戚から、定期的に聞かれるはずだ。基本的なことについて時間を費やす代わりに、彼らを一歩一歩導くアドバイスが詰め込まれたこの電子ブックを教えればいいのだ。すべての Take control 電子ブックと同様、PC でも Mac でも見られるし、大きな印刷本と違って、ラップトップに入れて持ち運ぶことも簡単だ。この電子ブックは Mac のクールな点 (そして、そうじゃない点も。私達は何も隠し立てはしない)、新しい Mac の設定、Windows ファイルの Mac への移動、Windows についての知識がある人の視点からの Mac の基本の習得、ネットワークとプリンタの使用、誰もが知っておくべき Mac の五つの必須機能、そして特に便利な五つの助言についてカバーしている。更に、専門用語に馴染みのない乗り換え組みが快適になるような Macintosh 用語集もある。

"Take Control of Switching to the Mac" 1.5 は Windows XP と Vista から Mac OS X 10.4 Tiger または 10.5 Leopard への移行を取り扱っている。様々なオペレーティングシステムのバージョンによる差異は大きな問題ではなく、Scott は、読みづらくなるようなことのないように、一つの電子ブックにまとめ上げることができた。


Office 2008 と 2004 の重要なアップデートリリース

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Microsoft Office 2008 for Mac の最初のリリースから二ヶ月経った今、Microsoft の Macintosh Business Unit はこのソフトウェアスイートに対する最初のアップデートを出し、多岐にわたる多くのバグを修正した。とても嬉しいことだが、Microsoft は今回のアップデートにおける 変更点のかなりきちんとした内容の詳細を説明している。この Microsoft Office 2008 12.0.1 Update は Mac OS X 10.4.9 かそれ以降を必要とし、Microsoft AutoUpdate ユーティリティによるか、または Microsoft のウェブサイトから 114.1 MB のダウンロードでも入手できる。

(Microsoft は Office 2008 Microsoft AutoUpdate ユーティリティ自体もこの 2008 年 2 月にバージョン 2.1.1 にアップデートしている。 Entourage Help Blog の記事によれば、将来のアップデートを受けるためにはこのバージョンの AutoUpdate ユーティリティを持っていることが必要だという。Office 2008 バージョンの Microsoft AutoUpdate は /Library/Application Support/MAU2.0 にあり、これは自分自身をアップデートもできるし、あるいはどの Office アプリケーションの中からでもあなたが Help メニューの Check for Updates を選べばアップデートできる。その際忘れてならないのは、Office 2004 バージョンの Microsoft AutoUpdate、これは Office 2004 アプリケーションを自動アップデートしたい場合には持っていなければならないものだが、こちらが /Applications フォルダにあることだ。)

Word 2008 については、Microsoft は最初の起動に関するバグをつぶした。これは、Word 2008 が従来のバージョンのプログラムから設定を読み込もうとした際にクラッシュするというものだった。また、ある種のプリンタで空のページが印刷されることがなくなり、Word 2007 for Windows で作った数式を含む書類が正しく開くようになり、引用の消去が改善され、PowerPC ベースの Mac で Word for Windows 書類を読み込む際のフォント置換が改善された。それから、いわゆる“Mamma mia!”バグでは、イタリア語配列のキーボードを使っていてスペルや文法をチェックしようとした際に Word 2008 がクラッシュすることがなくなった。

Excel 2008 では全般的な安定性が改善され、主ディスプレイの上側に第2モニタが配置されている構成をより良くサポートするようになり、帳簿シートの処理を改良、カラムを消去した後の回転されたテキストのフォーマッティングが適切になり、.xls ファイルで空のセルのフォーマッティングが不意に変わってしまうバグを修正、またリンクされたデータやチャートをコピー・ペーストした際の安定性を増している。けれども Excel に依存している労働者たちにとって最も重要な点は、Mac デフォルトの 1904 基準の日付システムを使ったシート上で WORKDAY 関数が正しく計算されるようになったことだろう。

PowerPoint 2008 については、Microsoft は起動時間を改善し、ある種の文字が互いにくっつき過ぎて配置されていたバグを修正している。さらに重要なことには、Mac OS X 10.5 の下で SMB プロトコルを使ってネットワークボリュームに PowerPoint ファイルを保存した際にデータ喪失が起こることのあった問題点が今回のアップデートで解決されている。それと同じくらい重要なのが、MP3 のようなサウンドファイルへのリンクを含んだ .ppt PowerPoint ファイルが壊れて読めなくなってしまうことのあったバグが修正されたことだ。

Entourage 2008 は企業レベルでのいくつかの改善点を盛り込んでいる。主なものとしては、Entourage が IMAP 経由で IBM Lotus Domino サーバに接続することを妨げていた問題点の修正や、Microsoft Exchange サーバとの間でカレンダーイベントやコンタクト情報の同期をとる機能の改善などがある。Leopard でサウンドが正しく働くようになったことや、Entourage 2004 からのルールとアイデンティティー(特にスウェーデン語で!)の読み込みの改善、Sync Services 経由の同期の安定性の改良、またサイズの大きなデータベースを再構築する際における Database Utility の信頼性向上などは、すべての Entourage ユーザーが歓迎するところだろう。

セキュリティーの面では、Office 12.0.1 はユーザーが特にその目的で作られた Excel ファイルを開いた際に遠隔コード実行を許してしまう可能性のあった脆弱性の修正を含んでいる。この問題は Windows 版の Excel にも影響があるが、Windows で Excel 2000 SP3 を使っている人については、Microsoft はこれが非常に重大な問題であると考えている。

最後にもう一つ、このアップデートでは Office Installer における問題点が修正され、Office 2008 のプログラムファイルが誤って User ID 502 を使ってインストールされてしまうことがなくなった。Mac では最初のユーザーが通常 UID 501 なので、これは第2ユーザーに不適切なアクセス権を与えてしまう結果になることがあった。この問題については Dan Frakes が Macworld に詳しい記事を書いている。Microsoft のリリースノートは他の点については素晴らしいが、ただこの問題に関してだけは具体的な説明を一切していない。しかしながら、このアップデートはすべての Office プログラムファイルをチェックして、それらのオーナーが UID 502 でなく UID 0 となるように変更してくれる。(これが何の話かお分かりにならない方は、何も気にせずに済ますか、または Brian Tanaka の“Take Control of Permissions in Leopard”を読むかするとよい。私もこの電子ブックを読んで、変更が実施されているかどうか検証する方法を知った。)

一方、Microsoft Office 2004 11.4.1 Update は、上記の Excel 脆弱性を修正するとともに、ユーザーが悪意あるファイルを開いた際に遠隔コードが実行される可能性のあった もう一つのセキュリティ脆弱性 も修正している。こちらも、Microsoft AutoUpdate 経由か、あるいは 13.2 MB の独立ダウンロードとしても Microsoft から入手できる。Mac OS X 10.4.9 かそれ以降が必要で、さらに完璧に最新バージョンの Office 11.4.0 も必要だが、こちらを入手する一番簡単な方法は、Microsoft AutoUpdate を走らせて繰り返しアップデートをインストールさせ、最新バージョンになるまでその作業を繰り返させることだ。


MacBook Air を持ってベッドに入る

  文: Angus Wong <atkw@anguswong.net>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

もちろん知ってるさ。世界の果てのどこかしらに行けば、持ち運びの超簡単なポータブル機をベッドの中で使ってる人もいるんだろうさ。でもそんなのどうでもいい。これは、まるで Mac OS X をトレイに乗せてうやうやしく差し出されているようなものだから。この MacBook Air は、フィーリングも素晴らしく、電源オンもスリープも一瞬なので、使い始めや使い終わりに待たされたくないような場所でもストレスなしに使える。MagSafe 電源アダプタも、気まぐれな毛布や枕などによる危険を巧みに和らげてくれる。

でも、本当のボーナスポイントはこれだ。この Air 機は、ベッドの中ばかりでなく、旅先でも便利に使えるのだ。

私は、1 月の Macworld Expo 基調講演を見て、ほとんど即決で MacBook Air を注文した。私はもう長い長い間、私のバックパックを軽くしてくれる軽量のコンピュータを探し続けてきたからだ。私はこれまで試したことのあるいろいろな超軽量機たちはどれ一つとして気に入らなかった。仕事上の書類に Treo 一台とフルサイズの Bluetooth キーボードだけを使って作業をしようと試したこともあったのだが。

私はまた Macintosh 以外のサブノートブック機も嫌いだった。これらのコンピュータは、まさにバッテリ残量がぎりぎりで私が緊急に済ませなければならない仕事を抱えている時に限って、摩訶不思議な Windows タスクを実行するためにサイクルを無駄遣いしてばかりいるように見えるからだ。それに、こうしたちっぽけな PC の上で Linux を走らせることはできるものの、オペレーションシステム自体がまだまだ荒削りのままで到底信用するに足るものではない。そこで、旅行に出た時には、私は現在メインに使っている 17 インチ MacBook Pro を買う前に使っていた、自分が持った中で最後の PowerPC ベースの Mac である 12 インチ iBook G4 で済ませるようにしていた。MacBook Pro はもちろん良いマシンだが、町中を持ち歩いたり、狭苦しい飛行機の座席で作業をしたりするにはあまりにも図体が大きすぎる。

Steve Jobs が MacBook Air をデモするのを見た時、これは需要が殺到するぞと私は直感的に思った。そこで、結婚間近の婚約者と凄まじいやり取りをして出費の許可をもらってから(主な理由として持ち出したのが、これは主に彼女が使うコンピュータになるのだから、ということだった)私は早速 Apple のウェブサイトで注文を入れた。これが一番早い方法だと思ったからだ。

その MacBook Air が配達されて届くまでには長い長い時間がかかった。ほとんど iPhone を待つのにかかった時間と同じくらいに感じられたほどだ。私の婚約者はその格好良さの美学に夢中になっていたが、同じくらいの熱心さで私は、彼女がこれまで格好良いと思っていた Sony Vaio を彼女が早くどこかへやってくれないかと待ち望んでいた。家庭内 Windows 技術サポートの役割は、もうこりごりだった。

届くのを待つ間に、私は TidBITS にレビュー記事を書く約束を取り交わした。真っ先に飛びついた人としての感触を伝えることができると思ったし、他の人たちにこれが自分に向いたマシンであるかどうかのヒントを提供する記事にできれば嬉しいとも思った。そうこうするうちに Air 機が届き、二・三週間かけて私たちがある程度これに馴染んだと思った頃、私は自分が新たな困難に直面していることに気付いた。周りを見渡せば、既にたくさんのレビュー記事が出回っているのだ。同じような MacBook Air レビュー記事を書くのは嫌だった。そんなものを書いてもちっとも面白くないし、他のレビューを既にじっくりと読み終えた人たちのために何の役にも立たないだろうからだ。

というわけで、他のレビュー記事と同じようなことを書くのは避けて、MacBook Air を買おうかと考慮中の人たちのために、もちろん他のレビュー記事を読むのも大切だけれど、それと同時に自分がどんなタイプのユーザーであるか、それぞれのレビュー記事があなたのタイプに応じた使用法において最も大切なポイントに対処して書かれているものかどうか、といったことにも注意を払われることをお勧めしたい。まず初めに読むべきレビュー記事としては、Gizmodo の Review Matrix をお勧めする。これは、 Wall Street Journal の Walt Mossberg、Newsweek の Steven Levy、USA Today の Ed Baig、それにNew York Times の David Pogue の意見をまとめあげた記事だ。より詳しい情報が知りたければ、Gizmodo 自身のレビュー記事や、Macworld に載った Jason Snell の分析記事を読むのがよい。

それを踏まえて、以下では MacBook Air を入手して何週間か実地に使ってみた体験を元にした私自身の感想を、述べさせていただきたいと思う。

メインのマシンかサブマシンか -- MacBook Air は、あなたが持つ唯一の Macintosh であるべきではないと思う。もしもあなたが既に別の Mac を、特に Intel ベースの Mac を持っているのなら、Air は良い第2マシンになるだろう。あなたのコンピューティングの武器庫の中で、高度に持ち運びしやすい装備となる。けれども、その仕様は比較的非力とも言えるものなので、この MacBook Air は十分満足の行く Macintosh 体験を提供してくれないかもしれない。Apple の他のラップトップ機と比べても、見劣りすることは否めない。MacBook Pro では持ち運び易さとパワーとの絶妙なバランスがとれているのに対し、MacBook では価格とサイズがかなりの程度削減されている一方で、いくつかのパワーユーザー機能がなくなっている。

GarageBand で音楽を作曲したり、iMovie で編集作業をしたり、といった種類のことを MacBook Air で試みれば、CPU 速度が遅いことからかなりフラストレーションが溜まることになりかねない。大きなサイズの iPhoto や iTunes のライブラリにも同じ問題が起こりうる。ただし内蔵ストレージの最大容量は 80 GB 止まりだ。外部ストレージはあまり自由が利かない。FireWire が無いからだ。セールスマンたちがどのように USB 2.0 の話をしたとしても、これは速度の点では FireWire の足下にも及ばない。ことに、CPU が重荷を背負っている状況下ではなおさらだ。

Apple のワイヤレス仮想光学ディスクアクセステクノロジーである Remote Disc は魅力的だが、やはり本物の光学ドライブの機能性をフルに置き換えるものではないので、もしも MacBook Air があなたの唯一の Macintosh ならば物理的な SuperDrive が必要になる。Air 機で CD をリッピングしたり DVD を再生したりするには SuperDrive が唯一の方法だ。

もしもあなたの気持ちが MacBook Air と、Apple 以外のラップトップ機との間で揺れ動いているのなら、たとえ Macintosh 体験に制限が伴っていたとしても MacBook Air の方が賢明な選択だ。生産性の面から見て、Mac OS X 10.5 Leopard は市場にある他のどんなオペレーションシステムに比べても数光年先んじている。だから、私はもはや古びた 1 GHz iBook G4 を使う方が、どんなに最新の Windows や Linux の PC を使うよりもたくさんの仕事がこなせる。(当然ながら、これは私の場合の話だ。)[編集者注: 何人かの TidBITS スタッフも、同じくらい古くなったラップトップ機を不満なく使っている!]

けれどももしもあなたが既に Mac を持っているのなら、たとえそれが PowerPC ベースのものであっても、MacBook Air は理想的な第2の Mac となり得る。私の場合、私のメインの仕事には(メインの遊びにも)MacBook Pro を使っている。私の婚約者が主に MacBook Air を使っていて、主目的は彼女の電子メールと小さな iPhoto ライブラリだ。

私たちは、メインの写真保管場所として私の MacBook Pro(これがわが家のメインの家庭用 Mac だ)で共有された外付け 500 GB FireWire ドライブを使っている。MacBook Air からはこのかなり大きなコレクションを Wi-Fi 経由で iPhoto 共有により見られるが、私たちはその他にも音楽、ビデオ、それに仕事用の書類などもそのコンピュータを中央保管場所として保存している。こうすれば、MacBook Air ローカルに保存するストレージの必要量も少なくて済む。この Air の高速 802.11n Wi-Fi と Mac OS X のファイル共有との組み合わせで、遠隔ファイルアクセスも楽々だ。

Leopard のスクリーン共有も、この MacBook Air にパワフルな機能を与えるものとして働く。具体的に説明しよう。私はベッドの中にいて、すぐ脇のテーブルの上に MacBook Air が置いてある。のんびりした日曜の朝なので、私と婚約者は起き上がらないままで映画を観たいと思う。その映画のファイルは別の部屋にある私の MacBook Pro の中だ。その電源は入っているが、iTunes は今走っていない。そこで私はさっと MacBook Air を開く。瞬時に LED バックライトのディスプレイが動き出し、ほんの3秒ほどで AirPort 接続ができる。私は新しい Finder ウィンドウを開いて、MacBook Pro を見つける。そのアイコンをクリックすれば、そのスクリーンを共有するか、それともファイル階層をブラウズするかという選択肢が示される。私は Screen Sharing の方を選び、認証を済ませれば、たちまち MacBook Air の画面上に私の MacBook Pro のインターフェイスが表示されて使いこなせる。私は MacBook Pro 上の iTunes を走らせ、ネットワーク上でメディアを共有する設定になっていることを確かめてから、MacBook Air でも iTunes を起動させれば、映画の始まりだ。ここまですべてベッドから出ないままでできる! MacBook Air 上でのスクリーン共有は、「シン・クライアント」という用語に新たな意味をもたらしてくれるのだ。

その後ますます、私は MacBook Air を MacBook Pro のための遠隔コントロールパネルとして使うことが多くなり、DVD をリッピングしたり、プロセッサ要求が高い、時間が長い、あるいは大きなディスク容量を必要とするような新しいポッドキャストをダウンロードしたりといった作業を管理するために使うようになってきた。また、私が使っていない時には、この MacBook Air は私の婚約者のための理想的なコンピュータとなった。彼女は、 Final Cut Studio を走らせたりする必要がないからだ。

もちろん、どんなポータブル Mac でもこの種の遠隔コントロールの役には立つ(Leopard を持っていなくても無料の VNC ツールを使ってスクリーン共有ができる)のだが、この MacBook Air は素晴らしく持ち運びがし易くて見栄えも最高、これこそが私がこのマシンを人に薦めたい最大の理由だ。持ち運びがし易いというのは、ただ単にそのたった 3.0 ポンド (1.36 kg) という重量だけのことではない。信じられないほど薄くて格好良い姿もそうだし、オプションで取り付けられる 64 GB のソリッドステートドライブもそうだ。このソリッドステートドライブにすると、標準の 80 GB ドライブに比べて 16 GB 小さいにもかかわらず値段が $999 高くなるのだが、少なくともパフォーマンスは少し良くなり、おそらく電力消費もわずかに低く、そしてこれが最も重要なことだが、ハードドライブのヘッドがディスク盤にぶつかるような衝撃を与えた場合に影響を受けにくくなる。(いや、私はわざわざお金を払ってソリッドステートドライブを付けることはしなかった。これは未来への兆候かもしれないが、大枚をつぎ込むだけの価値があるとは思えなかったからだ。)

MacBook Air の外観について言えば、仕様ばかりを気にする道具愛好家たちにそんなものは上っ面だけのものだと馬鹿にされるかもしれないが、コンピュータとは、標準的なアプリケーションが走りさえすれば、美的に満足でき、見て美しいデザインならばそれを得るために多少追加のお金を払う(あるいはお金を払わずに得るものを少なくする)のも構わないと考える人たちが多くいるのも確かだ。私はさらにもう一歩踏み込みたい。この MacBook Air では、そのデザインこそがマシンの人間工学的側面の鍵となっているのだ。そのことはこれを使っている一瞬一瞬にひしひしと感じられる。まず軽量なので、持ち上げたり下に置いたりするのに何の苦労も要らない。本を積み上げた上に乗せたり、バックパックに詰め込んだりしても、いくらかの紙を束ねたものと同じように素直に収まってくれる。しまい込んだり置き場所を変えたりするのも簡単だ。(あまりに簡単なので、Newsweek ライターの Steven Levy は彼がなくした MacBook Air は New York Times の日曜版と一緒に古新聞のリサイクルに出してしまったに違いないと思っているそうだ。)MagSafe 電源コネクタのお陰で、充電の手間も普通の携帯電話や iPod と同じか、もっと易しいくらいだ。実際、わが家ではまさしくそういう風にして MacBook Air を使っている。必要に応じて充電はするが、そうでない時には家の中でどこへ行くにも MacBook Air を持ち運んで、リビングにいても、台所でも、トイレの中でも、食卓でも、あるいはベッドの中でも、どこでもすぐに電子メールをチェックしたりニュースを読んだりできるようにしている。

家の外では、私にとっては少しだけ嬉しさが減る。MacBook Air は外出中にもやはり非常に持ち運びし易い機器だが、バッテリ寿命には少し不安がある。特に問題なのは、バッテリが切れかけた際に別のバッテリに入れ替えることが不可能なことだ。平均して、私は一回の充電で 3.5 時間ほど使えている。これはいくつかのレビュー記事に書かれている数字よりも少しだけ良い数字だが、Apple が称している 5 時間という数字よりはかなり少ない。Wi-Fi をオフにしておけば、長編映画が2本この Air で観られる。けれども Wi-Fi をオンにしておくと、重要なビジネス上の作業を 2 時間か 3 時間くらいまでは安心して続けられるけれど、それを過ぎればもう電力の節約を気にして充電の方策を考えなければならなくなる。その結果、私の旅先での MacBook Air の使い方は、これまで使ってきたいろいろなラップトップ機のどれともそう変わらない。結局、この MacBook Air は家でも仕事場でもホテルでも、どこへでも持ち運びし易いコンピュータだが、空港や飛行機内で充電のための電源を得る間隔はせいぜい2時間程度(機内用の MagSafe Airline 電源アダプタを買ってあって、たまたま乗り合わせた飛行機のシートが電源を提供できるものだった場合は別だが)と考えるべきだ。その上、旅行中に必要なファイルをすべて内蔵のハードディスクに収めることができなかった場合には、フラッシュドライブを二・三個持って行くか、あるいは外部ハードディスクを持って行くかしなければならない。(あるいは iPod をディスクとして使うこともできる。)当然ながら、旅先からあなたのファイルに遠隔ブロードバンドアクセスが得られるかどうかはサイコロの目次第、運次第だ。

その他の細かい問題点をいくつか挙げておこう:

まだ紹介していない機能の一つが、あの素晴らしいマルチタッチのトラックパッドだ。私がこれまでに使う楽しみを享受したことのあるトラックパッドのうちで、この Air に付いているものが最大かつ最高のものだ。マルチタッチの機能は確かにクールに聞こえるが、実用上のレベルで考えれば私が常時使っているジェスチャーは二本指のスクロールと二本指の右クリックだけだ。三本指の戻る・進むのスワイプ動作は、どうやら Safari でしか働かないようだ。(私は普段 Firefox を使っている。これはいくつかのアドオン、例えば Google Notebook や del.icio.us 用のものなどが必要なためだ。)また、つまんでズームする機能は、私にはちょっと使いこなすのが難しい。二本指による回転は時々使うが、私たちのデジタルカメラはどうやら iPhoto に写真の正しい向きをうまく伝える能力があるらしい。けれども、私はこの Air のトラックパッドをけなす気持ちは毛頭ない。これは間違いなく使って楽しく、二本指のスクロールはマルチタッチが生まれる前の私の MacBook Pro よりももっと易しくてスムーズに感じられる。ゆくゆくは、ぜひ Apple にこのトラックパッドを MacBook 各機種の標準装備にしてもらいたいと思う。

最後のまとめとして、この MacBook Air というマシンも、このレビュー記事自体も、どちらも万人向けのものではないと言っておこう。もしも私の書いたことがあなたの心の琴線に触れたなら、そしてあなたもきっと似たような方法で MacBook Air を使いこなせると思えたなら、その場合はあなたにとってもこれが理想のマシンかもしれない。でも、もしも新しい Mac を手に入れた私の家庭内のばか騒ぎが軽薄すぎると思われたなら、あるいは、ストレージも小さくてプロセッシングパワーも見劣りし、接続性も劣るようなマシンのために余分のお金を払う気にはならないと思われるなら、その場合は MacBook か、MacBook Pro の方を考慮すべきだ。いずれのマシンも、もっと支出に見合う以上のものが得られるだろうから。言葉を替えて言えば、この MacBook Air は上品に仕立て上げられたスーツのようなものだ。エレガントで、そのフォルムは完璧、ちょっとエキゾチックな趣さえある。けれどもこれは決して、どんなシーズンにもどんな場でも着られるコスト効率の高い洋服ではないのだ。

私の婚約者について言えば、彼女はすっかりこの新しい Mac が気に入っている。とても楽しんで使っていて、前の古い Sony Vaio とちっとも変わったところがないわよと言ってくれた。

もう Windows のせいで頭痛を起こさなくてもいいって、こんなに素晴らしいことだったんだ。

[Angus Wong は長年の Apple ユーザーで、技術ビジネスのプロフェッショナルだ。業界に関する彼の一風変わった文章が読みたければ、どうぞ 彼のブログに立ち寄ってみてほしい。]


TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、17-Mar-08

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちはいつも、すぐにでも紹介したいと思う素晴らしいソフトウェアがたくさんあり過ぎて圧倒される思いをしながら、どの週もすべては紹介できずに時間切れとなってしまっている。そこで、そうしたすばらしいプログラムの数々が気付かれずにやり過ごされたり、もっと詳しい記事に出会えるまで皆さんを待たせたりするのを避けたいという気持ちから、実験的に新しい企画を考えてみた。そういったプログラムの情報を一つの記事に集めて週の半ばも常時アップデートすることにし、一週間に集まったものをまとめて次週の TidBITS 号に出すことにしたのだ。この記事にすべてのプログラムを集めたいという意図はない。そうではなくて、皆さんが一番興味を持たれるだろうと私たちが考えたアプリケーションだけに絞って集めることにしたい。さて、今週紹介するのは以下のようなものだ:


TidBITS Talk/17-Mar-08 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

テキスト読み上げ用の Victoria 音声 -- 最近の記事で紹介された Apple のビデオの音声が Victoria ではないことを、ある読者が正しく指摘する。Mac 用のテキスト読み上げ音声が他にどこから入手できるか、という情報も寄せられる。(メッセージ数 4)

Jobs に代わるべき人を育てている? -- iPhone 開発のロードマップを発表した最近の Apple イベントで、Steve Jobs は他の何人かの Apple 社員と共に壇上に立った。これは、将来どこかの時点で CEO の後釜に座るべき人を探し出そうとする努力の一環なのか?(ちなみに現実問題として、Jobs は本当に良いプレゼンターなのか?)(メッセージ数 11)

Cox.net は iPhone から送信できない -- ある読者の iPhone で、突然電子メールの送信が働かなくなってしまった。これは彼のプロバイダに問題があるのか、それとも何か技術的な問題なのか? (メッセージ数 23)

ワイヤレスで 802.11a 接続をさせる方法 -- AirPort Extreme ベースステーションはワイヤレスネットワーキングの 802.11a タイプもサポートしているが、実際にそれを利用するにはどうやればよいのか? (メッセージ数 2)

Cisco VPN を使ったことのある人は? -- 仮想プライベートネットワーク Cisco の設定で助言を求めている読者がいる。当然ながら、TidBITS Talk コミュニティーにはいろいろ提案を提供できる能力がある。(メッセージ数 7)

iPod Touch を Palm の代わりに -- 少し前までは、Palm オーガナイザの代わりに iPod を使うなど馬鹿げたアイデアに過ぎなかった。でも今では、iPod touch が立派な代役と考えられるのかもしれない。(メッセージ数 8)

私の「フル装備」Mac Pro Intel Tower がオーバーヒート -- どの程度の温度のことを熱過ぎると言うのか? 拡張スロットがすべて使用中の Mac Pro が、最近誤作動をするようになってきた。ある読者が、冷却の対策としてはどんな方法があるのかと質問を寄せる。(メッセージ数 1)

起動ボリュームからディスクの検証ができない -- Mac OS X 10.4 の初期のバージョンでは、Disk Utility が起動ボリュームに対して Verify Disk を実行することができなかった。けれども 10.4.5 とそれ以降のバージョンでは可能になっている。(メッセージ数 4)


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