TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#720/08-Mar-04

Matt Neuburg が DEVONthink のレビューで再び登場。これは彼の一連のテキスト断片キーパープログラム探索の一つである。James Rogers はまたパスワード保護付きのパブリック iDisk フォルダの設定の仕方、.Mac 会員ではないユーザーのための、他のユーザーの iDisk パブリックフォルダへのアクセスの仕方について寄稿してくれた。ニュースの部では、Interarchy 7.0.1, iDVD 4.0.1, AirPort 3.3.1, DiskWarrior 3.0.1, そして QuicKeys X2 2.1 のリリースについてお伝えする。

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MailBITS/08-Mar-04

Interarchy 7.0.1 磨きをかける -- Interarchy 7.0 の最初のリリースからまだ数週間しかたっていないが (TidBITS-718 の "Interarchy 7.0 がタブを追加、インターフェイス改善" を参照)、Stairways Software は無償のアップグレードをリリースした。これでいくつかの機能を微調整しバグ対策もしている。Interarchy 7.0.1 は SFTP 接続のためのカスタムポート番号をサポートし、URL の編集時、或いは新しいタブの中のフォルダを開くキーボーショートカットを提供し、Bookmarks ウィンドウや Startup Items フォルダ内でのエイリアスの扱いを改善、等々を行っている。登録ユーザーに対しては無償で 2.7 MB のダウンロードとなっている。Interarchy 7.0.1 は Mac OS X 10.2 かそれ以降を必要とするので、Stairways Software は Mac OS 8.5 かそれ以降の古い Mac OS を使っている人のために Interarchy 6.3 を無償で提供することとした。[ACE](カメ)

<http://www.interarchy.com/>
<http://www.interarchy.com/documentation/7/whatsnew.html>
<http://www.interarchy.com/main/download>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07549>(日本語)Interarchy 7.0 がタブを追加、インターフェイス改善

iDVD 4.0.1 で焼き付けバグを修正 -- Apple は先週 iLife '04 の所有者に対して iDVD Update 4.0.1 をリリースした。今では Apple の看板ともなりつつある饒舌さとは裏腹に、リリースノートでは単に次のように述べているだけである:このアップデートは "iDVD 4 のユーザー全員に強くお勧めするもので、DVD の制作/ディスク作成中の信頼性が向上します。" iDVD Update 4.0.1 は無償の 2 MB のダウンロードで Software Update 経由か下記のリンクから入手出来る。[JLC](カメ)

<http://www.apple.com/support/downloads/idvdupdate.html>(日本語)ソフトウェアリファレンス - iDVD 4.0.1 for Mac OS X

AirPort Software Update 3.3.1 リリースされる - Apple は AirPort Extreme カードかベースステーションの所有者に対してアップデートを出した。これは、ネットワークの場所を変更する際にカーネルパニックが発生するバグを修正している。このアップデートは 1 MB のダウンロードで Software Update 経由か Apple の Web サイトから入手出来る。[JLC](カメ)

<http://www.apple.com/support/downloads/airportsoftwareupdate.html>(日本語)ソフトウェアリファレンス - AirMac 3.3.1 for Mac OS X 10.3

DiskWarrior 3.0.1 で新たなブート CD を作る -- まず仮定として、Alsoft の優秀な DiskWarrior 3.0 ディスク修復ユーティリティを持っていて、その上、すでに Mac OS X 10.3 Panther へのアップグレードも済んでいるとしよう。そうであれば、Panther 対応のため DiskWarrior 3.0.1 アップデートが必要である。しかし、DiskWarrior を真に使いこなすためには、緊急時に Mac をブートできる CD-ROM 版が必要となる。さて問題は、どうやって CD-ROM に焼いてあるプログラムをアップデートするのかである?最近になって私はわかったのだが、Alsoft はきわめて賢いアップデータを作り出した。これは、あなたのお手持ちの DiskWarrior 3.0 CD-ROM を読み込み、それのディスクイメージコピーをあなたのハードディスク上に作成し、そのコピー上の DiskWarrior をアップデート、その上でそのアップデート済みのイメージを今度はあなたの CD-R 上に焼き付けるというのである。DiskWarrior 3.0.1 CD Update は 3.0 MB のダウンロードであり、私のテストでは、CD イメージをアップデートする事も、新たな CD を焼く事も実に見事にやってのけた。

<http://www.alsoft.com/DiskWarrior/support.html#Panther>

ここまでは見事というしかないが、Alsoft がどうしても出来なかったことは(多分ライセンスの問題で)Mac をブートする DiskWarrior CD-ROM 上の Mac OS X のコピーもアップデートすることである。という事で、2003年8月以降にリリースされた Mac を持っているか、CD バーナーを持っていなければ、新しい CD を Alsoft から $21 で購入しなければならない。注文するのであればその前に上記のリンクにある DiskWarrior のページで CD アップデートに関する情報をすべて読むようにして欲しい。この新しい CD にどうもはかなり細かなシステム要求条件があるらしいからである。もし現在 DiskWarrior を所有していなければ、新しいコピーは $80 である。(ディスク修復ユーティリティの全比較については TidBITS-707 にある David Shayer の "ディスク修復牧場の決闘" を参照。) [ACE](カメ)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07451>(日本語)ディスク修復牧場の決闘

QuicKeys X2 2.1 リリースされる -- CE Software は先週 QuicKeys X2 version 2.1 を出荷した。これは QuicKeys X2 2.0 の登録ユーザーに対する無償のアップデートで、QuicKeys 内でのショートカットの記録を改善し、QuicKeys がテキストをタイプするスピードに対するコントロールと、そしてショートカットである特定のステップにジャンプする機能が追加されている。QuicKeys X2 2.1 は 10.2 MB のダウンロードで、最低 Mac OS X 10.2.3 を必要とする。新しいコピーは $100、以前の版からのアップグレードは $20 から $70 の間である。そして 30日のお試し版もある。[ACE](カメ)

<http://www.cesoft.com/products/qkx.html>
<http://www.cesoft.com/downloads/updates.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07458>(日本語)QuicKeys X2 2.0.2 が Panther 互換に

DealBITS 抽選: Interarchy の当選者 -- 先週の DealBITS 抽選への応募者の中から無作為に選ばれたのが次の方たちである。おめでとう!皆さんの手元には間もなく Interarchy 7.0 のコピーが一本届けられるはずです;Al Guild of mac.com, Daniel Bensky of eastlandpress.com, Mark Ryder of chartermi.net, Rich Mulligan of pacbell.net, そして Tom Wideman of wideman.org. 今回抽選から漏れた人もどうかがっかりしないで欲しい。Stairways Software はすべての TidBITS の読者に Interarchy の特別価格を提供している。通常価格の $39 を $34 に下げてくれた。この値引きは下記の二番目のリンク経由で 15-Mar-04 迄有効である。今回応募してくれた 878人の人に感謝申し上げ、次の DealBITS を楽しみにしていて欲しい。[ACE](カメ)

<http://www.interarchy.com/>
<http://discount.interarchy.com/?token=2CGK12T-5-DOLLAR-B15K1IK>
<http://www.tidbits.com/dealbits/interarchy.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07562>


iDisk の Public フォルダを共有・アクセス

文: James J. Rogers <coastalcg@earthlink.net>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

.Mac アカウントにサインアップすると、iDisk が手に入る。Cupertino のApple のサーバ上にある、100 MB のオフサイト仮想ハードディスク記憶領域だ。間違いなくここは、あなたの Mac が壊れた時一緒になくなってしまっては困る重要なファイルを格納しておくのに最適な場所だ。私はコンサルタントの仕事をしているので、作業時間と請求書の記録をそこにセーブしている。なぜなら、それらの文書は、ハードディスクがクラッシュした場合、もう一度作成することが非常に困難だからだ (これは経験から言っている)。

しかし、あなたの iDisk には、他の人とファイルを共有したり配付するのに使える Public フォルダがある。そのフォルダは読み込み専用に、あるいは読み書きができるように設定でき、パスワードによってそのフォルダへのアクセスを制限することができる。私は、大多数の人は Public フォルダを利用していないか、あるいは使いこなす方法をご存じないのではないかと思っている。この記事では、iDisk の権限を設定してそこにあるファイルを他人にアクセスさせる方法 (あるいはそのようにさせない方法)、そして他人の iDisk へ Finderから直接アクセスする方法も説明していくつもりだ。

他人の iDisk の Public フォルダへアクセスするために .Mac アカウントは必要ない。実際の話、 Windows XP ユーザも Apple の無料 iDisk Utility for Windows を使って iDisk の Public フォルダへアクセスできるため、Mac さえも必要ないのだ。

<http://www.mac.com/1/idiskutility_download.html>

Mac では、あなたの iDisk を次の 2 つの方法で設定できる。一つは、Mac 版 iDisk Utility を使うこと (もしアプリケーションフォルダ内のユーティリティフォルダになければ、上記 URL から 316K でダウンロードできる)、あるいは Mac OS X のシステム環境設定で Mac OS X 10.2 Jaguar 以前ならインターネット環境設定を、Mac OS X 10.3 Panther なら .Mac 環境設定を使う方法だ。

Public フォルダの権限を設定 -- デフォルトで Public フォルダは読込みだけのアクセス権しか設定されていない。これが一番安全である。これは、Public フォルダを全く使用しないか、あるいはあなたの Public フォルダを見に来てくれる友人や同僚 (そして見知らぬ誰かにも) へファイルを“提供する”ために使う時だけ有効である。

しかしながら、あなたの Public フォルダへファイルをコピーしてもらい、他人からファイルを受け取りたい場合もあるかもしれない。例えば、大きいファイルを電子メールで送らずにすませる場合だ。このような時には、フォルダに書込権限を与えてパスワードによりアクセスを制限する。

iDisk Utility でこれらの権限を変更するには、「“Public”フォルダへのアクセス」アイコンをクリックし、アクセス権の「読み込み/書き込み」を選択する。.Mac あるいはインターネット環境設定の iDisk タブでなら、「“Public”フォルダ」で「読み出し/書き込み」を選ぶ。どちらでもオプションではあるが、読み書きを許可するのであれば忘れずにパスワードを設定しておこう。例え読み込みしかさせなくても、誰かも分からないような人からファイルを見られないようにするにはパスワードを使うのが良い方法なのだから。Glenn Fleishman は、彼の電子本「Take Control of Sharing Files in Panther」で次のように書いている。「インターネットは、とても大きくそして速いため、悪意を持った人が沢山いるにもかかわらず、一種巨大なローカルネットワークのような状態になってしまっている。故意あるいは偶然にかかわらず、必要以上にファイルを開示してしまうと、制限されていないサーバへの接続を探索する悪意を持ったプログラムにより自動的にデータを収集されてしまうのは確実だ。それほど悪意は無くても、Google などのサーチエンジンは公開されているウェブサイトのリンクをすべて辿り、多くの Word、PDF、あるいはその他の文書は、たとえウェブサイトの見えない場所にリンクがあったとしてもその胃袋の中に飲み込まれてしまうのだ。」

<http://www.tidbits.com/takecontrol/panther/sharing.html>(日本語)Take Control Ebooks: あなたの知りたいことがすぐわかる

Finder から iDisk へアクセス -- どうやら Apple は、同じことを様々な方法で行えるようにすることが好きらしい。あなた自身の iDisk や他人のiDisk にある Public フォルダへアクセスする方法も例外ではない。iDisk Utility では、「“ Public”フォルダを開く」アイコン、あるいは「iDisk を開く」アイコンをクリックして、アクセスしたいフォルダを所有する .Mac ユーザの名前を指定する。Mac OS X 10.3 では、これらのオプションは Finder の「移動」メニューの中の「iDisk」サブメニューから選べる。

しかし、Mac OS X 10.2 以前を使っているなら、Finder の「サーバへ接続」ダイアログを使うと早い。Apple は WebDAV (Web-based Distributed Authoring and Versioning) を使って iDisk を提供しているが、これはつまりネットワークの普通のサーバと同じようにアクセスできるということだ。(WebDAV を使えば、ほとんどどのコンピュータからでも iDisk にアクセスできる。Windows XP版の iDisk Utility も前述の URL から入手可能であり、Mac OS 9 ユーザは例えば Goliath ユーティリティをダウンロードできる。)

<http://www.webdav.org/goliath/>

「移動」メニューから「サーバに接続」を選ぶ。誰か別な人の iDisk にあるPublic フォルダへ接続するためには、次のようにアドレス欄に入力する:「http://idisk.mac.com/メンバー名/public」但し、メンバー名 はその人の .Mac アカウントと置き換えること。

「サーバに接続」ダイアログで便利なのは、2 階の Mac かどこか別の国にあるiDisk かにかかわらず、お気に入りのサーバを追加できることだ。これは、アドレスを正しく入力したあと、Mac OS X 10.3 ならプラス記号 (+) ボタンを、Mac OS X 10.2 以前なら「お気に入りに追加」を押すだけでできる。

「接続」ボタンを押すと接続される。もし iDisk の Public フォルダがパスワードで保護されていれば、WebDAV の認証ダイアログボックスが開く。「認証」とは、「ログイン」のことである。この時、その友人の .Mac ユーザ名やさらにはあなた自身のユーザ名を入力したくなるかもしれないが、この時はPublic フォルダにアクセスしているので、ただ“public”(すべて小文字) と「名前」欄に入力する (ログイン名は常に“public”である)。

パスワードは、目的の Public フォルダにアクセスするために与えられたものを入力する。もしあなたが Mac OS X 10.3 を使っていて、その Public フォルダに何度も訪れるのなら、「パスワードを記憶する」をクリックしてキーチェーンに追加しよう。もちろん、他人のコンピュータをゲストとして使っている場合は、そのようなことはすべきではない。すぐに新しい Finder ウインドウが開き、その中には今アクセスした Public フォルダの中身が表示されているはずだ。

もし、この iDisk にある Public フォルダを何度も使う予定なら、Finder でそのフォルダ (あるいはその中身) のエイリアスを作ることをお勧めする。この作業が終了したなら、このディスクアイコンをゴミ箱にドラッグするか、選択しておいて「ファイル」メニューの「取り出し」(Command-E) を選んでディスクをアンマウントする (Control- クリックで表示されるコンテクストメニューで現れるし、あるいは Panther なら Finder の「アクション」ポップアップメニューから選べる)。

私の iDisk の Public フォルダには、ファイルを仲間に送ったり私宛のファイルを入れるためのドロップボックスに使ったりと、計り知れない利用方法があることに気が付いた。あなたにも分かって貰えたと思うが、フォルダへの無制限なアクセスを禁止することは、とても簡単で、しかも大事なことのだ。

[James J. Rogers は、自らを専門技術者と称し、医療機器メーカーが米食品医薬品局 (FDA) の規制を順守する作業を助けている。オハイオ州のクリーブランドに住む 1985 年からの Mac の熱烈な支持者であり、デビッド・バーン、エドワード・タフト、ピーター・ガブリエル、そしてモービーに加えてカリフォルニアとイタリアのテーブルワインの赤に影響を受けたことを認めているが、かならずしもこの順番通りではない。]

<http://www.immersive-reality.biz/>

PayBITS: James の記事で iDisk の便利さが発見できたでしょうか? 感謝の 意を込め、PayPal 経由で数ドル送ってみてはいかがでしょう?
<http://www.paypal.com/xclick/business=coastalcg%40earthlink.net>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


DEVONthink は考える、あなたのために

文: Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

テキスト断片キーパーとは何か、どうしてそんなものが必要なのか、という話をお忘れの方のために、実例を一つ紹介させて頂こう。先週、TidBITS Talk に投稿があって、私はそこに記されていた3つの URL が指していたウェブページの情報が特に価値のあるものだと思った。(それらは、HTML における規定通りの DOCTYPE 宣言が、ブラウザがそのページを標準に準拠した方法で表示できるかどうかということにどう関係するか、という説明だった。)私は即座にこの情報を保存しておきたいと思った。暗記するには技術的に細かいことが多過ぎたが、それでも自分が後で必ずこの情報が必要になるだろうということが、はっきりと脳裏に予想できたのだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkmsg=20422>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1196>
日本語)
WebArranger は Web よりも使える
復活: Helix の逆襲
それはキーパー(Idea Keeper だ、それは)
Boswell:テキスト保管庫
断片情報キーパーをあと3つ
Tinderbox でハートに火を点けて
デジタル下駄箱: iData Pro X 1.0.5
NoteTaker でテイク・ノオト
Hog Bay Notebook でグイッと行こう

残念ながら、私にはもう一つ、はっきりと脳裏に予想できることがあった。それは、情報が必要になった時に、私はそれをどこに仕舞っておいたのかさっぱり思い出せず、どんな形で保存したのか、どういう名前を付けたのか、さらには一体何の話だったのかさえ、忘れてしまっているだろうということだった。では、どうすれば必要な時にちゃんと見つけられるように情報を保存しておくことができるのだろうか? もちろん、そのウェブページを URL として、HTML として、PDF として、あるいはウェブアーカイブとして保存し、自分のハードディスクにとっておくことは簡単だ。でも、皆さんもお分かりだろう、実際に必要になった時にハードディスク上の書類がなかなかうまく見つかるものではないということを。フォルダ名やファイル名だけでは滅多に欲しい情報には辿り着けない。殊に、どこのフォルダに入れたか、そもそもどうやって整理したのかさえ思い出せない時には。その上、さらにもう一つ問題がある。たまたま正しい書類に遭遇できた場合でも、私自身気付かず見逃してしまうこともあるということだ。なぜなら、開いてみなければその内容は見られないからだ。けれども、ハードディスク中を探し回りながらたくさんの書類や URL を次から次へと開いて回るのは、とても大変な作業になってしまう。第一、その書類を目前に開いていてさえも、私はそれが探していたものだと気付かない可能性だってあるのだ!

この例から、4つの教訓が浮かび上がる。

  1. 階層というのは、関係する物事をグループ付けしてくれるという点では良いのだが、それだけでは足りないところがある。なぜなら、あなたの脳の中では他にもいろいろと回り道した結び付きが為されていて、あなたが何かを探している時にそれがどんな風に必要になってくれるかは分からないからだ。だから、その時にあなたの頭に浮かんだ見方がどんなものであっても、その題材に応じてそのものを見付け出せるような、何か別の方法が必要になってくる。

  2. 物事を保存する際には、それがどんな種類のものであっても受け入れられるようになっていなければならない。例えば Finder のようにだ。1つだけのタイプのものしか受け入れられなければ、それ以外の形での情報を取り逃がしてしまう。

  3. 書類の内容は、直接読み取れなければならない。別途にそれを開いていては間に合わない。インターネットとの統合も望ましい。(今の例のように)情報がウェブページという形でやって来ることも少なくないからだ。

  4. 保存は、一点集中でなければならない。あなたが「あれは、_どこか_ に置いておいたと _思う_ んだけどなあ...」とつぶやく度に何時でも戻って来ることのできる、どこか一つの場所が必要だ。

そこで登場するのが DEVONthink、これは問題を理解してくれて、自ら解決法を提示してくれる、そんなプログラムだ。

<http://www.devon-technologies.com/products/devonthink.php>

ここからの眺め -- DEVONthink のインターフェイスは非常にクリーンかつ直観的で、説明やコメントはほとんど必要ないだろう。ウィンドウにはデータベースが表示され、最初これは空だ。このデータベースの中に、あなたはいろいろな項目を加えて行く。これらの項目それぞれのことを「書類」だと思ってもよい。もともとそれらは本当に書類だったことが多いのだから。あなたは、Finder から書類アイコンをこのウィンドウへドラッグしてきて項目を作ったのだ。「グループ」を作ることもできる。これはフォルダのようなもので、動作もフォルダと同じだ。その意味ではあなたのデータベースは階層であり、Finder と同じように自由に再配置できる。書類のクローンを作ることもでき、つまりは同じ項目がいくつもの場所に存在できる。こうして、一つの書類が複数個のグループに属することが可能になる。

あなたのデータベースの全体構造を眺めるのは、Finder と同じような感じでできる。リスト表示、アイコン表示、カラム表示といったインターフェイスがある。けれども大事なのは、個々の書類の _内容_ を、直接 DEVONthink の中から一覧できることだ。2ペイン表示で、片方のペインにデータベースの全体を表示し、もう片方のペインには現在他方のペインで選択されている書類の内容が表示される。また、リストの中で書類の項目をダブルクリックすれば、その内容が別ウィンドウに表示される。その書類が HTML または URL ならば、DEVONthink はそれをウェブブラウザがするのと同じやり方で表示する。書類がプレインテキストまたは RTF ならば、表示できるだけでなくて DEVONthink の中で _編集_ もできる。

どうやって見つけるか -- DEVONthink は、あなたが書類をその題材に応じて探したくなるということを知っている。そこで DEVONthink の採った解決法は、あなたのデータを単語索引付けすることだ。つまり、一方であなたはたくさんの書類をグループの階層によって配列するのだが、それと同時に、書類の内容に含まれる単語というレベルで、DEVONthink は階層を横断して検索を手助けしてくれるのだ。

こうして、あなたは単語や単語の組み合わせで検索ができる。複数個の単語を AND または OR で組み合わせられる。文章で検索したり、書類の内容とタイトルの双方で検索したりもできる。コメントフィールドでの検索さえできる。グローバルな検索も、1つのグループに限った検索もできる。厳密な合致でも、「ファジー」な合致での検索もできる。検索結果は“Search”ボタンを押した途端に現われ、関連度スコアでランク付けもされている。

最初の単語検索で望みの結果が得られなければ、スペリングに基いて検索語と似た単語のリストを生成させることもできる。DEVONthink はあなたのすべての書類のすべての単語を知っているので、このリストはその知識に基いて作られる。例えば私のデータベースでは、“program”に似た単語として“programs”“programmer”“programming”“programmed”“programmers”が出た。実際問題、これで正解だった。その後で、これらの新しい単語を好きなように組み合わせて次の検索を始めることもできる。

また、内容に基いて似た単語をリストすることもできる。これは、どうやら元の単語が多く使われている書類の中で多く使われている単語、というもののようだ。その結果のリストは意外なものになることもある。例えば、“program”でやってみると、私の場合内容に基いて似た単語の最初は“clrc”だった。これは(California Law Revision Commission の省略であって)“program”が 24 回登場する書類に 28 回登場していた。実際、内容に基いて“program”に似た単語としてリストされたものは、_すべて_ この同じ書類から来ていた。この書類をデータベースから外してみると、結果のリストはもっとばらばらな(しかももっと奇妙な)ものになってしまった。この機能の背後にあるアルゴリズムにはもう少し改良の余地があるのだろう。(ただ、データベースが大きくなればなる程この機能は良くなるという話も聞いた。)

個々の書類を起点にして、もっと強力な検索を実行することもできる。まず、その書類に使われているすべての単語をリストできる。そのリストを頻度で並べ替えたり、単語の長さや「ウェイト」(どうやら長さと頻度を組み合わせた概念のようだ)で並べ替えたりもできるし、当然ながらそれらの単語のどれでも即座に検索を掛けられる。けれども、その単語に関連した書類を見付け出したい場合は、むしろその書類の「キーワード」のリストを使った方が良いだろう。こちらはその書類に含まれる最高ウェイトの単語であって他の書類にも含まれているもの、という基準で集められたもので、もちろんそのどれでも一つを選んで検索するのも即座にできる。

それとは別に、DEVONthink の目から見て現在の書類に似たもの、という基準で書類のリストを作らせることもできる。DEVONthink がどうやってこれを選び出しているのか私にはよく分からないし、その結果が意外なものになることもあるのだが、少なくともたいていの場合いくつかは本当に関連している書類がその結果に含まれている。

同じように、DEVONthink に書類の「分類」をさせることもできる。つまり、一番関連が深いと DEVONthink が判断した書類同士を集めて、いくつかのグループに分けさせるのだ。ここで DEVONthink が使うランキングが本当に信用できると思うならば、書類を「自動分類」させることさえできる。これは、分類結果に応じて直接階層の中のグループに移動させるのだ。実際、環境設定で指定しておきさえすれば、あなたが書類を読み込む度に DEVONthink が自動的にこれをするようにもできる。マニュアルには、初めのうちにきちんと意味のあるグループ分けを心がけておけば、この比較・分類の結果もより良くなるという助言が書いてある。

何が入るか -- DEVONthink が書類の内容を検索できるためには、その書類はその中から単語が抽出可能であるようなフォーマットになっていなければならない。そのようなフォーマットとしてはプレインテキストの他に RTF、HTML、PDF(この場合 DEVONthink は pdftotext か、またはあなたのディスクにあれば TextLightning か、を使用してテキストを抽出する)さらに Microsoft Word ファイルまでもが含まれる。(これは Panther が RTF への変換をネイティブにできるようになったからだ。)

<http://www.metaobject.com/Products.html#TextLightning>

けれども DEVONthink を使って上記以外のフォーマットの書類を扱うこともできる。実際、DEVONthink には _どんな_ ファイルでも渡すことができ、もしもその書類の内容がテキストとして抽出できない場合には、単にディスク上の元のファイルへのリンクが保管される。DEVONthink はまた画像やムービーを表示でき、MP3 をプレイできる。たとえ書類の内容を直接表示できなかったとしても、そのオリジナルのファイルを Finder で表示させたり開かせたりすることはできる。

では、DEVONthink が索引付けも表示さえもできないような書類までもそのリンクをデータベースに加えているのは何故なのだろうか? それは、一つには DEVONthink のグループ分け階層に利用価値があるからだ。例えば、あなたがテキストファイルをいくつかと、それらに関係のある Excel スプレッドシートを持っていたとしよう。それらのテキストファイルの属するグループについて調べている時には、そのスプレッドシートについても思い出させてくれるのは有難いことではないか。それだけではない。ある書類が単独でディスク上のファイルへのリンクとして存在していただけだとしても、あなたは自由に DEVONthink の中でその書類の項目についてのテキストを書き留めることはできる。そのテキストはきっとその本当の書類の内容について書いたテキストなのだろうし、そして、そのテキスト自体は、ちゃんと索引付け _される_ し、それを検索することもできるのだ。

どこへ入れるか -- DEVONthink はたった1つだけのデータベースを使用する。これは残念なことだ。私の希望を言えば、同時に検索することなど決してあり得ないような、完全に異質の事柄同士も一緒くたにしなければならないよりも、異なる目的には別々のデータベースを使い分けられるようなアーキテクチャにした方がずっと良かっただろうにと思う。

このデータベースについてもう一つ、私の気に入らないことがある。これは単語索引データだけから成っているのではないのだ。DEVONthink が書類に索引付けする時は、その書類自体も全部データベースの中に取り込まれてしまう。このやり方には二つの問題点がある。サイズの問題と、セキュリティの問題だ。DEVONthink のデータベースは、少なくとも私のテストでは元のテキストファイルの大きさの合計のほぼ二倍のサイズだった。これはつまり、もしも私が元のファイルを DEVONthink に取り込んだ後で捨ててしまわなかったとしたら、そのファイルのために _3倍_ のディスク容量を消費していることを意味する。けれどももしも私が元のファイルを捨ててしまったら、私のデータは唯一ヵ所、この独自のバイナリフォーマットのデータベースの内部にしか存在しないことになり、いつの日か DEVONthink が壊れてしまったらもう回復できないものになってしまう。

DEVONthink は読み込まれている書類をファイルに書き出すことはでき、この機能は正しく動作するようだ。(例えばファイルのタイプやクリエータ、変更日時や作成日時なども保たれる。)だから、セキュリティを万全にしたいならば定期的にデータベースの内容全体を書き出して、元の書類のコピーを Finder 上に再構成させておくべきだ。それでも、私は単一データベースのアーキテクチャとデータベースのサイズの大きさ、それに独自のフォーマットという点は DEVONthink を使う際の大きな障害だと思う。ぜひ、今後のバージョンではこれらの点に対処してもらいたい。

短所 -- 全体として、DEVONthink は非常に良く書かれていると思う。これがクラッシュするのを見たことがないし、その他私の信頼を揺るがすような重大な誤作動をしたこともない。ただ、これをテストしながら私は、納得もできないし修正も簡単だと思えるような数々の制限事項に次々と出くわして行った。

複数単語検索では、複雑なブーリアン検索はできない。すべての単語を AND で組み合わせるか、あるいはすべての単語を OR で組み合わせるかのどちらかだ。同様に、検索は内容についてもタイトルについてもできるが両方同時にはできない。データベース表示のほとんどが階層的なのに、階層ナビゲーションにショートカットが設定されていない。例えば、選択された項目から階層を上へ進むコマンドがない。DEVONthink はウェブブラウザとしても挙動するが、「戻る」「進む」のボタンもショートカットもない。(コンテクストメニューはあるが、これは標準的でない、不便なやり方だ。)画像書類は DEVONthink 内部で表示でき、付随したテキストの編集もできるが、それを両方同時にはできない。プレインテキスト書類の中に記されている URL を起動させる手軽な方法がない。自動分類の際、DEVONthink がそれをどこに入れたのかを知る方法がない。(読み込んだ書類はただ消えてしまうだけで、どこへ行ったのか全く分からない。)書類のクローンすべてを探し出す方法もない。

これも何とかして欲しいと思うのだが、DEVONthink には妙な用語がやたら目につく。メニュー項目の言い回しは意味の分からないこともある。いったいどういう意味なのかと、マニュアルを繰って見なければならないことも多い。“Delete”と“Destroy”とは、いったいどう違うのか?“Touch”って、いったい何をするものなのか? 書類の“Path”とその“URL”は、どう違うのか?(ヒント: これは書類を“Open”するのと“Launch”するのとの違いと同じだ。)時には、用語の意味が完全に間違っていることもある。“Toggle Outline”コマンドは、実はアウトラインについては何も変えない。(これはチェックボックスの表示・非表示を切り替えるだけだ。)“Clone”と“Alias”の代わりに、それぞれ“Replicate”と“Replicant”という用語が用いられている。“Concordance”コマンドは、実はコンコーダンスの表示をしない。(実際は単に単語リストを表示するだけで、これはコンコーダンスではない。コンコーダンスとはコンテクスト情報も含んだものであるはずだ。)

<http://www.rjcw.freeserve.co.uk/ss1.gif>

マニュアルは PDF だが、ブックマークが付いていない。オンラインヘルプはマニュアルと全く同じ内容で、そのフォーマットはほとんど役立たずだ。(メインページが目次で、それ以外はすべて膨大なサブページの集まりに過ぎず、全く何の相互リンクも無い。)ところどころに、不正確な、時代遅れの、不完全な、あるいは英語としておかしいような表現が散見される。

結論 -- DEVONthink が好きになれればとても素敵だと思う。でも、私はまだもう一歩そこまでは達していない。データベースのアーキテクチャが私の気に障るし、上に列挙したようないろいろの短所も、たいていは細かなことながら、二年間も経って現在はバージョン 1.8 に達しているようなプログラムとは思えないような、信じられない手落ちと言える。それでも、DEVONthink が正しい方向性を持って歩んでいることは疑いのない事実だ。そして、聞くところによれば、将来のバージョンではこうした問題点のほとんどに対処して行こうとする予定が既に進行中とのことだ。そのうちのいくつかは近日中に出る予定のバージョン 1.8.1 で解決されるかもしれない。

皆さんの中には私が Boswell について書いたレビュー記事と、そこで私が述べたいろいろの苦情を覚えていて下さる方もおられるだろう。保存はテキストのみしかなく、エイリアスの保存はできず、保存したテキスト断片は消去も編集もできず、インターフェイスは使いにくく、価格も高すぎる、と。DEVONthink はこれらの私の苦情すべてに応えてくれ、さらにそれ以上のこともしてくれる。言わば、私にとっての理想の Boswell だ。DEVONthink は価格も安く、柔軟性もあって、使いやすくて直観的だ。見た目そのままの配列と、高速でパワフルな検索もある。テキスト断片の編集もできる。ディスク上のファイルへのリンクも保存する。今回は字数の制限もあって DEVONthink の機能のすべてを紹介することはできなかったが、その全貌を明らかにするためにも、ぜひともあなたがご自分でダウンロードして、使ってみて自ら体感して頂きたいと思う。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06441>(日本語)Boswell:テキスト保管庫

DEVONthink は Mac OS X 10.2 Jaguar かそれ以降を必要とし、価格は $35 で、3 MB のダウンロードとなるデモ版もある。

<http://www.devon-technologies.com/download.php>

PayBITS: Matt の記事は、あなたのハードディスクの薄暗い片隅にも検索の光をあてる力になりましたか? ならば彼に、少額のお金を送ってみませんか?
<http://www.paypal.com/xclick/business=matt%40tidbits.com>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


TidBITS Talk/08-Mar-04 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

MP3 ディスクをサードパーティのポータブル機で再生 -- MP3 フォーマットの CD を焼いて、それを手持ちのオーディオプレイヤーで再生できなかったことは? 読者たちからいくつか助言が寄せられた。その中にはコマンドラインによる方法もある。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2189>

FileVault の問題点と解決法 -- FileVault についての Adam の記事は、なぜ FileVault がユーザーのホームディレクトリに対してしか働かないのか? セキュリティのための他の解決策は? Apple のディスクユーティリティを使うのはどうか? などという議論を巻き起こした。(メッセージ数 15)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2187>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA