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#1431: Steve Jobs の娘が書いた新刊書、Apple が Back to My Mac を廃止、Backblaze からのリストア、NAS の購入の仕方

Lisa Brennan-Jobs が彼女の有名な父親について書いた回顧録が来週出版されるが、早くも紹介記事が出ているので、読みたいと思うかどうかの判断材料になるだろう。Back to My Mac 機能を使っている人たちは macOS 10.14 Mojave では何か代替手段を見つける必要があるので、Glenn Fleishman が解説する。CrashPlan for Home のサービス閉鎖を目前にして Backblaze を検討中の人たちのために、Josh Centers が Backblaze のバックアップからファイルをリストアする方法を説明する。また、(おそらく Mac mini を買い替える準備のために) NAS (ネットワーク接続ストレージ) デバイスの購入を検討している人たちには、Jeff Carlson が著書 Take Control of Your Digital Storage からの抜粋として購入の際に注意すべき点を述べる。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Tweetbot 3.1、Aeon Timeline 2.3.10、EagleFiler 1.8.4、Lightroom Classic CC 7.5、それに Parallels Desktop 14.0 だ。

Adam Engst  訳:亀岡孝仁  

"Small Fry"、Steve Jobs について違う見方をする機会を提供

これは書評ではない。Small Fry は、Steve Jobs の最初の子供でかなり無視された娘の Lisa Brennan-Jobs によって書かれた回顧録であるが、出版されるのは 4 September 2018 迄待たねばならない。しかし、Vanity Fair はもう抜粋版を出したし、そして New York Times も Brennan-Jobs とのインタビューに基づく長文の記事で続いた。それは、始めの部分で次の様に言っている:

出版の前夜に、Ms. Brennan-Jobs が読者に知って欲しいことはこれである:Steve Jobs は彼の娘を何年にもわたって無視したが、その娘は彼を赦した。誇らしくも、彼女は彼を愛しており、そして、一緒にローラースケートをしながら笑っている本の中の場面が、彼が彼女に遺産は何も残さないと告げる場面と同じ様に読者の口の端に乗ってほしいと願っている。

Ms. Brennan-Jobs の許しは分かる。しかし、微妙なのは、彼女が読者も Mr. Jobs を許すことを欲していることである。そして、彼女はそれが問題であり得ることも自覚している。

問題であり得る一つの理由は、Jobs の印象が、最高に良く言っても嫌な奴であり、最大に悪く言えば、真に破損した人間だということである。そのいずれも、Steve Jobs 畏敬と相容れないことはない - 彼のマーケティング洞察力と技術的先見性に対して Apple 信奉者たちが (時には正当な理由をもって、時には不相応に) 捧げる畏敬と。

しかし、彼と彼の娘との関係は、ともすれば焦点では単色である Jobs の全体像に、色と遠近感を付け加える。そして、この本の暴露が、力を持つ人々が過去の恥ずべき行為によって貶められる時代に、なされたという事実を無視することは出来ない。Lisa Brennan-Jobs 側の話を聞いて、我々は Steve Jobs についての考えを変える ("Think Different" する) べきか?

抜粋版を読み、記事を読み、 本を読んで、自分で判断して欲しい。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

Apple、Mojave で Back to My Mac を見捨てる

Back to My Mac (日本語では「どこでも My Mac」) 機能は、macOS 10.14 Mojave にはもはや含まれない。2018 年 8 月 9 日に、Apple はサポート書類の中でこの事実を発表し、少数かつ不十分ながらいくつかの代替策を紹介した。二台の Mac が同じネットワーク上になくても画面共有やファイル共有ができるようにするためのこの機能は、2007 年に Mac OS X 10.5 Leopard において初めて登場したものだ。

Back to My Mac は一台の Mac を別の Mac へ、何ら特別のネットワーク設定もルータ構成も必要とせずにインターネットを通じて接続する手段を提供した。例えば旅行中に、あなたのローカルエリアネットワーク (LAN) 上にある Mac へ、まるで同じ LAN 上にいるかのような感覚で接続できるようにした。双方の Mac が同じ iCloud アカウントにログインし、そのアカウントが Finder のサイドバー上の Shared のところに表示された。その後 Apple は AirPort Utility を通じて、AirPort ベースステーションの遠隔設定をする機能もこの Back to My Mac の中に組み込んだ。

Back to My Mac は当初 .Mac を使い、その後 MobileMe を、そして最後に iCloud を、双方の Mac の間に暗号化されたトンネルをセットアップするための中心的調整ポイントとして使った。これは、ある種の非常にプライベートな VPN (仮想プライベートネットワーク) であった。一般的にこれはファイル共有と画面共有にしか対応しておらず、共有される Mac 上でそれらのサービスが有効とされている必要があった。ただ、いくらか手を加えさえすれば、他のタイプの接続、例えば FTP や SSH のようなものも使えることはあった。

その当時、私は Back to My Mac をとてもワクワクするものだと思った。異なるルータやネットワーク設定の下で正しく動作させるには非常に複雑な準備が必要であったので、私は Back to My Mac のみを題材に 100 ページ近くもある Take Control シリーズ本を書いた。(それとは別に画面共有の本も書いた!)

Back to My Mac は、特定のネットワーク構成の下でしか信頼性をもって動作しなかった。いわゆる "Double NAT" つまりローカルな IP アドレスを割り当てるネットワークデバイスのレイヤーが二つある状況では、通り抜けることができなかった。(2007 年 11 月 17 日の記事“Back to My Mac のための風穴を開ける”参照。) このような状況は、例えばあなたが ISP の提供したブロードバンドモデムを持っていてそのモデムが何らかのネットワーキング機能を提供し、それと同時にあなたが独自の設定で自前の Wi-Fi ゲートウェイを取り付けたいと思ったような場合に発生し得る。この困難は、他の遠隔アクセス用ソフトウェアを使うことで克服できることもある。

Back to My Mac 機能の必要度は、今はもう Apple がこれを導入した当時ほどには高くない。当時は、遠隔アクセスをしようと思えば業界標準の VNC プロトコルを使うサーバおよびクライアントのソフトウェアを自分で入手して設定する方法を知っていなければならなかった。(Apple の Screen Sharing サービスは実際には変更を施したバージョンの VNC で、後方互換性のためセキュア度はかなり低いが標準的な VNC にも対応している。)

けれども今日では、個別の形での遠隔アクセスのために数多くの選択肢が利用可能で、その多くは複数のデスクトップ・プラットフォームに跨がって働けるようになっている。けれどもそれらの大多数はかなり高価か、または月額講読を要するものばかりだ。

Back to My Mac の代替候補いろいろ

まず第一に、嬉しい知らせがある。Back to My Mac 機能がなくなっても、macOS の画面共有機能は従来と同様に働く。この機能は LAN 上で使う こともMessages 経由で呼び出すこともできる。

個人用または非営利目的のみで画面共有とファイル共有を必要とする場合には、TeamViewer が最良の選択肢だ。(選択肢は他にも数多くある。) これは、仕事のために使うのでない人に対して、信頼に基づくシステムとして無料で提供されている。仕事に使う場合は最低価格が年額 $588 からで、この料金では一人のユーザーが無制限の個数のコンピュータにアクセスできるが、同時に一つずつしかセッションをアクティブにできない。

一方、The Sweet Setup の記事は Edovia の Screens (Mac 版の価格は $30、または月額 $9.99 の講読サービス Setapp の一部としても利用できる; iOS 版の価格は $20) を推薦しており、これは Mac やその他のプラットフォームへの遠隔アクセスができる。(この記事には他にも、試してみる価値のある代替製品が多数紹介されている。)

Apple は Apple Remote Desktop ($80) を推奨するが、これに対するレビュー記事はかなり低評価のものが多いし、Apple はこれが輝きを持つ存在となり最新版の macOS で信頼性をもって働くようにするレベルの開発の努力を注いできていないように見える。もちろん、Back to My Mac が macOS から取り除かれてしまう以上、何らかの改善がこちらになされるのかもしれないが、今のところ私としては Apple Remote Desktop を多くの人に推薦することはできない。

さて、ファイルへの遠隔アクセスについては、私の知る人たちほとんど全員が、今やクラウドベースのサービスに切り替え済みだ。具体的には Box、Dropbox、Google Drive、iCloud Drive、Microsoft OneDrive といったものだ。これらのサービスはいずれも、モバイルソフトウェア経由で、またウェブブラウザ経由で、リンクされたデスクトップ上にあるファイルへのアクセスを提供する。

やはり Mac から Mac へのセキュアなトンネルが欲しいという人は、より複雑な解決法を検討する必要がある。例えば VPN サーバソフトウェアを Mac にインストールするといったことだ。これは従来 macOS Server の中のオプションであったのだが、Apple は将来のバージョンで VPN サーバ機能を削除しようとしている。(2018 年 1 月 26 日の記事“Apple、多くの macOS Server サービスを非推奨に”参照。)

Apple が Back to My Mac を終わらせるというニュースを読んで、私はとても残念だと思った。長年にわたってそのユーザーたちのために役立ってきたからだ。でも考えてみると、おそらく日常的な Mac ユーザーたちにはあまり受け入れられなかったこともあるのだろうか、Apple はこのツールをそのまま衰えるにまかせ、結局一度もこれを macOS の中の堅牢な、筋の通った、現代的な部分へと築き上げることをしなかった。そろそろ諦める潮時なのだろう。

ところで、TidBITS では現在2問から成るアンケート調査を実行中で、TidBITS 読者の皆さんが Back to My Mac をどう思うか、どんな目的で使ったことがあるかについて調査中なのでご協力頂きたい。

 

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Josh Centers  訳:亀岡孝仁  

Backblaze からのファイル復元法

CrashPlan for Home が停止する日 22 October 2018 が近づいており ("CrashPlan、コンシューマ向けバックアップを廃止" 22 August 2017 参照)、私の所にも、我々が代替として推奨している Internet サービスの Backblaze (TidBITS のスポンサーでもある) からファイルを復元する最善の方法についての質問が届いている。

Backblaze の場合、バックアップは殆ど自動であり、背景で継ぎ目なしに動作するが、ファイルを復元する手順はもう一段の注意を要する。これらの手順は前もって練習しておく価値がある。そうすれば、万が一ファイルを失ったり、壊れたりした場合にも、慌てることなく、自信を持って作業にあたることが出来る。そして、練習をするのに、何も 13 日の金曜日まで待つ必要もない ("国際「バックアップを確かめよう」デー" 13 July 2018 参照)。

スタートラインに進む

まず、Backblaze にログインして、ファイルを選択する所まで到達しなければならない:

  1. メニューバーの Backblaze ボタンをクリックし、Restore Files を選択する。
    Restoring files from the Backblaze menu bar item.
  2. デフォルトの Web ブラウザーが Backblaze ログインページへと誘う。自分の信任情報を入力し、Sign In をクリックする。もし2要素認証を有効にしてあるのであれば、そのコードを、認証アプリか SMS メッセージから入力する。
  3. 3つの選択肢が与えられる:Download Zip, USB Flash Drive, そして USB Hard Drive である。ここでは最初の選択肢しか取り上げない。そして、その呼び方も多少誤称のきらいがあるので注意が必要である。と言うのも、復元するのが数ファイルだけならば、Zip ファイルをダウンロードする必要はないからである。他の二つの選択肢は、データ量が多く、ダウンロードするのに数日必要となる場合などには必須である。ここでは Download Zip を選択する。
    Choosing your restore option in Backblaze.
    (余談だが、USB Hard Drive オプションはドライブ当たり 4 TB に制限されるので、もし 8 TB ドライブを Backblaze にバックアップする場合は、それを二つの 4 TB ボリュームにパーティションしておき、単純に全てのファイルを含むドライブを復元するよう要求出来るようにしておくことを考えたい。)
  4. もし個人暗号鍵をお持ちならば、必要に応じて下方にスクロールして、そのページの下端近くにあるフィールドにそれを入力する。そして Unlock をクリックする。
    Entering your Backblaze private key.

そのページの下端にファイルブラウザが現れ、復元するファイルを選択させてくれる。ファイルを読み込むのに数分かかる場合もあるので、短気を起こさないように。

The Backblaze file browser.

インターフェースの上部で、コンピュータと復元したいバックアップを指定出来る。Backblaze は、以前のバージョンのファイルも最大 30 日保持するので、もししばらくいじっていないファイルの最新バージョン以外の何かが必要であれば、Files From ポップアップメニューから離れ、Beginning of Backup に行き、そして To メニューを復元したい日付に設定する。完了したら、Go をクリックする。

ファイルブラウザの中で、Select All Files and Folders を選択することも可能だが、とてつもなく速い Internet 接続を持っていない限り、Backblaze に USB ドライブを送って貰う方が利口であろう。

ファイルブラウザは基本的に見た通りである。拡張三角をクリックし、フォルダを開いて、復元したいファイルを選定する。

単一ファイルを復元する

一つのファイル名をクリックすると、それをすぐにダウンロードするか共有するかの選択肢が現れる。但し、30 MB よりも小さいことが前提である。Backblaze はこの機能を顧客の要望に応えて 2017 年に追加した

Downloading a single file from Backblaze.

ブラウザの中でファイルをすぐにダウンロードするには Download をクリックする。代わりに、Share with Link をクリックすると、その URL と、その URL をクリップボードにコピーする Copy ボタンを含むテキストフィールドが見えてくる。このリンクを持っている人は誰でもそのファイルをダウンロード出来る。この方法でファイルを共有する少々手の込んだ詳細については、Backblaze の記述を参照されたい。この方式には同社の B2 クラウドストレージサービスが関与してくる。

複数ファイルを復元する

もし一つのフォルダ全てを、或いはかなりの数のファイルを復元する必要があるのであれば、ブラウザの中でそのファイルを選択し、そして Zip ファイルを依頼しなければならない。その準備には時間がかかる。しかし、長所としては、それらファイル全てを一回の命令だけでダウンロード出来る。

ファイルブラウザで、復元したいファイルのチェックボックスを選択して印をつける。複数のフォルダから復元する場合、フォルダやサブフォルダがサイドバーでどの様にハイライトされるかに注目してほしい。これは、マークされたダウンロードすべきファイルが何処にあるかを示している。

Selecting multiple files in Backblaze.

復元したいファイルを選定し終えたら、Continue with Restore をクリックする。

次は、待ち時間の番である。Backblaze は、皆さんのバックアップアーカイブを作成するのに数分間要することがある。勿論、この時間は、選定したファイルの数、その総容量、そして現在のサーバー負荷に依存する。私のテストでは、24 GB の復元でも、通常 10 分かそこらで済んだ。

しばらくすると、あなたの復元は準備完了ですというメールを受け取る。"サインインしてダウンロードする" をクリックし復元ページに行く。(別な方法もある。Web 上であなたの Backblaze アカウントにサインインして、My Restores をクリックすることで、その復元ページに何時でもアクセス出来る。)

An email from Backblaze letting you know your restore is ready.

そこで、Download ボタンをクリックし、選定したファイルの Zip アーカイブを入手する。

Restores available to download from Backblaze.

Zip ファイルを依頼し、そしてダウンロードするというこの手順は紛らわしいと感じる方のために、ビデオを作成した。これで紛らわしさは解消されると思う。

手にするのは、復元されたファイルのアーカイブなので、個々のファイルが Finder 上の元々あった場所に復元されることはない。アーカイブをダブルクリックして展開し、それから手動で個々のファイルを元々あった場所に移動させる。

とりわけ大きな Zip アーカイブをダウンロードする時には、Backblaze Downloader アプリを使った方が良い。何故ならば、その方が Web ブラウザよりも、効率的で信頼度が高いからである。復元アーカイブのダウンロードの準備が出来たら、このアプリを起動し、Backblaze 信任情報を入力、ダウンロードを受け入れる手元のフォルダを指定、Sign In to Start をクリック、復元アーカイブを選択、そして再度 Sign In to Start をクリックする。注意すべきは、復元を Backblaze Downloader から始めることは出来ないことである。これは、ただ単に既に作成済みのものをダウンロードするだけである。

とどのつまりは復元

私が Backblaze の有料顧客になって何年も経つし、そしてそのサービスには満足してはいるが、復元の経験には改善の余地がある。

理想を言えば、Backblaze は復元のためのネイティブな Mac アプリを提供して、ブラウザインターフェースを省き、Backblaze Downloader アプリのダウンロード機能を提供、そして、ファイルを元々あった場所に復元する、Time Machine の様な、オプションを提供出来るはずである。そうすれば、復元の後でファイルを元々の場所に戻す必要もなくなる - ファイルが1つや2つなら何ら問題ではないが、ドライブのあちこちに散在する数多くのファイルやフォルダを復元する必要がある時には、手のかかる作業である。

ありがたいことに、私が Backblaze から復元しなければならないことはそうしばしばは起こらないし、あっても、通常関係するファイルは1つか2つである。しかし、多くの場合、それが Internet バックアップサービスが理想的である場面でもある - 他のバックアップ手段で救えなかった少量のデータを復元出来るからだ。勿論、火事、洪水、或いは盗難であなたのデータが消えてしまった場合に対する最後のオフサイトの砦として欠かせないことは言うまでもないであろう。

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Jeff Carlson  訳: Mark Nagata   

NAS を購入する前に知っておくべきこと

長年にわたって、私は古い Mac mini を大サイズの外付けハードディスクに繋いで、これを汎用のネットワークサーバとして使ってきた。私の音楽や映画はすべてこの中に入っていたが、同時にこれはオーバーフロー用ストレージとして働いたし、時々はベータ版ソフトウェアをテストするためにも使った。大体においてちゃんと働いてくれたけれども、いつ見てもどことなく具合の悪い寄せ集めという感じが抜けなかった。ストレージの必要が増すにつれて、また私の著書 Take Control of Your Digital Storage の執筆が進むにつれて、もっとしっかりしたストレージ手段、例えば NAS (ネットワーク接続ストレージ) デバイスのようなものが必要であることを私は強く意識するに至った。

どんなタイプの NAS を購入すべきかについて、技術屋の友人に尋ねて意見を聞いてみたところ、彼の返答は私の状況にぴったり一致していた。(おそらく皆さんの考えとも一致しているだろう。) 彼も一台買おうと思っていたのだが、検討の際に考慮すべき変数があまりにも多過ぎて、決められないまま買わずにいるのだという。

NAS 本体は多くの場合見掛けは単なる大きめの箱で、ドライブ一台だけを含んでいることもあるが、それよりも二台かそれ以上のドライブを収納できるベイを持つことの方が多く、それぞれのベイにハードドライブや SSD を入れて使う。こうすることで、ベイの中のドライブをより大容量のドライブに入れ替えれば、必要に応じて全体のストレージ容量をアップグレードすることも可能となる。けれども NAS が特別なのは、それ自体がコンピュータでもあること、プロセッサと、オペレーティングシステムと、RAM を装備していて、さまざまなタスクを処理できることだ。

この NAS を Ethernet ケーブルを通してあなたのローカルネットワークに接続すれば、同じネットワーク上にいる誰でもその NAS を利用できる。そして多くの場合、ローカルネットワークの外部からその NAS にアクセスすることもできる。あなたがラップトップ機を持ってどこかを訪問した際に重要なファイルを内蔵ディスクに入れ忘れていたと気付いても (あるいは、あなたが居間のソファに座っていて欲しいファイルが二階の仕事部屋の NAS の中だと気付いても)、何の問題もない。まるでそのドライブがラップトップ機に直接接続されているかのように、そのファイルを手にすることができる。

NAS ユニットを販売しているベンダーは数多くある。例えば SynologyQNAP DroboWD. などだ。しかも、個人使用向け、小規模オフィス向け、さらには産業用など、目的に応じてさまざまのタイプのモデルがある。

ハードドライブのスペック表を見て種類が多過ぎて目がクラクラするとお思いなら、一度 NAS デバイスの技術的詳細を比較検討してみられるとよい。価格が常に重要な検討要因であることは間違いないが、多くのメーカーは目標価格を達成するためにさまざまのコンポーネントをそれぞれ取り合わせ組み合わせしている。例えば、ドライブベイの個数を二つでなく四つにする代わりに、古めのプロセッサと少なめの RAM を搭載したりすることもある。でもそのことはつまり、あなたが必要とするタスクを実行できるモデルを、予算の範囲内で見つけられる可能性があるということでもある。

まずは、NAS と外付けドライブを比較しよう

個々の機能自体を検討する前に、まずは標準的な外付けハードドライブの代わりに NAS を使うことの利点を考えておこう。よく言われる理由は次のようなものだ:

ではいよいよ、NAS の個々の機能を検討しよう

以下に列記するさまざまの仕様は、おおよそそれらの重要度に従って並べてあるが、何を重要と考えるかは人によるかもしれない。例えば、ストリーミングされた映画のハードウェア・トランスコードを優先したい人もいるだろう。

ドライブベイの個数

一台の NAS に数多くのドライブを詰め込めば詰め込むほどストレージ容量は大きくなるが、話はそう単純ではない。2 ベイの NAS は一見良い入門機で、確かに価格も安い。でも、忘れてならないのは、NAS の標準的な RAID 構成では一台のドライブをデータ用に、もう一台のドライブを二重化用にセットアップするということだ。つまりこれが、2 ベイモデルの RAID 1 構成だ。

Four vs. two-bay NASes.

例えばそこに 2 台の 4 TB ドライブを装着すれば、使用可能なストレージ容量は 4 TB、保護用にミラーされる分が 4 TB ということになる。容量を増やそうと 2 台の 8 TB ドライブを買って来て 4 TB ドライブと交換すれば、使用可能なストレージ容量 8 TB、保護用に 8 TB となる。

4 ベイモデルならば、その代わりに 2 台の 4 TB ドライブを買って来て (その方がテラバイトあたり価格が 8 TB ドライブより安い) 空いていた 2 つのスロットを埋めれば、RAID 5 構成 (あるいはそれと同種の独自仕様構成) を使うことで使用可能なストレージ容量を 12 TB にでき、残りの 4 TB だけを保護に使うようにしてデータ冗長性と故障への保護が確保できる。

(4 ドライブの RAID 5 構成では、冗長性はミラーリングから来るものではなく、パリティ情報を記録することから来る。パリティ情報とはファイルをコピーした際に追加される少量の余分のデータで、操作が成功したことを保証するものだ。そのお陰で、この方式では使用可能なストレージ容量を冗長ストレージ容量より大きくすることができる。)

ストレージ容量と RAID の各レベルとの関係に馴染みがなくて困ったなら、Synology の RAID Calculator を使ってみるとよい。Synology 製の NAS を買わなかったとしても、このツールは異なる RAID レベルの下でドライブ容量がどう働くかを理解する役に立つだろう。

Synology's RAID Calculator.

Ethernet

NAS (ネットワーク接続ストレージ) の「ネットワーク」部分は Ethernet 経由の接続で実現される。ほとんどのモデルでそれは Gigabit Ethernet (GbE) を意味し、これは理論的転送速度 1 Gbps (毎秒キガビット) に対応する。もっと高価なモデルの中には 10 Gigabit Ethernet (10 Gbps) 接続に対応するものもある。もちろん速ければ速いに越したことはないが、現状で 10 GbE に直接対応する Mac が iMac Pro のみであることに注意しよう。Thunderbolt 3 を搭載した Mac では、アダプタを買って来ればその速度を達成できるようになる。それからまた、10 GbE ネットワークでは Ethernet スイッチもその速度を処理できるものでなければならない。私がお勧めしたいのは、もしもあなたが将来 10 GbE を使いたいと思うのならば、10 GbE を内蔵するか、またはそれをオプションとして提供している NAS を購入することだ。一部の NAS モデルでは PCIe 拡張カードスロットを装備することでその種のアップグレードを可能にしている。

もう一つ、Ethernet に関係して考慮しておくべきことがある。それは、搭載されているポートの個数だ。2 基以上のポートを搭載した NAS モデルは、リンクアグリゲーションと呼ばれる機能を提供する。LACP (Link Aggregation Control Protocol) 対応の Ethernet スイッチに接続されると、その NAS は複数の Ethernet ポートにデータを分散させてボトルネックを回避することができる。複数台のコンピュータが頻繁にその NAS にアクセスする場合には、リンクアグリゲーションを使うことでネットワークのパフォーマンスが良くなることがある。ただしそうでない場合には、一台のコンピュータへ二倍量のデータが送られることになってしまい、速度の向上は得られない。

CPU

NAS は一人前のコンピュータであって、単なる受け身のハードドライブではないので、ソフトウェアを走らせたりストレージを管理したりするためにプロセッサを備えている必要がある。ほとんどの使用目的では、CPU のタイプやブランドに左右されることはない。どんなものでも、きちんとファイルを処理できるからだ。ただし、データを暗号化したり、あるいはビデオをトランスコードして対応する解像度の違うデバイス上でも観られるようにしたりする場合には、CPU の仕様が問題になる。

メモリ

どんなコンピュータにも言えることだが、NAS にも多くの RAM が搭載されているほどタスクを達成するための能力が増す。もちろん Photoshop を走らせる訳ではないが、RAM が多ければそのユニットが複数個の同時接続を処理したり、データを暗号化したり、その他の作業を処理する助けになる。RAM の増設が可能なモデルを探すとよい。そうすれば、購入時には最大量のメモリを搭載していなくても、後になってアップグレードが可能となる。

電力消費

NAS は常時走らせるためにデザインされているので、通常の運用時と、ドライブが低電力またはハイバーネーションのモードにある時とのそれぞれで、どの程度の電力を消費するかを確かめておこう。例えば Synology DiskStation DS418play (私が購入したモデル) はアクセス中は 29.01 W、ディスクがハイバーネーションモードにあれば 10.59 W を消費することになっている。これに対して現行の Mac mini は、Apple の仕様表によれば「使用可能な最大電力」が 85 W、待機中が 6 W となっているので、Mac が何をしているかにもよるがこちらの方が平均的には DiskStation DS418play より多いようだ。

ハードウェア暗号化

NAS に保存されたデータが暗号化されていることが重要ならば、ハードウェア暗号化を提供するモデルを探すとよい。この機能がなくてもデータの暗号化はできるが、そうするとより大きな CPU パワーが必要となり、専用の暗号化ハードウェアに比べて動作速度が遅くなる。暗号化されたデータの読み書きによって全体的なパフォーマンスは落ちるが、ハードウェアによる支援はないよりある方がずっと良い。また、あなたが検討中の NAS がデータの暗号化をボリュームレベルでするのか、それとも単にフォルダレベルでするだけなのかも確認しておこう。

ハードウェア・トランスコード

オーディオやビデオのライブラリをその NAS 上にホストして、そのネットワーク上にあるコンピュータやデバイスにコンテンツをストリーミングするつもりならば、ハードウェア・トランスコードに対応したモデルを買うことを考えよう。この機能があれば、高解像度のビデオをより素早く送信先のデバイスに最適化したバージョンに変換することができる。例えば、iPhone X を使って撮影した 4K ムービーファイルがあるとしよう。これを 1080p HD テレビで観る場合、NAS はそのデバイスに適するようにトランスコードしたバージョンをストリーミングするので、4K 解像度のデータによるオーバーヘッドの分は送られない。

メディアのストリーミング用に人気のあるソフトウェアシステム Plex は、処理のために NAS 内の CPU のみを使うので、Plex ユーザーにとってはハードウェア・トランスコードの機能は不要だ。Plex サーバとしても使うつもりの場合は、代わりに CPU と RAM の仕様を優先的に検討する方がよい。

RAID とファイルシステムへの対応

複数個のドライブを持つ NAS は、RAID スキームを使うことでそれらのディスクが全体として一個のボリュームであるかのように挙動する。どの RAID レベルに対応しているかはチェックしておくべきだ。特に、手動でレベルを変更するつもりがあるならば必ず知っておこう。そのモデルが独自にカスタマイズした RAID 構成を採用していることもあり得る。例えば Synology は Synology Hybrid RAID (SHR) というものを使っており、これはストライピングと冗長性の両方を提供しつつ使用可能なストレージ容量を最大化することを目指すものだ。Drobo の BeyondRAID テクノロジーもこれに似た働きをする。

あなたが検討中のモデルにもよるが、きっと二種類のファイルシステムに遭遇することだろう。長年使われてきた ext4 と、それより新しい Btrfs だ。後者はスナップショットに対応し、ある種のローレベルのデータ保全性チェックも実行する。

通常、ファイルシステムというのはほとんどの人たちが気にする必要のない機能だ。それにもかかわらずここで触れたのは、いくつかのベンダーが Btrfs をマーケティング上の売り文句として宣伝しているからだ。一般的に、ext4 の方が Btrfs よりも少し高速で、歴史も長い。Btrfs (B-tree file system) は現代的な代替方法として開発され、より積極的にデータの保護をしようとする。言ってみれば、ext4 を Mac OS Extended (HFS+) ファイルシステムに近いものとするなら、Btrfs は macOS High Sierra で導入された APFS (Apple File System) ファイルシステムに相当するというところだろうか。(2018 年 7 月 23 日の記事“APFS は何をしてくれるのか、APFS で何ができるのか”参照。) 私には Btrfs がそれほど重要な機能だとも思えないが、おそらくあなたも決断を迫られることになるだろう。

その他の検討事項

他にも注意すべき点はたくさんある。例えば NAS が発する騒音や、暖かい場所に置く場合には稼働中の温度も考える必要がある。また、私としては処理能力のパフォーマンスも検討すべきリストに加えたかった。何と言っても、結局は速い方が良いではないか? しかしながら、メーカーからは必ずしもすべてのモデルについてそのデータが公表されていないし、公表されている数字もおそらくテストの環境に手を加えて最良の数字が出るようにした結果に違いない。だから、もちろんパフォーマンスの数字は考慮に値するけれども、常に疑いの目をもって見るようにしたい。

なぜ、ハードドライブは NAS 専用のものを買うべきなのか

ハードドライブのドックというものは、汎用のストレージソリューションとしてとても優れている。標準的な内蔵用ハードドライブをドックに差し込んで、それをコンピュータに接続するだけで使え、外付けドライブでよくあるような筐体、ケーブル、電源などの問題で頭を悩ます必要がない。

A hard drive "toaster" dock.

私はそのようなドックを長年使ってきたので、より大きな容量を求めて入れ替えた際に役目を終えた古いドライブが山のように溜まっている。ひょっとして、これらの古いドライブを NAS に放り込んで使えば、そのストレージ容量が有効利用できるのではないか?

確かにそれは心をそそるアイデアだが、いや、そんなことをしてはいけない。理由は三つある。

ドライブのメーカーは数多くあるが、私が調べてみる度に WD の Red シリーズと Seagate の Ironwolf シリーズに対する好評価のレビュー記事が目に付いた。どちらの会社もそれぞれに NAS 用に強化を施した "pro" 版も出しているが、これらはむしろ大規模な企業内で据え付けるためのもののようだ。

NAS 入門をどうぞ

NAS は、あなたの Mac のストレージのために多目的に使える追加装備となり得るけれども、購入の際にはあまりにも多くの選択肢や仕様の違いがあって、手も足も出ない気持ちになってしまうかもしれない。そんな時にこの記事が、皆さんが独自に調査を進めるための参考資料として役立つとすれば嬉しい。

あなたのセットアップに NAS を一台追加した後には、ぜひとも私の著書 Take Control of Your Digital Storage を読んで、NAS 上でファイルを操作したり、ネットワークの外からアクセスしたり、その他のことについて詳しく学んで頂きたい。この本にはまた、デジタルストレージにおけるもっと他の側面、例えば Disk Utility や First Aid を使いこなす、macOS High Sierra の APFS ファイルシステムを理解する、ディスク容量の空きを解放する戦略、といったことも記されている。

ところで、TidBITS では現在3問から成るアンケート調査を実行中で、TidBITS 読者の皆さんが NAS デバイスについてどう思うか調査中なのでご協力頂きたい。

討論に参加

TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata

Tweetbot 3.1

Tweetbot 3.1

Tapbots が、いくつか残念なニュースを伴って Tweetbot 3.1 をリリースした。Twitter が公開インターフェイスの一部を無効化したことにより、Tapbots は一部の機能を無効化、あるいは降格せざるを得なくなった。Mac 用 Tweetbot 3.1 は今回タイムラインのストリーミングを無効化した。ただしタイムラインは 1 ないし 2 分間に一度ずつ自動的に更新する。さらに、Mention、Direct Message、Follow、Follower's Tweet の通知が数分程度遅延するようになった。今回のリリースでは Like や Retweet の通知が完全になくなり、Activity および Notifications のタブもなくなった。iOS 用 Tweetbot 4 にも同様の変更が施され、Tweetbot の Apple Watch 用アプリは削除された。(Mac App Store から新規購入 $9.99、無料アップデート、5.5 MB、macOS 10.12+)

Tweetbot 3.1 の使用体験を話し合おう

Aeon Timeline 2.3.10

Aeon Timeline 2.3.10

Aeon Timeline が、社名と同名のビジュアル・タイムラインアプリのバージョン 2.3.10 をリリースして、執筆アプリ Scrivener との同期に修正を施した。今回のアップデートでは Scrivener プロジェクトを閉じる際の安定性の問題を解消し、Scrivener における真夜中の時刻を同期する際のバグを修正し、また書類が空白の場合に "Untitled" と名付けないようにして Scrivener 3 の動的タイトル付け機能との整合性を確保した。

Aeon Timeline 2.3.10 ではまた、異なるテンプレートを持つタイムライン同士の間でカット&ペーストする際のバグに対処し、複数個の値を持つ CSV 読み込みフィールドで内部的デリミタを選べるオプションを追加し、タイムライン上へ複数個のイベントをドラッグした際の問題点を解消し、利用可能なカラーパレットを拡張している。(新規購入 $50、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、53.6 MB、リリースノート、macOS 10.8+)

Aeon Timeline 2.3.10 の使用体験を話し合おう

EagleFiler 1.8.4

EagleFiler 1.8.4

C-Command Software が EagleFiler 1.8.4 をリリースして、来たるべき macOS 10.14 Mojave に備えるための変更をこの書類アーカイブ作成用アプリに施した。今回のアップデートでは Mojave の Dark Mode に対応し、キャプチャキーが Mail でも働くようにし、Mojave との互換性に備えてインターフェイス要素に磨きをかけた。また、C-Command Software はユーザーに対して、Mojave のデータ保護機能のため EagleFiler に Full Disk Access を認め、さらに Automation アクセスを Finder、Mail、Safari、その他データをキャプチャしたいアプリケーションに認めるよう勧めている。

EagleFiler 1.8.4 ではウェブページの読み込みを改善し、ブックマークフォーマットでの URL の読み込みを高速化し、反応性を改善し、Mojave のいくつかのバグ (開いたライブラリが記憶されない問題や、ブックマークファイルが保存できない問題など) を回避した。EagleFiler は今回から、以前のように 10.6.8 Snow Leopard 以降でなく Mac OS X 10.7 Lion 以降を必要とするようになった。(C-Command Software からも Mac App Store からも新規購入 $40、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、20.5 MB、リリースノート、macOS 10.7+)

EagleFiler 1.8.4 の使用体験を話し合おう

Lightroom Classic CC 7.5

Lightroom Classic CC 7.5

Adobe が Lightroom Classic CC 7.5 をリリースして、Book モジュールに新しいブックタイプ (Blurb Magazine と Blurb Trade Book) と新しいペーパータイプ (Standard Layflat) を追加した。このデスクトップ中心の写真カタログ・編集アプリケーションは今回から、Zip ファイル内部の複数個のプリセットやプロファイルを読み込めるようになり、Windows 10 上で Apple の画像ファイルフォーマットへの対応を追加し、develop スライダーで Dehaze ツールが引き起こした遅延の問題を解消し、パーセンテージを使って書き出した画像のサイズが正しくなかったバグを修正し、明るい色の画像で Crop/Transform のオーバーレイの見やすさを改善している。

Lightroom Classic CC は Creative Cloud Photography プラン (これは Lightroom CC と Adobe Photoshop CC も含む) の一部としても入手できる。プランの価格は、ストレージ容量 20 GB で月額 $9.99、1 TB で月額 $19.99 だ。(プラン価格の比較表もある。) 従来の Lightroom 6 アプリとは異なり、独立動作バージョンの Lightroom Classic CC を購入するオプションはない。(月額 $9.99/19.99 の Creative Cloud 購読、無料アップデート、リリースノート、10.11+)

Lightroom Classic CC 7.5 の使用体験を話し合おう

Parallels Desktop 14.0

Parallels Desktop 14.0

Parallels が仮想化ソフトウェア Parallels Desktop のバージョン 14.0 をリリースして、50 件以上の新機能を盛り込むとともに、macOS 10.14 Mojave および Windows 10 Update 1809 (今年中に登場予定) 双方に対応するようにした。新機能の中で最も注目すべきものの一つは新しいストレージスキームで、Windows および Mac 双方のストレージメカニズムを最適化することにより仮想マシンスペースを大幅に (最大 20 GB) 節約している。Parallels 14 ではまたグラフィックス機能と OpenGL 対応を改善し、SketchUp Pro、OriginLab、DIALux 8、DELFTship、CTvox、その他を走らせられるようにしている。

今回のリリースでは Windows と Windows アプリケーション双方に Touch Bar 対応を追加し、Windows やアプリケーションの起動を最大 35% 高速化し、未使用の仮想ビデオメモリが Mac のシステムメモリに返されるようにし、最大 4K 解像度に対応するカメラで共有カメラテクノロジーが使えるようにし、また Full Screen で "Use All Displays" の処理とパフォーマンスを改善した。

標準版の Parallels Desktop (家庭用や学生用として位置付けられる) の価格は年額講読で $79.99、終身ライセンスは $99.99、また Parallels 12 や 13 の終身ライセンスを持つユーザーは $49.99 でアップグレード (または年額 $49.99 で Parallels Desktop Pro Edition 講読にアップグレード) できる。無料で 14 日間有効のフル機能試用版もある。

Parallels Desktop Pro Edition と Business Edition はそれぞれ新規顧客には年額 $99.99 の講読となる。Pro Edition と Business Edition の双方とも、最大 32 コア (vCPU) と 128 GB の vRAM を割り当て可能で、ビジネスクラウドサービスに対応し、年中無休 24 時間の電話および電子メールサポートが付く。Business Edition ではさらに中央化された運営・管理機能が加わり、大量配備のための統一ボリュームライセンスキーも提供される。(Standard Edition の年額講読 $79.99 (アップグレード $49.99)、Pro/Business Edition は年額講読 $99.99 (講読更新 $49.99)、198 MB、リリースノート、10.11.6+)

Parallels Desktop 14.0 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata

The 1998 Meeting with Steve Jobs that Spawned Wi-Fi

Wi-Fi を生み出した 1998 年の Steve Jobs ミーティング

Wi-Fi Now の記事が、現在の私たちが知る形の Wi-Fi を生み出すこととなった 1998 年の Steve Jobs と Lucent Technologies との間のミーティングについて紹介する。Jobs は開発中の iBook のためにワイヤレスネットワーキングを望んでおり、一方 Cees Links が率いる Lucent のチームは大衆向けのワイヤレスネットワーキングを販売しようと何年間も試みながら成功に至ってはいなかった。当時 Lucent は Apple よりも遥かに規模の大きな会社であったが、Jobs は約束の時刻に遅刻した。けれども、彼がその部屋に入るやいなや、彼が Lucent の Wi-Fi カードを購入するつもりであることは明らかであった。Lucent にとって残る難関は Apple の要求する $50 という価格だった (Apple はこれを $99 で販売するつもりであった) が、Lucent は交渉を成立させ、そうして Jobs は 1999 年の MacWorld の壇上で Wi-Fi を実演し、それから後はもう言うまでもないだろう。

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As of September 2018, Microsoft Office 365 Updates Will Require 10.12 Sierra

2018 年 9 月以降、Microsoft Office 365 アップデートに 10.12 Sierra が必要

Microsoft が Office 365 ユーザーに対して、今後新機能を手にしたいならば macOS 10.12 Sierra またはそれ以降にアップデートする必要があると告げている。2018 年 9 月に、Microsoft は Office 365 ユーザーに対して Office 2016 for Mac から Office 2019 for Mac へのアップデートを配布するが、このアップデートは 10.12 Sierra、10.13 High Sierra、または来たるべき 10.14 Mojave を必要とする。ただし、古いバージョンの macOS を使って Office 2016 for Mac を走らせているユーザーも「メインストリームのサポート」は引き続き受けられるという。私たちの解釈では、これはつまりセキュリティ脆弱性や深刻なバグの修正は受けられるという意味なのだろう。

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Hackers Steal T-Mobile Customer Data, Including Passwords

パスワードを含んだ T-Mobile 顧客データをハッカーが盗む

1日がまた過ぎて、またもや新たな大規模セキュリティ漏洩があった。今回のターゲットはセルラー・キャリアで、ハッカーたちが 2 百万人分の顧客個人データを持ち去った。ただ、今回の漏洩で影響を受けたのは 7 千 7 百万人いる T-Mobile 顧客の 3% 以下だ。漏洩したデータは名前、電子メールアドレス、暗号化されたパスワードその他を含むが、財務情報や Social Security 番号は含んでいない。T-Mobile は犠牲者たちにテキストメッセージを送って連絡しているが、もしもあなたが T-Mobile 顧客なら、いずれにしてもパスワードの変更をしておくべきだ。いつも言っていることだが、1Password や LastPass のようなパスワードマネージャを使って個々のウェブサイトごとに別々の強力なパスワードを生成させることをお勧めする。

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