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#1494: Apple の OS アップデート、AirPods Pro、MacPro と Pro Display XDR、Dropbox 共有のヒント、iPhone 11 Pro 用ウォレットケース、TidBITS ホリデー休暇

約束していた通り、先週 Apple は新型 Mac Pro と Pro Display XDR をリリースして、驚異的なスペックと目から涙が出るような値札とを明らかにした。詳しく情報をお伝えする。一方、無料で入手できる Apple 製品の側では、最新のオペレーティングシステムアップデートでの新機能に注目したい。macOS 10.15.2 Catalina、iOS 13.3、iPadOS 13.3、watchOS 6.1.1、tvOS 13.3、それに HomePod 用 iOS 13.3 もある。この号が 2019 年最後の電子メール号となるので、最後の駆け込みでホリデーショッピングをする人たちのために製品のレビュー記事を2つお届けする。Julio Ojeda-Zapata が AirPods Pro を検討し、Adam Engst が2つの iPhone 11 Pro 用ウォレット型ケースをレビューする。それから、いつも Dropbox ファイルを共有している人たちのために、リンク URL を変えずに共有ファイルを入れ替える方法のヒントをお伝えする。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、Safari 13.0.4、TechTool Pro 12、セキュリティアップデート 2019-002 (Mojave) と 2019-007 (High Sierra)、iMovie 10.1.14、Final Cut Pro X 10.4.8, Compressor 4.4.6, Motion 5.4.5、Cardhop 1.3.3、PopChar X 8.8、KeyCue 9.6、Pixelmator Pro 1.5.3、それに Scrivener 3.1.5 だ。それでは皆さん、また 2020 年にお目にかかりましょう!

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

TidBITS 2019 ホリデー休暇 - また 2020 年にお会いしましょう!

これが 2019 年最後の TidBITS 電子メール号となる。これから数日間は私たちもいつも通り業界の出来事に注意を払いつつ、皆さんの注目に値すると思われることがらを記事にしてゆくが、その後はゆるゆると元日まで、ホリデーのお休みを頂きたい。どうか皆さんも私たちと同じように、この時期に一緒に過ごして楽しい人たちと共に皆さん思い思いのやり方で時を過ごされますようにと、心から願っている。次号の電子メール版 TidBITS は 2020 年 1 月 6 日発行の予定だ。

Adam, Tristan, and Tonya Engst
少々昔の写真だが、ここに相応しいだろう。

Tonya と私はこの休暇中に Santa Fe にいる家族を訪問するつもりだし、また息子 Tristan とももっと一緒の時間を過ごしたいと思っている。Tristan は Cornell 大学の3年生で、Computer Science 専攻で機械学習を研究している。嬉しいことに、彼は今でも私たちの執筆や、編集や、ビジネスや、IT に関する知識について興味を持っていてくれる。対する私たちは彼が勉強している内容についてほんの概観的なことしか理解していないのだが。

年末のこの時期は、私たちがどんなことをしていて、それはなぜなのか、少し時間を取って考え直してみるべき時だ。そこで読者アンケートの結果が大いに光を与えてくれるが、私たちが今していることを続けよう、大きな変化は要らない、というのが私たちの結論だ。私たちが長年開発を続けてきたアプローチが、読者の皆さんに支持していただけたと思っている。だから、2020 年には変化のための変化を考えるのはやめておこう。

それからまた、私たち TidBITS の活動を可能として下さっている多くの人々への、感謝の思いを新たにする時でもある:

ありがとう、皆さん、そして、お一人お一人の願いがすべて叶いますように。また 2020 年にお目にかかりましょう!

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

オランダ語および日本語の新たな翻訳者を募集中!

ご存じない方も多いでしょうが、TidBITS は毎週オランダ語日本語に翻訳されています。ボランティアの翻訳者たちによる結束力の強いそれぞれのグループが、何年にもわたって一緒に働いてくれているのです。けれどもどんなボランティアの活動でも言えるように、時々は新しい活力が必要となります。オランダ語チームと日本語チームそれぞれのまとめ役が、新メンバーの募集の言葉を広めてほしいと私に依頼してきました。

そこで、もしもあなたが英語と、オランダ語または日本語のどちらかとに堪能なら(三つ全部は必要ありません - それができる人はすごいと思うけれど!)どうか私たちを助けてください。オランダ語翻訳チームも日本語翻訳チームも、どちらも少々人手不足に陥っていて、あと何人かずつの力が加わればさらに活動を展開することができます。基本的に、翻訳チームのメンバーは他のメンバーたちと協力して働いて、TidBITS の記事を英語からオランダ語または日本語に翻訳し、それぞれの言語で TidBITS を読んでおられる 2000 人近くの人たちのお役に立とうとするのです。

オランダ語翻訳チーム日本語翻訳チームの詳細については、それぞれ説明のページがあるのでお読みください。どんな形ででもご協力頂ける方をお待ちしています。ご協力へのささやかな感謝として、引き続き Joe Kissell が親切にも翻訳者がすべての Take Control 電子ブックを無料で受け取れるようにしています。

Dutch and Japanese flags with TidBITS

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

TipBITS: 共有 Dropbox ファイルをリンクを変えることなしに置換する

筋書きは簡単である:Dropbox にあるファイルを共有しており、そのリンクを結構沢山の人に送ってある。さて、そのファイルを新しいバージョンのものと入れ替える必要があるが、共同作業者側で要らぬ混乱を招かないためにも、その Dropbox リンク URL はそのまま変わらないことを確実にしたい。二つの筋書きが考えられる:

リンクを変えることなくファイルを置き換えるやり方を示そう。ブラウザの中で Dropbox Web サイトを立ち上げ、置き換えたいファイルを含むフォルダに行く、そして対象のファイルをブラウザウィンドウに中にドラッグして置き換える。(当然ながら、ファイル名は同じである必要がある。) こうすると、Dropbox は古いファイルを新しいもので置き換えるが、その下にある Dropbox リンク URL は変えない。

Uploading to the Dropbox Web site

疑念を持つ人のために言っておくと、新しい Dropbox デスクトップアプリのフォルダに行き、新しいアプリのウィンドウに新しいファイルをドラッグすると、エラーメッセージとなる。

Dropbox desktop app error

(なに、Dropbox が今やファイルブラウザの様なインターフェースを持つ独自の Mac アプリを持っていることなど知らなかったって? それは Applications フォルダからも、或は Dropbox のメニューバーアプリの中のフォルダアイコンをクリックしても開ける。もし Applications フォルダの中にそのアプリを見つけられないのであれば、あなたのバージョンの Dropbox はアップデートされていないと考えられる - 私のものはバージョン 87.3.127 が最新だと言っている。いずれにしろ、私の Dropbox ワークフローの中でこのデスクトップアプリに対する利用法はまだ見つけていない。)

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple、iOS 13.3、iPadOS 13.3、HomePod 用 iOS 13.3、macOS 10.15.2 Catalina、watchOS 6.1.1、tvOS 13.3 をリリース

想像するに、Apple のエンジニアたちもホリデーに備えていろいろ片付けているところなのだろうか、Apple は出荷されている同社のオペレーティングシステムをすべて一度にアップデートした。さあしっかり聞いて欲しい。お伝えすることがたくさんあるから。

iOS 13.3 と iPadOS 13.3

iOS 13.3 アップデート (iPhone 11 Pro では 659.8 MB) と iPadOS 13.3 アップデート (10.5 インチ iPad Pro では 609.6 MB) は基本的に同じものだ。最も注目すべきは新しいペアレンタルコントロールの追加機能で、子供たちが通話、FaceTime、Messages できる相手や、子供たちの連絡先リストに誰が表示されるかを、保護者が管理できるようにする。残念ながら、これらの新しいペアレンタルコントロールは Facebook Messenger、SnapChat、Skype などサードパーティのアプリには適用できない。

iOS 13.3 release notes

iOS 13.3 と iPadOS 13.3 には、Apple News の改善点もある。[訳者注: これは日本では適用されません。]Wall Street Journal やその他の新聞から届いた Apple News+ 記事に新しいレイアウトが採用された。また、タップ一つで記事に like や dislike が付けられるようになったが、これは iOS 12 から iOS 13 への移行に際してそれ以前よりも困難になっていたことだ。

Stocks (株価) アプリにも細かな拡張がいくつか施された。最も注目すべきは Apple News との統合だ。同じ出版物の関連する記事へのリンクを付けたまま読み続けることができる。また、Top Stories に Breaking と Developing のラベルが加わった。カナダでは News 記事が英語とフランス語の両方で読める。

これらの比較的マイナーな新機能を別にすれば、iOS 13.3 と iPadOS 13.3 はさまざまのバグ、とりわけ Mail におけるバグを数多く解消している。具体的には:

このアップデートではその他に:

iOS 13.3 と iPadOS 13.3 には公開されたセキュリティ修正が 12 件含まれている。インストールするには Settings > General > Software Update から、または macOS 10.15 Catalina では Finder から、あるいはそれ以前のバージョンの macOS では iTunes を使ってもできる。

これまでと同様、もしもあなたが既に iOS 13 にアップグレード済みならば、早いうちにこれらのアップデートをインストールすることをお勧めする。バグ修正やセキュリティ修正は重要なので、あまり長く待たない方が良い。他方、まだ iOS 12 を使い続けている人は、Apple が 13.3 で新たなバグを導入してしまっていないか確認するまでもうしばらく待つ方が良いと思われるが、しばらく待ってからアップグレードするならば、おそらく安全だろう。

HomePod 用 iOS 13.3

Apple によれば、184.1 MB の HomePod 用 iOS 13.3 アップデートはいくつかの厄介なバグを解消しているという。具体的には:

iOS 13.3 release notes for the HomePod

HomePod を手動でアップデートするには (近いうちに自動的にアップデートするはずだが)、Home アプリを開き、HomePod のタイルにタッチしてそのまま押さえ続け、歯車アイコンをタップして HomePod 設定を開き、それから Install をタップする。

macOS 10.15.2 Catalina

3.02 GB の macOS 10.15.2 アップデートには、iOS 13 と同じ News と Stocks への改善が含まれている。それ以外で興味深いのは、ユーザーから多く寄せられたリクエストに応えて 2 つのものを復活させていることだ。Music アプリでカラムブラウザ表示が復活し、iTunes Remote アプリを使って Catalina の Music アプリと TV アプリをコントロールできる互換性が復活した。

macOS 10.15.2 release notes

iOS 13.3 および iPadOS 13.3 アップデートと同様、macOS 10.15.2 にも多数のバグ修正が含まれている。

Music

Photos

Mail

その他

企業向け

macOS 10.15.2 アップデートには公開されたセキュリティ修正が 13 件含まれている。アップデートは System Preferences > Software Update からインストールできる。

今まで Catalina にアップグレードせずに待っていた人も、そろそろインストールすべきだろうか? いや、その答ははっきりとノーだ。10.15.2 が浸透するまでもう少し時間をかけて、これにゴールデンタイムの扱いをしてよいかどうかを Mac コミュニティーが秤にかけるまで待とう。とりわけ、これまで多く報告されてきた Mail の問題点がどうなったのかについて、私たちは最も関心を持っている。10.15.1 も 10.15.2 も、リリースノートの中でその問題について一切触れていないからだ。(2019 年 10 月 11 日の記事“Catalina でのメールデータ消失に注意”参照。)

watchOS 6.1.1

watchOS 6.1.1 アップデートは「重要なセキュリティアップデートを含んでおり、すべてのユーザーに推奨される」という。9 件のセキュリティアップデートが含まれている。Apple Watch Series 4 では 174 MB のこのアップデートは、iPhone の Watch アプリからインストールする。Watch > General > Software Update へ行けばよい。

watchOS 6.1.1 release notes

Apple はまた、iOS 12 の走る iPhone とペアリングした Apple Watch 用に、FaceTime におけるセキュリティ修正を施した watchOS 5.3.4 もリリースした。こちらも上記と同じ方法でインストールする。

これらの watchOS アップデートを避けるべき理由は何もないが、無理に急いでインストールするほどのことでもない。Apple Watch を充電する際にでも、一晩かけてするのがよいだろう。

tvOS 13.3

いつもと同じに、tvOS 13.3 アップデートのリリースノートは内容が薄く、「パフォーマンスと安定性が全体的に向上しています」としか書かれていない。今回のアップデートには 9 件のセキュリティ修正が含まれており、大体において他のオペレーティングシステムと同じ内容のものだ。もしも自動アップデートがオンになっていないのならば、Settings > System > Software Updates へ行けば Apple TV HD や Apple TV 4K をアップデートできる。私たちの場合は自動アップデートをオンにして、Apple TV がその気になった時に勝手にアップデートするようにしている。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

2019 Mac Pro と Pro Display XDR:大枚を要する超高性能機

Apple は 2017 年以降最新版の Mac Pro に対してはぐらかしてきたが、同社は June 2019 にようやく正式にそれを発表し、年末迄には出荷すると約束していた。2019 年も残すところ 21 日で、Apple は的を射た - 新しい Mac Pro と Pro Display XDR は今や注文可能で、年末前に多くの構成が出荷されるという。

Mac Pro and Pro Display XDR

これは Apple 側での賢い動きだと言える。と言うのも、年間のハードウェア予算を持つ人達は、年内に注文を完了出来るからである。でも、勘違いしてはいけない、これら新型 Mac Pro や Pro Display XDR は、究極の性能を必要とする本格的なプロだけのためのものだからである。Mac Pro の一番安いものでも $5999 であり、フル装備のものは $53,000 に近い。(これには、間も無く登場する $1500 も高くなるラックマウントバージョンや、現時点では入手可となっていない 8 TB SSD は勘定に入っていない。) Pro Display XDR は $4999 から始まるが、nano-texture ガラスや Pro Stand は含まれておらず、これらを入れるとほぼ $7000 となる。その通り、フル装備の Mac Pro システムはフル装備の Tesla Model 3 と余り変わらない - 我々は、ベンチマークと走行試験場でのテストの結果を待たないとどちらが速いかは言えない。

Apple Store bag showing fully configured Mac Pro system

これらの大金が何処に使われているのか、Apple の新しいプロ向け Mac とモニターを検証してみよう。

2019 Mac Pro

Apple は色々な産業のプロユーザーの声を反映して Mac Pro を再設計した。あの円筒形の "くずかご" デザインは消え去った。新しいマシンはステンレスのフレームを持ち、昔の "チーズおろし" Mac Pro にかなり似ているが、これは着脱しやすいアルミの筐体に作り込まれた大きな冷却通気口によるものである。この筐体を外すと Mac Pro の全ての側面にアクセス出来る。一面にはプロセッサ、グラフィックス、そして拡張スロットがあり、もう一方にはストレージとメモリがある。最後に、オプションでキャスターが用意されており、セット、舞台、或いはスタジオでの Mac Pro の移動を楽にしている - このキャスターは $400 もするので Apple はこれを一から再設計したに違いない。このキャスターを付けると、納期は更に遅れて January 2020 の末になる。

Mac Pro front and side, case open

巨大な計算力は沢山の電力を必要とするので、Apple は Mac Pro に 1.4-kilowatt の電源装置を搭載した。これは大量の熱を発生するので、熱冷却には CPU からの熱を運ぶヒートパイプとその熱をアルミのフィンスタックへと分散させる設計が採用されている。3つの羽根車ファンが冷たい空気を CPU と GPU の周りに行き渡らせ、そして反対側にある1つのブロワーがメモリ、ストレージ、そして電源装置の周りから空気を引き出す。

Mac Pro には黒の USB-C to Lightning ケーブル、銀と黒の Magic Mouse 2、そして銀と黒の Numeric Keypad 付きの Magic Keyboard が付いてくる。Magic Mouse 2 を銀と黒の Magic Trackpad 2 に変えることも出来、その場合は $50 だが、両方を必要とする場合は $149 となる。

CPU

基本モデルの Mac Pro には 8-core 3.5 GHz Intel Xeon W プロセッサが付いている。もしそれが結構強力だと思うのであれば、ちょっと待って欲しい。アップグレードの選択肢は Xeon W with 12 ($1000), 16 ($2000), 24 ($6000), 或は 28 ($7000) core と揃っている。基本のクロック速度はコアの数で変わるが、8-core モデル以外は、4.4 GHz 迄の Turbo Boost をサポートしている (8-core モデルは 4.0 GHz 迄しか行かない)。

これ以上どれ程の性能を皆さんは期待出来ますか? Apple によると、28-core 構成のものは、以前の世代の 12-core Mac Pro よりも、Photoshop フィルター、Xcode ビルド、Final Cut Pro トランスコーディング、そして Matlab シミュレーション等の作業に対して 300% から 650% 速いと言う。もし時は金なりという業界にいるのであれば、この 28-core プロセッサはすぐに元を取れるかもしれない。

RAM

基本モデルの Mac Pro には 32 GB の RAM しか付いていないが、これ程のマシンを買う人がこれをそのままにしておくと言うのは考え難いことである。Mac Pro にはユーザーに解放された 12 の DIMM スロットがあり、Apple は 48 GB ($300), 96 GB ($1000), 192 GB ($3000), 384 GB ($6000), 768 GB ($14,000), 或は気の遠くなる 1.5 TB ($25,000) へとアップグレードさせてくれる。

注意点二つ。一つは、24- 及び 28-core 構成だけが 1.5 TB の RAM をサポートする。二つ目は、8-core モデルはメモリを 2666 MHz で動作させるが、残りのモデルはメモリをより高性能の 2933 MHz で 動作させる。

サードパーティの RAM の方が安そうに思えるが、1.5 TB の ECC RAM は何処で買っても安くはない。2933 MHz.で動作する DDR4 ECC メモリを検討しては。

GPU

今日の計算力を要するタスクにおいては - 純粋な数値計算に加えて、3D アニメーション、8K ビデオ合成、そして実物そっくりのゲーム環境の様な - 必要とされる性能の多くは専用の GPU からもたらされる。Mac Pro の GPU を収納するために、Apple は Mac Pro Expansion Module, 別名 MPX Module, を作り出し、そして Mac Pro にはこれら二つを収納出来る空間が用意されている。

Mac Pro MPX Modules

一つの MPX Module は4つある AMD Radeon GPU の一つを搭載できる:

拡張と接続性

MPX Modules は Mac Pro を拡張する唯一の方法ではないが、他にインストール出来る PCI Express カードに影響を与える。何故ならば、MPX bay 1 は1つの full-length, double-wide x16 gen 3 スロットと1つの full-length, double-wide x8 gen 3 スロットを、そして MPX bay 2 は2つの full-length, double-wide x16 gen 3 スロットをサポート出来るからである。

4つの double-wide スロットに1対の MPX Modules をインストールした後でも、3つの single-wide スロットと1つの Apple I/O カードで事前構成された half-length スロットが使える。Mac Pro guts showing the PCI Express expansion slots

更に $2000 で、Apple は Afterburner PCI Express カードを出している。これは Final Cut Pro X, QuickTime Player X, そして対応するサードパーティアプリで ProRes 及び ProRes RAW コーデックを高速化する。これは別売されない。

この Apple I/O カードは、2つの USB-A コネクターを持つ USB 3 ポート、2つの Thunderbolt 3 ポート、そして2つの 10-gigabit Ethernet ポートを提供する。Mac Pro ケースの上面には (下に示す) 別の Thunderbolt 3 ポートがあり、そしてラックマウントの筐体ではそれらが正面にある。勿論、802.11ac Wi-Fi 及び Bluetooth 5.0 は内蔵されており、1つのスピーカーと 3.5 mm のヘッドフォンジャックも付いている。

Mac Pro top view

ストレージ

ある意味では、ストレージは Mac Pro ユーザーにとってはそれ程重要ではないかもしれない。と言うのも、多くの人は内蔵のストレージの代わりに, 高級なネットワーク接続型ストレージを使うであろうからである。基本レベルのストレージが 256 GB SSD モジュールであることはこれからも説明出来るが、アップグレードの選択肢は次の様に用意されている:1 ($400), 2 ($800), 4 ($1400), 或は 8 TB (間もなく登場) SSD である。そして Apple の T2 セキュリティチップが自動的に全ての内蔵ストレージを暗号化する。

Pro Display XDR

Mac Pro 購入者の全員が Apple の新しい Pro Display XDR モニターに興味を持つわけではないであろう - 高度なソフトウェア開発者や複雑な計算に興味を持つ科学者には価値がありそうに思えない - これは我々一般大衆向けのモニターでもない。しかし、毎日をビデオやグラフィックスで働いて過ごすのであれば、一つ欲しいと思うかもしれない。それに、Mac Pro を Apple のオンラインストアで構成すると、チェックアウトする時に Pro Display XDR を勧めてくる。

Pro Display XDR side and back

Pro Display XDR は 32-inch 6K Retina ディスプレイで、5K ディスプレイよりも40% 近く大きい画面サイズを提供する。それは 218 pixels per inch の 6016-by-3384 ピクセルで走る。4K ビデオで働く人にとって、これはビデオと必要なツールを一つの画面で見られることを意味する。

Pro Display XDR screen showing different resolutions

それは皆さんがこれ迄に見た最も見栄えの良いディスプレイになりそうである。それは持続輝度 1000 ニト、ピーク時の輝度 1600 ニトを提供する - 一般的なデスクトップモニターの輝度は 350 ニトに過ぎない。その結果、コントラスト比は 1,000,000:1 に達する。それはまた、P3 の広色域と真の 10-bit カラーをサポートし、10 億を超す色を正確に生成することが可能となる。

とりわけ、ビデオ専門家にとって、Pro Display XDR は出力に一致させてくれるリファレンスモードも提供する - 色空間、白色点、ガンマ、そして輝度 - HDR, HD, SD ビデオ、そしてデジタル映画の要件に対して自動的に再構成される。他のリファレンスモード - 一般写真撮影、デザイン、そしてプリント - は写真家やグラフィックデザイナーに適するであろう。提供されるリファレンスモードのどれもが自分のニーズに合わない場合、カスタムのものを作成出来る。

Apple は画面の前面にあるガラスにも多大な努力を払っている。通常のディスプレイは、真正面から見ない限りその性能は劣ってしまうが、新しい偏光子技術のお陰で、この Pro Display XDR は軸外コントラストが通常の LCD スクリーンよりも最大 25 倍も良い広視野角を提供する。Apple はまた低反射率とマット画面の究極を極めるためにも力を注いだ。そして、更に $1000 余分に払うことで反射率を更に減らした nano-texture ガラスを手にすることも出来る。

この Pro Display XDR を何処に置くかにも一考が必要である。それは大きくそして重い - 横幅 23.8 inches (71.8 cm), 高さ 16.2 inches (41.2 cm), そして奥行き 1.1 (2.7 cm) inches で, そして重さは 16.5 pounds (7.5 kg) である。しかし、デフォルトでは、スタンドは如何なる形のものも含まれていない。選択肢としては、$999 の Apple の Pro Stand か $199 の VESA Mount Adapter があり、後者は Pro Display XDR をデスクや壁に取り付けられた腕に装着させてくれる。

このしっかりした Pro Stand は、重量が 9.5 pounds (4.3 kg) もあり、高さを 12 cm の範囲で調整させてくれ、角度も -5 度 から +25 度の間で変えさせてくれる。Pro Stand を使えば、Pro Display XDR を横位置から縦位置へと好みの応じて変えられる。Pro Display XDR は Pro Stand に磁気コネクタを使って取り付けられる;スタンドをディスプレイにしっかり固定するにはラッチが使われる。VESA Mount Adapter もまた磁気コネクタを使用する;Pro Display XDR をしっかり固定するには Apple 設計のロックキーが使われる。

背面には Mac 接続用の Thunderbolt 3 ポートが1つあり、その他に充電と同期のために3つの USB-C ポートがある。機器の連結をサポートする Thunderbolt 3 ではなく USB-C ポートを使うと言うのは奇妙に感じられるが、現在の iPad Pro モデルも USB-C ポートを持っており、そして iPhone 11 Pro モデルには USB-C to Lightning 充電ケーブルが付いてくる。

Pro Display XDR は Mac Pro との使用に限定されないが、それを駆動するために必要なピクセル数を考えれば、何にでも使えるなどと思わない方が良い。対応可能なものには、2018 15-inch MacBook Pro, 16-inch MacBook Pro, そして 2019 バージョンの 21.5-inch と 27-inch iMac (しかし iMac Pro はダメ) がある。また、それは Blackmagic eGPU とペア付けされた Thunderbolt 3 ポートを持つ如何なる Mac にも使える。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

ウォレットケース2つ: Twelve South BookBook Vol. 2 と Ekster iPhone 11 Pro ケース

iPhone の新モデルが出る度に、Apple は何かを変更して私たちに新しいケースへの買い直しを強制しているかのように見える。寸法が少しだけ変わったり、背面でカメラが占める面積が増えたり、あるいはボタンの位置が数ミリだけずれたりする。(私たちにはさっぱり理解できない。いったいなぜ Jony Ive に率いられた Apple のデザイナーたちが、iPhone 5 時代のもっと厚い、もっと四角っぽいデザインから離れようとするのかを。あのデザインの方が滑りにくくて持ちやすかったので、そもそもケースなんか使わずに済ます人たちが多かったのに。でも、ここでその話題には立ち入らないことにしよう。)

そういう訳で私は iPhone 11 Pro を注文するに際して、新しいケースが必要なことが分かっていたので、この機会に一味違うものを試してみようと心に決めた。それまでの数年間、私は Carved 製の背面が木製のケースを使っていた。とても魅力的で、保護効果が高く、滑りにくい表面だったので iPhone を取り落とすこともなかったのだが、それ以外の機能性は何もなかった。

その上、私は出かける度に財布と iPhone の両方を持ち歩くことにうんざりしていた。ずっと以前から私は何かあった時に備えてあらゆる種類のカードをいつも持ち歩くという少しこだわりの強いところがあった。実際にはたった一枚のクレジットカード以外ほとんど使わないのだが。ともあれ、すべてを一つの iPhone ウォレットケースに収めることはできないだろうか?

そうこうするうち、2つのチャンスが出現した。Twelve South が、iPhone を小さな本であるかのように見せる BookBook ケースの新しいバージョンを発売し、Ekster が外国旅行で頻繁に SIM を交換しなければならない人たちにとって理想的な SIM と SIM 抜き出しツールを収納するスロットを巧みに内側に設けた革製のウォレットケースをリリースしたのだ。

Twelve South の BookBook Vol. 2

Twelve South は、さまざまの Apple デバイス用にそれぞれのバージョンの BookBook ケースを開発した。そのアイデアは、ケースを閉じるとまるで革表紙の本のように見えて、本棚に他の本と並べて置けば自然に溶け込んで気付かれないだろうと思えるというものだ。こんなもので他の人たちを騙して何の意味があるのかとも思うけれど、とにかくこれは独特な、優雅な見栄えだ。

Twelve South BookBook Vol. 2 outside

新バージョンの BookBook Vol. 2 iPhone ケースで、Twelve South は二つ折り本の「表紙」の部分を iPhone から分離して、革で裏打ちされたプラスチック製の独立の鞘に iPhone を収納して、BookBook カバーから iPhone を取り出しても保護されるようにした。この鞘は iPhone の背面と四隅すべてを保護し、前面で少し持ち上がっているので平らな台の上に iPhone を裏返しに置いてもスクリーンが台から離れているようになる。呼び出しスイッチ、Lightning ポート、マイクとスピーカー、それに背面のカメラのところには切り欠きがあってアクセスを提供する。サイドボタンと音量ボタンのところは柔らかいプラスチックで覆われている。報道によればこの鞘はワイヤレス充電互換だという。

Twelve South BookBook Vol.2 back and inside

表側の表紙の内側には ID やクレジットカードを収納するスロットが 4 つあり、それぞれに 1 枚か 2 枚のカードが入れられる。その裏のポケットには何枚もの紙幣を折り畳んで入れられる。でも夢中になり過ぎてはいけない。カードや紙幣を入れ過ぎると BookBook がきちんと閉じなくなるからだ。一番下のスロットには切り欠きがあってその中のカードが見え、親指でカードをスライドさせて取り出すこともできる。

iPhone の入った鞘は BookBook の裏表紙の部分に取り付けられ、そこに内蔵された磁石が鞘の中の金属板にくっ付くことで、iPhone の装着と取り外しが簡単にできる。BookBook の表紙を閉じれば、磁石のタブで留めるようになっている。(Twelve South によれば、これらの磁石はクレジットカードに影響を及ぼさないようにデザインされているとのことで、私も使っていて何も問題を経験しなかった。) 内蔵されたスタンドで横置きの iPhone を立てかけておくことができるが、慣れるまでの一・二回は立て方を見つけるのに苦労した。

Twelve South は透明なプラスチック製の窓があるカードスロットにチタン製の Apple Card を入れておくことを推奨する。一つには Apple Card が汚れないようにするため (弾丸は通さないかもしれないが、簡単に汚れてしまう) でもあり、一つにはチタン製の金属部分が iPhone のスクリーンに傷を付けないためでもある。

二つ折りの表紙と iPhone 用の鞘の組み合わせは、とてもうまく行っている。ウォレット部分を必要としない場合にはいとも簡単に iPhone を取り出せるし、出かける時には表紙の中へすぐ戻せる。BookBook の中に 4 枚か 5 枚のカードと数枚の紙幣を簡単に収納できるので、重要かもしれないカードを家に置いて出かけたのではないかと不安になることもない。

一つだけ問題がある。それは、BookBook ケースに iPhone を入れるとかなり分厚くなって、ズボンのポケットに気軽に出し入れするようなものではなくなることだ。私はいつも iPhone をズボンの前の右側のポケットに入れていて、BookBook ケースを丸ごとそのポケットにねじ込むのも不可能ではないけれども、出し入れは楽でもないし入れていて快適でもない。その上毎度毎度ケースの表紙を開かなければならないのも、結構面倒に思えるようになった。でも、もしもあなたが iPhone をハンドバッグの中とかスーツのジャケットのポケットとかに入れているのならば、たぶんこの厚みも気にならないだろう。

この Twelve South BookBook ケースの価格は $69.99 で、iPhone 11 の 3 つのモデルそれぞれのためのものが販売されている。初代の BookBook ケースも iPhone 7/8 Plus 用のものと iPhone X 用のものが引き続き $59.99 で販売されている。

Ekster の iPhone 11 Pro ケース

正直に告白するが、私が Ekster iPhone 11 Pro ケースに惹きつけられた理由は、SIM と SIM 抜き出しツールを収納するスロットを内側に設けてあると書かれていたからだった。私が最近に 2 回経験したヨーロッパ旅行で、非常に小さい SIM とちっぽけな抜き出しツールをいつも持っていなければならないのはとてもストレスの溜まるものだった。(2018 年 6 月 15 日の記事“英国旅行のコツ: モバイル用の Giffgaff と交通機関用の Apple Pay”と 2019 年 7 月 22 日の記事“Orange Holiday Europe: ヨーロッパ旅行のための安価な 4G SIM”参照。)

この Ekster ウォレットケースはそれ以外の点ではごくシンプルだ。BookBook の革製の iPhone 鞘と同様、Ekster のものも革に包まれたプラスチック製の鞘で、iPhone の背面と縁を保護し、裏返しに置いても iPhone のスクリーンがテーブルの面から離れるようになっている。高級な革の縁の部分は BookBook のプラスチック製の縁よりも素敵な手触りだ。サイドボタン、音量ボタン、Lightning ポート、マイク、スピーカー、それに iPhone 11 Pro の背面カメラのところにはそれぞれ切り欠きがあってアクセスを提供する。また、報道によればワイヤレス充電とも互換だという。

Ekster iPhone 11 Pro Case inside and back

内側には実際 SIM と SIM 抜き出しツールを収納する小さなスロットがある。スロットの中へ入れるのは簡単だが、とても小さなものなので、取り出すのは一苦労だ。金属製のツールが iPhone の背面に傷を付けないかと少し心配だったが、その後 Ekster が iPhone とケース背面との間に紙幣を挟み込んでツールを覆うようにすることを意図しているのだと気付いたし、そもそもそれに気付く前にも何の問題も起こらなかった。

特に言っておきたいのは、革製のケースの背面にポケットがあって、その中にカードが 2 枚楽に入ることだ。Ekster の仕様表にはカード 1 枚と書いてあるが、2 枚入れても何のトラブルもなかったし、そもそも運転免許証を持たずに運転するのは嫌だ。ひょっとすると 3 枚のカードを押し込むのも可能かもしれないが、2 枚でも既に余裕はない。このデザインに特別なところは何もないし、同じようなデザインを使ったケースは他にも山ほどある。それでもまあ、全般的にきちんと機能する。

今のところ、この Ekster ケースを私は主に使っている。一日に何度もポケットから出し入れするので、iPhone にそれほど多くの厚みを追加しないこのケースの方が扱いが楽だからだ。出かける際には、たいていの場合、財布を持って行こうかと考える必要もない。運転免許証と主たるクレジットカード、それに $20 紙幣を 2 枚、これさえ持っていれば安心だからだ。

もちろん、例外はある。例えば医者に予約があって出かける際には私のカードすべてを詰め込んだ古い財布を持って出る。そうすれば保険証のカードも忘れる心配がないからだ。旅行に出かける際にも必ず古い財布を持って、保険証のカードと、主たるカードが使えなかった場合に備えて他の何枚かのクレジットカードと、さらにいつもより多めの現金を持って行く。最近の 6 週間で、その日のための現金が足りなくなったのはたった 1 回しかなく、私が持っている以外のカードが必要になったことはまだない。

一つだけ苦情を言いたいことがある。クレジットカードの端の部分が私のポケットの中で常時擦れることで、カードに少々ダメージが及んでラミネート加工された表面のコーティングが剥がれかけているのだ。私のニューヨーク州運転免許証はどうやらラミネート加工のコーティングのない硬質プラスチックのようなので、できるだけ運転免許証を外側に入れてクレジットカードを保護するようにと心掛けている。カードが完全に覆われるようなポケットのデザインの方が望ましいと思うけれども、その場合にはカードを取り出しやすくする工夫が必要となることだろう。また、私は普段自分の Apple Card を持ち歩いたりしないが、Ekster のカードスロットにいつも入れているといずれカードが汚れてしまうのではないかという気もする。

この Ekster iPhone 11 Pro ケースの価格は $49 で、ジュニパー (杜松) グリーン、クラシックブラウン、ナパ革ブラック、メルローレッドの 4 色がある。これは iPhone 11 Pro 用のものしかなく、iPhone 11 用や iPhone 11 Pro Max 用のものが販売されていないことに注意しよう。Ekster からは iPhone X 用や iPhone XS 用の同種のケースも出ている。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

AirPods が Pro に: フィットを改善、高度なオーディオ機能も装備

2016 年に初めてのワイヤレスイヤーバッドとしてリリースして以来、AirPods は Apple にとってヒット商品であった。AirPods の最初の二つの世代はいずれも人気を集めたけれども、いずれも完璧には程遠かった。

多くの人にとって、AirPods の「一つのサイズですべての人に合う」デザインは、自分の耳にぴったりフィットしないことを意味する。ハードプラスチックの外形は外耳道を完全に封印することができず、その縁を通って外部の音が入ってくるので、列車や飛行機の中でも、街中でも、AirPods は役立たずになってしまう。その上、少なくとも一部のユーザーにとっては、耳から下向きに突き出した白い柄が間抜けな印象を与える。

新しい AirPods Pro で、Apple はこれらの欠陥に対処することを目指した。見栄えと感触は以前のままで、異なるサイズのシリコン製イヤーチップでカスタマイズすることで外耳道をより良く密閉するとともに、しっかりしたフィット感を提供する。

また、この AirPods Pro はアクティブノイズキャンセリング機能を備えていて外部の音をデジタルにキャンセルし、それがイヤーチップの提供する物理的なサウンド遮断を補完する。一方で「外部音取り込みモード」はそれと反対のことをして、外部の音を現在再生中のものに混ぜ込む。

それからもう一つ、見栄えのださい印象が減った。

Woman wearing AirPods Pro

これらの機能は安価には手に入らない。Apple は AirPods Pro の価格を $249 としている。第二世代 AirPods も引き続き販売され、こちらの価格は (標準の Lightning ベースの充電ケースか、Qi 互換のワイヤレス充電ケースかに応じて) $159 または $199 だ。

購入決断をさらに難しくしているのは、Apple がこれら以外にもワイヤレスのオーディオ製品を Beats by Dre ブランドとして販売していることだ。$249.95 の PowerBeats Pro バッドは、第二世代 AirPods とほぼ同等レベルの製品だ。(2019 年 9 月 17 日の記事“AirPods 対 PowerBeats Pro: 親は同じでも、違う道を歩む”参照。) Beats は最近になって $299.95 の Solo Pro ヘッドフォンもリリースしたが、こちらはアクティブオーディオキャンセリング機能と外部音取り込みモードを備えている。

結果として、Mac や iOS デバイスと共に使う Apple のオーディオ機器を購入する際には、あらかじめよく考えてからにしなければならない。先に結論を言ってしまえば、たいていの人にとって AirPods Pro が最良の選択肢であろうと思えるけれども、十分に違いを知った上での選択をすることが重要だ。では、具体的な検討を始めよう。

物理的デザイン

AirPods Pro は、サイズや形が多少違うものの、紛れもなく AirPods だ。輝くような白いハードプラスチックが、魅力的にカーブした外形を成している。

全体的なデザインが以前より角ばっていて、球状の部分が少し大きくなり、柄の部分が短くて目立ちにくくなった。Apple は世界中で何千人もの耳を 3D スキャンして「快適さと安定性のために理想的な形を提供するにはバッドがどこで耳に触れるべきでどこに触れるべきでないか」を確かめたという。少なくとも私の場合、Apple のデザイナーたちはまさに良い仕事をしたと思う。

AirPods Pro

おそらくもっと注目すべきは、多くのサードパーティ製イヤーバッドで使われているものに似た交換可能なシリコン製イヤーチップが AirPods Pro に追加され、よりしっかりとフィットして、外部のサウンドを遮断できるようになっている点だろう。Apple は異なるサイズの 3 組のイヤーチップを付属させており、交換用のイヤーチップのキットを $4 で購入することもできる。

これらのイヤーチップは周囲の音を遮断するために大きな働きをするが、そのためにはぴったり合うものを選ばなければならない。Apple はその選択の助けとなるために Ear Tip Fit Test という機能を提供する。AirPods を耳に装着した状態で、iPhone があなたに音楽の一節を聞くように促す。このテストはイヤーバッドに内向きに取り付けられているマイクロフォンを使って、イヤーバッドを調節しなさいとか、別のサイズのイヤーバッドを試しなさいとかいう提案を出す。便利なテストだとは思うが、必ずしも常に正確ではない。私の左耳には理想的にフィットしていると思うのだが、このソフトウェアは何度やってもフィットしていないと言い張った。

AirPods Pro Ear Tip Fit Test

シリコン製のイヤーチップを AirPods Pro に取り付けるやり方は独特だ。業界標準のやり方はイヤーチップの小さな穴をごく小さな棒状の突起に押し込むというものだが、Apple は独自に円形のドッキング機構をデザインした。

AirPods Pro ear tip sizes

Apple によれば、このイヤーチップのシステムの方がコンパクトで使いやすく、うっかり取れてしまう可能性も低いという。けれどもこのことは、サードパーティ製のイヤーチップを使ってきた人たちをがっかりさせるに違いない。例えば Comply のような、発泡体あるいはその他の材料で作られたイヤーチップだ。それらの会社は今のところ AirPods Pro 互換なイヤーチップを販売することを認められていないし、Apple は将来それが可能になるか否かについて何も発表していない。それはそれとして、第一世代や第二世代の AirPods に発泡体のイヤーチップを装着するために Comply が明かした巧みな回避策は、実際そのまま AirPods Pro にも適用できるような気もする。(ただし使えたとしても、AirPods Pro をケースに入れる際には取り外す必要があるようだが。)

AirPods Pro にはまた、耳の中と外気の圧力を連続的に均一に保つための通気システムが備わり、きつく密閉された他のデバイスが引き起こす不快感 (Comply がイヤーバッド疲労と呼ぶもの) を最小限にするようになっている。

アクティブノイズキャンセリング

このイヤーチップが外耳道を密閉するのは基本的にパッシブ (受動的) なノイズキャンセリングで、ある程度まではうまく働く。けれども AirPods Por にはアクティブなキャンセリング機能もある。高級なヘッドフォンでは昔から、また最近になってイヤーバッドでも提供されるようになった機能だ。このテクノロジーは「音場キャンセル」とも呼ばれ、入ってくる音波にそれと対照的な音波を重ねて、無音状態あるいはそれに近い状態を作り出そうとするものだ。

AirPods Pro の場合、内向きのマイクロフォンが外向きのマイクロフォンと協力して働き、その効果に調整を加える。外部のノイズには「アンチノイズ」が重ねられる。同じことが外耳道の内側の不要なオーディオに対しても起こる。

このアクティブノイズキャンセリングは不気味なまでに効果的だが、完全無欠とは言えない。私は AirPods のユーザーとなって以来初めて、騒がしい街路を歩いたりバスに乗ったりしながら、危険なほどに音量を上げなくてもポッドキャストが聴けるようになった。背景に流れるガヤガヤ音や大声などは完全とは言えないまでも大体において消えるが、突然の鋭い音はちゃんと聞こえる。

自宅では、私が階上で執筆に集中している間も階下の居間で妻が大音量のテレビをつけているのだが、その音がほぼ完全に消える。たいてい、私はノイズキャンセリングをオンにしたまま何も再生せずに使っている。つまり、AirPods をハイテクの耳栓として使う訳だ。私は愛しい妻が House をガンガン観ている隣に座って読書をすることさえできる。Hugh Laurie の声も十分に消えて、本に集中することができるからだ。

アクティブノイズキャンセリングと対になる機能として「アダプティブイコライゼーション」というものもある。これは内向きのマイクロフォンを使ってサウンドレベルをその場で調節し、より良い音質で聞こえるようにするものだ。ノイズキャンセリングをオフにすればアダプティブイコライゼーションも無効になる。

外部音取り込み (Transparency) モード

さて、ノイズキャンセリングの反対が外部音取り込み (Transparency) モードだ。これは外部の音がまるであなたが何も耳に装着していないかのようにそのまま外耳道に入ってきて、音楽やポッドキャストも再生されるという状態だ。

それでは逆効果に思えるかもしれないが、安全のためやその他の理由で周囲の音も聞こえるようにしていたいアスリートやその他の人たちには大きな意味がある。私の場合、外部音取り込みモードのお陰で家事をしながらポッドキャストを聴くことができ、妻の指示する声が聞こえずに彼女を苛立たせることなく済んでいる。また、自転車に乗りながら Google Maps のナビゲーションの声を聞いていても接近して来る自動車の音を聞き逃さずに済む。

Apple は AirPods Pro でこの効果を実現するために、アクティブノイズキャンセリングと同様のやり方を用いた。つまり、内側の不要なオーディオのみをキャンセルし、外部の音はよりくっきりとさせるのだ。

Apple によれば「すべての音が自然に聞こえ、実際に話し声も面と向かって話しているときと全く同じで自然に聞こえる」とのことだ。

でも私は「自然に」という形容には躊躇を感じる。確かに外部音取り込みモードはくっきりと明確に聞こえるし、まるで補聴器を使っているかのように聴覚が鋭くなったと感じるけれども、その音質は人工的なものに聞こえる。別に苦情を言っているわけではない。この外部音取り込みモードは、使って楽しくて便利だ。でも「自然な」音を期待すべきではない。

AirPods のコントロール

AirPods Pro で、Apple はイヤーバッドをコントロールするやり方を大幅に変更した。それは直接手で触っての操作についても、iPhone、Mac、Apple Watch などの機器を使ってする操作についても言える。ノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを切り替えたり、両方ともなくしてイヤーバッドをオフの設定にしたりする方法も、数多く用意されている。

これらの機能すべてが正しく働くためには、iOS 13.2 かそれ以降、iPadOS 13.2 かそれ以降、watchOS 6.1 かそれ以降、macOS Catalina 10.15.1 かそれ以降を走らせている必要がある。また、イヤーバッドを Apple TV にペアリングさせたい場合は tvOS 13.2 かそれ以降が必要となる。

直接の操作

従来の AirPods は指先でタップする一連の方法を使ってコントロールしていた。でも悲しいかな、多くの人たちにとって、この方法は扱いにくい上に正確に働いてくれなかった。

AirPods Pro force sensor

AirPods Pro で、Apple はイヤーバッドの柄の部分に組み込まれた感圧センサーを押す、あるいは握るやり方に移行した。1 回押せば再生、一時停止、あるいは電話に応答できる。2 回押せば次の曲にスキップして進み、3 回押せば前の曲にスキップして戻る。次へ次へと繰り返せる。

握ってそのまま押さえ続けるとまた別のことができるが、何をするかはあなたの設定による。左右どちらの柄でも Siri を呼び出すようにもできる。別の設定にすれば、ノイズキャンセリング・外部音取り込みモード・オフを周回するようにも、あるいはそのうち二つだけの間で切り替えるようにもできる。

私はこの握る動作が従来のタップする動作に比べて少々使いにくくなったと感じた。少なくとも私はまだ自然に使いこなせるようにはなっておらず、望みのアクションをさせようとしてうまく行かないことも時々ある。それからまた、依然として AirPods を直接操作して音量を調整する方法がない。

そうやっていちいち握る動作をする代わりに、単に声で Siri に命じて、例えばノイズキャンセリングをオンにしたりオフにしたりすることは簡単にできる。

iPhone を使った操作

Apple は iPhone を使って AirPods Pro をコントロールする方法をいくつか提供している。最も分かりやすい方法として、Settings > Bluetooth へ行き、AirPods Pro の横に表示されている情報ボタンを押し、そこで表示されるコントロールを使ってアクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードをオンにしたり、両方をオフにしたりできる。

また、この Bluetooth 情報画面で、握って押さえ続けた際のアクションを左右それぞれのイヤーバッドごとに設定したり、Ear Tip Fit Test を開始したり、個々のイヤーバッドでマイクロフォンの有効/無効を指定したり、イヤーバッドを改名したり、その他のことができる。

もっと素早く AirPods Pro の設定をしたければ Control Center を使う。音量スライダーを押してそのまま押さえ続ければ、ノイズキャンセリング・外部音取り込みモード・オフのうちから選んだり、また音量を調整したりもできる。

Apple Watch を使った操作

Apple Watch では、Now Playing 画面の上で少しばかり AirPods Pro のコントロールができる。AirPlay ボタンをタップすれば、Noise Cancellation と Transparency と Off のいずれかの設定から選べる。

Mac を使った操作

Mac のメニューバー項目 Volume から AirPods Pro を右クリックすれば、ここでも Noise Cancellation と Transparency と Off のいずれかの設定から選べる。

AirPods Pro UI on the Mac

AirPods Pro のその他の機能

シリコン製のイヤーチップ、アクティブノイズキャンセリング、外部音取り込みモードといったところが看板機能だが、AirPods Pro にはそれ以外にもいくつか注目すべきものがある:

AirPods Pro の代替製品

Apple は幅広い種類の個人用オーディオ機器を販売して、さまざまの好みや、ライフスタイルや、予算に応じたものを選べるようにしている。

Beats by Dre の Solo Pro

最近リリースされた Solo Pro はフルサイズのヘッドフォンで、ちっぽけなイヤーバッドではないが、それ以外の点では AirPods Pro に似ている。

マイナーな違いがあるが、これもノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを備えている。左側にある物理的なボタンを押すことでオーディオモードを順々に切り替えるが、オフにするのは iPhone の Bluetooth 設定を使うか Control Center を使うか、または Mac の音量設定を通じてするしかなく、Apple Watch でコントロールすることはできない。

ハードウェアについて言えば、理由は何であれフルサイズのオーディオヘッドギアしか好きでないという人には Solo Pro が向いているだろう。私の場合、ヘッドフォンを着けている方が安心していられる。どこかに置き忘れる危険がはるかに少ないからだ。ごく小さな AirPods のあり場所を常に意識していなければならないのはストレスの種だ。

注意すべきは、Solo Pro ヘッドフォンが耳全体を覆う「缶」タイプのものではなく、単に耳の上に載せて使うタイプのものだという点だ。私は当初耳にかかる圧力が気になったが、そのうちに慣れてしまった。

Girl wearing Solo Pro headphones

この Solo Pro ヘッドフォンの音質は素晴らしく、外部音取り込みモードとノイズキャンセリングをオフにしていれば一度の充電で何と 40 時間も使える。

AirPods と違って、Solo Pro ヘッドフォンは 6 色から選べる。ホワイト、グレイ、ブラック、ライトブルー、ダークブルー、レッドの 6 色だ。ただ、価格が $299.95 と高い。

PowerBeats Pro

私が以前の記事でこのアクティブなライフスタイル向けのイヤーバッドをレビューした当時はまだ AirPods Pro も Solo Pro も登場していなかった。両方とも出た今は、この PowerBeats Pro に問題点が目立つ。何よりもノイズイズキャンセリングや外部音取り込みモードがない。それでいて価格は $249.95 で、ほぼ AirPods Pro と同じだ。

ただ、PowerBeats Pro の良いところもある。まず、AirPods Pro よりも音質が良い。私は特に低音が増しているところが好きだ。それに、耳の上側に掛けるイヤーフックが、より良くイヤーバッドを正しい位置に保ってくれる。シリコン製のイヤーチップの付いた AirPods Pro でさえ、落ちて失うのが怖くて私は激しいスポーツで使う気になれない。

Woman wearing PowerBeats Pro

この PowerBeats Pro は 1 回の充電で 9 時間の連続再生ができる。AirPods Pro の倍近くだが、Solo Pro ヘッドフォンには遠く及ばない。

PowerBeats には Apple の独自仕様システムでなく業界標準のイヤーチップのドック方法が使われているので、幅広い種類のものが入手できるサードパーティのイヤーチップが使えて、それでうまくパッシブな遮音ができればアクティブノイズキャンセリングが場合によっては不必要になるだろう。

けれどももう少し辛抱強く待てば、きっとそう遠くない将来にノイズイズキャンセリングと外部音取り込みモードを備えたバージョンの PowerBeats Pro が出るのではないだろうか。

AirPods (第二世代)

Apple が引き続き第二世代の AirPods を販売しているという事実は、AirPods Pro の高過ぎる価格が多くの消費者を尻込みさせることを暗黙のうちに承認したと解釈できるように思える。だからと言ってこちらの AirPods もそれほど安価な訳でもないが。

A woman wearing AirPods

アクティブノイズイズキャンセリングも外部音取り込みモードもないので、こちらの AirPods ではぐっと用途が限られる。けれども主として静かな環境で (街中や自動車の中でなく、例えば自宅や仕事場で) 使いたいという人ならば、これで十分だろう。私は今も家中で家事をする際にこちらの AirPods をサッと耳に入れて使っていて、足りない気は全然していない。

予算が限られているという人は、ワイヤードの充電ケースが付いた方のセットを買えば価格が $159 で、AirPods Pro よりも $100 近く安い。どうしてもワイヤレスの充電ケースが欲しいとなると価格が $199 に跳ね上がり、比較すれば AirPods Pro の魅力がぐっと増すだろう。

たいていの人にとって最良の選択は?

予算など気にしなくてよい人には、AirPods Pro が魅力的だ。

この記事で説明した製品のうちで、装着して一番快適なのは AirPods Pro だ。PowerBeats Pro よりも第二世代 AirPods よりも先進的なオーディオ機能を持ち、Solo Pro ヘッドフォンほどかさばらない。AirPods Pro は音質の面で PowerBeats Pro に劣るかもしれないが、その差はそれほど大きくない。

Bose、Sony、Plantronics、その他定評ある各メーカーからノイズイズキャンセリング機能付きのイヤーバッドが出ていて活発な市場を形成しており、新たに参入するメーカーも次々と登場しつつある。その種のイヤーバッドは全般的に AirPods Pro よりも安価なことが多い。例えば、Amazon から新登場したノイズイズキャンセリング付きの Echo Buds は価格がたったの $129 で Siri 対応を備えており、Comply 製のカスタム発泡体イヤーチップもある。

しかしながら、Apple 製でないイヤーバッドを買う際には注意が必要だ。アクティブノイズイズキャンセリング機能を備えていないものが多いからだ。盛大に宣伝されている新製品、例えば Google の Pixel Buds、Microsoft の Surface Earbuds,、Samsung の Galaxy Buds などもこれに該当する。それに、サードパーティのイヤーバッドはあまり緊密に Apple デバイスと統合されておらず、その点が Apple 独自仕様の H1 チップと iCloud エコシステムを活用して異なるデバイスから簡単操作でイヤーバッドを切り替えられる AirPods Pro とは大きく違っている。

最後にまとめれば、もちろん第二世代 AirPods でも十分に使えるけれども、Apple ユーザーならば AirPods Pro が (少々値段が高いにしても) 今の時点でイヤーバッドの最良の選択だと言って間違いないだろう。でも悲しいかな、現在オンラインの注文が殺到していて、今注文しても届くのは 1 月の第 2 週以降になる。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Safari 13.0.4

Safari 13.0.4

Apple が macOS 10.14 Mojave と 10.13 High Sierra 用に Safari 13.0.4 をリリースして、macOS 10.15.2 Catalina でも対処が施された 2 件の WebKit 脆弱性に対処した。記事“Apple、iOS 13.3、iPadOS 13.3、HomePod 用 iOS 13.3、macOS 10.15.2 Catalina、watchOS 6.1.1、tvOS 13.3 をリリース”(2019 年 12 月 10 日) もご覧頂きたい。これらの WebKit の問題はいずれも悪意を持って作られたウェブコンテンツを処理した後に任意のコードを実行される可能性のあるもので、Apple は複数個のメモリ破損の問題への対処とメモリ処理の強化により対策を施した。Safari 13.0.4 は Software Update からのみ入手できる。(無料、macOS 10.13.6 および 10.14.6)

Safari 13.0.4 の使用体験を話し合おう

TechTool Pro 12

TechTool Pro 12

Micromat が TechTool Pro 12 をリリースした。このハードドライブおよびシステムの修復・メンテナンス用ツールへのメジャーなアップデートで、macOS 10.15 Catalina との互換性を提供する。今回のアップデートではまた、USB ドライブで利用可能な SMART データにアクセスするためのドライバをインストールするオプションが備わり、さまざまのテストスイートの間で切り替えられるようにするカスタマイズ可能な Check Computer Suites 機能を新設し、また TechTool Pro の各種テストやツールの多数を徹底的に見直している。TechTool Pro 12 の価格は $129.99 で、TechTool Pro 11 のライセンスを持つユーザーは $29.99 でアップグレードできる。Micromat は TechTool Pro 10 から ($49.99) および TechTool Pro 9 以前から ($59.99) のアップグレード価格も提供している。(新規購入 $129、各種アップグレード価格あり、 macOS 10.10+)

TechTool Pro 12 の使用体験を話し合おう

Security Update 2019-002 (Mojave) and 2019-007 (High Sierra)

セキュリティアップデート 2019-002 (Mojave) と 2019-007 (High Sierra)

Apple が macOS 10.14 Mojave 用のセキュリティアップデート 2018-002 と 10.13 High Sierra 用のセキュリティアップデート 2017-007 をリリースして、これらの古いオペレーティングシステム用にたった 2 つのセキュリティ脆弱性をパッチした。これらのアップデートは、システム権限で任意のコードを実行される可能性のあったメモリ破損の脆弱性に対処し、カーネル権限で任意のコードを実行される可能性のあったメモリ破損の脆弱性をパッチしている。(無料、10.14 Mojave 用は 1.58 GB、10.13 High Sierra 用 は 1.58 GB、セキュリティコンテンツリリースノート)

セキュリティアップデート 2019-002 (Mojave) と 2019-007 (High Sierra) の使用体験を話し合おう

iMovie 10.1.14

iMovie 10.1.14

Apple が iMovie 10.1.14 をリリースして、iMovie を macOS 10.15 Catalina で使う際に Photos ライブラリブラウザにメディアが正しく表示されなかったバグを修正した。今回のアップデートではまた、タイトル、背景、トランジションをスキミングしてもサムネイルがアップデートされない場合があった問題を解消し、アクセシビリティ設定 Reduce Transparency を有効にした Nvidia グラフィックカードを搭載したシステムで視覚的なアーチファクトが表示される場合があったバグを修正している。(Mac App Store から無料、2.2 GB, macOS 10.14.6+)

iMovie 10.1.14 の使用体験を話し合おう

Final Cut Pro X 10.4.8, Compressor 4.4.6, and Motion 5.4.5

Final Cut Pro X 10.4.8, Compressor 4.4.6, Motion 5.4.5

Apple が Final Cut Pro X 10.4.8Compressor 4.4.6Motion 5.4.5 をリリースした。Final Cut Pro と Motion はいずれも、アクセシビリティ設定 Reduce Transparency を有効にした Nvidia グラフィックカードを搭載したシステムで視覚的なアーチファクトが表示される場合があった問題に対処するバグ修正を受けた。

また、Final Cut Pro は macOS 10.15 Catalina で走らせている際に Photos ライブラリブラウザにメディアが正しく表示されない問題を修正し、間違ったプロジェクトをタイムラインに読み込んでしまう場合があったバグを修正し、Browser でメディアをスキミングする際の安定性を改善し、Browser でタイトル、ジェネレータ、トランジションをスキミングしてもサムネイルがアップデートされない場合があった問題を解消している。

Compressor は Reverse Telecine を使用する際の安定性を向上させ、Dolby Vision メタデータを読み込む際の信頼性を改善し、iTunes Store 用にパッケージを作成する際のいくつかの誤ったエラーを取り除いている。

Motion は Grow/Shrink ビヘイビアを使用する際に HUD (heads-up display) が表示されない場合があった問題を解消し、Wide Gamut HDR で作業している際に Color Space Override メニューオプションが使用できなくなった問題を修正し、透明度を持つ 3D テキストにアーチファクトが表示されることがあった問題に対処している。(いずれも無料アップデート。Final Cut Pro X 新規購入 $299.99、2.9 GB、リリースノート、10.14.6+。Compressor 新規購入 $49.99、342.2 MB、リリースノート、10.14.6+。Motion 新規購入 $49.99、2.3 GB、リリースノート、10.14.6+)

Final Cut Pro X 10.4.8, Compressor 4.4.6, Motion 5.4.5 の使用体験を話し合おう

Cardhop 1.3.3

Cardhop 1.3.3

Flexibits が連絡先マネージャ Cardhop のバージョン 1.3.3 をリリースした。連絡先の写真をクリックした際の Copy Picture オプションを追加した、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートではまた、誕生日の代替フィールドの編集を改善し、封筒に印刷する際に起こることがあったクラッシュを修正し、あなたの団体が Google Admin API アクセスを無効に設定している場合にあなたの G Suite アカウントで認証するよう求めるようになった。(Flexibits からも Mac App Store からも新規購入 $19.99、無料アップデート、12.4 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

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PopChar X 8.8

PopChar X 8.8

Ergonis Software が PopChar X 8.8 をリリースして、macOS 10.15 Catalina の自動的 Dark モードでライト/ダークの切り替えが起こった後にメニューアイコンが正しくアップデートされなかった問題を回避した。この文字発見ユーティリティはまた、Emoji 12.0 の内蔵レイアウトを追加し、古いバージョンの macOS では最近導入された絵文字を正しく除外するようにし、フォントリストの中でフォント名が時として最良の Regular 書体で表示されなかった問題を修正している。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、4.8 MB、リリースノート、macOS 10.6+)

PopChar X 8.8 の使用体験を話し合おう

KeyCue 9.6

KeyCue 9.6

Ergonis が KeyCue 9.6 をリリースして、macOS 10.15.1 Catalina やそれ以降の Emoji 12.0 への対応を追加するとともに、Catalina の自動的 Dark モードでライト/ダークの切り替えが起こった後にメニューアイコンが正しくアップデートされなかった問題を回避した。このキーボードショートカットおよび絵文字用早見表ユーティリティはまた、ユーザーによってはシステムワイドのショートカットが二次的言語で表示されることがあった問題を解消し、正しくないメニューショートカットの仕様を持つアプリケーションの処理を改善し、RagTime におけるメニューのスキャンに非互換性があった問題を回避している。(新規購入 19.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、4.0 MB、 リリースノート、macOS 10.7+)

KeyCue 9.6 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 1.5.3

Pixelmator Pro 1.5.3

The Pixelmator Team が画像編集アプリ Pixelmator Pro のバージョン 1.5.3 をリリースして、自動保存のパフォーマンスを大幅に改善した。今回のアップデートではまた、Clone ツールに Show Source Marker オプションを追加して (時には邪魔になることがある) ソースマーカーを表示したり隠したりできるようにし、Force Touch トラックパッドを使ってテキストカラーの変更を取り消す際のバグを修正し、Export for Web を使う際に 2x や 3x の倍率で画像を正しく書き出せるようにし、AMD Navi GPU を備えた Mac で画像が正しくレンダリングされるようにし、レイヤーマスクに特定のエフェクトを適用すると起こったハングを予防している。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、179 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

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Scrivener 3.1.5

Scrivener 3.1.5

Literature & Latte が Scrivener 3.1.5 をリリースして、祝祭シーズンらしく賑やかに修正を加えた。この古参の執筆ツールはまた、macOS 10.15 Catalina でボールドやイタリックのショートカットが働かなかった問題を修正し、書類の冒頭へスクロールするナビゲートオプションを使った際に Catalina で起こったルーラの可視性の問題を回避し、Compile のページレイアウトのプレビューでヘッダやフッタの位置を改善し、文字書体の切り替えができなかったバグを修正し、Ebook Compile フォーマットでの問題点を解消し、Mac App Store 版で内蔵の DOCX コンバータがサンドボックスの下で正しく動作しなかった問題を解決している。(新規購入 $45、無料アップデート、94.1 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

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