古い Apple Watch からのアップグレードを考慮したことはありますか? Adam Engst は去年 Apple Watch Series 2 から Series 5 へ移行したが、普段使っていてどんな点が最も大きく変化したか、彼自身の感想を語る。Apple TV をお使いの方は、Apple TV アプリでひっきりなしに出る広告に困ってしまったことはないですか? Josh Centers は特に子供たちに不適切な広告が出る度にそう感じているが、少なくとも一部の広告を回避できる対策を見つけた。それからもう一つ、Jeff Porten はラスベガスの CES からイタリアのカンファレンスへ直行して「放浪の特派員」という言葉に新たな意味を与えたが、今回のショウで披露された機器やサービスを紹介する彼の記事をお読み頂きたい。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、ChronoSync 4.9.8 と ChronoAgent 1.9.6、Microsoft Office for Mac 16.33、BBEdit 13.0.4、TextExpander 6.5.3、Alfred 4.0.8、それに Quicken 2019 5.14 だ。
しかしながら、数週間して、私は自分の Series 2 の性能に一層幻滅していることに気づき、自分への褒美として新しい Series 5 を買うことにした。そうすれば、今使っている Series 2 は息子の Tristan に譲れるし、息子の使っている初代の Apple Watch は私の母親に気に入るかどうか試しに使って貰うことが出来る。(この時点では、Tonya が我が家族では最新モデルとなるセルラー対応の Series 3 を持っていた。)
今や Apple Watch Series 5 に換えてから数ヶ月になるので、違いをもたらすものとそうでないものについての私の印象を皆さんにお知らせしたいと思った。誰もが私の結論に同意する訳ではないのは十分承知しているが、もしまだ古いモデルを使い続けているのであれば、アップグレードすべきか否かを決めるのに私の考えも参考になるであろう。
常時表示ディスプレイ
まず、誰もが口にしたくない問題から片付けよう:派手に取り上げられた Always-On Retina ディスプレイのことである。画面は素晴らしいし、見た目も良いが、その常時表示の機能に関して言えば、役立たずと迄は言わなくとも、それ程有用でもない。要するに、Apple は多少の賢い工学とユーザーインターフェースの策略を使って、見ていない時でも何らかのものを表示させながら、電池寿命には余り影響を与えないことを可能にしたのである。(ついでに言うと、私の Series 2 はその年齢にも拘らず電池寿命が問題になることはなかった。)
この Always-On Retina ディスプレイは働くが - 画面上には常に何かが表示されている - Apple がほのめかした様には働かない。腕を上げると、画面は明るくなりそしてその前の冬眠状態から色々な情報がアップデートされる。これでこれ迄のモデルでは全て必要であった様に一瞬間をおいて画面が明るくなるよりもじれったさが減るかどうかは私には定かではない。
Apple Watch Series 2 の性能を、2016 年の発売当時と、2019 年の watchOS 5 及びそれ以降の watchOS 6 下での性能と比較するのは不可能である。それは単に watchOS の進化のためだけではなく、アプリも新しくなり電池は古くなるからでもある。私が使いたい主な non-Apple アプリは Strava であるが、それは Series 2 の上では犬の様にとても遅かった。(ここでの犬は年老いてそして足が不自由である;この古い言い回しで、なぜ犬が速さに関していわれのない非難を浴びるようになったのかは明らかではない。) それはあたかもインターフェース全部が糖蜜に没しているかの様に感じられた - ボタンをタップしてもそれが押される迄何秒も待たねばならず、実際にタップしたのかどうかすら判断出来ない状況であった。
これに比べて、Apple Watch Series 5 には使っていて楽しさがある。そのユーザーインターフェースはこれ迄で最も反応良いものとは言えないが、私の用途には十分である。一方で、Tristan が彼の初代の Apple Watch を Series 2 と取り替えた時、彼はその速さに感心していた。そして、この初代モデルを受け継いだ私の母はその性能について未だ何も言ってきていない。尤も、彼女はどんなアプリも使っていない。慣れ親しんだものが全ての基準なのだ。
私は、初代の Apple Watch に付いてきたシリコーン製の Sport Band は余り好きでなかったが、Tonya は彼女のものを好んでいた。また、Series 2 に付いてきたナイロン織のバックルバンドも好きでなかった。そこで、Tonya が彼女の Series 3 を買う時、我々は Seashell Sport Loop を選び、私もそれを踏襲した。Sport Band に関する私の問題は、穴が私にとってはぴったりに位置に来ることがなかったことで、時間と共にきつくなりすぎたり、時間と共に緩くなりすぎたりした。これに比べて、Sport Loop は良く出来ている。と言うのも、それを腕の状態に合わせて望みの (或いは、丁度良いと感じられる) 大きさに無段階に調節出来るからである。
Apple は毎年 Apple Watch バンドに新色を発表してきた。私はこれ迄その中に好きな色も見つけたことはあるが、$49 ではグレーがかった Sport Loop を取り替える気にはならなかった。この Sport Loop に新色が出るのを楽しみしていたこともあったが、Apple は新色を出す度に、古いものは全て店から外してしまっていることを知って失望した。ファッションに無知な私は、他の色も残るものだと思っていた。最終的には、Midnight Blue Sport Loop が良いと思ったが、過去にはもっと気に入っていた色があった。人生とはそんなものさ!
(もし手が出る様になったら、私は Amazon に出ている色々な中国製の安価な模造品の Sport Loop 代替品を試すであろう。例えば、この5本パックは $24 である。)
新しい文字盤
Apple は、新バージョンの watchOS と新しい Apple Watch リリースの度に、新しい文字盤を加えてきたが、全てのものがより古いモデルにも使える訳ではなさそうに見える。私は Series 2 にはなかった新しい watchOS 6 文字盤を探索するのを楽しみにしていた。例を挙げると、Gradient, Infograph, Infograph Modular, Meridian, 等々である。Apple は、全ての文字盤、そのカスタム化出来る機能、そしてそこに使えるコンプリケーションをリストにして用意している。
Apple TV 上で働く Apple TV アプリは、現時点で私にとって悩みの種だ。理論的に言えば、このアプリは Apple、Disney+、HBO、Hulu、およびその他のストリーミングサービス (ただしなぜかは分からないが Netflix は含まない)、加えてライブのニュースやスポーツさえもまとめて提供し、あなたが視聴するすべてのものを管理できる、なかなか良い方法となるはずだ。まあ、一応そういうことはしてくれるのだが、年月が経過するとともに、Apple はこのアプリを使って自社の有料コンテンツを、とりわけ Apple TV+ サービスを無理に勧める挙動をするようになってきた。Apple TV アプリを開けば、すぐさま画面に Apple TV+ とその番組の広告が押し寄せる。正直言って、私はこれでたちまち腰が引けてしまう。とりわけ、その広告の多くが子供たちの目に触れさせたくないような類いのものだからだ。大声で不平をぶちまけたい気持ちに屈するその前に、まずは Apple TV アプリを少しだけ耐えられるものに変える方法を紹介しておこう。
"What to Watch" の広告を Top Shelf の "Up Next" で置き換える
第4世代 Apple TV HD または Apple TV 4K を使っている人ならば、きっと Top Shelf 機能のことを (そういう名前だとは知らなくても) 知っておられるだろう。Top Shelf は、tvOS の Home 画面で一番上に並ぶアイコンのどれかを選択するとスクリーンの一番上に現われる。通常、これは選択されたアプリが提供する何かの宣伝だ。
Apple は Apple TV の Top Shelf プレビュー領域で自社のサービスや番組を宣伝しようとしているかもしれないが、少なくとも Apple は私たちにそこから脱する道を与えてくれた。ただ Settings > Apps > TV へ行って Top Shelf を選び、その設定を What to Watch から Up Next へ切り替えればよい。こうしてあなたの Up Next キューを Top Shelf 領域に表示するようにしておけば、途中まで観てあったものの続きを素早く開くこともできて便利だ。
Apple TV では、映画、テレビ番組、音楽それぞれのアイコンが固定されていて無視することはできないが、Amazon は Fire TV のインターフェイスを全く新たなレベルの「ここから購入して下さい!」と訴えかけるものにした。つまり、あなたはあらかじめ Amazon コンテンツの川の流れを横切った後でなければ Netflix にも、Hulu にも、あるいはどんなゲームにも、文字通り辿り着くことすらできない。ただし、Home の下に Recent というセクションがあって、ここには最近開いたアプリやビデオが表示される。結局、Fire TV は Amazon のデジタルコンテンツを勧めるための手段であることを隠そうともしない。
Apple TV アプリにおいて、Apple は Amazon のやり方をほぼ文字通りコピーしている。少しは役に立つ Up Next 機能を除いて、Apple TV アプリのホーム画面にあるほとんどあらゆるものが、あなたを誘導して Apple にもっと多くのお金を払わせることに向けるように作られている。Take Control of Apple TV の改訂版を書くために Apple TV で長い時間を過ごさざるを得ない私は、この状況すべてについて大いに考えさせられた。
Up Next (ここには私が実際に観たもの、あるいは観たいと思ったものがリストされる) のすぐ下に、What to Watch というセクションがある。そこにリストされているのは、(少なくとも今の私の目の前では) The Bachelor (観たこともないし、観たいとも思わない)、The Mandalorian (もう全部観た)、Ellen's Game of Games (観たいとも思わない) といったものばかりだ。どの項目も、私が全く興味を持てないコンテンツを私に観させようとするか、私が既に観終わったものをもう一度観させようとするかのどちらかだ。私の役に立つようにこのリストをカスタマイズする方法など、どこにもない。いったいなぜ Apple TV アプリは、Apple のためにでなく、私のために働いてくれないのだろうか?
さらにもっと苛立たしいのは、Apple TV アプリが私の子供には極めて不適切なコンテンツを頻繁に広告することだ。このようなことを言えば潔癖主義者か何かのように思われることを覚悟で言わせてもらうが、何と言ってもこのアプリは Apple TV 上でコンテンツへと繋ぐ主たるインターフェイスなのだから、すべての年齢層に適したものであるべきだ。
例えば、What to Watch のすぐ下に Apple TV+ のバナーがあって、ここで広告されている子供向け番組 Helpsters and Snoopy in Space と並んで Jason Mamoa 主演の See の広告があるが、この番組はあまりにも成人向けで、普段は強気の批評家たちさえも困惑したほどだった。(ここのリンクを仕事場でクリックするのは避けた方が良いかもしれない。)
いや、私は決して Church Lady を演じようとしている訳ではない。ただ私が言いたいのは、Apple TV アプリが表示するものについて、少しは自分の手でコントロールができるようになって欲しいということだけだ。例えば、今私が Apple TV の中でニュースのセクションにたどり付こうと思ってやってみると、以下のような広告に次ぐ広告をスクロールして行かなければならなかった:
The Morning Show、これは Apple TV+ オリジナルの番組で、Quentin Tarantino の映画に比べてもずっと過激な言葉が数多く交わされる
ここでもやはり、私は決して Joker という映画を非難しようとしている訳ではない (妻と私はこの映画を大いに楽しんで観た) し、他の人の趣味を非難したい訳でもない。私としては、Apple TV アプリの中でどぎついコンテンツを隠せるようになるか、あるいは少なくとも News のようなものを広告より先に見られるようなオプションを設けるかして欲しいだけだ。子供のいない家庭に住んでいる人ならば、HBO に到達する前に Little Baby Bum の広告を延々とスクロールしなければならないことにうんざりするだろう。
たとえあなたに子供がいなくても、たとえあなたがアダルト向けコンテンツに抵抗を感じなくても、もしも Apple TV アプリの中でいろいろなものを配置換えできたならばナビゲートの手間が大幅に減ることだろう。例えば、Watch Now 画面をずっと下へスクロールしてみると、3 つの行の中に 5 つのサービスがどう見てもランダムな順序に並んでいることに私は気付いた。Apple TV+、Disney+、HBO GO、STARZ、PBS Video の 5 つだ。それらはいずれも私が過去に一度は購読したことのあるものばかりだが、現在の私は Disney+ にしか興味がない。いったいどうして欲しいサービスを一番上に持ってきて他のサービスを隠すことができないのだろうか?
Apple は、Apple TV アプリ全体の中でたった一か所だけ、ささやかながらコントロールの手段を提供している。それは、Up Next 画面だ。ここには、途中までしか観ていないテレビ番組や映画と、最近購入した項目とが記録されている。Up Next 画面の中でタイトルの一つを押して押さえ続けると、それをキューから削除するオプションが見えるようになる。
それから、Settings > General > Restrictions の中で映画やテレビ番組に制限を設定すれば、Up Next 画面は私が制限したコンテンツを呈示しなくなる。例えば、レーティングを PG-13 に設定しておけば、R 指定の映画は Up Next キューに登場しなくなる。ただ、Apple TV アプリの中であなたの要求に応じてくれるのはこの Up Next 画面のみだ。けれども、tvOS 13 になってデフォルトでは Up Next が Top Shelf から削除されたのを見れば、どうやら Apple はそのレベルのコントロールさえも私たちの手から取り上げようとしているらしい。
ありがたいことに、AppleTV+ のオリジナル番組を観たいのでない限り、必ずしも Apple TV で Apple TV アプリを使う必要はない。いつでも、Home 画面に戻りたければ、単純に Menu ボタンを押して押さえ続ければよい。また、リモコンの Home ボタンを Apple TV アプリでなく Home 画面へ行くように設定し直すこともできる。(2019 年 6 月 14 日の記事“TipBITS: Apple TV の Home ボタンを元に戻す”参照。)
しかしながら、Apple がもっと積極的にユーザーの役に立つことを目指して Apple TV アプリを設計しなかったのは、とても残念なことだ。そうする代わりに、Apple はあなたに観させたいと思うコンテンツを無理矢理あなたに飲み込ませようとするための宣伝の道具として設計する道を選んだ。サードパーティの代替手段もある (2019 年 8 月 9 日の記事“Apple TV 上の Netflix 自動再生プレビューを Reelgood や WatchAid で避ける”参照) けれども、私たちのために働いてくれるアプリが欲しければ他所を探さなければならないというのは悲しい。
何と言っても、Apple TV は $149 から $199 もする。競合製品よりもずっと高い価格を払っているのだから、広告浸しにならないようにして欲しいと願うのは高望みなのだろうか? それだけの出費をしてまで Apple TV を買おうという人ならば、おそらく高圧的な宣伝などなくても初めから Apple TV+ に興味があると考えてもよいだろうし、それほど高価な機器が広告表示板と化していると気付けば途端に Fire TV のような安っぽさを感じてしまうかもしれない。Apple は、昔から自らの良識に誇りを持ってきたではないか。Apple TV のフロントエンドを広告のプラットフォームと化してしまうなどとは、その考え方に程遠い。
皆さんはどうお考えだろうか? もしもあなたが Apple TV をお使いなら、あなたは Apple TV アプリを使っていますか? それとも、何か他の方法で視聴を開始していますか? 1問だけの簡単なアンケートを実施中なので、ぜひ投票して頂き、その理由をコメントに書き込んで頂きたい。
例年私が CES をお伝えする記事を読んで下さっている方は、きっとそこに一つの傾向を見出しておられることだろう。最初の記事はある意味「毎年恒例のコンシューマ向けエレクトロニクスのトレードショウへようこそ」という意味合いの内容で、それに続くいくつかの記事が展示されていたものの中でその大きさや奇妙さが特に目立ったものを逸話の形で述べるという展開だ。
Microsoft が月例アップデートで Office for Mac のバージョン 16.33 を出して、macOS 10.13 High Sierra で走らせた場合の Word のアクセシビリティ機能への対応を追加した。Excel は今回から Mac 上の VBA で Power Query のクエリを作成および管理したり、また複数の値を返すアレイ式を作成してそれが隣接するセルに自動的に入力されるようにしたりできるようになった。PowerPoint はスライドショーからアニメーション化されたループ GIF を作成できるようになった。(一回限りの購入ならば $149.99、年払い講読オプションは $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.10+)