TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1355/06-Feb-2017

Apple は Q1 2017 の業績報告で成長に転じたように見える。これは記録的な iPhone と Mac の売上のお陰だが、ひょっとすると「うるう週」が結果を歪めていたのかも? もう一つビジネス面のニュースとして、Josh Centers が製靴会社 Airwalk について語り、Apple にとってこれがプロフェッショナル市場の重要さを示唆すると主張する。Apple がマイナーなバグを修正して AirPods ファームウェアを静かにアップデートしたので、このアップデートを間違いなく受ける方法を説明する。それから“大草原の HomeKit のお伴”シリーズ記事の最新の回では、ホームオートメーションデバイスの実際的なコントロール方法に踏み込む。今週注目すべきソフトウェアリリースは Airfoil 5.5.2 と CleanMyMac 3.7.2 だ。

記事:

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Apple、AirPods のファームウェアを無言で 3.5.1 にアップデート

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

Apple は、AirPods のファームウェアを、バージョン 3.3.1 から 3.5.1 に無言でアップデートした。私たちには何が変わったのか分からないが、Apple の消息筋が AppleInsider に語ったところによると、マイナーなバグ・フィックスが特徴のようだ

初めに、ファームウェアのアップデートが必要かどうか確認してほしい。AirPods を iPhone に接続して、Settings > General > About > AirPods に行く。もし、AirPods のアイテムが現れなかったら、画面の下に充電状態の通知が現れるまで、AirPods の充電ケースを開けておいて、それから、再度、チェックする。Settings > General > About > AirPods の下に、あなたのファームウェアのバージョンが、リストで示されているはずだ。それでもなお AirPods のアイテムが見当たらない場合は、Settings > Bluetooth で、AirPods が接続されているかどうか、確認してほしい。

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ファームウェアが古かったら、電源に接続された Lightning ケーブルを、AirPods の充電ケースにつないで、AirPods を充電する。充電中、AirPods を iPhone に接続しておくこと。2, 3 分待って、ファームウェアのバージョンを再度確認する。アップデートが自動的に行われているはずだ。

残念ながら、このファームウェアのアップデートでは、Julio Ojeda-Zapata や私がテストの際に経験した VoIP の問題や、iOS で AirPods を Slack の電話に使おうとすると、削岩機のような恐ろしいノイズが発生するという問題については、何も解決されない。("Apple のワイヤレス AirPods は待った甲斐あり" 2016 年 12 月 20 日参照)

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Apple、Q1 2017 の記録的業績で外見上成長に復帰

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters, Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

31 December 2016 を最終日とする Q1 2017 の決算報告で、Apple は、純利益 $17.9 billion (希薄化後一株当たり $3.39) と記録となる売上げ $78.4 billion を発表した。これは同社のこの四半期に対する予測をも上回った。これらの結果は、前四半期で達成出来なかった成長への復帰を意味する ("$9 Billion の利益を計上したが、Apple の売上げは Q4 2016 で再び減少" 25 October 2016 参照)。同社の売上は前年同期に比べて 3% 増加した ("Apple の Q1 2016、過去最高だが、辛うじて" 26 January 2016 参照)。

しかしながら、Lap Cat Software の Jeff Johnson が指摘した様に、Apple は Q1 2017 が Q1 2016 よりも一週間長いと言う事実を無視している。これは時折必要となる "うるう四半期" のためである。Johnson は、週平均を使って計算すると、この余分の一週間がなければ、再度減収の四半期になったはずであると見積もっている。Daring Fireball の John Gruber は、Johnson の見積りは少々 Apple に厳しすぎるが、何らかの補正は必要であると思っている。我々としては、Apple が Q2 2017 でも成長を持続出来るか、或は Q1 は特異点だったのかを興味を持って見守りたい。

Apple の株主は、16 February 2017 に一株当たり $0.57 の配当を総額 $250 billion の Apple の資本還元プログラムの一環として受け取る。このプログラムには $140 billion の株買い戻しが含まれる。

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iPhone は対前年比 5% の伸びを販売台数でも、売上げでも記録し、Apple に対して嬉しい知らせをもたらした。販売台数は 78.3 百万台であった。販売は、新しい iPhone 7 が出たことと、ホリデー買い物シーズンのお陰で伸びた。Q4 2016 には、Apple は対前年比 5% の販売台数の下落を経験しているので (iPhone 7 モデルは予約販売の状態で、しかも2週間だけしかなかった)、この成長は投資家の不安を軽減するのに役立つであろう。特記すべきは、そして Cook が電話会見の間に何回も口にしたことでもあるが、iPhone 7 Plus モデルに対する "圧倒的な需要" である。しかもこの四半期の間、供給には限りがある状態が続き、需給が均衡したのはこの四半期が終了してからと言う状態であったにも拘らずであった。顧客満足度は、全ての iPhone モデルで 97% に達し、そして Apple は 99% と言う例外的な顧客満足度を iPhone 7 モデルで引き出した。

Apple にとっては悲しいことに、Q4 2016 には安定化したかに見えた iPad の販売台数と売上げの下落はこの四半期も続いた。iPad の売上げは対前年比 22% と大幅に下落し、販売台数は 19% 下落した。これは、Apple が iPad に投入した資源、とりわけ iPad Pro モデルを考慮すると痛手である。Apple Store ではとりわけ目につく所に置かれたが、それも販売の伸長には寄与しなかった模様である。

Wall Street は iPad の販売台数も売上げも好転すると期待していたので、この下落傾向は投資家を不安にするかもしれない。UBS の Steve Milunovich はこの点について Cook にコメントするよう求めたが、Cook は流通在庫や新製品の欠如についての言い訳に終始した。一方で、iPad の失望の四半期結果には、サプライヤーの不足が現実の出荷不足につながり影響したのは本当らしい。

Apple CFO Luca Maestri は、iPad は 85% の市場シェアを $200 超のタブレットでは保持しており、iPad への購入意欲は競合品に比べ4倍も高く、iPad Pro がそれを引っ張っていることを付け加えた。しかしながら、タブレット全体としての動きも悪いので、この分野は全ての製造者が下落を経験しているものの一つなのであろう。

しかしながら、Mac の販売はもう一つの明るい材料であった。多くのテック製品製造者にとって何年もの間下落傾向が続いている市場において、Apple は兎にも角にもそのデスクトップとラップトップ製品群で対前年比 7% の売上げ増を記録した。新しい MacBook Pro モデルに対する苦情にも拘らず、これはヒットであったようだが、繰り延べ需要が寄与していたかもしれない。これらの結果は、Apple が他のモデルも更新していれば、Mac はもっと良い成績を収められていたのではないかと言う疑問につながる。Cook は、Mac はこれまでで一番の売上成長を、そして国際市場と教育市場では二桁の成長を見たと語った。

Apple の Services 部門、ここには AppleCare, App Store, Apple Music, iCloud, そしてサードパーティ購読サービスが含まれる、は対前年比 18% という堂々たる売上増を達成した。この Services 部門は四半期毎にその重要性を増し、その傾向が変わるとは思えない:この Services 事業はインストールベースによって動かされ、インストール数は世界規模では二桁の伸びがあった。Tim Cook は、App Store は December 2016 だけで $3 billion の売上があり、AppleCare と iCloud ストレージ購読サービスは過去最高を記録したと報じた。150 百万を超える顧客が Apple のサービスか、或は App Store を通して提供されるサードパーティ購読サービスに加入している。Apple は Services だけで今年は Fortune 500 企業に並ぶものになると予想している。Cook は更に時間を取り、App Store の売上げは Google Play の売上げの2倍以上あり、それも Android の市場シェアは遥かに高いにも拘らずであることを指摘した。

Apple Pay の利用も、新たな4か国に拡大されたこともあって引き続き成長を続け、昨年に比べ取扱量は 500% 増え、そして利用者数は3倍になった。Apple はまた、Comcast もその顧客が支払いをするのに Apple Pay を使えるように間もなくなるであろうと言った。

Apple は Services 売上げが今後4年間で2倍になるであろうと予測している。その背景には App Store の成長 (とりわけ China での)、国際市場での開発者コミュニティ成長計画、Apple Music の成功、iCloud ストレージに対する需要の増大、AppleCare の成長、そして、これまでになく拡大した Apple 機器のインストールベースがある。

しかしながら、成長を続ける Services 売上げに反して、Apple は対前年比 8% の下落を Other Products 売上げで記録した。ここには、Apple Watch, Apple TV, AirPods, iPods, Beats ヘッドフォンとスピーカー、そして種々のアクセサリの様な製品が含まれる。この下落の理由は Apple TV 販売の急落にあるのかもしれない - Maestri は Financial Times の Tim Bradshaw にこのセットトップボックスの販売は前年に比べ落ちていると語っている。これとは対照的に、Cook は Apple Watch が歴代最高の売上を記録し、この四半期は製造が需要に追いつけなかったと語った。Cook はまた AirPods と成功を持続している Beats についても明るい展望を示した。我々としても、Apple がOther Products 部門の詳細を製品別に示してくれることを願いたい。そうすれば、それぞれの製品群がどの様に売れているのかもっと良く理解出来る。

CarPlay に関して Apple は、今や百万を超す人がこれを使っており、自動車メーカーの大手全てがこのプラットフォームを支持していると報じた。この数字は結構高いと思えるかもしれないが、米国での自動車販売数は 2016 年には 7 百万台に達し、全世界では昨年 76 百万台を超えたことを考慮すれば、1 百万人の CarPlay ユーザーがいるという話もそれ程すごい話ではないのかもしれない。

Cook は HomeKit についても語ったが、それはホームオートメーションセキュリティでは頭抜けているという観点でのみ触れられたもので、後は、彼が彼の家で色々な方法で HomeKit を使っているという羅列に終わった。彼はまた、開発途上にある新たなアクセサリ、例えば水漏れセンサの様な、についても語ったが、これらは我々内部でのホームオートメーション設定に関する話でも出て来た誰でも思いつく当たり前の追加製品である。

その他の明るい話題には企業向けの成長があり、こちらは前四半期で 70% 成長し、そして、国際市場での販売も、米ドルの高騰による "非常に難しい環境下にも拘らず" 伸びた。

Apple はこの四半期を $241 billion の手持ち現金で終了したが、その 92% は米国外に置かれている。その一部を米国に戻すかどうかの質問に対して、Cook は "今年中の何らかの税制改正" の可能性について触れた。付け加えて、彼は Apple の音楽とテレビ事業に対するオリジナルコンテンツを制作する努力を強化していることも示唆した。

全体として、Apple は 2017 年を強固な基盤の上で開始した様に見える。そこには iPhone, Mac, Apple Watch, AirPods, そして同社の色々なサービスの成功がある。しかしながら、iPad は引き続き泣き所であり、そして Apple TV の結果は心痛むものである。ではあるが、Apple TV は危機に瀕しているわけではない。何故ならば Cook は Apple の全般的なコンテンツ戦略におけるその重要性に言及したいたからである。そして何があろうとも、Apple は iPad を技術の次の段階として推進する覚悟である様に見える。Apple はこれらの製品に全てを捧げているのであるから、それらを最善のものとすべく更なる努力が望まれる。

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Apple が Airwalk から学ぶことができるもの

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

私が 1990 年代にティーンエイジャーだった頃、Airwalk の靴は大流行していた。Airwalk の靴は、グランジ志向の若者にとって、格子縞のシャツやコーデュロイ・パンツと共に、必須のアクセサリーだった。(訳者注: グランジとは、ファッションのスタイルで、重くて大きな靴を履き、「むさ苦しい」印象を与えるもの。) この会社は 1986 年に設立され、1990 年代に全盛期を迎え、Nike と Adidas に次ぐ三番目に大きなスニーカー・ブランドに成長した。今日の十代は、疑う余地もなく、Airwalk のスニーカーについて耳にしたことはない。Airwalk のスニーカーは、今や、Payless Shoesource のバーゲンセールの棚で見出されるものなのだ。何が起こったのだろうか?

ちょっと待ってほしい。これは TidBITS であって、ファッション雑誌ではない。では、なぜ私が靴について話をしているのだろうか? このまま、読み続けていただきたい。私は、ゾッとするくらいお馴染みかもしれない話をしようとしているところなのだ。

Airwalk は、プロのスケートボーダー向けのニッチな靴として始まった。スケートボードの伝説である Tony Hawk (他の多くのプラットフォームと共に、Mac 上で走る彼の名を冠したビデオ・ゲームで主役であった。) は、Airwalk の最初の顧客の一人であり、そして、実際に、この名前を提案したのだった。初期の Airwalk の人気の多くは、まめができたり壊れたりしない、スケートボード用の優れた靴を創り出すために、スケートボーダーのインプットを得たことによるものだった。

Airwalk は健全な事業を持っていたが、最初に大当たりしたのは、メチャメチャ洒落ていて、カウンター・カルチャーの広告キャンペーンを打つ広告会社 Lambesis を起用してからだ。Malcolm Gladwell が、"The Tipping Point" で書いたように、Airwalk は、1993 年には、売上 1,600 万ドルの会社になっていた。1994 年には、4,400 万ドルの会社になった。1995 年には、1 億 5,000 万ドルの会社になった。

スケートボーダーやブティック店を幸せにしておく一方で、十代の顧客の莫大な流入を満足させるために、Airwalk は、二階建ての戦略を展開した。同社は、Footlocker のようなメインストリームの小売業者には、安価なコンシューマー・グレードの靴を販売し、一方で、ブティック店には値段の張るプロ仕様の靴を供給し続けた。

だが、Airwalk の成功は、長くは続かなかった。同社の問題は、1997 年に、新学期のための供給が制限されることになる供給問題として始まった。一方、同社のラインナップはすでに陳腐化しており、新しいモデルはほとんど無かった。中でも最悪だったのは、Airwalk がプロ用の靴のラインナップをやめたことだった。本格的なスケートボーダーは Airwalk を見限り、このため、同ブランドは十代にとっての名声を失うことになった。そして、間も無く、Airwalk に日の当たる時期は終わった。

こじんまりとした会社が、高品質の製品とイカした広告キャンペーンによって爆発的に成長したこと。異なる価格帯と機能を提供するために、コンシューマーとプロという二つの階層に分かれた製品ラインナップ。後に、生産問題、停滞した製品設計、そして、プロ向け市場を無視したことによって、苦しむに至った会社。これって、あなたの頭に浮かぶもう一つの会社の話に聞こえませんか?

Airwalk は、その古いデザインと共に、しばらくの間は、スケートボードでやって行けたし、小売業者と平和にやって行けたかもしれないが、本格的なスケートボーダーという鍵となる市場を捨てたことで、同社は、市場において不適切な存在になってしまった。

サプライチェーンや製品デザインをマネジメントすることについて、Apple には、Tim Cook と Jony Ive (いずれにせよ、Ive は今なお製品デザインに関わっているという点において) という一組のスーパースターがいる。そして、Apple は、何百という自社所有の店を開いていて、小売業者を失望させることについては、もはや心配していない。もっと気にかかるのは、Apple がプロのユーザーをどのように扱うかということだ。Apple が、過去 5 年以上にわたってプロ市場から撤退してきたいくつかの道について箇条書きにしてみよう:

Apple は、今や、iPhone の会社だと言っているのは私たちだけではない。("Apple が Mac を過小評価していることの理解" 2016 年 11 月 21 日参照) iPhone が Apple の利益の源泉の大部分を占めており、だから、iPhone が Apple のリソースの大部分が注がれるところなのだ。十分正当な話だ。

だが、重要なことはこういうことだ。すなわち、Mac と Mac がプロに与える能力は、あの iPhone ビジネスの基盤なのだ。しぶとい Mac ユーザーは、iPod、それから iPhone が出てくる前の暗い時代に、Apple を流布し続けていた。そして、今でも、Mac の他の全てのプロ使用とは無関係に、開発者は、iOS アプリを作るために、Mac 上の Xcode を必要としているのだ。

Apple には、今なお有利な点がたくさんある。例えば、2,410 億ドルの現金、四半期ごとの莫大な利益、世界で最も人気のあるブランドの一つ、そして、およそ 500 の上手く行っている小売店だ。そして、今、特に、Apple が、iPhone と Mac の売り上げで、これまでの最高となる四半期記録を出した(新型 iPhone と 新型 MacBook Pro のモデルに加えて、ホリデー・シーズンの買物があったことに助けられて。"Apple、Q1 2017 の記録的業績で外見上成長に復帰" 2017 年 1 月 31 日参照) ばかりの時期に、Apple を批判するのは奇妙なことに思われるかもしれない。だが、Airwalk の話で見たように、もし、今は Apple の製品に対して忠誠を続けている全ての人々や組織を、プロのユーザーが一緒に引き連れて、このプラットフォームを離れるとしたら、物事は、下り坂を下るように急速に悪化していかないとも限らないのだ。

私は、Apple にそれほど辛く当たりたくはない。Apple は、未だに信じられないほど強く、かつて弱かったいくつかの領域において、以前よりも良くやっている。多くの顧客によって、Final Cut Pro X は、最初のリリース以来、大いに改善された。そして、プロのムービー製作者の中には、Final Cut Pro X にチャンスを与えようとしている人もいる。App Store のレビューの回数は急減していて、Apple は、App Store のレビューに、開発者が直接対応するのを許そうと計画している。Swift は、明るい未来を有する、ワクワクするような新しいプログラミング言語で、コンパイルされたアプリとスクリプトの両者に適している。

読者は、Apple と Airwalk は比較できないと反論するかもしれない。例えば、Airwalk は、スポーツ・シューズを供給することから始まったかもしれないが、最終的には、ファッション会社になった。だが、Apple も多くの点で似ているのではないだろうか。Apple は、Apple I ホビー・キットで、そのドアを開けた。そして、2000 年代中頃までに、iPod とその白いイヤホンは流行を支えるものとなった。Apple Watch は、明らかに、今日、ファッション・アイテムとして意図されている。MacBook でさえ、コーヒー・ショップ、空港、そして、他の公共の場所での人目を引く使用法を考えると、ファッションとしての存在を主張している。

こうした類似性にもかかわらず、Apple は、かつての Airwalk と比較して、ずっとずっと大きい。加えて、Apple は莫大な利益をあげて、莫大な現金を持っているので、若くて大胆な履物メーカーよりも、ずっと多くの誤りを許容する余地がある。たぶん最も重要なのは、Apple は、自分たちの最も影響力のあるユーザーを見失った後に、人気がなくなった Airwalk のような会社の例から学ぶことができるということだ。この点で、Mac や、そのプロ・ユーザーに、あまりにも注目しなくなることの危険性に Apple が気づくことを望むものである。

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大草原の HomeKit のお伴: Accessory をコントロール

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

前回の記事“大草原の HomeKit のお伴: Accessory と Room を設定する”(2017 年 1 月 16 日) で、Accessory と Room の設定方法を説明した。これらはいずれも、Apple のホームオートメーション用システム HomeKit の基本的な構成要素だ。けれども前回の記事は少々人をじらす性格のものであった。それを読んでも、まだ使ったことのないセットアップのシステムに中ぶらりんのまま放り出されるようなものだったからだ。そこで今回の記事では、Apple の Home アプリを使って Accessory をコントロールする方法を説明しよう。また、Control Center、Siri、さらには Apple Watch を使ったコントロールも紹介しよう。

Home アプリで Accessory をコントロール -- 一つの Accessory にアクセスするには(覚えていて頂きたいが、通常 Accessory とは特定の一つのデバイスのことだ)Rooms 画面に行き、ハンバーガー(三本の線)ボタンをタップしてから、その Accessory を含む Room を選ぶ。

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Room の中の項目として、その Room にあるすべての Accessory が並んでいる。スマート電球やスマートコンセントなどでは、Accessory アイコンをタップしてオン・オフできる。言ってしまえば簡単なことだが、実際これが Home アプリの最も重要な使用方法の一つだ。このやり方だけで、オン・オフ可能なあらゆる Accessory を制御できるからだ。(例えば室内センサーなど他の種類のデバイスについては、そのアイコンをタップしても何も起こらない。この種のものは常にオンのままだからだ。)

もっと別の方法で Accessory を操作するには、Accessory アイコンを押して押さえ続けるか、または 3D Touch を使うかする。すると、さらなる詳細情報やコントロールを示した画面が開く。例えば、室内センサーではその現在の状況が、スマートコンセントでは単なるオン・オフスイッチが、スマート電球では明度スライダーが表示される。

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スマート電球が複数の色に対応している場合は、Color ボタンも表示される。これをタップすれば、その電球の色を選ぶボタンが表示される。中央の Edit をタップすれば詳細なカラーホイールが出る。ここで色を選択すれば、メインのカラーセレクタ円のボタンの一つがその色で置き換えられる。この Color 画面には Temperature タブもあって、同様のコントロールを白い光に対して行なう。

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イライラさせられることがある。Apple の Home アプリではデバイス間でカラーをコピーすることができないのだ。だから、すべての電球を同じ色にしたければ、例えば Matthias Hochgatterer の Home アプリなど、より細かな制御のできるサードパーティの HomeKit アプリを使わざるを得ない。ただし、何個かの電球に全く同じ動作をさせたい場合には、Details 画面を使ってそれらをグループ化すれば解決する。

すべては Details に宿る -- HomeKit Accessory をタップして押し続けるか 3D 押しをするかすれば、その Accessory の Details 画面が開く。ここに、名前や場所などいくつかの Accessory オプションが示される。記事“大草原の HomeKit のお伴: Accessory と Room を設定する”でも説明したように、これらのオプションはその Accessory の初期設定で登場したものだ。

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ここでは、Details 画面の中の二つのオプションにだけ注目しよう。一つ目は、Include in Favorites (お気に入りに設定) スイッチだ。これは、よく使う Accessory でオンにしておくべきだ。これで、Home アプリの Home 画面や、Control Center、さらに Apple Watch の Home アプリにも、その Accessory へのショートカットが追加されるからだ。ただし Control Center には同時に最大 9 個までの Accessory しか表示されないので、重要なものだけを選んでおくのがよい。

二つ目は Group with Other Accessories オプションだ。これは、複数個の Accessory をグループとして組み合わせて、一つのものとして挙動するようにする。個々の Accessory アイコンの代わりに、新しい一つのアイコンが表示される。複数個の電球が一つの留め具に付けられている場合や、同じ部屋の中にある電球に同一の挙動をさせたい場合などに便利だ。私はリビングルームのフロアランプを一つのグループにして明るさや色を同じにするようにしている。

複数個の Accessory をグループ化するには、Group with Other Accessories をタップする。次の画面で、グループに名前を付け、グループに追加したい他の Accessory を選ぶ。最後に Done をタップする。

それらの Accessory のアイコンが、そのグループのアイコンに置き換えられる。Accessory のグループを解消するには、そのグループの Details 画面に行って Ungroup Accessories をタップすればよい。ここでも、そのグループを頻繁に使うならば、忘れずに Include in Favorites スイッチをオンにしておこう!

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グループの中の一つの Accessory を独立に操作したいと思えば、そのグループの Details 画面に行き、Accessories をタップして個々の Accessory のアイコンが出るようにする。その画面から、個々の Accessory を調整することもできる。

Scene の設定 -- ひっきりなしに Accessory を調整しているとすぐに嫌になってくるが、嬉しいことに HomeKit は Scene と呼ばれるショートカットを用意している。これで、いくつかのアクションを一つに組み合わせることができる。例えば、Good Morning という Scene がすべての明かりを点灯し、I'm Leaving という Scene がすべての明かりを消灯してサーモスタットの温度設定を下げ、お遊びで作ったパーティー用 Scene がリビングルームを真っ赤に照らす、といった具合にできる。

Scene を作成するには、Home 画面か Rooms 画面の右上隅にある+アイコンをタップし、Add Scene を選ぶ。すると Home アプリが Scene の名前を提案してくるが、Custom をタップすれば好きな名前にすることができる。

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Scene に名前が付いたら、Add Accessories をタップしてから、Accessory を一つずつタップしてその Scene に加える。選び終われば Done をタップして次に進む。

すると、その Scene の名前とそこに含まれる Accessory を表示した画面に変わる。個々の Accessory を通常通りに調整する。例えば、スマート電球のアイコンをタップすれば、それがその Scene でオンになる。タップしたまま押し続ければ明るさや色を調整できる。

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そして最後に、画面の一番下あたりを見れば、この Scene を一時的に呼び出す Test This Scene オプション、この Scene に含まれる Accessory を変更できる Add Accessories オプション、それと Show in Favorites オプションがある。重要な Scene では Show in Favorites をオンにしておくとよい。

お薦めの Scene -- どなたにもお薦めしたい Scene が三つある。Good Morning、Good Night、それにあなたが普段いる場所の明るさを手早く調節するための Scene だ。

例えば、私はリビングルームの明るさを調節する三つの Scene をお気に入りに登録している。Living Room Bright、Living Room Dim、Living Room Night の三つだ。それぞれ、リビングルームの Hue 電球すべてを 100 パーセント、40 パーセント、0 パーセント (つまり非常に暗いがオフではない) にする。これらの Scene を使って、私はリビングルームで映画を見たくなれば部屋を暗くでき、リモコンを見つけたければ、あるいは息子のおむつを交換する必要があれば、すぐに部屋を明るくすることができる。

このような Scene をあなたの好みに調整して頂きたいが、名前は基本的に私の命名をそのまま使うことをお勧めする。見分けやすいし、Siri が聞き違えることも少ないからだ。

Good Morning と Good Night の Scene を設定する際には、あなたの部屋の状況と、使っている Accessory とをよく考慮に入れて、何をなぜ点灯するかを注意深く検討しよう。

私の Good Morning Scene は三つのことをする。洗濯室と音楽室の電灯をコントロールするスマートコンセントをオンにし、リビングルームの電灯を 40 パーセントの明るさにするのだ。クリスマスの時期には、クリスマスツリーの電灯をコントロールするスマートコンセントもオンにする。他方、私の Good Night Scene はそれと反対のことをする。ただし、リビングルームの電灯は完全に消灯するのでなく 0 パーセントの明るさにする。

これらの Scene は、朝起きたときに家の中を歩き回るに十分な明るさを確保しつつ、眩しいほどには明る過ぎないように工夫してある。寝室でも Hue 電球を使っているが、これらの Scene は寝室には一切影響しない。なぜか?

そうは言っても、今すぐ急いで Scene を作成することはお勧めしない。その代わりに、あなたの Accessory でいろいろ実験して、どんな設定にすれば最も気に入るか、どのデバイスをよく使っているかを見極めよう。自分がいつもしていることを見極めた後なら、Scene の設定がずっと楽になるだろう。

でも、とにかくまず飛び切り素敵な Scene を作ってリビングルームを真っ青やら何やらの色で染めてみたいと思うなら、思いっきりやってみるとよい! それこそ、ホームオートメーションの醍醐味の一つなのだから。(私も、もし HomeKit 対応のサーモスタットを取り付けることがあったら Game of Thrones 流の Scene をこしらえて、部屋を真っ青にしつつ室温をぐっと下げてみたいと思っている。私は大バカ者だから!)

Scene を作り終えたら、それは Home アプリの中の二つの場所に現われる。その Scene をお気に入りに設定すれば、Home アプリの Home 画面 (と Control Center) からアクセスできる。そうでなければ、その Scene が割り当てられているすべての Room からアクセスできる。一つの Scene が複数の Room で使われていれば、そのいずれの Room の中でも見えるようになる。

Control Center、Apple Watch、Siri を使ったコントロール -- 明かりを点けたり消したりする度に Home アプリを出たり入ったりするのでは、壁のスイッチを入れ切りするよりずっと手間がかかってしまう。ありがたいことに、Apple はもっと手早く Accessory を呼び出す手段を提供している。

私は普段、iPhone 上の Control Center を使って HomeKit デバイスを操作している。iOS 10 になって、Apple は Control Center のデザインを改めて複数のページを許容するようにし、もし HomeKit デバイスのどれかがお気に入りに登録されていれば左へ二回スワイプすると追加の Control Center ページが現われて Accessory や Scene のコントロールができるようにした。

Control Center の Home ページで、右上にあるボタンを使ってお気に入りに指定された Accessory と Scene の間で切り替えることができる。Accessory や Scene を一つタップすれば、そのオン・オフが切り替わる。Home アプリと同様に、Control Center でも Accessory を長押しあるいは 3D Touch すれば明るさやカラーなどの詳細設定にアクセスできる。

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Control Center は 9 個の Scene と 9 個の Accessory しか表示しないので、よく使うものはお気に入りにすべきだが、精選を心掛けるべきだとも言える。

もしも Apple Watch を持っているなら、watchOS 3 に内蔵された Home アプリでも Accessory や Scene をコントロールできる。素早くアクセスできるように Home アプリを Dock に追加しておくことをお勧めする。Accessory か Scene をタップすれば、それが呼び出される。... ボタンで、明るさその他を調節できる。調節はデジタルクラウンを回して行なう。そうは言っても、私は Apple Watch の Home アプリは頼りにならないと思うのであまり使っていない。どの Accessory でも No Response というエラーメッセージが頻繁に出るからだ。Apple Watch の多くの部分と同様に、私は同じ作業を iPhone でする方がずっと素早くできる。

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もちろん、Siri で HomeKit をコントロールすることもできる。うまく行くときは素晴らしく便利だ。すべてが正しくセットアップできていれば、いろいろなコマンドが使える。いくつか例を挙げよう:

たいていの場合 Siri によるコントロールはうまく働くし、Apple Watch 上の Hey Siri を使ってさえ問題なく使える。(ただし Apple Watch の方がコマンドの認識に時間がかかることが多い。)第四世代の Apple TV でさえも、それが tvOS 10 かそれ以降を走らせており、かつ他の HomeKit デバイスと同一の iCloud アカウントにサインインしていれば、同じ Siri コマンドが使える。

これで、あなたが HomeKit デバイスのコントロールに関して今のところ知っているべきことは語り尽くしたと思う。シリーズ記事の次回では、外出中でも自宅の HomeKit デバイスを稼動させるためのハブをセットアップする方法について、また、あなたのデバイスが自動的に稼動できるようにするための Automation のセットアップについて、解説するつもりだ。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2017 年 2 月 6 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Airfoil 5.5.2 -- Rogue Amoeba が Airfoil 5.5.2 をリリースして、Instant On コンポーネントをバージョン 8.4.1 にアップデートすることにより macOS 10.12 Sierra へのフル対応を提供した。このワイヤレスオーディオ送信アプリはまた、Google の Chromecast Ultra へオーディオをストリーミングする機能に対応し、時々起こるネットワークの障害による問題を回避し、Hermes で Pause コントロールが正しく働かないバグを修正し、オーディオデバイスが見つからない場合の処理を改善している。(新規購入 $29、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、14.4 MB、リリースノート、10.9+)

Airfoil 5.5.2 へのコメントリンク:

CleanMyMac 3.7.2 -- MacPaw が CleanMyMac 3.7.2 をリリースして、2016 年型 MacBook Pro の Touch Bar への対応を追加した。この汎用クリーニングおよびメンテナンスアプリ(購読サービス Setapp の一部としても利用可能、2017 年 1 月 25 日の記事“Setapp、一つの月額料金で数多くの Mac アプリを提供”参照)はまた、System Junk 機能(書類の不必要な中間的バージョンを削除する)の一部として Document Versions クリーンアップ機能を装備し、Large & Old Files モジュールを改善して iTunes と Photos でも働くようにした。(新規購入 $39.95、無料アップデート、35 MB、10.8+)

CleanMyMac 3.7.2 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2017 年 2 月 6 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、LG が UltraFine 5K Display での干渉の問題を認め、Apple が Mac に新たな ARM ベースのチップを装備すると伝えられる。

LG、UltraFine 5K Display でシールドを上げる -- LG が、TechCrunch の質問に答えて、UltraFine 5K Display を Wi-Fi ルータの近くに置くと干渉の問題が起こり得ると認めた。同社は、このスクリーンをルータから少なくとも 60 cm 離すことを推奨する。もしもそれが不可能ならば、または離しても干渉の問題が続くならば、LG は最寄りの LG 顧客センターに連絡することを勧めている。LG が TechCrunch に語ったところによれば、今月になってから生産されたモニタには改良されたシールド(遮蔽板)が取り付けられているという。何をしても駄目なら、ディスプレイの背面をアルミホイルで覆ってみるとよい。ただし、冷却用の通気口を塞がないようにすること!

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Apple、ARM ベースの Power Nap チップを開発中 -- Mark Gurman と Ian King が Bloomberg の記事で、Apple が将来の Mac のために Power Nap 機能を管理する ARM ベースのチップを開発中だと伝えている。Power Nap 機能は最近機種の Mac でスリープ中にも特定の作業を実行できるようにする。例えば新しい電子メールメッセージをチェックしたり、iCloud データを同期したり、ソフトウェアをアップデートしたりといった作業ができ、噂される新しいチップは既に低い Power Nap の電力消費をさらに低減するという。この記事を受けて、Apple が Intel CPU を捨てて同社の Mac 以外の多くのデバイスで使われているような ARM ベースのプロセッサに乗り換えるのではないかという臆測が飛び交った。しかしながら、今回のニュースを見る限りそのような大転換の予兆はまだ見られない。ここで言われているチップは、単にコアとなる Intel プロセッサの能力を補うためだけのもので、2016 年型 MacBook Pro で Touch Bar を制御する ARM チップと同じような位置付けのものだろう。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2017 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

日本語版最終更新: 2017年 02月 10日 金曜日 , S. HOSOKAWA