TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#295/18-Sep-95

今週のTidBITSは、PowerBook 5300シリーズに関する新たな(しかし 残念な)知らせをお届けする。また、ClarisWorks 4.0のHTMLコンバー タに自由度がないことでTonyaが感じるフラストレーションについてや、 MacのWeb サーバのセキュリティーがどの程度確立されているかを決定 するコンテストについての企画をお伝えする。そして、もしもあなたが高 級なInternetサイトを望んでいるのなら、世界は変貌している;Glenn Fleishman氏によるInternetドメインネームに関する新たな料金に関す る調査に目を通してほしい!

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 http://www.powercc.com/News/quotes.html

Copyright 1990-1996 Adam & Tonya Engst. 詳細は末尾を参照してください。
問い合わせは <info@tidbits.com> へ、感想は <editors@tidbits.com> へ



目次:


MailBITS/18-Sep-95

(翻訳::山浦礼子<reiko@aol.com>)

これはテストです。ちょっとしたWebMaster_Macintosh とい う書物を出している仲間は、現実にはどの程度Macのwebサーバに対して 保護することができるのかといったコンテストを企画した。競争相手が取 り出さなければならない「目的」のファイルが入った、WebSTARを搭載 したWebサイトを起ち上げた。ファイルを取り出した最初の人物が、 『macTech Magazine』の年間購読と次回のWebEdge会議のフリーパス を、そして続く2人はWebEdgeのフリーパスを獲得できる。WebSTARの セキュリティを破ることを試みが十分でなければ、Ethernet経由で1番目 のMacに接続された2番目のMacに通じる。この2番目のMacは、 AppleTalkのみでTCP/IPに接続しておらず、もう1つの目的のファイル を持つ;それを取り出せば、あなたは3枚のWebEdgeへのフリーパスを獲 得できる。これらが徒労に終わることを望むが、誰かが破ったほうがよい、 また このことがStarNine社やApple社がセキュリティー上の欠点を補う といった面でも有効であろう。コンテストのルールや詳細は以下のように なっている: [ACE]

http://www.webmastermac.com/security/

Terry Worley氏(前Radius社スタッフ)に感謝 彼はRaius社がピボッ ト・モニタを売り出す以前に、私達が TidBITS-291 のなかでポート レイト・ディスプレイ研究所がピボット・モニタの技術を開発したと伝え ていた内容に対して意見をくれた。私たちは、このことをさかのぼって Radius社の誰であるかということを確かめることができなかったため、 Radius社にお詫びして、我々が言えることは、Radius社のエンジニアは 気の利いたあの回転式モニタについてのアイディアはすべて内部で行なっ たといことだ。[MHA]


PowerBook 5300シリーズが遭遇したバッテリの問題

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:山浦礼子<reiko@aol.com>)

95年9月14日、Apple社は、リチウムイオン電池における潜在的な危険 性に言及して、発売予定のPowerBook 5300シリーズの出荷を中止した ことを発表した。この問題は、190および、2300シリーズといったほか の機種にはなんら影響を与えるものではないTidBITS-292を参 照)。アップル社はディーラーや小売業者に出荷したおよそ1,000台リコー ルし、また100ユニットのみが実際にユーザーの手元に渡っているとして いる。

http://www.apple.com/documents/letters/keast.950915.html

詳細はざっとしたところしかわかっていないが、しかしアップル社のメイ ン・キャンパスにおいて、これら2つの電池のうち充電中に、少なくとも 1つの電池が発火するという「大災害」を引き起こしたことは明らかであ る。

アップル社は、このリチウムイオン電池を、現在PowerBook 190の製品 に使用しているニッケル水素電池(NiMH)に置き替えるとしている。 ROMやハードウェアについての仕様変更はないものの、Apple社はNiMH 電池を扱うために必要な機能拡張書類をインストールしなければならない。 Apple社は、NiMH電池は26W/hの容量を有していると言っており、リチ ウムイオン電池で使用するとしていたものよりも20%少ない電池寿命とな る。なんどきかの5300シリーズと190の不足に備えて、スイッチは増産 するべきであろう。

この問題が5300シリーズの充電に関連する技術に関するものなのか、電 池の製造工程の問題なおかどうかは明確ではない。ほとんどのリチウムイ オン電池はソニーより生産されており、リチウムイオン電池は現在も、 Apple社のラップトップコンピュータ以外にもコンシューマー向けのほか の電化製品に使用されている。ほかの電池と比較してリチウムイオン電池 は優れたパフォーマンスを持っているが、可燃性の高い電解液を含むんで おり、ほかの電池に比べてもっと厳密な充電電圧が必要とされる。リチウ ムイオン電池はマイクロ・コントローラ、温度センサーや気圧を下げるた めの機械式のバルブなお、安全機能を備えており、危険な状況に陥った場 合でも防御してくれるはずである。

もしも5300シリーズのPowerBookを購入し、まだ連絡をしていないの なら、電源を落とし、プラグをはずして、近くのアップルディラーか 800/SOS-APPLへ連絡してほしい。

情報提供:
Appleプロパカンダ
Pytaeus


ClarisWorksとHTML:この関係は保持され得るか?

by Tonya Engst, <tonya@tidbits.com>
(翻訳:小山 純一 <vb4j-oym@asahi-net.or.jp>

Webのバンドワゴンには、あらゆる参入者を受け入れるだけの余地がある。 そして、つい最近、ClarisWorks 4.0がHTMLコンバータを擁して参入し た。プレスリリースというものに対して一般に冷ややかな態度をとりがち な私であるが、ClarisWorksのプレスリリースは私を熱くさせた。その プレスリリースは、教育技術コーディネーター(Instructional Technology Coordinator)による「多くの学校が独自のWebサイトを 立ち上げ始めている現在、World Wide Webドキュメントを作成するた めの簡単な方法が求められている。ClarisWorksのHTML処理機能は画期 的なものであり、学校関係において好評を博することは疑いない」という 言葉を引用していた。それは確かに立派な引用ではあるが、私は、その発 言者はMac上で動作する他のHTMLオーサリングツールの使用経験があっ たのかしらと思った。

相乗効果は何処に? ClarisWorksとそのコンバータが真に画期的な ツールとなるためには、両者が密接に連携して、各部分の総和以上の何か を作り出さなければならない。しかし、残念ながら、ClarisWorksとそ のコンバータは、各部分の総和以下のものを作り出すものでしかない。

Claris社は、ClarisWorksを、HTMLドキュメントを作成するための HTMLオーサリングツールとして位置付けている。実際のところ、 ClarisWorksとそのコンバータは、既存のClarisWorksドキュメントを HTMLに変換しようとする人にとってのみ役に立つに過ぎない。その際に 問題となるのがプレビューである。つまり、ClarisWorksからのプレ ビューは、私自身が試用した他のいかなるHTMLエディタのプレビューよ りも困難なのである。

これは、ClarisWorksはWYSIWYG方式のオーサリング環境を提供してい るのだから、プレビュー機能は必要ないという考え方なのかもしれない。 つまり、コンバータに任せれば、ClarisWorksドキュメントの見出しは HTMLヘッダに、ボールド体のテキストは強調スタイルに、というように それぞれ自動的に変換してくれるというわけである。だが、このような理 論も、コンバータがHTML 2.0のサブセットしかサポートしていないとい う事実を知れば、たちまち色あせてしまう。用語リスト、住所、ブロック 単位の引用、Netscape拡張機能、名前属性とのリンクなどは、すべて手 作業でタグ設定されなければならず、しかもLiteral方式でフォーマット されなければならない。その程度のWYSIWYGなのである。

Nisus Writer以外のワードプロセッサを利用してHTMLドキュメントを 作成するために、手作業でタグを設定する場合には、Webブラウザでプレ ビューを見る前に、毎回、Save Asコマンドを実行して、そのHTMLドキュ メントをテキストとして保存(セーブ)しなければならない。(いくつか のワードプロセッサは、既存のテキストドキュメントを自動的にテキスト としてセーブする機能を備えている。)その理由は、HTMLがテキスト フォーマットであって、Webブラウザは非テキストファイルを認識できな いためである。

一方、HTMLタグの挿入をコンバータに任せるとすれば、プレビューを行 なう度にそのファイルを変換しなければならない。この点に関しては、 ClarisWorksもまた例外ではない。HTMLフォーマットでセーブしようと する時、HTMLコンバータは、そのドキュメントに含まれる特定のエレメ ントやスタイルなどについて検査し、それらに対応するHTMLタグを追加 する処理を無難にこなす。

時には、ClarisWorksドキュメントをHTMLに変換した後で、そのドキュ メントをタグを含んだ状態でオープンし、内容を修正したくなることもあ るだろう。他のプログラムにおけるこのプロセスは、ちょっと修正、セー ブ、そして再ロードという手順の繰り返しとなることが多い。つまり、あ なたが加えたほんの少しの修正の結果を確かめようとする度に、ドキュメ ントをテキストとしてセーブし、Webブラウザに切り換えて、ページを再 ロードしなければならないのである。

ClarisWorksは、このプロセスをさらに複雑なものにする。何故なら、 変換済みのHTMLドキュメントをユーザーがダブルクリックした場合に、 ClarisWorksフォーマットに戻すために再度コンバータを通して、先に コンバータが追加したタグを削除してしまうからである。Claris社が提 供するHTML入門によれば、FileメニューのOpenコマンドを利用すれば、 HTMLドキュメントをオープンし、タグを見ることができるとされている のだが、私が試した限りにおいては、この方法はうまくいかなかった。そ のため、タグを見るために、私は別のワードプロセッサでドキュメントを オープンしなければならなかった。

ドキュメントを簡単にプレビューするための、より良い選択は、HTML Web WeaverやArachnidなどのHTMLオーサリングツールを利用するこ とである。HTML Web Weaverは、 Create_Your_Own_Home_Page(私とAdamが共同執筆した書籍、 数週間以内に刊行予定)の添付ディスクにも含めたのだが、そのプレ ビュー機能は簡単で、使いやすいと断言できる。Arachnidの方はまだ試 用したことはないが、私がしばしば受け取る熱狂的な電子メールの内容か ら、そのソフトウェアを気に入っている人が多いことは明らかである。

ftp://mirrors.aol.com//pub/info-mac/text/html/html-web-weaver-252.hqx
ftp://mirrors.aol.com//pub/info-mac/text/html/arachnid-16b.hqx

簡単なプレビューのための最良の選択は、HTMLエクステンションを組み 込んだBBEditや、Sandra SilcotによるHTMLマクロを組み込んだNisus Writer 4.1などのテキストエディタを利用することである。私の仲間で あるTidBITS編集者Geoffは、HTMLオーサリング機能をサポートしてい るテキストエディタ、Alphaがお気に入りである。

http://www.tiac.net/biz/bbsw/
http://www.nisus-soft.com/
http://www.cs.umd.edu/~keleher/alpha.html

相互サポートは何処に? ほとんどの良好な協力関係においては、お互 いが相手をサポートし合うものである。しかしながら、この場合は、 ClarisWorksが提供しなければならないものに合わせてコンバータをう まく機能させることを、誰も考えなかったように思われる。

ClarisWorksは、最終的にHTMLタグを設定すべきアイテムのスタイルを 簡単に指定することができるHTMLスタイルシートを、独立したパレット として用意している。理解に苦しむのは、このパレットが、コンバータが 認識できないリストスタイル(Diamond、Harvard、およびLegal)を含 んでいることである。ClarisWorksに付属するHTML入門は、リストを作 成するには、まず各項目の前にタブを挿入し、続いてバレット(黒丸)ま たは数字を入力しなければならないと説明している。そして、HTMLスタ イルシート上に現れるリストスタイルについては一切言及していない のである。(リストスタイルはデフォルト状態のパレット上に現れ、削除 することはできないのであるから、コンバータはそれらをきちんと認識し、 変換すべきである、と私は思う。)

コンバータに新規段落タグを挿入させるには、単にリターンを入力するだ けでよい。しかし、改行タグを挿入させるためには、まずリターンを入力 し、前の段落に対するSpace Afterをゼロに設定しなければならない。2 個のリターンが新規段落タグになり、1個のリターンが改行タグになって もよいのではないか?

私の最後の不満は、リンクに関するものである。HREFリンクを作成する には、リンクテキストをハイライト表示させた上で、Linkボタンをクリッ クする。これにより、URLをタイプまたはペーストするための脚注が作ら れる。残念なことに、HTMLステーショナリに含まれる脚注は、10ポイン ト、Helvetica、文字色青のテキストが、少ない行間で表示される。これ はもっと読みやすいスタイルに設定されるべきであった。そして、当然の ことながら、脚注を含んだ既存のドキュメントを変換した場合にも大混乱 が発生するのである。

この関係は保持され得るか? ClarisWorksは一貫性を保つ必要があ る。Claris社の目的が単にHTMLコンバータを備えることにあるなら、現 行のスタイルとテクニックを改良することによって、既存の ClarisWorksドキュメントを手軽にHTMLに変換できるようなツールを実 現することができるだろう。しかしながら、Claris社が、新たにHTMLド キュメントを作成しようとする人々の役に立つようなものとして、このコ ンバータを位置付けているとすれば大いに問題である。

これはワードプロセッサにとっては、混乱以外の何物でもない。ほとんど のワードプロセッサは、印刷されるドキュメントを作成するための機能を 満載しているのに対して、今や、ユーザーは電子的ドキュメントを管理し たり、作成したりする作業を支援してくれる機能を求めているのである。 ほとんどのワードプロセッサは新しい機能など全く必要としていないので あるから、Claris社も無理をしてClarisWorksをHTMLという型にはめ るべきではないと思う。その代わりに、ClarisWorksドキュメントをエ レガントにインポートおよびエクスポートできるような独立したHTMLエ ディタを、Claris社は開発すべきであろう。

子供たちはどうすればいいの? 「でも、ちょっと待てよ…」と、あな たは考え込むかもしれない。「ClarisWorks HTMLコンバータの利点は、 HTMLを学ぶ必要がないことにあるんじゃないか?」 HTMLを学びたい と思わない人々は、ClarisWorksの中にも救いを見出すことはないだろ う。(あなたがHTML 2.0のサブセットに制限されることに不満がないと 仮定すれば)ClarisWorksの中にいる限りHTMLタグをタイプする必要は ない。だが、正しく変換されるようなドキュメントを作成するためにあな たが覚えておかなければならない規則は、HTMLをほんの少しだけ学ぶの と同じくらい複雑なのである。

さらに、多分あなたは、コンバートされたドキュメントをタグ付きのまま で編集したいと考えるだろう。たとえば、HTMLフォーマットでセーブす る時に、コンバータはドキュメントに与えられた名前に基づいてタイトル タグを作成するが、これはあなたの望むところではないだろう。特に、 “default.html”というような無味乾燥な名前をドキュメントに付けな ければならない場合には、なおさらそうである。

このコンバータには、グラフィックスに関しても若干の問題がある。コン バータは、ClarisWorks上のグラフィックスをPICTファイルとして変換 するのである。ただし、PICTファイルは適当なユーティリティを利用す ればGIFに変換することができる。さらに、コンバータはそのグラフィッ クスの代わりにIMGタグをHTMLドキュメントに追加するが、あなたはこ の基本的なIMGタグにアトリビュートも追加したいと思うかもしれない。 これとは対照的に、HTML+(Leonard Rosentholが作成した、XTNDシ ステム対応のワードプロセッサで動作するHTMLコンバータ)には clip2gifが添付されており、自動的にGIFファイルを作成してくれる。

ftp://mirrors.aol.com/pub/info-mac/text/html/html-plus-xtnd.hqx

HTMLに限らず、何も学びたくないと言う人々にとっては、現時点で選択 できるオプション(Ceneca社のPageMill $195は未発売 ― TidBITS-290参照)の中で、HomeMaker(HyperCardスタック)が最良の選択 である。 HomeMakerは、何も考えずに簡単に使えるツールである。もう 1つのHyperCardスタックWebDoorは、もしあなたがOpen Door Networks(ここの人達がWebDoorを作成している)のInternetアカウ ントを持っているなら、もっと簡単に使える。

ftp://mirrors.aol.com/pub/info-mac/text/html/home-maker-10b8-hc.hqx
ftp://mirrors.aol.com/pub/info-mac/text/html/webdoor-publisher-11.hqx
http://www.opendoor.com/webdoor/WebDoor.html

結語 -- 私は、Claris社がHTMLコンバータを付属させたことを祝福 したいと思っているし、何人かの人がそれを実現するために長く、困難な 作業に取り組んだであろうことも承知している。その一方で、革新的で、 良質なMac向けのHTMLツールの登場を待ち焦がれているのであるが、現 在のところ、ClarisWorksはその域には達していない。


Bare Bones Software -- 508/651-3561 -- 508/651-7584
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Claris -- 800/325-2747 -- 408/987-7000 -- 408/727-9054
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503/488-1708 (fax) -- <info@opendoor.com>


ドメインネーム登録料金開始

by Glenn Fleishman <glenn@popco.com>
(翻訳:水木 潔 <HGH03125@niftyserve.or.jp>)
(翻訳:遠藤 美加<HGD01374@niftyserve.or.jp>)

国立科学財団(The National Science Foundation:以下NSFと略)は先 週わずかに残っている合衆国連邦の基金の1つであるInternetプロジェク トの財政計画を変更しました。NSFとInterNICの登録サービス部門、こ こは登録とドメインネームの

維持をしています、は95年9月14日の真夜中から権限下にある全ての新 しいドメインネームの登録を2年間の登録料を含めて100ドルとしました。 新旧ドメインの1年間の更新料は初期登録日毎の支払い期日で50ドルの予 定です。

ドメインネームは技術的にInternetアドレスの「人間が読める」形になっ ています。Internet上の機械毎に唯一の番号:Internetプロトコル(IP) アドレスを割り当てられています。 番号は0.0.0.0の形で、しばしば 「dotted-quad」(ドットで区切った4つの数字<注:水木>)と呼ばれ ています。この番号で、Internet上のいかなる場所の特定の機械をも直 接指定する事ができます。たとえば、Apple社のWebサーバーの www.apple.comは17.255.0.64です。Apple社のInternet用の機械は すべてapple.comドメイン内の名前を持っています。

この料金制はドメイン登録に対する合衆国連邦の基金を実質的に変更する でしょう;現在、Network Solutions, Inc.(NSI)社は、1993年競争入 札の下、NSFから5年契約で登録サービス部門の運営を任されています。 その入札にはドメインネームに対する料金の実質的徴収の可能性も含まれ ていました。保守党の概算ではこの料金により大幅な新規登録と更新の減 少があると仮定しても、1996年度に500万ドル以上にのぼる可能性があ ると示しています。

この実行については広く予測されており、ニュースグループやオンライン に関する話題をカバーしている印刷物と同様にcom-priv-Internetに関 する話題を事後際限無く議論しているリスト - のようなメーリングリス トでも充分に語り尽くされてきました。この動きは明らかに土壇場の登録 殺到を防ぐ為に事前の警告なしに行なわれました。(いくつかの記事は NSFが今週方針を発表する予定だと示唆していましたが、リークが情報公 開を早めました。)

NSFは非常に深くInternetに関わっているので、決定、料金及び彼らが これをする権威をなぜ持つに至ったかの歴史についての多量の有益な情報 を彼らは以下に掲載しています:

http://rs.internic.net/announcements/index.html

New York TimesやWall Street Journalを含む主要な新聞の一面や経 済面の一面を飾った発表以来、サードパーティによる予測と説明が溢れ出 ています。分析に取り掛かる前に、別の点を論じましょう。

InterNICとは? NSFはInternetユーザーに情報と登録サービスを提 供するために - 1993年に - 消費者や中小企業よりはむしろ大部分学術、 政府及び法人団体を対象としてInterNIC(Internet Network Information Center)を設立しました。NSFは、数年に渡って - Internetにおいて方針をどのように現実の装置に置き換えるかの最終決 定をする部分で - Internetの権威の大御所として君臨してきました。 NSFはNSFNetを閉鎖した95年5月8日にその権威の大部分を引き渡しま した:商業ネットワーク以前に存在していたInternetの前身は余裕をもっ て作られていました。NSFNetなしに、NSFはInternetの日々の仕事をあ まり制御したり影響を与えたりできませんが、NSFはInternetの進化を 速くするべく指導します。(Internet技術特殊機動部隊[Internet Engineering Task Force:IETF]は実質的にInternetに技術的変更をもた らしますが、NSFの実体は履行を行います。)NSFNetの詳細については、 TidBITS-275 の私の記事および下記を見て下さい:

http://www.boardwatch.com/mag/95/jun/bwm1.htm

[IETFについて更に知りたいなら、Wired誌の95年10月号中のPaulina Borsook氏の「Anarchyはどのようにして動くのか」を見て下さい - 残 念ながら、まだオンラインではありません。 -Tonya]

InterNICの主な機能の1つは、登録サービス部門で行われている、ドメイ ンネームの登録です。ドメインネームは、集団の機械の覚えやすい識別法 として開発されました。ドメインネームにより、任意の数のサブドメイン を持つことができます。サブドメインはドットによって分けられています が、右から左へ、最も一般的な分類から特定の機械名又はサービス名へ読 みます。 「bilbo.engineering.ufoo.edu」のような名前は以下のように読みます: 「edu は教育機関の最高レベル(一番右)のドメイン; ufoo は Foobar大学を示す教育機関の第二レベルのサブドメイン; engineering は ufoo.edu サブドメインの一部門;そして bilbo は多 分工学部の個人の機械の名前です。」

InterNICはドメインネームを5つの最高レベルの分類:教育機関 (.edu)、政府機関(.gov)、非利益団体(.org)、商業体(.com)、及 びネットワーク(.net)をする事に責任を負っています。ドメインネーム 登録料金はこれらの階層下の第二レベルのドメインにのみ適用されます。 軍事機関(.mil)は、独自の権威を持ち、.edu及び.govの階層は現在のと ころ連邦基金による助成が続けられる予定です。

代わりの階層がすでに米国内で存在しています:.usという最高レベルド メインです。多くのサービスプロバイダが事実上この地理的区分を採用し ています。(Internetは元来場所依存ではないので、いくつかの非難が 地理的区分に浴びせられています。)両方の基盤をカバーするために .com又は .orgの分類と .usドメインの両方に登録する例もあります。多 くの国々が独自の最高レベルのドメイン(オーストラリアの .au等)と権 威を持っており、国際的な階層は豊富です。NSFの発表はこれらの階層に まったく影響を与えません。

話し代わって、料金に戻りましょう… NSFは表面上登録要求の急激な 増加とそれに伴う維持必要経費の増加の為ドメイン登録料金を導入しまし た。NSI社との本来の契約は、5年間で550万ドルであり、これは明らか に何万もの既存のドメインや契約の最初の3年内に来るであろう何万もの ドメインを取り扱うには不充分です。(契約は、ちなみに、単にサービス だけではなくて、関連ネットワーク、職員、および関連経費をも含んでい ます。)

現在InterNICの管理の下に11万の第二レベルのドメインがあり、Internetは何百万 という電子メールの利用者を持っていますが、その誰も影響を受けません。ドメイン ネームを使用している機関は、(ダイヤルアップや他のInternetへの接続を行なって いる)サービスプロバイダ、商業オンラインサービス業(America Online、CompuSer ve等)、あるいはローカルエリアネットワークを持つ企業のいずれかです。例えば、 AOLは300万の電子メール利用者全てに加え会社職員にもaol.comドメインを使用して います。これはAOLがドメインネームの使用のために年間50ドルという巨額の料金を 払うようになる事を意味しています。 実際の影響は、個々の利用者にドメインネームを登録し、ほとんどあるい はまったく登録料を取っていなくて年間何千ドルもの支払に直面するサー ビスプロバイダに多分及ぶでしょう。大部分の場合、これらのドメインは アクセスアカウントを維持している個人に登録されたり、あるいはプロバ イダで回線をリースされたりしていますので、年間50ドルの追加料金は、 もしその請求が充分高いならそれに吸収させる事ができますし、単なる電 子メールアドレスの場合上乗せできます。機転の利くInternetプロバイ ダは利用者との契約にドメイン登録の新しい料金を通す条項を多分持って います。

登録料はよいものでしょうか? 私たちはなぜ料金を科せられることを 喜ぶべきなのでしょうか?政治上、法律上、財政上、実質上の多くの理由 があります。

まず第一に、この動きは、InterNIC にとって独立した基金源、政治な気 まぐれからの自立を確立します。現在恐らくNSFの基金は、Newt Gingrich下院議長とAl Gore副大統領がInternetを重要視しているとい う理由で、与えられているのです。しかし、政府計画への納税者負担の削 減や排除はめったにない驚くべきことです。

第二に、これもポイントは同じですが、NSFは、収入のかなりの部分(約 30%)は、将来起こる可能性が大の訴訟に対処するための法的基金になる であろうと述べています。訴訟になった場合、NSFとの現行の協定では、 アメリカの納税者は法的な費用を支払う用意をすることになりかねません。 しかし一方この新しい協定ではNSIにこの基金から費用を払うよう要求し ます。意外なことですが、InterNICはまだ、ドメイン名の決定の件で訴 えられたことはありません。

第三に、InterNICは、現在の資金では、大量の登録に対処しきれません。 資金が多いということは、オートメーションが進むことを意味します。 NSFは、InterNIC は新しい料金体系から得られる収入をもとにした新し い能力により、10月末までに登録についての未処理の仕事をかたずける と発表しました。

第四に、NSFNetや他の補助金にもかかわらず、Internetのコストは常に 利用者負担でした。Internetはいつでも学術的な機関のユーザーにとっ ては「無料」であるように見えましたが、常に金銭がからんでいました。 最近では、商業ベースに加入しているInternetユーザーは、アカウント、 リース回線、Internetのデータ供給、その他にお金を払っています。ド メイン名を取得してアメリカ政府の重荷の一部となるというのは矛盾して います。

第五に、この体系はドメイン名の数の激増をある程度まで押さえ、使用さ れていない望まれないドメインを排除し、さらに債務を伴うことになるで しょう。最近Kraft and Proctor & Gamble 社が何百というドメイン名 を登録しました。そのうちのいくつかは商標で、他のいくつかはただの英 単語でしたが、InterNICにもっとたくさんの時間と多くのスタッフがあ れば防げたことでしょう。現存の110,000 のドメインのうち数千は、恐 らく積極的な活動はしていません。これらのドメインを存続させている管 理上、そして技術上の負担を減らそうではありませんか。

嫌だという人は?去年一年、(そしてとりわけこの発表があってから) InterNICには多くの苦情がよせられました。何人かはInterNICと国際的 なドメインの公共事業機関の同意よってのみ可能な代替のトップレベルの 階層の開始を提案しました。InterNICと国際的なドメインの協力がなけ れば、中心となるネットワークのない残りのInternetからはアクセス不 可能な、独立はしていても他と異なるドメインを所有することになるでしょ う。

入札のプロセスは閉鎖的で、公開討議の場がなく、NSIは責任を果たして いないと主張してきた人もいます。NSFはこれらの点について、1993年 に行なわれた最初の自由な公開競争入札では、料金をとることの可能性に ついては何も触れず、94年12月の自主的な公開討論会(Webにて閲覧可 能)での最新のNSFによる再調査では、NSIはその目標に到達していたこ とを明らかになった、と非常にうまく答えています。この公開討論会の責 任者は人名録にのるような信頼のおけるInternetの権威です。

http://rs.internic.net/NIC-support/nsf/review-toc.html
http://rs.internic.net/NIC-support/nsf/review-panel.html

公開討論会がなかったと主張する批判家は、メーリングリスト、ニューズ グループ、その他これらの事柄がひどく叩かれていた公開フォーラムにお いて、NSI や NSF に関連した人々が参加していることに注意を払わなかっ たということです。例えば、com-priv以上に広く知られたフォーラムは 想像できないのですが、そこでもInterNICは比較的よく話題にのぼって います。

去年の討論で見落とされた重要なポイントがもう1つあります。InterNIC は、大変よい仕事をしています。資金のなさや幾何級数的な登録の増加に もかかわらず、先月から商業ドメインネームの即日登録を始めました。私 は、「努力が足りない」とか「遅い」とかいう声以外、誰もInterNICを 賛辞しているのを思い出すことができません。実際は、大変良くやったし、 時間もぴったりでした。

込み入った説明全体のうちの技術的側面 - ドメイン名の実際の決定 (Internet上でこれに責任を負う何千ものマシンへの第二レベルのドメ インのリクエストを指す)は見事に成功しました。私が始めてフルタイム Internet接続を開始した94年の8月以来、記憶ではドメイン名のシステ ムが機能しなくなったことは1度もありません。InterNIC は、システム の設計には責任はありません(責任はIETFや他のスポンサーにあるので す)、けれどもInterNICはシステムを調整して、作動させ続けます。そ してシステムは作動します。

Internetの精神において、私はこのことばを引用したいと思います。 「既存のシステムが現在100%機能し、それを永続させるメカニズムがい つまでも存在するなら、そしてそれが常に改善され続けるなら、それを使 い続けてよりよくサポートされるようにしなさい。」これは「壊れていな いのであれば、直すな」のハイテク版です。

この動きによって訴訟もおこりそうです。多くの人はしきりに文句を言い ますし、その他の人にとっても朗報ではないでしょう。けれども Internetの成長への究極の興味はよい動きだと思います。私は何事も態 度で示すタイプです。私の会社はこの変化の結果として来年2,500ドルも の料金を払い法的責任を持ちます。そのうちのいくらかはわが社が負担し、 いくらかはドメインの所有者に請求します。しかし、去年の5月に NSFNetが、終わってしまったので、私は気をもみながら何か他のものを 待ってきました。これで安心して眠ることができます。

[Glenn Fleishman氏は、顧客、友人、そして親戚のために50のドメイン 名を登録しています。氏はAdobe Magazineのライター、Web Developerのコラムニスト(11月刊行予定)、そしてInfoWorldの特集 記事のフリーランスライターです。最も穏健なメーリングリストの1つで あるInternet Marketing Discussion Listの議長をつとめています。]

http://www.popco.com/popco/glenn.html


Reviews/18-Sep-95


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