Apple が、新たに購入した Mac へ古いマシンからデータを移行させるために従来課していた $99 の料金を撤廃した。TidBITS 読者であり TekBasics のコンサルタントでもある David Price が、以前から彼の顧客たちに新たに購入した Mac へデータを移行する際には Apple に料金を払って依頼することを勧めてきたのだが、先週彼の義理の弟を連れてデータ移行を終えたばかりの新しい iMac を受け取りに行ったところ、Apple からそのサービスに料金はかからないと言われた、と報告してくれた。
私が確認のために Apple Store の Operations Specialist に問い合わせてみたところ、この方針変更が事実だという確認を得た:
4 月 2 日以後、新規購入の Mac に対する Data Migrations サービスと修理の際の Data Transfers サービスに料金はかかりません。
そういう訳だ。Apple Store で新しい Mac を購入する場合、またはデータ移行を伴う必要のある修理をする場合、Apple は無料でデータの移行をしてくれる。そうは言っても、時間のかかることであるのは従来と変わらないので、受け取りに行く予定を立てる際にはそのことを考慮に入れるようにしよう。また、この方針変更は最近実施されたばかりなので、近日中に Apple にデータ移行を依頼する場合にはあらかじめ担当者にこの点を確認しておくようにしよう。
もちろん、古い Mac から新しい Mac へデータを移行させる作業をあなたが自分でするのも大して難しいことではないし、Apple からはセットアップ手順の概要を記したサポートページも出ている。
Golden Hill Software の John Brayton が、CloudPull を廃止するつもりだと知らせてくれた。CloudPull は彼が作った Mac 用ユーティリティで、Gmail、Google Calendar、Google Contacts、および Google Drive からデータをバックアップするために使う。(2012 年 3 月 6 日の記事“あなたの Google データを CloudPull でバックアップ”参照。) そのレビュー記事にも書いた通り、Google 自体があなたのデータを喪失することは考えにくいが、それでも次のようなことはある:
では、現在 CloudPull に頼って使っている人はどうすればよいのか? また、自分の Google データをこれからバックアップする必要があると決めた人はどうすべきか?
Gmail のバックアップ
CloudPull の代替手段として、Gmail のバックアップは最も簡単に方法が見つかる。なぜなら、誰もが Apple の Mail アプリを持っているからだ。Apple の Mail アプリは IMAP 経由で Gmail にアクセスできるので、デフォルト設定のままですべてのメッセージと添付ファイルをダウンロードしてローカルに保存することができる。
Mail アプリを完全には信頼できないという人は、C-Command Software の EagleFiler か Moth Software の Mail Archiver X を使ってすべてのコピーを Mail アプリの外部にアーカイブ保存することができる。あるいは、電子メールをあなたの Mac 上にバックアップするために作られた Horcrux を使って IMAP ソースを直接取り込むこともできる。
Google Calendar と Google Contacts のバックアップ
Mac ユーザーならばおそらく Google Calendar や Google Contacts の情報を Apple の Calendar アプリや Contacts アプリで開いていることだろう。データはローカルに保存されているけれども、あまりにも頻繁に更新されるので、サーバ側で問題が起こればそれが直ちにローカルにも反映されてしまう。幸いにも、いずれのアプリも File > Export コマンドによってローカルにアーカイブ保存ができる。
Google のデータを標準的なフォーマットでローカルにバックアップ保存できるユーティリティを、私は CloudPull 以外に知らない。Google の Backup アプリと Sync アプリはあなたの Mac 上の Google Drive フォルダの中に Finder から見えるバージョンの Google Drive ファイルを作成するけれども、Google Docs、Google Sheets、および Google Slides にあるワードプロセッシング、スプレッドシート、およびプレゼンテーションのファイルを Apple の iWork アプリや Microsoft の Office アプリが開ける形に変換する訳ではない。
もう一つの選択肢は Google Takeout だ。これはあなたの Google アカウントの中にすべてのコピーをそのまま残しつつ、あなたの Google Drive ファイルの DOCX、XLSX、および PPTX バージョンを作成する。悪い解決策ではないが、Keyboard Maestro を使ってウェブページを開きボタンをクリックさせる以外に作業を自動化できる方法が見当たらない。それに、その方法を選んだとしても、Google がアーカイブを作成しあなたにダウンロードの用意ができたと知らせるまでに何時間も、ひょっとすると何日も、待たなければならない。定期的にするには良いことだが、毎日のバックアップ作業には適していない。
一元化されたバックアップまたは G Suite バックアップ
Gmail、Google Calendar、Google Contacts、それに Google Drive を含んだ一つの統一的なバックアップ解決策が望みならば、またはもしもあなたが Google の G Suite (上記のすべてのアプリが含まれている) をフルに購読しているならば、いくつかの選択肢がある。
その他のサービスは G Suite 購読者を対象としたもので、個人使用には対応していない。(少なくとも今はもう対応していない。) Backupify、Spanning、SysCloud といったものがあり、価格は 1 ユーザーあたり月額 $4 前後といったところだ。これらは、G Suite に一本化した小規模オフィスのようなところに適している。
あなたの Google データをハッカーや、うっかりミスや、不良アプリなどから保護するために、皆さんは他にどのようなアイデアをお持ちだろうか?
これは、追加のコンテンツという宝の山へのアクセスが得られる情報依存症の人達にとっては素晴らしいニュースであった - 内容は、主として雑誌であり、それに幾つかの新聞とニュース Web サイトも含まれる。月額 $9.99 で - Family Sharing 家庭の複数の家族もまたこの料金内で自分の好みを独自に保持出来る - Apple News+ は多くの人に魅力的と映るであろう。
Apple News+ は、New Yorker や Wall Street Journal の様な他で個別に買うと Apple News+ 全部よりも高くなる一流の出版物へのアクセスを提供してくれ、お買い得の様に見える。
さて、何が欠落しているのか? TidBITS 読者の Duane Williams によれば、Apple News+ 経由で提供されている New Yorker バージョンには、同誌の印刷版や自らのサイト上にはある特集の幾つかが見当たらないという。欠落しているのは、主として New York City 関連のもので、あなたにとっては大したことではないかもしれないが - 主なコラムや記事は落ちていない様に見える - しかし、印刷版にあるもの全てが見られるのではないことを知っておくべきである。(そして、長年広告業界で働いた読者の Marilyn Matty がその討論 や 他の場で説明している様に、多くの雑誌は、印刷版でさえ幾つものバージョンを作成するので、これが正版だと言える様なものは元々存在しないのかもしれない。)
Wall Street Journal は、この "キュレート" のより極端な例である。それは表面的には限られた記事しか Apple News+ 経由では提供しない。他のコンテンツは表面下に隠れており、検索すれば見られるという話であるが、私が読みたいと思った記事が見つからないことも時々あった。それに、これらはあると私が知っていて検索したものである。そして、報ずるところによると、新聞のコンテンツは3日分しかそのアーカイブでアクセス出来ないという。
しかしながら、TidBITS 読者の Doug Miller は、もっと良く検索し (そうでなくても Apple News 検索は弱い) そして3日以上前の記事のアーカイブ全てではないが、一部にアクセス出来る賢い方法を見つけた。彼曰く:
iOS の Safari で WSJ.com Web サイトに行き、そこで何らかの記事を開く、そしてそれが購読者限定とあれば、共有アイコンをタップし、Open in Apple News に対して共有すると、あなたが News+ 購読者であれば、それは Apple News で開く。
Apple News+ には相応の価値があるか?
必ずしも。前の記事でも述べた様に、公共図書館は、Flipster や RBdigital の様なデジタルパートナー経由でオンライン版の雑誌を無料で提供している。しかし、これらを Apple News+ の代替策として受け入れられるかどうかは、あなたがどの雑誌を読みたいかに依存する。
私は最初 Apple News+ に興奮した。しかしながら、私の好きな雑誌をリストアップしてみたら、これはお金の無駄遣いかもしれないと思った。
私の好きな雑誌の多くは、Macworld や Wired の様な、 St. Paul Public Library や Minneapolis Public Library で RBdigital を使って入手出来る。Fortune, Fast Company, そして Bloomberg Businessweek の様なものはダメであるが - これらのコンテンツの多くは、無料で彼らの Web サイトで得られる。公共図書館のシステムは全て異なるので、皆さんの図書館はどんなデジタル雑誌を提供しており、それがあなたの好みとどの様に合っているかは調べてみた方が良い。
図書館はさておき、現実的な質問は、あなたが定期刊行物に年間で $120 以上費やしているかである。我々の最近の調査では、TidBITS 読者の約 25% だけが毎年それ以上使っていると言っていた ("アンケート結果:Apple Music と Apple News+" 8 April 2019 参照)。もし、もっと少ない金額で読みたいもの全てを手にしているのであれば、Apple News+ には殆ど価値がない。
他のデジタル雑誌サービスに対する Apple News+ の利点は、書式設定にある。このサービス上にある多くの出版物は、手をかけて 27-inch iMac から 4-inch iPhone SE 迄の広範囲な Apple 機器に対応出来る様にされてきた。物によっては、表紙がアニメ化されたもの迄ある。
再フォーマット化されたコンテンツでも Mac 上ではお粗末に見えるが、これは iOS から移植された Mac の扱いにくい "マジパン" News アプリに関わる一般的な問題である。これは如何ともしがたい Mac アプリで、Mac ユーザーが期待する種類の慣習やユーザーインターフェースの細部にまで注意が行き届いていない。
他のデジタルマガジンサービスとの比較をする迄もなく、Apple News+ は、記事の集まりを首尾一貫した雑誌を読むためのインターフェースへと展開することに関しても、成功を収めているとは言えない。多くの雑誌には目次はある様に見えるが、少なくとも New Yorker の編集者は、奇妙なことに、特集記事に焦点を当てて目次を再編成してしまっているので、雑誌の構成そのものが紛らわしくなっている。他の人達も同じことをしているのかもしれない。
この話のついでに言えば、一つの雑誌を読んでいる時、News アプリは、どの記事が前にあり、どの記事が次に来るのか、或いは未だ読んでいない分はどれ程あるのかという観点で、自分がその号の何処にいるのかを理解する手助けはしてくれない。(各記事の右側には、記事の何処にいるかを概略的に示すバーがある。) この様な混乱は、無関係な記事の集合体であるこれ迄の Apple News の記事を読んでいる時には存在しなかったが、雑誌一冊の経験を期待する時、これには違和感を覚える。
皆さんの好みの出版物を応援するには、直接購読の方がずっと効果的な方法である。そうでないと、Apple はあなたの月額 $9.99 の支払いの一部をピンハネし、残りの部分をあなたが読む Apple News+ 出版物の間で分かち合わなければならない。それでは、大した金額にはならないであろう。
直接購読は何も高価である必要はない;New York Times のデジタル限定の購読は、私が最近調べた時点では週に $1 でしかなく;そして、私は Washington Post とも6月迄、同様の週 $1 の契約をした。繰り返しになるが、短命のコンテンツを読むのに実際にどれだけの時間を割きたいですか?
連絡先カードが Contacts リストの上に現われる様子がお分かりだろうか? iPhone 上では、Cardhop にいる間はいつでも、スマートフォンを回して横置きにすると連絡先情報が表示される。フィールドのうちどれを共有するかは Cardhop > Settings > Business Card で選べる。その情報へ導く QR コードと、一目で分かる共有ボタンもある。私がこれまでに見たことがあるもののうちで、これはデジタル名刺を誰かと共有するための最も手軽な方法の一つだ。
口述筆記を自然言語構文解析にかけることができるのに加えて、Cardhop には驚くほどに豊かな Siri Shortcuts との統合がある。連絡先情報を表示している際にはいつでも、それが連絡先カードの中であっても、あるいは構文解析の結果が表示されている状態であっても、情報のどこかを長押しすれば、ポップオーバーが開いて Copy、Share、Add to Siri の各コマンドが示される。そこで Add to Siri をタップすれば、電話をかけたりテキストメッセージを送ったり、電子メールを生成したり、アドレスをコピーしたり (きっと定期的にベンダーに送信する必要があるのだろう)、あるいはその他どんな目的でも、自由に Siri Shortcut を作成できる。
Cardhop > Settings > Siri Shortcuts で、Cardhop はさらにもっと一般的なショートカットをいくつか提案する。特に便利だと思うのは "Show my business card" で、これは Siri を使って連絡先情報からその画面を開けるようにする。また、"Type to Cardhop" という Siri Shortcut も便利で、これは Cardhop の検索フィールドを即座に開く。
当然ながら、Apple も Google も Siri や Google Assistant を改良するために人間に依存せざるを得ない。Amazon はユーザーのプライバシーを保護するために厳格な手続きを定めていると主張するが、Bloomberg によればその録音にはアカウント番号、そのユーザーのファーストネーム、およびデバイスのシリアル番号が付随しているという。これとは対照的に、Apple は Siri の録音から人を特定できる情報を削除し、代わりにランダムな識別子を付随させるとともに、6ヶ月が過ぎれば削除すると述べている。Google もまた、個人を識別できる情報を録音から切り離すとともにオーディオに変形を加えている。
Disney はもう何年も前から、同社の登場予定のストリーミングサービス Disney+ について声高に言い続けてきたが、ついに具体的なことを発表した。Disney+ は米国において 2019 年 11 月 12 日に月額 $6.99 で開始されるという。過去および新作のすべての Disney コンテンツを含むのに加えて、新作のオリジナル TV 番組や、Marvel、National Geographic、Pixar、Star Wars の映画、それに Disney が最近 20th Century Fox の買収により獲得したタイトル、例えば The Simpsons の全タイトルも含まれる。Variety の記事が、 現時点で確認されている完全なリスト を載せている。息を呑むほどに凄いリストだ。Disney は何一つ出し惜しみしないようだ。
多くの人たちにとって Disney+ を購読するのは簡単にできることだが、料金はそういつまでもそんなに安いままではないと覚悟した方が良い。Disney は、Disney+ で何十億ドルもの損失を出しているからだ。(一方 Disney は Netflix から何億ドルもの収益を得ている。) Disney は Netflix というストリーミングの巨人と競争するためならあらゆる努力を惜しまないし、一方で Apple TV+ もまた同じ時期に参入しようとしている (2019 年 3 月 26 日の記事“Apple、TV に対するビジョンを明らかにする”参照) ので、はたして Netflix がどう応答するのか、今から楽しみだ。