オランダ語翻訳チームと日本語翻訳チームの詳細については、それぞれ説明のページがあるのでお読みください。どんな形ででもご協力頂ける方をお待ちしています。ご協力へのささやかな感謝として、引き続き Joe Kissell が親切にも翻訳者がすべての Take Control 電子ブックを無料で受け取れるようにしています。
エクスポートされたファイル: もしそのファイルが PDF の様な配布用フォーマットであれば、そのファイルを元々のフォーマットで編集し、エクスポートし、そして以前のバージョンを置き換える必要がある。Dropbox はそのファイルを同期する様に見えるであろうが、実際にはそれは古いファイルを削除し新しいものと置き換えなければならないので、その下にある Dropbox リンク URL は変わる。これは、そのファイルを Finder の中で入れ替えるか、或はアプリの中で Save As やExport from を使うかによらず本当である。
リンクを変えることなくファイルを置き換えるやり方を示そう。ブラウザの中で Dropbox Web サイトを立ち上げ、置き換えたいファイルを含むフォルダに行く、そして対象のファイルをブラウザウィンドウに中にドラッグして置き換える。(当然ながら、ファイル名は同じである必要がある。) こうすると、Dropbox は古いファイルを新しいもので置き換えるが、その下にある Dropbox リンク URL は変えない。
いつもと同じに、tvOS 13.3 アップデートのリリースノートは内容が薄く、「パフォーマンスと安定性が全体的に向上しています」としか書かれていない。今回のアップデートには 9 件のセキュリティ修正が含まれており、大体において他のオペレーティングシステムと同じ内容のものだ。もしも自動アップデートがオンになっていないのならば、Settings > System > Software Updates へ行けば Apple TV HD や Apple TV 4K をアップデートできる。私たちの場合は自動アップデートをオンにして、Apple TV がその気になった時に勝手にアップデートするようにしている。
Apple は 2017 年以降最新版の Mac Pro に対してはぐらかしてきたが、同社は June 2019 にようやく正式にそれを発表し、年末迄には出荷すると約束していた。2019 年も残すところ 21 日で、Apple は的を射た - 新しい Mac Pro と Pro Display XDR は今や注文可能で、年末前に多くの構成が出荷されるという。
これは Apple 側での賢い動きだと言える。と言うのも、年間のハードウェア予算を持つ人達は、年内に注文を完了出来るからである。でも、勘違いしてはいけない、これら新型 Mac Pro や Pro Display XDR は、究極の性能を必要とする本格的なプロだけのためのものだからである。Mac Pro の一番安いものでも $5999 であり、フル装備のものは $53,000 に近い。(これには、間も無く登場する $1500 も高くなるラックマウントバージョンや、現時点では入手可となっていない 8 TB SSD は勘定に入っていない。) Pro Display XDR は $4999 から始まるが、nano-texture ガラスや Pro Stand は含まれておらず、これらを入れるとほぼ $7000 となる。その通り、フル装備の Mac Pro システムはフル装備の Tesla Model 3 と余り変わらない - 我々は、ベンチマークと走行試験場でのテストの結果を待たないとどちらが速いかは言えない。
これらの大金が何処に使われているのか、Apple の新しいプロ向け Mac とモニターを検証してみよう。
2019 Mac Pro
Apple は色々な産業のプロユーザーの声を反映して Mac Pro を再設計した。あの円筒形の "くずかご" デザインは消え去った。新しいマシンはステンレスのフレームを持ち、昔の "チーズおろし" Mac Pro にかなり似ているが、これは着脱しやすいアルミの筐体に作り込まれた大きな冷却通気口によるものである。この筐体を外すと Mac Pro の全ての側面にアクセス出来る。一面にはプロセッサ、グラフィックス、そして拡張スロットがあり、もう一方にはストレージとメモリがある。最後に、オプションでキャスターが用意されており、セット、舞台、或いはスタジオでの Mac Pro の移動を楽にしている - このキャスターは $400 もするので Apple はこれを一から再設計したに違いない。このキャスターを付けると、納期は更に遅れて January 2020 の末になる。
巨大な計算力は沢山の電力を必要とするので、Apple は Mac Pro に 1.4-kilowatt の電源装置を搭載した。これは大量の熱を発生するので、熱冷却には CPU からの熱を運ぶヒートパイプとその熱をアルミのフィンスタックへと分散させる設計が採用されている。3つの羽根車ファンが冷たい空気を CPU と GPU の周りに行き渡らせ、そして反対側にある1つのブロワーがメモリ、ストレージ、そして電源装置の周りから空気を引き出す。
Mac Pro には黒の USB-C to Lightning ケーブル、銀と黒の Magic Mouse 2、そして銀と黒の Numeric Keypad 付きの Magic Keyboard が付いてくる。Magic Mouse 2 を銀と黒の Magic Trackpad 2 に変えることも出来、その場合は $50 だが、両方を必要とする場合は $149 となる。
CPU
基本モデルの Mac Pro には 8-core 3.5 GHz Intel Xeon W プロセッサが付いている。もしそれが結構強力だと思うのであれば、ちょっと待って欲しい。アップグレードの選択肢は Xeon W with 12 ($1000), 16 ($2000), 24 ($6000), 或は 28 ($7000) core と揃っている。基本のクロック速度はコアの数で変わるが、8-core モデル以外は、4.4 GHz 迄の Turbo Boost をサポートしている (8-core モデルは 4.0 GHz 迄しか行かない)。
これ以上どれ程の性能を皆さんは期待出来ますか? Apple によると、28-core 構成のものは、以前の世代の 12-core Mac Pro よりも、Photoshop フィルター、Xcode ビルド、Final Cut Pro トランスコーディング、そして Matlab シミュレーション等の作業に対して 300% から 650% 速いと言う。もし時は金なりという業界にいるのであれば、この 28-core プロセッサはすぐに元を取れるかもしれない。
今日の計算力を要するタスクにおいては - 純粋な数値計算に加えて、3D アニメーション、8K ビデオ合成、そして実物そっくりのゲーム環境の様な - 必要とされる性能の多くは専用の GPU からもたらされる。Mac Pro の GPU を収納するために、Apple は Mac Pro Expansion Module, 別名 MPX Module, を作り出し、そして Mac Pro にはこれら二つを収納出来る空間が用意されている。
AMD Radeon Pro Vega II (1つで $2400, 2つで $5200): 更に上に行って、この選択肢には 64 の演算ユニットと 32 GB の HBM2 メモリが含まれており、4つの Thunderbolt 3 ポートと1つの HDMI 2.0 ポート、そしてシステムルーティング用の DisplayPort 接続が2つ提供され、そして最大で6台の 4K ディスプレイ、3台の 5K ディスプレイ、或は2台の Pro Display XDR をサポートする。また2つの Vega II CPU を Infinity Fabric Link 接続経由でつなぐことも出来る。
AMD Radeon Pro Vega II Duo (1つで $5200, 2つで $10,800): この最上位のオプションは2つの Vega II CPU を1つの MPX Module に詰め込み、外部の Thunderbolt と HDMI ポート以外の仕様は上記オプションの2倍となる。最大で8台の 4K ディスプレイ、4台の 5K ディスプレイ、或は4台の Pro Display XDR をサポートする。
拡張と接続性
MPX Modules は Mac Pro を拡張する唯一の方法ではないが、他にインストール出来る PCI Express カードに影響を与える。何故ならば、MPX bay 1 は1つの full-length, double-wide x16 gen 3 スロットと1つの full-length, double-wide x8 gen 3 スロットを、そして MPX bay 2 は2つの full-length, double-wide x16 gen 3 スロットをサポート出来るからである。
更に $2000 で、Apple は Afterburner PCI Express カードを出している。これは Final Cut Pro X, QuickTime Player X, そして対応するサードパーティアプリで ProRes 及び ProRes RAW コーデックを高速化する。これは別売されない。
この Apple I/O カードは、2つの USB-A コネクターを持つ USB 3 ポート、2つの Thunderbolt 3 ポート、そして2つの 10-gigabit Ethernet ポートを提供する。Mac Pro ケースの上面には (下に示す) 別の Thunderbolt 3 ポートがあり、そしてラックマウントの筐体ではそれらが正面にある。勿論、802.11ac Wi-Fi 及び Bluetooth 5.0 は内蔵されており、1つのスピーカーと 3.5 mm のヘッドフォンジャックも付いている。
ストレージ
ある意味では、ストレージは Mac Pro ユーザーにとってはそれ程重要ではないかもしれない。と言うのも、多くの人は内蔵のストレージの代わりに, 高級なネットワーク接続型ストレージを使うであろうからである。基本レベルのストレージが 256 GB SSD モジュールであることはこれからも説明出来るが、アップグレードの選択肢は次の様に用意されている:1 ($400), 2 ($800), 4 ($1400), 或は 8 TB (間もなく登場) SSD である。そして Apple の T2 セキュリティチップが自動的に全ての内蔵ストレージを暗号化する。
Pro Display XDR
Mac Pro 購入者の全員が Apple の新しい Pro Display XDR モニターに興味を持つわけではないであろう - 高度なソフトウェア開発者や複雑な計算に興味を持つ科学者には価値がありそうに思えない - これは我々一般大衆向けのモニターでもない。しかし、毎日をビデオやグラフィックスで働いて過ごすのであれば、一つ欲しいと思うかもしれない。それに、Mac Pro を Apple のオンラインストアで構成すると、チェックアウトする時に Pro Display XDR を勧めてくる。
Pro Display XDR は 32-inch 6K Retina ディスプレイで、5K ディスプレイよりも40% 近く大きい画面サイズを提供する。それは 218 pixels per inch の 6016-by-3384 ピクセルで走る。4K ビデオで働く人にとって、これはビデオと必要なツールを一つの画面で見られることを意味する。
Apple は画面の前面にあるガラスにも多大な努力を払っている。通常のディスプレイは、真正面から見ない限りその性能は劣ってしまうが、新しい偏光子技術のお陰で、この Pro Display XDR は軸外コントラストが通常の LCD スクリーンよりも最大 25 倍も良い広視野角を提供する。Apple はまた低反射率とマット画面の究極を極めるためにも力を注いだ。そして、更に $1000 余分に払うことで反射率を更に減らした nano-texture ガラスを手にすることも出来る。
この Pro Display XDR を何処に置くかにも一考が必要である。それは大きくそして重い - 横幅 23.8 inches (71.8 cm), 高さ 16.2 inches (41.2 cm), そして奥行き 1.1 (2.7 cm) inches で, そして重さは 16.5 pounds (7.5 kg) である。しかし、デフォルトでは、スタンドは如何なる形のものも含まれていない。選択肢としては、$999 の Apple の Pro Stand か $199 の VESA Mount Adapter があり、後者は Pro Display XDR をデスクや壁に取り付けられた腕に装着させてくれる。
このしっかりした Pro Stand は、重量が 9.5 pounds (4.3 kg) もあり、高さを 12 cm の範囲で調整させてくれ、角度も -5 度 から +25 度の間で変えさせてくれる。Pro Stand を使えば、Pro Display XDR を横位置から縦位置へと好みの応じて変えられる。Pro Display XDR は Pro Stand に磁気コネクタを使って取り付けられる;スタンドをディスプレイにしっかり固定するにはラッチが使われる。VESA Mount Adapter もまた磁気コネクタを使用する;Pro Display XDR をしっかり固定するには Apple 設計のロックキーが使われる。
背面には Mac 接続用の Thunderbolt 3 ポートが1つあり、その他に充電と同期のために3つの USB-C ポートがある。機器の連結をサポートする Thunderbolt 3 ではなく USB-C ポートを使うと言うのは奇妙に感じられるが、現在の iPad Pro モデルも USB-C ポートを持っており、そして iPhone 11 Pro モデルには USB-C to Lightning 充電ケーブルが付いてくる。
Pro Display XDR は Mac Pro との使用に限定されないが、それを駆動するために必要なピクセル数を考えれば、何にでも使えるなどと思わない方が良い。対応可能なものには、2018 15-inch MacBook Pro, 16-inch MacBook Pro, そして 2019 バージョンの 21.5-inch と 27-inch iMac (しかし iMac Pro はダメ) がある。また、それは Blackmagic eGPU とペア付けされた Thunderbolt 3 ポートを持つ如何なる Mac にも使える。
Twelve South は、さまざまの Apple デバイス用にそれぞれのバージョンの BookBook ケースを開発した。そのアイデアは、ケースを閉じるとまるで革表紙の本のように見えて、本棚に他の本と並べて置けば自然に溶け込んで気付かれないだろうと思えるというものだ。こんなもので他の人たちを騙して何の意味があるのかとも思うけれど、とにかくこれは独特な、優雅な見栄えだ。
Twelve South は透明なプラスチック製の窓があるカードスロットにチタン製の Apple Card を入れておくことを推奨する。一つには Apple Card が汚れないようにするため (弾丸は通さないかもしれないが、簡単に汚れてしまう) でもあり、一つにはチタン製の金属部分が iPhone のスクリーンに傷を付けないためでもある。
一つだけ苦情を言いたいことがある。クレジットカードの端の部分が私のポケットの中で常時擦れることで、カードに少々ダメージが及んでラミネート加工された表面のコーティングが剥がれかけているのだ。私のニューヨーク州運転免許証はどうやらラミネート加工のコーティングのない硬質プラスチックのようなので、できるだけ運転免許証を外側に入れてクレジットカードを保護するようにと心掛けている。カードが完全に覆われるようなポケットのデザインの方が望ましいと思うけれども、その場合にはカードを取り出しやすくする工夫が必要となることだろう。また、私は普段自分の Apple Card を持ち歩いたりしないが、Ekster のカードスロットにいつも入れているといずれカードが汚れてしまうのではないかという気もする。
この Ekster iPhone 11 Pro ケースの価格は $49 で、ジュニパー (杜松) グリーン、クラシックブラウン、ナパ革ブラック、メルローレッドの 4 色がある。これは iPhone 11 Pro 用のものしかなく、iPhone 11 用や iPhone 11 Pro Max 用のものが販売されていないことに注意しよう。Ekster からは iPhone X 用や iPhone XS 用の同種のケースも出ている。
購入決断をさらに難しくしているのは、Apple がこれら以外にもワイヤレスのオーディオ製品を Beats by Dre ブランドとして販売していることだ。$249.95 の PowerBeats Pro バッドは、第二世代 AirPods とほぼ同等レベルの製品だ。(2019 年 9 月 17 日の記事“AirPods 対 PowerBeats Pro: 親は同じでも、違う道を歩む”参照。) Beats は最近になって $299.95 の Solo Pro ヘッドフォンもリリースしたが、こちらはアクティブオーディオキャンセリング機能と外部音取り込みモードを備えている。
結果として、Mac や iOS デバイスと共に使う Apple のオーディオ機器を購入する際には、あらかじめよく考えてからにしなければならない。先に結論を言ってしまえば、たいていの人にとって AirPods Pro が最良の選択肢であろうと思えるけれども、十分に違いを知った上での選択をすることが重要だ。では、具体的な検討を始めよう。
物理的デザイン
AirPods Pro は、サイズや形が多少違うものの、紛れもなく AirPods だ。輝くような白いハードプラスチックが、魅力的にカーブした外形を成している。
全体的なデザインが以前より角ばっていて、球状の部分が少し大きくなり、柄の部分が短くて目立ちにくくなった。Apple は世界中で何千人もの耳を 3D スキャンして「快適さと安定性のために理想的な形を提供するにはバッドがどこで耳に触れるべきでどこに触れるべきでないか」を確かめたという。少なくとも私の場合、Apple のデザイナーたちはまさに良い仕事をしたと思う。
おそらくもっと注目すべきは、多くのサードパーティ製イヤーバッドで使われているものに似た交換可能なシリコン製イヤーチップが AirPods Pro に追加され、よりしっかりとフィットして、外部のサウンドを遮断できるようになっている点だろう。Apple は異なるサイズの 3 組のイヤーチップを付属させており、交換用のイヤーチップのキットを $4 で購入することもできる。
これらのイヤーチップは周囲の音を遮断するために大きな働きをするが、そのためにはぴったり合うものを選ばなければならない。Apple はその選択の助けとなるために Ear Tip Fit Test という機能を提供する。AirPods を耳に装着した状態で、iPhone があなたに音楽の一節を聞くように促す。このテストはイヤーバッドに内向きに取り付けられているマイクロフォンを使って、イヤーバッドを調節しなさいとか、別のサイズのイヤーバッドを試しなさいとかいう提案を出す。便利なテストだとは思うが、必ずしも常に正確ではない。私の左耳には理想的にフィットしていると思うのだが、このソフトウェアは何度やってもフィットしていないと言い張った。
シリコン製のイヤーチップを AirPods Pro に取り付けるやり方は独特だ。業界標準のやり方はイヤーチップの小さな穴をごく小さな棒状の突起に押し込むというものだが、Apple は独自に円形のドッキング機構をデザインした。
Apple によれば、このイヤーチップのシステムの方がコンパクトで使いやすく、うっかり取れてしまう可能性も低いという。けれどもこのことは、サードパーティ製のイヤーチップを使ってきた人たちをがっかりさせるに違いない。例えば Comply のような、発泡体あるいはその他の材料で作られたイヤーチップだ。それらの会社は今のところ AirPods Pro 互換なイヤーチップを販売することを認められていないし、Apple は将来それが可能になるか否かについて何も発表していない。それはそれとして、第一世代や第二世代の AirPods に発泡体のイヤーチップを装着するために Comply が明かした巧みな回避策は、実際そのまま AirPods Pro にも適用できるような気もする。(ただし使えたとしても、AirPods Pro をケースに入れる際には取り外す必要があるようだが。)
AirPods Pro にはまた、耳の中と外気の圧力を連続的に均一に保つための通気システムが備わり、きつく密閉された他のデバイスが引き起こす不快感 (Comply がイヤーバッド疲労と呼ぶもの) を最小限にするようになっている。
アクティブノイズキャンセリング
このイヤーチップが外耳道を密閉するのは基本的にパッシブ (受動的) なノイズキャンセリングで、ある程度まではうまく働く。けれども AirPods Por にはアクティブなキャンセリング機能もある。高級なヘッドフォンでは昔から、また最近になってイヤーバッドでも提供されるようになった機能だ。このテクノロジーは「音場キャンセル」とも呼ばれ、入ってくる音波にそれと対照的な音波を重ねて、無音状態あるいはそれに近い状態を作り出そうとするものだ。
AirPods Pro の場合、内向きのマイクロフォンが外向きのマイクロフォンと協力して働き、その効果に調整を加える。外部のノイズには「アンチノイズ」が重ねられる。同じことが外耳道の内側の不要なオーディオに対しても起こる。
それでは逆効果に思えるかもしれないが、安全のためやその他の理由で周囲の音も聞こえるようにしていたいアスリートやその他の人たちには大きな意味がある。私の場合、外部音取り込みモードのお陰で家事をしながらポッドキャストを聴くことができ、妻の指示する声が聞こえずに彼女を苛立たせることなく済んでいる。また、自転車に乗りながら Google Maps のナビゲーションの声を聞いていても接近して来る自動車の音を聞き逃さずに済む。
Apple は AirPods Pro でこの効果を実現するために、アクティブノイズキャンセリングと同様のやり方を用いた。つまり、内側の不要なオーディオのみをキャンセルし、外部の音はよりくっきりとさせるのだ。
Apple によれば「すべての音が自然に聞こえ、実際に話し声も面と向かって話しているときと全く同じで自然に聞こえる」とのことだ。
そうやっていちいち握る動作をする代わりに、単に声で Siri に命じて、例えばノイズキャンセリングをオンにしたりオフにしたりすることは簡単にできる。
iPhone を使った操作
Apple は iPhone を使って AirPods Pro をコントロールする方法をいくつか提供している。最も分かりやすい方法として、Settings > Bluetooth へ行き、AirPods Pro の横に表示されている情報ボタンを押し、そこで表示されるコントロールを使ってアクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードをオンにしたり、両方をオフにしたりできる。
また、この Bluetooth 情報画面で、握って押さえ続けた際のアクションを左右それぞれのイヤーバッドごとに設定したり、Ear Tip Fit Test を開始したり、個々のイヤーバッドでマイクロフォンの有効/無効を指定したり、イヤーバッドを改名したり、その他のことができる。
もっと素早く AirPods Pro の設定をしたければ Control Center を使う。音量スライダーを押してそのまま押さえ続ければ、ノイズキャンセリング・外部音取り込みモード・オフのうちから選んだり、また音量を調整したりもできる。
Apple Watch を使った操作
Apple Watch では、Now Playing 画面の上で少しばかり AirPods Pro のコントロールができる。AirPlay ボタンをタップすれば、Noise Cancellation と Transparency と Off のいずれかの設定から選べる。
Mac を使った操作
Mac のメニューバー項目 Volume から AirPods Pro を右クリックすれば、ここでも Noise Cancellation と Transparency と Off のいずれかの設定から選べる。
AirPods Pro のその他の機能
シリコン製のイヤーチップ、アクティブノイズキャンセリング、外部音取り込みモードといったところが看板機能だが、AirPods Pro にはそれ以外にもいくつか注目すべきものがある:
耐水耐風性能: AirPods Pro には汗や時折の水しぶきに耐える IPX4 等級の耐汗耐水性能がある。水上や水中でのスポーツには適していないが、それ以外のアスリートには十分使える。それに加えて、メッシュで覆われた外部マイクロフォンポートにより強い風の中でも通話がクリアに聞こえる。
バッテリー寿命: Apple は 1 回の充電で 5 時間聴くことができると主張しており、これは第二世代 AirPods と同じだ。また、ノイズキャンセリングや外部音取り込みモードを使っていれば最大 4.5 時間だという。従来の AirPods と同様に付属の再充電ケースにはバッテリーが内蔵されており、これで再生時間が 24 時間に伸びる。イヤーバッドをケースに入れて 5 分間の充電で、1 時間の再生時間に相当する。ケース自体は Qi 互換なワイヤレス充電パッドまたは Lightning to USB-C ケーブル (付属品) または Lightning to USB-A ケーブルを使って再充電できる。AirPods Pro のケースはイヤーバッドの形が変わったために AirPods ケースよりも少し幅が広いが、それでも十分楽にポケットに入る。
その他の機能: 従来世代の AirPods と (場合によっては Beats のオーディオ機器とも) 共通する AirPods Pro の機能として、2 対のイヤーバッドで同じ iOS デバイスから聴けるオーディオ共有機能、音声で Siri を呼び出してメッセージを朗読させる機能、AirPods が耳に装着されているかどうか、通話でいつ「デュアルビームフォーミングマイクロフォン」を使うかを識別するセンサーがある。
AirPods Pro の代替製品
Apple は幅広い種類の個人用オーディオ機器を販売して、さまざまの好みや、ライフスタイルや、予算に応じたものを選べるようにしている。
Beats by Dre の Solo Pro
最近リリースされた Solo Pro はフルサイズのヘッドフォンで、ちっぽけなイヤーバッドではないが、それ以外の点では AirPods Pro に似ている。
マイナーな違いがあるが、これもノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを備えている。左側にある物理的なボタンを押すことでオーディオモードを順々に切り替えるが、オフにするのは iPhone の Bluetooth 設定を使うか Control Center を使うか、または Mac の音量設定を通じてするしかなく、Apple Watch でコントロールすることはできない。
ハードウェアについて言えば、理由は何であれフルサイズのオーディオヘッドギアしか好きでないという人には Solo Pro が向いているだろう。私の場合、ヘッドフォンを着けている方が安心していられる。どこかに置き忘れる危険がはるかに少ないからだ。ごく小さな AirPods のあり場所を常に意識していなければならないのはストレスの種だ。
注意すべきは、Solo Pro ヘッドフォンが耳全体を覆う「缶」タイプのものではなく、単に耳の上に載せて使うタイプのものだという点だ。私は当初耳にかかる圧力が気になったが、そのうちに慣れてしまった。
この Solo Pro ヘッドフォンの音質は素晴らしく、外部音取り込みモードとノイズキャンセリングをオフにしていれば一度の充電で何と 40 時間も使える。
AirPods と違って、Solo Pro ヘッドフォンは 6 色から選べる。ホワイト、グレイ、ブラック、ライトブルー、ダークブルー、レッドの 6 色だ。ただ、価格が $299.95 と高い。
PowerBeats Pro
私が以前の記事でこのアクティブなライフスタイル向けのイヤーバッドをレビューした当時はまだ AirPods Pro も Solo Pro も登場していなかった。両方とも出た今は、この PowerBeats Pro に問題点が目立つ。何よりもノイズイズキャンセリングや外部音取り込みモードがない。それでいて価格は $249.95 で、ほぼ AirPods Pro と同じだ。
ただ、PowerBeats Pro の良いところもある。まず、AirPods Pro よりも音質が良い。私は特に低音が増しているところが好きだ。それに、耳の上側に掛けるイヤーフックが、より良くイヤーバッドを正しい位置に保ってくれる。シリコン製のイヤーチップの付いた AirPods Pro でさえ、落ちて失うのが怖くて私は激しいスポーツで使う気になれない。
この PowerBeats Pro は 1 回の充電で 9 時間の連続再生ができる。AirPods Pro の倍近くだが、Solo Pro ヘッドフォンには遠く及ばない。
PowerBeats には Apple の独自仕様システムでなく業界標準のイヤーチップのドック方法が使われているので、幅広い種類のものが入手できるサードパーティのイヤーチップが使えて、それでうまくパッシブな遮音ができればアクティブノイズキャンセリングが場合によっては不必要になるだろう。
けれどももう少し辛抱強く待てば、きっとそう遠くない将来にノイズイズキャンセリングと外部音取り込みモードを備えたバージョンの PowerBeats Pro が出るのではないだろうか。
AirPods (第二世代)
Apple が引き続き第二世代の AirPods を販売しているという事実は、AirPods Pro の高過ぎる価格が多くの消費者を尻込みさせることを暗黙のうちに承認したと解釈できるように思える。だからと言ってこちらの AirPods もそれほど安価な訳でもないが。
予算が限られているという人は、ワイヤードの充電ケースが付いた方のセットを買えば価格が $159 で、AirPods Pro よりも $100 近く安い。どうしてもワイヤレスの充電ケースが欲しいとなると価格が $199 に跳ね上がり、比較すれば AirPods Pro の魅力がぐっと増すだろう。
たいていの人にとって最良の選択は?
予算など気にしなくてよい人には、AirPods Pro が魅力的だ。
この記事で説明した製品のうちで、装着して一番快適なのは AirPods Pro だ。PowerBeats Pro よりも第二世代 AirPods よりも先進的なオーディオ機能を持ち、Solo Pro ヘッドフォンほどかさばらない。AirPods Pro は音質の面で PowerBeats Pro に劣るかもしれないが、その差はそれほど大きくない。
Bose、Sony、Plantronics、その他定評ある各メーカーからノイズイズキャンセリング機能付きのイヤーバッドが出ていて活発な市場を形成しており、新たに参入するメーカーも次々と登場しつつある。その種のイヤーバッドは全般的に AirPods Pro よりも安価なことが多い。例えば、Amazon から新登場したノイズイズキャンセリング付きの Echo Buds は価格がたったの $129 で Siri 対応を備えており、Comply 製のカスタム発泡体イヤーチップもある。
しかしながら、Apple 製でないイヤーバッドを買う際には注意が必要だ。アクティブノイズイズキャンセリング機能を備えていないものが多いからだ。盛大に宣伝されている新製品、例えば Google の Pixel Buds、Microsoft の Surface Earbuds,、Samsung の Galaxy Buds などもこれに該当する。それに、サードパーティのイヤーバッドはあまり緊密に Apple デバイスと統合されておらず、その点が Apple 独自仕様の H1 チップと iCloud エコシステムを活用して異なるデバイスから簡単操作でイヤーバッドを切り替えられる AirPods Pro とは大きく違っている。
Apple が Final Cut Pro X 10.4.8、Compressor 4.4.6、Motion 5.4.5 をリリースした。Final Cut Pro と Motion はいずれも、アクセシビリティ設定 Reduce Transparency を有効にした Nvidia グラフィックカードを搭載したシステムで視覚的なアーチファクトが表示される場合があった問題に対処するバグ修正を受けた。
Flexibits が連絡先マネージャ Cardhop のバージョン 1.3.3 をリリースした。連絡先の写真をクリックした際の Copy Picture オプションを追加した、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートではまた、誕生日の代替フィールドの編集を改善し、封筒に印刷する際に起こることがあったクラッシュを修正し、あなたの団体が Google Admin API アクセスを無効に設定している場合にあなたの G Suite アカウントで認証するよう求めるようになった。(Flexibits からも Mac App Store からも新規購入 $19.99、無料アップデート、12.4 MB、リリースノート、macOS 10.11+)
The Pixelmator Team が画像編集アプリ Pixelmator Pro のバージョン 1.5.3 をリリースして、自動保存のパフォーマンスを大幅に改善した。今回のアップデートではまた、Clone ツールに Show Source Marker オプションを追加して (時には邪魔になることがある) ソースマーカーを表示したり隠したりできるようにし、Force Touch トラックパッドを使ってテキストカラーの変更を取り消す際のバグを修正し、Export for Web を使う際に 2x や 3x の倍率で画像を正しく書き出せるようにし、AMD Navi GPU を備えた Mac で画像が正しくレンダリングされるようにし、レイヤーマスクに特定のエフェクトを適用すると起こったハングを予防している。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、179 MB、リリースノート、macOS 10.13+)