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1676: OS リリース日程、iPhone 15 シリーズ、Apple Watch Series 9 と Ultra 2、USB-C AirPods Pro、USB-C ケーブル購入への助言、Wonderlust からのニュース

実りの季節がやって来た! 先週 Apple 果樹園から収穫されたのは、iPhone 15 シリーズ、Apple Watch Series 9、Apple Watch Ultra 2、それに USB-C 充電ケースを付けて少しだけ変更された AirPods Pro だ。それから今週号でお知らせするのはリリースされたばかりの iOS 17、iPadOS 17、watchOS 10、tvOS 17、HomePod Software 17, それと来週リリースされる macOS 14 Sonoma だ。今週号では Apple のハードウェア関係の発表の中から重要な点を選んで詳しくお伝えするとともに、同社の Wonderlust イベントで明かされた意外なこと、例えば安心できる Roadside Assistance via satellite (衛星経由のロードサービス) を紹介する。最後にもう一つ、Apple が Lightning を止めたのを受けて、新しい USB-C ケーブルや充電器を購入する人のために Glenn Fleishman が助言を述べる。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Microsoft Office for Mac 16.77、Pixelmator Pro 3.4、Airfoil 5.11.6、Audio Hijack 4.2.3、Piezo 1.8、それに SoundSource 5.6.1 だ。

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

2023OS リリース日

Apple は Wonderlust イベントで次期オペレーティングシステムのリリース日については触れなかったが、それ等の日付を核となるオペレーティングシステムに対して関連する Web ページに静かに追加した。macOS 14 Sonoma は 26 September 2023 の予定で、それ以外の全ては本日 18 September 2023 に到着した。

2023 Apple OS release dates

これ等のリンクを辿れば始められる:

これ等のリリースの最初の分については、私は少し待って予期しない何かがニュースに登場しないことを確かめるようお勧めする。その後、新しい機能を探査してみる時間がある時にアップグレードすればよい。

macOS 14 Sonoma については、もっと注意深く進むよう進言する、とりわけ仕事に使っている Mac に関しては。あなたが依存しているソフトウェアの互換性について確信を持てるまで待つべきである。何れにしろ、アップグレードする前にバックアップがある事を確認する。Take Control にいる私の友人からのアップグレードすることに関する全詳細や助言に関しては、Joe Kissell による Take Control of Sonoma と Josh Centers による Take Control of iOS 17 and iPadOS 17 を読んで欲しい。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Apple、AirPods Pro を USB-C ケースと防塵性能向上でアップデート

新しい iPhone 15 と Apple Watch の各モデルに加えて、Apple はアップデートされた第2世代 AirPods Pro も発表した。USB-C に対応しつつ、内部的な変更もいくつか施しているけれども、新世代アップデートとまでは言えない:

アップデートされた AirPods Pro の価格は従来と変わらず $249 だ。Apple は USB-C 充電ケースを別売していないので、ケースを入手するには新たに AirPods Pro を購入するしかない。

Lightning の廃止に向けた努力の一環として、Apple は USB-C バージョンのワイヤード EarPods を $19 で販売開始している。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Apple の Wonderlust イベントで発表された意外なもの 5 つ

Apple の Wonderlust イベントを視聴していた私たちの誰もが、Apple は iPhone 15 と Apple Watch Series 9 と Apple Watch Ultra 2 をリリースするに違いないと“知って”いた。なぜなら、噂はさて置くとしても、これまで毎年のように Apple はそのようにしてきたからだ。けれども、私たちがあまり予期できなかったことも、簡潔にだったかもしれないが、Apple はいくつか発表した。そのうち 5 つだけ、ここに紹介しよう。

衛星経由のロードサービス

衛星通信による Emergency SOS (緊急 SOS) は、昨年の iPhone 14 で登場した魔法のような進歩であった。そのお陰で命が救われた印象的なエピソードもいくつかあったけれども (2023 年 8 月 10 日の記事“衛星経由の Emergency SOS がマウイの山火事で命を救った”参照)、やはり実際には山の中で遭難する人の数よりも辺鄙な土地の道路でタイヤがパンクして困る人の数の方が多いだろう。そこで役に立つのが Apple の新しい Roadside Assistance via satellite (衛星経由のロードサービス) 機能だ。iPhone 14 や iPhone 15 のユーザーが、車の鍵を閉じ込めてしまったり、ガソリンや充電が切れてしまったり、タイヤがパンクしたり、車が動かなくなったり、どこかにはまり込んでしまったりといった、本当に緊急とは言えない理由で救援を求めている場合に、衛星通信経由で通信司令員にメッセージを送れるというものだ。その手順は衛星通信による Emergency SOS (緊急 SOS) 機能を使って緊急要請をする場合とよく似ている。この Roadside Assistance (ロードサービス) は当面米国のみで、American Automobile Association (AAA、米国自動車協会) との提携の下で利用可能だ。AAA は米国最大のロードサービス提供会社で、サービスは AAA 会員特典の一部となる。AAA 会員でない人は別途サービスを購入できるが、Apple はその料金を明かさなかった。

Apple は衛星通信を利用した Find My 地図に誰かの現在位置が示されている写真も公開したが、それを使う際に通知も提供されるようになったか否かには触れなかった。私は今も衛星通信を使った Send My Current Location (私の現在位置を表示) 機能があればよいのにと思っている。記事“衛星通信による緊急 SOS と Find My 機能をテストする”(2022 年 11 月 22 日) に書いた通りだ。衛星通信を使った Emergency SOS と Find My は今月中に Apple がスペインとスイスを加えた後は 16 か国で利用できることになるが (訳者注: 日本は含まれていません)、Apple はこの機能が iPhone 15 モデルを購入すれば 2 年間無料で提供されると繰り返し述べた。ただ、衛星通信による Roadside Assistance 機能が米国以外の国で利用できるようになるのか否かについては何も述べなかった。

Roadside Assistance via satellite and Find My via satellite

iCloud に 6 TB と 12 TB のプラン登場

ずっと以前から iCloud+ の最大容量は 2 TB であったが、現実にそれよりもっと多くの容量を必要とする Apple ユーザーもいる。Wonderlust イベントの最中に Apple は価格設定について何も述べなかったが、イベント後に Apple は個別の発表として iCloud+ の料金ページを更新し、プランの詳細も公開した。6 TB の料金が月額 $29.99、12 TB が月額 $59.99 だ。決して安くはないが、より大きなストレージを必要とする人がいるという事実を Apple が認めたのは良いことだ。ひょっとすると Apple は将来のアップデートで Time Machine バックアップを iCloud に作成できるようにしてくれるのではなかろうか?

New iCloud+ storage tiers

FineWoven が Apple 製品ですべての革製品に代わる

すべての製品を 2030 年までにカーボンニュートラルにするという努力の一部として、Apple は革を使った製品の販売をすべて廃止すると述べた。その昔の Twentieth Anniversary Mac のキーボードに革製のパームレストが使われて以来長い年月が経つが、現時点でこの決定の影響を受ける製品は Apple Watch の革製バンドと iPhone ケースのみだ。Apple はそれらに代えて、FineWoven という名前の耐久性ある綾織の布地を使うことにした。68% がリサイクル素材で作られている。Apple によればこれは「微妙な艶を持つスエードのような柔らかい感触」だとのことで、iPhone の MagSafe ケースやウォレット、加えて Apple Watch バンドの Magnetic Link や Modern Buckle タイプにも使われる。

AirPods や Apple Watch を USB-C iPhone から充電

Apple が iPhone 15 シリーズを USB-C に移行させたことと、AirPods Pro 用の USB-C 充電ケースを出したことは予想通りだった。ただ、私が予想していなかったのは、その発表の後に Apple が素早く付け加えた事実だ。iPhone 15 の各モデルを使って、AirPods や Apple Watch を充電できるようになる。たいていの人にとって別に大したことではないだろう。AirPods や Apple Watch を充電するよりも、iPhone をできるだけ充電された状態に保つ方が重要であることが多いからだ。でも、いざという時にはありがたいかもしれない。出掛ける前に AirPods や Apple Watch を充電し忘れたことを、外出先で思い出したような場合だ。

Apple は引き続き環境を重視

最後にもう一つ、Apple は環境に関する取り組みについてますます多くを語るようになってきているが、今回のイベントではこれまでにも増してその話題が多く語られた。今年の新製品が概して漸進的なものばかりで、語るべきことがあまりなかったからなのかもしれないが、それでも Apple ほどの規模の会社が環境的目標と達成度を前面に掲げているのはやはり重要なことだ。いずれにしても、Apple Watch Series 9 と Apple Watch Ultra 2 が両方とも、少なくとも特定のバンドと組み合わせればカーボンニュートラルと言えるのは嬉しい。

けれども、Apple が制作した 5 分間のビデオ は、CEO の Tim Cook や環境・政策・社会イニシアティブ担当副社長 Lisa Jackson をはじめとして居並ぶ Apple 重役たちが緊張した様子で Octavia Spencer 演じる Mother Nature (母なる自然) を迎え、報告をするというものだが... とにかく奇妙だった。Apple の面々が同社の環境への取り組みの成果をいくつか紹介するのだが、Mother Nature はそれに異議を唱えたり、述べた人を困らせたりしつつ、一貫して面白くなさそうな表情を浮かべており、最後は Tim Cook とにらみ合いをした挙句に、来年また来ると言って去るのだった。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

2023 Apple Watch モデルにダブルタップジェスチャが加わる

Wonderlust イベントで、Apple は最新モデルの Apple Watch - Apple Watch Series 9Apple Watch Ultra 2 - を発表したが、技術的改善はマイナーで工業デザインに変更は無い。技術的改善は、新しい S9 SiP ("System in Package" の略で、幾つものチップを一つのキャリアパッケージに纏めたもの)、S9 に含まれる第二世代 Ultra Wideband チップ、そしてより明るさを増したディスプレイ技術から来ている。変更に含まれるのは:

Apple Watch Series 9 spec card Apple Watch Ultra 2 spec card

Apple Watch Series 9 は、41mm アルミニウム GPS のみのモデルで $399 から始まる;45mm モデルは $30 高く、セルラー対応は $100 追加となる。色は、ピンク、ミッドナイト、スターライト、シルバー、そして PRODUCT(RED) とあるが、PRODUCT(RED) は赤の Sport Band だけが選択肢となる。ステンレススチールでは、41mm モデルが $699 からでセルラー接続性が含まれる;45mm モデルは $50 高い。Rubber バンドは追加費用無しで含まれる;テキスタイルの一部と全てのステンレススチールバンドは $50 から $300 高となる。Apple Watch Ultra 2 の価格は変わらずに $799 で、新しい Alpine Loop, Trail Loop, 或いは Ocean Band からの選択が含まれる。

Apple は新しい Apple Watch モデルの予約注文を 15 September 2023 から受け付けており、出荷は 22 September 2023 からとなる。

アップグレード判断

以前のモデルではあるが完全に機能している Apple Watch からこれ等のモデルのどちらかへとアップグレードすることに対して新たな熱意をかき集めるのは容易いことではない。タイマーを止めたり、電話に出たりするのに空いた手がないと言う経験をしばしばしているのであれば、ダブルタップのジェスチャは考慮に値するかもしれない。他の改善点についても反論するつもりもないが、それ等は多くの人々にとってアップグレードに値する程魅力的ではない。

しかしながら、Apple Watch を初めて買いたいとか、もうかなり古いモデルだとか、電池が一日の使用に耐えられなくなっているとかであれば、Apple Watch Series 9 或いは Apple Watch Ultra 2 のどちらを選んでも間違いはない。主たる質問は、値段の他に、あなたは本格的なアウトドア派であるか、そして、嵩張った Apple Watch Ultra に見合うしっかりした腕を持っているかである。また Apple は今でも第二世代 Apple Watch SE を売っていることをお忘れなく。それには Always-On ディスプレイも、Series 9 にはある ECG 能力も無いが、$150 安い。もしどのモデルが合っているか分からない時は、Apple の比較ページが手助けしてくれる。

Apple Watch を買う段になったら、何を一番気にしますか?

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

iPhone 15 は写真と接続性に集中した漸進的な進化

2023 年 9 月 12 日の Wonderlust イベントで、Apple は主として漸進的な進化を施したと見られる iPhone 15 シリーズを発表した。昨年のやり方をそのまま引き継いで、Apple は 6.1 インチ iPhone 15 と 6.7 インチ iPhone 15 Plus に加えて 6.1 インチ iPhone 15 Pro と 6.7 インチ iPhone 15 Pro Max を登場させた。第3世代 iPhone SE、iPhone 13、および iPhone 14 も販売を続けることで低価格の選択肢を提供している。ただし今回 iPhone 13 mini が製品一覧から消えて、Apple の 5.4 インチ iPhone は終了となったようだ。

2023 iPhone lineup

Apple は既に 2023 年 9 月 15 日に新しい iPhone 15 モデルの予約注文受付を開始しており、出荷は 2023 年 9 月 22 日に始まる。

iPhone 15 と iPhone 15 Plus

Apple はシリーズの中の Pro モデルの製品の方に主に革新を注ぎ続けているけれども、基本モデルの iPhone 15 と iPhone 15 Plus もそれぞれにいろいろな意味で従来のものより進化している。その進化のいくつかは iPhone 14 Pro に搭載していた A16 Bionic チップを採用したことによるものだ。

iPhone 15 spec card

iPhone 15 と iPhone 15 Plus はピンク、イエロー、グリーン、ブルー、ブラックのパステル調の色合いから選ぶことができ、ストレージ容量は 128 GB、256 GB、512 GB から選べる。価格は iPhone 15 が $799 から、iPhone 15 Plus が $899 からだ。

iPhone 15 Pro と iPhone 15 Pro Max

Apple 製品は価格が高いと嘆く人たちが多い一方で、Apple は最高の製品を最高の価格で販売することで非常に良い成果をあげてきた。 今回の iPhone 15 Pro と iPhone 15 Pro Max を見てもそのことは明らかだ。Apple はこれらの Pro モデルにそれぞれ基本モデルより $200 高い値札を付けつつ、革新的な機能を加えている。衛星経由のロードサービスと第2世代 Ultra Wideband チップは基本モデルと同じだが、Pro モデルのみの機能としては以下のものがある:

iPhone 15 Pro spec card

iPhone 15 Pro と iPhone 15 Pro Max の表面仕上げはブラックチタニウム、ホワイトチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウムの 4 つから選べる。iPhone 15 Pro の価格は 128 GB の $999 からで、256 GB、512 GB、1 TB のストレージオプションもある。iPhone 15 Pro Max の価格は 256 GB の $1199 からで、512 GB と 1 TB のストレージオプションもある。昨年の iPhone 14 Pro Max の価格は $1099 からであったがそれは 128 GB のストレージに対してであり、今はそのオプションがもうないので、基本的に価格は同等と言える。あるいは、インフレーションを考慮に入れるならば価格はむしろ安くなったと言うべきだろう。[訳者注: 日本では為替レートの変化によって価格が昨年より高くなっています。]

アップグレードの決断は

昨年の私たちは、iPhone 14 へアップグレードすべき理由はあまりないけれども、iPhone 14 Pro については 48 メガピクセルカメラ、Always-On (常時表示) ディスプレイ、Dynamic Island などの魅力が大きいと書いた。けれども今年はその反対のことが言えると思う。

iPhone 15 には新たに A16 Bionic チップ、48 メガピクセルカメラ、Dynamic Island、計算写真学の進化が加わったので、iPhone 12 や iPhone 13 を持っている人にとってはアップグレードの決断がしやすいだろう。たった一年しか経たない iPhone 14 を持っている人にとってはなかなか難しい判断になるが、それでもそこに飛び込めば違いが実感できるだろう。

しかしながら、iPhone 15 Pro と iPhone 14 Pro の違いの恩恵を実感できるのは主としてプロフェッショナルたちだけかもしれない。A17 Pro、USB 3、あるいは Wi-Fi 6e によるパフォーマンス向上も、気付かない人の方が多いのではないか。いつも通りにカメラの向上に注目しているファンたちは多いだろうが、そもそも 5x Telephoto (望遠) カメラは iPhone 15 Pro Max にしか搭載されず、確かにそれは素敵なカメラだけれどもそこまで大型のスマートフォンは考慮の対象外だと考える人は (私を含めて) 多いのではなかろうか。

そういう訳で、私としては iPhone 14 Pro からのアップグレードを多くの人たちに勧めたいとは思わない。カメラの向上と Action ボタンだけでは、私は買い替える気持ちになれない。でも、iPhone 13 Pro あるいはそれ以前を持っている人にとっては、iPhone 14 Pro を際立たせていた機能も得られるのだから、決断しやすいことだろう。

皆さんはどんなアップグレードの決断になっただろうか?

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

iPhone 15 用の USB-C ケーブルと充電器で無駄遣いは避けよう

かれこれ十年近くにわたり USB-C の喜びについて文章を書いてきた者として (例えば 2021 年 12 月 3 日の記事“USBefuddled: USB-C の標準とケーブルの混乱したもつれを解く”参照)、180 度反転可能、高速、高ワット数のこのケーブル規格がテクノロジー業界に次第に広く行き渡り、ついには iPhone 15 シリーズにまで到達した様子を見て、大いなる喜びを感じた。

USB-C ケーブルが 180 度反転可能だという事実は、USB Type-A に比べても (どうやら USB Type-A も反転可能であり得たらしい)、台形みたいな変な形の USB Micro Type-B に比べても、常に利点であった。また、USB-C は他に比べて頑丈でもあり、折れたり曲がったりしにくい。加えて、少なくとも 60 ワット、最新の規格のものなら最大 240W まで扱えるとなれば、どこに不満があるだろうか? (USB-C のコネクタを使う Thunderbolt 4 は、ケーブルに最小限 100W の能力を要求する。)

iPhone 15 のいずれかのモデルを購入すれば、これまで使っていた Lightning の選択肢を置き換えまたは補完するための、適切なケーブルを買わなければと探し回ることになるだろう。(少なくとも今から十年前に Lightning へ移行した際の、それまで使っていた 30-pin 接続のスピーカーシステムが全く使い物にならなくなるような状況に追い込まれることはない。) その際に、Apple から $29 で出ている USB-C to Lightning アダプタを購入することはお勧めできない。その値段では、両側に USB-C プラグが付いて 40 Gbps の Thunderbolt 4/USB4 速度と 100W に対応する 2 フィート長ケーブルの大多数よりも高い。

その代わりに、アダプタを追加するのでなくケーブルを買い替えることをお勧めしたい。USB Type-A to USB-C のケーブルが $10 以下で手に入るというのに、いったいなぜ USB Type-A to Lightning ケーブルを充電目的で使い続けるのか? あるいは、やはりアダプタの方が望ましいというなら、Lightning, Type-A, USB-C の小型アダプタの 6 個パックで良いレビューを得ているものが $10 程度で手に入る。ただし、サードパーティの USB ケーブルやアダプタを買う際にはレビューを注意深く読んで、その品質や過熱の可能性についてのコメントを探しておこう。Apple が Lightning に基づく製品に MFi ブランドや認定プログラムを通して定めているレベルの基準を、必ずしもすべての製品が満たしている訳ではないのだから。

特に転送速度に注意しよう。Lightning アダプタの中には電源専用に作られているもの、さらには通常速度の (つまり高速でない) 充電をするものさえある。ご想像通り、その種のアダプタはデータを一切通さない。充電目的の USB-C ケーブルでも状況はそれよりほんの少しマシなだけで、データ転送は USB 2.0 レベルつまり 480 Mbps しかないものが多い。Apple の新製品 240W USB-C 充電ケーブルも、全モデルの iPhone 15 に同梱されている充電目的 USB-C ケーブルも、やはりそのタイプだ。iPhone 15 と iPhone 15 Plus の場合は、もともと USB-C の接続速度が最大 USB 2.0 レベルつまり 480 Mbps なので、もっと安価なケーブルでも使える。

しかしながら、iPhone 15 Pro と iPhone 15 Pro Max の場合は、Apple が 10 Gbps USB 3 対応 (技術的に言えば USB 3.2 Gen 2) を提供しているので、ケーブルも USB 3 対応と明記したもの (USB-C USB 3 ケーブルはすべて 10 Gbps に対応する) または Thunderbolt 4/USB4 ケーブル (Thunderbolt 3 と USB 3 に後方互換) が必要となる。USB ケーブルがどの規格に対応しているかを見分ける方法については記事“USB がブランド戦略を簡素化しアクティブケーブルを再導入”(2022 年 9 月 29 日) をご覧頂きたい。私のお奨めは OWC から出ている Thunderbolt 4/USB4 ケーブルだ。どの長さのものも、しっかり作られていて価格も安い。(USB と Thunderbolt について、とりわけ適切なケーブルと速度と電力の組み合わせについて何から何まで詳しく知りたい方は、どうぞ私の著書 Take Control of Untangling Connections をお読み頂きたい。)

充電器を探すとなれば、ありとあらゆるものが候補に思えるかもしれない。単独の充電器については、どのデバイスを充電したいかにもよるが、少なくとも 20W を提供するものならば十分役に立つだろう。iPhone を高速充電するためには最低限それが必要だ。以前から私は Anker の充電器と USB バッテリーを気に入っていて、$19.99 のプラグ折り畳み式 Nano 3 30W 充電器が十分にパワフルで iPhone、iPad、または MacBook Air を一台ずつ充電するために使えている。Anker からはもっと高価で高ワット数、複数のポートを持つ充電器も出ていて、そういうものは GaN (窒化ガリウム) 半導体を使って高温でもうまく動作でき、コンパクトなフォームファクターでありながらより高いパワーの充電器を実現している。

すべてを USB-C に移行させることの喜びは、電力を食うテクノロジー機器を鞄に詰め込んで自宅や仕事場を出る際にもたった 1 つの充電器とケーブルを 1 本か 2 本入れるだけで済む時にこそ実感できるものだ。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Microsoft Office for Mac 16.77 Agen Schmitz

Microsoft Office for Mac 16.77

Microsoft がバージョン 16.77 の Office for Mac をリリースして Microsoft Purview Information Protection (Microsoft Purview 情報保護) への対応を追加した。今はこれが Word、PowerPoint、Excel の書類、および Outlook の電子メールメッセージにおけるデフォルトの暗号化メカニズムとなっている。Outlook ではバニティドメインを適切にサポートできるよう認証フローが改善され、GMT で作成された一部の終日イベントがカレンダープレビューで1日遅れて表示された問題を修正し、ユーザーが複数のメールを印刷できない問題を修正した。(一回限りの購入 $149.99、年払い講読オプション $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.15+)

Microsoft Office for Mac 16.77 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 3.4 Agen Schmitz

Pixelmator Pro 3.4

この画像エディタにビデオ編集機能を追加した (2022 年 12 月 9 日の記事“Pixelmator Pro 3.2.2”参照) Pixelmator Team は、今回 PDF 編集機能にも対応させた Pixelmator Pro 3.4 (愛称 Camelot) をリリースした。このアップデートで改訂された PDF エンジンは、複数ページの PDF 書類から個々のページを選択して開くことができ、Safari、Pages、その他の iWork アプリで作成した PDF を編集でき、複数個のファイルを Shortcuts アプリの更新された Convert Image/Video アクションを使って PDF に変換できる。Pixelmator Pro はまた、図形や画像の要素をレイヤーに持つベクター PDF の読み込みができ (macOS 12 Monterey かそれ以降が必要)、Shortcuts を使ってファイルをベクター PDF に変換したり、新しい Preserve layers 設定を使ってすべてのレイヤーを統合したりできる。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、633.3 MB、 リリースノート、macOS 11+)

Pixelmator Pro 3.4 の使用体験を話し合おう

Airfoil 5.11.6, Audio Hijack 4.2.3, and Piezo 1.8 Agen Schmitz

Airfoil 5.11.6, Audio Hijack 4.2.3, Piezo 1.8

Rogue Amoeba が同社の3つのオーディオユーティリティをアップデートして、macOS 14 Sonoma への初期対応を提供した。Airfoil 5.11.6 (ワイヤレスオーディオ放送)、Audio Hijack 4.2.3 (フル機能のオーディオ録音)、Piezo 1.8 (シンプルなオーディオ録音) だ。いずれも Audio Capture Engine 11.9.4 を搭載して Xcode Playgrounds からのオーディオを正しくキャプチャできるようになり、新しい Permissions ウィンドウで Microphone Access のアクセス権を手軽に有効にでき、また最小システム要件を macOS 11 Big Sur とした。

Audio Hijack と Piezo は Nextiva VoIP デスクトップアプリに対応し、また Audio Hijack は Parametric EQ が平行チェインの中でオーディオにエフェクトを不正に施すことがあったバグを修正し、iPlug2 SDK で組み込まれた Audio Unit プラグインでのマウス応答性を正しくし、録音切替の際に Inspector の Tag フィールドを正しく更新するようにした。Airfoil は Settings ウィンドウでグローバルショートカットにマイナーな調整を加え、Track Titles スクリプトが指定されたロケーションのすべてから正しく読み込まれるようにした。(Airfoil は $35、44.8 MB、リリースノート。Audio Hijack は新規購入 $64、36.6 MB、リリースノート。Piezo は $25、24.3 MB、リリースノート。いずれも TidBITS 会員には 20% 割引、無料アップデートで macOS 11+ を要する)

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SoundSource 5.6.1 Agen Schmitz

SoundSource 5.6.1

Rogue Amoeba が SoundSource 5.6.1 をリリースして、macOS 14 Sonoma への初期対応を追加するとともに、このオーディオコントロールユーティリティに数多くの改良を加えた。今回のリリースでは Audio Capture Engine をバージョン 11.9.4 にアップデートして Xcode Playgrounds からオーディオを正しくキャプチャできるようにし、新しい Permissions ウィンドウで Microphone Access のアクセス権を手軽に有効にできるようにし、Headphone EQ および 10-Band EQ エフェクトをアップデートして 64-bit 信号処理を可能にし、最新版の CrossOver を通して走っているアプリケーションをより一貫性を持って探知できるようにし、Steam ゲームでオーディオ処理が重複していた問題を解消し、Mac をスリープから復帰させた際に一部の USB デバイスで起こることがあったクラッシュに対処し、汎用の Audio Unit スライダーで VoiceOver 読み上げを修正した。SoundSource 5.6.1 は macOS 11 Big Sur かそれ以降を必要とする。(新規購入 $39、TidBITS 会員には 20% 割引、無料アップデート、29.2 MB、リリースノート。macOS 11+)

SoundSource 5.6.1 の使用体験を話し合おう