多くの iPhone 13 オーナーが (私もそうだが)、Unlock with Apple Watch 機能 (「Apple Watch でロック解除」機能) が iPhone 13 で働かない問題に遭遇した。マスクを着けていて Face ID が認識できない場合、Apple Watch で自動的に iPhone のロックを解除できるはずなのだが、これが機能しないのだ。
私が iPhone 11 Pro から新しい iPhone 13 Pro へ移行した後で見てみると、Settings > Face ID & Passcode > Unlock with Apple Watch 項目が無効になっていた。有効化しようと試みると「Apple Watch と通信できません」というエラーが出た。何だこれは!
Apple は問題の存在を認めており、今後のソフトウェアアップデートで修正すると約束している。修正が出たならばとても嬉しい。公共の場所でマスクを着けることがワクチン接種済みの人たちにも再び必要な予防策となった今、この Unlock with Apple Watch (Apple Watch でロック解除) 機能はとてもありがたいものだから。
主な新しい変更を辿って、皆さんがそれらの意味を理解する手助けができるか、そしてそれらの幾つかをオフにするやり方を示せるかを見てみよう。これらと共に他の多くの新しい iOS 15 及び iPadOS 15 機能を Take Control of iOS 15 and iPadOS 15 でも取り上げている。
Safari 上下逆さま
iOS 15 が出た時、人々は突如 Safari が上下逆さまになっている様に見えて面食らった。
iOS 15 の早い時期のベータでは、多くの一般的な機能を隠したより抜本的なデザインすらも試されていた。最初のベータは、更新、共有、そしてタブボタンを完全に隠していた。下記のスクリーンショットはそれ以降のベータからのものだが、ここで Apple はより多くのコントロールをタブ自身に詰め込もうとしていた。私は、Apple がそのデザインを出した場合の反応を考えてゾッとした。
Apple がこの変更をしたのには訳がある。iPhone 6 より前までは、iPhone の高さはずっと短かく、多くの人の親指は画面の上部にも簡単に届いた。当時 Apple はこれをセールスポイントにして、当時としては巨大だった Android フォンに対抗して、"親指" TV 広告まで流した。(画面の大きさは多くの人の手の大きさに合ったものだという "常識" の日々を懐かしく思う。)
底部に置かれたタブバーにはもう一つの良い点がある:左右にスワイプすることでタブ間の切り替えが簡単に出来る。右下隅にあるタブボタンをタップするのと併せて、タブバーをスワイプアップすることでも全てのタブをあらわにする事ができる。もっとも、このジェスチャーは Face ID が有効になっている iPhone 上では少々扱いにくい。と言うのも、通常 Home 画面に戻るためにスワイプアップする場所のすぐ上から始めなければならないからである。
この新しい場所は理に適っているし、実際により使い易いとも感じるが、マッスルメモリを再教育する必要がある。もしそれが難しすぎる、或いは昔のやり方の方が良いと思うのであれば、元に戻れる。Settings > Safari に行き、Tabs 迄下方にスクロールして Single Tab を選択する。
Tab Group インターフェースは iPad 上でも似ているが、タブアイコンはタブ切り替えインターフェースをより良く示すべく変更されている。サイドバーからも Tab Groups にアクセス出来る。
個人的に言うと、私は Tab Groups は少々紛らわしいと感じた、少なくとも iPhone 上では。と言うのも、私はしばしばプロジェクト間で切り替えるが、最初に適切なタブグループに切り替えておくのを忘れてしまうからである。更に、他のタブグループに紛れ込んでしまって、前よりもより多くのタブを追い切れなくなってしまっている。Tab groups は Apple 機器間で同期するので、私の場合、Mac 上で Safari を使ってブラウズすればより便利になる可能性はある ("Safari 15 21 September 2021 参照)。Mac は Tab Groups を Safari に macOS 11 Big Sur と 10.15 Catalina で追加している。
タブグリッド
iOS 15 でのもう一つの嬉しい変更は、Safari が今やそのタブ切り替えをカードスタックではなくグリッドとして、iPad での様に、フォーマットしていることである。グリッドの方がどのタブが開いているのか見やすいし、一つのタブを長押しして動き回らせる事が出来る。タブを左にスワイプするか、少々ぼんやりした X ボタンをタップすることで削除出来る。Apple は奇妙にも X ボタンを Windows の様に右上隅に置いた。App Library でアプリを削除する時に使う左上隅に置く方法を真似た方がより統一感があったろうにと思える。
Tab Groups を使って新たなスタートをきるために、既存の開いたタブ全てを閉じたい? Done テキストラベルを長押しして秘密の選択肢を出す。Apple が何故そこに隠したかは不可解だし、そして "Done" に副次的な機能があることを示すものは何もない。
あなたと共有
これ迄、誰かが送ってくれた記事を探そうと Messages スレッドを探し回った経験はありませんか? 幾つかの Apple の内蔵アプリに組み込まれた新機能 Shared with You は、それらのリンクを集めてくれるので、一つの場所から全てにアクセス出来る。
iOS 15 と iPadOS 15 の両方で、Shared with You へは Safari のスタートページから行ける。それは新しいページを作るか、タブバーにタップするかした時に見られる。(それを見るには、下にスクロールして Favorites や Frequently Visited 集合体の下まで行かなければならない場合もある。) Shared with You の隣にある Show All をタップすると全てのリンクが見られる。iPad 上では、Shared with You をサイドバーでも見つけられる。(少なくとも理屈の上では - それは iPadOS 15 が走る Adam の iPad Pro 上には現れない、とりわけ私が明白に彼に対してリンクを送った後ですら。でもそれは iOS 15 の走る彼の iPhone 11 Pro 上の Shared with You には現れている。)
Web 機能拡張: iOS と iPadOS の Safari も、ついに Mac 上と同じく Web 機能拡張を完全にサポートするようになった。機能拡張は皆さんにとっては重要かもしれないし、そうでないかもしれないが、それらは欠かせない機能を追加すると言う人達もいるので、この話題は別の機会に詳しく説明したいと思う。
Center Stage は、私が見たことがあるものの中では群を抜いて最良の自動フレーミング実装と言える。私はこれを iPad Pro の超広角カメラでテストした。このカメラは 12 メガピクセルのセンサーと 122 度の視野角度を持つ。新型の iPad mini でも少しだけだが試してみた。購入したタイミングはちょうどこの記事を最初に公開した頃であった。iPad mini も同じスペックのカメラを備えている。
Center Stage を有効にしたビデオチャットであなたが動き回れば、カメラが自動的に視野を変えてあなたが常にフレームの中に写っているようにする。通話の最中に他の人が加わったりそこを去ったりすれば、自動的に視野が広がったり狭まったりして、変化するグループダイナミクスについて行く。
Apple が見せつけた未来映像をここに示しておこう。注意すべきは、二人目の人物が視野に入るとフレーミングがその場で自動的に調整されることだ。
私は Center Stage を試してみながらとても楽しい体験をした。カメラは実際には動いていないにもかかわらず、カメラが物理的に旋回して私をフレーム内に保ってくれるのだ。(この記事を下へスクロールして、他の競合製品で撮影したものと比べてみて頂きたい。) ここにはとても魅力的な3次元感覚がある。iPad Pro は Mac で使われているものと同じ M1 チップを搭載しているので反応性がとても良く、iPad mini も新型 iPhone 13 シリーズで使われているものと同じ A15 Bionic チップを搭載していて同じくらい良かった。
この悩みを少しでも減らそうと思えば、iPad から離れるのが最良の解決になる。私の推測では、だからこそ Apple は Center Stage をコンシューマ向けの機能として宣伝していて、ビジネス会議のためのソリューションとは謳っていないのではなかろうか。(そのことはさきほどの Apple のキッチン実演を見ても分かる。)
実際のところ、仕事机で iPad Pro の近くに座った状態では、Center Stage は仕事用のミーティングには不向きだと私は思った。ラップトップ機でビデオ通話をする際には、私はよくビデオのウィンドウのサイズを小さ目にしてスクリーンの上の方、ウェブカメラのすぐ下に置いている。これで、たとえ私がウィンドウの内容を見ていても、相手には私がカメラをしっかり見つめているように見える。けれども横置きにすると具合の悪い位置に来る iPad Pro のカメラでは、iPadOS でウィンドウ操作に柔軟性が欠けていることもあって、その種の戦略は完全に不可能だ。
ぎりぎり最近になって iPad mini を使い始めて、カメラ位置の問題がずっと緩和されたことに気付いて驚いた。この小型のタブレットでは縦置きにしてビデオ会議に使う方がずっと自然だからだ。(それに、映画やテレビ番組を観ること以外のほとんどすべての目的でも縦置きの方が具合が良い。) $24.95 で買った Stump スタンドに乗せて iPad mini を縦長に置くと、Center Stage はポートレートモードのフレームの中央に私をうまく入れてくれる。大型の iPad で起こったような視線がずれる問題はほとんど起こらない。(Stump スタンドは大型の iPad でも使えるが、やはり縦置きでは不安定なので横置きが望ましい。)
別の方法として、スタンド組み込みのキーボードケースも試してみよう。私のお気に入りは Logitech の Combo Touch と Folio Touch キーボードケースだが、これらは使わない間キーボードなしの状態に (スクリーンから取り外すか、あるいは下側に畳み込むかして) できるからだ。Logitech からは現行の iPad Air や iPad Pro 用のものも出ており、Josh Centers が最近旧型の 10.5 インチ iPad Pro 用のものをレビューしている。(2020 年 5 月 28 日の記事“Logitech Combo Touch: 最初にタイプしただけで好きになる”参照。) 価格は $149 から $229 と Apple の Magic Keyboard (iPad Air および 11 インチ iPad Pro 用が $299、12.9 インチ iPad Pro 用が $349) より安い。
ビデオチャットの他の選択肢を検討する
ビデオ会議用の機器として iPad を考慮する際のもう一つの懸念は、費用だ。Center Stage を入手するためには少なくとも入門レベル iPad なら $329、新型の iPad mini なら $499、iPad Pro なら $799 支払わなければならない。しかもそこには何らかのケースかスタンドが必要で、その値段は含まれていない。自動フレーミング機能を持つスマートディスプレイはたいていもっと安い。
Google の Nest Hub Max の価格は $229 で、10 インチのスクリーンと、“広角”の視野角度を持つ 6.5 メガピクセルカメラを持つ。(入門レベルの Nest Hub を考慮に入れてはいけない。たった $99.99 だが、この 7 インチモデルにはカメラが付いていない。)
Amazon の $199.99 の Echo Show 8 の 13 メガピクセルカメラは、唯一ソフトウェアベースの自動フレーミングをするモデルだ。視野角度のスペックは分からなかった。$249.99 の Echo Show 10 はユーザーが動き回れば機械的に旋回するスクリーンを組み込んでいて、少々気味が悪い感じだ。(製品名に付けられた数字はスクリーンの対角線の長さをインチ単位で表わしたものだ。)
私は Apple デバイス上で Google のサービスを使っている。その大きな理由は私の仕事場でそれが標準になっているからだ。なので Nest Hub Max が私の Google Meet ビデオ会議できちんと働いている。私の親友の一人も Google ユーザーなので、いつもオンラインの会話の場所として Meet を使っている。それと同じように私は Facebook Portal もよく使っているが、これは Facebook Messenger ビデオ通話も使うことが多いからで、とりわけパリに住んでいる妹とのチャットではこれを使う。彼女の側でも Portal を使っている。
Google Nest Hub Max をテストしていた Adam と Tonya Engst は、部屋に入る度にスクリーンが目に入って気になるので猛烈にイライラさせられたと言っていた。もしあなたも彼らのように、バーや空港でテレビ画面を無視できず気になるというタイプの人なら、スマートディスプレイが常時そこにあってあなたの注意を引こうとしているのをストレスに感じるかもしれない。ビデオ通話をする際にだけ iPad を開けばそんな問題は起こらないし、たとえ iPad をどこかに固定して設置したとしても、デフォルトの設定ではスクリーンを自動的にオフにするようになっている。
スマートディスプレイにするか iPad にするか
Apple 製のスマートディスプレイというものはないので (ただし Bloomberg News が伝えた噂では Apple がディスプレイとカメラを備えた新しいスマートディスプレイを研究中とのことだが)、Center Stage を搭載した入門レベルの iPad ならば Amazon、Facebook、Google の製品と比べてもそれほどの大幅な追加費用を必要としない魅力的な選択肢だと言えるだろう。
もしもあともう少し費用を出して iPad mini を購入できるならば、手間要らずの縦置きビデオ会議で Center Stage がその能力を発揮するので必ずや楽しく使えるだろう。
小型の Facebook Portal モデルならば入門レベルの iPad よりも安価で、それでいてたくさんのビデオチャットサービスに対応している。Google または Amazon のエコシステムにたくさん投資している人ならば Nest Hub Max または Echo Show 8 の方が良いだろうし、これらもまた入門レベルの iPad より安価だ。
ただ、スマートディスプレイに FaceTime 対応を求めてはならない。そのためには Apple デバイスが必要だ。それに、二流の自動フレーミングで我慢しなければならない。iPad の Center Stage 機能は今のところ比類なきレベルにある。運が良ければ、Apple がこの機能を将来の iPad や Mac にももたらしてくれることだろう。