私たちは例年 5 月 31 日前後の週に、米国の Memorial Day (戦没者追悼記念日) の祝日のため TidBITS の電子メール号を休刊にしている。家族と共に過ごしつつ、命を国に捧げた人たちに敬意を払うためだ。けれども今年は、滅多にない Memorial Day 記念号を出版したことにお気付きの方もおられたかもしれない。
それには理由がある。私の家族に新たな一員、Elizabeth "Betsy" Anne Centers が、2021 年 6 月 17 日に誕生する予定なのだ。Adam は親切にも私のために TidBITS の出版スケジュールを調節して、この週と週明けの月曜日に私が休みを取れるようにしてくれた。週明けまでには全てが落ち着くことを願いたいが、でも何が起こるかは分からない。私たちの最初の息子 James Harrison は結局緊急の帝王切開で誕生することとなった。(2013 年 8 月 23 日の記事“Canon EOS M、低価格で品質と簡便さを提供”参照。) 二番目の息子 Jeremiah Stone は誕生直後に黄疸と戦うため紫外線照射を受けながら病院で数日間を過ごすことになった。決して楽しい時間ではなかったが、この子は私がそれまでに見た中で最もクールな新生児であった。
いつも言っていることだが、これまで 8 年間 (!) にもわたって私に給料を支払い、子供たちと共に自宅で仕事を続けさせて下さった TidBITS 会員の皆様に御礼申し上げたい。この期間中に Apple 世界を去って行った多くの素晴らしいライターたちやエディターたちを私は知っているし、あまりにも多くの Apple 関係出版が廃刊や衰退に追い込まれた。皆様からのサポートを得ることができた私は、信じられないほど幸せだ。Take Control の著者として、また The Prepared の編集者としての私の他の仕事もあって、妻の Hannah は子供たちと一緒に家に留まることができた。Apple プレッパーという、メディアの中ではこの上なく奇妙なニッチの立ち位置にいる私かもしれないが、どういうわけか私は自分の趣味を家族のため生計を立てるものへと変えることができた。
5G 対応の接続性: iPhone 12 各モデル、iPad Pro 12.9 インチ (第5世代)、iPad Pro 11 インチ (第3世代)
AirPods Pro や AirPods Max を使ったヘッドトラッキング付き Spatial Audio: iPhone 7 かそれ以降、iPad Pro 12.9 インチ (第3世代かそれ以降)、iPad Pro 11 インチ、iPad Air (第3世代かそれ以降)、iPad (第6世代かそれ以降)、iPad mini (第5世代)
macOS 12 Monterey
macOS 12 Monterey では状況がもっと複雑になる。対応するモデルでも分かれるし、また Apple silicon Mac のみで利用できる機能もあるからだ。以下の Mac は少なくとも基本レベルでは Monterey を走らせることができる (モデルの識別方法についてはそれぞれのリンクを使って頂きたい):
AR Object Capture: 少なくとも 16 GB の RAM と 4 GB の VRAM を持つ Mac
Low Power Mode: MacBook (Early 2016) かそれ以降、MacBook Pro (Early 2016) かそれ以降
Universal Control
Universal Control は Monterey と iPadOS 15 の機能で、一つのキーボードとポインティングデバイスで数台の Mac や iPad を使えるというものだが、これを利用するには以下のどれかの Mac が必要だ:
iMac (2017 かそれ以降)
iMac (5K Retina 27 インチ, Late 2015)
iMac Pro
Mac mini (2018 かそれ以降)
Mac Pro (2019)
MacBook Air (2018 かそれ以降)
MacBook Pro (2016 かそれ以降)
MacBook (2016 かそれ以降)
また、Universal Control が使える iPad は以下のもののみだ。これを iPadOS 15 の要件のところでなくここでリストするのは、まず Mac 上で Universal Control を開始しなければならないからだ:
iPad Pro (全モデルらしい)
iPad Air (第3世代) かそれ以降
iPad (第6世代) かそれ以降
iPad mini (第5世代) かそれ以降
Mac への AirPlay
新しい AirPlay to Mac 機能は、別の Apple デバイスから Mac へオーディオやビデオを送信できるものだが、これにもまた個別のシステム要件がある。まず、コンテンツを受信できる Mac は次のものに限られる:
iMac (2019 かそれ以降)
iMac Pro (2017)
Mac mini (2020 かそれ以降)
Mac Pro (2019)
MacBook Air (2018 かそれ以降)
MacBook Pro (2018 かそれ以降)
Apple によれば、フル解像度でコンテンツを送信できるのは、上記の対応 Mac か、または以下に挙げるデバイスのどれかに限られるという:
iPhone 7 かそれ以降
iPad Pro (第2世代) かそれ以降
iPad Air (第3世代) かそれ以降
iPad (第6世代) かそれ以降
iPad mini (第5世代) かそれ以降
そうは言っても、Apple によればもっと旧型の iPhone や iPad や Mac モデルであっても System Preferences > Sharing で "Allow AirPlay for" を "Everyone" または "Anyone on the same network" に設定してあればコンテンツを低解像度で共有することはできる可能性があるという。
Apple はどの機能がどのウォッチで動作するのかの詳細を述べておらず、「利用できる機能はデバイスによって異なります」と述べているだけだ。ここでの制約の大部分は当然ながら必要なハードウェアの欠落に関係しているはずで、例えば血中酸素センサーは Apple Watch Series 6 にしか搭載されていない。
Apple Watch Series 3 シリーズで watchOS 7 へのアップデートがうまくできない問題があったが (2021 年 4 月 12 日の記事“Apple Watch Series 3 アップデートの際の回避策”参照)、watchOS 8 ではその問題が解決されていることを願いたい。
Apple はここ数年間にわたり、自らの全プラットフォームにわたって、とりわけ Safari の中で、個人データの保護を強めるための努力を続けてきた。一部の広告システムは追跡や監視を防ごうとする私たちの要望や、設定や、テクノロジー的方策を尊重しているけれども、他の広告テクノロジーは Apple を相手に絶え間なくいたちごっこを続けて、保護対策を回避しては Apple にさらなる保護の拡張を施させるということを繰り返してきた。広告テクノロジー会社はこの種の反社会的行動を積極的に繰り出し、マーケティング情報の詰まった調査記録をまとめ上げてそれを販売したり、さらには一般的な広告よりも高値で販売できるターゲット化された広告を作ったりしている。
ユーザーの意図を覆そうとするこのような止むことなき圧力の結果として、合意に基づく Do Not Track 設定は既に死に絶えた。そのことはまた、Apple にほぼ毎年のように Safari に変更を施させ、サードパーティ (つまり広告ネットワークやその他のトラッキング会社) が広告を表示するウェブサイトのコード、クッキー、または埋め込まれたメディアを通じて、あるいは訪問者の統計情報を入手することによって、どの情報を推測または抽出できるかに対しての制限を加えざるを得ないようにした。(紛らわしいことに、そしてこれはおそらく歴史的理由によるものだろうが、そのやり取りの中ではウェブサイトが ファースト パーティ、あなた自身が セカンド パーティと見なされる。)
iCloud Private Relay: 新たに iCloud+ に装備されるこの機能は、ルーティングネットワーク Tor に似たものを提供する。これは、VPN (インターネット上の暗号化されたデータ輸送) に擬似匿名性を組み合わせている。iCloud Private Relay を有効にすると、あなたの Safari ブラウジングがすべて暗号化され、匿名の IP アドレスに関連付けられる。リクエストはまず Apple がコントロールする "ingress proxy" (ここはあなたが誰かは知っているがあなたがどのサイトを訪れているかは知らない) に送られ、それからサードパーティの "egress proxy" (ここはあなたがどのサイトを訪れたかは知っているがあなたが誰かは知らない) に送られて、その後で最終的な目的地へ送られる。ログインしていないセッションにおいては、このやり方で有効なユーザー追跡を防止し、そもそもユーザーについてほとんど何も知られないようにできる。Apple が提供する他のセキュアサービスと同様に、Apple はこのシステムを Apple 自身さえブラウジングセッションの暗号を解くことができないように設計した。また、Private Relay は Safari の外においても他に 2 つのタイプの情報を漏らしがちなトラフィックを保護する。デバイス上でインターネットに接続されたソフトウェアならば何でもそれがアクセスしたドメインを明かしてしまう DNS クエリーと、どのアプリからも出される可能性があるセキュアでない (HTTPS でない) ウェブクエリーだ。詳しくは Dave Hamilton が MacObserver に書いた記事をお読み頂きたい。
Hide My Email (メールを非公開): これはアカウントベースのアクセスで使うために開発者に提供される Sign in with Apple の機能を拡張したものだが、Hide My Email (メールを非公開) も iCloud+ に含まれる。そのための電子メールアドレスをランダムに作成して、そこからあなたの iCloud アドレスに転送するので、あなたの実際のメールアドレスを公開することなく電子メールの送受信ができる。Sign in with Apple の他の機能と同様に、これらのアドレスは無効化または削除することができ、そうすればその発信元からの電子メールを二度と受け取ることがなくなる。
Apple はこれらのプライバシー保護の増設や匿名性の拡張を何の目的もなく開発しようと決断した訳ではない。これらはすべて、世界最大の会社の一つである Facebook から、闇の中にうごめく広告テクノロジー会社まで、ユーザーがオンラインにいるありとあらゆる瞬間を収益化しようとする者たちの絶え間ない企てから、ユーザーを保護したいという願いに由来したことなのだ。
無料の機能と有料の機能の双方を追加することで (iCloud+ の料金は月額 $0.99 からで、これで 50 GB のストレージと他にいろいろな利得が付く)、Apple は Amazon、Google、Microsoft といった会社に対してもプライバシー保護を高めるようにという圧力を強めている。Apple が高い利鞘を保ち、予測の難しいハードウェア販売の外での収益を増すための道としてこれらのサービスへの集中を続けているので、プライバシーを第一に掲げたこれらの動きは他より Apple プラットフォームの製品を買いたいと思う顧客を呼び込む働きをするかもしれない。これはユーザー・フレンドリーであると同時に Apple の収益を増す力ともなり、しかも他の会社に対しては Apple の水準に近付く努力を余儀なくさせる働きをも生む。あるいは、その努力をせずあなたのデータに関する意図について嘘をつく会社もあるのだろうか。
ESR の $39.99 の HaloLock Magnetic Wireless Car Charger Mount は独自の給電系を持っている。ケーブルはあるが - 電力は何処かから来なければならない- ケーブルは iPhone にではなくマウントに差し込まれ、もう一方は車の USB ポートに行く。これらの自動車ポートは強力ではないので急速充電は出来ないであろうが、少なくとも、便利さは失われていない。これは、車の通気口に取り付けられる。
HaloLock Magnetic Wireless Car Charger Mount はプラスチック製だが、頑丈な感じで、iPhone をしっかり保持する。私の実験では、道路のかなりひどい段差にでもぶつからない限り動く事はなく、通常の衝撃で外れる事はなかった。磁石の保持力を最大化させるため、Apple や他のメーカーからの MagSafe iPhone ケースを間違いなく使うべきである;MagSafe 非対応のケースで、ただ iPhone の磁力を使うだけだと、保持力は不十分である。
これらの製品のどちらも Made for Magsafe ではない。私が知っている唯一の Made for MagSafe カーマウントは、Belkin の $39.99 の Car Vent Mount PRO with MagSafe だが、それは電話を保持するだけで充電はしない。
iPhone を充電出来るカーマウントで Made for Magsafe であるものが欠如している事を嘆く声を聞くが、有るとしたら、どんなものであろうか? USB ポートを使い細々と充電し、MagSafe の 15 ワットには遙かに及ばない MagSafe マウントを Apple は認証するのであろうか? それとも、私は何かを見落としているのであろうか?