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#1497: Apple Watch Series 5 の感想、なぜ Apple TV は広告を出すのか、CES 2020 の機器とサービス

古い Apple Watch からのアップグレードを考慮したことはありますか? Adam Engst は去年 Apple Watch Series 2 から Series 5 へ移行したが、普段使っていてどんな点が最も大きく変化したか、彼自身の感想を語る。Apple TV をお使いの方は、Apple TV アプリでひっきりなしに出る広告に困ってしまったことはないですか? Josh Centers は特に子供たちに不適切な広告が出る度にそう感じているが、少なくとも一部の広告を回避できる対策を見つけた。それからもう一つ、Jeff Porten はラスベガスの CES からイタリアのカンファレンスへ直行して「放浪の特派員」という言葉に新たな意味を与えたが、今回のショウで披露された機器やサービスを紹介する彼の記事をお読み頂きたい。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、ChronoSync 4.9.8 と ChronoAgent 1.9.6、Microsoft Office for Mac 16.33、BBEdit 13.0.4、TextExpander 6.5.3、Alfred 4.0.8、それに Quicken 2019 5.14 だ。

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple Watch Series 2 から Series 5 へのアップグレード

Apple が9月に Apple Watch Series 5 を発表した時 ("Apple Watch Series 5、常時表示のディスプレイを採用" 10 September 2019 参照)、私はそれを自分は以前の幾つかのリリースの Apple Watch を持っていると分類した:疑いなく私の Apple Watch Series 2 よりは良いが、自分用に買うまでもないと。

しかしながら、数週間して、私は自分の Series 2 の性能に一層幻滅していることに気づき、自分への褒美として新しい Series 5 を買うことにした。そうすれば、今使っている Series 2 は息子の Tristan に譲れるし、息子の使っている初代の Apple Watch は私の母親に気に入るかどうか試しに使って貰うことが出来る。(この時点では、Tonya が我が家族では最新モデルとなるセルラー対応の Series 3 を持っていた。)

今や Apple Watch Series 5 に換えてから数ヶ月になるので、違いをもたらすものとそうでないものについての私の印象を皆さんにお知らせしたいと思った。誰もが私の結論に同意する訳ではないのは十分承知しているが、もしまだ古いモデルを使い続けているのであれば、アップグレードすべきか否かを決めるのに私の考えも参考になるであろう。

常時表示ディスプレイ

まず、誰もが口にしたくない問題から片付けよう:派手に取り上げられた Always-On Retina ディスプレイのことである。画面は素晴らしいし、見た目も良いが、その常時表示の機能に関して言えば、役立たずと迄は言わなくとも、それ程有用でもない。要するに、Apple は多少の賢い工学とユーザーインターフェースの策略を使って、見ていない時でも何らかのものを表示させながら、電池寿命には余り影響を与えないことを可能にしたのである。(ついでに言うと、私の Series 2 はその年齢にも拘らず電池寿命が問題になることはなかった。)

この Always-On Retina ディスプレイは働くが - 画面上には常に何かが表示されている - Apple がほのめかした様には働かない。腕を上げると、画面は明るくなりそしてその前の冬眠状態から色々な情報がアップデートされる。これでこれ迄のモデルでは全て必要であった様に一瞬間をおいて画面が明るくなるよりもじれったさが減るかどうかは私には定かではない。

もっと悪いことに、もしアプリを使っていると - 私はワークアウトを記録するためによく Strava アプリを使う - 画面はそのアプリを表示せず、単に時間だけで、アプリは腕を上げて見るまでは表示されない。何もないよりましということなのかもしれないが、私はアプリを使っている時はそのアプリを見たい。画面が明るくなるのを待ちそして時間画面が Strava 画面に置き換わるのを待つのが、見ていない時には画面が真っ暗であるのよりとりわけ良いとはとても言えない。

Always-On Retina ディスプレイ故に Apple Watch Series 5 を買うべきではない。

同様に、Series 5 に新しく内蔵されたコンパスや国際緊急通話にも私は恩恵を感じない。でも、それは私の場合であって - もし皆さんがどの方向を向いているのか常に気になるとか、海外に出た時に緊急サービスに連絡することが心配だというのであれば、これらの機能は大事になってくるであろう。

より大型の画面

違いがあるものを挙げてみよう。私が Apple Watch Series 5 を手にして一番最初に気づいたのは、その画面がより大きいことであった:小型モデルの 40mm (324-by-394 ピクセル) が私の腕にはぴったりの大きさであった。前の Series 2 は 38mm (272-by-340 ピクセル) であった。皆さんは対角線で 2mm の画面サイズの違いはそれ程大したことではないのではとお思いかもしれないが、これらの余分に加わったピクセルは真の違いをもたらした。

先月まで、私は少々古くなってしまったコンタクトレンズの処方箋で、腕の距離ではよく見えないことに苦闘していた。つまり、老眼鏡無しでかろうじて時計が読める程度であった。このより大型の画面は明らかに読みやすかった。もし Apple Watch 画面上の文字の大きさに不満を持っているのであれば、Series 5 (Series 4 はもう販売されておらず、Series 3 の画面はより小さい) へのアップグレードは選択肢かもしれない。

より高速の性能

Apple Watch Series 2 の性能を、2016 年の発売当時と、2019 年の watchOS 5 及びそれ以降の watchOS 6 下での性能と比較するのは不可能である。それは単に watchOS の進化のためだけではなく、アプリも新しくなり電池は古くなるからでもある。私が使いたい主な non-Apple アプリは Strava であるが、それは Series 2 の上では犬の様にとても遅かった。(ここでの犬は年老いてそして足が不自由である;この古い言い回しで、なぜ犬が速さに関していわれのない非難を浴びるようになったのかは明らかではない。) それはあたかもインターフェース全部が糖蜜に没しているかの様に感じられた - ボタンをタップしてもそれが押される迄何秒も待たねばならず、実際にタップしたのかどうかすら判断出来ない状況であった。

これに比べて、Apple Watch Series 5 には使っていて楽しさがある。そのユーザーインターフェースはこれ迄で最も反応良いものとは言えないが、私の用途には十分である。一方で、Tristan が彼の初代の Apple Watch を Series 2 と取り替えた時、彼はその速さに感心していた。そして、この初代モデルを受け継いだ私の母はその性能について未だ何も言ってきていない。尤も、彼女はどんなアプリも使っていない。慣れ親しんだものが全ての基準なのだ。

私は Series 5 の性能が改善されたことで、もっと多くのアプリを使う様になるであろうか考えたことがある - 性能がどうしようもなく悪いであろうと思うことで、遠ざけてきたアプリはあるであろうか? その答えはノーである - Strava が私が今でも使う唯一の non-Apple アプリであり、内蔵のアプリの中では、コンプリケーション、Siri、そして Timer アプリだけである。

バンドと色

私は、初代の Apple Watch に付いてきたシリコーン製の Sport Band は余り好きでなかったが、Tonya は彼女のものを好んでいた。また、Series 2 に付いてきたナイロン織のバックルバンドも好きでなかった。そこで、Tonya が彼女の Series 3 を買う時、我々は Seashell Sport Loop を選び、私もそれを踏襲した。Sport Band に関する私の問題は、穴が私にとってはぴったりに位置に来ることがなかったことで、時間と共にきつくなりすぎたり、時間と共に緩くなりすぎたりした。これに比べて、Sport Loop は良く出来ている。と言うのも、それを腕の状態に合わせて望みの (或いは、丁度良いと感じられる) 大きさに無段階に調節出来るからである。

Apple Watch Series 5 with Midnight Blue Sport Loop band

Apple は毎年 Apple Watch バンドに新色を発表してきた。私はこれ迄その中に好きな色も見つけたことはあるが、$49 ではグレーがかった Sport Loop を取り替える気にはならなかった。この Sport Loop に新色が出るのを楽しみしていたこともあったが、Apple は新色を出す度に、古いものは全て店から外してしまっていることを知って失望した。ファッションに無知な私は、他の色も残るものだと思っていた。最終的には、Midnight Blue Sport Loop が良いと思ったが、過去にはもっと気に入っていた色があった。人生とはそんなものさ!

(もし手が出る様になったら、私は Amazon に出ている色々な中国製の安価な模造品の Sport Loop 代替品を試すであろう。例えば、この5本パックは $24 である。)

Five-pack of knock-off Sport Loop Apple Watch bands

新しい文字盤

Infograph Modular watchOS 6 face

Apple は、新バージョンの watchOS と新しい Apple Watch リリースの度に、新しい文字盤を加えてきたが、全てのものがより古いモデルにも使える訳ではなさそうに見える。私は Series 2 にはなかった新しい watchOS 6 文字盤を探索するのを楽しみにしていた。例を挙げると、Gradient, Infograph, Infograph Modular, Meridian, 等々である。Apple は、全ての文字盤、そのカスタム化出来る機能、そしてそこに使えるコンプリケーションをリストにして用意している。

これらの文字盤の殆どは単なる目の保養にしか見えないが - 私はアナログ針はどんな形のものでも興味はない - Infograph Modular 文字盤は、私が過去に使っていた Modular 文字盤に対して機能を一切失わない代替策となり得る。

皆さんの利用価値はそれぞれであろう。と言うのも、文字盤の選択は個人嗜好の真の定義の様に見えるからである。

それだけの価値はあるか?

$499 払って Series 2 から Series 5 へアップグレードしたのは私にとっては正解であった、とりわけ Apple の最新事情に通じている必要のある職業に就いている者としては。私は GPS+Cellular モデルを選択したが、その理由は自分で使うためではなく、そのうち Tonya の手に渡る日が来るであろうからである。彼女がセルラー接続性を必要とする理由は、彼女の iPhone 7 は心地よく身につけて歩くには大きすぎるため、持って歩かないことが屡々あるからである。それに、将来のバージョンの watchOS で何かが変わったり、或いはセルラー接続を魅力的にするアプリが出現したら、新しいハードウェアを買うことなしにセルラー契約をすることが出来る。

結論として、私は Series 5 へのアップグレードは初代の Apple Watch から、とりわけ年老いてへたったその電池寿命を考えれば、価値があるであろうと思うし、恐らく Series 1 にも当て嵌まるであろう。その改善された性能とより長く持つ電池寿命は歓迎されるであろう。だが、GPS だけのバージョンの Series 5 へのアップグレードが $399 もする Series 2 からのアップグレードはそれだけの価値があるかどうかは、私にも簡単には言えない。同様に、Series 3 から移行すればより大きな画面や改善された性能は目に見えるであろうが、Series 2 からのアップグレードと同様、それには $400 から $500 の価値があるであろうか? 最後に、お金が有り余ってポケットに穴があく程でなければ、Series 4 から Series 5 へのアップグレードの理由は私には殆ど見当たらない。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

なぜ Apple TV は絶えず広告を出し続けるのか?

Apple TV 上で働く Apple TV アプリは、現時点で私にとって悩みの種だ。理論的に言えば、このアプリは Apple、Disney+、HBO、Hulu、およびその他のストリーミングサービス (ただしなぜかは分からないが Netflix は含まない)、加えてライブのニュースやスポーツさえもまとめて提供し、あなたが視聴するすべてのものを管理できる、なかなか良い方法となるはずだ。まあ、一応そういうことはしてくれるのだが、年月が経過するとともに、Apple はこのアプリを使って自社の有料コンテンツを、とりわけ Apple TV+ サービスを無理に勧める挙動をするようになってきた。Apple TV アプリを開けば、すぐさま画面に Apple TV+ とその番組の広告が押し寄せる。正直言って、私はこれでたちまち腰が引けてしまう。とりわけ、その広告の多くが子供たちの目に触れさせたくないような類いのものだからだ。大声で不平をぶちまけたい気持ちに屈するその前に、まずは Apple TV アプリを少しだけ耐えられるものに変える方法を紹介しておこう。

"What to Watch" の広告を Top Shelf の "Up Next" で置き換える

第4世代 Apple TV HD または Apple TV 4K を使っている人ならば、きっと Top Shelf 機能のことを (そういう名前だとは知らなくても) 知っておられるだろう。Top Shelf は、tvOS の Home 画面で一番上に並ぶアイコンのどれかを選択するとスクリーンの一番上に現われる。通常、これは選択されたアプリが提供する何かの宣伝だ。

tvOS 13 になるより以前には、Apple TV アプリを一番上の行に置いてそれを選択すれば、Up Next (次に観る) キューの項目が表示され、上にスワイプしてから左右にスワイプすることでどれかを選択すれば、Home 画面から直接それを再生できた。とても便利だった! ところが tvOS 13 になって、Apple が宣伝したいと思うビデオを勝手に自動再生することがデフォルトの挙動になってしまった。全然便利じゃない! (2019 年 2 月 6 日の記事“#DeathToAutoPlay - 自動再生するオーディオとビデオを廃絶しよう!”参照。)

An Apple TV ad showing needle pricking a finger
素晴らしいじゃないか、まさにうちの子供にうってつけだ。この Maleficent の宣伝で、子供に指でこの針に触ってもらおうというアイデアだ。ありがとう、Apple。

Apple は Apple TV の Top Shelf プレビュー領域で自社のサービスや番組を宣伝しようとしているかもしれないが、少なくとも Apple は私たちにそこから脱する道を与えてくれた。ただ Settings > Apps > TV へ行って Top Shelf を選び、その設定を What to Watch から Up Next へ切り替えればよい。こうしてあなたの Up Next キューを Top Shelf 領域に表示するようにしておけば、途中まで観てあったものの続きを素早く開くこともできて便利だ。

Up Next in the Apple TV Top Shelf
私たちはもう "The Phantom Menace" の続きを観ない。なぜなら、あの Jar Jar Binks が登場する度に、息子が耳を覆って「消して! 消して!」と叫び始めるからだ。

ここで Apple TV の広告について不平をぶちまけよう

初代の Fire TV をレビューした際に、私はこの種の押し付けがましい広告の挙動に関して Amazon を酷評した (2014 年 5 月 13 日の記事“Fire を一緒に観よう: Amazon Fire TV 対 Apple TV”参照):

Apple TV では、映画、テレビ番組、音楽それぞれのアイコンが固定されていて無視することはできないが、Amazon は Fire TV のインターフェイスを全く新たなレベルの「ここから購入して下さい!」と訴えかけるものにした。つまり、あなたはあらかじめ Amazon コンテンツの川の流れを横切った後でなければ Netflix にも、Hulu にも、あるいはどんなゲームにも、文字通り辿り着くことすらできない。ただし、Home の下に Recent というセクションがあって、ここには最近開いたアプリやビデオが表示される。結局、Fire TV は Amazon のデジタルコンテンツを勧めるための手段であることを隠そうともしない。

Apple TV アプリにおいて、Apple は Amazon のやり方をほぼ文字通りコピーしている。少しは役に立つ Up Next 機能を除いて、Apple TV アプリのホーム画面にあるほとんどあらゆるものが、あなたを誘導して Apple にもっと多くのお金を払わせることに向けるように作られている。Take Control of Apple TV の改訂版を書くために Apple TV で長い時間を過ごさざるを得ない私は、この状況すべてについて大いに考えさせられた。

Up Next (ここには私が実際に観たもの、あるいは観たいと思ったものがリストされる) のすぐ下に、What to Watch というセクションがある。そこにリストされているのは、(少なくとも今の私の目の前では) The Bachelor (観たこともないし、観たいとも思わない)、The Mandalorian (もう全部観た)、Ellen's Game of Games (観たいとも思わない) といったものばかりだ。どの項目も、私が全く興味を持てないコンテンツを私に観させようとするか、私が既に観終わったものをもう一度観させようとするかのどちらかだ。私の役に立つようにこのリストをカスタマイズする方法など、どこにもない。いったいなぜ Apple TV アプリは、Apple のためにでなく、私のために働いてくれないのだろうか?

さらにもっと苛立たしいのは、Apple TV アプリが私の子供には極めて不適切なコンテンツを頻繁に広告することだ。このようなことを言えば潔癖主義者か何かのように思われることを覚悟で言わせてもらうが、何と言ってもこのアプリは Apple TV 上でコンテンツへと繋ぐ主たるインターフェイスなのだから、すべての年齢層に適したものであるべきだ。

例えば、What to Watch のすぐ下に Apple TV+ のバナーがあって、ここで広告されている子供向け番組 Helpsters and Snoopy in Space と並んで Jason Mamoa 主演の See の広告があるが、この番組はあまりにも成人向けで、普段は強気の批評家たちさえも困惑したほどだった。(ここのリンクを仕事場でクリックするのは避けた方が良いかもしれない。)

いや、私は決して Church Lady を演じようとしている訳ではない。ただ私が言いたいのは、Apple TV アプリが表示するものについて、少しは自分の手でコントロールができるようになって欲しいということだけだ。例えば、今私が Apple TV の中でニュースのセクションにたどり付こうと思ってやってみると、以下のような広告に次ぐ広告をスクロールして行かなければならなかった:

Joker はこの中で最も酷いものかもしれない。Joaquin Phoenix が Joker に変身するところを示した少々気味の悪い静止画像をいくつも見せられることになるからだ。私のように親らしく上品ぶったタイプのユーザーを奇妙な具合に考慮したのだろうか、Apple は写真に手を加えて彼の手からタバコを消し去ったが、そのこと自体が私をなおさら苛立たせる。いったいなぜ他のシーンを選ぶとか映画のスチール写真とは別のものを表示するとかしなかったのだろうか。Joker は 5 千万ドルの予算で 10 億ドル以上を稼ぎ出し、2019 年に最も話題になった映画の一つだったのだから、そんなに手荒な宣伝など必要としていないように思えてならない。

An Apple TV promotion for Joker
そうだよね、Apple、うちの子供は怖い道化師の悪夢を見るようになってしまったけど、少なくともタバコを習い覚えることはないだろうね。

ここでもやはり、私は決して Joker という映画を非難しようとしている訳ではない (妻と私はこの映画を大いに楽しんで観た) し、他の人の趣味を非難したい訳でもない。私としては、Apple TV アプリの中でどぎついコンテンツを隠せるようになるか、あるいは少なくとも News のようなものを広告より先に見られるようなオプションを設けるかして欲しいだけだ。子供のいない家庭に住んでいる人ならば、HBO に到達する前に Little Baby Bum の広告を延々とスクロールしなければならないことにうんざりするだろう。

The News section in the Apple TV app
Apple TV アプリでニュースにたどり着くにはたくさんスクロールする必要がある。

たとえあなたに子供がいなくても、たとえあなたがアダルト向けコンテンツに抵抗を感じなくても、もしも Apple TV アプリの中でいろいろなものを配置換えできたならばナビゲートの手間が大幅に減ることだろう。例えば、Watch Now 画面をずっと下へスクロールしてみると、3 つの行の中に 5 つのサービスがどう見てもランダムな順序に並んでいることに私は気付いた。Apple TV+、Disney+、HBO GO、STARZ、PBS Video の 5 つだ。それらはいずれも私が過去に一度は購読したことのあるものばかりだが、現在の私は Disney+ にしか興味がない。いったいどうして欲しいサービスを一番上に持ってきて他のサービスを隠すことができないのだろうか?

Streaming services in the Apple TV app
自分のお気に入りのサービスをスクリーンの一番上にピン留めできたらどんなに便利だろうか?

Apple は、Apple TV アプリ全体の中でたった一か所だけ、ささやかながらコントロールの手段を提供している。それは、Up Next 画面だ。ここには、途中までしか観ていないテレビ番組や映画と、最近購入した項目とが記録されている。Up Next 画面の中でタイトルの一つを押して押さえ続けると、それをキューから削除するオプションが見えるようになる。

Managing a movie in Up Next

それから、Settings > General > Restrictions の中で映画やテレビ番組に制限を設定すれば、Up Next 画面は私が制限したコンテンツを呈示しなくなる。例えば、レーティングを PG-13 に設定しておけば、R 指定の映画は Up Next キューに登場しなくなる。ただ、Apple TV アプリの中であなたの要求に応じてくれるのはこの Up Next 画面のみだ。けれども、tvOS 13 になってデフォルトでは Up Next が Top Shelf から削除されたのを見れば、どうやら Apple はそのレベルのコントロールさえも私たちの手から取り上げようとしているらしい。

ありがたいことに、AppleTV+ のオリジナル番組を観たいのでない限り、必ずしも Apple TV で Apple TV アプリを使う必要はない。いつでも、Home 画面に戻りたければ、単純に Menu ボタンを押して押さえ続ければよい。また、リモコンの Home ボタンを Apple TV アプリでなく Home 画面へ行くように設定し直すこともできる。(2019 年 6 月 14 日の記事“TipBITS: Apple TV の Home ボタンを元に戻す”参照。)

しかしながら、Apple がもっと積極的にユーザーの役に立つことを目指して Apple TV アプリを設計しなかったのは、とても残念なことだ。そうする代わりに、Apple はあなたに観させたいと思うコンテンツを無理矢理あなたに飲み込ませようとするための宣伝の道具として設計する道を選んだ。サードパーティの代替手段もある (2019 年 8 月 9 日の記事“Apple TV 上の Netflix 自動再生プレビューを Reelgood や WatchAid で避ける”参照) けれども、私たちのために働いてくれるアプリが欲しければ他所を探さなければならないというのは悲しい。

何と言っても、Apple TV は $149 から $199 もする。競合製品よりもずっと高い価格を払っているのだから、広告浸しにならないようにして欲しいと願うのは高望みなのだろうか? それだけの出費をしてまで Apple TV を買おうという人ならば、おそらく高圧的な宣伝などなくても初めから Apple TV+ に興味があると考えてもよいだろうし、それほど高価な機器が広告表示板と化していると気付けば途端に Fire TV のような安っぽさを感じてしまうかもしれない。Apple は、昔から自らの良識に誇りを持ってきたではないか。Apple TV のフロントエンドを広告のプラットフォームと化してしまうなどとは、その考え方に程遠い。

皆さんはどうお考えだろうか? もしもあなたが Apple TV をお使いなら、あなたは Apple TV アプリを使っていますか? それとも、何か他の方法で視聴を開始していますか? 1問だけの簡単なアンケートを実施中なので、ぜひ投票して頂き、その理由をコメントに書き込んで頂きたい。

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Jeff Porten  訳: Mark Nagata   

CES 2020: 空飛ぶ車、スマート枕、仮想の犬囲い

例年私が CES をお伝えする記事を読んで下さっている方は、きっとそこに一つの傾向を見出しておられることだろう。最初の記事はある意味「毎年恒例のコンシューマ向けエレクトロニクスのトレードショウへようこそ」という意味合いの内容で、それに続くいくつかの記事が展示されていたものの中でその大きさや奇妙さが特に目立ったものを逸話の形で述べるという展開だ。

でも、今年はちょっと違っている。なぜなら、私は今この記事を、ミラノからヴェローナへ向かう途中で書いているからだ。両方とも、イタリア北部の都市であって、ラスベガスに新しく建ったホテルの名前ではない。(ラスベガス・ストリップに建つ世界最大級のホテルの中にはベネチアン、パリ、ニューヨークといった名前が居並ぶので、混同しても不思議ではない。) 今年は私のカンファレンスの予定がかち合ってしまったので、CES での滞在が短くなった。多くのものを見るだけの時間は十分にあったのだが、すべてを見るには到底時間が足りなかった。その後ですぐにイタリアへ飛ぶことになったので、記事の出版も残念ながら少し遅れてしまった。

解決法は単純だ。ある機器やら装置やら発表やらがショウのフロアのみであったのならば、それは私の目に触れていない。今年の記事で私がお伝えするのは、3 つの分科会のショウ (CES Unveiled、PEPCOM Digital Experience、それに ShowStoppers) でのイベントと、Venetian ホテルのブースつまり Sands Expo と Eureka Park のものについてだけだ。例年の経験から、これらの会場には最も費用に見合う価値があり、記事にする価値があるものを見つけるために歩く歩数も少なくて済むからだ。でも、私のような CES 完璧主義者にとっては、歩き回っているうちに偶然に素晴らしい幸運に出会うかもしれない機会をみすみす失うのは、とても残念に思えた。はっきり言ってしまえば、あなたが他の媒体で読んだものが私の記事に登場していなくても、そのことをマイナスの評価だと受け取らないで頂きたい。すべてを見ることはできないというのはいつものことだが、今年は上記の事情からなおさらそのことが言える。私の記事が何かを扱っていなかったとすれば、それはたぶん地理的事情のせいだ。

Aeronext 空飛ぶゴンドラ

空飛ぶ自動車は、たぶん私たちの気持ちが整うよりも早く現実となるだろうと思われる (2020 年 1 月 7 日の記事“CES 2020: 注目すべきテクノロジーの動向”参照) が、Aeronext がそこに含まれるのかどうか私には分からないけれども、そのデザインが素敵だということだけは認めなければならない。提示されていた Flying Gondola (空飛ぶゴンドラ) は 4 連ローターで垂直離着陸 (VTOL) する乗り物で、中央の部分に人が乗り込む。(最初の年に乗り込むのは、そう、よほど勇敢な人たちだろう。) 現時点で Aeronext は3分の1サイズの試作製品を作っており、その Gondola (むしろ潜水球と言うべきか) は一人乗りだ。私の予想するところ、この分野で最初に成功する製品は Uber か Lyft と提携して、ライドシェア (相乗り) の形で空を飛ぶようになるのではないか。Aeronext は日本の会社なので、米国よりもおそらく日本で先にそういうことが実現する可能性が高いだろう。私が Aeronext を取り上げた動機はそのデザインもあるが、ブランディングが今年のイタリアのテーマに合っているし、リンク先にある試作製品が飛んでいるビデオがとても素敵だし、その上何よりこのイラストが常軌を逸したほど素晴らしかったからだ。

Aeronext Flying Gondola

AirSelfie Air Pix+ コンパクトなドローン

以前初めて AirSelfie のドローンを見た時、私はファンになった。(2018 年 6 月 29 日の記事“CE Week 2018: "CES East" での新技術”参照。) これは、ドローンにカメラを搭載したもので、大きさは1組のトランプ程度、スボンのポケットに突っ込んでおいて、いつでも気が向いたら空中写真が撮れる。 この会社は 2 通りのアップグレードを発表して、いずれも今年中に製品化を予定していると述べた。Air Pix+ は 12 メガピクセルの写真または 1080p ビデオを撮影できるが、短時間のものに限られる。搭載しているメモリが 8 GB に過ぎず、飛行時間も 6 分間だけだ。一方、Air Duo は (硬質プラスチックでなくて) アルミニウム製で、前面カメラと底面カメラを搭載し、飛行時間が 1 分間長くなり、16 GB のメモリを持つ。価格は発表されていないが、初代の Air Pix はデビュー時の価格が $199 で現在の価格は $99.95 だ。オプションの Powerbank キャリングケースは 3500 mA のバッテリーを内蔵していて次の飛行のための再充電ができ、価格は $39 だ。

AirSelfie Air Pix+ Compact Drone

CarePredict Tempo Series 高齢者モニタ

高齢者が転倒して起き上がれないのを探知するために作られたベルトや靴、腕輪などはたくさん見掛けたが、CarePredict @Home Tempo Series 3 はさらにその先を行く。これは手首に取り付けられるサイズのデバイスで、付属のバンドで手首に付けたり、あるいはポケットに入れたりして使う。高齢者の自宅の周辺に設置するビーコン (発信機) 4 基も付属する。転倒探知のような非常用の機能もあるが、この Tempo はそれ以外にそれを着けている人の習慣を追跡して、何か問題を示唆するような変化を探知すれば家族または介護人に警告を送る。例えばトイレへ行く回数が少なかったり多かったり、台所へ行かなかったので食事を抜いたと思われたり、ベッドに長い時間居続けたりといったことだ。CarePredict の説明によれば、この種の変化を早期に追跡して反応することで、落下、栄養不良、抑鬱、尿路感染などを予防できるという。この会社は他にも病気に結び付く行動の変化について研究中で、有効性が検証できればそれに対応するモニタリングサービスを展開して行く予定だ。ただ、このレベルのテクノロジーの恩恵を受けるにはそれ相応の費用がかかる。Tempo の価格は $449 で、45 日間の返金保証と 30 日間のサービスが付き、その後は月額 $69.99 の料金がかかる。

CarePredict Tempo Series Senior Monitor

Life Is Tech の Disney Codeillusion

子供たちにプログラミングを教える方法も、CES で各社が乱立していた分野であった。私が目にしただけでも少なくとも十数個の製品やサービスが出展されていて、ベッドの中で JavaScript を使って絵本を読み聞かせるスキルのまだない親たちに向けて、小さな子供たちを熟練のプログラマーに育てるためにデザインされていますよと口々に宣伝していた。その中で、Life Is Tech のやり方は天才を感じさせた。この会社は、Disney のキャラクターや映画の名場面一式のライセンス契約をして、Disney Codeillusion (ディズニー・コードイリュージョン) という学習教材を作った。最初にサインアップした 1000 人は、あのあまりにも有名な Frozen (アナと雪の女王) のキャラクターを無料試用できる。この記事を書いている時点で、まだその試用は入手可能だ。試用版にはフル教材に 125 ほどあるレッスンのうち 1 つが含まれ、HTML、CSS、JavaScrlpt、それに (どういう意味かは知らないが) "処理" などが学べる。個々のレッスンの所要時間は 30 分ほどなので、結構長く深い学習の道へと踏み込むことになるけれども、何しろディズニーという罠が仕掛けられているので、これを苦行と思わない子供たちも多いだろう。フルの学習教材の価格は $1999 だが、月額 $65 の分割払いオプションもある。

Life Is Tech’s Disney CodeIllusion

IEVA Time-C 身体および環境センサー

私は IEVA のブースをもう少しで素通りするところだった。展示のキャッチフレーズが「あなたを保護する宝飾品」と書かれていて、私には縁のないライフスタイルだと感じたからだ。でもよく見てみると、そこにあったのは Time-C という、アナログダイヤルを持つスマートウォッチだった。もっと宝飾品風の姉妹製品もあって、どうやらそちらはさまざまの種類のペンダントのようなものらしかったが、この Time-C のデザインもそれらと同じく、内部にあなたとあなたの環境をモニターする高度なセンサーが多数隠れている。センサーとしては お決まりの 心拍数や行動追跡に加えて、皮膚温やカロリー消費も記録できる。また、屋内と屋外の空気汚染、UV 指数、明度レベル、周囲騒音、花粉量も探知する。測定値は付属の iPhone アプリに表示される。第1四半期の終わりに出荷される時点でこの Time-C には「極上メタル」とローズゴールドの仕上げが施され、小売価格は $490 となる。同社のペンダントはさまざまの種類のものが出るが、中にはスマートウォッチよりも少ない数のセンサーしか持たないものもある。私がもらった宣伝資料にはすべて時間を表示すると書かれているが、ペンダントのどこにスクリーンがあるのか私には分からなかった。現在既に出荷されている Twin-C と Twin-C to Go シリーズのペンダントの価格は 119.50 ユーロから 229.50 ユーロの間で、2020 年のうちに出るとされる新発表のモデルは 149 ユーロから 278 ユーロの間だ。

IEVA Time-C Body and Environment Sensor

Jabra Elite Active 75t ワイヤレスイヤーバッド

Jabra の Elite 75t イヤーバッドは、私がよく訪れるレビューサイト Wirecutter では最高のワイヤレスイヤーバッドにランク付けされていて、同社の Elite Active 65t ヘッドフォンにはワークアウト用のヘッドフォンとして最高点が付いている。なので、リリース間近の新しい Elite Active 75t に興味を引かれるのも無理からぬところだろう。こちらのイヤーバッドは Elite Active 65t の 80% の大きさで、バッテリー寿命は倍近くの 7.5 時間となり、ケースの中であと 3 回のフル充電ができる。IP57 クラスの防水機能がある。フィットすることで防音ができるが、アクティブなノイズキャンセリング機能はない。"HearThrough" モードにすれば周囲の音が聞こえるようになる。価格は $199 で、2020 年 2 月と 4 月の間にさまざまのカラーオプションで発売される。

また、Jabra は第2四半期のうちに 2 つのソフトウェアアップデートを出して、一部のヘッドセットには遡って働くようにする予定だ。ただし、どこまで遡って互換性が実現するかについて具体的な発表はなかった。Jabra MySound は iPhone アプリと動作して、ユーザー個々の聴覚に合わせて音楽の周波数を調整する。Jabra MyControls は左右のイヤーピースを独立に使えるようにし、ケースの外で使っている際のバッテリー寿命を事実上倍増させる。

(今年の CES には、聴覚支援機能を備えた音楽用イヤーバッドも、また音楽機能を備えた聴覚支援用イヤーバッドも、どちらも数多くの実例が出ていた。それらを比較したレビューを今年中に書きたいと思っている。)

Jabra Elite Active 75t Wireless Earbuds

いびき対策の Motion Pillow (動く枕)

いびきをかく人は、問題を解決できるという約束を多くの会社 (や医師たち) から聞いたことがあると証言できるだろうが、万人に有効なテクニックなど存在しないし、数多くの製品を試してみたがどれもうまく行かなかったという人たちも多い。Motion Pillow (動く枕) もその種の製品の一つかもしれないが、見たところかなり有望だ。見掛けはよくある曲面成形フォームの人間工学枕のようだが、センサーを内蔵したプラスチック製の箱が取り付けられている。このセンサーがあなたのいびきのパターンを分析して、枕の中のエアバッグを独特のパターンで収縮させ、それがあなたの頭を優しく回したり動かしたりして鼻腔の空気の流れを維持するよう促す。この Motion Pillow は 5 月に出荷される予定だが、現在 Indiegogo で早期特別価格の 264 ユーロで予約注文受付中だ。これは正規の小売価格 378 ユーロの 30% 引きだ。

Motion Pillow Snoring Aid

MyFit カスタム・イヤーバッドカバー

オーディオファンの人で、特定の種類のヘッドセットを使いたいけれどもそれが自分の耳にうまくフィットせず (ええっと AirPods みたいな) 困っているなら、MyFit が比較的安価な解決法になるかもしれない。無料のアプリを走らせている状態で iPhone を耳の近くにしばらくかざすと、外耳の 3D スキャンを撮ってくれる。それから MyFit Solutions に、そのスキャンと、どのヘッドフォンを使っているかのデータを送る。すると 7-10 日後に、あなた専用にカスタマイズされたシリコン製のイヤーチップが 2 組、フランスから出荷されて届く。ただし、MyFit は一部の機種のヘッドセットにしか対応していないし、特別価格でさえ 65 ユーロもするので、安価なヘッドセットには出費するだけの価値がないかもしれない。

MyFit Custom Earbud Covers

OhSnap iPhone グリップ

CES のブースでたまたま見掛けて「これは 今すぐ 欲しい」と思ったものが今回は二つあった。一つ目は PogoCam で、これは眼鏡に取り付けるカメラだが、現実に使ってみるとあまりうまく働かなかった。(2017 年 1 月 9 日の記事“CES 2017: Showstoppers は洗濯室から Play-Doh まで”参照。) そして二つ目が、OhSnap iPhone グリップだ。これは、私が その時たまたま 遭遇していた問題を解決できただろうと思えるものだった。この OhSnap は布製の輪がプレートに取り付けられていて、そのプレートが iPhone または iPhone ケースに取り付けられる。すると、指を輪に通すだけでカメラをしっかり握れるようになる。天才的だと思ったのはこの輪をプレート上で上下にスライドさせたり、あるいは回転させたりできるところで、実演者はまるで Benihana レストランの料理人のようにスマートフォンをくるくると回して操ってみせた。肝心なのは、片手の親指だけでスクリーンのどの部分にでも簡単にアクセスしたり、写真を撮ろうとしながら一瞬で縦置きと横置きの間を切り替えたりできることだ。さらに素晴らしいことに、このプレートはどんな磁石式のホルダーにも取り付けられるので、これをキックスタンドとして使うことができる上に、iPhone の厚みが増すこともほとんどない。9 種類のカラーで現在出荷中で、OhSnap から直接購入すれば $29 だ。

OhSnap iPhone Grip

SpotOn 仮想の犬囲い

ペットとコミュニケーションしたりペットの世話をしたりするために役立つように作られたと称しつつ有効性は疑わしい、そんな製品が多いことで CES は悪名高く、私は記事の中で笑いの対象としてその種のものを取り上げることが多い。でも、今回見つけた SpotOn 仮想フェンスはその種のものではない。これは、犬の首輪に GPS とセルラー接続性を組み込んだものだ。あなたのスマートフォン上のアプリを使って、地図上に線でフェンスを描くと、その仮想のフェンスが突然犬にとっては現実のものとなる。付属のトレーニングプログラムを使って、フェンスを越えたら「静的補正」(どうやら「犬への攻撃」の軍隊式婉曲表現らしい) を与えるか、あるいは前向きなフィードバック (犬が命令に従っていることをアプリが知らせ、あなたはそれに応じて犬にご褒美を与える) を使うか、あるいはその混合モードを使うかが選べる。いずれのトレーニング方法を使うにしても、このアプリは "Find My iDog" 機能にも対応する。つまり、さまよう犬がフェンスの内側にいるか、あるいは外をうろつき回っているかを知らせてくれる。私が一番気に入った機能は、最大 10 個のフェンスをあらかじめ作成して保存しておけるので、家の中でも、近所の公園でも、あるいは愛犬と一緒に旅行した先でその場でフェンスをセットアップして使うこともできるところだ。価格は $1495 (それに加えて 60 日経過した後は月額 $6.95 のサービス料金がかかる) と、SpotOn は決して安価ではないが、伝え聞いた話では固定位置の仮想犬囲いに比べて十分競争力があるようだ。

SpotOn Virtual Dog Fence

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

ChronoSync 4.9.8 and ChronoAgent 1.9.6

ChronoSync 4.9.8 と ChronoAgent 1.9.6

Econ Technologies が ChronoSync 4.9.8ChronoAgent 1.9.6 をリリースして、この同期およびバックアップ用ツールとそのヘルパーアプリにバグ修正を施した。ChronoSync と ChronoAgent のいずれも、同期でアーカイブに移されたファイルがロックされてしまった問題を修正している。また、ChronoSync は macOS 10.15 Catalina のブート可能バックアップで Archive Maintenance が古いアーカイブファイルを削除できなかったバグを修正し、Catalina のブート可能バックアップから Archive Panel を使ってファイルを削除できなかった問題を解消し、アーカイブの中にフォルダを作成した際にその親フォルダがロックされていた場合に同期に失敗したバグを修正している。(ChronoSync は新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、67 MB、リリースノート、macOS 10.11+。ChronoAgent は新規購入 $14.99、26.6 MB、 リリースノート、macOS 10.10+)

ChronoSync 4.9.8 と ChronoAgent 1.9.6 の使用体験を話し合おう

Microsoft Office for Mac 16.33

Microsoft Office for Mac 16.33

Microsoft が月例アップデートで Office for Mac のバージョン 16.33 を出して、macOS 10.13 High Sierra で走らせた場合の Word のアクセシビリティ機能への対応を追加した。Excel は今回から Mac 上の VBA で Power Query のクエリを作成および管理したり、また複数の値を返すアレイ式を作成してそれが隣接するセルに自動的に入力されるようにしたりできるようになった。PowerPoint はスライドショーからアニメーション化されたループ GIF を作成できるようになった。(一回限りの購入ならば $149.99、年払い講読オプションは $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.10+)

Microsoft Office for Mac 16.33 の使用体験を話し合おう

BBEdit 13.0.4

BBEdit 13.0.4

Bare Bones Software が BBEdit 13.0.4 を出してさまざまのバグ修正を施した。この古参のテキストエディタは今回、ファイルを開く際に関数やフォールドが 2 回スキャンされていたことによる遅延を解消し、カスタマイズされたキーワードファイルにカスタム拡張マッピングが正しく適用されていなかったバグを修正し、開いたプロジェクトのサイドバーからファイルやフォルダを他のプロジェクトの Projects セクションへドラッグした際に正しく機能するようにし、macOS 10.15 Catalina の下でアプリケーションのライフサイクルのバグにより終了時にクラッシュを起こすことがあった問題を修正し、フォントサービスが誤ってそのキャッシュファイルを削除することがあった Catalina のバグを回避している。(新規購入 $49.99、無料アップデート、13.9 MB、リリースノート、macOS 10.14.2+)

BBEdit 13.0.4 の使用体験を話し合おう

TextExpander 6.5.3

TextExpander 6.5.3

Smile が TextExpander 6.5.3 をリリースして、スニペットエディタを更新してマクロに改良を施すとともにいくつかのバグを修正した。今回のリリースでは Red Sweater のクロスワードパズルアプリケーション Black Ink の中で展開や動作をしないようにし、フォーマット付けされたリスト項目がオプションのセクションマクロで囲まれている場合にはその項目を落とすようにし、スクリプト中の %key: マクロの末尾に % を含めるようにし、挿入するデフォルト名称をテキストとして使わずプレースホルダーとして扱い、またリスト項目などのフォーマット付けされたテキストに「改行文字」を使わないようにした。(購読料金年額 $40、20.9 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

TextExpander 6.5.3 の使用体験を話し合おう

Alfred 4.0.8

Alfred 4.0.8

Running with Crayons が Alfred 4.0.8 をリリースして、このキーボード駆動のランチャーにさまざまの改良を加えた。今回のアップデートでは macOS 10.15 Catalina の下で play/pause コマンドのサブテキストが iTunes でなく Music アプリを示すように修正し、Workflow iTunes コマンドのアクションを更新して Catalina では Music コマンドのアクションとして表示されるようにし、また Alfred Remote iTunes 実例ページが Music アプリを反映するようにした。さらに重要なこととして、今回のアップデートでは 10.14 Mojave またはそれ以降の下で AirDrop、Network、Computer、および iCloud Drive を見つけて開く機能をネイティブに Default Results に追加し、デフォルトのウェブ検索で LinkedIn の検索 URL を更新し、Weather Underground の壊れた検索に代えて Google Weather 検索を使うようにし、選択されたファイルのフォルダをブラウズする Browse Folder in Alfred コマンドを追加している。Alfred の基本的機能は無料で利用できるけれども、Powerpack ライセンスを購入すればワークフロー、クリップボード履歴、スニペット、カスタムテーマ、ファイルナビゲーション、その他の機能にアクセスできるようになる。(基本的機能は無料、Powerpack は 23 ポンド、3.1 MB、リリースノート、macOS 10.9+)

Alfred 4.0.8 の使用体験を話し合おう

Quicken 2019 5.14

Quicken 2019 5.14

Quicken Inc. が Quicken 2019 for Mac のバージョン 5.14 をリリースして、ダウンロードしたり手で入力したりした取引を自動カテゴリー分けする機能を改良するための新しい QuickFill 機能を導入した。QuickFill はカテゴリーやその他の取引情報を特定の受取人に割り当て、カテゴリーを変更すれば自動的に QuickFill ルールが作成されて次にその受取人を入力した際にそれが適用される。バージョン 5.14 ではまた、取引のタグ、メモ、金額を自動的に保存することがなくなったが、Window > Payees & Rules に行けばそれらのデータを QuickFill ルールに追加できる。

今回のアップデートでは取引報告の時間間隔を追加して週、月、四半期、あるいはその他の間隔でグループ分けできるようにし、Do Not Rename ルールを受取人の名前に作成して名前が途中で切れてしまうのを防げるようにし、eBill がエラーで止まり複数要素認証が壊れる結果エラーが修正できなくなる問題を解決し、また証券相場の日中変化が月曜日には正しくなかったバグを修正している。(講読年額 $34.99/$49.99/$74.99、無料アップデート、リリースノート、macOS 10.11+)

Quicken 2019 5.14 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Turbo Boost を無効化して Mac で低電力モードをシミュレート

Mac でパフォーマンスを拡張する Pro Mode が登場するという噂に触発されて、開発者でありポッドキャスターでもある Marco Arment が Apple に対し、Mac ラップトップ機に Low Power Mode (低電力モード) を導入せよと求めている。iOS 上では既に iOS 9 以来その種の機能が使えているが、Arment は $9.95 の Turbo Boost Switcher Pro を使ってそれに似たものを実装する方法を見つけた。これは、集約的なタスクの際に Intel の Turbo Boost 機能が自動的にプロセッサをオーバークロックすることを妨げる。(これとは別に無料の Turbo Boost Switcher というものもあり、こちらは手動の操作が多く必要となるが、テスト目的には十分かもしれない。)

MacBook で Turbo Boost をオフにすればどんな利点があるのか? Arment によれば、彼の 16 インチ MacBook Pro で電力消費が 62% 少なくなり、発熱が大幅に減ったという。加えて、彼はファンが回り出すこともなかった、彼の MacBook Pro は膝の上で使っても十分に低温だったという。彼は 16 インチ MacBook Pro でのバッテリー寿命テストはしていないが、旧型モデルでは 30-50% 程度バッテリーの保ちが良くなると予想する。もちろん、こうした利点と引き換えにパフォーマンスは落ちる。Geekbench スコアで言えば、シングルスレッドのテストで 46% 低下し、マルチスレッドのテストで 29% 低下し、Xcode ビルドで 59% 余計に時間がかかった。

Arment's benchmark numbers

でも、外出中の使用でならば、たいていのラップトップユーザーは喜んでその程度の代償を我慢できるだろう。残念ながら、Turbo Boost Switcher Pro はあるカーネル拡張に依存して動作するので、将来のバージョンの macOS では使えない。Apple が次期バージョンの macOS で Low Power Mode を導入して追加のソフトウェアなしにこの問題を解決できるようにしてくれることを願うばかりだ。

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The (Unofficial) Apple Archive が 40 年分の Apple 関係資料を記録

The (Unofficial) Apple Archive は新しい Apple 専門のウェブサイトで「表立って評価されていないデザイナー、コピーライター、プロデューサー、AD、CD、その他驚くべきものを作り出すすべての人たちに捧げられている。」過去 40 年間以上にわたるテレビ広告、イベントビデオ、付属資料、プレス用写真、その他が収められており、悪夢を呼び出しそうな 1977 年の Apple II の広告から、昨年 9 月の iPhone 11 イベントの記録まである。

このアーカイブの所蔵ファイルは 15,000 個以上、サイズの総量は 1 TB 近くになる。アーカイブの管理者 Sam Henri Gold を Twitter でフォローすれば、新たにコンテンツが追加される度にそれと分かる。Gold は、サイトを維持するための資金と、アーカイブに相応しいデジタル資料の両面で寄付を募っている。これをやり遂げてくれた Gold に賛辞を送りたい。素晴らしい情報源だ。

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