今週は2つの特集記事をお届けする。まず Glenn Fleishman が、現代の新聞に漫画を書いているプロたちがどのようにデジタルツールを使っているかを語るが、それは私たちの多くが想像するような風にではなかった。次に Adam Engst が、Mac 上で保存スペースをクリアするための 21 通りの手段を、最も簡単で安全で有効なものから順番に、よく考え抜いた上で詳しく説明する。それからまた、Walmart が廉価版の M1 MacBook Air の販売を開始したことと、フロッピーディスク業界に独り立つ男の話題についても簡単に紹介する。最後に、今週の Do You Use It? アンケートでは皆さんのお気に入りのポッドキャストアプリをお尋ねする。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Audio Hijack 4.3.2、GarageBand 10.4.11、Little Snitch 5.7.4、Microsoft Office for Mac 16.83、Parallels Desktop 19.3、それに Piezo 1.9 だ。
新聞の寸法、ページ数、発行部数の継続的な低下は、1800 年代後半に現れ、新世紀に入った数年後に完成された新聞漫画フォーマットの将来を脅かしている。掲載されるコマ漫画の数も急落した。最近、Gannett 新聞チェーンは、地元または地域の編集者から漫画の選択権を奪い、"Peanuts" や "For Better or For Worse"など、故人や引退した作家での再放送で人気のあるものを含む 34 のコマ漫画の中からしか選べないようにした。(このグループで残っている女性は一人だけだ:"For Better or For Worse" の作家 Lynn Johnston で、他の漫画家の間でも普遍的に愛されているが、新しい作品は制作していない。) 漫画に対する Gannett の限られた選択は、一部の有名な漫画家や遺産管理団体にとって恩恵であるが、私が話した他の人は、結果としてシンジケーション収入の4分の1から3分の1を失った。
ウェブコミックは、多くの分類不可能な労作とともに、コミック本スタイルと新聞スタイルのコマ漫画の両方をサポートする配布のための現実的な出口であるが、オンライン媒体は、漫画家が生活賃金を得たり、補ったりするために必要な収入を常に提供するとは限らない。何年も何十年も確固たる立場にあると思っていた漫画家は、自分自身を再発明する方法を考えなければならなかった。例えば、"Flash Gordon" と "Sally Forth" の背後にある作家となった King Features の長年の彩色者である Jim Keefe は、漫画での彼の歴史について話し合う Patreonを立ち上げ、技術について話し、図面、ビデオ、そしてアートワークを投稿する場とした。(Jim はまた、漫画やシンジケーションの歴史に興味がある人のための素晴らしいブログ を持っている。)
長年 Mac を使ってきた人たちは、往々にして Finder が報告する空き容量の数字を夢中になって眺めてしまいがちだ。Get Info ダイアログに表示される空き容量の数字を見て、何かファイルを削除してみては、もう一度空き容量の数字を見たりする。そんなことで時間を浪費してはいけない! 今の時代の Mac の容量管理は APFS、Time Machine スナップショット、パージ可能容量、その他のせいで大体において予測不可能だ。これについては Howard Oakley が分かりやすく説明している。それらさまざまのテクノロジーの影響で、いついかなる瞬間にも Finder が報告する数字は信頼できない値だ。あなたがゴミ箱を空にしても、macOS がそれを反映して空き容量の報告を更新するまでに数時間かかることもあり得る。Mac を再起動すれば再計算が起こるかもしれないが、そうならないかもしれない。
だから、空き容量の正確な数値に一喜一憂するのではなくて、これから説明する一連の手順を頭に置いて、たいていの Mac で容量を素早く簡単にクリアすることが可能だと知っておいて頂きたい。Apple もサポート記事にアドバイスを書いていて、そこに書かれたことは間違ってはいないけれども、包括的と言うにはほど遠い。macOS も System Settings > General > Storage 画面上で不要なドライブ使用領域を減らす役に立つツールを提供している。そのいくつかは使う値打ちがあるが、ほとんど役に立たなかったり、不十分だったりするものもある。役に立つものについてはこの記事の中で紹介するつもりだ。
何も考えないまま手順を盲信して実行してはいけない。特に、後の方に挙げる手順についてはよく注意して頂きたい! 常に、削除しようとしているデータが本当に不要なものなのか、しっかり確認してから削除するべきだ。友人や親戚の Mac で手助けをしようとする場合にはなおさら判断が難しいだろう。その人がこれは要らないと言っても、直ちにそれを真に受けてはいけない。
一時的な空き容量をさらにもっと取り戻すために、セーフモードで再起動するという方法もある。大サイズになりがちなキャッシュファイルがクリアされるからだ。Apple silicon を搭載した Mac が登場したことにより、セーフモードでブートする方法が2つに分かれた:
Intel ベースの Mac では、Mac を再起動してから即座に Shift キーを押して押さえ続け、ログインウィンドウが出るまでそのまま待つ。
Apple silicon 搭載の Mac では、まずシステム終了する。それから電源ボタンを押して押さえ続け、"Loading startup options" と出たら手を離す。起動ディスクを選択してから Shift キーを押して押さえ続け、Continue in Safe Mode ボタンをクリックする
セーフモードにキャッシュを削除させるためには、単に Finder へ行くだけでよい。Mac がセーフモードへのブートを終えたら、今度は何も押したり余計な手順を入れたりせず普通に再起動すればいつも通りの仕事に戻れる。(セーフモードで仕事をすべき理由は何もない。) 私の場合はセーフモードで起動しても特に良い結果は得られなかったが、いずれにしても簡単で害のない操作だ。
ドライブ上で何が大容量を浪費しているのかを見極めるのは難しいかもしれないので、ここでは甚だしく容量を浪費しているものを見つけ出すために作られたユーティリティを使うことをお勧めしたい。無料の GrandPerspective、OmniDiskSweeper、Disk Inventory X、あるいは $9.99 の DaisyDisk といったものがある。私は GrandPerspective のグラフィカルな可視化が好きだが、動作がかなり遅くて OmniDiskSweeper の方が断然高速で動作する。こちらは Finder のカラム表示によく似たテキストベースの階層表示を使っている。オープンソースの Disk Inventory X はかなり古い。人気のある DaisyDisk はテキストとグラフィカル双方の組み合わせを使っている。
これらのアプリはドライブ全体をスキャンして (そのため Full Disk Access のアクセス権を与えておく必要がある) 非常に大きなファイルやフォルダを見分ける役に立つので、それをもとに以後の手順でまず何に着目すべきかを判断できるだろう。制御できないほど大きなログファイルや、自動的には除去されないキャッシュファイル、もはや必要のなくなった大きなインストーラやアップデートファイル、使っていない仮想マシンなどの巨大ファイル、そういったものが見分けられる。
古い Mac を使っている人や、複数のバージョンの macOS を経てコンテンツを次々に移行させてきた人の Mac には、もはや動作しなくなっている 32-bit アプリが残っているかもしれず、そういうアプリは削除してもよい。System Settings > General > Storage > Applications を開いて、Kind カラム見出しをクリックし、Unsupported とマークされたアプリをすべて選択して、Delete ボタンをクリックする。Duplicate (重複) とマークされたアプリについても同様にできる。
一般的に言って、もはや使わなくなったアプリを削除してもたいていは問題ない。あとでまた必要になったとしても、ほとんどのアプリは Mac App Store あるいは開発者のウェブサイトからダウンロードし直すことができるからだ。アプリケーションのリストをサイズで並べ替えれば、何ギガバイトもあるのにもう何年も起動していないものが見つかるかもしれない。
Apple の Mail アプリを使って電子メールの添付ファイルを開くと、Mail アプリは MIME エンコードされたメッセージの中からその添付ファイルのコピーを抽出して、ローカルなコピーとして下に示したパス名の場所の中に暗号のような名前のフォルダに入れて保存する。いや、少なくとも私のところと、多くの他の人たちのところではそうなる。TidBITS Talk の議論によれば、そこに何も見つからない人たちもいるようだ。そのフォルダの内容を見るには、下に示したパス名をコピーして、Finder へ行き、Go > Go to Folder (フォルダへ移動) を選んで、そのパス名をペーストする。
いったいなぜ Apple がそのような形で添付ファイルを抽出するのかはよく分からないが、添付ファイル自体は元のメッセージの中にちゃんと残っているので、抽出されたコピーの方を手作業で削除しても何の問題もない。ここに何ギガバイトもの古い添付ファイルが溜まっていたと報告してくれた人たちもいた。
9: 不要なポッドキャストを除去する
Apple の Podcasts アプリで何らかの番組をフォローしていたけれどもその後聴くのをやめたり、あるいは別のポッドキャストアプリやプラットフォームに切り替えたりしたという人は、Podcasts アプリにもう使わないゴミがたくさん残っていることに気付くかもしれない。それを削除して容量を取り戻すには、まず System Settings > General > Storage > Podcasts を開いて不要なポッドキャストのエピソードを選択し、Delete ボタンをクリックすればよい。
もっと集中的な方法を好む人は、Podcasts アプリのサイドバーで Downloaded をクリックしてから、不要なポッドキャストを Control-クリックして Remove Downloads を選べばよい。どちらの方法を使う際も、Podcasts > Settings > General で適切なオプションを設定しておくべきだ。今後エピソードを聴いたりしないと思う番組では、Unfollow Show を選んだ上で Remove From Library をクリックすれば、そのポッドキャストに付随したすべてのものが除去される。
手作業で追加したテレビ番組や映画が容量を浪費している場合は、Location ルールを使ってコンピュータ上にあるもののみを集めたスマートプレイリストを作成する。その中からファイルを削除するには、それらを選択してから、そのどれかを Control-クリックして Delete from Library を選ぶ。その種のビデオは再ダウンロードできないことを忘れてはならない。だから、どこか別の場所にアーカイブ保存してあるか、またはもう二度と観たくないと思う場合にのみ削除するようにしよう。
11: Apple Music や iTunes Match のダウンロード済み楽曲コピーを除去する
TV アプリからダウンロード済みのビデオファイルを除去するのと同じように、Music アプリでダウンロード済みの楽曲を除去できる。理由は分からないが、System Settings の Storage 画面の Music オプションではミュージックビデオのみが表示されて除去可能であり、通常の音楽トラックは表示されない。それでも上に記したスマートプレイリストのやり方は Music アプリでも同じように使える。新規スマートプレイリストを作成して、Cloud Status ルールを使って Apple Music または Matched (iTunes Match 用) にマッチし、かつ Location ルールを使ってそのコンピュータ上にあるもののみを集める。それから見つかったものをすべて選択してから、そのどれかを Control-クリックして Remove Download を選ぶ。ローカルのみに存在している楽曲が削除されることを防ぐために、Cloud Status ルールを適用しておくことが重要だ。
概念的に同様なのが Photos > Settings > iCloud にある Optimize Mac Storage (Mac ストレージを最適化) オプションだ。Apple によればこれを使うとフル解像度の写真やビデオがデバイスのサイズに合わせて縮小されたバージョンに自動的に置き換わるという。そして、あなたが写真やビデオを開いた際に、Photos アプリが自動的にフル解像度のバージョンを iCloud からダウンロードし直す。私は MacBook Air でこのオプションをオンにしておいた。
しかしながら、そうやって容量をクリアしようとする際には2つの点で注意を促しておきたい:
Photos では手作業を使ってダウンロードされた写真を除去しサイズの小さなプレースホルダーのみを残す手段が用意されていない。スペース管理はすべて自動的に起こるので、Optimize Mac Storage オプションをオンにしても即座にスペースがクリアされるとは期待できない。ただし、これをオンにすると macOS に対してオリジナルを除去しても構わないという命令が届くので、空き容量不足によるエラー状態が発生しても自動的に解消されるかもしれない。
クラウドサービスに保存する際に私のファイルの整合性を維持する Apple の能力に関する限りで私は iCloud Photos を信頼しているけれども、それと同時に私はフル解像度の画像をローカルにバックアップして持っていたい。稀な不具合が起こって一生分の記憶が失われてしまう可能性を無視できないからだ。けれども Optimize Mac Storage をオンにした状態では iCloud Photos のローカルなバックアップを作る方法がない。なので、私はこのオプションを MacBook Air のみでオンにして、iMac では "Download Originals to this Mac (オリジナルをこの Mac にダウンロード)" オプションを選んでバックアップを確保しパフォーマンスもより良く保てるようにしている。
しかしながら、それをしてもあまり多くのスペースを取り戻せないかもしれない。Apple は Unix のハードリンクを用いて iPhoto と Photos の双方で同じマスター画像を保存している。iPhoto から Photos への移行をしても実際に iPhoto ライブラリからファイルがコピーされる訳ではなくて、新たなハードリンクが追加されるだけだ。同じように、iPhoto ライブラリを削除してもハードリンクされたファイルがドライブから除去される訳ではなくて、実際のファイルはリンクとは別に独立に存在している。(ハードリンク先のファイルが削除されるのは、それに向けたすべてのハードリンクが削除された場合のみだ。) TidBITS Talk の議論で David C. がこのあたりの動作の仕組みを詳しく説明しているし、TidBITS の過去の記事で何か書かれていないか検索してみたところ Jason Snell の記事“Photos for OS X ベータの第一印象”(2015 年 2 月 9 日) がこの話題についてさらに詳しく解説した Six Colors 記事へのリンクを載せていた。
15: Time Machine スナップショットを削除する
今日の Time Machine はローカルな APFS スナップショットを利用しており、一時間ごとにそれを生成してその前一日間のデータを保持させ、たとえバックアップドライブが利用できなくても最近のファイルならば Time Machine からリストアできるようにしている。これらのスナップショットはボリューム全体を対象にするものだが、APFS の魔法のお陰で個々の項目が前回と比較して変更された部分のデータのみを含んでいる。言い換えれば、もしあなたが一日のうちに膨大な量のデータをダウンロードしたならば、スナップショットによってそのデータ容量が倍増されることになる!
一時的にスペースを回復させたいだけの場合ならば、これらのスナップショットを削除しても構わないだろう。Apple はそうする際に自動バックアップをオフにしておくように勧める。System Settings > General > Time Machine > Options を開いて、バックアップ頻度を Manually (手動) に設定しておく。あとで自動バックアップの設定に戻すのを忘れないようにしよう。ファイルの選択やバックアップの呼び出しについていかなる種類の手動設定であっても、いざ必要となった際にバックアップが存在していない事態に遭遇する可能性を残すことになる。スナップショットは数分以内に自動的に削除されると Apple は言っているけれども、私のテストではそうならないようだった。
私としては、例外的な状況下を除いて Time Machine スナップショットを削除することはお勧めできない。その理由が3つある:
スナップショットは起動ドライブ上にあるけれども、それを削除することでどうやら Time Machine のインターフェイスが既に外付け Time Machine ドライブにコピーし終えたデータさえも表示できなくなるようだ。スナップショットでカバーされていた時期の何かを回復させたい場合には、Finder で個々の Time Machine バックアップフォルダを手作業でブラウズすれば何とかなるかもしれない。
Music アプリについては、重複を識別することはできるけれども、Photos のように重複したものを自動的に統合できる方法は用意されていない。サイドバーで Songs をクリックしてから、View Only Downloaded Music を選び (Apple Music の中で重複しているものを削除しても容量は節約できない)、Option キーを押しながら File > Library > Show Exact Duplicates を選べば、重複してダウンロードしたものが分かり、そのどれかを Control-クリックして Remove Download を選べる。私の推測では、ほとんどの人は重複した楽曲を削除しても大して容量を節約できないのではないかと思う。
最後に、ここまで読み続けてきた人ならば、きっと本当の意味で Mac の内蔵ストレージの容量の限界近くに迫っているのだろう。現代の Mac で内蔵ストレージの容量を拡張することは不可能なので、外付けストレージを検討するのが賢明なやり方だ。SSD でもハードドライブでも構わない。この記事でもあまり使わないデータを外付けストレージに移すことについて何度か触れたが、例えば膨大な Photos ライブラリを持っていてそれをローカルに保持していたい場合、それを外付け SSD に移しておくのは内蔵ドライブの容量をクリアするための非常に効率的な方法となるかもしれない。ただしその場合、起動ボリュームのデータをバックアップするのと同等の厳格さでその外付けボリュームに保存されたファイルのバックアップも作っておくのを忘れないようにしよう!
Microsoft が Outlook の改良と修正に特化したバージョン 16.83 の Office for Mac をリリースした。今回のアップデートでは、連絡先やカレンダーのみにアクセスできる場合でも共有メールボックスを開けるようにし、Teams ユーザーが Outlook の中から Teams Meeting のチャットボタンをクリックできるようにし、商用 Microsoft 365 アカウントに Microsoft To Do 対応を追加し、People モジュールで連絡先リストを作成できるようにし、mailto: リンクの表示名にスペース文字が含まれていると無効な電子メールアドレスになってしまった問題を解消し、Outlook の起動後に CPU 使用量が高くなったバグを修正した。バージョン 16.83 ではまた、Excel で 10,000 個を超える異なる値があり最初の 10,000 個の異なる値の中に空白のセルがあった場合に "Blanks" オプションが表示されなかった問題を修正している。(一回限りの購入は $149.99、年払い講読オプションは $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.15+)
書き起こし機能は Apple の Podcasts アプリの中でしか使えないが、Listen Later はポッドキャストのフィードを作成するのでどんなポッドキャストアプリでも聴ける。そこで、私は Apple の Podcasts アプリが今ではかなり良くなってサードパーティのポッドキャストアプリがかつてほどには魅力的でなくなっているのかどうか知りたくなった。
そういう訳で今週の Do You Use It? アンケートでは皆さんのお気に入りのポッドキャストアプリは何か、あるいはポッドキャストを聴かない人がどれくらいいるのかをお尋ねする。コメントで、そのアプリを気に入っている理由や、私がリストしなかったアプリをお使いの場合にはそのアプリについて、お聞かせ願いたい。