TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1095/26-Sep-2011

今週は理論的なものから実際的なものまでさまざまの記事がある。まず Glenn Fleishman が、他の面では賢い人たちがコンピュータを能率的に使いこなすことにかけてはさっぱり駄目ということがあるのはどうしてかという点について意見を提起する。一方 Michael Cohen の記事は友人が新しい iMac にアップグレードするのを手助けした体験記だ。けっこうややこしい経験をしたが、その原因はたぶん皆さんが予期しなかったものだった。また今週号では Glenn が図書館で貸し出す電子ブックとして Kindle フォーマットの提供を開始すると OverDrive が発表したことを伝え、Joe Kissell が CrashPlan Mobile iOS アプリによりあなたが CrashPlan Central にバックアップしておいたデータへのアクセスが提供されることを紹介する。それから以前の記事の続報として、Quicken の代わりとなる個人用財務処理プログラムについてのさらなる情報をお届けする。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Thunderbolt ソフトウェアおよびディスプレイ・アップデートと、Final Cut Pro X 10.0.1 だ。

記事:

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CrashPlan Mobile でバックアップをいつも持参する

  文: Joe Kissell <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Code 42 Software が CrashPlan Mobile をリリースした。これは無料の iOS アプリで、あなたの CrashPlan Central バックアップにどんな iOS 機器からでもアクセスできるようにする。(別バージョンで Android 機器用のものもある。)このアプリの期待する方法でバックアップをしていさえすれば、ほとんど魔法のように働く。あなたがどのコンピュータからでも CrashPlan を使ってバックアップしたものならば、どのファイルにでも、あなたがどこにいても、ほぼ瞬時にアクセスでき、それはたとえコンピュータがオフラインであっても構わない。私は iPhone と iPad でこのアプリをテストしてみたが、宣伝されている通りにきちんと働いた。遠隔にあるデータへアクセスするために、非常に便利な手段がまた一つ増えた。

まだバージョン 1.0 なので、CrashPlan Mobile にはいくつか重要な機能で多くの人たちが望むと思われるものが欠けている。だから、過度の期待はしない方がよい。(以下に述べる機能の少なくともいくつかは、将来のバージョンで追加される予定だと私は理解している。)

そういった制約はあるものの、文句を言う訳にもいかない。何と言っても、CrashPlan Mobile は無料なのだし、現状でも既にパワフルな機能を私のお気に入りのオンラインバックアップシステムに追加してくれている。時が経てば、きっとさらにもっと便利になることだろう。

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続報: Quicken の代わりを探す

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

記事“Quicken の代わりを探す”(2011 年 8 月 5 日) では、Mac OS X 10.7 Lion で使えなくなったソフトウェア Quicken 2007 (またはそれ以前) の代わりとなるべき個人用財務処理パッケージにあなたが必要とする機能は何か、というあなたが自らに問うべき質問のいくつかを紹介した。それに加えて、さらにどのような質問を私たちのリストに追加すべきかコメントを寄せて頂きたいとお願いした。その通りにして下さった方々も多く、私たちはそうやって寄せられた質問と私たちの質問とを合わせて、記事の中でリストした Quicken の代替候補となる 17 個のパッケージの開発者たちにあてて電子メールで送った。

返答をしてくれた開発者が 8 社あった。そこで、彼らの返答を項目別に集めて記事 "Follow-up to Finding a Replacement for Quicken" (2011 年 9 月 20 日) に紹介しておいた。これは単にリストの大きな集合体であって、後日他の開発者からも返答が届けばまた増えて行くはずのものなので、TidBITS の電子メール号に記事として掲載することはしない。けれどももしあなたが財務処理の必要のために Quicken に代わるべき個人用財務処理パッケージを今も探しておられるのならば、あなたの候補リストを狭めるために私たちが集めた情報がお役に立てれば嬉しい。

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OverDrive、図書館の電子本貸出に Kindle フォーマットの本を追加

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

米国の公共のそして学校の図書館から Amazon の Kindle エコシステム経由で書籍のデジタル版を借りることが可能となる。使えるのは Kindle のハードウェア電子本リーダーとデスクトップとモバイルオペレーティングシステム用のソフトウェアアップスである。しかしこの見出しを一見して受ける印象程には素晴らしいものではない。Amazon は Kindle の品揃えを広げる訳ではない。Amazon と OverDrive の間の合意は Kindle コネクションである。OverDrive とは 11,000 を超す米国内の公共そして学校図書館によって利用されている支配的な書籍のデジタル貸出システムである。(同社は図書をカテゴリ別には分類していない。 個別に組織化された公共図書館は 9,000 あり、学校図書館の数は 100,000 に近い。)

図書館は OverDrive と契約をし、同社が代わりに出版社とライセンス契約を交渉する。OverDrive は Mac OS X, Windows, そしてモバイルプラットフォーム用のソフトウェアを作り、借り出したものが期限付きで利用出来る様になる、これは物理的な書籍の借り出しと同じである。同社は元々オーディオ本のためのロックの掛かった WMA ファイルで事業を始めたのだが、これは Windows でしかサポートされていなかった。OverDrive は MP3 バージョンを 2008 年になって追加したが、これは iPod が普及し始めてから何年も後の事である。つい最近になって、iTunes 経由で同期すること無しに直接ダウンロードしそして演奏できる iOS 及びその他のモバイルアップスもリリースした。(2009 年に Matt Neuburg は OverDrive の Mac OS X のためのオーディオ本の借り出しプロセスに関する苛立ちを書いている、"図書館からオーディオブックをダウンロード: とっても馬鹿げた物語"。 残念ながら、OverDrive は過去数年にわたってそのプロセスを一向に改善していない。)

同社は 2000 年代初期には貸出とオンライン書見のための電子本の提供を始めていて、これには、オーディオ本の場合の様に、短期間貸出を可能にする期限付き Adobe PDF の保護版が使われていた。そして後日 Adobe の保護付 EPUB フォーマットが追加された。これはモバイル読書には恩恵ではあったが、OverDrive 自身の読者達の満足を得るには程遠かった。(今年の初めに Michael Cohen が "OverDrive, Bluefire, and the EPUBlic Library" 18 February 2011 の中で OverDrive の iOS アプリの使用は避け、代わりに無料の Bluefire EPUB と PDF ビューアを使う記事を書いている。)

この Kindle の発表は基本的にはフォーマットの延長であり、OverDrive の蔵書に何十万冊という本を追加する事になる様な図書館と Amazon の間の新たな合意を意味するものでは ない。殆どの場合、今や図書館は彼らの手持ちの OverDrive 電子本を PDF と EPUB に加えて Kindle フォーマットでも提供出来る。

注目に値するのは、OverDrive のライセンスは同時貸出の数の分だけをカバーしている事である。すなわち、仮にある図書館がある電子本について三つの電子本ライセンスを購入し、そして三人が既にそれらを "借り出し" ているとすると、それらが期限切れとなるまでは更なる貸出は出来ない。出版社は今や購入ライセンス当たりの最大貸出数を要求し始めている - Harper Collins 本の場合 26 である。これは物理的な本だと時間が経つに連れて擦り切れていくのを模倣していると言われている、どう見ても正気の話には聞こえないが。

私の地元の図書館、Seattle Public Library には貸出用として 25,000 以上のデジタル物品がある、そしてその内の多くのものが一度に一個だけのライセンスである。そのうち 18,000 が PDF フォーマットで, 24,000 が EPUB フォーマットで、そして 25,000 を超えるものが Kindle フォーマットで借り出されることが可能である。 (殆どのものが EPUB と Kindle で入手可であるが、PDF と EPUB だけというものも少数ある。)

Seattle Public Library のサイトで本を借りるプロセスは、カタログを検索する、借りる物を選ぶ、そして Kindle バージョンをあなたの "カート" に入れるというものから成る、借りるものを集めていくことに対しては何ともそぐわない比喩 - Matt が彼の 2009 年の記事で書いた様に - である。あなたのカートが整った後は、借り出しのプロセスに行き、その後で選択したフォーマットをダウンロード出来る。

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"Get for Kindle" ボタンをクリックすると、新しいブラウザのウィンドウが開くので、そこでその貸出を確認するためにあなたの Kindle アカウントにログインする。その本は自動的にあなたの好みの Kindle 機器に転送されるか、又はモバイル或いはデスクトップアプリに対する次の同期のための待ち行列に入る。貸出が処理されると、Amazon は他の Kindle 商品も購入出来ますと表示してくる。追加のものが購入される事で OverDrive 或いは貸出を仲介した図書館はアフィリエイト手数料を受け取れるのかどうかは明らかにされていない。

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Kindle 貸出は電子本を借りるのに最も手軽な方法である。Amazon の無料ソフトウェアとハードウェアリーダーの全てで Kindle タイトルを読める能力も一つの利点である。しかし、問題は - OverDrive の鈍感なインターフェースの他に - 限られた選択肢である。この動きで広がるのは、図書館が本を貸出出来る機器であって、貸出しに供せられるタイトルの数ではない。私はこのプロセスを試すために借りるに値しそうなものを何かを見つけ出そうとたっぷり 15 分はかけたが、出てきたものは吸血鬼、ゾンビ、そして自己啓発の本ばかりであった。図書館を助ける次の行動は彼らのデジタル蔵書を増やすための資金提供 - そして電子本に対する貸出ライセンスに限度を設けようとしている出版社への抗議であろうか。ひょっとするとゾンビからの支援を仰げるかもしれない。

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鏡よ、鏡、頭の中の鏡さん、コンピュータの説明を手伝ってくれる?

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私は長年、どうしてなのかと思い続けてきた。他の面では賢い人たちが、毎日の仕事で膨大な量の情報を扱っているようなプロフェッショナルたちでさえも、デスクトップのインターフェイスをうまく使いこなせないように見えることの理由を。それとは対照的に、iPad でならばそういう人たちの多くが何のトラブルもなく使いこなせている。私が見たことのあるデバイスの中で、ほとんど誰に手渡しても直ちにその人に基本的操作を使いこなしてもらえるようになったのは iPad が初めてだ。

ある年配の隣人が非常に古いダイヤルアップのメール機器を持っていて、その調子が悪くなり始めた。彼女の義理の息子がやって来て Windows ラップトップ機に乗り換えさせようと試みたが、彼女はどうしてもうんと言わなかった。これは決して Windows を批判しているのではない。私だって彼女に Mac を薦めようとは思わない。けれども彼女は iPad に興味を持ったので、義理の息子は彼女を連れて Apple Store に行き、実際に触ってみた。それから私がもう使っていなかった初代の iPad を彼女に売って(既に義理の息子が彼女の家にブロードバンドの Wi-Fi をセットアップしていた)その使い方を彼女に丁寧に説明した。

彼女は、何が何をするのか全然覚えられないのよ、と言いながら紙にいくつかメモをとったけれど、私は彼女が iOS を十分使いこなせることに自信があった。思った通り、その日の夕方、彼女はその iPad から私に電子メールを送ってきた。でも、馴染みのないデバイスを彼女がこんなに早く使えるようになったのは、単純さが理由ではなかった。何がキーポイントだろうか? 私には、ようやくそこのところが分かった気がする。親愛なる読者諸氏にも、ご意見をお聞かせ願いたい。

Daniel Goleman の本 "Emotional Intelligence" が、「ミラーニューロン」という概念を私に教えてくれた。これは特別の種類のニューロン(神経細胞)で、自ら行動するときと、他者が同じ行動をするのを見ている状態の、両方で興奮する神経細胞だ。このようなニューロンの働きによって私たちが頭の中に他者の行動のモデルを形成している(一種の内的なシミュレーションをしている)のではないかと推測されており、それを裏付けるいくつかの証拠もある。私たちが頭の中で知り合いの人たちと会話する(あるいは論争する)ことができ、自分の論点に対する相手の反応を予測できるのも、これによって説明できるようだ。(ミラーニューロンについては懐疑的な議論もあるが、ここでは私の論旨に最も都合の良いものだけを追って行こうと思う。)

この考え方に基づいて、私は自分自身がコンピュータを使うやり方を観察してみた。グラフィカルなインターフェイスを持つプログラムで作業するとき、私はそのプログラムとやり取りしつつ、そのプログラムがこれからするであろう挙動を予測しモデル化している。ほとんどどのようなアクションについても、私はそのプログラムの反応を想像することができる。これは基本的に、そのプログラムのユーザーインターフェイスの同時進行的シミュレーションが、私の頭の中で作動しているのだ。インターフェイスに対する理解が深まるにつれて、それは他の人物をより深く知るのと同じことだが、私の内的モデルが自己調整をして、実際のインターフェイスにより緊密にマッチするものとなって行く。

これを、プログラマーたちがものを考える立場から見直してみることもできる。私は自分を低級クラスのプログラマーだと自認している。過去 20 年間にわたり、何千時間も(何 時間とは言えないにしても)プログラミングの作業に費やしてきたのだから。でも、上級のプログラマーにとって重要なのは、自分の頭の中でプログラムを走らせることのできる能力だ。そういう人たちは、頭の中に C または Java のコンパイラ、あるいは perl または PHP のインタープリタを内蔵している。もちろん個別の入力が百万行も並ぶようなループを実行することはできないだろうが、彼らはループがどのように作用するか、入力に対してどのような処理が実行されるかといったことを熟知している。要するに、コードをエディタに打ち込んでからはてさてこうすると何が起こるかなと言っているようでは効率的なコードを書くことなどおぼつかないということだ。

さて、私の知人で、伝統的なグラフィカルインターフェイスをうまく使いこなせない人たちは、どうやらこの入力に対してコンピュータが何をするかについての内的シミュレーションが出来ていないようだ。彼らは、他の人たちとやり取りする際に相手の将来の挙動を予測するため依存して使っている自分の技術を、コンピュータに対しては使っていないのだ。彼らにとって、コンピュータを使うのはモグラ叩きのゲームをしているようなもので、次にどこから何が飛び出してくるのか全く予想できず、やみくもにそこらを叩いているだけなのだ。あるいは、これはうまく実行されていない スキナー箱実験のようなものだ。内的モデルを設定していなければ、インターフェイスからの反応はすべて不意打ちでしかないのであって、ユーザーとして何も予測できない結果、インターフェイスと流暢にやり取りすることもできなくなる。

以上のような見方を受け入れて下さるならば、インターフェイスによって私たちをイライラさせるものがある理由も説明できるだろう。具体的にどのインターフェイスと名前を挙げることはしたくない。けれども、これは何かをする方法がただ違っているとかより困難な方法だとかいうことではないのだ。デスクトップにせよモバイルにせよ、現代のオペレーティングシステムのほとんどは、同じ種類のことをほぼ同等の手順数、ほぼ同等の手軽さでできるようになっている。けれども、もしもあなたが複数のインターフェイスの間を行き来して、あまり馴染みのない方のものを大して使わなかったとすれば、それはまさにあなたがキーボードでやり取りしている相手が、一日中一緒に過ごしていた人から、誰か別の変な人物に入れ替わってしまったような具合になるだろう。

例えばこんな情景を思い浮かべてみよう。ある日あなたが会社に出勤してみると、長年同室だった同僚が座っていた椅子に知らない人が座っていたとする。彼とあなたの間に、こんな会話が交わされたとしよう:

「やあ、Bill!」

「君は誰だい?」

「僕は John、君の新しいオフィスメートさ。」

「Justin はどうしたんだ?」

「彼は元気さ。でも彼はしばらく他所に行くことになった。僕はちゃんと同じ仕事のトレーニングを受けているし、彼の書類ばさみもすべてここにある。仕事の速さも僕は得意だよ。」

「うむ、分かった。Justin がいないのは寂しいな。それじゃあ、Wilson の件の仕事に取り掛かろうか。」

「オーケー。それは、どの書類ばさみの中にあるのかな。」

「そこにある、それだよ。」

「どれだい? これかな?」

「違う、違う、それ だよ!」

「怒らなくたっていいじゃないか。さてと。ちょっと赤ペンを貸してくれないか。書類にマークを入れたいから。」

「Justin はいつも青ペンを使っていたよ。それに、どっちにしても、君が使っている記号は意味が分からないぞ。」

「分からなけりゃ教えてあげるよ。オフィスの他の連中もほとんどみんな僕と同じ記号を使ってるさ。大丈夫。二・三日もすればすぐに慣れるよ。まあ、全部覚え込むには二・三週間かかるかもしれないけどね。どっちにしても、そろそろ昼飯の時間だ。」

「寿司にしようか?」

「そういうものは金輪際お断りだ。でも、君なら間違いなくホーギーが大好きになるさ。さあ、ホーギーにしようぜ。」[訳者注: ホーギーは、長い硬いパンに肉、チーズ、野菜などを詰めた大きなサンドイッチ。サブマリンサンドイッチとも呼ばれる。]

こんな調子で時間が経てば、いずれ結末は二つに一つだろう。あなたが John という人物とその(あなたから見た)欠点に慣れて、以前と同じ効率性をもって彼と一緒に仕事をして行けるようになり、ホーギーも好きになれるかもしれない。あるいは、あなたが John を耐え切れないほど腹立たしく不可解な人物だと思うあまり、別の部署に異動しないなら会社を辞めるぞと彼を脅すようになるかもしれない。

こんな話に iPad がどう関係してくるのだろうか? iPad は、どのようなデスクトップインターフェイスに比べてもまさに何もない石板に近い。それは既に実世界の物理的な慣習により合致しているので、やり取りのために内的モデリングを必要とする度合が少なく、その結果としてユーザーの側がモデルを築く必要があまりない。

例えば Apple がジェスチャーを利用する方法を見てみよう。ジェスチャーは、必ずしも直観的なものとは言えない。なぜなら、指を動かすことを教わる必要はないけれども、私たちが毎日の生活の中でその特定の動作をすることはないからだ。けれどもこれらの動作は私たちが身体的体験で期待するものを模倣していて、既存の体験を基にしてインターフェイスの快適さが築かれているのだ。

iPad がフルスクリーンのアプリにこだわる点も見逃してはならない。項目の管理といった要素がどこにもなく、そこにはただ活動の場となるキャンバスのみがある。私たち TidBITS では、以前にも iPad があなたの使っているアプリ そのもの になる、と論じたことがある。けれども、それこそが文字通り頭の中で起こることなのだ。ジェスチャーのみを使ってゲームがプレイできて、キーボードや、ファイルシステム、誤ってクリックしてしまう可能性のあるデスクトップなどを気にせずに済むのならば、それはただ単に学ぶべきものが少ないというだけでなく、シミュレーションする必要のあるものが少ないということを意味している。

今回述べた理論は、まだ熱に浮かされた私の頭の中に染み出し始めたばかりで、私は多くの人たちがどんな風に使っているのかと思案しているところだ。あなたがグラフィカルインターフェイスとやり取りする際、それはあなたの敵か、それとも味方か? あなたは自分の Mac あるいは iOS 機器のすべての挙動を予測できるか? TidBITS 読者の皆さんならば、きっと答はイエスなのだろう。けれども、もしも誰か知人で、伝統的なインターフェイスにより困難を覚えている人と話をする機会があれば、ひょっとして将来の挙動を予測できないことが問題の核心なのではないか、確かめてみて頂ければと思う。

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新しい Mac に移行: 学んだ教訓は

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最近、引退間近の友人(仮に Ishmael という名前にしておこう)が古い Mac を新しいものに入れ替えるのを私は手伝った。彼が使っていたのはデュアルプロセッサの Power Mac G4 で、Mac OS X 10.4 Tiger が走っていた。この友人は決して世間知らずではない。それどころか、彼はエンターテインメント業界で評判の高いプロフェッショナルだ。けれども彼は自らの技術を追求するのに忙しく、コンピュータの知識を学ぶ暇がなかった。もちろん彼はコンピュータを使うことができる。電子メールやワードプロセッシングなどの基本的なことから、かなり高度なこと、例えばハイエンドのビデオ編集などさえもできる。けれども新しいコンピュータを接続したりセットアップしたりということになると、それはできない。彼には、そういう作業を代わりにやってくれる人たちがいる。例えば私のような人たちだ。

そういうわけで、ある日 Ishmael と私は近所の Apple Store に行き、彼が何を買えばよいか見てみることにした。私たちは、最上位機種の 27 インチ iMac が最も彼の必要に合っていると決めた。また、Apple の One to One サービスも良い選択に思えた。このサービスは、古いマシンから新しいマシンへ彼のデータをすべて移行してくれるというし、Ishmael が 10.4 Tiger と 10.7 Lion の違いをしっかり理解できる助けになれるように、トレーニングまで提供してくれるということだったからだ。

そこまで決めておいて、その数日後私は Ishmael の家に行き、彼の古いマシンを接続から外して、そのマシンと彼とともに Apple Store に向かった。ここまでは、すべて順調だ。

ストアに着くとほんの数分で応対してくれる人が見つかり、半時間後にはもう、私たちは新しい最上位機種の iMac と、トラックパッド一台、AppleCare、それと One to One サービス契約の購入をすべて済ませていた。その後だった。「お楽しみ」が始まったのは。

パスワードが分からない -- 私たちを応対してくれた Apple Store 従業員は Ishmael を One to One サービスに登録しようとしたが、このサービスには Apple ID が必要だ。Ishmael は Apple ID を持っていなかった。彼はこれまで iTunes を使ったこともなかったし、その他 Apple ID を必要とするものは何一つ使ったことがなかった。そこで、その Apple Store 従業員は彼のために新規に作ろうとした。ところが、新規の Apple ID 作成に際して、思わぬ困難にぶつかった。なぜかは分からないが Apple ID 登録が受け付けられないように見えた。そこで彼は、Apple からの確認メッセージで手続きするために Ishmael の電子メールをチェックする必要があるようですねと言い出した。

ここで二つ目の困難にぶつかった。Ishmael は、彼の電子メールパスワードを覚えていなかった。笑わないで頂きたい。彼はもう何年も前に誰かに頼んで電子メールアカウントを設定してもらって以来ずっと、電子メールパスワードを入力する必要がなかった。彼にはそうする必要がなかったのだ。長年の間ずっと、彼が電子メールをチェックする度に、電子メールソフトウェアが自動的に入力してくれていたのだから。

そこで、Apple Store にある Mac の一台から Ishmael のウェブメールプロバイダにアクセスするため、私たちは "Forgot password" リンクをクリックした。そこで三つ目の困難だ。Ishmael のパスワードをリセットするために、私たちは ISP からその電子メールアカウントに送られた電子メールに対応する必要があった。

これは本物の Catch-22 (解決の道のないお手上げ状態) で、セキュリティの馬鹿馬鹿しさ加減の事例でもあった。忘れたパスワードを ISP にリセットしてもらうためには、新しいパスワードの入った電子メールを受け取るために Ishmael の電子メールアカウントにアクセスする必要があり、そのためには、その忘れたパスワードそのもの が必要だった。でも、古いパスワードを知っていたならば、そもそも最初からパスワードを変更する必要などない。もちろん、キーチェーンアクセス経由で古いパスワードを見つけることは簡単だったろう。もしも、彼の古い Mac の接続を外して Apple Store に運んで来たのでなかったのならば。その Mac はもう作業のためにストアの奥の部屋に持ち込まれていて、そこに私たちが入ることは許されなかった。(それに、何とかその Mac に触らせてもらえたとしても、ここにはそれに繋ぐことのできる適切なモニタも、その前で作業できるようなスペースもなかった。)

幸いにも、私は iPhone を持って来ていた。不幸なことに、Apple Store 店内の騒音レベルは Boeing 767 のジェットエンジンよりほんの少し静かな程度だったので、ISP の電話受付の樹形図をたどってから係員に問題を説明するのはほとんど不可能に近かった。それでも、20 分ほど大声で電話に叫び続けた結果、ISP の担当者は発信者番号を確認できるように Ishmael の自宅の電話からかけ直すように、と言った。

四つ目の困難だ。Apple Store は、私たちは Ishmael の自宅まで車で往復する間彼のマシンを預かってくれなかった。そこで私たちは、古いマシンと、Ishmael が買ったばかりの新しい iMac を両方とも、車に積み込まなければならなかった。そうして私たちは Ishmael の家に向かった。

Ishmael の家に着いた私たちは、コンピュータは二台ともそのまま車に残して、ISP に電話をかけた。あとで思い出せば非常に愉快とも言える、何度も何度も通話を転送されたり通話が意図せず切れてしまったりといった苦痛を経て、ようやく正しい担当者にたどり着くことができ、電子メールパスワードをリセットしてもらった。それから、急いで車に戻り、Apple Store まで行って、それから Ishmael の古いコンピュータと新しいコンピュータとを両方とも車から降ろし、もう一度 One to One サービスの登録をやり直そうとした。

もう一度 Apple ID の作成を試みたところ、実際、さきほど最初に Apple ID 作成をした際にちゃんと作られていたことが判明した。そこでまたまた新たな困難だ。私たちが二度目に作成しようとした Apple ID は、Ishmael の電子メールアドレスに対応した Apple ID が既に存在していたという理由で、エラーに陥ってしまった。けれども今回は Apple Store 従業員が簡単に問題を回避することができ、Apple ID は適切にセットアップされ、One to One サービスの登録も済んだ。

それから、その Apple Store 従業員は店の奥に戻り、古い Power Mac G4 からその中のデータを移行できるかどうか確かめた。そこでまた困難だ。彼女はそのために、ログインパスワードを必要とした。Ishmael はこのパスワードも知らなかった。彼は、このマシンが最初にセットアップされた時以来、一度もパスワードを入力する必要などなかったという! Apple Store 従業員は少し途方に暮れたようだったが、調べてみましょうと言ってくれた。

数分後、彼女は戻って来て、確かにこの Power Mac G4 には一度もパスワードが設定されたことがなかったと言った。最初のセットアップの際にパスワードの要求に対してただ Return を押すことで、Ishmael はパスワードなしにログインすることも Mac OS X からのすべてのパスワード要求に対しそのまま通過することもできるようになっていたのだった!(これが重大なセキュリティの過ちであることは分かっている。けれども Ishmael のマシンが彼の自宅の鍵のかかったドアの内側にあることを考えれば、また彼の自宅がセキュリティシステムで守られていることを考えれば、それほど 深刻な脆弱状態ではなかったのかもしれない。それでも、私なら決してそんなことはしないだろう。)

ようやくすべてがきちんとしたように見えたので、私たちは Power Mac G4 と新しい iMac を残して店を出、技術スタッフは二つのマシンを移行作業のための順番待ちの行列に並ばせた。

良いバックアップには価値がある -- 悲しいかな、船出はまだ順調ではなかった。一・二日ほど経って Apple Store から Ishmael に電話があり、データの移行の際に問題が起こったと言ってきた。

その夕方、彼と私はまた店に行き、何が問題だったのかと尋ねた。彼らが言うには、移行アシスタントが FireWire 経由で接続できず、Ethernet での接続も、他の方法での接続での試みも、すべて失敗したというのだ。この Power Mac G4 はどんな方法でコミュニケーションをとろうととしても完全に「聞く耳を持たない」状態だったという。それは変だ。実際、この店に持ち込む前、彼は外付け FireWire ドライブでも接続させていたし、Ethernet 接続で彼の DSL モデムにも繋いでいたのだから。

他方、私自身も二ヵ月ほど前に自分が購入した新しい iMac で移行アシスタントを使うのに苦労した覚えがあった。移行アシスタントが、私の 2006 年製 Core Duo iMac と FireWire での接続を維持することができず、Ethernet で試みてもうまく行かなかった。結局私は Wi-Fi 接続を使って移行を済ませることができた。移行アシスタントは、ひょっとすると新型 iMacs で走らせた場合に接続性の問題があるのかもしれない。実際にどうなのかは分からないが、何か他の問題が原因なのではないかという気もした。

私は Apple Store の技術者に、ディスクイメージを作成してからそれを移行させるのはやってみたかと尋ねた。けれども彼は、Apple の方針によってユーザーのデータを外付けドライブにコピーすることは禁じられているのだという。これで空振り三振、Apple Store はアウトだ。私たちはマシンを二台ともまた Ishmael の自宅に持ち帰り、私は次の日もう一度来て何か出来ることをやってみるよと約束した。

幸運が、ついに私たちにも訪れた。たまたま Ishmael は余分のテラバイト級ドライブを持ち合わせていた。彼はそれをいろいろなビデオプロジェクトに使っていたのだ。そのドライブの一つに彼の Power Mac G4 のシステムボリュームのディスクイメージを作れるだけの空き容量があったので、私は Joe Kissell の "Take Control of Mac OS X Backups" で学んだ通りのやり方で、Carbon Copy Cloner を使ってディスクイメージをそのドライブ上に作った。

アカウントの問題 -- クローンイメージが作成できたので、私は新しい iMac の梱包を解いて、セットアップし、バックアップドライブを接続して、これでほぼ準備完了だった。ところが新しい iMac を動かしてみると、既に Apple Store の技術者たちが Ishmael のためにユーザーアカウントをセットアップするところまで行っていて、彼が Power Mac G4 で使っていたのと同じユーザ名を設定していたことが分かった。彼らは、そのアカウントをパスワード無しで作ってさえいた。Ishmael の元のアカウントがそのように設定されていたからだ。

このアカウント名がまた問題だった。Joe の本で指摘されているように、複数のユーザーアカウントを移行アシスタントで統合することはできない。そこで私はこの iMac 上に新規の管理者アカウントを作成し(いずれにしてもアカウントを二つ持つのはどんな場合でも良いことだ)そのアカウントにログインしてから、最初のログインアカウントを削除し、それから、最後に、やっとのことで、もう一度、移行アシスタントの作業を試みることができた。Ishmael のデータを、ディスクイメージから新しい iMac へ移行させるのだ。

そして、ありがたいことに、うまく行った。

移行が終了すると、私は移行後の Ishmael のアカウントに本物のパスワードを設定し、彼に言ってそのパスワードを書き留めたものを安全な場所に保管させた。また、キーチェーンアクセスを使って彼の他のいろいろなパスワードを見つける方法も、説明しておいた。それから、このアカウントをログインアカウントに設定し、こまごましたものをいくつかクリーンアップして、すべてが首尾よく完了した。

学んだ教訓は -- 今回の冒険で学んだことはたくさんある。その中ではっきりと重要なのは二つだ。

まず第一に、パスワードはきちんと記録をつけておくこと。たとえキーチェーンアクセスに(あるいはあなたが使っている他のパスワードユーティリティに)保管されていて自分の手で綴っておく必要がなかったとしても、あらゆるテクノロジーが使えなくなった場合に備えて、それがどこにあるのかは知っておくべきだ。

第二に、常に 良いバックアップを手元に持っておくこと。もし Ishmael が最初から完全なバックアップを作っていたなら、私たちはそれを Apple Store に持って行くだけでそこから彼のデータを移行させることができた。それならば彼の古いマシンを Apple Store に(二度も!)運んで行く必要はなかった。

第三の教訓を挙げるとしたら、それはこの一言: あわてるな (don't panic)。一見解決不可能と思われるような問題であっても、ほとんど常に別の回避方法が存在しているものだ。だから、パニックに陥りそうになっても、いったん止まって、深呼吸して、考えよう。沈思黙考と、調査研究によって、最も厄介な状況もたいていは乗り越えられる。

最後に一言。私たちのいずれの問題についても、Apple Store をとがめる点はないということは指摘しておかねばなるまい。従業員たちは間違いなしに親切で、助けになり、励みになってくれた。彼らは私たちのために、彼らが許されている範囲内で出来る限りのことをしてくれた。こんなに問題が起こったのは、運が悪かったことと、柔軟性のない方針、それと私たちの計画性のなさが原因だった。運が悪いことや、Apple のストア運営方針に対しての対策は何もできないけれど、今後私は友人が新しいマシンに移行するのを助ける際にはもっとじっくりと計画を練るようにしたいと思う。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 9 月 26 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Thunderbolt ソフトウェアおよびディスプレイ・アップデート -- もしもあなたが Thunderbolt を装備した Mac か、あるいは Thunderbolt Display をお持ちならば、Apple がリリースしたばかりの Thunderbolt ソフトウェア・アップデートをインストールするのがよい。これは Mac OS X (60.3 MB) と 10.6 Snow Leopard 用 (65.5 MB) の双方が出ている。Apple によれば、このアップデートにより Apple Thunderbolt Display のサポートと、Thunderbolt デバイスの互換性に関するバグ修正とが提供されるという。さらにもう一つ、Thunderbolt Display ファームウェア・アップデート (923 KB) も新たにリリースされた。こちらは Thunderbolt Display の安定性を向上させる。このファームウェア・アップデートはアップデータアプリケーションの形で出されており、/Applications/Utilities の中にインストールされて自動的に起動される。(無料)

Thunderbolt ソフトウェアおよびディスプレイ・アップデート へのコメントリンク:

Final Cut Pro X 10.0.1 -- Apple は Final Cut Pro X をリリースした際に、プロフェッショナルのビデオ編集コミュニティーから多くの非難を浴びた。このソフトウェアはその前身の Final Cut Pro から劇的に書き変えられており、数多くの改善もあるけれども、プロたちがハイエンドのビデオアプリケーションに要求する中核的機能のいくつかを欠いていた。(2011 年 6 月 22 日の記事“Apple、新しい Final Cut Pro X で新たに再出発”参照。)今回の最新のアップデート、Final Cut Pro X 10.0.1 は、バージョン番号だけを見ればマイナーな改訂のように見えるかもしれないが、実際には相当に大きなアップデートであって、フィードバックとして寄せられた声に Apple が耳を傾けて、優先的に対応したことが見て取れる。プロジェクトやイベント情報の読み込み・書き出しに XML 交換フォーマットが使えるようになった。新設の「ロール」タグで、編集者がプロジェクトの中からいくつかの「ステム」(メディア要素) を判別し書き出すことができる。Xsan 対応も復活し、共有サーバの上にあるものにチームで作業することができるようになった。カメラメーカー各社が Camera Import SDK を利用すれば、さまざまの機種のカメラからメディアの読み込みが能率的にできるようになる。Apple はまた今も欠けている二つの重要な機能、「マルチカム編集」と「放送クオリティのビデオモニタリング」が「2012 年春」に登場予定だとしている。もう一つ重要なことがある。30 日間有効の Final Cut Pro X 試用版が、Apple のウェブサイトから入手可能だ。同社はさらに ProApps QuickTime コーデック 1.0.1 も、Final Cut Pro X、Motion 5、Compressor 4 のユーザー向けにリリースしている。(Mac App Store から無料アップデート、新規購入は $299.99)

Final Cut Pro X 10.0.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2011 年 9 月 26 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

カリフォルニア在住の皆さんは、来週 Mac Computer Expo の会場で TidBITS 編集主任の Jeff Carlson に会える。旅行は無理とおっしゃるのなら、Adam が最近 Portland Macintosh Users Group でビデオ・プレゼンテーションをした映像があるのでご覧あれ。また今週は Sprint がモバイルホットスポットでデータ量無制限のプランを終了するというニュースと、Thunderbolt ディスプレイ接続に関する情報、どんな Mac でも AirDrop を有効にする裏技、それに仕様の項目から Mac の機種を検索できるウェブベースのツールが登場したことを紹介する。

MCE であなたのお好きな Mac 専門家に会える -- 私たちは毎年大規模の Macworld Expo カンファレンスについて記事を書いているが、業界トップの Mac 専門家の何人かが一堂に会するイベントはそれだけではない。来週、TidBITS 編集主任の Jeff Carlson や、他の Mac 有名人たちが、カリフォルニア州 Petaluma で開催される Mac Computer Expo (MCE) に参加する。これは、情報溢れるセッションや刺激の多い会話を、丸一日自由に楽しもうというイベントだ。Jeff は、iOS 用 iMovie でビデオを編集する方法をデモ実演する。(ヒントや問題回避方法も満載だ。)また Jason Snell、Christopher Breen、Ted Landau、Tom Negrino、Jeff Gamet、Derrick Story といった面々とともに講演もする。このイベントでは Bert Monroy による Times Square の印象的なデジタルイラストの展示もある。(高さ 5 フィート (1.5 m)、幅 25 フィート (7.6 m)、Adobe Photoshop と Illustrator で 50 万個以上のレイヤーを使っている。)参加する人はぜひリサイクルに出す電子機器を持参されたい。ハードドライブをリサイクルに出した人の中から、抽選で一名に Mac mini が当たる。MCE への参加は無料で、2011 年 10 月 1 日(土曜日)の午前 9 時から午後 5 時まで開催される。

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Adam が PMUG で Jobs と Lion についてプレゼンテーション -- 数週間前に、Adam は MacVoices ホストの Chuck Joiner とともに Portland Macintosh Users Group の共同 iChat ビデオプレゼンテーションをして、Steve Jobs 以後の時代の Apple について、Lion で何が興味深いか (何が興味深くないか)、Eudora から電子メールを移行させる方法、それから、今や Star Trek のテクノロジーが格好悪く見えることについて語った。

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Thunderbolt ディスプレイ接続の可能性 -- MacBook Pro で Thunderbolt ディスプレイを一台か二台走らせることができるか? MacBook Air ではどうか? Mac mini は? iMac は? その答は機種により大きく異なる。Macworld の James Galbraith が、Apple の新型 Thunderbolt Display をレビューした記事でその点を解説する。

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Sprint、ホットスポットのデータ量に制限を課す -- Sprint が、携帯電話を Wi-Fi ゲートウェイとして使った場合のモバイルホットスポットの使用量に対し、2011 年 10 月 2 日から現行の契約者についても新規の契約者についても 5 GB までという制限を課すようになる。制限を超過した場合には追加の 1 GB あたり $50 の超過料金が MB 単位で計算されて課金される。Sprint は米国のキャリアとしては最後まで真に無制限の 3G サービスを続けてきた。ただし携帯電話上でのデータ使用では無制限サービスが続く - 今のところは!

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Lion の走るすべての Mac で AirDrop を有効に -- Glenn Fleishman が、Lion にごく些細な調整を施すことによって、ピア・ツー・ピアの AirDrop ファイル交換がローカルエリア Ethernet とワイヤレスネットワークで有効になるようにできることを説明する。これにより、そのまま AirDrop が使える適切な Wi-Fi チップを持たない旧機種の Mac でも AirDrop が有効になる。また、対応する Wi-Fi チップを装備した Mac にも有線の LAN アクセス機能が追加される。

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EveryMac による究極の Mac 仕分けツール -- どの iMac に Intel Core i5 プロセッサが使われているか知りたい? あるいは、FireWire の使えない Mac 機種はどれか知りたい? そんなあなたのために、EveryMac がウェブベースのとても素敵なツールを作った。さまざまのシステム仕様項目からあなたが好きなものを選べば、それに該当する Mac 機種が表示される。これはまだベータ版なので、もしも何か誤りとか、改善のための提案とかをお持ちなら、どうか知らせてあげて頂きたい。

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