去年、ノルウェーで小さなスマートフォン修理店を経営している Henrik Huseby が、Apple を相手に訴訟を起こして勝訴した。Jason Koebler が Motherboard に詳しい記事を書いているのでご覧頂きたい。要約すれば、ノルウェーの税関が iPhone 6 と 6s 用の再生品のスクリーン 63 個の荷物を差し押さえたことを受けて、Apple が Huseby を偽造部品を輸入したと糾弾し、$3566 の罰金を支払い不正行為を認めるよう要求した。Huseby と彼の弁護士はこの再生品のスクリーンを Apple のものと宣伝したことは一度もないと反論した。この種の再生部品は本物の Apple 部品から作られていることが多いのだが、Apple ロゴは塗料で塗り潰されていた。
もしもロゴが隠されていなければ、これは European Union の法令に違反していたことだろう。実際、Apple が独立の修理店に部品を渡さないようにするために実行している対策の一つは、あらゆる部品に、内部の部品にさえ、自らのロゴを付けることだったのだから。ノルウェーの裁判所はこの対策の裏を見抜いて、次のように指摘した:
これほど多くの内部コンポーネントに Apple ロゴを刻印するという Apple の選択がどのような商標機能によって正当化されるのか、当法廷には明らかでない... Huseby は非認可の iPhone 修理技術者として市場で活動するために、Apple ロゴを覆い隠したスクリーンを輸入できるということに大きく依存している。
独立の修理店にとって厄介な問題の一つは、必要な部品を Apple が売ってくれないことだ。だから、多くの場合彼らはそれを入手するためにグレーな市場を使わざるを得ない。何が偽造品で何が単にリサイクルされたものであるかの境目は、かなり曖昧だ。これは、偽ブランド品の Rolex を作っている中国の工場のような単純な話ではない。多くの場合、Apple の正規の部品を作っているその同じ工場で「偽造品」も作られている。その上、再生業者はリサイクルされた Apple 部品 (Apple はリサイクルを支持すると主張している) やその他のコンポーネントから交換用部品を作っていることが多い。この話題について詳しくは 2018 年 8 月 17 日の記事“iPhone の修理用パーツはどこから来るのか?”をご覧頂きたい。
Apple は Huseby に対する訴訟に敗れたにもかかわらず、ノルウェーの上級裁判所に控訴しようとしている。でも、スクリーンを壊した iPhone ユーザーたちを助けようとして働いているたった一人のノルウェー人を叩きのめすことに成功しようとしまいと、Apple は修理に関して深刻な問題を抱えている:
デバイスの修理の独占を維持しようと Apple が努めていると同時に、Apple はその需要に応えられないでいる。最近多くの人たちが修理をしてもらおうとしてこの問題を実感している。
多くの人たちが Apple Store から非常に遠い場所に住んでいるし、iPhone の問題の種類によっては Apple Authorized Service Provider でさえ修理できないものがあるので、ユーザーたちは壊れたユニットを修理のために発送することで iPhone なしで長い日数を過ごさざるを得ない結果となる。
Apple は他の面では環境保護のためのいろいろな努力をしているけれども、Apple が修理をする際にはかなりの部品を廃棄している (少しはリサイクルしていると願いたいが) のが実情だ。一方、独立の修理店の少なくとも一部は、壊れたハンダ接合を修理したり、故障した特定のコンポーネントを交換したりして無駄を減らす努力をしている。
すべてが、意味を成さない。Apple の方針は同社に大きな収益をもたらすはずもないにもかかわらず、修理のために Apple と共に働いている人たちにも、そうでない人たちにも、顧客体験を大きく損なう結果を招いているのだから。
私は、これ迄の5年間 Apple TV について知るべきこと全てを記録してきたので、去年の WWDC キーノートで完全に無視された tvOS が、今年のキーノートではトップで取り上げられたことを嬉しく思った。Apple は沢山の気の利いた機能を tvOS 13 で発表した。そこで、September 2019 に出荷されると思われる tvOS 13 がどんなものなのか、ざっと覗いてみた。
新しい Home 画面
Apple は "新しい Home 画面" のことを大きく取り上げているが、それは皆さんが見慣れたものとそれ程違ったものではない。すぐに気づく変化は2つあり、それらは最初の行のアイコンを取り囲む枠と、Home 画面アプリに対して付け加えられたその最初の行のプレビューである。
皆さんがお考えのことは私にも分かるが、これらの自動再生プレビューはそんなに悪いものではない! まるで Apple の誰かが Adam Engst の "#DeathToAutoPlay - 自動再生するオーディオとビデオを廃絶しよう!" (6 February 2019) を見たかのようである。何故ならば、同社は tvOS 13 のプレビューを Netflix が我々を襲ってくるやり方ほどひどいものにしないようにする手段を講じたからである:
ビデオプレビューは最上位行にあるアプリに対してしか現れない。
プレビュービデオが再生されるには、アプリを数秒間ハイライト表示する必要がある。
プレビュービデオは音無しで再生される。
最も重要なのは、プレビューを完全に不能にすることが出来ることで、Auto-Play Video Previews を Settings > General > Accessibility > Motion でオフにすればよい。
音を聞きたければ、プレビュービデオを上方にスワイプして全画面にし、Play を押してビデオを音付きで再生する。右や左にスワイプすることで切り替えられるプレビュービデオが複数存在することもあり得る。(現時点では、プレビューは Music アプリでしか働かない。)
Netflix の侵略的なビデオプレビューとは違い、Apple のものは容易に避けられる。
Control Center と複数ユーザーサポート
私はいつも tvOS に Control Center があればいいなと思っていた - オーディオ出力の切り替えを簡単にしたいというだけの理由からだが - そして、ついにそれが実現した! Apple TV ボタンを長押しすれば、それが立ち上がる。
Control Center では、日付と時間を見る、Apple TV をスリープさせる、背景でのオーディオ再生を制御、オーディオ出力を選択、そして検索が出来る。私は、Apple が、明るいモードとダークモード間の切り替えの様な他の手早くやる設定を追加する、或いは、さらに一歩進んで iOS での様にカスタマイズオプションを提供することも希望するが、現時点では、Settings に行くことなしに AirPods に切り替えられる事だけで十分である。
Control Center でやるもう一つの大事なことは、ユーザー間の切り替えである。その通り、tvOS は iOS よりも早く複数ユーザー対応を手にした。複数の Apple ID を tvOS 13 に追加出来る (Settings > Users and Accounts > Add New User)。これで Home 画面にどのアプリが現れるかが変わるのではなく、Apple TV, App Store, そして Music の様なアプリのコンテンツが変わる。サードパーティアプリが複数ユーザーサポートをどの程度利用するかは、現時点では良くわからない。
下に見られる様に、ユーザーを切り替えると Apple TV で見えるものが変わる。
Apple Music 歌詞
楽しい小さな機能強化がある: Music アプリは今や歌詞を、再生する音楽の進行に合わせて表示する。Apple TV カラオケもそう遠くないのかも?
ゲーム
Apple Arcade は Apple の間もなく登場する定期購読ゲームサービスであるが、 tvOS 13 ベータに独立したアプリとして、そして App Store のタブとして入っている。残念ながら、未だ見られるものはそう多くない。
より興味深いのは、tvOS 13 が - 加えて iOS 13, iPadOS 13, そして macOS 10.15 Catalina も - Xbox One と PlayStation 4 ワイヤレスコントローラーをサポートすることである。Settings > Remotes and Devices > Bluetooth でペア付けする。 (PlayStation 4 コントローラーをペアリングモードにするには、コントローラーのランプが点滅し始めるまで、PlayStation ボタンと Share ボタンを押し続ける。Xbox One コントローラーをペア付けするには、Connect ボタンを数秒間押し続ける。)
WWDC で発表されたものの中で、ゲームコントローラーサポートは、最も予想外のニュース項目であったかもしれない。強いて言えば、ゲーム評論家は常に Apple は独自のコントローラーを開発するであろうと想定していた。結局のところ、Apple は、ゲームコントローラーの設計で Sony や Microsoft の何十年にも亘る経験を上回れないであろうこと、或いは彼らの広範囲で強固に守られた特許ポートフォリオには太刀打ち出来ないであろうことを悟ったのであろう。
これは、これらのゲームコントローラーを既に持っている Apple TV 所有者には朗報である。何故ならば、素晴らしいゲームコントローラーを既に持っており、Siri Remote や iPhone を使ってやるよりも遥かに多くのものを Apple TV ゲームから引き出せるであろうからである。たとえこれらのコントローラーの一つを未だ持っていなくとも、どちらのコントローラーでも市場に出ている MFi ゲームコントローラーよりもずっと良いし、それにより安価でもある。MFi SteelSeries Nimbus はおよそ $50 するが、PlayStation 4 や Xbox コントローラは約 $40 で売られている。従って、tvOS 13 (或いは、その兄弟分のどれでも) をインストールした後、自分のゲーム体験を改善したいと思うのであれば、どちらを選択しても間違いはない。強いて付け加えれば、Xbox コントローラーは Windows 10 をネイティブにサポートしている。
スクリーンセーバー
最後に、Apple は BBC Natural History Unit からの新しいコレクションの 4K HDR スクリーンセーバーを売り込んでいる。このグループは Blue Planet を制作したチームと同じものである。これらは未だ tvOS 13 には入っていないが、間違いなく信じがたく素晴らしいものであろう。我々としては、Apple TV スクリーンセーバーが、巨大な TV をデジタル写真フレームにするのにもっと良い仕事をしてくれることを望みたい。
まとめてみると:洗練された Home 画面、Control Center、複数ユーザーサポート、ゲームコントローラーサポート、そして豪華な新しいスクリーンセーバーとあり、全て合わせて tvOS 13 を Apple TV に対するここ数年で最も興奮させれるアップデートとしている。
信頼性を持って働いている時でも、Qi 充電器は置き方には敏感である。間違った方向に 1 mm ずらすだけで、充電しなくなってしまう。
しかし、私がここ迄無視してきたのは、有線充電にも固有の弱点があることである。最近、私の休暇中に、iPhone X の Lightning ポートが突然働かなくなったことで、このことが鮮明になった。私は考えられる通常の手立ては全て試みた:爪楊枝を使ってポートの穴からゴミを取り除く、圧縮空気を使って何も残らない様念押しをする、そして少々の電気接点クリーナーを吹きかけてみること迄やった。でも、何も役に立たなかった。
もし iPhone 7 Plus のままだったら、これは Qi 充電に対応していないので、この Lightning ポートの故障は我々の休暇に重大な悪影響を及ぼしたであろう。何故ならば、最寄りの Apple Store でも、数百マイル離れていたからである。たとえもっと近くにあったとしても、Apple Store ですぐ対処してもらうのは簡単な話ではない、AppleCare+ があったとしても。
最初のバックアップが済めば、Backblaze や CrashPlan のようなアプリはブロックレベルの「データ重複排除」を行なう。つまり、個々のファイルの小さなブロックを分析して、それらを既にバックアップされたものと比較し、新たなものや変更を受けたもののみをコピーする。巨大なファイルであっても最初のバックアップの後であまり多くの変更を受けなければそれほど問題にならない気がするかもしれない。けれども、Yev が指摘したように、数ギガバイトにもわたるファイルの中のすべてのブロックを分析するために必要なリソースは、かなりのものだ。そのファイルのコピーを保存するために十分なドライブ容量が必要だし、それをした後でバックアップアプリがその数多くのブロックを全部分析するために多くの時間と CPU パワーを費やさなければならない。.
リストアをする段階については、もしもあなたが何ヶ月にもわたって巨大な VM イメージをバックアップし続けていて、定常的に変更を加えてきていた場合、それをリストアする必要が起これば、さらに新たなパフォーマンスの問題に直面することになる。それは、個々にバックアップされていた非常に多くの個数のブロックをバックアップアプリがすべて寄せ集めてリストアを構築する必要があるからだ。寄せ集めるべきブロックの数が多ければ多いほど、バックアップサービスがあなたのファイルを提供するために必要な時間が長くなる。
では、巨大な VM イメージファイルを持っていて、それをバックアップしたい場合はどうすればよいのか? 実際、私はまさにその状況にいる。私は Finger Lakes Runners Club の陸上競技会を管理する HyTek Meet Manager という Windows アプリを走らせるために Parallels Desktop をセットアップしているからだ。Meet Manager はごくたまにしか使わない。一年間にたった 6 回、1日か2日間ずつ使うだけだ。でも使っている時にはデータがきちんとバックアップされていることが非常に重要で、もし何か悪いことが起こっても競技会ファイルを一から作り直す事態だけは避けなければならない。
少なくとも Backblaze では、三通りの解決策がある:
Mac のフォルダを仮想マシンの中の Windows と共有して、重要なデータをすべてそのフォルダの中に保存しておく。私はこの解決策を使っているが、他の方法に比べてこれが断然簡単で、最良の方法だと思う。Windows アプリのデータが、すべて Mac アプリのデータと同様にバックアップされるからだ。
VM イメージファイルをドライブ上に存在するそのままの状態でバックアップする。Backblaze はデフォルトで VM イメージのファイルタイプを除外するけれども、除外リストを編集してそのイメージファイルに対応するファイルタイプをリストから取り除くことは誰にでもできる。しかしながら、上で説明した通り、パフォーマンスに悪影響が出ることは避けられない。
仮想マシンの内部に Windows 版の Backblaze をインストールして、それを設定して Windows アプリの重要なデータをバックアップするようにする。残念ながら、この方法のためには新たに Backblaze のライセンスを買い増ししなければならない。なぜならこの場合、Backblaze は別のコンピュータで動作していると判断するからだ。あなたが四六時中仮想マシンで仕事をしていて共有 Mac フォルダに簡単には保存できないデータが大量にある状況でない限り、これはあまり満足できる解決策とは言えないだろう。
だから、あなたが Backblaze なり CrashPlan なりを使っていようとも、あるいは他のインターネットバックアップサービスを使っていようとも、必ずそれとは別にローカルなバージョン化されたバックアップを Time Machine などのようなものを使って、さらにはまたブート可能な複製を SuperDuper、Carbon Copy Cloner、あるいは Chronosync などを使って、それぞれ備えておくようにしよう。バージョン化されたバックアップは、ファイルが壊れてしまったり人的ミスによってダメージを受けた状態のまま保存されてしまったりした場合に、ファイルの古いバージョンを復活させるためにある。一方、ブート可能な複製は、もしもドライブが死んでしまった場合に可能な限り素早くコンピュータを元通り走る状態に戻すためのものだ。最良の、最も完全なバックアップをするための助言を、ぜひ Joe Kissell の著書 Take Control of Backing Up Your Mac, Third Editionでお読み頂きたい。
Dark Mode は macOS 10.14 Mojave の看板機能だ。Apple は macOS 製品ページの一番上のところでこれを宣伝しさえしている。そこにはこう書いてある:
Dark Mode は仕事に集中できる助けになる新しい魅力的な外観です。コンテンツの微妙な色や細かな点がくっきりと見え、ツールバーやメニューは暗く背景に溶け込みます。System Preferences の General 枠でこれをオンにすれば、あらゆる意味で目に優しい、気を散らされることのない、美しい作業環境が作られます。Dark Mode はあなたの Mac に付属の内蔵アプリでも、この機能を組み込んだサードパーティのアプリでも動作します。
実際、何十ものサードパーティのアプリがこれを組み込んでいる。Mojave が出荷されてから数ヶ月経ち、私たちの TidBITS 監視リストも、このアプリやあのアプリが Dark Mode に対応したとか、何らかの重要な意味でその対応を調整したとか、律儀に報告し続けてきた。
でも、あなたは不審に思ったことはないだろうか。もしも Dark Mode がそんなに素晴らしいものだというなら、最初の Macintosh が登場してから 35 年も経った今になって Apple はそれ以前の Apple ][ と IBM PC の時代の黒い背景の上に文字が出る CRT (ブラウン管) ベースのモニタに戻ろうとしているのというのか、黒い背景の上に浮かぶあの緑色の文字や琥珀色の文字が、本当にそれほど素晴らしかったのか、と。
いや、そうではなかったし、1984 年に遡る Mac の最も重大なデザイン決断の一つこそ、まさに何千年も前から書かれてきた通りに白い背景の上に黒い文字とグラフィックスが描かれるインターフェイスであったのだ。これは別に革新でも何でもなかった。実験的な Xerox Alto (Apple のエンジニアたちはそこから多くのものを真似た) のデザイナーたちも、白い背景の上に黒いテキストを表示する道を選んでいた。さらにもっと遡れば、Douglas Engelbart が NLS を実演してみせた "Mother of All Demos" もまた、白いディスプレイの上に黒い文字を使っていた。けれども、スクリーン上で紙を真似ようとした主流のパーソナルコンピュータは、Macintosh が初めてであった。
残念ながら、Apple のマーケティングが主張している Dark Mode の利点は、人間の視覚についての科学の常識に逆行している。ごく特別の状況を別にすれば、Dark Mode はいかなる意味でも目に優しくない。人間の目と脳は明るい背景の上に暗い色で描かれる方を望むものであり、それを反対にするならば、文章を読み、コントロールを見分け、見えているものを把握するために、目と脳がより多くの労力を注ぎ込むよう強制される結果となる。
流行に乗っていて格好良いかもしれないが、単刀直入に言ってしまえば、Dark Mode はそれをオンにした人たちの作業速度と生産性を下げてしまう可能性が高い。その理由を以下で説明しよう。もしもあなたが単に Apple が宣伝している新しいホットなものだからというだけの理由で Dark Mode を選んだのなら、System Preferences > General であなたの目と脳が好む Light Mode に切り替えて戻ることを真剣に検討すべきだと思う。
例として、私たちの過去記事から紹介させて頂こう。記事“印刷されたページよりずっと良い: iPad で読書する”(2018 年 3 月 15 日) の中で、Charles Maurer は過度に色付けされた 2 枚の Abraham Lincoln の写真を示してこの好みを説明してみせた。どちらの写真もあえて奇妙な色を使うことで慣れが介在する余地を排除しているが、あなたもきっと右側の写真の方が本質的に見分けやすいと感じるだろう。(確かに、顔は他の多くのオブジェクトよりも見分けやすいものだが、この画像は単なる説明のためのものであって理論的な証明は意図していない。)
(私がここで Charles が TidBITS のために書いてくれた記事を引用しているのは、一つには彼の妻 Daphne Maurer が McMaster 大学で働く実験心理学者で、著名な視覚科学者であり、人間の幼児の視覚の発達に関する画期的な研究が評価されて American Association for the Advancement of Science (AAAS、米国科学振興協会) の Fellow となったからだ。Charles は長年広範囲にわたって Daphne と共同研究をしてきていて、現在二人は認知に関する著書の準備中だ。それが理由で、私はこの記事を彼自身で書いてくれるようにと Charles を説得することができなかった。)
Journal of the Human Factors and Ergonomics Society に掲載された別の研究結果は、小さなフォントサイズの細かい文字を読む際に正極性のディスプレイがどれほど役に立つかについて集中的に調べている。この論文で Piepenbrock、Mayr、および Buchner は次のように結論付けた:
両者の間にミスマッチがあれば、例えば戸外でスクリーンが暗過ぎたり、室内でスクリーンが明る過ぎたりすれば、それは見にくい。だからこそ Apple は iOS で自動輝度コントロール (Settings > General > Accessibility > Display Accommodations にある) を実装して、暗い寝室で読書をする際にはスクリーンの明度を下げ、晴れた日に写真を撮ろうとする際には明度を増すようにしたのだ。Apple のアルゴリズムは必ずしもあなたの目が好む通りには働いてくれないかもしれないが、必要となれば Control Center で輝度を手動で調整することもできる。
同じように、Apple の True Tone テクノロジーは多くのデバイス上で周囲の光に合わせた色にディスプレイを適応させて、暖かい色に照らされた部屋の中で冷たく白い iPad 画面を眺める不快さを軽減しようとする。だから、たいていの状況の下で Settings > Display & Brightness (iOS の場合) か System Preferences > Displays (macOS、ハードウェアが対応している場合) を使って True Tone を有効にしておく方が良いだろう。
だから、夜型のプログラマーたちは明かりを点けない部屋で夜通し仕事をしながら Dark Mode の方が快適だと言うかもしれないが、彼らも明るい背景の上の暗色のテキストを使うようにすれば仕事をもっと早く済ませられるかもしれない。(もちろん、部屋の照明に合わせて背景の明るさを適切に調整しておくべきなのは言うまでもない。)
また、特定の使用目的では Dark Mode の素晴らしい利用法もある。例として、あなたが音楽家で、暗いステージ上で MacBook Pro をパフォーマンスの一部として使っているとしよう。確かにその MacBook Pro は Dark Mode では使いにくくて遅いだろうが、そのことを犠牲にしても、暗いステージ上で白い光があなたの顔を照らし出すのは避けなければならないだろう。同じように、もしもあなたが夜ベッドの上で iPhone で何かを読んでいて、あなたの隣で誰かが眠っているとすれば、暗色の上に明色の設定に切り替えるのが心遣いというものだろう。それは電子ブックアプリの中でもできるし、iOS 13 で Dark Mode が使えるようになればそれを使ってもできる。そうすれば、あなたの不眠症のせいでパートナーを起こしてしまうのを防げる。
最後にもう一言。誰もが Dark Mode に関して自分の選択ができるのは当然のことだし、そうすることこそが望ましい。私たちは皆、それは最善のやり方でないという研究結果があろうとなかろうと、自分が好むものについては自分で判断するものだ。
でも、あなたが何を選択しようとも、Apple のマーケティング担当者たちが Dark Mode の宣伝をする際に言っている内容が科学で何ら裏付けられていないということだけは、理解しておくのが大切だ。macOS がずっと以前から System Preferences > Accessibility > Display に Invert Colors (カラーを反転) というオプションを、視覚上の理由で必要とする人たちのために提供してきたという事実を考えれば、この Dark Mode というのは大体において、最新流行だからという類いの理由で存在しているものなのだろうと思える。