Apple の製品発表イベントが 2021 年 9 月 14 日 10 AM PDT に同社の Apple Park 本部で開催され、Apple のウェブサイトからも、Apple TV からもイベントをストリーミングで視聴できる。また、カレンダーにイベントを追加することもできる。[訳者注: この記事の翻訳時点でイベントは既に終了していますが、イベントの内容については来週号をお待ち下さい。]
去年は Apple の iPhone リリースが 10 月にずれ込んだけれども、今年はこのイベントで新型の iPhone が発表されるだろうと思われるし、新しいモデルの Apple Watch も発表されるだろう。飛び交っている噂がもし正しければ、Apple はプレーン、Pro、mini、Pro Max の 4 つのタイプの iPhone 13 を発表し、スクリーン上部のノッチが小さくなって、120Hz ProMotion ディスプレイが搭載されることになるようだ。
また、新しいデザインで少し大型化した Apple Watch が出るという噂もある。Bloomberg の Mark Gurman の記事によれば、現行モデルに比べて縦/横/厚さがそれぞれ 1 mm ずつ増えて、41 mm モデルと 45 mm モデルになるという。エッジがよりフラットになったデザインで、血圧、血糖、妊孕をモニターする機能が加わるだろうという噂もある。
Apple Watch Series 7 が出荷されるまでにはしばらく待たねばならないかもしれない。なぜなら、Tim Cook が警告していたサプライチェーンの供給不足の問題がのしかかっていると言われているからだ。(2021 年 7 月 27 日の記事“Apple の Q3 2021:荒稼ぎ続く”参照。) しかしながら、アナリストの Ming-Chi Kuo は今週になって Apple がこの問題を解決したと言っている。
先週末に US District Judge Yvonne Gonzalez Rogers は 185 ページの裁定を Apple に対する Epic Games の反トラスト法訴訟に対して下した。判決は、Apple の App Store 規則は独占的な力の証拠ではないというものであった。更に広い意味で、彼女の判決は、Apple がサードパーティストアを許すこと、ユーザーにアプリをサイドロードさせること、或いは、App Store 手数料を減ずることを要求してはいない。また、Apple が Epic の開発者アカウントを復元すること、或いは、Epic の人気のゲームである Fortnite が App Store に戻ることを許すことも要求していない。更に、彼女は Epic に対して Apple に、August 2020 以降にその iOS アプリユーザーから Apple のアプリ内購入システムの外で稼いだ額の 30% を支払うよう命じた - 少なくとも $3.6 million の罰金となる。Epic は控訴したが、多くの評論家は、この判事の決定を覆す見込みは殆ど無いと見ている。
しかしながら、この判決は Apple に対しても大打撃の可能性を持つものとなった。California の Unfair Competition Law 違反に対する1ページの Epic を有利とする差し止め判決で、Judge Gonzalez Rogers は、Apple を非競争的な行動に対して糾弾した:
Apple Inc. と、その役員、代理人、使用人、従業員、そしてそれらと実際に協力する或いは参加する者 ("Apple") は、ここに、開発者が (i) In-App Purchasing に加えて、彼らのアプリやメタデータボタン、外部リンク、或いは顧客を購入メカニズムへ導く行動を促す他の呼びかけを含むこと、そして (ii) アプリ内でアカウント登録を通じて自発的に取得された連絡先を通して顧客と連絡を取ることを禁じることから永久に制約され、そして禁止される。
言い換えれば、判事は、開発者が iOS アプリ内で彼ら自身の購入システムを含むこと、或いはそれへとリンクすることを禁止する Apple の反誘導 (anti-steering) 方策を無効とした。彼女は又、Apple が、開発者がアプリ内登録を通じたアカウント設定を通して彼らの顧客と連絡を取るを禁止することを禁じた。この禁止命令は 90 日後に効力を発するが、MacStories の John Voorhees は、Apple は控訴することでそれを延期させることが出来るかも知れないと言っている。Stratechery の Ben Thompson は、判事がどの様にしてその判決に至ったかの多岐に亘る説明を提供している。
もし Apple が控訴しなければ、或いは、その控訴が成功しなければ、疑問は Apple - そして iOS 開発者達 - が次に何をするかである。The Verge の Nilay Patel は、禁止命令にボタンと外部リンクの両方が含まれていることからすると、Amazon が Kindle アプリに独自の支払い処理システムを組み込むことが出来ることを示唆しているようであると指摘している。これは、Apple の最近の日本の公正取引委員会との合意の遙か先を行くものである。その合意は、"リーダー" アプリが外部アカウント管理システムへのアプリ内リンクを含むことを許している ("Apple の庭の塀から数個の煉瓦が取り除かれる" 3 September 2021)。
しかし、恐らく、基本的には Apple、開発者、そして Judge Gonzalez Rogers の間の3者協議であろう場で、多くの疑問が解明されなければならない。減額された取引手数料は、開発者が別の支払いシステムを構築し維持していくのに関わる仕事量に勝るであろうか? Stripe の様な支払い処理会社は、iOS アプリ内のプラグ&プレイ購入システムに対するソフトウェア開発キットを提供するであろうか? Apple の App Store レビュープロセスは、サードパーティ支払いシステムを実行するアプリに対して突然高い関心を払うようになるであろうか? 開発者 Marco Arment は、それがどの様な進展を見せるかについての意見を表明している。
(ここで Apple の iMessage サービスもやはり終端間の暗号化を使っていることに触れておく価値はあるだろう。けれども連絡先リストにない人物から届いたメッセージを迷惑メッセージとして報告できる以外に、悪い行為を報告する方法はない。迷惑メッセージの報告に対して Apple が何をしているかについては全くもって不明瞭だが、Apple がその設計方法について強い非難を浴びたという話は聞かない。しかしながら、もしも iCloud Backup が有効になっていれば、Messages での会話はバックアップの中で Apple が管理する鍵を使って暗号化されるので、法執行機関が Apple に命じてデータを召喚することが可能となる。最近になるまで WhatsApp にもそれと同じ抜け穴が存在していたけれども、WhatsApp はバックアップの暗号化を始めると発表した。)
しかしながら、他の人に嫌がらせする目的で報告システムを悪用する WhatsApp ユーザーは多い:
このシステムはまた、報告を乱用する人々による人的不手際によっても価値が落とされる。誰かを痛めつけたり、困らせたり、あるいは悪ふざけしたりする目的で訴えを報告する事例が頻繁にある と管理担当者たちは言う。ある管理担当者によれば、ブラジルからメキシコへ送られたメッセージの中で、2 か月ほどにわたって AI が片っ端からグループを接続禁止にしていた時期があって、その理由は いたずら目的で友人たちのグループ名を変更 した上で そのグループを報告する ことが流行していたからだという。最悪の時期には何万件ものそのような事例があったが、これは彼らはアルゴリズムに引っかかる単語を見つけたからのようだ。
大多数のオンラインサービスはあなたの通信に関するメタデータ、例えばあなたの IP アドレス、氏名、電話番号その他を収集している。あなたの通信コンテンツが暗号化されているか否かにかかわらず、これらのメタデータがあなたに関する情報を暴露することはあり得るし、適切な令状があれば法執行機関はほとんど常にそのメタデータにアクセスできる。
おそらくプライバシーに関する最良の助言はボストン政界のボスであった Martin Lomasneyの言葉だろう。「書いてはいけない、語れるならば。語ってはいけない、頷けるならば。頷いてはいけない、ウィンクできるならば。」さらには元ニューヨーク州知事であった Elliot Spitzer がそれをアップデートした言葉もある。「頷けるなら語ってはならないし、ウィンクできるなら頷いてはならず、電子メールも書いてはならない。それは死を意味する。訴追者たちにあらゆる証拠を差し出してしまうことになるからだ。」Spitzer 氏にとって残念なことに、彼は自分自身の助言に従っていなかった。
ライバルの政治家や政府機関による盗聴を心配する必要などない私たちにとってもっと現実的な助言は何かと問う人たちに対して、私がジャーナリスト養成学校で受けた助言をここに書き記しておこう。それは、「New York Times の一面に載っては困ることを、決して電子メールに書いてはならない」という教えだ。私なら、その「電子メールに」という部分を「インターネット上に」に取り替えておくだろうか。
リストの中の Multi-Output Device 項目の下側右の方に、小さなスピーカーアイコンが見えるはずだ。もし見えなければ、Multi-Output Device を Control-クリックして Use This Device For Sound Output を選べばよい。(System Preferences > Sound > Output で出力用に選んでも同じことだ。)
Multi-Output Device を初めて使う時に大き過ぎる音楽で耳を潰さないようにするため、リストの中のマスターデバイスの項目をクリックして、Channel Volume 枠の Master スライダーをかなり低い位置に調節しておく。二次的な出力デバイスについてもそれぞれ同じことをしておく。下のスクリーンショットでお分かりの通り、私の Thunderbolt Display では Front Left と Front Right それぞれに別々のスライダーが出る。
Music アプリに切り替えて、十分に馴染みのあるトラックの再生を始める。できればステレオ分離の良いものを選ぶとよい。私はいつも Dire Straits の Brothers in Arms アルバムをまず使うようにしている。これは、1980 年代末頃に私が初めて買った CD でもある。
Audio MIDI Setup に戻って、個々の出力デバイスを行きつ戻りつしながら最も良い音量に設定するとともに、左右のバランスも調整する。どうやってそれをするかはデバイスに依存する。iMac のスピーカーの場合は Balance スライダーがあるので、右側のスピーカーを優先するためにこのスライダーを右寄りに調整した。Thunderbolt Display には Balance スライダーがないので、左側のスピーカーを優先するために Front Left の音量を大きめにした。iMac の左側のスピーカーと Thunderbolt Display の右側のスピーカーは私の目の前に並んでいるので、音量を小さめにした。
音量スライダーの隣にある Mute チェックボックスに注意しよう。これを使って個別にスピーカーをミュートにし、他のスピーカーの音を試すことで音量やバランスを適切に設定することができた。(理想的な音量を見分けるためのもっと的確な方法が欲しければ、例えば Decibel X のような音圧レベル計測アプリを使って個々のスピーカーごとにサウンドを計測すればよい。)
Boom 3D: Global Delight (ここも TidBITS スポンサー) の Boom 3D が提供する 3D サウンド効果を私はかなり気に入っている。今回の問題に多少関係するいくつかの機能を提供しているけれども、完全に満足できる訳ではない。中でも注目すべき点として、Boom 3D はメニューバーのインターフェイスの中に音量コントロールを持ち、他のどんなアプリの中でも音量をコントロールできるホットキーを割り当てることもできる。その上 Boom 3D にはアプリごとの音量設定もできるという SoundSource に似た機能もある。ただ、メインの音量コントロールをゼロにすることができないのは問題で、ミュート機能としては役に立たない。アプリごとの音量ならばゼロにできるので、個々のアプリのミュートは可能だが、そのためには余分のクリックとスライダーの操作が必要となる。アプリごとの音量のためのホットキーはない。Boom 3D の価格は $14.99 で、TidBITS 会員は 25% 割引を受けられて価格が $11.24 になる。
現実的に、私はこれらのアプリをすべて自由に使えるので、全部を使ってみようと思っている。SoundSource は Mac 上でサウンド関係のあらゆるものを集めたダッシュボードを提供してくれる上に、システム音量コントロールを有効化できる。Keyboard Maestro はキーボードからオーディオをコントロールできるようにするし、Boom 3D は音楽を強化できる。
BeLight Software がインテリアおよびエクステリア用住居デザインソフトウェア Live Home 3D のバージョン 4.1 を出した。50 個以上のハウステンプレートを追加した、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートではまた、物理ベースマテリアルの FBX フォーマットでの読み込み/書き出しに対応し、Project Gallery の中ですべてのテンプレートの名前を手直ししてローカライズし、多角形の輪郭を描く際のパフォーマンスを改善し、追加の扉や窓をダウンロードした後のボタン状態に関する問題を修正し、平板の上でマテリアルがずれるという稀に起こった問題を解消している。
Live Home 3D は無料でダウンロードでき、1 個のプロジェクトには無料で使える。追加のプロジェクトで作業するには、標準版の購読が月額 $4.99 または年額 $9.99、あるいは永久有効ライセンスを $29.99 で購入することもできる。地形編集や強化された資材編集などの機能にアクセスするには Pro 版の料金を支払う必要があり、こちらは月額 $9.99 または年額 $19.99、あるいは永久有効ライセンスが $49.99 だ。(BeLight からも Mac App Store からも新規購入 $29.99、無料アップデート、448.1 MB、リリースノート、macOS 10.14+)
ProjectWizards が Merlin Project 8.0 をリリースした。このパワフルなプロジェクト管理アプリへのメジャーなアップグレードで、Dynamic Help 機能を追加している。これは、かの昔の Macintosh System 7 の Balloon Help を思い起こさせるインターフェイスを使って、ビュー、列、フィールド、コントロールなどの意味を説明するものだ。メインツールバーにある疑問符アイコンをクリックすればこの機能が有効となり、オブジェクトの上にポインタを動かせば情報が得られる。