TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#684/16-Jun-03

ブラウザ競争に勝利した後、Microsoft は Macintosh 版 Internet Explorerを見捨てて戦場から立ち去ってしまうのか? 今週はさらに、Adam が新電源ユニットで静かになった Power Mac G4 を、Mariva Aviram が前回とは別のインターネットで体を動かすレクリエーションをレポートし、また 802.11g ワイヤレス規格が正式に承認されたニュースと共に Internet Explorer 5.2.3、Final Cut Pro 4、QuarkXPress 6、QuicKeys X2、そして NoteTaker 1.5 のリリースをお伝えする。

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MailBITS/16-Jun-03

Mac OS X 版 QuarkXPress 6 ついに発売 -- Quark 社は、今週中にはQuarkXPress 6 の出荷を開始すると明言した。これで、長く待ち焦がれていたMac OS X 用デスクトップ・パブリッシングソフトウエアがついに発売されることになる。この新バージョンでは、PDF を直接書き出す機能、改良された Webページ作成ツール、出力機能の拡張、そして取り込んだイメージのフル解像度でのプレビュー (この最後に述べた機能を使うためにはプログラムを Quark へ登録する必要がある) が提供される。QuarkXPress 6 はまた、さらなる新機能として複数のレイアウト間でスタイルシート、ハイフネーションの設定、色、そしてリストを共有する方法であるレイアウトスペースを追加した。

<http://www.quark.com/products/xpress/>

しかしここでの真のニュースは、やはりようやく Mac OS X ネイティブ版のQuarkXPress が登場したということだろう。Apple は Power Mac の売り上げが少ないことを QuarkXPress 6 が無かったためだとし、理由として多くの出版業界ユーザーが Mac OS X しか起動できない新しいマシンにアップグレードする前に QuarkXPress を待ち望んでいることをあげている。QuarkXPress 6 がついに出荷されたことにより、Power Mac の販売が本当に上がるのか、それともやはり出版業界は古いバージョンの QuarkXPress が動作する古いマシンにしがみつくか、あるいは Adobe InDesign に乗り換えるのか、興味が引かれるところだ。 QuarkXPress 6 は Mac OS X 10.2 あるいはそれ以降と最低 128 MB の RAMが必要である。ソフトウエアの小売価格はシングルユーザーで 1,045 ドルとなっているが、Apple ではオンラインで $900 で販売している。アップグレードは、所有している旧バージョンによって違うが 200 ドルから 500 ドルの間となっている (詳細は Quark の Web サイトを参照のこと)。[JLC] (佐藤)

<http://www.adobe.com/products/indesign/>
<http://www.apple.com/macosx/applications/quarkxpress/>
<http://www.quark.com/products/xpress/purchase/>

QuicKeys X2 がマクロを強化 -- CE Software が QuicKeys X2 をリリースした。長年人気を保ち続けてきた同社のマクロユーティリティの Mac OS X 用最新版だ。(TidBITS-602 の記事“QuicKeys X: 幽霊の再来”を参照。)インターフェイスのデザインが一新されたのに加えて、以前には classic 版の QuicKeys にしか存在していなかったような Mac OS X 機能がこのバージョンで実現された。例えば、QuicKeys X2 はあなたの動作を自動的に記録して、あとでその一連の動作をプレイバックすることができる。これで、複数ステップのショートカットを定義するのが手軽にできるようになった。それ以外にも、多数の自動タスクが復活したので、例えばショートカットの中で画像やテキストを保存・再現したり、ボタンを名前または位置によって探知・稼働させたり、ポップアップメニューも名前または位置によって探知・アクセスできるようになった。また、プログラミング用の構文もいくつか復活し、繰り返しループやユーザーアクション待ち、フィードバック用のダイアログなども使えるようになったので、複数ステップのショートカットがはるかにパワフルなものになった。その他の改良や新機能としては、日付・時刻のフォーマットがカスタマイズできるようになったこと、複数ステップのショートカットを1ステップずつ実行できるショートカット・デバッガの装備、ショートカットの設定の際に便利な inspector ウィンドウ、タブ付きツールバー、個々のショートカットを特定のアプリケーションのみに限定させるコントロールの強化などが挙げられる。QuicKeys X2 は Mac OS X 10.2.3 またはそれ以降を要する。価格は $100 で、アップグレード価格は現在お持ちの QuicKeys のバージョンによって $20 から $70 までの間になる。30 日間有効の試用版が 10.5 MB のダウンロードで利用可能だ。[ACE](永田)

<http://www.cesoft.com/products/qkx.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06603>日本語QuicKeys X: 幽霊の再来
<http://www.cesoft.com/products/qkx2-upgrade.html>
<http://www.cesoft.com/downloads/demos.html>

NoteTaker 1.5 でもっとテイク・ノオト -- AquaMinds はその看板製品のアウトライナー、NoteTaker に多数の改良を盛り込んだバージョン 1.5 をリリースした。(TidBITS-677 の記事“NoteTaker でテイク・ノオト”を参照。)外部ファイルへの参照にエイリアスを使うようになり、対象ファイルが移動されても動作するようになった。クリッピングがその原典の情報を保持するようになった。例えばウェブブラウザからテキストをクリップして来ると、その元の場所をアプリケーション名と URL とで特定できる。Find All ボタンが新設され、これを使うと検索結果すべてのリンクが1つのドローワに集められる。開いたページの履歴が記録され、履歴リストとして一覧したり、あるいはブラウザと同様に前のページへ直接戻ることもできる。(項目全体からでなく)テキストの一部分からリンクを張ることができる。キーボード・ナビゲーションも大きく改良され、メニューのキーボード・ショートカットがすべてカスタマイズできる。書類全体の見栄えも大きくカスタマイズできるようになった。あなたの Documents フォルダ内にあるすべての NoteTaker 書類が library として扱われるようになった。つまり、どの書類を開けていても、ドローワの中にすべてがリストされており、現在開いていないものであってもすべての library 書類の内容を検索したり、また好きな書類の好きなページを直接開いたりできる。現在開いている書類のすべてのセクションとすべてのページもドローワにリストされており、欲しいページがいつでもすぐに開ける。今回のアップグレードは登録ユーザーには無料で、新規ユーザーには NoteTaker 1.5 の価格は $70、ただしアカデミックユーザーには $40 となっている。30 日間有効の試用版が 5.7 MB のダウンロードで利用可能だ。NoteTaker 1.5 の使用には Mac OS X 10.2 またはそれ以降が必要だ。[MAN](永田)

<http://www.aquaminds.com/introducing1_5.jsp>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07157>日本語NoteTaker でテイク・ノオト
<http://www.aquaminds.com/updates.jsp>

セキュリティーアップデート 2003-06-09 バージョン 2.0 -- Apple は先週セキュリティーアップデート 2003-06-09 をリリースして、詳細は発表されていないが Network File System (NFS) でマウントされたボリュームを共有するのに Apple Filing Protocol を使用した場合に起こる可能性のあったセキュリティー上の問題点を解決した。また、LDAP と Kerberos に関する問題も修正したということだ。言うまでもなく、ほとんどの人にとってはこれらは縁遠い問題に過ぎなかったのだが、それでも多数の人々がこのアップデートのインストールを済ませた。不幸なことに、このアップデートには副作用があって、ログインの際に「ログイン」ボタンをクリックすることができなくなってしまった。(Return キーを押せばログインできたが。)バージョン 2.0 のアップデートで、この副作用が解消されたということだ。今回のアップデートは 1.4 MB のダウンロードで、ソフトウェアアップデートからも利用可能だ。[ACE](永田)

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=120223>

Microsoft、IE 5.2.3 for Mac OS X をリリース -- Macintosh 用の Internet Explorer の今後の開発はバグ修正のみになるであろうことが確認された直後に(詳細はこの号に別掲)、Microsoft は Internet Explorer 5.2.3 for Mac OS X をリリースした。これはプロキシサーバとの相性を改善しいくつかのバグを修正している (この中には、Favorites Bar 上のブックマークをクリックした時ポップアップメニューが大抵の場合現れるという気障りな Mac OS X のバグも含まれている)。Internet Explorer 5.2.3 は Mac OS X 10.1.5 かそれ以降を必要とし 6.7 MB のダウンロードとなっている。[ACE](カメ)

<http://www.microsoft.com/mac/DOWNLOAD/IE/ie5_osx.asp>


Internet Explorer for Mac がメンテナンスモードに

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>

Internet Explorer 6 for Windows の独立版の開発は中止する - 代わりに Web ブラウザの機能を Windows オペレーティングシステムに組み込んでいく事に集中する - と Microsoft が発表してから二週間になるが、同社は Internet Explorer 6 for Macintosh が日の目を見る事はまずないであろう事を認めた。Microsoft は Apple の Safari Web ブラウザについて言及した時に、Internet Explorer 5 については必要に応じて Mac OS 9 と Mac OS X の両方に対してバグ修正は続けていくと言っていたが、その時には Internet Explorer 6 の開発はすでに止まっていた。事実、正式決定となったのは先週ではあるが、2003年1月の Safari のベータリリースの直後にこの開発にはストップがかかっていたのである。これと機を同じくして、Internet Explorer のプログラムマネジャーである Jimmy Grewal は、Microsoft を退社して故郷の Dubai に帰って別の道を歩むつもりであると語っている。

<http://www.microsoft.com/mac/products/ie/>
<http://www.apple.com/safari/>
<http://www.jimmygrewal.com/>

この動き自体に何ら驚きに値するものはない。過去数年間の Microsoft の Mac 用の Internet Explorer サポートに対する力の入らなさを見てもそうだし、また無償のプログラムで Apple と激しい技術競争に入るというのは商売上も意味をなさないのも事実である。Microsoft にしてみれば、Netscape とのブラウザ戦争に勝った今となっては Macintosh Web ブラウザは戦略的にも意味がないのである(この戦いの中で Netscape が自分自身に自ら残した弾痕が Microsoft に勝ちをもたらした助けの証拠として残っている)。ある統計によれば、Internet Explorer は Windows と Mac の両方でブラウザ市場の 95% を占めている。Microsoft の Web ブラウザ離れは .NET や Web サービスに向けた動きの一環であると見る向きもある。

<http://news.com.com/2100-1045_3-1017126.html>

もっと興味深いのは、Internet Explorer for Macintosh をメンテナンスモードという生き埋め状態に送り込む事に関して Microsoft から聞こえてくるコメントである。AP のレポートでは Microsoft のスポークスウーマンの発言として、Apple は誰も手の届かないオペレーティングシステムの機能にアクセスできるのだから他の誰よりも良い Web ブラウザを作れるはずだ、と伝えている。これは、あの長期にわたった Microsoft に対する反トラスト法違反の訴訟内容そのものでもある。このコメントは、オペレーティングシステムの会社にアプリケーションをやられたら勝てるわけがない(だからフェアでない)とも解釈できるし、或いは、Web ブラウザ機能はオペレーティングシステムの一部であるのが当然である(これが Microsoft の一貫して主張してきた事)とも取れる。

<http://biz.yahoo.com/ap/030613/microsoft_macintosh_2.html>
<http://geekculture.com/joyoftech/joyarchives/490.html>

いまだ public beta の段階であるとはいえ、Safari は大変良く出来た Web ブラウザであり、更に改良された最終リリース版が出てくるのももうすぐであると思われる。この時までには、今のベータ版ではアクセスできないサイトとの相性の問題も解消されている事を期待したい。Safari は 6ヶ月という短期間の間に最も人気のある Macintosh Web ブラウザの一つにまで登りつめた、事実、我々の TidBITS Web サイトを見に来るのに Safari を使っている人の数は、他のどの Macintosh Web ブラウザよりも多いのである。Internet Explorer の脅威がなくなってしまった後に残された Apple の挑戦は、初期リリースの勢いに乗った惰性に走ることなく Safari の改良を続けることである。願うのは、ブラウザ市場の小さな勢力 - Camino, OmniWeb, Opera, 等々 - が Apple が正直でありつづける助けになる事である。結局の所、Apple は Mail を Mac OS X にバンドルしているが、その他の数多くのメールプログラムが、例えば Eudora, Mailsmith, PowerMail, QuickMail, そして Microsoft Entourage さえもが、いまだ開発を続けているというだけではなく、Mial をはるかに凌ぐ強力さと柔軟性を提供している。


802.11g (AirPort Extreme) が批准される

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>

2003 年の 1 月の Apple による AirPort Extreme の発表はリスクを覚悟した動きだった。AirPort Extreme が使用している IEEE 802.11g 標準がまだ認可されていなかったからだ。802.11g は Apple が AirPort と呼んでいる 802.11b を改良して 54 Mbps までのスピードを可能にしながら、同時に 802.11b 機器との互換性をも保っている (TidBITS-663 の“AirPort (AirMac) Extreme: 合言葉は“G””を参照)。802.11g と 802.11g を開発した業界規準団体である IEEE による 2003 年 6 月 12 日の 802.11g の批准で Apple の博打が当たった。

<http://www.apple.com/airport/>
<http://www.ieee.org/hpnews_802.11g>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07047>日本語AirPort (AirMac) Extreme: 合言葉は“G”

Apple のハードウェア製品マーケティング担当副社長の Greg“Joz”Joswiak によれば、一月以来、“規準に大きな違いはない。”しかし今に至るまで Apple は微調整を加える必要があった。AirPort Extreme を完全に最終的な 802.11g 標準に準拠できるようにするために六月末までにアップデートを公開する予定だと Joz は述べている。

先月、IEEE が 802.11g のスピードを 54 Mbps から 25 Mbps 以下に下げたという報道が流れ、既に 802.11g 機器に投資したユーザを焦らせた。幸運なことに、IEEE はスピードを下げたわけではなかった。実世界における 802.11g ベースのネットワークの転送速度をはっきりさせただけであった (同じように 802.11b が 11 Mbps を達成することは不可能だ。実際にはその半分くらいが普通だ)。ネットワークは常にパケット処理や交通整理作業の為に必要な時間があり、802.11g が管理に必要とする分は通常の Ethernet に比べてかなり高い。

<http://www.computerworld.com/mobiletopics/mobile/story/0,10801,81450,00.html?nas=PM-81450>

面白いことに、Apple の AirPort Extreme のチップセット供給元の Broadcom とワイアレスのチップセットを開発している他三社 - Agere、Intersil、そして Texas Instruments - はどれもこのスループット問題の解決に取り組んでいる。Broadcom によれば、その Xpress 技術を使用してパケットのまとめ方を改善するだけで 802.11g だけのネットワークの速度を 27 パーセント、そして 802.11b/g 混在ネットワークでは 75 パーセントまで改善できると宣伝している。ネットワーク上で Xpress で送信している機器が一つだけでも改善が見られるそうだ。彼らの“パケットバースティング”技術は古い機器とも問題なく働く。Broadcom はこの概念に基づいた互換可能なバージョンを広めようとしている業界の動きの一員だ。(技術的な説明をすれば、Xpress は、来年に完成する予定のスループットとストリーミングメディア能力を向上させるための IEEE 802.11e の暫定的なバージョンの一部を採用している。) Broadcom は同時に Apple 等の機器メ ーカーに提供しているチップにこの機能が潜在しており、それをオンにするか否かは各機器メーカーに任せているとも言っている。Broadcom の発表のタイミングからすると、Apple が今月の後半の AirPort Extreme のファームウェアのアップデートにこの Xpress 機能を追加する可能性もある。

<http://www.80211-planet.com/news/article.php/2222031>

802.11g の次のステップは Wi-Fi 標準の認定だ。これによって全ての 802.11b (そして 802.11a) 機器は使用しているチップセットの製造元に関わらず相互に互換となる。Wi-Fi 認定作業を管理し互換性のある機種に Wi-Fi シールの表示を認可している Wi-Fi Alliance は、今月中に製品のテストと認定を開始する予定だと述べている。

<http://www.wi-fi.org/>


Apple、Final Cut Pro 4 を発売

文: Tonya Engst <tonya@tidbits.com>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

先週末いくつかの Apple 直営店では鳴り物入りで、Apple の Final Cut Pro 4 、同社のハイエンド・ノンリニアデジタルビデオ編集ソフトウエアの最新版がリリースされた。Apple によれば、このバージョンは 300 もの新機能が追加されたという。それらの多くは、さらに洗練されたテクニックでユーザーの作業方法を変えたり (例えば、クリップのマージとリンクが複雑かつパワフルになった)、同じことをさまざな方法で実現できるようにするものだ (オーディオを編集する別な方法を提供している新しいオーディオミキサーなど)。新しいRT Extreme エンジンにより合成やエフェクトをリアルタイムで行なうことが可能となり (特に Mac が デュアルプロセッサ Power Mac G4 の場合)、チャンネル毎の新 32 ビット浮動小数点ビデオ処理によりクオリティの高い出力を可能としている。キーボードショートカットはほとんどの (全部ではない) コマンドに割り当てることができるようになり、さまざまなウインドウでカスタムツールバーを設定できる。Avid 系システムから移行するユーザーは特にこのキーボードショートカットが変更できる点が気に入るだろう。

<http://www.apple.com/finalcutpro/>

うれしいことに、Final Cut Pro 4 にはいくつかソフトウエアが追加されている。さらに豪華なタイトルのための LiveType、自分で曲が作れる Soundtrack、デジタルメディアをさまざまなフォーマットにエンコードし、エンコードの前後の状態を再生して比較できる Compressor、そして元映像がアナログフィルムの場合に複製クリップ、カット、そしてその他の細かいものを管理するデータベースソフトウエアである Cinema Tools (以前は単体で 1,000 ドルだった)である。

Final Cut Pro 3 for Macintosh: Visual QuickPro Guide やその他の Final Cut 関連書の著者である Lisa Brenneis 氏は、この新バージョンを次のようなコメントで要約している「Apple は先進的な機能より使いやすさを求めるユーザーに対しては Final Cut Express を用意した。いまや Final Cut Pro がノンリニア編集ソフトとしてプロレベルのモンスターソフトとなることを妨げるものはもうなにも無い。」

Final Cut Pro 4 の価格は 1,000 ドルで、アップグレード版は 400 ドルである。もし Final Cut Pro を 2003 年 4 月 6 日 (訳注: 日本では 2003 年 4月 7 日) 以降に購入したのであれば、2003 年 6 月 20 日 (同: 日本では 2003年 7 月 18 日) までに申し込めば約 50 ドルでアップグレード可能だ。詳しくは Apple の Web サイトをチェックのこと。


Power Mac G4 の電源を交換する

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

2月になるが、Apple は Power Mac G4 (Mirrored Drive Doors) 内の大きい音がするファンを交換するプログラムを人知れず開始した。20 ドルの送料と手数料で、Apple は取付説明書と一緒に新しい電源ユニットとシステムファンを送付してくれる。このプログラムは 2003 年 6 月 30 日までとなっているので、まだの人はこれから申し込んでも間に合うだろう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07081>
<http://depot.info.apple.com/?program=acoustic>日本語ページ

私のところには数週間前にこの交換用電源ユニットが届いていたのだが、最近までそれを自分の 1 GHz Power Mac G4 デュアルプロセッサに取り付けるための時間が取れなかった。当のファンと電源ユニット以外にも沢山のケーブルやドライブキャリアを外す必要があるため、失敗してもいいように時間の余裕がある時に行ないたかったためだ。幸いにも上手くいって、Mac は以前よりも静かになっている。

取付作業 -- Apple の取付説明書は詳しく正確に書かれていたが、写真は少しぼやけていた。上記のリンクからダウンロードできる PDF 版で使われている写真のほうが良く写っているので、カラープリンタをお持ちならダウンロードして印刷しておくと良いかもしれない。

作業にかかったのは正味一時間程だった。Mac を分解することは苦にならないのだが、系統的に作業を行なっていたためだ。修理のエキスパートならたぶん20 分以内でできるだろう。しかし一度も Mac のケースを開けたことがないのなら、手数料を払ってでも販売店に交換を頼むほうが良いかもしれない。

総体的に説明書は良く出来ており大きなトラブルは無かったが、ケースのツメのあいだのスロットに新しい電源ユニットを押し込む時は数回やり直した。説明書に磁化されたスクリュードライバーが必要だと書いてあるのを軽く見ない方が良い。私の使っている普通の Wiha スクリュードライバーは磁化されておらず、もし代わりの磁化されたスクリュードライバーが見つからなかったら、ハードドライブの裏側のキャリアを止めているネジを取り外したり付け直したりするのが非常にやりにくいものになっていたことだろう。

<http://www.wihatools.com/>

ネジについて言えば、それが説明書の中で完全に失敗した唯一のものだ。どのネジを外せば良いかはきちんと書いてあるが、一番最後に取り外したネジがきちんと取り付けられているかどうか確認するところまで、どの時点でネジを取り付ければ良いかの記述が無いことだ。さまざまなネジをきちんと別々にしておき取り外し手順を逆に追っていけば、どのネジをいつ取り付ければ良いのかを知るのは難しいことではない。

前よりも静粛でパワー控えめ -- 新しい電源ユニットの容量は、オリジナルの 400 ワットに比べ 360 ワットと少なくなった。Apple はそれによる違いは何も起こらないと言っている。同様に、新しいファンもオリジナルのものと少し違った仕様になっているようだ。

さらに重要なことは静粛かどうかだ。静かにはなったが、もちろん無音ではない。私は Radio Shack で音量計を買おうと思ったのだが、最低で 50 dB までしか計測できず、それで充分かどうか確信が持てなかった。そこで、本物の音量計を使わず別な方法でテストする方法を考えた。私の iBook にはマイクロフォンが内蔵されており、Mac OS X のサウンド環境設定の入力タブには、マークシート形式のテスト用紙にある鉛筆で塗り潰す解答欄によく似た 15 ヶの“菱形”がある。

入力ボリュームが最大の時 (つまり iBook の内蔵マイクロフォンの感度を最大にする)、オリジナルの電源ユニットの音量がだいたい菱形 6 個、時々 5 個に減る程度だった。これは、マシンのすぐ隣での値である。私はまた、マシンから 1 〜 2 メートルはなれた通常自分の頭がある位置でも計測した。その時の値は菱形 5 個で、しばしば 4 個になり、時々 3 個になる程度だった。

電源ユニットを交換したあと Mac の電源を入れてみて、ノイズがはっきりと分かるほど小さくなったことに満足した。iBook で同じテストを行ってみると、Mac のすぐ側では菱形 3 個から 4 個、通常の頭の位置で 2 個から 4 個、一番多かったのが 3 個という結果だった。

サウンド環境設定の入力レベルの表示は正確さがまったく欠けているため、この結果がまったく科学的でないことは疑う余地が無い。また部屋の温度をコントロールすることも出来なかったが、ファンは可変速であり部屋が高温になるとそれに対応するため速度をあげるため、ノイズの音量は間違いなく変化することだろう。

一番の不満は、新しい電源ユニットのノイズが一定でないことだ。ファンがある速度で回っている時若干ブーンという音が聞こえ、以前の大きくはあるが一定のノイズよりも気に障った。この原因を突き止めるため Power Mac を動作中に開けてみた (Apple はそのようなことはなるべくしないよう求めている)。すると注意深く設計された空気の流れが乱れてしまい、ファンのスピード (とノイズ) を著しく増大させてしまった。原因は突き止めることができず、ケースを閉じて数分するとファンのスピードとノイズは元のレベルに戻った。数週間が経って新しいノイズにも慣れ、ブーンという音も以前ほど気にならなくなった。

交換する価値はあるか? -- もし対象となる Power Mac G4 (Mirrored Drive Doors) を所有しているなら、20 ドルを出して電源ユニットを交換したほうが良いのだろうか? 私は賛成だ。否定的な面は、わずかな金額と不注意に分解した場合 Mac にダメージを与える可能性があることだけだからだ。なんらかの理由でもし新しい電源ユニットの音が気にいらなかった場合は、いつでも古いものに戻せる。私たちは最初、Apple は古い電源ユニットとファンを返却するための航空貨物輸送状も送ってくるだろうと報告し、またこのプログラムも“exchange(=交換)”と名付けられているのだが、私のところに届いた荷物にはそのようなものは含まれておらず、また箱の中には古い電源ユニットをどのように返却すればよいかが書かれた説明書は入っていなかった。そのかわり「この交換プログラムの一環として交換したパーツは、お住まいの地域の法律に基づき廃棄して下さい」と書かれた 1 枚の紙切れが入っていた。私の古典教育の知識が間違っていなければ、電源ユニットの廃棄に関する法律を探し出すということは、「いとかたし」ということだ。ということで、万が一に備えて古い電源ユニットは捨てずに取ってある。もしあなたがそれを廃棄したいと思うなら、地域のコンピュータリサイクルセンターにでも出すと良いだろう。

それでもこの Power Mac G4 はオフィスの中で一番うるさく、多分以前使っていた 450 MHz の Power Mac G4 よりもうるさいと思うが、前よりはだいぶ良くなった。それでも、オーディオやビデオを専門に扱うため静粛性を求める人たちは、Mac を別の部屋か防音装置にでも入れて隔離したいと思うことだろう。他の大勢の人たちは、この新しい電源ユニットとファンが本当に静かになったことに満足すると思う。それでも、ファンが付いていない Power Mac G4 Cubeや旧 iMac の静粛性には嫉妬してしまうのだが。

PayBITS: もしこの Adam の記事で電源ユニットを交換しようと思ったら、数ドルで構わないので PayBITS で彼に感謝の意を示して頂けませんか?
<https://www.paypal.com/xclick/business=ace%40tidbits.com>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


インターネットで体を動かそう: データベースで遊ぶ!

文: Mariva H. Aviram <mariva@yahoo.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

あなたの財政状態から病院受診の履歴、学業成績やインターネット使用履歴まで、何でもかんでも揃っている。どんな種類の情報でも、今やデータベースで管理できないものはない。それは、とても便利な一面もあるが、一方ではこれほど恐ろしいものもない。でも、今はそんなデータベース管理の底知れぬ力の話はちょっと脇に置いて、その楽しい一面の方に目をやることにしよう。それが、先週の記事にも関係のある“インターネット補助によるオフライン・レクリエーション”(Internet-Guided Offline Recreation, IGOR) だ。それぞれに独創的なやり方で楽しくデータベースを使って遊ぶ趣味人たちの活動は、近年本当に目立って増えてきている。彼らの作り出した数々のウェブサイトは、おもちゃから本、果ては現金に至るまで、あらゆる種類のものの(おおむね非商業的な)動きを追跡管理しているのだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07216>日本語インターネット補助によるオフライン・レクリエーション

ハイ・テクの Kula リング -- パプア・ニューギニアやトロブリアンド諸島、その他南太平洋の島々の原住民たちは、ある複雑な儀式的行事のシステムに参加し合うことによって、互いの文化を交流させ、経済的結び付きと社会的信頼とを強め合っている。貝殻のネックレス、ヤム芋、腕飾り、その他いろいろなものの交換が、メラネシア諸島を囲むかなり広い地域にわたって儀式的に、かつ非競争的におこなわれ、人類学者たちが言うところの“Kula リング”を形成している。交換される個々のものはその先代の所有者にまつわる物語とともに伝えられ、それが何人もの人手をわたればわたるほど、そのものの価値が増してゆくとされるのだ。

<http://www.michie.net/pnginfo/monibagi.html>
<http://tyr.ioa.ucla.edu/Northridge/AsiaMisc/sld017.htm>
<http://www.umanitoba.ca/faculties/arts/anthropology/courses/122/module5/kula_ring.html>
<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/1859735185/tidbitselectro00/>

テクノロジーに取り囲まれた産業先進国に住む私たちにとっても、おそらくそのような深い意味を持つ古代からの儀式に魅せられる気持ちが、人間の本性として備わっているのだろう。現に、多くの IGOR サイトでは、いろいろなものの動きを追跡して、現代社会の価値観の下における祭式の対象物、例えばドル紙幣とか、書物とかいったものが、人手から人手へとわたってゆくのを崇めるという活動をしている。

お金を追跡 -- Where's George サイトは、紙幣のシリアル番号を追跡する。そう、現金、うす汚れて、実用一点張りで、緑一色で印刷された、ドル紙幣そのものだ。現金を追跡することは、IGOR の活動としては最も単純なものと言えるだろう。ユーザーは、自分の紙幣のシリアル番号をウェブサイトに入力して、紙幣そのものには短いメッセージ(“wheresgeorge.com でこの紙幣の追跡をしています!”)を書き込んで(公共財産汚損の罪に問われたくない人は鉛筆でどうぞ)から、その紙幣を世界へと旅立たせれば(つまり、そのお金を使えば)よいだけだ。一番活発に追跡を受けているのはやはりドル紙幣で、Where's George サイトでは $100 札に至るまですべての種類を扱っている。

<http://www.wheresgeorge.com/>

他の国の通貨を追跡しているところもある。英ポンドは DoshTracker で、カナダ人たちは Where's Willy(このサイトは Where's George と酷似している)や Canadian Money Tracker で、日本の追跡ファンたちは Osatsu(お札サイト)で活動している。現在急激に成長中の貨幣、ユーロについても、やはり Eurobilltracker という追跡システムができている。

<http://www.doshtracker.co.uk/>
<http://www.whereswilly.com/>
<http://www.cdn-money.com/>
(日本語)<http://www.osatsu.net/>
<http://www.eurobilltracker.com/>

他の祭式対象物 -- Geocaching(TidBITS-683 の記事“インターネットで体を動かそう: みんなで宝探しを!”を参照)では、独自の「通貨」として“hitchhiker”なるものを使っている。これは cache から cache へと持ち運ばれるもので、それ自身の上にきちんと使用法が(「これを別の cache へ運んで下さい」)記入されていたり、時には小型のログブックが付いていたりもする。特に注目すべき hitchhiker のタイプとしては“travel bug”(旅行虫)というものがある。これは、geocaching 用品の販売元、Groundspeak で購入できる金属製の ID タグで、geocacher たちはこの虫の絵の付いた ID タグを cache に隠したり発見したりするだけでなく、自分が運んだり放ったりした旅行虫たちの数を競い合ったりして楽しんでいる。

<http://www.geocaching.com/track/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07216>日本語インターネットで体を動かそう: みんなで宝探しを!

方法としてはこれとよく似ているが、BookCrossing サイトはある意味で巨大な全世界的図書館のようなものだ。このサイトに本1冊を登録するのは、ドル札を1枚登録するのよりもかなり手間がかかる。1つには、BookCrossing データベースが ISBN に代わる独自の登録番号 (BCID) を生成することがある。もう1つには、書物というものはドル札ほどには頻繁に人手をわたるものではないし、財布やポケットに入れて持ち運べるものでもないからだ。というわけで、本を登録するには少し準備が要る。まず BCID と取扱説明をラベルに印刷し、そのラベルを本に貼り、それからその本を“荒野に放つ”、つまりバスの中やカフェ、教室、待合室などに置き去りにするのだ。誰かがこの本を見つけると、その人は BCID によって特定されたウェブページにその本の足取りをログジャーナルの項目として記入する。実際の図書館とは違って、BookCrossing は本の貸し借りをするわけではない。読みたい人のところに本を届けることさえもできない。なぜなら別の人が先にその本を見つけてしまうかも知れないからだ。けれども、無料で手に入る多数の本が公共の場にランダムに散らされていて、それが系統的なカタログとして一覧できるという考え方そのものが、陽気な愛書家たちにとってはこたえられない魅力なのだろう。

<http://www.bookcrossing.com/>

優雅なる死体 -- シュールリアリズムの人たちは、多数の文学や芸術作品がなぜか一つの所に集められてしまった状態のことを、cadavre_exquis(“優雅なる死体”)と呼んでいるようだ。独創的な IGOR プロジェクトは、その自然の結果として、独自の cadavre_exquis を作り出してゆく。そして、その成果がまた、参加者たちやファンたちを喜ばせ、さらに新たな探究へと乗り出させてゆくのだ。

<http://www.exquisitecorpse.com/>

熱狂的な日記ファンたちは、The1000JournalProject に夢中になっている。その名前の通り、何も書いてない千冊の日記帳が各地の日記ファンたちに配られ、彼らはそれぞれ思うままに日記や絵、コラージュなどを書き込んでから、それを他の日記ファンたちに送るのだ。一杯になった日記帳は元のところに送り返され、そこですべてのページも表紙もスキャナにかけられて画像化され、サイトに公開される。日記ファンでなくても、こうして公開されたカラフルな画像や、手書きの日記やアートを眺めるだけでも楽しい。

<http://www.1000journals.com/>

Letterboxing は、ものを交換する IGOR であるという点では Geocaching と似たところがあるが、もっとロウ・テクで、参加者の範囲も狭い。参加者には、古来の狩猟のテクニックが要求される。つまり、GPS 座標などを使うのではなくて、コンパスを読んだり、暗号化されたヒントを解読したり、機略縦横の勘の鋭さが必要なのだ。Letterboxing には登録番号などは無い。その目的は、ゴム印を交換することなのだ。参加者は自分のゴム印とログブックを携帯する。目標の箱を発見すると(これは決して易しいことではない)箱を開けてその中のログブックに自分のゴム印を押し、それから自分のログブックにはその箱の中のゴム印を押しておく。ちょうど、パスポートに入国印を押すようなものだ。ただ、あのいやらしい入国管理官などはどこにもいないというだけの違いだ。参加者たちは、それぞれなるべくユニークな、できれば自分で手彫りの、ゴム印を持つようにと奨励されている。というわけで、letterboxing のファンの中にはアーティストや職人たちも多い。

<http://www.letterboxing.org/>

おい君、僕のカメラを知らないか? -- デジタル写真や使い捨てカメラなどの登場により、写真を撮ることはお金のかからない趣味となって広く普及し、画像というものに魅惑された私たちの文化を作り上げるまでに至っている。そこからの必然の結果として、写真関連の IGOR プロジェクトもいくつか登場してきた。Photo Tag サイトは、1つの使い捨てカメラを人から人へと手渡してゆくというアイデアに基づいている。カメラを受け取った人は、何か1つスナップショットを撮ってから、そのカメラをまた誰かに郵便で送るのだ。一杯になったカメラが Photo Tag に送り返されてくると、フィルムは現像されて、いくつかの写真がサイトに公開される。あるカメラは北極の近くから出発してハワイに住む人のところまでたどり着いた。つまり、このフィルムには北極の景色も南国の景色も収められていたのだ。

<http://www.phototag.org/>

GeoSnapper では、写真に GPS 座標を付けて管理している。具体的に言うと、Degree Confluence Project の写真は、ちょうど整数値の座標を持つ地点の写真というのがテーマだ。例えば北緯 38 度西経 123 度地点の写真は、カリフォルニア州 Marin 郡の Point Reyes 灯台の近くだ。

<http://www.geosnapper.com/>
<http://www.confluence.org/confluence.php?lat=38&lon=-123>

みんなで集まろう -- このジャンルのオンライン・オフライン一体の娯楽に、まだ誰も名前を付けていない(少なくとも私の知る限り、私を除いては誰も)ことの理由として考えられるのは、こうした IGOR サイトたちがお互いにほとんど何の交流も持っていないということではないだろうか。けれども、時によっては1つの IGOR サイトがその情報ページに他の同種の活動について紹介するようなこともある。例えば、BookCrossing FAQ のページには Where's George、Photo Tag、それに Geocaching.com が、サイトの生まれたきっかけのアイデアを与えてくれたものとして紹介されている:「私たちはそこで考えた。こういうところで扱っているものとは別のもので、何かみんなが野に放ってから追跡して楽しめるものはないだろうか、と。そして、私たちは、本ならどうだろうか、と思いついた。これはうまくいくはずだ。だって、誰でも(まあ、たいていの人は)本が大好きだもの。というわけで、それから 28 日間ほとんど眠れない日々を過ごした後、2001 年 4 月 17 日のこと、BookCrossing.com が動き出したのだ。」

<http://www.bookcrossing.com/faqs>

IGOR の可能性は無限に拡がる。(例えば、サウンドやビデオのファイルを GPS 座標に結び付けてもいいのでは?)私の夢は、違ったタイプの IGOR 同士を結び付けてみたいということだ。例えば Where's George のドル札を BookCrossing の本の中に挟み込んでおき、それを geocache の中に入れたらどうだろうか。いくつかの種類の geocache は letterbox の変化型とも言えるので、美しいゴム印の愛好家が letterbox の箱を Geocaching.com で探すこともできるかも知れない。また、Photo Tag のカメラや、旅する日記帳などを、geocache の中に入れて運んでもらうのも良い考えだろう。このように違う種類の IGOR を結び付けることで、独創的かつ冒険好きな大勢の人々が、それまでは知らなかったタイプの活動にも参加できるよう、呼びかけることができるという効果があるのではないだろうか。

確かに、IGOR ファンたちがオンラインで楽しく集うことは簡単にできる。けれども、IGOR の本来の目的は、人々を外の世界に誘い出し、現実の世界の中で互いに交流を持とう、というものだったはずだ。だからこそ、ファンたちがオフラインで集まることができれば理想的だろう。Meetup.com サイトでは、同じ趣味を持った人たち、例えば同じ言語、趣味、職業、さらには BookCrossing の人たちも、それぞれが各地で集会を持てるように企画・運営をしている。集会の場所と日時をどうするかを参加者が民主的に投票で決められるようにするシステムもある。

<http://www.meetup.com/>
<http://bookcrossing.meetup.com/>

IGOR が魅力的だということには異論はないだろう。差し障りも少なく、費用もそれほどかからず、ファミリーで参加でき、互いに協力することで楽しめる。そして、現実世界の活動と、サイバー世界の情報管理パワーとを、適度に融合させている。参加者たちにとっては、IGOR が今日のハイ・テク Kula リングであろうと、はたまた優雅なる死体と呼ばれようと、そんなことはどうでもよいのだろう。みんな、ただ外に出て、何が見つかるかを楽しみにしているだけ、それでいいのだ。インターネットがある限り、(そして GPS の強制信号劣化が再実施されない限り)この楽しみは人気を保ち続けるだろう。

[Mariva H. Aviram は、何冊もの本や、数え切れないほどの記事の著者であり、アウトドア、アート、本や映画、カルチャー、それに風刺に情熱を燃やしている。詳しくは彼女のウェブサイトを参照されたい。]

<http://www.mariva.com/>

PayBITS: IGOR してみたい気になりましたか? Geocache や BookCrossing、 IGOR 集会などを教えてくれた Mariva に(PayPal経由で)お礼を送りましょう!https://www.paypal.com/xclick/business=paypal%40mariva.com>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


TidBITS Talk/16-Jun-03 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

プロジェクタを選ぶ -- 旅行に携帯できるポータブル・マルチメディア映写機の機種選定についての意見。スクリーンの解像度が表示にどのような影響を与えるか、という議論も。(メッセージ数 15)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1962>

Geocaching の起源と類似物 -- Mariva Aviram の記事“インターネットで体を動かそう: みんなで宝探しを!”に触発され、いろいろなタイプのオフライン物探しの冒険が紹介された。そのうちのいくつかは今週号の続編記事にも登場している。(メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1963>

Macs と GPS 機器 -- Mac と共に使える GPS 機器の探し方、使い方。(メッセージ数 3)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1964>

QuickTime 6.3 について -- どのバージョンの QuickTime なら Mac OS 9 でも動くか? ここで確認して欲しい。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1965>

強制信号劣化と国土安全保障法 -- GPS ネットワークの強制信号劣化により、政府関係機関以外には劣化された GPS 信号が送られるようになっていたが、クリントン政権はこの措置を解除した。さて、国土安全保障法 (Homeland Security) を掲げる現政権は、テロリストによる使用を防ぐという名目で再び強制信号劣化の措置を発動するのだろうか? (メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1970>

Apple と UNIX 商標 -- Apple は Mac OS X に関連して“Unix”という商標名を使ったことで Open Group から訴訟を起こされている。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1971>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA