TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#971/30-Mar-09

今週は2カ所の意外なところから大きな発表があった。Skype と、IDG World Expo だ。Skype は、iPhone アプリをリリースしようとしている。たぶん皆さんがこれをお読みのころにはもう出ているだろう。そして IDG World Expo は、Macworld Expo の日程を従来の 1 月初めから 2 月中ごろへと移動させた。その他のニュースとしては、Mac における Unix コマンドラインについてもっと知りたい方のために電子ブック“Take Control of the Mac Command Line with Terminal”のリリースがあり、Jeff Carlson は、Apple が語りたがらない iMovie '09 8.0.1 の変更点のいくつかを明かす。Matt Neuburg は最新版の KeyCue がアプリケーションごととグローバル双方のキーボードショートカットを表示することを説明し、David Blatner はラップトップ機を盗まれて何を学んだかを説明することで最悪の体験を何とか生かそうとする。また、Adam は Apple が Xserve の Apple Drive Module 内部に何を入れたのか、深く潜行して正確に知ろうとする。今週紹介するその他のソフトウェアリリースは、Firefox 3.0.8、iLife Support 9.0.2、iWeb Update 3.0.1、iPhoto Update 8.0.2、iMovie Update 8.0.1、iWork '09 Update 1 9.0.1、MacBook Pro Graphics Firmware Update 1.0、Sandvox 1.6、TextExpander 2.6 と Carbon Copy Cloner 3.2 だ。

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Take Control ニュース: Mac の Unix コマンドラインで快適に

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <http://www.ousaan.com/mail/>

もう何年にもなるが、Take Control の読者たちは、Mac のコマンドラインを使う基本的な方法についての電子ブックをリクエストし続けてきた。ついに私たちは、それに応えることができる。受賞歴のある Joe Kissell によって書かれ、Geoff Duncan によって編集された "Take Control of the Mac Command Line with Terminal" は、コマンドラインを使って Mac からより多くのことを引き出す方法について、Joe 自身の専門知識と筋金入りのオタクたちからの多くの提案とを 111 ページに凝縮したものだ。全面的に Mac ユーザーの視点から書かれたこの電子ブックは、基礎からはじめ、より高度な話題まで段階的に知識を増やしてゆけるように案内する。また、新しく身に付けた技能を実際に使うことができるように、コマンドラインから行うのに最適な作業についての、40 の実用的な「レシピ」もある。

簡潔に言うなら、もしあなたが、Mac のコマンドラインを使う方法を学んだ方がよいと思ったことが一度でもあるなら、またはウェブで見かけるようなコマンドラインに関連した手順に従うときに間違ったことをしてしまうのでないかと心配なら、この 10 ドルの電子ブックによって、Mac を今まで以上に高機能にするために必要な技能と自信を得ることができるだろう。


Macworld Expo 開催を2月中旬に移動

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

Macworld Expo は、Mac の最も早い時期から Macintosh 業界の基点だったけれど、ある面で入場者にも出展者にも苦情の種であったのは、それはその日付だ。この San Francisco のショーは伝統的に1月上旬に、月の最初の一週間いっぱいで開催されてきたが、たいていの人々にとって、これは有り難くない時期だ。嬉しいことに、今度、IDG World Expo 主催者は 2010 Macworld Expo in San Francisco を約1ヶ月遅らせて 2 月 9 日火曜日から 2 月 13 日土曜日に開催すると発表した。

Macworld Conference & Expo のゼネラルマネージャー Paul Kent が、私に話してきれた「日付を変えた目的は、このショーが入場者と出展者のどちらの要望にも応えることだ。これは次の 11ヶ月に展開する物語のほんの最初のステップなのだから。」

日付の変更に加えて、Macworld Conference & Expo 2010(新しい公式タイトルでは、カンファレンスが先に強調されて、フロア展示と並記されていることに注目)では、私の記憶する限り、初めて土曜日がスケジュールに含まれた。サンフランシスコの市街地で働く人々は平日の間にちょっと抜けてショーを覗くことができるかもしれないが、過去のような平日だけのスケジュールでは多くの顧客や教育関係者は参加することが困難だった。

Macworld カンファレンスセッションは Moscone West(西館)で全5日間開催されるが、Moscone North(北館)の展示会場は最後の3日間(2 月 11〜13 日)のみ開いている。

幾つかの出展者達には、日付の変更により、ショーに展示する製品の最終調整への追い込みに余裕ができる。これまでの準備作業はホリデーシーズンにかぶさって大変だった。ソフトウェアの準備は、コーディングだけでない。マーケティング資料やブーススペースを準備して、他の従業員が休暇の準備をしているのを横目に見ながら、ショーの準備に大童で、家族や友人と過ごす時間をさいて、たいてい一年の仕事の疲れがどっと押し寄せてみんなへとへとになった。

EMC の Retrospect グループ製品管理部長の Eric Ullman は言う「製品のスケジュールはいつでも難しいけれど、出荷日を、年の最初の週に合わせるので事がややこしくなる。プロジェクトが休日の前に済んでいれば最高だけれど、そんなことは決してないし、少なくともソフトウェアではありえない。Macworld Expo では最後の最後まで、これまでは休日の間も、休日を潰して、働きづめだった。」

歓迎されてはいるものの、日付の変更自体は多くの開発者達が Macworld Expo に出展を決める原因にはなっていないようだ。Bare Bones Software の CEO である Rich Siegel が言うには「誰かが日付の変更自体に賛成か反対かを言うのは、これは難しいことだ。しかし入場者と出展見込み者のどちらにとっても、確かにこの変更に良い面はあるだろう。」

そうは言っても、既に 90 の出展者は 2010 年の Macworld Expo に出展する意向で署名しており、そして Kent は、IDG World Expo は、出展の価格を値下げする試みを述べている。IDG は、ブースの価格を 20 % 下げて、平方フィート当たり 43 ドルにし、出展者が依頼する設営サービス業者にもブースサービスのコスト削減を働きかけている。

1月の初めはまた、参加者が、サンフランシスコまで長距離を旅行するのには困難な時期だ。このショーはしばしば、他の休暇旅行のすぐ後に忙しくしなければならない。さらに、この時期の航空運賃やホテル料金はものによってさまざまだが、2月の中旬と言えば一般にシーズンオフなので、参加者と出展者のどちらにとっても、これらのサービスが比較的安くなる見込みがある。このことは、ショーの数日前から待機する必要がある出展者にとって特に重要なことだ。1月の初めでは、高価なホリデー特別料金がどうしても掛かってしまうだろう。

Kent は日付の変更が、大規模な Las Vegas の Consumer Electronics Show とかち合うのを避けることとは何ら関係無いと言うが、このショーは Macworld Expo とほぼ同時期の1月初めに開催されており、多くの出展者と報道関係者は、ふたつのトレードショーがほぼ同時期に開催されないことに感謝するだろう。

個人的な話では、日付の変更は、Tonya と私達の生活にとっても都合がよい。Macworld Expo は我々の息子 Tristan の1月初めの誕生日と毎年かち合っていたのだ。バレンタインデーに故郷へ帰るのは理想的ではないけれど、おそらく我々は余分な日にちを滞在して、サンフランシスコのグルメチョコレートツアーのようなものをするだろう、もし天気が良ければ。(ここ数年の1月は生憎の天気だったが、2月ならサンフランシスコの天気は普通やや暖かくて乾燥している、もうひとつの楽しみだ。)

Macworld Expo が1月初旬に開催されていた理由は、歴史的な経緯に隠れてよくわからない。私の聞いた憶測によれば、最初の Macworld Expo は比較的短期間でスケジュールされたため(トレードショーの世界では、スケジュールの日程はかなり先まで予約されている)、あまり人気のない1月の第1週のみが残っていたということだ。私がまた別に聞いているのは、最初のころ、Apple は、販売代理店の販売会議を1月初めに開いていて、Macworld Expo とほぼ同時に開催するのがすべての当事者にとって都合が良かったのだ。理由が何であれ、私と話をした殆どの人はこの日付の変更に非常に満足している。

Macworld Expo 2010 で何か発表することに興味のある人は誰にでも、IDG World Expo オンライン論文応募ページが開設されている。


iPhone に Skype がやってくる

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 辻村尚夫 <tsuhi02@qg8g.so-net.ne.jp>

Wall Street Journal によると、eBay の Skype 事業部は 2009 年 3 月 31 日に iPhone で稼働する IP 電話のソフトウェアをリリースする模様だ。 マイクを接続した際に第2世代の iPod touch でも稼働するこのソフトウェアは、PC 上あるいは携帯上で Skype を使っているユーザと無償で電話をすることを可能にする。また、Skype のユーザは通常の電話にも電話をすることができ、米国国内あるいは多くの国で 1 分あたり 2.1 セントだ。レートは国によって違うものの、他の電話会社の課金に比べて安くなっている。

Apple 社は 3G のネットワーク圏内に電話がある場合、無線 LAN 経由の IP 電話に通話制限を課している。少なくとも米国国内では、iPhone による無制限のデータプランの度を超えた使用を制限し、ユーザーが各通信キャリアの利益の源の -- 人によっては高利貸しのようだというが -- 通話料の支払いを避ける動きを牽制するものだ。(改めてここでハッブル宇宙望遠鏡と通信する 4 倍以上もする SMS のとんでもないレートの話をする必要もないだろう。)

最近出された iPhone 3.0 のソフトウェアの発表によれば、Apple 社は iPhone 3.0 ソフトウェアに、VoIP 関連の API を追加するとのことだ。(2009 年 3 月17 日の記事“Apple、iPhone 3.0 ソフトウェアをプレビュー”を参照)これらの新しい API でどんな拡張を行えるのかという点についてはまだ定かでないが、少なくとも Apple 社が新たに育ちつつある VoIP 市場に目を向けているというのは喜ばしい。

Skype 社が iPhone の世界に足を踏み入れたのは大きな意味がある。Skype は世界中に 4 億 5百万人のユーザがいるとしており、ユーザーの多くが Skype を通して音声によるコミュケーションをしているというのだ。さらに Mac およびWindows 用に加え、Windows Mobile を採用しているスマートフォン、Android G1、Nokia Internet Tablets 用のソフトウェアも用意している。Blackberry 用と、Nokia の携帯用は今年の終わり頃に予定されているようだ。

面白いことに、 TruphoneFring のように他の VoIP ソフトウェアによるSkype メンバー間の無料通話が、すでに現在 iPhone でも提供されているのだが、Skype ユーザの中ではあまり利用されていない。 New York Times 紙 によると、Skype 用 (であっても)他のソフトウェアでは、サービスのすべての機能を利用できるわけではないとのことだ。

ReadWriteWeb の Bernard Lunn 氏は Skype がなぜもっと敬意を払われるべきかという点について興味深い分析をしている。端的に言えば、Skype はベンチャーキャピタルから借りたお金のにおいをぷんぷんさせているような会社ではもはやなく、主要な企業のひとつであり、利益を出すようになり、かつ昨今の景気が悪くなっていく中みんなが倹約をしているおかげで速いテンポで成長しているというのだ。

現在、私たちはすべてのスタッフの連絡にも Skype を使うし、仲間内でポッドキャスト用のインタビューを収録する際にも標準的なツールとなっている。Skype は完璧というにはほど遠いものの、私たちの経験から言わせてもらえば、信頼性、音声の質のいずれをとってみても、iChat より良いようだ。さらに Skype は通常の電話からみれば信頼性の面ではるかに劣ってはいるが、広い帯域幅、洗練されたコーデックとより良い機材のおかげで、質についてはしばしば既存の電話を上回ることがあるのだ。地上の通信網が 56 kbps に制限されているのとは対照的に、Skype はずっと多くの帯域を利用できる。それにもかかわらず、 3 〜 16 Kbps 程度しか使わないように制限をかけているようだ。ほとんどの電話のマイクとスピーカは安価な USB のヘッドセットにも音質ではかなわず、ましてや私が使っている高品質な Sennheiser PC 166 USB Stereo Multimedia Gaming Headset の足下にも及ばない。

iPhone 用の Skype がやってきたら、私の Mac 上の Skype や Truephone, Fring と接続してどれくらい品質が変わるか試してみるのも一興だと思っている。


iMovie '09 8.0.1 アップデートは単なるバグ修正以上を提供

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は今週 iLife '09 と iWork '09 に対するアップデートをリリースした。そしていつもの通り何が変わったのかについての有用な情報は提供していない。iMovie 8.0.1 では、"全体的なアプリケーションの安定性を向上し、そして有用性に関する小さな問題に対処している" としているだけである。

しかし変更が興味をそそらない事は稀であり、Apple はいい加減その素っ気無さから卒業して、少なくとももうちょっと情報を提供してくれる様になるのを願うものである。私が偏見を抱いているのは間違いないところで、以下に述べる変更で私にはすぐに手をつけなければいけない、予期しなかった仕事が出来てしまったのである。私は、現在私の電子本 iMovie '09 & iDVD Visual QuickStart Guide をアップデート中であり、かつ Jim Heid の次に予定されている本 The Macintosh iLife '09 の iMovie の部分をアップデートしたばかりであった。

下記の公開されていない変更のお陰で、原稿を再度見直し新しいスクリーンショットも撮らねばならない。確かにそれが私の仕事であることは間違いない。しかし私が不快になるのは、変更点を探すためプログラムのあちこちを突っつきまわし、そして同じことをしている人達からの情報を求めてオンラインの検索にとてつもない時間を費やさなければならないことである。

Apple は物書きのためにその製品を作っているわけではないし、それに機能の変更も好きな時にやれる(そして現にやっている)ことも理解はしている。これらのアップデートは iMovie のユーザーのためには素晴らしいことである。しかし、開発チームは何れにしろ何が変わったのかの内部リストはどの道作らなければならないのだから、一時間余分に費やしてこれらを有用なリリースノートに変換するぐらいの手間をかけるのはそれ程大変なことなのであろうか?

言いたいことは言わせて貰ったので、私が探し得た iMovie '09 8.0.1 で変わったもの五つを下記に記す。

クリップ分割のキーボードショートカット -- これはマイナーだが歓迎出来る変更である。今や Command-Shift-S を押すだけでクリップを分割できる、これまでは Edit メニューからコマンドにアクセスしなければならなかった。より役立つようになったのはクリップを分割するための選定をしなくても良くなったことである:分割したいフレームの上にプレイヘッドを置いて、これらのキーを押すだけである。これまでは、コンテクストメニューから Split Clip にアクセスすることでしかこれは出来なかった。

インターレースのバグ修正される -- これは Apple が大々的に宣伝したい様なものではないかと思う。これは QuickTime や iDVD にエクスポートした時に 1080i (インターレース) の映像がコームされた様に見えるバグを修正している。この修正以前は、きれいな HD 画像を得るにはエクスポートした後その映像を他のアプリケーションで処理しなければならなかった。今や、このバグは修正された。

しかしインターレースされた映像をエクスポートすることに関する付随する面白い話もある。1920 x 1080 でエクスポートする時 AIC (Apple Intermediate Codec) や Apple ProRes にし、スケール、クロップ、さもなくばこれらの映像のサイズや速度を変更する操作を一切していない場合、インターレースされた 1920 x 1080 映像は変更無しにそのまま通されるのである。

新しい地図上の地点には緯度経度を入力 -- 世界は大きい、そして iMovie 内蔵のデータベースには含まれていない都市やその他の場所に関する対話型の地図が欲しいと思うような場合もあると思う。私の記事 "iMovie '09、10 の秘密" (2009-02-06) で、私はこれをやる方法として iMovie のアプリケーションパッケージの中の WorldLocations.txt ファイルを編集することでカスタム地図の目的地を追加する方法を紹介した。

今や、こんな余計な手間をかける必要は無くなった。もし緯度と経度の情報が分かっていれば、地図を作る時 Choose Location ダイアログにこれらの情報を入れてやる事で iMovie はその目的地を設定する。(緯度経度の情報を得るには iTouchmap.comGet Lat Lon が良い情報源である。)

imovie_map_coords

これらの緯度経度情報を貼り付ける時注意すべきは、数字だけを入力することである。私は一度太平洋に行き着いてしまった事がある、と言うのもその時、改行とかその他の目には見えない文字も一緒にコピーしていたからである。

HD エクスポートオプション -- 今や YouTube や他のサイトも HD ビデオを受け入れており、iMovie がこれで出力する能力を持つようになるのはただ時間の問題であった。YouTube で共有や Share > Export を選択する時、新しい HD オプションが使える様になり、これは 720p (1280 x 720) の映画を 10 Mbps のビットレートで作り出す。しかし、このオプションは iTunes や MobileMe Gallery オプションには全く現れない。

imovie_hd_export

分割クリップでのトランジション -- 一つのクリップを分割してその切れ目にトランジションを当てると、そのクリップの二つの半分はお互いにオーバーラップする (全体の長さは保たれる)。これを使えば、例えば、一つのクリップの一部分にはビデオエフェクトを加えそしてクロスディゾルブしてその効果からフェードイン或いはアウト出来る。

今の所はこれだけである。もし iMovie '09 8.0.1 に関してここで取り上げた事と違うことにお気づきであれば、jeffc@tidbits.com の私宛にご一報願いた い。


KeyCue のキーボードショートカット用カンニングペーパーがグローバルに

  文: Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

まずは悪いニュースから。例えば TextEdit (テキストエディット) のような比較的シンプルなアプリケーションを使っている時でさえ、私が押すことのできるキーボードショートカットは 75 種類以上もある。ここでは、ただ単に TextEdit 自体に属するメニューコマンドだけでなく、私のハードディスクのあちこちに散らばるいろいろなアプリケーションから項目を集めた Services (サービス) メニューに入っているショートカットや、またシステム全般に有効となっているグローバルなキーボードショートカット(システムによって、あるいはいろいろなシステム環境設定パネルや、バックグラウンド専用アプリケーションなどによって有効とされたもの)も数に含めている。

いったい誰が、75 個もあるキーボードショートカットを全部覚えられるだろうか? この状況を、どう処理すればよいのか? それにもちろん、一つのアプリケーションから別のアプリケーションに移れば、また状況はがらりと変わる。アプリケーションによっては、文字通り何百種類もキーボードショートカットを持つものさえある! その結果、私は結局キーボードショートカットよりも、むしろメニューに頼るようになってしまった。それでも、何かキーボードショートカットを使おうとして、まるきり意外な、驚くようなことが実際には起こってしまい困惑させられることがしょっちゅうある。(よくあるのは、私が間違ったキーを押して、何かのサービスかグローバルなショートカットかが反応してしまうことだ。)

さて、次に良いニュースに移ろう。Ergonis Software の KeyCue 4.4 が、これらのキーボードショートカットに関するほとんどすべてを知っていてくれるようになった。皆さんは KeyCue を覚えているだろうか? 私はこれが初めて登場した時にレビューを書いた。(2004-06-04 の記事“Ergonis の KeyCue キーボードショートカット用のカンニングペーパーを提供”を参照。)KeyCue では、あらかじめキー組み合わせを一つ指定しておき、私がそれを長押しすると、現在利用可能なキーボードショートカットのリストが現われる。お陰で、メニューをいろいろ調べて回る必要もない。このリストでどれか一つを選ぶこともできる。これで、自分がよく使うキーボードショートカットについて筋肉の記憶が獲得できる。それだけではない。これまで自分が気付きもしなかったようなキーボードショートカットについて学ぶことさえできるのだ。

当時のレビュー記事に私はこう書いた。「私が本当に欲しいのはカンニングペーパーで、アプリケーションの全てのメニューアイテムを、ショートカットの有り無しに関係なく、見る事が出来て選択させてくれるものである。同時に、色々なアプリケーションがインストールしている汎用の "ホットキー" 全てを示すカンニングペーパーも欲しい。」今回のバージョンで、Ergonis は私の二つ目の願いに応えてくれた。KeyCue 4.4 は、グローバルなホットキーも少なくともその一部は知ってくれる。ここで「一部」と言ったのは KeyCue が全く認識しないグローバルなホットキーもたやすく見つかるからだ。例えば、私のマシンでは Command-Control-Option-T が KeyClick のオン・オフの切り替えをし、Command-Control-Option-W が Witch のウィンドウリストを呼び出す。けれども KeyCue のカンニングペーパーにこれら二つのホットキーは登場しない。そうは言っても、今回のバージョンにおける改善と、前回のバージョンで KeyCue ウィンドウを呼び出すキー組み合わせをカスタマイズできるようになった点は、わかりやすくてとてもありがたい機能だ。

マシン一台用の KeyCue ライセンス価格は 19.99 ユーロだ。Mac OS X 10.4 Tiger かそれ以降が必要で、1.1 MB で試用版がダウンロードできる。


ラップトップ盗難からの教訓

  文: David Blatner <david@63p.com>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

いつか、どこかで、どういうわけか、君のコンピュータがなくなってしまう。盗難に遭うのかもしれないし、ハードドライブが自滅するのかもしれない。それとも隕石がその上に落下するのかもしれない。この最後のケースは、その時まさに君がラップトップを使用してない限り、少なくとも傑作な話として語ることができる。でも僕に最近起ったように、ラップトップを盗まれるというのはとにかく最悪な事なんだよ。でもこの災難の結果、僕は幾つかの教訓を得る事ができたのだ。だからここでの機会を利用して、それを読者にもお教えしようというわけだ。

コンピュータを盗まれると、三つのものが一緒に失われてしまう。ハードウェア、データ、そしてプライバシーだ。盗難に遭うことの感情的側面については他の専門家に任せるとして、僕は実用的な面に話を絞るとしよう。

ハードウェア -- いろいろな意味で、ハードウェアを失うという事は、たいした問題ではない。もちろん、その分の金を損する事でもあるのだが、僕のおふくろがいつか僕に言ったように、金はいつでもまた稼げる。そうは言うものの、やはりコンピュータに保険を必ずかけるようお勧めする。多くの住宅保険は、主に仕事用に使用されているコンピュータや、敷地外で(例えば車の中から)盗まれた物は保険の対象としていない。だから、保険契約書をよく読んでチェックしなくてはならない。必要ならば、Safeware が個別にコンピュータ保険を提供してくれる。

さらに、トラッキングソフトウェアをインストールするようお勧めしたい。僕は市場に出ているいろいろな製品から、GadgetTrak 社の MacTrak を盗難後に買ったコンピュータのために選んだ。なぜ、MacTrakにしたかといえば、理由は幾つかある。まず、MacWorld でブースを開いていた、この会社のオーナーが気に入ったからだ。そして、他の会社では、第三者が僕自身とトラッキングデータの媒介者となっていて、僕はこれが嫌だった。最後に、このソフトウェアの比較的シンプルでわかりやすい使い方が気に入った。

もし僕の新しいラップトップが盗まれたら、GadgetTrak のウェブサイトにログインして、僕のコンピュータが行方不明だと連絡する。すると、今度僕のコンピュータが GadgetTrak のサーバにピン送信をした時、ソフトウェアがステータスを確かめ、内蔵されているiSightのカメラで写真を時々撮り、(泥棒が使ってるWiFiのアドレスをもとに)所在地を報告し始める。これらの写真やデータは直接僕に送られ、警察にこれらの情報を届けるかは僕によるというぐあいだ。

Mac をトラッキングできる製品や会社は他にも多くある。例えば、 LoJackUndercover のようにいくつかの興味深い機能を備えるものもある。特にUndercover には、泥能がコンピュータを使用している時にスクリーンショットを撮ったり、ハードウェアの故障を模擬して、泥棒がマシンを修理に出さねばならなくするなど、MacTrak の将来のバージョンに取り入れてもらいたい特徴が幾つかある。しかし、これらのトラッキングソフトウェアの評価はまたの機会にするとしよう。

データ --トラッキングはハードウェアの盗難紛失防止の手助けとはなるが、データについてはどうだろうか。これは当初、僕の最大の懸念だった。というのも、僕は盗まれたラップトップに全てを保存しておいたのに用心深くきちんとバックアップをしていなかったからだ。幸運な事に、僕には二つの味方があった。一つは SuperDuper というソフトウェアで、僕はこれを使って毎月一回、ラップトップ全てを外部ハードドライブにバックアップしておいた。これだと、コンピュータ全てのコピーのバックアップも、定期的な増分バックアップも簡単に安く、そして面倒無くできる。

二つ目の味方は、CrashPlan で 僕は一年程前にそのコピーをインストールしておいたのだ。CrashPlan は市場に出ている幾つかのプログラムの一つだ。バックグランドで静かに動作し、君のハードドライブを外部ドライブか、CrashPlan がインストールされている他のコンピュータ(ローカルネットワーク上のものでも、単にインターネットに接続されたものでもよい)あるいはサーバなどのセントラルロケーションにバックアップできる(記事 "CrashPlan: バックアップ再考" 2007-02-26 参照)。僕は ミネアポリス にある CrashPlan の地下金庫サーバに月5ドルで保存する選択を取ってあった。

ラップトップが盗まれる二時間ほど前に、僕は Glenn Fleishman と Jeff Carleson のオフィスに挨拶がてらメールをチェックするために立ち寄った。そこにいる間、CrashPlan は僕に気付かれることもなく静かに、2−3のファイルをバックアップしてくれたのだ。このわずか2−3分のオンライン時間のおかげで、僕は後に95パーセントのデータを取り戻すことができた。僕がなくした大切なデータは、その前の月にiPhoto にアップロードしておいた写真だけだった。(どういうわけか、僕は CrashPlan にこれらの写真を無視するよう指定しておいたのだ。)

君たちのなかには、「Time Machine はどうしたのか?」と尋ねるひともいるだろう。正直言って、僕の場合、すぐには役立ってくれなかった。5分ほどのトラブルシューティングの後、うんざりしてあきらめてしまった。CrashPlan がどう Time Machine に太刀打ちできるのかとまだ不思議に思っている人たちは、CrashPlanのウェブサイトで これら製品の比較を読めるので、どうぞ。

プライバシー -- 次に僕が痛感したのは (この気持ちは今もなお残っているのだが)プライバシーを失ったことだ。実際、僕はパスワードとその他の個人的情報を守るために、KeePass というプログラムを使っていた。(現在は、ログインスクリーンの自力入力など、さらに多くの機能をそろえた 1Password を使用している。)しかし、僕の Quicken のファイル、家族の写真、契約書や他のビジネスの書類はどうなってしまったのか。これらのすべてが、突然他人の手に入ってしまったのだ。

盗難にあって、五日後 僕はCrashPlanのサーバにログインして、今までバックアップされてあったファイルすべてが、盗まれた僕のラップトップからの操作で削除されたと発見した。少なくとも、僕のバックアップはサーバの何処にも見当たらなかった。これには少しほっとしたのだが、最終的にはデータがどうなったのか僕には全くわからない。だから、この苦い思いは今も僕の胸に残る。

さて、新しいラップトップ上では、プライバシーを守るために僕はこのようにしている。まず、システム環境設定のセキュリティーペインのなかの「このコンピュータをスリープ状態またはスクリーンセーバから解除するときにパスワードを要求する」と「自動ログインを使用不可にする」のチェックボックスをオンにした。

次に、システム環境設定で新たにゲストアカウントを設置した。このゲストアカウントでは、ペアレンタルコントロールを設定して、ユーザーがログイン,iLife 、インターネット以外の利用はあまりできないようにした。さらに大切なことに、ゲストアカウントのバックグランドで MacTrak を静かに動作させた。このようにすれば、泥棒が僕のアカウントにログインできないので、ゲストアカウントにログインするようになる。そしてラップトップの所在地が突き止められるという具合だ。まあ必ずしも、このようにうまくいくとは限らないだろうが、何もしないよりはマシではないだろうか。

さらに、僕は Firmware Password Utility を使って、ファームウェアをロックした。これで、ハードドライブをリフォ−マットすることも、外部ディスクからブートすることも、外部の FireWireドライブとしてラップトップをスタートさせることもできないようにした。(詳細は、Apple の「Mac OS X の Firmware Password Protection の設定方法 」で参照)しかしきっと、ファームウェアのパスワードも解読可能なのだろう。だから将来の泥棒にその知識がないことを願うしかない。

更なる予防策 --僕は、他にも二つの盗難予防策を取った。第一に、最近の海外出張の前に、十年前に買ったまま使わずにおいた Kensington 社製のケーブルロック を探し出した。ラップトップをテーブルにロックできることは、わずかながらも僕の安心感を増してくれる。

第二に、自宅にバックアップを収めた DVDs と CDs のためにメディア用耐火金庫を二個そろえた。「メディア用金庫」という所に留意してもらいたい。通常の金庫は紙の耐火保護はしてくれるが電子メディアは中で溶けてしまうのだ。僕が二個購入しなくてはならなかったのは、金庫の内側のスペースはとても小さいからだ。(金庫の大部分はコンクリートかその他の重くて分厚い物質でできている。)

僕が取れる盗難予防策はまだいくらでもある。例えば、Mac OS X に備えられている File Vault。けれど、これは(多数のギガバイト分の写真やビデオも含み)home フォルダーすべてをエンクリプトしてしまうので、僕は使う気になれないのだ。もちろん、写真やビデオを home フォルダーから除いてしまえばいいのだが、それでも File Vault はあまり好きになれない。

最終的には、僕が取ったこれらの対策は比較的安価で、実行しやすく、僕に心地よい安心感を与えてくれる。もちろん、NSA(国家安全保障局)ならこれらの金庫も破れるし暗号も解いてしまうだろう。隕石がかなりの破壊力で落ちてくるかもしれない。でももし、どこかの間抜けがまた僕のコンピュータを盗んでも、僕はパニくったり、呼吸困難になったりしないのだ。今度は大丈夫だから。

[ David Blatner は世界で最も優れたAdobe InDesign の第一人者といえるだろう。そして、 InDesign Secretsサイトのホストの一人でもある。]


Xserve の Apple Drive Module 内部に深く潜行

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

一年ほど前、私たちはメインのウェブサーバとして使うために、80 GB SATA ドライブを2基搭載した Intel ベースの Xserve を買った。その後 2008 年の 10 月になってブートドライブの調子が悪くなった時は、第2ドライブ上のバックアップと、オフサイトのバックアップとを使って復旧することができた。もっともその作業にはちょっとした紆余曲折が含まれていたが。(2008-10-07 の記事“TidBITS の停止が編集者の怒りを買う”参照。)でも、そのマシンをうまくオンラインに戻すことはできたものの、私たちはいったん故障したことのあるドライブを信用することはできなかった。この Xserve にはドライブベイが3つあるのだから、もう1基ドライブを買うのが最も良い解決法だった。簡単なことに聞こえるだろうか? それがそうとも言えない。

単純に裸のハードドライブを買ってきて Xserve に差し込むという訳には行かない。それが可能な Mac Pro とは話が違うのだ。(ちなみに私はつい最近、新しい Mac Pro にドライブを追加したが、ドライブ追加のしやすかったことときたら、Apple は大いに称賛に値する。以前の Power Mac G5 でひどく厄介だったのとは対照的だ。)Xserve においては、Apple Drive Module (ADM) が必要となる。これは、ドライブを中に収納したカスタムキャリアだ。

安価なハードドライブを買うのに慣れている人たちは、Apple がこの Apple Drive Module に付けた値札を見てショックを受けるかもしれない。80 GB SATA ADM を Apple から買えば $200、1 TB SATA ADM ならば $450 だ。それに比べて、裸の 80 GB SATA ドライブだけならたったの $35 で買えることがあるし、1 TB ドライブでもほんの $100 ほどだ。これを見れば、新しい SATA ドライブを買ってきて、悪くなったドライブの ADM を中身だけ入れ替えてみようと誰でも思うだろう。けれども、その方法を試そうとした私はいくつもの問題に直面して、結局はあきらめて手早い解決法を選ぶことにした。つまり、単純に新しい 80 GB SATA ADM を買って、悪くなったものと交換したのだ。

まず第一の問題として、当初思っていた通り私の Xserve に搭載されたものが SATA ドライブなのかどうか、私には自信が持てなかった。この Xserve 上で System Profiler が SATA バスの項目には何も表示せず、その代わりにドライブをすべて SAS バスの項目に入れていたからだ。(SAS とは Serial Attached SCSI のことで、これは高速 SCSI ドライブをサポートしたハイ・パフォーマンスのデータ転送テクノロジーであって SATA ドライブとも下位互換だ。)MacEnterprise リストで知識豊富な人たちと議論したり、System Profiler の SAS セクションでドライブの詳細情報を注意深く読んだりした結果、この SAS セクションには SAS と SATA 双方のドライブが表示されていて、SATA ドライブには製造者名として“ATA”と、また SATA Device 行に“Yes”と書かれていることが分かった。

System-Profiler-SAS-report

第二の問題はこうだ。この ADM に含まれているのが SATA ドライブだと分かったので、私はドライブの交換に際して注意すべき点がないかどうか調べてみることにした。けれどもこの点に関しては、具体的な情報が驚くほど少なかった。ADM のドライブを交換して何のトラブルも起こらなかったという人たちもいたが、性能や安定性に問題が出たという人たちもいた。ドライブの交換は勧められないという議論もいくつか見つけたが、その根拠としてはっきりした情報源を示しているところはなかった。

すっかり困惑した私は、Apple に尋ねてみることにした。なぜ ADM は裸のドライブに比べてこんなに高価なのか、ADM は具体的にどんな働きをするのか、ADM が故障したユーザーに対して Apple はどうすることを勧めるか、ADM のドライブを交換するのは得策なのかどうか、そういったことを聞いてみた。この会話の結果、ADM についてたくさんの有益な情報が得られ、ADM ドライブがおかしくなった場合にすべきことについて手掛かりが得られた。

ドライブの選択 -- ADM について知っておくべき最も重要な事実は、Apple がただ手当り次第にどんなドライブでも使っている訳ではないということだ。私たちは皆、ストレージのコストが驚くほど低くなった恩恵を受けてきた。けれども各メーカーが価格を競うとき、彼らはコストを下げるために節約の手段を選ばない。ドライブの信頼性は全般的に高いとはいうものの、裸のドライブを何度も買ったことのある人は誰でも過去の苦い経験からここのベンダーのドライブは避けたいといった気持ちがあるものだろう。(よくあることだが、こういう場合往々にして人により嫌っているベンダーが違うものだ。時によってどの会社の製品がまずくなったかで違ってしまうのだろう。)

Xserve は常時使用されるために作られている。年中いつも、週に 7 日、毎日 24 時間、使われ続けるのだ。だから Apple は、入手できる最も安価なドライブは使わない。そういったドライブはもっとずっと普通の、デスクトップコンピュータでの使用負荷サイクル、つまり一日に 8 時間から 10 時間、それも時により使用度が増減する、そういう用途のためにデザインされているからだ。そのようなドライブは使わずに、Apple はドライブのメーカーと緊密に協力して、より耐久性のあるコンポーネントを持ったドライブを選ぶようにしている。特定のヘッドとメディアの組み合わせを選ぶところにまで目を行き届かせているのだ。これはこの業界で一般的に見られることだという。他の情報源からも、Apple、Dell、HP といったメーカーが調達しているドライブは一般の小売店の店頭で手に入るドライブに比べて信頼性が高いという話が聞けた。

Apple はこのようなしっかりした機種のことを「サーバ級」のドライブと呼んでいる。この種のドライブを低マージンの小売り用ハードドライブと区別するために、例えば「RAID 版」といった用語が使われているのを見聞きしたことのある方もおられるだろう。Apple は一般的にこのサーバ級のドライブにハイエンドの SATA ドライブを考えている。これに対して「企業向け級」のドライブは最もパフォーマンスの高いドライブ(少し以前までは Fibre Channel やハイエンド SCSI、現在では 15,000 RPM の SAS がこれに当たる)で、故障に至るまでの平均見込み時間も最も長くなっている。

というわけで、店頭で買ってきた SATA ドライブを何でもかんでも ADM の中に放り込むべきでない第一の理由は、そのドライブがもともと常時使用を処理するに耐えないものかもしれないということだ。

カスタムファームウェア -- プロダクションサーバの ADM で店頭販売の SATA ドライブを使うべきでないもう一つの理由は、Apple がドライブのメーカーと緊密に協力して、Xserve で使うために作られたドライブのファームウェアをその目的にカスタマイズしていることだ。詳細はドライブによって異なるが、ファームウェアの変更点の大部分はパフォーマンスと温度に関する挙動のためにするドライブのチューニングに関係したことだ。

Apple によれば、たいていのドライブのファームウェアは(驚くには当たらないことだが)Windows でのパフォーマンスを最善にするようチューニングされている。つまりそれは、比較的小さなデータブロックを読み書きするようになっているらしい。それとは対照的に、Mac OS X はもっと大きなブロックで動作する。ファームウェアのキャッシュに関するアルゴリズムを Mac OS X でのブロックサイズに合わせてチューニングすれば、パフォーマンスが上がることが期待できる。ただ、これは決して簡単な作業ではない。ドライブとオペレーティングシステムの間で、関係しているキャッシュには多数の異なった種類のものがあるので、それらすべてをチューニングして最適のパフォーマンスを生み出すことは、職人技以外の何物でもない。

ファームウェアのチューニングにより改善が期待できる他の大きな分野として、温度に関する挙動がある。今の時代の大型ドライブには「垂直磁気記録方式」と呼ばれるテクノロジーが用いられており、こうしたドライブではデータの信頼性を保証するために一定の温度に達すると「書き込んでから読み取る」モードに移行するようだ。書き込んだビットの一つ一つを読み取らねばならないとなれば当然ながらパフォーマンスは落ちる。そこで Apple は Xserve の ADM に用いられるファームウェアを調整して、ドライブがこのモードに入る頻度を減らすようにしている。Apple にそうすることが可能なのは、Xserve の通常稼動温度の範囲が既知だからだ。ところが小売店で売られているドライブでは可能な最悪の温度環境を仮定してデザインしなければならない。だから、その種のドライブは、Xserve に搭載されたドライブよりも、書き込んでから読み取るモードへより頻繁に陥らざるを得ないことになる。

業界の他の情報源からも、コンピュータの製造元がドライブのベンダーと協力してドライブのファームウェアをチューニングし、パフォーマンスの向上を目指すことが一般的に行なわれていると確認できた。けれどもある情報源からはさらにもう一歩踏み込んだ言葉が得られた。コンピュータメーカー各社は使用すべきドライブに厳しいテストを施して、ドライブのファームウェアがさまざまのエラー状況をどう処理するかに関する問題点を洗い出そうと努めているというのだ。データ破損の起こる可能性を減らすことを目的にファームウェアの変更が行なわれることもあるという。

ハードドライブのファームウェアに関する詳しい情報をオンラインで調べるのは難しい。ドライブのメーカー各社は、自社のファームウェアに厳しい監視の目を施すことによってそのファームウェアがハッキングされる可能性を減らそうとしているからだ。これはある意味非生産的とも言える。なぜなら、もしも公共の精査が施されることになれば、バグの可能性も減るだろうからだ。例えば、Seagate ドライブをめぐる最近の大混乱を引き起こしたバグも防げたかもしれない。ファームウェアのバグ一つで、数多くの Seagate ドライブモデルがいったん電源をオフにした後で動作しなくなってしまうこともある。それだけではない。修正されたファームウェアさえも、一部のドライブで別の問題を起こしていたという。

最後に、ADM ドライブのカスタムファームウェアについて知っておくべきもう一つの事実は、Xserve の Server Monitor ソフトウェアがドライブのファームウェアの報告する十個以上の変数をモニターし、もしもそれらの変数のどれかが許容範囲を超えてしまった場合には故障の前兆として報告するように設計されていることだ。サポート外のドライブを使った場合には、Server Monitor がそのような形でドライブの健康状態を報告することができないかもしれない。

賢いキャリア -- ADM の価格が小売されている裸のドライブよりも大幅に高い理由の一部は、ADM のキャリア自体に関係している。これは単なる物理的な枠だけではない。そこにはコントローラボードと、温度センサー、それにドライブの活動状況とドライブの現在の状態を報告するための2個の LED も含まれている。ADM の温度センサーは Xserve の冷却システムと統合されていて、温度が上がり過ぎればドライブへの空気の流量を増やすようになっている。

Apple はまた、ADM のキャリアでドライブを支えるためのゴム製のグロメット(はとめ)でさえも個々のドライブの振動特性に合わせて特別に選ばれていると私に話してくれた。異なるドライブには異なるタイプのゴムが使われており、できる限り振動を抑えるように作られている。特に、非常に高速で回転する 15,000 RPM SAS ドライブでは、これが普通よりもちょっぴり重要なことなのではないかと思う。

広範囲に及ぶテスト -- たいていのエレクトロニクス製品は、いわゆる「バスタブ型曲線」と呼ばれる故障率の推移を示す。つまり、故障の可能性はドライブの寿命のごく初期でかなり高く、その後ぐっと落ちて一般的な寿命を通じ低い率で安定し、最後にハードウェアの傷みが増す時期になればまた率が上昇する。ユーザーの観点から言えば、初期のうちに死んでしまうドライブを避けたいわけだ。(最終的にいずれドライブが死ぬのはどうしても避けられないが、データもディスク容量も増え続けるその速度を考えれば、ドライブがそれ自身の寿命を迎えて故障するよりも前にもっと大きなドライブに交換するようになると願いたいものだ。)

ドライブの幼児期死亡率を減らすため、またその他の初期問題を避けるため、Apple は Xserve あるいは ADM に搭載されて出荷されるすべてのドライブに対して 48 時間から 60 時間にわたるノンストップのテストを実施している。すぐ故障するドライブを排除するには、これで通常は十分だろう。

Apple はまた、テスト中に _少しでも_ ハードまたはソフト上のエラーを示したドライブをすべて不合格にしている。そのようなエラーはドライブが自動的にマップアウトするようになってはいるのだが、統計的に言って、もしもドライブが初期の品質テストで何らかのハードまたはソフト上のエラーを示したならば、将来故障する可能性がより高くなる。ある情報源によれば、ドライブのファームウェアが悪いブロックをマップアウトしたドライブに対し動作を拒否するハードウェア RAID チップセットも多くあるとのことだ。その人によれば、RAID に拒否されたドライブも Drobo では動いたという。おそらく、Drobo はマップアウトされたブロックを持つドライブも問題なく受け入れるのだろう。

この種のテストが顧客と Apple 双方の利益になるのは明らかだ。顧客たちにとってはドライブが故障する可能性が減るし、Apple としても保証修理が減らせるのだから。けれども、その結果としてコストが増すことは疑いなく、Apple はそれを ADM の高価格という形で顧客に転嫁することになる。

実用向けの要点 -- この話題についていろいろ調べた結果、私は納得した。確かに ADM の中の死んだドライブを交換することは可能(Apple はそれを明確に妨げようとはしていない)だが、問題の Xserve がプロダクションサーバの場合は、あまり良い考えとは言えない。もしもあなたがどうしてもその方法を採ろうというのならば、RAID 用、あるいはサーバ用に作られたドライブを使うことを強くお勧めしたい。また、Apple が SAS と SATA 双方の ADM を作っていること、それらのドライブは互いに交換可能ではないことにも注意されたい。つまり、もしもあなたが SAS ADM をお持ちなら、そこに入れるのは SAS ドライブでなければならない。

私のドライブの調子が悪くなった際の自分の当初の反応を思い返してみて、私は基本的に Apple が企業向けレベルのハードウェアを大衆市場製品に慣れた Mac ユーザーたちに販売しているところに問題があると気付いた。確かに私はサーバのソフトウェアを走らせることに慣れているが、この Xserve がリリースされるより前には、私は普通の Mac をサーバとして使っていた。実際、長きにわたって、Performa 6400 が私たちのサーバ機の一つだった。日常の使用のために作られた Mac をサーバとして再利用することに何ら問題はないのだが、それはそのマシンがあくまでもサーバとしての仕事をこなすために作られたものでないことをあなたが十分に承知した上での場合に限られる。そのようなマシンをその役目に使えば、パフォーマンスや信頼性の面で問題が起こることもあるということだ。

言い替えれば、ADM のドライブを交換するなんて朝飯前だと考えている人は、一人の Mac _ユーザーとして_ 考えているのであって、それはプロダクションサーバを管理すべき _システム管理者として_ 考えているのではないということだ。システム管理者ならば、そのような状況下で将来問題を起こす可能性が高いような安物のハードウェアは避けようと考えるはずだ。なぜなら、結局不経済だからだ。でも、お古のデスクトップ Mac から Xserve へ移行するのは誰にでも簡単にできることなので、結果的にプロダクションサーバについてもシステム管理者としての考え方がまだできない、そういう顧客層を Apple は惹き付けてしまったというのが現実だろう。そして、Apple は実際コンシューマ市場に強く焦点を絞っているので、この会社は Xserve の顧客たちを教育して彼らがどこに足を踏み入れようとしているのかを知らしめようとする努力を注がないままでいるのだ。

(ADM のために裸のドライブを必要とする場合が一つある。それは、Apple の今は製造中止となった Xserve RAID だ。これは古い ATA ベースの ADM を使っており、これは現在もう入手可能ではない。つまり、Xserve RAID を持っている人がドライブが壊れた場合に RAID の整合性を保とうと思えば、裸のドライブでも何でも見つかるもので交換せざるを得ない。RAID ドライブはすべてが互いに同じサイズでなければならないので、その作業は簡単なことではないが、Xserve RAID に高額の投資をした以上、オーナーたちはあらん限りの努力を費やしてそれを動かし続けたいと思う動機を持っているわけだ。)

このことを念頭に置きつつ、私は HP や Dell のサーバで同等のドライブモジュールがどの程度の値段になるか、調べてみた。どのサーバが Xserve と同等なのかを選び出すのに膨大な時間がかかったのはさておき、ようやく私が見つけ出した HP や Dell 製のものは、結局 Apple 製のものよりさらに値段が高かった。確かに、Apple はたった4つの選択肢しか提供していない。80 GB と 1 TB の SATA ADM が $200 と $450、そして 73 GB と 300 GB の SAS ADM が $300 と $650 だ。それに対して、HP や Dell は多種多様なサイズを提供しているが、80 GB の SATA ドライブより安いものはなかった。HP や Dell の価格は、 73 GB SAS ドライブで比べればほぼ同等、1 TB SATA や 300 GB SAS ドライブで比べれば $200 から $250 高かった。

まとめると、同サイズの裸の小売り用ドライブに比べて ADM の値段が高いのにはれっきとした理由がいくつもある。ドライブだけを交換するのは可能だが勧められず、Apple が ADM で理不尽に高過ぎる値札を付けているということは決してない。


TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、30-Mar-09

  文: Doug McLean <doug_mclean@tidbits.com>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

Mozilla の Firefox 3.0.8 は、このポピュラーな ウェブブラウザのセキュリティと安定性のアップデートで、 2つの重大な脆弱性に対処している。2人のセキュリティ研究者が別々に作業して、XLS のスタイルシートや XUL のツリー要素から、被害者のコンピュータ上でクラッシュを起こさせて任意のコードを実行できる方法を発見した。このアップデートは、これらの問題の両方に対処し、少数のマイナーなバグも修正している。(無料アップデート、17.2 MB)

Apple の iLife サポート 9.0.2 は、iLife '09、iWork '09、Aperture に対する詳細の開示されていないバグ解消だ。同時に同社は、多くの iLife アプリケーションも更新し、これらは個別のダウンロードとしても入手できる(有用な詳細はこれらも不明だ): iWeb 3.0.1iPhoto アップデート 8.0.2iMovie 8.0.1。最後に、奇妙な番号の付いた iWork '09 Update 1 version 9.0.1 も iWork '09 ユーザーに勧められている。iLife Support については、更新後 Mac を再起動する必要がある。(無料アップデート、サイズはさまざま)

Apple の MacBook Pro グラフィックス・ファームウェア・アップデート 1.0 は、2009 年初期に製造された 17インチ MacBook Pro の一部のディスプレイで、垂直線と歪について表示上の問題に対処している。インストール手順などを含む、このアップデートの詳細については、Apple のウェブサイトに書かれている。このアップデートはソフトウェア・アップデートまたは Apple サポートのダウンロードページから入手できる。(無料アップデート、 770 KB)

Karelia Software の Sandvox 1.6 は、テンプレート・ベースのウェブサイト作成ツールの主要なアップデートだ。このアップデートには、プラグイン発見機能が追加され、ユーザーはサードパーティ製プラグインのリストを Sandvox の中から見ることができる。その他の変更には、サイトのウィンドウタイトルや各ページのメタ記述を個別にカスタマイズする機能が含まれ、Disqus、IntenseDebate、JS-Kit のようなブログのコメント記入システムのサポートが追加されている。(通常版 57 ドル / Pro 版 97 ドル、 アップデート無料 26.3 MB)

SmileOnMyMac の TextExpander 2.6 タイピング・ショートカット・ユーティリティがアップデートされ、新しい展開オプションが追加した。短縮語には先頭にどんな文字(文字、数字、汎用の句読点を含む)を付けても展開するようセットできる(前バージョンでは、短縮語がスペースで始まるもののみが展開できた)。また、“クリップボード復帰の遅延”を指定したり、TextExpander を使ってどの程度時間の節約ができたかを計算する際の“分あたり単語入力速度”を指定したりできる機能も追加された。(新規 29.95 ドル、アップデート無料、3.6 MB)

Bombich Software の Carbon Copy Cloner 3.2 では、古参のバックアップとディスク複製ユーティリティがアップデートされ、様々な性能改善がはかられている。バージョン 3.0 から消えていた、ターゲットボリュームのルートレベルでアイテムを(これらのアイテムがソースボリュームに存在しない場合でも)削除する機能が復活した。その他の変更点には、リモートソースボリュームでのフィルターサポートの追加と、ソースおよびターゲットリストでの non-HFS フォーマットボリュームのサポート、ドキュメントの更新、多数の軽微なバグフィックスがある。変更点のフルリストは Bombich Software のウェブサイトから入手可能だ。(無料、2.8 MB)


ExtraBITS、30-Mar-09 版

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

John Gruber 見たままを語る:執着 x 意見 -- "作りさえすれば、来てくれる。" ヒット曲を書いたり、次の Google を立ち上げたり、或いは次のトップブログを作ったりするのは、やろうとして出来るものではない。しかしあなたの情熱とあなたの執念について伝えることは出来る、そしてそれを飽くことなくかつ人心を引きつけるべくやれば、それはあなたの生計となり得る。それがインターネット出版の秘密であり、我々の TidBITS と Take Control にも当てはまる。(Posted 2009-03-27)

Apple、WWDC 2009 の日付を発表 -- Apple は、毎年開かれる Worldwide Developers Conference (WWDC) を San Francisco で 08-Jun-09 から 12-Jun-09 迄開催すると発表した。開発者達は、間違いなく Snow Leopard と iPhone 3.0 ソフトウェアの詳細に触れる事になろう;問題は、多くの人が楽しみにしている様に、Apple は WWDC をどちらか或いは両方を世の中に出すのに使うのかどうかである。(リンク投稿 2009-03-26)

Adam が iPhone 3.0 ソフトウェアについて MacNotables で語る -- Adam が MacNotables ポッドキャストに戻り、最近発表された iPhone 3.0 ソフトウェアと、それが Apple の目標、つまりアップスを App Store を通して売ることで iPhone ユーザーの忠誠心を確かなものにする黄金の手錠にするということに対してどの様に役割を演ずるのかを論じる。(リンク投稿 2009-03-26)

iiTunes Genius サイドバーが今やビデオも推薦 -- Ars Technica が報じているところによると、Apple はビデオに対する Genius サイドバーのスイッチをオンにし、ほぼ二週間の遅延を経て同機能を稼動させたが、ユーザーは新しいバージョンの iTunes をダウンロードする必要はない。この機能は Apple の iTunes 8.1 に対するリリースノートとその iTunes Web ページで触れられていたが、リリース時には出現していなかった。この Genius サイドバーは今や、Apple にアップロードされそして他の iTunes 顧客の購入履歴と比較された匿名のユーザー情報に基づいて iTunes Store から買うべきビデオを推薦してくる。音楽に対する Genius サイドバーと同様、この機能はオンオフの切替ができる。(リンク投稿 2009-03-25)

17-inch iMac、学校用に残る -- 財政的に苦しい教育市場での競争力を維持するため、Apple は旧型の iMac を学校用として残した。Apple の March 2009 eNews for Education ニューズレターで、"白色の 17-inch iMac は引き続き提供され、値段は $899 から" と記している。このモデルは 2007年に主流の iMac ラインから外れていた。Apple が学校用のみのシステムを提供するのはこれが初めてではない;eMac は最初は教育市場用に製造され、そして後になって一般向けにも提供されるようになった。(リンク投稿 2009-03-24)


TidBITS Talk/30-Mar-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPod が iTunes 経由の iPhoto 同期でエラー -50 -- Adam が写真の同期での問題の解決法を提案するが、この方法にはリスクがある。(メッセージ数 5)

Mac G5 用のメモリスティック・ドライバ -- USB メモリドライブを再フォーマットすれば、奇妙な問題が解決するかもしれない。(メッセージ数 7)

ラップトップ盗難からの教訓_ -- ラップトップ機のデータを保護するための解決策を読者たちが話し合う。(メッセージ数 11)

最新バージョンの Java -- どのバージョンの Java がインストールされているかを知るには、こうすればよい。(メッセージ数 8)

ネットワークで「拡張」対「加入」 -- ある読者が、AirPort ネットワークにおいて拡張するのと加入するのはどう違うかを説明する。(メッセージ数 2)

Xserve の Apple Drive Module 内部に深く潜行_ -- Time Capsule もやはり、Xserve と同じタイプのサーバグレード・ハードドライブを使っているのか? (メッセージ数 2)

iMovie (iLife) アップデート -- Apple がリリースノートに詳しい情報を書かない傾向は開発者用の文書にまで広がっている。(メッセージ数 4)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 4月 3日 金曜日, S. HOSOKAWA