TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1134/16-Jul-2012

先週の私たちは机にかじりついて Joe Kissell の "Take Control of Upgrading to Mountain Lion" と予約注文版の Matt Neuburg の "Take Control of Using Mountain Lion" のリリースに向けて働いていた。そこで今週はこれら二冊についての発表がある。今週号ではまた Glenn Fleishman が iOS の Camera アプリにちょっとだけ調整を施せば QR コードが本格的に使われるようになるのではないかと提言し、Adam Engst は素晴らしい共同作業用ツール Trello について深く掘り下げる。このツールは私たちが TidBITS や Take Control を運営する際の中核的位置を占めるに至っている。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Keyboard Maestro 5.3.1、SpamSieve 2.9.2、Hazel 3.0.9、それに ClamXav 2.3.1 だ。

記事:

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Apple は簡単な調整のみで QR コードを利用できる

  文: Glenn Fleishman: glenn@tidbits.com, @glennf
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

友人たちの間で私は QR コードのマニアと言われているが、実際にはそれほどでもない。QR コードは現在最も人気あるタイプの 2D タグで、図形(普通は正方形)の中に点や長方形を並べることで、情報を密にエンコードしたものだ。QR コードは URL をエンコードすることが多いが、テキストや住所カードなどを入れることもできる。実際、TidBITS サイト[訳者注: 英語版のみ]にはこの記事のウェブページの一番下に QR コードタグの実際の使用例がある。

こんなコードなんか馬鹿げて見えるという人も多い。「URL をそのままタイプすればいいだけじゃないか」と人々は言う。もちろんそれは正しい。でも、その際その URL はあなたが座ったり立ったりしている場所から読み取れる形になっていなければならない。また、モバイルデバイスに複雑な URL をタイプするのは面倒なこともある。ことに、短縮した URL で途中に "3jkx81klk" といった文字列を含むようなものは厄介だ。そんな場合、あきらめて歩み去るか、あるいはあとで入力し直すつもりでその URL のスナップ写真を撮影するか、というのが普通だろう。

私は QR コードというものを二つのデジタルなメディアを結び付けるアナログなグルー(接着剤)だと考えている。私が原子の世界で何かをしていたとして、それを情報ビットに翻訳したいとする。たとえ現状ではぎこちないものであったとしても、QR コードはその翻訳を実行する方法として効率的な一つの手段だと言える。また QR コードは位置情報と結び付けることもできる。いくつかの都市では売店や案内版などに QR コードを追加している。その場所に関係する極めて具体的な情報を、QR コードが届けることができるからだ。

QR コードが(これが最初に使われ始めた日本においてだけでなく)世界的に人気を得るのはもうすぐそこだと 2009 年の時点で既に私が考えていたことで、友人たちは私を白い目で見ている。 2009 年 8 月に私は Economist に記事を書いて、市場が拡大しつつあり携帯電話キャリアとの取り決めも増えつつあると述べた。その後 QR コードがいたるところで使われ始めテレビ広告にさえ登場するようになった 2010 年に、私はフォローアップ記事を記した。けれども、爆発的に QR コードが使われ始めることはなかった。

この 6 月に Economist 執筆者の同僚の一人がアップデート記事を書き上げた ばかりだが、彼の記事によれば「もうすぐそこ」がついに現実になってきたという。ほとんど毎日、QR コードが最近どこそこに現われたという記事を私は目にする。例えば、大手の書籍出版社 Simon & Schuster はすべての本の背表紙に 2D タグを付けることにした。けれども、こうした変化はあっても、今の私は考えを変えて、あまり期待はできないという気持ちでいる。その理由は、あまりにも多くの摩擦が残されているからだ。

問題は、ワークフローだ。日本においては、人々の多くが少なくとも毎月一回以上 QR コードを使っているが、このワークフローの問題は日本では既に十年以上も前に解決済みだ。広告会社、出版社、携帯電話キャリア、ハンドセット機のメーカー、これら各社がきちんと合意を結んだのだ。日本で販売されている携帯電話ならばごく簡単な操作で QR コードを URL やテキストに変換できる。私の理解が正しければ、ボタンを一つ押すといった程度のことだ。

これに対して、米国においては、また他の大多数の国では、その点が抜け落ちている。私の iPhone で QR コードをスキャンしようと思えば、まず iPhone のロックを外してから、QuickMarkを見つけて起動する。これは SimpleAct 製の $0.99 のアプリで、数多くのフォーマットのバーコードや 2D コードをスキャンすることも、それらのコードを生成することもできる。(この会社はBest Barcode Scanner という酷い名前のアプリも作っていて、こちらの方が機能は少ないが無料だ。)いったんアプリが開けば、カメラシートが出てくるはずだが、これには数秒間かかるかもしれない。それから、私が自分で 2D コードをスクリーンの中央に持ってこなければならない。コードが中央に来るやいなや、QuickMark が自動的にコードを認識する。(他にもアプリはいろいろあるが、ほとんどがボタンをタップしてからでないと分析を実行してくれない。)その後で、もしも URL が埋め込まれていれば、それを開くかどうかを選べる。

でも、ソフトウェアアップデートを一回施すだけで、QR コードの使用法を次のようなものに変えてしまうこともできるのではないか、と想像してみよう。

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  1. iPhone で Home ボタンをタップする。
  2. Camera ボタンを上へスライドさせてカメラをオンにする。
  3. QR コードにカメラを向ける。
  4. Camera アプリが自動的にその QR コードを認識して枠を表示し、あなたはそこをタップできる。
  5. するとダイアログが出て、URL を Safari で開いてよいか確認する。タップすれば Safari が起動する。

もしも Camera アプリが改訂されてその動作をこれくらい簡単なものにしてくれたなら、あなたも QR コードを使ってみようという気にならないだろうか? それとも、それでもまだ QR コードなんて馬鹿げたもので、URL を普通にタイプする方が良いやり方だと思えるだろうか?

コードを必要とする人は? -- この記事に対するコメントで、Lun Esex が完璧に素晴らしい提案を寄せてくれた。Camera アプリに OCR (光学式文字認識) 機能を組み込んで、Camera アプリが URL の文字を読み取れるようにしたらどうか、というアイデアだ。昔の私ならばその複雑さと計算負荷ゆえそんな考えを一笑に付したかもしれないけれども、これには完璧な概念実証の例がある。QuickMark だ。この無料のアプリは、ライブの OCR に統計的な機械翻訳を組み合わせて動作する。かなり古い携帯電話の上でさえ薄気味悪いほど見事に働く。(アプリ内購入を使って、言語アップグレードが $4.99 でできる。)

Lun の言う通りだ。もしも Camera アプリが URL やその他の有用な情報、例えば電話番号や住所などのフォーマットされたデータをカメラでスキャンすることができるようになれば、QR コードを使ったり、何かをタップインしたりする必要などなくなるのかもしれない。

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新しい Take Control 電子本で Mountain Lion への準備を

  文: Tonya Engst: tonya@tidbits.com, @tonyaengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Joe Kissell は Mac OS X アップグレードプロセスを説明できる著者としての地位を、2003 年に我々が彼の "Take Control of Upgrading to Panther" 電子本で Take Control シリーズを立ち上げた時に確立した。事実、この本は、時としてストレスの溜まるアップグレードプロセスをどの様に扱うかについて書くという新しいジャンルを生み出した。それ以来 Joe は、アップグレード戦略を考え、インストールシナリオを試験することに無数の時間を費やしてその熟練度を増してきたし、そして何千もの読者が自信をもってアップグレードするのを手助けして来た。彼の努力の成果が今や彼の六番目のタイトル、"Take Control of Upgrading to Mountain Lion" として入手可となった。しかも $5 引きの初期導入価格が適用される。

我々はまた Matt Neuburg の "Take Control of Using Mountain Lion" の割引付の事前注文も受け付けている。こちらも彼の最初の Panther 関連のタイトルから数えて六番目の版となり、彼のほぼ 10 年に及ぶ経験に基づき、Mac ユーザーの Mountain Lion の新機能を知りたい、Mountain Lion 以前のバージョンの Mac OS X の既存のそしてアップデートされた機能を教えてほしい、或いはこの二つの間でうまく機能的な折り合いをつけたいということの手助けをしてくれる。

勿論、Mountain Lion はまだ出ていない - Apple は 7 月の後半にリリースしようとしている - しかし Joe と Matt は、Apple の最新の猫科の動物へのあなたの移行を平坦にすべく、この二冊の電子本を書き上げる準備に既に多くの時間を費やしてきた。アップグレードのための準備をするのに Mountain Lion の出荷を待つべき理由は何もない。"Take Control of Upgrading to Mountain Lion" は今皆さんに読んでいただける状態にあり、そして Mountain Lion の出荷が始まり Apple の守秘義務契約が解かれるのを待って我々が出版する 1.1 アップデートも無料で受け取れる。同様の理由で、我々は "Take Control of Using Mountain Lion" をそれまでリリースできないが、皆さんは今事前注文を入れ、我々がそれをリリースできるようになったら直ちにそれをダウンロードできる。

どちらの本も個別に $5 引きの初期導入価格で入手可であるが ($15 の定価に対して $10)、この二冊はあなたがアップグレードを成功裏に完了し、そして Mountain Lion の新機能もすぐに使える様に手助けすべく手に手を取って働く。両方を一緒に買って $10 節約できる ($30 の代わりに $20)。詳細についてはこの記事を読み進めてほしい。

これらの特典は Apple が Mountain Lion を野に放った時に終了する。

Take Control of Upgrading to Mountain Lion -- Joe と一緒にソフトウェア及びハードウェアのアップグレード前チェックをしよう。また、あなたのアップグレードを簡単にし或いはアップグレードの失敗からの復旧のために適切なバックアップを取ること、複数の Apple ID の取り扱い、そしてあなたのディスクから関係のないデータを削除して十分な空間を保って Mountain Lion を使い始められるようにすることに関する Joe の忠告も得られる。Joe はまた、ストレスの溜まるアップグレードともなり得るこれらの特定の心配に対する、とりわけ Lion 以前のバージョンの Mac OS X からアップグレードしようとしている場合、現実的な助言を提供している:

この 1.0 バージョンの "Take Control of Upgrading to Mountain Lion" は 81 ページの長さである。しかし一旦 Mountain Lion が出荷された暁には、長さでは二倍以上になる無料の 1.1 アップデートをリリースする積りである。これには、インストールの全詳細、鍵となるアップグレード後の調整、万が一あなたのアップグレードが滑らかにいかなかった場合のトラブルシュートが追加されている。更に、Mountain Lion が走る新しい Mac への移行、Mountain Lion Server をインストールする、そして Recovery モードを使うやり方についても記述している。

Take Control of Using Mountain Lion -- "Take Control of Using Mountain Lion" では、Matt は 10.7 Lion で導入された重要な機能、そして 10.8 Mountain Lion で追加された新しいオプションをじっくり見極め、一方でずっと昔からあるが必ずしも良く知られていない Mac OS X の能力についても扱っている。何より、Mountain Lion の新しい "近代書類モデル" の基礎を徹底的に理解できる。書類を保存する際、三つの方法が与えられる:これまでのやり方、新しいやり方、そして新しいやり方で iCloud を使う、である。

他の主な話題であなたの手助けになるのは:

この事前注文の "電子本" は 1 ページしかない;これは "Take Control of Using Mountain Lion" が入手可になったら、全文を取り込むために使える置き場所に過ぎない。我々は、Apple が Mountain Lion をリリースし、そして我々の守秘義務契約を外してくれた後出来るだけ速やかにこれを出版する予定である;理想的には、Mountain Lion が出たその日のうちに。

あなたの行程を容易に -- 私は最初、またもう一つの Mac OS X をインストールし学ばなければならないことで Mountain Lion は私を皮肉屋で気難しくさせるのではないかと思った。そうではあったが、インストーラーをダウンロードしそして Apple はどんな魔法を埋め込んだのだろうか、素晴らしいのはどんなところだろうか、ダメなのはどんなところなのだろうか、そしてこの長い奇妙な旅で次は何処に行くのだだろうかを垣間見だしたら、私の顔には自然と笑みが浮かんでいた。Lion はそれまで満足していた Mac ユーザーに対して数多くの課題を持ち込んでしまったが、Mountain Lion はこれらの幾つかには具体的に対処しており、全体的には数多くの部分でユーザー経験を改善している。もしあなたが Mac の使い方を最新のものにしておきたいならば、Mountain Lion はそのわずかな値段に十分見合うだけの価値はあると私には思えるし、そしてこれらの電子本があなたの行程を容易いものにしてくれることを願う - 編集していて少なくとも私のは易しくなった。

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Trello、強力な共同作業用ツールを提供

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

小規模の組織である私たちだから、可能な限りスマートかつ効率的に仕事をすることによってのみ、成功が望めるというものだ。だから私たちは、生産性を少しでも上げられるツールはないかといつも目を凝らしている。最近になって私たちが見つけたツールが、Trello だ。これは Fog Creek Software(バグ追跡サービス FogBugz、バージョンコントロールシステム Kiln、それから遠隔技術サポート用ツール Copilot のメーカー)による、無料のウェブベースの共同作業ツールだ。

私たちのような少人数のグループ内でタスク管理がより良くできるようになると約束するさまざまの Mac ソフトウェアやウェブサービスを私たちはこれまで試してきたが、本当に満足できると思えるものに出会ったことはなかった。試してみたサービスの多くで私たちが気に入ったのは、タスクが情報の核となり、それを巡って会話や、締め切り期日、スタッフの割り振り、その他が渦巻くようにできることだった。そして、私たちが気付いたのは、電子メールによる通知を持たないシステムはやはり存在し得ないということだった。電子メールで背中を押されない限り、タスク管理用のアプリやサイトをいちいち自分で忘れずにチェックできる人は少ないものだ。

それでも、これまで試してきたさまざまのサービスはすべて、いろいろの点でうまく行かなかった。動作が遅過ぎるものもあったし、分かりにくくて覚えられないものもあったし、良いかもしれないが私たちの予算を超えるものもあった。けれどもそれらすべてに共通して存在した欠点は、考えてみれば数年前に私たちがコンテンツ管理システムを調査していた際に出くわしたのと同様の問題でもあったのだが、タスク管理をどのように _すべきか_ という概念モデルをそれぞれが持っていて、そのモデルが私たちの欲する仕事のやり方とうまく合わないことが多いという点であった。

そして、それこそが Trello の秀でている点だ。Trello は、何かを前提条件とすることがほとんどない。その代わりに、情報ビットを管理するための実世界のやり方を受け入れて、それをアナログ的なあらゆるやり方に勝るデジタル的な形式に変換する。基本的に、Trello は汎用のツールであって、多様な異なるタイプのデータを、構造化された方法で見る手段を提供する。このツールは、あなたがそれを何か特定の目的のために使うという前提を持たない。

Trello 概観 -- 壁にホワイトボードがあると想像してみよう。いくつかのカラム状に区切られていて、それぞれがプロセスの異なった段階を示している。そこに貼り付けられたたくさんの索引カードが、それぞれのタスクを表わしている。カードの上に書き込みをすることもできるし、カードをホワイトボードの上で別の場所に動かすこともできるので、プロジェクト全体の中でいろいろの物事が現在どんな状態にあるのかが一目で分かるようになっている。どのタスクが完了して、どのタスクが処理中であり、どのタスクが待機中か、といった具合だ。もちろん皆さんの中には既にこのようなシステムをお持ちの方もおられるだろうが、これだけでは限界が目に見えている。個々の索引カードにはほんの少しの情報しか書き込めないし、ボード自体も一つしかないし、貼り付けたカードが落ちてしまうこともあるだろう。(余談だが、まさにそのようなシステムの実例があって、Personal Kanban という。私はこの記事を執筆中にそれに気付いた。)[訳者注: ホワイトボードにカードを貼り付けるこの Personal Kanban (看板) システムは、オハイオ州にあるトヨタ自動車の工場が発祥だそうです。]

Trello は基本的な概念を受け入れて、それを仮想の世界へと移し、その際にほとんどあらゆる意味で改善を施す。特に、私たちのように分散化した組織で働く者にとってその改善の意味は大きい。物理的なやり方より Trello が優れている点をいくつか挙げてみよう:

以下では、これらの利点のそれぞれについて詳しく説明しながら、私たちが Trello を使っているやり方を紹介してみたい。自分ならどんな風に使えるだろうかと、皆さんがアイデアを巡らす参考になれば嬉しい。

Trello ボード -- 過去に使ってみたタスク管理方法のすべてで私にとって大きな問題だったのは、何が一つの「プロジェクト」を構成するのかが明確でないことが多いという点だった。個々の TidBITS 記事を一つのプロジェクトとすべきか? それとも毎週出す号の一つを構成する記事をまとめて一つのプロジェクトとする方が良いか? あるいは一般的に記事を書くことそのものをプロジェクトと考えるのか? それからまた、TidBITS に関係するすべてのプロジェクトをどうやって一つのグループにまとめるのか? TidBITS 関係プロジェクトと Take Control 関係プロジェクトをどうやって分離するか?

その点、Trello ならば、情報のレベルがボード、リスト、カードの三段階に切り分けられている。ボードはリストを含み、リストはカードを含む。そこで私たちが見つけた最善のやり方は、何がボードを構成するかの判断基準はサイズだということだった。一つの「プロジェクト」は、その中に三つから五つ程度の数のリストが含まれると考えられる場合、ボードとするのがよい。それぞれのリストには、もっと個別の項目がカードとしてリストに属することになる。

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ここで真の意味でクールなのは、何がボードであるべきかといったことを Trello が決して押し付けてこないことだ。私の場合、次のようなものをそれぞれボードにしている:

お分かりの通り、今挙げたものの中にはタスクベースとは言えないものもある。Trello は、リストの中のカードという風に分割できる情報ならば何にでも使える。持ち寄りパーティーの主催者が誰が何を持って来るかを Trello ボードで管理したという話さえ聞いたことがあるくらいだ。今度大がかりなピクニックをする際にはぜひ私もそれを試してみたいと思う。

最後にもう一つだけボードについて。Trello はボードに起こったアクティビティをすべて追跡していて、ボードの右端に最近のアクティビティを表示する。だから、他の人たちがそのボードで何をしているのかがいつでも一目で分かり、そこにはあなたが直接関係していないカードに施された変更さえも含まれる。また、この Board Activity ストリームを拡大表示して、最近のほんの数個に限らずもっと多くの項目を大きな表示で見ることもできる。

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Trello リスト -- リストは、Trello の中で断然最も単純なデータ構造だ。リストは名前とボード上の位置を持ち、いくつかのカードを含む。それだけだ。そしてそれは素晴らしいことだ。なぜなら、あなた自身が個々のリストにあなたの好きな意味を割り当てることができ、カードを一つのリストから別のリストへ移動させることにもあなたの好きな意味を与えることができるからだ。

例えば、私たちの Articles (記事) ボードには、六個のリストがある。私は記事のアイデア(例えば TidBITS Watchlist に入れる項目)を思い付くと、そのカードを作って Ideas (アイデア) リストに置く。すると、Agen Schmitz がそのカードを In Progress (進行中) リストに移すので、私は彼が仕事に取り掛かったのだと分かる。彼の執筆作業が終わると、彼は記事を投稿し、カードを Posted (Needs Edit) (投稿済 (要編集)) リストに移す。もっと長い記事、あるいは投稿の前に必ず編集作業を施しておきたいもののためには、別途に Needs Editing (Draft) (要編集 (草稿)) というリストがある。いずれの場合も、その記事に私の最終編集を施し終えれば、私が Published (出版済) リストにそれを移すので、その記事への作業が終わったことを皆が知るようになる。そして時折、私は完了した記事のカードをチェックして、適宜カードをアーカイブ保存へと移すことで余計なものを整理する。

以上紹介したのは五個のリストだ。これらの間でリストからリストへと項目を移動させるワークフローが、このボードで起こる主たる活動だ。けれどもあと一つ、六番目のリストもあって、これは他のものとは全く関係がない。ここには、TidBITS 記事をどうやって執筆するか、どうやってスクリーンショットを作りリンクさせるか、記事のオーディオ版はどうやって作成するか、といったことについて説明したカードが置かれている。これら教育目的のカードを集めてこのボードの中の一つのリストにまとめているのは、外部の著者たちがこのボードで仕事をすることもあるからだ。ここは、簡単にアップデートできる形で説明書を一ヵ所に集めておけるという意味で素晴らしく役に立ち、スタッフメンバーたちが頻繁に参照したい項目を集めておく目的にも使える。(例えば、現在のスポンサー各社のリストをここに置いておけば、オーディオ版の記事を作成する際にスポンサー名を読むのに都合が良い。)

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もう一つ別のボードでは、次に出す予定の Take Control ブックの内容についてその著者と共にアウトライン編集をしている。最初はトップレベルのアウトライン見出しのリストのみから始まった。(私たちはそれを A-head と呼んでいる。)そのリストの内部に、個々の A-head ごとにいくつかのカードを作った。その次にすべきは、トップレベルについて全員の合意が得られ次第(合意が得られるまでにはたくさんの議論のやり取りがあるが、それらはすべてカードによる言葉のやり取りとなる)個々の A-head ごとに一つずつリストを作成すること、それからその中にある第2レベルの B-head の一つ一つにカードを作成することだ。ここでもやはり、必要に応じて議論のやり取りによりそれらの B-head が正しい A-head の中に正しい順序で並ぶようにして行く。

要約すれば、リストは何でもあなたが望むものを含むことができ、あなたは思う通りにカードをそれらのリストの間で行き来させたりしても構わない。

Trello カード -- カードは、Trello の中では情報の原子単位とも呼ぶべきものだ。それぞれのカードの中にたくさんのものを含めることができる。個々のカードが、次のようなものを持てる:

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いくつかはもう少し説明が必要だろう。例えばカードの説明では Markdown のフォーマットがフルにサポートされており、編集も可能で繰り返し追加もできる。これはかなりの分量のテキストを保存しておくのに理想的だ。もちろんこの中で大河小説の執筆などすべきでないが、段落数個程度なら何の問題もない。

私たちはラベルをあまり使っていないが、人によってはラベルを重宝するだろうと思う。ラベルは最大六種類作れ、カラーのみにすることも、またカラーと名前を持つようにすることもできる。色覚に自信のない人たちでも見やすいように、パターンを使ったラベルも用意されている。私たちはまた締め切り日付も使ったことがない。私たちの仕事はカレンダー上のスケジュールを中心に進むようなものではないからだ。

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Trello はコメント機能の実装を実に見事にやってのけた。Activity ストリームの一番上に最も新しいコメントが来るような順番に並べられ、誰がどのコメントをしたのかがいつでも明確に分かるようになっている。あなたのコメントを特定の人に向けて発言し、その人が同じ内容を電子メールでも受け取るようにしたいと思えば、Twitter 風の @name を使ってそのようにできる。Trello はあなたがタイプし始めたとたんに自動補完をするので手軽だ。私の経験ではカード上で最もよく使っている部分がこのコメントだ。コメントによって討論がカードに結び付けられるようになり、以前のように電子メールによる一般的会話に頼る必要がなくなる。コメントについてがっかりした点は二つだけで、一つはコメントがカード説明のように Markdown 言語に対応していないこと、もう一つはコメントが編集できないので一つのコメントを書いてから何か書き忘れたことに気付いた場合にもう一度別のコメントを作り直さなければならないことだ。

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コメントを特定の人々に向けてひっきりなしに書かねばならないのは面倒なので、もう一つのオプションとして人々をカードに割り当てることができる。そうしておくと、そのカード上のメインのアクティビティ(これにはコメントやタイトルまたは説明の変更、リストの中でのカードの移動などが含まれる)に関する通知がその人たちに電子メールで送られる。私たちはこのカードに人々を割り当てるオプションをよく使っている。これなら、そのカードで起こったことをすべての人たちが確実に見られるからだ。カードに割り当てられている人たちは、カード用のごく小さなアバターで示されるのでそれと分かる。また、そのカードのメンバーになっていない人もカードの通知を購読することができる。これはオブザーバーとしてそのカードをフォローしたい人たちのためだ。

添付ファイルを使えば、カードの中に通常のファイルを保存することができる。私たちは主にこの機能をワークフローの個々の部分を示すスクリーンショットを添付するために使っているが、外部の著者たちのために TidBITS 記事のオーディオ版がどのように作られているかを説明したカードには PodBOT をリンクさせている。(2012 年 5 月 7 日の記事“PodBOT でオーディオ版 TidBITS が改善”参照。)つい最近追加されたのは、多くのウェブブラウザからドラッグ&ドロップするだけでファイルを添付できる機能だ。また、特定の添付画像をカードの「表紙」として表示できるのも新機能だ。リストの中でそのカードを見た際に、その画像がカードの表に見えるようになる。

チェックリストはある意味で階層の第四レベルとも言える。なぜなら、カードのチェックリストにいくつものタスクを含めておき、それらすべてが完了すればカード自体をプロセスの次の段階に進める、ということが簡単にできるからだ。チェックリストの項目はいつでも追加・編集・削除・並べ替えできる。私たちは、ワークフローに、Tristan の夏休み読書リストに、Take Control 電子ブックにマイナーアップデートをリリースする必要がある場合に本のどの部分をアップデートする必要があるかを追跡するために、などの目的でチェックリストを利用してきた。チェックリストの項目にチェックを入れるに従って、Trello はどの程度が完了したかを示してくれる。

カードをドラッグしてリストからリストへと移動できるほか、カードを別のボードへ移したり、カードのコピーを作ったり、URL を使ってカードを共有したり、カードを印刷したり、カードのデータを JSON フォーマットで書き出したり、アーカイブ保存(カードを削除はせずに隠す)をしたり、完全に削除したりもできる。最近追加された特に歓迎すべき機能の一つは、カードをコピーする際にカード内部のチェックリスト、ラベル、メンバー、添付ファイル、コメントをすべて含めることのできる機能だ。この機能のお陰でカードの「テンプレート」を作っておいて、それにほんの少し変更を施したものを使うようにできるようになった。私たちは Tristan の夏休みの間の日々の to-do リストでこの機能を使っている。基本的な項目はいつも同じだが、毎日少しずつ項目を追加したり減らしたりするわけだ。

リストが長くなれば扱いにくくなるので、カードのアーカイブ保存はとても重要だ。けれどもカードの数が多すぎるだけなら、ボードを検索・フィルターできる。テキストやカードタイトルで、あるいはラベルで、あるいは人々で検索ができる。いずれにしても、マッチしたカードだけを表示するか、またはマッチしないカードを(フルに機能し続けるけれども)半透明にするかのどちらかを選べる。

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Trello 共有 -- 注目したい Trello の側面の最後の一つは、共有だ。これこそ、その共同作業用機能の核心だからだ。Trello はホストされたサービスなので、それを使う人は全員アカウントを持っている必要がある。アカウントは、Trello 専用のものでもよいし、Google アカウントに結び付いたものでもよい。

Trello における共有の単位は、ボードだ。そのボードに誰が、どのレベルまでアクセスできるかを、あなたがきちんと設定する。アクセス権の中には可視範囲、コメントや投票、メンバーの追加ができるか、といったことが含まれる。Trello は決まった人々のグループで使うことが多いので、あらかじめ決まったメンバーを持つ組織を作っておき、いちいち個々に人々を追加する必要がないようにすることもできる。その上で、組織のメンバー、ボードメンバー (そのボードに属するけれども組織のメンバーではない人々)、公開メンバー (あなたのボードに招待されていない Trello ユーザーたち) でアクセス権に差をつけるようにもできる。

私たちのボードはすべてメンバー限定のものとなっているが、ボードの可視範囲を公開と設定することにより誰でも(Trello のアカウントを持たない人も)そのボードが見られるようにすることもできる。投票したりコメントを書き込んだりするにはアカウントを持っている必要がある。このような設定の実例を Trello Development ボードで見ることができる。これは公開されていて誰でも見られるけれども、投票やコメントができるのは Trello ユーザーのみだ。

いったん皆がボードに入り終え、通知の設定が済めば(通知は即座に出るようにすることも、またおよそ一時間ごとにまとめて出るようにすることもできる)ボード上の共同作業が始められる。私たちの経験では、Trello のボードはインタラクティブな作業でも、また順次の作業でも、いずれも同じくらいうまく働く。インタラクティブのモードでは、Skype 通話をしながらカードについて話し合ったり、カードを動かしたりメモを書き込んだりが、すべて同時進行でできる。Trello は共有されたボードをすべての人の表示でほぼ瞬時にアップデートするので、まるで誰かのオフィスのホワイトボードの前で付箋紙を動かしながら顔と顔突き合わせてミーティングをしているかのような、滑らかな同時感覚が実感できる。一方、順次進行の使い方では、一人の人が何か変更を加えるとその後になってから他の共同作業者たちがそれに気付くようになるが、こちらもうまく働くので、互いに遠く離れたところで共同作業をしている私たちは主としてこちらの方のやり方で Trello を使っている。朝起きて、作業が進んだことを電子メールで知ってから、その電子メール通知からクリックして、または Trello 内部の通知ストリームからクリックして、自分自身のコメントを書き込んだり必要に応じてカードを変更したりする。すべてが信じられないほど滑らかに進むのだ。

その他 Trello について -- 滑らかさの話を続ければ、Trello がどれほどうまく動くか、言葉にするのが難しい。カードやリストをドラッグしてあちこち動かす際のアニメーションのスムーズさ、編集のためにフィールドが開く様子、カードに割り当てられたメンバーの一覧が現われる様子などを見れば、これがウェブベースのアプリケーションであるとはとても信じられないくらいだ。ボードの背景部分をドラッグして左右にスクロールすることさえできる。

モーダルでないインターフェイスを作り上げるために、十分な考慮が注ぎ込まれているのが分かる。例えば、カードで作業をしている際に X ボタンをクリックして閉じることもできるが、Escape を押しても、またカードの外部の好きなところでクリックしてもカードが閉じる。同様に、フィールドを閉じるには一般にフィールドの外でクリックすればよいが、その際に変更が自動保存されるか、または変更を保存するかどうかの機会が与えられるかのいずれかだ。その上、Trello では多くのアクションにキー1個のショートカットが付いているので、作業中ほとんど常時キーボードから手を離さずにいられる。(見出し部分の i ボタンをクリックすればいつでも説明が開く。)他の多くのタスク管理ツールのインターフェイスで散々苦労させられてきた私には、Trello はまるで新鮮な空気を深呼吸するかのような爽やかさだ。そして、リストの間でカードをドラッグするという触覚に訴える側面は、楽しくてやみつきになる。

さらに滑らか (fluid) の話を続けると、私は Trello があまりにも気に入ったので、Mac 用のアプリ Fluid を使って、これ専用のサイト特定ブラウザを作った。Fluid を使うとトラブルを起こすウェブアプリは多かったけれど、どうやら Trello では Fluid が完璧に動作するようだし、ドラッグ&ドロップによるファイル添付にさえ対応している。Trello を通常のウェブブラウザから切り離すことの大きな利点は、開いている他のタブと混じり合わないこと、第2モニタの上にフルスクリーンで開いておけること(Trello は大きなスクリーンで使う方が良い)そして Keyboard Maestro を介してホットキー一つで切り替えられることだ。たった一つの欠点は、電子メール通知でクリックしたリンクが私のウェブブラウザで開いてしまうことだ。リンクのクリックを直接 Fluid のインスタンスに向ける方法はない。

この Trello ウェブアプリは iPhone や iPad の上では Mobile Safari の中で動作するけれども、使い心地はそれほど滑らかとは言えない。その大きな理由は、カードをドラッグして動かせないことと、スクリーンの小ささがかなりの障害になることだ。Fog Creek Software ではこの問題に対処するため、無料の Trello iPhone アプリを作ってたいていのことがこの Trello アプリの中でできるようにした。iPhone のスクリーンサイズが小さいために非常に多くのことがモーダルになってしまって多少使いにくいが、手始めとしてはなかなかいい。また、これは iPhone 用のアプリなので、iPad 上では互換性モードでのみ走る。それからもう一つ、この iPhone アプリでは push 通知機能が欠けている。これは Trello Mobile Apps ボードで次に取り掛かるべき点となっている。Fog Creek はウェブアプリを便利なものにするスキルに定評があるので、彼らが時間を取れ次第、きっと大幅に改善された iOS アプリを出してくれるだろうと私は期待している。

現在の Trello の動作について私はほとんど不満がないし、いくつかの不満については既に Fog Creek Software が対処してくれている。例えば、電子メール通知の Subject 行は、私たちが Trello を使い始めた頃には完全に一般的な文言であったけれど、今では何が起こったかを示す言葉を Subject 行の中に提供するよう努めてくれている。これを実現するのは予想よりも大変な問題であった。なぜなら、Trello が複数のアクティビティについて一度に通知する必要がある場合、Subject 行に詳しい情報を書き込むことが不可能だからだ。また、これはまだ対処されていない問題だが、Markdown によるフォーマットに 10 個以上の項目を持つ番号付きリストを含めるとフォーマットが正しくなくなるバグがある。幸いにも、これは実質的にかなりマイナーな問題だ。

さらに興味深いのは、 Trello Development ボードに載っているさまざまの機能リクエストだ。その多くは私たちも希望してきた。現在最も多く寄せられているのは時間追跡の機能が欲しいというリクエストで、1300 件近い投票を集めている。Trello ユーザーたちのその他の希望としては、一つのリスト全体を別のボードへ移動・コピーできる機能、ただカードを手で動かすのみでなくリストをさまざまの方法で並べ替えできる機能、新たなラベルやタグの追加、書き出し機能の強化、コメントの編集、チェックリストの個々の項目に人々や締め切り日を割り当てる機能、などがある。

そのリストにあるカードの一つは、"Let me pay you for Trello!" (Trello にお金を払わせて!) というタイトルだ。そのカードの中で、Fog Creek Software は Trello の現在の(そして将来も)機能セットが無料である理由を少し説明するとともに、将来の機能には "freemium" (無料プレミアム) モデルの採用を検討中だと述べている。もしもそのようなものが実現されれば、私としては喜んで Trello アカウントにお金を払いたいと思う。そして、毎月の請求書がずっしりと頭の上にのしかかる不安感を感じることなしに、これほど有意義に私たちがこれまで使えてきたことに対する感謝の気持ちを表わしたいと思う。十分多くの人々がツールを使ってみてそれが価値あるものと判断できるまでに長い時間が必要なものについては、期間限定付きの試用版はうまく働かないものだから。

そういうわけで、最後にまとめると、Trello は多くの種類の共同作業をフレキシブルにこなすことができ、エレガントかつ使いやすいウェブインターフェイスを提供し、今でも十分使えて将来は改善も期待されるモバイルアプリを持ち、その上無料だ。主な欠点を言えば(まだロードマップの段階にある機能を手に入れたくてたまらない人は別として)これがホストされたサービスであるという点だけだ。使うためにアカウントの作成が必要になるのは好きでないという人たちもいるし、会社によっては自社の外部にデータを置くことを許さないところもある。そういう人たちやそういう会社なら、Trello を選択することはできないだろう。また、セキュリティを気にする人たちもいるかもしれない。Fog Creek Software は Trello のプライバシー条項で良いことすべてを述べているが、あなたのデータが彼らのサーバ上に置かれているということだけは、逃れようのない事実だ。

けれどもその他の私たちにとって、Trello は非常に魅力がある。あまりにも好きになったので、私は TidBITS スタッフ全員に呼びかけて記事の追跡のためにこれを使ってもらうようにした。わが編集者たちの多くがこれを他の目的にも採用しているし、それぞれの家族や同僚たちをも仲間に迎え入れつつある。私たちと同じくらい、皆さんにもこれが便利で魅力あるものとなれば嬉しい。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 7 月 9 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Keyboard Maestro 5.3.1 -- Stairways Software が自動化ユーティリティ Keyboard Maestro のバージョン 5.3.1 をリリースした。Automator ワークフローを間もなくリリースされる OS X 10.8 Mountain Lion で実行した場合の問題点を修正している。今回のメンテナンスリリースではその他に、いくつかのメモリリークをパッチし、Button Condition におけるパフォーマンスの問題を解消し、タイムアウトでマクロがキャンセルされた場合の Growl 通知を提供し、Finder で選択されているものを取り込む際のパフォーマンスの問題を修正し、SECONDS() 関数を修正し、メニュー条件で "APPLICATION" が使えるようにし、トリプルクリックのアクションが正確に実行されるようにした。 Mac App Store 版 の Keyboard Maestro 5.3.1 (この記事の執筆時点ではまだ入手できるようになっていない) はエンジンを起動する際の "no autorelease pool" 警告を出なくするための修正も含んでいる。(Stairways Software か
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>らも Mac App Store からも新規購入 $36、無料アップデート、5.0 より前のバージョンからのアップグレードは $25、17.7 MB、リリースノート)

Keyboard Maestro 5.3.1 へのコメントリンク:

SpamSieve 2.9.2 -- C-Command Software が SpamSieve 2.9.2 をリリースした。OS X 10.8 Mountain Lion との互換性を改善するとともに、Retina ディスプレイモデルの新型 MacBook Pro 用にいくつかのグラフィックスをアップデートしている。このスパムフィルタリングソフトウェアの最新リリースではまた Apple Mail 用ルールの推奨設定を Message Type Is Mail から Every Message にするとともに、10.7 Lion の下で次に Mail を開いた際に自動的にルールがアップデートされるようにした。さらに、このリリースではアプリがある種のメール添付物を正しく解析できなかったバグに対する回避策を提供するとともに、CPU 使用率が高過ぎたりクラッシュしたりするのを防ぐために Growl SDK 1.2.3 に戻し、Apple Mail からの予期せぬエラーやスクリプトのエラーの報告を改善し、マニュアルのいくつかのセクションを改訂している。(新規購入 $30、無料アップデート、10 MB、リリースノート)

SpamSieve 2.9.2 へのコメントリンク:

Hazel 3.0.9 -- Noodlesoft が、同社のファイル・クリーンアップユーティリティ Hazel のバージョン 3.0.9 をリリースした。いくつかのアイコンをアップデートし、Retina ディスプレイモデルの新型 MacBook Pro でアプリを表示した場合の問題点を修正し、また OS X 10.8 Mountain Lion の Gatekeeper セキュリティ機能を使っていても問題なくアプリがインストールできるように開発者 ID による署名を追加している。Hazel 3.0.9 ではまたプレビューにおいてより正確なエラーレポートを表示するようになり、カスタムトークンを削除した際にパターン全体が削除されてしまうバグを予防し、完了していないダウンロードに関する設定の問題が予測のエラーを起こしていた問題を修正した。(新規購入 $25、バージョン 3.x からは無料アップデート、それ以前のバージョンからのアップグレードは $10、5.2 MB、リリースノート)

Hazel 3.0.9 へのコメントリンク:

ClamXav 2.3.1 -- Mark Allen が ClamXav 2.3 をリリースした。この無料のウィルスチェックソフトウェアを、現行 0.97.5 リリースのオープンソースアンチウイルスエンジン ClamAV にアップデートしている。また、OS X 10.8 Mountain Lion の Gatekeeper セキュリティ機能で使われる開発者 ID による署名も追加された。今回のバージョンにはまだ実装されていないが、この新リリースでは将来のサンドボックス化に対するサポートも盛り込んでいる。さらに、ClamXav 2.3 では Infected List に「すべてを選択」と「コピー」の機能を組み込み、ClamXav Sentry を開発し直して RAM 使用量をより低く、かつより一定のレベルに保つようにし、システムワイドの環境設定への対応を追加し、イタリア語のローカライズ版を追加し、フランス語ローカライズ版に修正を加えた。

バージョン 2.3 のリリースから数日後、ClamXav がバージョン 2.3.1 にアップデートされて、スケジュール化されたスキャンの実行を妨げていたバグの修正と、ClamXav Sentry がフォルダをスキャンする際に(監視の対象となるフォルダに新たに追加されたファイルだけでなく)全部を丸ごとスキャンしていたバグに対する一時的な修正とが施された。Allen によれば、未だに 10.4 Tiger を走らせている ClamXav ユーザーはこのアップデートをダウンロードすべきでなく、その代わりにバージョン 2.2.1 をダウンロードして環境設定でアプリケーションのアップデートチェック機能をオフにして欲しいという。(Allan のウェブサイトからも Mac App Store からも無料、16.5 MB)

ClamXav 2.3.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 7 月 9 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は Apple の App Store がいくつかの嵐を切り抜けた。トロイの木馬になりかねなかったものが認可プロセスをすり抜け、またすべての新規およびアップデートされたアプリがダウンロードしてみると壊れていたという事態が数日間続いた。それぞれ詳細を記した記事へのリンクがある。また、Mozilla が Thunderbird をメンテナンスモードに入れると発表したニュースと、Glenn Fleishman が彼自身の仕事のやり方を要約した Macdrifter 記事も紹介する。

Mozilla、電子メールクライアント Thunderbird を一線から下げる -- Mozilla Foundation が、オープンソースの Thunderbird 電子メールクライアントに関する扱いを変更すると発表した。今後もセキュリティアップデートは提供するし、Thunderbird コミュニティーが開発を続けるためのメカニズムは継続するけれども、内部的に Thunderbird を前進させることはしないという。Mozilla Foundation の議長 Mitchell Baker は、Mozilla が長年にわたって Thunderbird を革新しつつ活発な貢献者層を獲得すべく、努めてはそれに失敗してきたことを率直に語った。これは電子メールの死の前兆だと言い出す人たちが出てくるのは間違いないが、私たちとしては電子メールが成熟して高度に定着したテクノロジーとなり、多くの人々が望むものを既に提供していることを示唆しているに過ぎないと言っておきたい。

コメントリンク: 13109

Apple、クラッシュを起こした App Store の DRM エラーを修正r -- Ars Technica の記事が、数日間にわたり欠陥ある DRM コードを生成していた App Store サーバの問題についてまとめている。このため、ダウンロードした Mac 用または iOS 用のアプリが起動時にクラッシュする結果となり、開発者たちには多くのユーザーから怒りに満ちた星1つのレビューが殺到していた。Apple はこの問題を修正したが、問題の発生していた期間中にアップデートまたは新規のアプリをダウンロードしたユーザーの数は数万人、少なくとも 120 のアプリが影響を受けた。Apple はまた、怒りに満ちた星1つのレビューを(削除することなく)隠すため、影響を受けたアプリのバージョン番号をリセットした。2012 年 7 月 5 日前後にアプリをダウンロードした人は、もう一度アップデートのチェックをし直してみる方がよいかもしれない。

コメントリンク: 13103

トロイの木馬を iOS App Store から削除 -- セキュリティ会社 Kaspersky の報告記事によれば、"Find and Call" と呼ばれるトロイの木馬アプリケーションがなぜか Apple の App Store 認可プロセスを通過してしまい、Apple が目を覚ましてこれを削除するまでの間、多くのユーザーがダウンロードしていた。これとよく似たマルウェアが Google Play の Android 市場にも投稿(その後削除)されている。言うまでもなく、このアプリをダウンロードしたけれどもまだ試していないのならば、すぐに削除するべきだ。このマルウェアは、あなたの連絡先情報を盗み出してその人たちに SMS テキストメッセージでスパムを送りつけるからだ。Apple の認可チームが大失敗をやらかしたのは明らかだが、少なくとも彼らは急いでこのアプリを削除することができた。同社がもう一歩踏み込んでデバイス上からこのアプリを除去する対策を実行するかどうかはまだ不明だ。

コメントリンク: 13100

Glenn Fleishman の仕事のやり方 -- TidBITS 編集者 Glenn Fleishman が Macdrifter からの問いに答える形で、彼自身の執筆作業のあらましを述べた。彼がどのようにして記事やエッセイを書き始めるのか、執筆にはどのようなテクノロジーを使うのか、といったことだ。

コメントリンク: 13099


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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2012 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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