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#1582: iOS 15.0.1 と iPadOS 15.0.1、Apple Watch Series 7 の予定日、バックアップを巡る教訓、Live Text と Safari 機能拡張の使い方

iOS 15 と iPadOS 15 は 2 件の厄介なバグを含んだまま出荷されていた。そのため、Unlock with Apple Watch (Apple Watch でロック解除) 機能が一部の iPhone 13 ユニットで働かず、誤った "Storage Almost Full" (空き容量が残りわずかです) メッセージが出ることがあった。Apple は今回 iOS 15.0.1 と iPadOS 15.0.1 を出してこれらを修正した。Apple はまた、Apple Watch Series 7 が入手可能になる日付を発表した。バックアップについて考えている人のために、Glenn Fleishman が連続的バックアップを三重にしていたにもかかわらずファイルを失ってしまったエッジケースの教訓を語る。それから、iPhone や iPad をアップグレードした人たちのために、Take Control of iOS 15 and iPadOS 15 の著者 Josh Centers が新機能を紹介する記事を2つ書いた。Live Text を使って画像の中からテキストを選択してコピーする話と、Safari 機能拡張を見付けてインストールし使いこなす話だ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Pages 11.2, Numbers 11.2, Keynote 11.2、Audio Hijack 3.8.6, Piezo 1.7.5, SoundSource 5.3.6、それに Nisus Writer Pro 3.2.2 と Nisus Writer Express 4.2.2 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

iOS 15.0.1 と iPadOS 15.0.1 が Apple Watch でのロック解除と "空き容量が残りわずかです" バグを修正

Apple が iOS 15.0.1iPadOS 15.0.1 をリリースして次のバグを修正した:

私たちは Unlock with Apple Watch 機能が働くようになったことを確認しているが、たぶん Settings > Face ID & Passcode でこの機能を有効に切り替え直す必要があることにご注意頂きたい。

今回のアップデートに公開されたセキュリティ修正は含まれていない。

もしもあなたが iOS 15 または iPadOS 15 を走らせていてこれらのバグを経験しているのならば、直ちにアップデートすべきだろう。Settings > General > Software Update へ行けばできる。15.0.1 アップデートのサイズは iPhone 11 Pro 上で 510.9 MB、第8世代 iPad 上で 445.7 MB だ。

iOS 15.0.1 release notes
顕微鏡なしには読めない Apple のリリースノートを読むには Settings > Accessibility > Zoom で Zoom をオンにしよう。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple Watch Series 7 のリリース日発表

Apple が Apple Watch Series 7 の発売予定日を発表した。2021 年 10 月 8 日の 5 AM PDT にオンラインで注文できるようになり、2021 年 10 月 15 日から Apple Watch Series 7 モデルが店頭で販売される。しかしながら Apple の発表には 10 月 8 日に注文したものがいつ到着するかについては述べられておらず、これは供給量の制約の結果として本当に最初の注文以外については出荷が遅れる可能性があることを示唆しているのかもしれない。

Apple Watch Series 7 の価格は 41mm アルミニウムモデルで $399 からだ。Apple はまだ完全な価格情報を発表していないが、私たちの予想ではステンレススチールモデルが Series 6 と同じく $799 からとなるのだろうと思う。新しいチタニウムの Apple Watch Edition モデルも価格が発表されていない。

Apple はアルミニウムモデルの Apple Watch Series 7 をミッドナイト、スターライト、グリーン、ブルー、(PRODUCT)RED の5色取り揃えている。ステンレススチールモデルはシルバー、グラファイト、ゴールドの3色で、チタニウムモデルはチタニウムとスペースブラックチタニウムの2色だ。いつも通りに Nike と Hermès の各モデルもある。

Colors of the Series 7

全体的に見て、今回の Apple Watch Series 7 は Series 6 からはマイナーなアップグレードに思われる。(2021 年 9 月 14 日の記事“Apple Watch Series 7、穏やかな変化参照。) 最も大きな変更点は広さを有効に使って大きくなったスクリーンで、フルキーボードも採用された。スクリーンは従来より明るくなるとともに耐久性も増した。

Apple Watch Series 5 または 6 を持っている人には、おそらく Series 7 にアップグレードするだけの価値はないだろう。もちろんそれは現在お持ちのものに満足して使っておられる場合の話だが。年月を経つつある Series 4 を使っている場合には、高速になったプロセッサ、大きくなったスクリーン、新しいセンサー、長くなったバッテリー寿命などの魅力がきっと大きい。でも、まだ Series 3 あるいはそれ以前をお使いの方には、Series 7 がとてつもなく向上した Apple Watch 体験を提供してくれるだろうし、アップグレードする価値は十分にあるだろう。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

三層のバックアップがあってもファイルを失った物語 (とそれを予防する方法)

私は何十年にもわたってファイルのバックアップの重要性を説いてきた。フロッピーの時代から、デジタルテープの時代を経て、ローカルおよびクラウドベースのシステムの両方にたとえどんな小さな変更を施されたファイルでも連続的にアーカイブ保存する今日の時代までだ。でも、ほんの数日前、同僚の一人が 45 日前に私と共有してくれたファイルのオリジナル版を永遠に失ってしまったと知った時の私の驚きを、想像して頂けるだろうか。その上、それは私自身の過失が原因だったのだ。

どうしてデータは 45 日で失われたか

読者諸氏よ、私は連続的アーカイブ保存システムを1つでなく2つ、いやいや3つも持っていた:

では、このような三層のバックアップシステムがあるにもかかわらず、一体どうやって私はデータを失ったのだろうか? 同僚の一人が、あるファイルを共有 Dropbox フォルダに追加することで私と共有した。そのファイルは私のコンピュータにコピーされて以来、Dropbox の中で適切に同期された。でも、私は直ちにそのファイルで作業を始めたので、Backblaze と Time Machine のいずれも、私が大幅に編集を加えた後のバージョンのみをバックアップしたが、オリジナル版のファイルはバックアップしなかった。

私は Backblaze を連続的にアーカイブ保存する設定にしているが、新しいファイルや変更されたファイルを認識するまでには少し時間がかかる。同社のサポート書類にも次のように書かれている:

Backblaze は軽量であるように設計されていますので、新たな数字を反映して新しいファイルを見つけるまでに 2 時間かかる可能性があります。2 時間もかかる理由は、Backblaze は CPU とディスクへの負担を低く抑えるために意図的に 非常にゆっくりと 動作するようになっているからです。結果として、新規のファイルや、新たなハードドライブ、変更されたファイルや、設定の変更などを検知するまでに最大 2 時間かかり得るのです。

Apple は Time Machine を1時間ごとに走らせるスケジュールを使っている。Time Machine もやはり、Mac に過大な負担をかけないよう努めているのだ。私の場合、Time Machine がドライブにコピーするより前に変更を加えてしまったか、それともオリジナルをバックアップしたけれどもバックアップドライブの容量を回復させるためにあとで削除したかのどちらかだろう。

お分かりだろうか。ここでの際立った事実を言えば、私がそのファイルのオリジナル版を必要とした時点で、同僚が最初にオリジナル版をアップロードしてから既に 45 日経っていた。私は Backblaze に料金を払って仕事用の Mac に Extended Version History オプションを使っていて、一年分の深さで履歴を保存しているけれども、今回はオリジナル版が取り込まれることはなかったので何の役にも立たなかった。

Time Machine は1時間ごとのスナップショットを保存しているけれども、その後時間が過ぎれば削除してしまう。Apple は次のように説明する:

ストレージデバイスを接続し、バックアップディスクとして選択すれば、Time Machine が過去 24 時間分の毎時間のバックアップ、過去 1 か月分の毎日のバックアップ、過去のすべての月の 1 週間ごとのバックアップを自動的に作成してくれます。

この説明は多少逆行している。つまり、Time Machine は時間が経てば毎時間のバックアップを順繰りに削除する。毎時間のバックアップは最新の 24 個を超えて保持されることはなく、過去 1 か月分のものは毎日 1 個ずつ、前週のものも 1 個ずつ、さらに容量の理由があれば古いものから順に削除される。どのバージョンが削除されたのかを知る簡単な方法はない。何にしても、私が望んだファイルは Time Machine のバックアップからは入手できなかった。

ならば Dropbox に戻ってみよう。そのファイルはまだ Dropbox にあるのだが、古いバージョンを引っ張り出すことはできないのか? Dropbox はファイルの古いバージョンを保持してくれるのだが、それはたった 30 日間のみだ。いや、しかし、私は料金を払って Dropbox の Extended Version History Add-On を使っていたはずだ!

少なくとも私はそう思い込んでいた。長年にわたって。私は 以前は そのオプションに料金を払っていた。マーケティング上の理由で名前が変わるまでは Packrat という名前で知られていたものだった。でも、パンデミックの最中に、妻が Dropbox の無料版で得られる容量 (加えて何年も前に彼女が紹介で得た追加の容量) より以上を必要とするようになったのをきっかけに、Dropbox Plus から Dropbox Family へアップグレードする道を私は選んでいた。Plus と Family の各プランはいずれも 2 TB のストレージを提供するのだが、私は Plus プランのストレージ容量のほんの小さな一部分しか消費していなかった。Plus の価格は月額 $11.99 (年額ならば $119.98) で、Family は月額 $19.99 (年額 $239.88) だ。Family プランには最大 6 人のユーザーが参加できるので、このアップグレードは私たちにとってお買い得だった。

ただ一つ私が見逃していたのは、あるいはアップグレードの際に気付いていても無視していたのは、Family プランにはそもそも Extended Version History がないことだった。何てことだ。

もっと安全なやり方は

では、私はどうすべきだったのか? それは、何十年も前に私たちが TidBITS や Take Control で使っていたのと同じテクニックだ。つまり、ローカルやクラウドベースのアーカイブ保存システムに頼らず、バージョンが明確に判別できるようなフォルダやファイルの名前付け手法を使うことだ。

ファイルを開いて直接編集を加える代わりに、まずそのファイルのコピーを作成してインクリメントした数字を添えたファイル名にし、そのバージョンで作業をする。その前のバージョンは "Old" と名付けたフォルダに入れる。(このフォルダはもっと説明的な名前の付いたフォルダの中に入れておく。) これなら万全だ。私はこのテクニックを使ってほとんどのファイルを管理している。共同作業をする状況においては "Checked Out" フォルダも作っておき、インクリメントしたバージョン番号の後に自分のイニシャルも書き加えることで、誰がそのファイルを編集したか分かるようにしておく。

Manual versioning with an OLD folder

(あともう一つヒントを: 私は長年 Mac を使ってきたのにこの事実を知らなかった。Finder は名前順に並べる際に、句読点で区切られた部分についてはアルファベット順と数値順を使うので、わざわざ先頭に 0 を入れたりする必要がないという事実だ。例で説明すれば、名前に 1.1-9-gf という部分を含んだファイルは、同様の名前で 1.1-8-gf を含むものより後、1.1-10-gf を含むものより前に正しく並ぶ。私がこの事実を知ったのはつい最近だ。素敵ですよね? TidBITS ではこの問題を 25 年前に、1997 年 2 月 3 日の記事“自然の摂理”で議論していたのだが、それがやっと Finder で実現されたわけだ。)

このシステムによって、ベルトとサスペンダーと粘着テープが既に支えているズボンに、もう一つ追加の支えができる。たとえ何かがひどくおかしくなってしまったとしても、これならば深々としたバックアップが揃っていて、現在のファイルの多くのバージョンが残りそうだ。このやり方ならば、仕事の成果を丸々失うことは難しく、多くの仕事を失うことは不可能に近い。

非の打ち所のないファイル管理にもたった一つの見落としが紛れ込むことがあり、私はまさにその状況に追い込まれたのだった。

幸いにも、私の同僚はより良いバージョニング管理をしていて、私がアーカイブシステムを探し回ったあげく成果のないことにがっかりしたほんの数時間後に、編集前のオリジナル版のファイルを私に送ってくれることができた。こうして私は教訓を得た。アーカイブベースのファイルバージョニングは良いものかもしれないが、昔流の手作業バージョニングに依存したバックアップを使っていても何ら恥じることはないのだと。

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Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

iOS 15 と iPadOS 15、Live Text でどんなテキストでもデジタイズする

[訳者注:Live Text は、日本語版では「テキスト表示」と呼ばれていますが、正式には未だ日本語には対応しておらず、デフォルトではオフとなっています。オンにするには、設定 > 一般 > 言語と地域 > テキスト認識表示 に行く。]

iOS 15 と iPadOS 15 における最も素晴らしい機能の一つは Live Text である。これらのオペレーティングシステムを走らせれば、Camera, Photos, Notes, そして Safari アプリは - そして間もなく間違いなくもっと増える - 写真の中のテキストを認識出来、他のテキストと同様それを選択させてくれる。それをコピーし他のアプリにペースト出来る。システム全体に及ぶ検索をすれば、写真の中のテキストも見つけられる。(そして、もし iOS 15 や iPadOS 15 にアップグレード出来ないか未だしていない、或いは macOS 12 Monterey が出荷される以前の Mac 上で同様の能力を持ちたいというのであれば、"TextSniper と Photos Search で画像の中のテキストを扱う" 23 August 2021 を見て欲しい。Live Text が普及した後でも、これらのそして似た様なユーティリティの開発者は、Apple が提供する物を超える方法を探し続けるであろう。)

Live Text はすぐに役に立つ。通常家電の予備部品が必要な場合、私は内部のラベルの写真を撮りモデル番号を見つけ出す。それが今やそのモデル番号を直接コピーし、検索エンジンに手動で入力する代わりにそれをペースト出来る。名刺の写真を撮ったはずだが見つけられない? 今やそれも検索出来る。読んでいる本の中の一節を後で調べてみたい? 写真を撮りそのテキストを Notes にペーストし、後で参照する。

Live Text grabbing a model number

我々の仲間の Michael Cohen は、この機能の賢い使い方を考えついた。テキストのコピーを許さない Libby や他のアプリで何かを読んでいる時でも、スクリーンショットを撮り、そこからテキストをコピー出来る。

Live Text を使うには、iPhone か iPad で、A12 Bionic プロセッサかそれより良い物が必要となる。つまり以下のどれかが必要となる:

iOS 15 と iPadOS 15 の要件の更なる詳細については、"Apple の 2021 年版オペレーティングシステムにおける本当のシステム要件" (11 June 2021) を参照のこと。

殆どの Live Text 利用は、Photos と Camera アプリ, Safari, そしてシステム全般に亘る検索で行われる。また、機器のカメラを使って現物のテキストを、テキスト入力を受け入れるアプリに直接インポートすることも出来る。更なるヒントやこれらのオペレーティングシステムの新機能については、私の本、Take Control of iOS 15 and iPadOS 15 を見て欲しい。

Photos での Live Text

写真の中でも他のテキストと同様に選択する:テキストを青にハイライトされるまで長押しする。次に、青のドラッグハンドルを動かして選択範囲を調整する。テキストの選択が終わると、見慣れたポップオーバーが現れ、テキストをコピー、全てのテキストを選択、或いは言葉を調べるの選択肢が提供される。

問題がある場合、写真の右下隅の Detect Text ボタンをタップする。こうすることで検出されたテキスト以外の画像は暗くなり、テキストがハイライトされる。

Detect Text in Photos

Live Text は通常うまく働くが、テキストが傾いていると、奇妙なことが起こりうる。例えば、含まないようにしようと思っているテキストを強制的に選ばせられたり、テキスト選択の範囲を調整させたりしてくれない等である。

Awkward text selection in Photos
この曲では、他の2行からテキストを選んでいかないと1行を選択させてくれない。

Live Photo を使ってアニメ化するためにも長押しするし、テキストを選ぶにも長押しするので、テキストを含む場合 Live Photo と Live Text はどの様に折り合いを付けるのだろうとお思いかもしれない。Live Photo をアニメ化するにはテキストから離れた場所を長押しすると良い。

Camera での Live Text

もしカメラロールに乱雑に詰め込みたくなければ、Camera アプリの中で直接テキストをコピーする事も出来る。ファインダーの中でテキストに狙いを付ける。Camera アプリが検出したテキストの周りには黄色の輪郭線が現れる。

Text detection in Camera

テキストにズームインするために Detect Text ボタンを押すと、画面はフリーズするのでコピーし易くなる。

Zoomed text in Photos

私は、写真を撮り後でテキストをコピーするよりもこちらの方がやりづらいと感じるので、こちらはあまり使わない。

Live Text を検索する

iOS 15 と iPadOS 15 は、写真の中で認識するテキストを全て索引付けするので、検索が可能になる。奇妙にも、Photos アプリの中の Live Text を検索することは出来ない。代わりに、Home 画面の半ばからスワイプダウンしてシステム全般の検索を立ち上げなければならない (Apple は、iOS と iPadOS の中でこれを Spotlight とはもう呼んでいない)。 Photos 表題の中の Text Found 迄スクロールダウンする。

Searching for text in Photos
"model" を検索してみたら、私が写真を撮った全ての家電のラベルが出てきた。他の写真も何枚か含まれていたが、結果は大幅に絞り込まれている。

Safari (そして他の Web ブラウザ)での Live Text

Photos でと同様、テキストを選ぶために Safari の画像を長押しする事も出来る。ご推察の通り、iOS と iPadOS で全てのブラウザは WebKit に依存しなければならないという Apple の要件を考えれば、Brave や Firefoxyou でも働くし、他のブラウザでも働くと思われる。

Selecting text in an image in Safari

また、Photos の場合と同様、他のアクションを起動するために画像を長押しする必要がある場合は (画像がリンクしている先のページのプレビューを見るとか)、テキストから離れた所を長押しする。

Live Text をアプリに直接インポートする

この能力に慣れ親しむ様になる迄には少々時間が必要かもしれないが、機器のカメラと共に Live Text を使って、現実社会のテキストをテキスト入力を受け入れる如何なるアプリにも直接インポート出来る。テキストフィールドにタップしてポップオーバーを出し Scan Text アイコンをタップする。

Scan Text in the text popover

画面の下半分にファインダーが現れ、テキストは黄色の輪郭で囲まれる。検出されたテキストはテキストフィールドに流れ込むが、それはプレビューである。もしそれが欲しいものであれば、"insert" ボタンをタップする。(名前が小文字なのは何故なのか我々には見当もつかない。)

Scanning text

ご覧の通り、Live Text 経由のテキスト入力は、使いこなすには多少の慣れが必要かもしれないが、極めてうまく働く。

VoiceOver と Live Text

Live Text はまたアクセシビリティに対しても素晴らしい機能と言える。と言うのも、それは画像の中のテキストを VoiceOver を使って読ませられるからである。Settings > Accessibility > VoiceOver > VoiceOver Recognition に行き、Text Recognition をオンにしてそれを有効にする。

VoiceOver が有効になった状態で、テキストを含む写真を見る時、その写真の中のテキストをタップして VoiceOver に読んで貰う。

Live Text を翻訳する

最後のヒント。Translate アプリはシステムサービスなので、選んだテキストなら何でも、写真やカメラで捉えられたテキストも含んで、翻訳出来る。これは、テキストを選択した時に出るポップオーバーに示される選択肢の一つである。

Translating Live Text

これ迄の所、あなたのお気に入りの使い方は何ですか? コメントで知らせて欲しい!

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

iOS 15 と iPadOS 15 の Safari で機能拡張を使う

iOS 15 と iPadOS 15 で、iPhone と iPad はさらにもう一歩フル機能のコンピュータの能力に相応するものへと近付いた。今回 Safari は Mac 上でするのと同じように、それぞれのプラットフォーム上でサードパーティ製の機能拡張に対応した。iOS および iPadOS 用の Safari は数年前からコンテンツブロッカーに対応してきたけれども、今やもっと多くの機能を備えた他の機能拡張を開発者が作成することができるようになった。

Mac 用の Safari 機能拡張と同様に、iOS および iPadOS 用の Safari 機能拡張は App Store にてアプリにバンドルされて入手できる。あなたがインストールしているアプリの多くが、Safari 機能拡張を含んでアップデートされているかもしれない。例えばパスワードマネージャの 1Password は Safari 機能拡張を含んでいてデスクトップ用ブラウザの機能拡張が持つ機能を再現しているし、Reddit アプリの Apollo は Reddit ウェブリンクを自動的に Apollo アプリへリダイレクトする機能拡張を含んでいる。

さらに、今は Safari の機能を拡張するための新しいアプリも出ている。それらのものを見つける方法と、特に便利なもののお奨めをいくつか書いておこう。さらなるヒントについては私の本 Take Control of iOS 15 and iPadOS 15 をご覧頂きたい。

機能拡張を見つける

App Store には Safari 機能拡張のカテゴリーがあるけれども、何となく埋もれている感じだ:

  1. Apps タブをタップする。
  2. 下へずっとスクロールして Top Categories へ行く。
  3. Safari Extensions をタップする。

Safari extensions in the App Store

もしもどこかの時点で Apple が Safari Extensions を "top category" から除外したならば、See All をタップすればカテゴリーすべてのリストがある。

機能拡張はアプリとして配布されているので、インストールする方法は普通のアプリと同じだ。無料のものもあるけれども、それ以外のものは購入しなければならない。いつも通りに、アプリの目録をずうっとスクロールして、そのプライバシー詳細情報を読み、そのアプリがどんなデータを収集するのかを見ておこう。(2021 年 1 月 7 日の記事“Apple、アプリのプライバシーに関する開示とオプトインの厳しい要件を発表”参照。) さらなる保護手段もあるけれども、これについてはあとで触れる。

いくつかの機能拡張を試してみよう

私が試してみて楽しく使えた機能拡張をいくつか紹介しよう。いずれもあなたのデータを収集しない:

Safari 機能拡張を有効にする

機能拡張のアプリをインストールし終えたなら、その機能拡張を有効化しておかなければ使えない。有効化する方法は2つある:

機能拡張が有効化されたからといって、必ずしもそれが動作中ということにはならない。上で説明したばかりのアクセス権の要件があるからだ。機能拡張アイコンをタップして機能拡張のリストを出した際に、オレンジ色の三角形が見えれば (さきほどのスクリーンショットでは 1Password のところに見える) それはアクセス権の問題があることを示している。その項目をタップすれば、現在のウェブサイト上で一日だけ、または今後ずっとアクセス権を有効にするようプロンプトが出る。

インターフェイスを苛立たしく感じるのはここだ。そのプロンプトの後、さらに何度も許可を求めるプロンプトが出ることがある。安売りやクーポンコードを自動的に見つけ出すと称する機能拡張 Honey は、いずれはあなたが最近訪れたウェブサイトのほとんどすべてに対して一つ一つ許可を求めるプロンプトを出すようになるだろう。時には、Cancel をタップしても再び許可を求めてくることさえある。

Honey's permissions prompt

また、どこかのウェブサイトを訪れた際に、有効になっているけれどもアクセス権を認めていない機能拡張、例えば 1Password や Honey のようなものが、ランダムにアクセス権を再度求めてくるという状況に遭遇したこともある。差し当たり私は、認めたいと思う以上のデータを機能拡張が要求してくれば、そのアプリをアンインストールしている。あるいは、例えば 1Password のようにもしそれが実際的でないと思えば、その機能拡張を無効に切り替えている。

Safari 機能拡張を使う

実際の使用法はもう少しややこしいことになる。なぜなら、機能拡張を使うための決まった方法というものはないからだ。Apollo や StopTheMadness のように、アクセス権さえ与えられれば自動的に動作するものもある。Achoo HTML や PiPifier のように、手動で呼び出さなければならないものもある。それからまた他のトリガーに依存するものもあって、例えば Noir はデフォルトではそのデバイス上で Dark Mode が有効になっている場合にのみウェブサイトを暗くする。

そういう訳でお勧めするのは、機能拡張を一つずつ有効化して、それぞれどのような動作をするかを数分間かけて個々に見極めるやり方だ。

調査を始める最良の場所は、Safari の中でその機能拡張アイコンをタップして、メニューからその機能拡張の名前をタップすることだ。これで、その機能拡張が呼び出されるか、あるいはその設定画面が開くかするだろう。また、その機能拡張のアプリを開けば使い方の説明が出るか、あるいはウェブサイトへのリンクが出てそこに説明があるというものもあるかもしれない。

StopTheMadness settings
左: StoptheMadness 設定画面。右: StopTheMadness アプリは空のシェルに過ぎず、説明へのリンクがある。

皆さんのお気に入りの機能拡張をコメントで知らせて頂きたい。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Pages 11.2, Numbers 11.2, and Keynote 11.2

Pages 11.2, Numbers 11.2, Keynote 11.2

Apple が 3 つの iWork アプリをすべてバージョン 11.2 にアップデートして、共有の書類、スプレッドシート、プレゼンテーションにアクセスしている人が他の参加者を追加できるようにした。3 つのアプリはいずれもインスタント翻訳機能を追加して、選択したテキストを 11 の言語に翻訳でき、クリック1つで翻訳を書類に追加できるようにした。また、Dock のアプリケーションアイコンから新規書類を作成できるようにするとともに、レーダーグラフを追加して複数の変数を比較できるようにした。

Pages は見開き2ページ、最適化されたイメージ、より柔軟なバージョン管理を使用してブックを公開できるようになった。Numbers はピボットテーブルへの対応を追加するとともに、Quick Filters を強化して行の表示・非表示を切り替えやすくした。

Keynote は、Mac のカメラまたは外付けカメラを使用してスライド上にライブビデオを表示 (あるいは接続された iOS デバイスの画面を表示) できるようになり、複数発表者スライドショーで共有プレゼンテーション制御への対応を追加し、新しいスライドショーコントロールを追加してスライドナビゲータ、キーボードショートカット、ライブビデオソース、および複数発表者コントロールにアクセスできるようにした。(無料、Pages は 287.3 MB、リリースノートNumbers は 255.9 MB、リリースノートKeynote は 345 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Pages 11.2, Numbers 11.2, Keynote 11.2 の使用体験を話し合おう

Audio Hijack 3.8.6, Piezo 1.7.5, and SoundSource 5.3.6

Audio Hijack 3.8.6, Piezo 1.7.5, SoundSource 5.3.6

Rogue Amoeba が Audio Hijack 3.8.6Piezo 1.7.5SoundSource 5.3.6 に macOS 12 Monterey に対する初期互換性を追加した。いずれのアプリもそのコアを成す Audio Capture Engine を更新し、いずれのアプリも今回から 10.14 Mojave またはそれ以降を要する。

Audio Hijack と SoundSource は新しい AirPlay Receiver 特殊ソースを Monterey 上で追加し、AirPlay 経由で Mac に送られたオーディオを調整できるようにした。Audio Hijack はまた、ソースが現われたり消えたりすると稀に起こることがあったオーディオのアーチファクトをなくし、オーディオソースが不正なデータを提供した際の内蔵 EQ 効果の処理を改良し、複数のオーディオデバイス間のサンプルレートの照合 (クロック同期) を改良した。

SoundSource はサードパーティのプラグインが適用されていない場合のアプリケーションソースの再生レイテンシを減らし、macOS の Fast User Switching を使っている際にも Super Volume Keys 機能が正しく働くようにし、PSP Microcomp オーディオユニットプラグインとの互換性を改善し、Voice Memos を使っている際にオーディオの歪みを引き起こすことがあった稀なコンフリクトに対処した。(Audio Hijack は $49、30.2 MB、リリースノート。Piezo は $19、17.9 MB、リリースノート。SoundSource は $39、25.2 MB、リリースノート。いずれも無料アップデート、TidBITS 会員には 20% 割引、macOS 10.14+)

Audio Hijack 3.8.6, Piezo 1.7.5, SoundSource 5.3.6 の使用体験を話し合おう

Nisus Writer Pro 3.2.2 and Nisus Writer Express 4.2.2

Nisus Writer Pro 3.2.2 と Nisus Writer Express 4.2.2

Nisus Software が Nisus Writer Pro 3.2.2Nisus Writer Express 4.2.2 をリリースして、ベータ版の macOS 12 Monterey を走らせている際に起こったクラッシュに対処した。これらのワードプロセッサアプリはファイルの保存やコピー・ペーストの際に基本文字が誤って重複したバグを修正し、背景の陰影色を変更した際の不規則な挙動に対処し、画像1個をコピー・ペーストするとメタデータが捨て去られてしまうことがあった問題を解消している。また、Nisus Writer Pro は Bookends 14 による変更に応じた調整を施してコミュニケーションを復活させ、Nisus File Converter に関係したバックグラウンド CPU の問題に対処し、表のセルの内部に追跡を受けた変更があった書類を正しく読み込めなかった問題を解消している。(Nisus Writer Pro は新規購入 $65、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、279 MB、リリースノート。Nisus Writer Express は新規購入 $26、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、72 MB、リリースノート。いずれも macOS 10.11+ が必要)

Nisus Writer Pro 3.2.2 と Nisus Writer Express 4.2.2 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

なぜアナリストは Apple TV+ の未来を“信じる”のか

TidBITS 読者たちは Apple TV+ が成功なのか失敗なのかを議論するのが好きだ。米国内の購読者数がたった 810 万人、全世界でも有料購読者数がたった 2 千万人ほどと、Netflix (購読者数 2.09 億人) や新規参入した Disney+ (購読者数 1.16 億人) などストリーミング業界の巨人たちには大きく後れを取っている。Observer の記事が、業界の専門家たちとの議論をもとに Apple の戦略を分析する。結論を要約すれば:

手短に言うなら、これは Apple の製品やバンドルに付加価値を生み出すことを目的とする、収益多様化の手段だ。これは、Netflix の目標がエンターテインメントのコンテンツ購読を販売することのみにあり、Peacock の目標が Comcast インターネットおよびケーブルテレビの契約を増やすことにあるのとはまた別の野心なのだ。

Apple の主たる目標は、利益の多いハードウェアビジネスを補い Apple One サービスバンドルを増強することだ。その価値提案を強化するため、意図的にゆっくりと Apple TV+ を構築して、量よりも質に集中しつつストリーミング業界のライバルたちよりもはるかに少ない出費に抑えている。その一方で、視聴者の嗜好を記録した膨大なデータベースを蓄積することを通じて将来のコンテンツ決断に役立てようとしている。Ted LassoFor All Mankind のようなものをもっと出して欲しいものだ。

Apple TV+ が抱える問題の1つは解約率の高さだ。アナリストたちはその理由を“スナック感覚の番組”の欠如にあると見ている。例えば Frasier は 11 シーズンもあるが多くの人が何度見ても楽しめる。ただ、Apple にはその分野でも追い付けるだけの時間がある。Apple がそう望めばの話だが。Amazon は MGM を買収したものの、既存のライセンス契約の問題のためすべてのコンテンツをストリームできないでいる。

Ted Lasso Believe

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Facebook がインターネットから消えた話

東部標準時で 2021 年 10 月 4 日の正午ごろ Facebook、Instagram、WhatsApp が突然インターネットから消え去り、ほぼ全日にわたってオフラインのままになる事態が起こった。いったいなぜそんなことが起こったのか Facebook の外にいる者にはまだ何も分からないが、インターネット基盤構造会社 Cloudflare が何が悪かったのかについて説明している。すべては Border Gateway Protocol (BGP) と呼ばれる人目に付かない、しかしながら極めて重要なネットワーキング・プロトコルに由来するとのことだ。

BGP により、大規模なネットワーク同士がパケットをどのようなルートで送るかについての情報を互いにやり取りする。2021 年 10 月 4 日の朝に、Facebook の DNS サーバへのルートを取り消すという BGP メッセージが送られ、実質的にその DNS サーバがオフラインとなった。DNS とは Domain Name System であって、例えばあなたが tidbits.com とタイプするだけで (私たちの IP アドレス 172.67.213.57 を入力せずとも) 私たちのサイトを訪れることができるようにするためのインターネット・プロトコルだ。グローバルな DNS サーバが facebook.com という文字列を適切な IP アドレスに照合することができなくなれば、いかなる Facebook サーバに接続することもできない。

その日は一日中、Apple Pay、Gmail、Twitter など他の多くのところでも一時的な機能停止が報告された。セルラーキャリアでも問題が起こった。そのことは下に示した Downdetectorのスクリーンショットでも読み取れる。これはおそらく、Facebook に接続を試みようとする膨大な数のアプリやユーザーがあちこちの DNS サーバに負担を掛けて、インターネットのあらゆるところに副次的な問題を引き起こしたからだろうと思われる。Facebook はおよそ 5 時間後に自らのサーバのルーティングと探索の問題を解消し、Instagram はそのおよそ 1 時間後に回復した。

Downdetector showing Facebook outage

Cloudflare のブログ記事が、この一日から得た教訓をうまくまとめている:

今日の出来事は、インターネットが何百万ものシステムやプロトコルが共に働く非常に複雑かつ相互依存のシステムであるという事実をそっと思い起こさせる。多くの存在の相互にあるこの信頼と標準化と協調とが、世界中のおよそ 50 億人もの実際の利用者のために働くことの核心にある。

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