TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1274/01-Jun-2015

先週 Memorial Day (戦没者追悼記念日) の休暇を頂いた TidBITS 週刊号だが、今週はたくさんのニュースをお届けする。Apple が Apple Watch のオペレーションシステムをバージョン 1.0.1 にアップデートしたので、Josh Centers がアップデートをどうやってインストールするのかを説明する。Apple はまた 15 インチ Retina ディスプレイモデル MacBook Pro をアップデート、廉価版の Retina 5K ディスプレイモデル iMac をリリース、新しい iPhone dock を出荷した。Automatic は同社の自動車用周辺機器に接続するための新しいアプリプラットフォームを開始し、Smile は Mac 用の TextExpander 5 をリリースしてスニペットを提案する機能を加えた。さらにもう一つのニュースとして、Jason Snell の "Photos for Mac: A Take Control Crash Course" が発売された。機能に関する話題としては、Adam Engst が iCloud Photo Library にインターネット接続を食い尽くされないようにする方法を説明し、Josh が最新の FunBITS 記事として Apple Watch の持つゲーミングでの可能性を考察する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、DEVONthink/DEVONnote 2.8.5、Audio Hijack 3.1、PopChar X 7.1、BBEdit 11.1.1、Little Snitch 3.5.3、OmniFocus 2.2、LaunchBar 6.4、それに Microsoft Office 2011 14.5.1 だ。

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Apple Watch 1.0.1 アップデートをインストールする

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は、初めてとなる Apple Watch ソフトウェアアップデートをリリースした。Apple Watch OS 1.0.1 で、これは次のものに対する性能向上を図っているとしている:Siri、立ち上がりの測定、室内自転車こぎと船漕ぎ運動に対するカロリー計算、屋外歩きと走りの運動中の距離と歩速、アクセシビリティ、そしてサードパーティアプリである。Watch OS 1.0.1 はまた、OS X 10.10.3 と iOS 8.3 ("Apple、Photos の入った OS X 10.10.3 をリリース" 8 April 2015, 及び "iOS 8.3、改善が雪崩をなす" 8 April 2015) で導入された絵文字に対するサポートを追加、更に Brazilian Portuguese, Danish, Dutch, Swedish, Russian, Thai, そして Turkish に対する言語サポートも追加している。その他広範囲なセキュリティアップデートもある。

しかし、このアップデートをどの様にインストールするかは自明ではない。時計自体の設定は見る必要がない。代わりに、iPhone 上の Apple Watch アプリを開き、それから My Watch ビューで、General > Software Update をタップする。Download and Install をタップする前に、次のことをしておく必要がある:

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Apple の狙いは、時計を遮断してしまうことでアップデートが部分的になってしまうことを防ぐことにある様に見える。と言うのも、それは iOS 機器でのように、ただ単に iTunes につなげばいいという話ではないからである。更に、念のため iPhone も 10-30 分間は動くに十分なだけの充電量が残っているのを確認するか、或いはアップデート中は充電器に接続しておくのも良い考えである。

何らかの理由でこのアップデートがインストールされない場合、最初に試すべきは iPhone を再起動することで、 Sleep/Wake ボタンを Slide to Power Off のスイッチが現れるまで押し続け、それを右にスライドし、その後 Sleep/Wake を再度押して電話を復帰させる。もしこれがダメなら、Apple Watch の再起動を試みる、それには、側面のボタンを Power Off スイッチが現れるまで押し続け、そのスイッチを左から右にスライドさせて時計の電源を落とし、それからその側面のボタンを再度押して時計を復帰させる。

これ迄の所、我々はこのアップデートで何かが大きく変わったというものには気づいていない。各種の機能は少々速くなっているかもしれないが、はっきりと言い切れる程ではない。

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"Photos for Mac: A Take Control Crash Course" 完成

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

我々は、4 月に Macworld の前主幹 Jason Snell の "Photos for Mac: A Take Control Crash Course" の早朝版を出版して、概観を提供、そして公開ベータを試している人達のためのヘルプをインポートする手助けを意図した。このベータ期間は長くは続かず、今や誰もが OS X 10.10.3 Yosemite と 1.0 リリースの Photos へアップグレード出来る。もしこの移行過程で、或いは Photos を学ぶのに手助けを必要とするなら、我々はこの完成本をたったの $10 で提供出来るのを嬉しく思う。

この中で、Jason は、今すぐ Photos に移行すべきかどうかを決断する手助けをし、写真ライブラリを iPhoto や Aperture からインポートする手順を解説、Photos インターフェースと画像の整理方法を説明、編集ツールをすぐに使えるようにし、そして写真を iOS 機器や Apple TV にコピーする手助けをする。彼はまた、ブック、カード、カレンダー、そしてスライドショーの作り方も示す。

とりわけ有用なのは、Photos が iCloud と共にどの様に働くのかの説明であり、あなたの全ての機器のための一元的な写真ライブラリを作成するために iCloud Photo Library を使うこと、そして iCloud Photo Sharing 経由で、友人や家族と写真を共有することも含まれる。我々は今では iCloud Photo Library を有効にしても大丈夫だとは思っているが、そのことであなたのインターネット接続が過負荷となる可能性もあることを知っておくべきである。Jason はこの事態に対処するための助言を提供しているが、この本を完成させた後、我々は助けになるかもしれない凝った技術に出くわした;"iCloud Photo Library のアップロードを絞る方法" (20 May 2015) を参照。

"Photos for Mac: A Take Control Crash Course" は数多くの火急の疑問にも答えている、例えば:

写真を編集する手順が書かれており、そこには次の様な手助けが含まれる:

また、次の様な助言も得られる:

我々の他の Crash Course の様に、"Photos for Mac: A Take Control Crash Course" も内容は簡潔で、手早く読める。全ては現代的な雑誌風のレイアウトの PDF で、EPUB や Mobipocket にも変身出来るフレキシブル性を備えている。それぞれの章には、最後に討論と共有のボタンが付いているので、質問をしたり、章を Facebook 友人、Twitter フォロワー、等々と共有し易くなっている (遠慮なくどうぞ!)。

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Apple、更新された MacBook Pro, iMac, そして iPhone Dock をリリース

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は 15-inch MacBook Pro Retina ディスプレイモデルをアップデートし Force Touch トラックパッドを搭載、iMac Retina 5K ディスプレイモデルに新しく $1,999 の構成を導入、オリジナルの iMac Retina 5K ディスプレイモデルを値下げ、そして新たに Lightning コネクタ付きの iPhone ドックを出した。

新しい MacBook Pro -- 新しい Force Touch トラックパッドは、アップデートされた 15-inch MacBook Pro Retina ディスプレイモデルでは一番注目を集めるものだと思われるが、実際には他にも幾つかの変更がなされている。特に 95-watt-hour 電池から 99.5-watt-hour 電池への移行で電池寿命は 1 時間伸びた (最大 9 時間)。そして Nvidia GeForce GT 750M グラフィックスプロセッサから AMD Radeon R9 M370X への変更で、新しい上級モデルは最大 2 台の外部ディスプレイを 3840 x 2160 (以前は 2560 x 1600) の解像度で、或いは 1 台の外部ディスプレイを最大 5120 x 2160 で駆動出来るようになった。最後に、技術仕様では触れられていないが、Apple はフラッシュストレージが前の世代のものより 2.5 倍高速になったとしている。その他の仕様や値段に変更はない。

これが意味する所は、新しい 15-inch MacBook Pro Retina ディスプレイモデルは、値段が $1,999 から始まり、2.2 GHz (Turbo Boost 付きで最大 3.4 GHz) quad-core Intel Core i7 プロセッサ、16 GB の 1600 MHz RAM, 256 GB のフラッシュストレージ、そして Intel Iris Pro Graphics を搭載している。Build-to-order CPU オプションには 2.5 GHz quad-core Intel Core i7 プロセッサ ($100) と 2.8 GHz quad-core Intel Core i7 ($300) が含まれる。ストレージ側では、512 GB のフラッシュストレージ ($300) 或いは 1 TB のフラッシュストレージ ($800) の選択が出来る。

上級機 15-inch MacBook Pro Retina ディスプレイモデルは、2.5 GHz (Turbo Boost 付きで最大 3.7 GHz) quad-core Intel Core i7 プロセッサ、512 GB の フラッシュストレージ、そしてあの新しい AMD Radeon R9 M370X グラフィックスプロセッサに 2 GB の GDDR5 メモリ付き (ntel Iris Pro Graphics に加えて) で $2,499 からとなっている。Build-to-order オプションには、2.8 GHz quad-core Intel Core i7 ($200) と 1 TB のフラッシュストレージ ($500) が含まれる。

新しい iMac -- Apple はまた iMac Retina 5K ディスプレイモデルの安価版をリリースした。最初のモデルの値段は $2,499 から始まっていた。この新しい入門レベルのモデルは $1,999 から始まるが、価格故に技術仕様上で三つの犠牲を払っている:

このストレージの交換は受け入れられないというのであれば、1 TB Fusion Drive に $200 で戻せるし、或いは単により上級のモデル切り替える手もあり、この場合価格は $2,499 から $2,299 に下げられている。このより上級モデルの仕様には変更はない;詳細については、"Apple、Retina ディスプレイモデル iMac を発表、Mac mini を更新" (16 October 2014) 参照。

iPhone ドック -- Mac 圏外では、Apple は白色プラスチックの iPhone Lightning Dock をリリースした。これは再デザインされた iPhone ドックで、値段は $39 である。これは iPhone 5 とそれ以降 (より大型の iPhone 6 や iPhone 6 Plus も含む) 及び第五世代 iPod touch に対応する。そのデザインゆえ、以前の Apple ドックでは対応していなかった各種のケースにも対応するはずである。これは Apple の正規品という肩書きは持っているが、他の多くの iPhone ドックでは、より興味深い材料や工業デザインを採用している。

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Automatic が App Gallery を開始

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

(TidBITS スポンサーの) Automatic については以前にも記事を書いた。この会社は、あなたの自動車に差し込んでデータを対となるスマートフォン上のアプリに転送する、Bluetooth ドングル (Link と呼ばれる) のメーカーだ。それにより、そのアプリはあなたの運転の習慣を追跡し、危険の可能性を警告し、その他非常に多数の機能も提供する。(2015 年 5 月 14 日の記事“みんなのための Automatic”参照。)

インターネット自動化サービス IIFTTT には、Automatic も以前から対応していたが、今では 20 以上のさまざまなアプリが対応しており、それらすべてが Automatic App Gallery に集められた。

Automatic やその他のアプリでできることの実例をいくつか挙げてみよう:

残念ながら、修正の必要な欠陥がまだ残っている。FreshBooks アカウントを Automatic アカウントとリンクさせようとすると、"expired_authorization" エラーが出た。また、アプリやサービスを Automatic とやり取りさせる方法が必ずしもすぐに分かる訳ではなかった。App Gallery に書いてある説明には曖昧なところもあったからだ。

サードパーティのアプリもたくさんあるが、Automatic は自らのアプリも二つここに含めている。ティーンのドライバーを指導するのに役立つ License+ 機能を独立のアプリに分離させたものがある。(これで、License+ がメインのアプリの重要なデータを締め出すことがなくなる。)Automatic はまた、プライベートベータ版の Automatic Fleetも出した。これは複数の自動車を管理する者がそれぞれのドライバーの現在位置と運転パターン、個々の車両ごとにメンテナンスがいつまでに必要か、自動車隊の運営にどれだけの費用がかかるかを見られるようにするものだ。

App Gallery にあるアプリのいくつかを使えば車の中でエンジンのデータをリアルタイムでモニターできるようになるが、その機能を利用するためにはリリースされたばかりの第二世代の車内アダプタが必要だ。新しい Link アダプタにはデュアル Bluetooth ストリームが装備されてリアルタイムのエンジンデータに対応するとともに、改善されたコネクタと、内蔵 GPS が備わる。新しい Link は古い機種と同じ価格で販売されている。定価は $99.95、TidBITS 割引で $79.96 だ。

既に第一世代の Link を持っている場合、新しいハードウェアにアップグレードする必要があるだろうか? OBD FusionDashCommandHarry's LapTimer などのアプリでリアルタイムのデータが本当に必要であるのでない限り、その答はノーだ。同社から聞いたところによれば、新しい機器に内蔵された GPS は実際には信頼性の問題に対処することを狙ったものだという。とりわけ自動車の中では、金属製のパーツも電気的活動も多いので Bluetooth 接続が当てにならないことがあるからだ。もしもあなたが Link とスマートフォンの接続が頻繁に途切れるトラブルを抱えているなら、あるいは第一世代のハードウェアをごく最近に購入してやはりリアルタイムのデータ機能が欲しいと思うなら、 support@automatic.com に連絡してみるとよい。(どうか忍耐強くして頂きたい。今は Automatic のサポート担当スタッフが手一杯の状態なので。)

最近になって Automatic Link を注文した場合は、既に第二世代のハードウェアをお持ちかもしれない。発表の一週間前から第二世代の出荷が静かに始まっていたからだ。同社はどちらのハードウェアかを識別できる ビジュアルガイド を出している。

たとえ第一世代の Link アダプタであっても、App Gallery のお陰で以前よりパワフルな Automatic となるだろう。とりわけ、ビジネス目的で運転していて走行距離と出費を追跡したい場合には大きな進歩となるだろう。

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Mac 用 TextExpander 5 がスニペットを提案する

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

スマイルに満ちた Smile 社の人たちが(そう、彼らは 実際よく微笑む)同社のテキスト展開アプリ、 Mac 用 TextExpanderiOS 用 TextExpander touch のアップデートをリリースして、スニペット提案機能、iCloud Drive 互換性、拡張されたスニペット検索機能、新しいスクリプティング機能を加えた。

Mac 用 TextExpander 5 は OS X 10.10 Yosemite の見栄えと機能を利用できるよう完全に書き直され、実際今回から Yosemite を必要とする。以前のバージョンの OS X を使っている人も、見捨てられたと思う必要はない。Smile は 10.4 までずっと遡ってどのバージョンの OS X でも走るようにいくつかのバージョンの TextExpander を用意している。

Yosemite のルック&フィールを取り入れたこと以外にも、TextExpander 5 は数多くの便利な新機能を盛り込んでいる。中でも最も目立つのは Suggestions 機能だ。これは、あなたが何をタイプしたかを監視して、繰り返しタイプされる単語や言い回しを見つけたと判断すれば、スニペットの候補として提案する。提案はメイン画面の右上隅に短時間出る通知としても、TextExpander スニペットライブラリの Suggested Snippets の中の項目としても現われる。提案されたものをスニペットにするには、TextExpander の Keep Suggestion ボタンをクリックしてそのスニペットに略語を割り当てるだけでよい。

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TextExpander 5 はまた、既に TextExpander スニペットになっているものをあなたがタイプした場合にもそれと気付いて、そのことを通知で知らせてくれる。スニペットライブラリがあまりにも大きくなり過ぎて、スニペットを全部覚えていられないような場合に便利だ。

心配ご無用! TextExpander 5 は、あなたがタイプする単語を全部監視してそれをどこか秘密の監視センターにいる謎の人物にすべて報告するようなことは一切しない。TextExpander 5 の内部的記録はアプリを再起動すれば消えてしまうし、このアプリはあなたがタイプしたものを保存したりしない。その代わりに、あなたがタイプしたものの数字による「ハッシュ」を作成する。これは、多くのアプリでパスワードがエンコードされるやり方に似ている。また、これら二つの提案機能を気に入らなければ、いずれもオフに設定できる。

また、TextExpander 5 はあなたが覚えていないスニペットを見つけるためのもう一つの機能も提供する。たぶんこちらの方がもっと便利だろうと思うが、それがインライン検索だ。タイプしている最中にあなたがホットキーの組み合わせを押せば、テキストを入力しようとしている場所の近くに検索ウィンドウが現われて、あなたが最後にタイプしたものにマッチするスニペットを見つけようと試みる。あるいは、必要に応じてこの検索ウィンドウに別のテキストを入力することもできる。

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スクリプトスニペット用には、TextExpander は従来の AppleScript と Unix シェルスクリプトに加えて JavaScript にも対応した。標準的な JavaScript スクリプトを実行するスニペット(例えば、ウェブページ上でテキスト処理や数式演算に使うものなど)を作ることもできるし、また Apple の JavaScript for Automation を使ったスニペットで Mac 上での操作を実行するスクリプト(例えば、Mail で定型文のコンテンツを含むメッセージを作成するスニペットなど)を書くこともできる。

複数個のデバイス上で TextExpander を使う人は、今回から iCloud Drive 経由でスニペットライブラリを共有できるようになった。あるいは、クラウドベースのデータ共有なら何と言っても Dropbox の方が好きだという人のためには、TextExpander 5 はそのサービスにも対応して拡張した機能を組み込んでいて、共有スニペットライブラリを Dropbox 階層内のどの場所に保存するかも指定できる。

今述べた機能は iOS 用の TextExpander touch も合わせて使っている人には特に便利だろう。Smile はそちらのアプリもアップデートしたからだ。従来のバージョンと同じく、TextExpander touch 3.5 は iCloud Drive や Dropbox を経由してスニペットの共有ができるので、それはつまり、今回から Mac も iOS デバイスもすべて同じスニペットライブラリを共有できて、その際二つのクラウドサービスのうち好きな方を使えるということだ。

また、TextExpander touch 3.5 には新しいスニペット検索機能と、標準的な JavaScript スニペットを実行できる機能も盛り込まれた。(JavaScript for Automation を使える機能はない。)それから、Mac 上で作ったスニペットの中には iOS に適していないものもあるので、共有スニペットライブラリの中のフォルダのいくつかを指定して、それらを TextExpander touch が無視するように設定することもできる。

TextExpander 5 は(あるいは、もしあなたが必要とするならば旧バージョンのどれでも) Smile から直接 $44.95 で購入でき、TextExpander 4 を今年に入ってから購入した人は無料アップグレードできる。それよりも前にアプリを購入した TextExpander ユーザーは $19.95 で TextExpander 5 へのアップグレードができる。Apple のサンドボックス化要件により、TextExpander 5 は Mac App Store からは入手できない。他の多くの必須の Mac アプリと同様、TidBITS 会員ならば TextExpander 5 の新規購入が 20 パーセント割引となって $34.95 で購入できる。あなたの Member Benefits ページから、クリックしてアクセスして頂きたい。

TextExpander touch 3.5 は TextExpander touch 3 のオーナーには無料アップグレードだ。新規の購入は iTunes App Store から $4.99 となる。

あと一つだけ言っておきたいのは私の本 "Take Control of TextExpander" が現在改訂作業中だということだ。この本は今のところ TextExpander 4 を扱っているが、TextExpander 5 の新機能をすべて盛り込んだものへと書き換えているところだ。この本を今すぐ購入して下さった方は、改訂版が出版され次第無料でアップグレードして頂ける。

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iCloud Photo Library のアップロードを絞る方法

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ネットワーキングの用語で「スロットル」とはデータの流れを制御するという意味だ。けれどもこの用語にはもっと日常的な用法もあって、Mac 用 Photos が iCloud Photo Library にアップロードすることについてはそちらの意味、つまりデータ量を絞るという意味の方が相応しい。iCloud Photo Library はあなたの写真ライブラリを iCloud 上に集中させるための Apple の新しいサービスだが、あなたのインターネット接続を独占しつつできる限り高速で写真を iCloud に転送し、他のインターネットトラフィックのすべてに悪影響を与えるという、甚だしいフラストレーションを引き起こしてきた。(2015 年 4 月 15 日の記事“iCloud Photo Library: 問われなかった FAQ”参照。)すべての人に影響があるのではないかもしれないが、幅広く存在している問題であることは間違いない。

私のインターネット接続は下り 30 Mbps、上り 5 Mbps で動作するが、初めて iCloud Photo Library をオンにした際には、Photos アプリが家中のすべてのデバイスのインターネットパフォーマンスを完全に使い物にならないものにしてしまった。ウェブページのロードがもの凄く遅くなり、Google Hangouts は悪戦苦闘し、Netflix は繰り返しバッファ状態に陥り、Rdio はつっかえつっかえし、さらには iPhone 上の Dark Sky さえ天候データを取得できずタイムアウトしていた。息子の Tristan が宿題をする必要がある度に(どうやら家にいる時はいつも必要があるようだったが)同期を一時停止すると約束させられたし、もちろん私が仕事中に走らせることなど考えられなかった。

幸いにも、古くからの友人 Will Mayall (Emailer と LetterRip を覚えておられるだろうか? そう、その Will 本人だ) が、少なくとも一部の人たちには使える 解決策を思い付いてくれた。そこそこのサイズの写真をアップロードするのにどれだけ長い時間がかかるかを考えれば、毎朝毎晩のように何日も何週間も費やすことになるかもしれない。(そういえば、Resume (再開) をクリックすると Photos が "Adding X items" と表示した際にこのアプリがいったい何を考えているのか、私にもさっぱり分からない。いずれにしても少し待てばアップロードは再開される。)

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Will の解決策は、開発者が悪いネットワーク条件をシミュレートして自分のアプリをテストできるようにと Apple が開発者たちに提供している環境設定枠、Network Link Conditioner を利用する。例えば iPhone アプリはたとえたった数百 Kbps のセルラーデータ接続しか提供されなくても動作しなければならないからだ。

Network Link Conditioner を入手するには(無料の)Apple Developer アカウントが必要だ。 それを持っていることが前提で、次にすべきは Xcode 用の Hardware IO Tools のダウンロードだ。最新のリリースを入手しておくのがよいだろう。ダウンロードが済んだら、Hardware IO Tools ディスクイメージを開いてから、 Network Link Conditioner.prefPane をダブルクリックしてそれをシステム環境設定にインストールする。

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Apple Developer アカウントを持っていない人や、アカウントを作りたくない人なら、無料の Onyx ユーティリティをダウンロードして Parameters > Misc タブから Network Link Conditioner をインストールすることも可能だという情報を TidBITS 読者の David Schaefer が教えてくれた。

さて、インストールされた Network Link Conditioner 環境設定枠を開いたら、Manage Profiles をクリックし、+ ボタンをクリックして新規のプロファイルを作成し、それに名前を付ける。Downlink Bandwidth については、Will はあなたの接続の最大スループットに近い値に設定しておくことを勧める。Uplink Bandwidth については、アップロードのスループットの 70 パーセントに設定しておくのがよいと彼は言う。皆さんはご自分で自由に他の値を実験してみられるとよい。Photos が他のネットワークアプリのパフォーマンスに悪影響を与えない範囲でできるだけ高い値に設定しておくのがベストだからだ。私の場合、Downlink の設定を 20 Mbps (10 Mbps の余裕をみておいた)、Uplink の設定を 3500 Kbps (私の上りバンド幅 5 Mbps の 70 パーセントは 3.5 Mbps だが、小数点の入力はできないのでこうした) としてみた。この二ヵ所以外の設定を変えてはいけない。エラーをシミュレートするためのものだからだ。

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OK をクリックし、必要なら Profile ポップアップメニューから自分のプロファイルを選ぶ。Network Link Conditioner 環境設定枠のスイッチが有効となっている限り、その Mac のバンド幅は、従って Photos が一般的にインターネット接続に対してできることは、絞り込まれる。有効となっている間、メニューバー上に Network Link Conditioner がアイコンを表示する。そのメニューを使って無効に切り換えることもできる。最後にもう一つ言っておくと、Network Link Conditioner は Mac を再起動すると自動的に無効となるので、Photos の同期が終わる前に再起動をする必要があった場合には、忘れずに再び有効に切り換える必要がある。

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いったん Photos が iCloud Photo Library へのアップロードを終えた後には、Network Link Conditioner を無効に切り換えるべきだ。でも、インストールしたままにしておくことをお勧めする。なぜなら、もしあなたがたくさんの新たな写真を Photos に読み込めば、再びインターネット接続を独占されることが十分あり得るからだ。そんな場合には再び Network Link Conditioner 環境設定枠に戻ってその手に負えないアップロードを抑制する必要が生じるだろう。もちろん、より良い解決は Apple が Photos をもっとフレンドリーなものにアップデートしてくれることで、そうなるよう願いたい。例えば Dropbox や CrashPlan のようなアプリは、私のすべての Mac の上で絶えずバックグラウンドでアップロードをし続けているのに、全体的なパフォーマンスに目立った影響は与えていないのだから。

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FunBITS: Apple Watch のゲーミングでの可能性

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

自分の Apple Watch を受け取ると、私は早速この上で使えるゲームをいくつか調べて記事にする価値があるものかどうか見てみたいと思った。残念ながら、その価値があるようなゲームには一つもお目にかかれなかった。名前を挙げることはしない。今はまだ時期尚早で、たいていの開発者たちはこれまで実際のハードウェアでテストをすることすらできなかったのだから、今の時点で非難するのはフェアとは言えないだろう。ただ、私が試したものはどれもこれも、あまりにも単純過ぎたり、手首の上でプレイするとすぐに疲れてしまったり、あるいはきちんと動かなかったり、というありさまだった。

それにもかかわらず、私は Apple Watch を使ったゲーミングの未来は明るいと思う。でも、そういう未来がやって来るためには二つのことが必要だ。開発者たちは、Apple Watch とはそもそも 何か を正しく見定める必要があり、一方 Apple は、その全潜在能力を解き放つことのできる能力を開発者たちに与える必要がある。

Apple Watch とは何か? -- iPad が初めて発表された際には、これがコンテンツの消費のために作られたものかそれともコンテンツの創造のためのものかという果てしない議論が交わされた。もちろん、答はその特定のユーザーが何を成し遂げたいかによるのであって、それに応じて iPad はその片方または双方ができるかもしれないし、どちらもできないかもしれない。

けれども Apple Watch は全く違った代物だ。これを使って何かしっかりしたコンテンツを創造することなど不可能だ。確かに、短いメッセージを口述したり一時的な図を描いたりならできるけれども、単に tweet を書くことですら、残念な間違いに陥りかねない。Apple Watch 上でのコンテンツ創造ができるようにしようと試みている開発者たちはいるし、中にはある程度の成功を収めた者たちもいるかもしれないが、そのようなアプリが単に目新しいだけのものを超えるとは考えにくい。たとえ、モールス信号が復活を果たしたとしても。

Apple Watch は、コンテンツを消費するためのデバイスというわけでもない。確かに、技術的に言えば長い電子メールメッセージを読んだり、さらには記事を読んだりさえ不可能ではないが、郵便切手の上でスクロールするようなものだという点を考えて頂きたい。賢明な開発者たちはこの点に既に気付いているようだ。例えば、New York Times アプリはウォッチの上に記事を表示しようとすらせず、代わりにごく短い要約のみを表示する。Instapaper にも Apple Watch 用アプリがあるが、その機能は iPhone 上で記事を音声で読み上げる際の再生コントロールのみだ。これだけでは成功した実験と言うことはできないが、とにかく枠にとらわれない考え方をした点で Instapaper チームには "A" の成績を付けてよいと思う。

Apple Watch はむしろ、何かを グランス する(チラッと見る)ためのデバイスだ。文字が非常に小さく、腕を不自然に持ち上げて手首を見なければならないことから、情報をほんの一瞬見ること以外に使うのは実用的でない。質問に手早く答えるためには理想的だ。「今何時?」「iPhone はどこへ行った?」「上司は今何を望んでいるのか?」といった単純な質問になら、Apple Watch は簡単に答えられる。

Apple Watch を主として質問に答えるためのデバイスと考えるならば、コンテンツを入力する方法が限られていることもそれほど不満に感じられないだろう。音声を主たる入力方法と考えるのもよい。なぜなら、質問をするのにそれ以上の方法があるだろうか?

けれども、Apple Watch はもう一つ別の種類の入力方法も提供する。それは、あなたの体だ。このウォッチはただ単にあなたが世界のどの場所にいるかを追跡するのみならず、あなたの身体がどのように動いているかも追跡する。

全体的に見て、Apple Watch は受け身の傾向が強い。バックグラウンドにいて静かにあなたの体の動きと心拍数を追跡し、アクティベートされれば情報のほんの一片のみを表示する。いろいろな意味で、これはテクノロジーというよりも本当は宝飾品に近い。そして、宝飾品の常として、Apple Watch は装身具だ。もちろん、プロセッサを内蔵しているが、これらのセンサーを別にすれば対となる iPhone からの情報を中継する賢い端末機という性格が強い。

さて、Apple Watch とはそもそも何かについてある程度の理解を得たので、これに何が できるか についてのより良い見通しが描ける。

ゲーミングにおける Apple Watch の居場所 -- ごく小さなスクリーンと限られた入力手段しか持たない装身具なので、Apple Watch がそれ自体で素晴らしいゲーミングデバイスとなることは考えにくい。アクションより思考が主体のゲーム、例えばチェスのようなものなら使えるかもしれないが、その種のものは例外と考えよう。

Apple Watch が輝く場所とは、周辺機器としての役割だ。それは第二のスクリーンとして使う場合もあれば、追加の入力デバイスとして使う場合もあるだろう。

第二のスクリーンはゲーミングの世界に長い歴史を持つ。あまり高く評価されなかった Sega Dreamcast Visual Memory Unit (VMU) と呼ばれるものを使っていた。これはメモリカードであり、第二のディスプレイであり、ポータブルなゲームコンソールでもあった。VMU はシューティングゲームではヘルスカウントと弾薬カウントを提供し、フットボールゲームではそっとプレイの選択ができ、ゲームプレイを変えることのできるミニペットを育てたり、その他のことができた。実際、当時としては時代を先取りしたコンセプトであった。

Dreamcast が早過ぎる終焉を迎えてから数年後、Nintendo がずっと人気のあるポータブルゲームコンソール、Nintendo DS をリリースした。これは二つのディスプレイを持ち、そのうち一つはタッチスクリーンであった。これら二つのディスプレイに開発者たちはさまざまな利用法を見つけ出した。例えば地図を常時表示したり、タッチスクリーンを追加の制御面として使ったりした。この Nintendo DS は大ヒットし、その後十年以上にわたって何らかの形で生き残り、今もまだ消え去るようには見えない。(New Nintendo 3DS は 2014 年の末ごろにリリースされ、大型の 3D タッチスクリーンと、追加のコントロールスティック、追加のトリガーボタン、NFC、その他を装備した。)

ゲーマーたちにとって第二のスクリーンの価値は長年かけて実証されてきたので、それは Apple Watch の重要な使用事例となるだろう。既に iOS 用ゲームのいくつかがこれを実験中だが、魅力的に実装できたものはまだない。

第二のスクリーンとして他のものにはなくて Apple Watch が提供できるのは、没頭感だ。コントローラの上に第二のスクリーンがあるのはそれはそれで良いが、第二のスクリーンを身に着けているのはまた別の話だ。想像してみよう。シューティングゲームをプレイしていて、スクリーン上には UI 要素が一切無く、その代わりにウォッチをチラッと見るだけで、弾薬カウント、健康状態、地図その他が見られるのを。

また別のアイデアとして、古い Dreamcast の VMU を思い出そう。マルチプレイヤーのスポーツゲームで、手首の上でそっとプレイの選択ができ、同じ部屋の中にいる対戦相手のプレイヤーには何を選択したかが見えないようにできる。仮想のペットについては既にこのやり方が実現されている。Battle Camp のメーカーが、仮想のペットを育てる Apple Watch 用アプリを追加して、メインのゲームで戦わせるモンスターを育てる場所として使っている。

もっと他のゲームに目を向ければ、また別のインスピレーションが得られる。Metal Gearシリーズは、ラジオでの会話により物語の大半が展開されたことで知られている。その会話は Apple Watch でできないだろうか? また、世界終末の後を描いたFallout シリーズで思い出すのは、手首に巻いた Pip-Boy コンピュータで情報を表示し設定を変更することだ。それは、文字通り手首に着ければ最も相応しいゲームプレイの要素となるではないか。

Apple Watch では音声が主要な入力手段となるので、音声によるコマンドがあれば役に立つ上に、ゲームにさらなる没頭感を加えるだろう。シューティングゲームでウォッチに語りかけて空爆の指示を出したり、あるいはコンピュータが制御するチームメイトに向かってコマンドを叫んだりできたらどうだろう? さらには実際のチームメイトと会話してコミュニケーションできたらどうか?

Apple Watch にはゲーミングに使えそうな他の入力手段もある。特に、フィットネス追跡に使われるモーションセンサーは有望に思える。私たちは以前にも iPhone 用のモーション制御ゲームについて調べてみたことがあるが(2013 年 7 月 26 日の記事“FunBITS: iPhone で遊ぶモーション制御ゲーム”参照)iPhone をブンブン振り回すのには危険が付きまとう。手のひらが汗ばんでいればなおさらだ。けれども Apple Watch なら、手首にしっかりと固定されているのでその問題がうまく解消される。

Apple Watch にはもう一つ、興味深いゲーミングの可能性を開くと思われるセンサーが付いている。心拍センサーだ。例えばあなたの心拍数に応じてゲームの難度が調整されたらどうだろうか? 脈拍が高くなればゲームの難度が低くなり、あなたがリラックスし過ぎるように見えればゲームの難度が自動的にまた高くなる、という具合だ。オンラインのゲーミングによく見られる問題は、激怒するプレイヤーだ。ストレスが高まり過ぎるとゲームが音声チャットを自動的に切ってくれたら、あなたのストレスレベルを低く保つためにも、また他の人たちに悪口雑言を聞かせないためにも、役に立つのではないだろうか。

Taptic Engine もまた、ゲームプレイの興味深い可能性を開く。例えば、ゲームの中であなたが人質を救出しなければならなかったとして、その人質の心拍があなたに送られてきたとすればどうか? あるいは、ゲームの中でモンスターがあなたの手首に取り憑いて、あなたがそれを振り払わねばならなかったらどうか? 可能性はいくらでも考えられる。

Apple Watch は、それ自体では素晴らしいゲーミングデバイスとはならないだろうが、ゲームに一段深いレベルの没頭を実現できる可能性を持つ。そのためには何より、それをするためのツールを Apple が開発者たちに提供しなければならない。それにまた、Apple は開発者たちに対してデータへのリアルタイムのアクセスを喜んで提供しようとすべきだ。現状では、センサーのデータは Apple Watch から iPhone へ塊ごとに送られており、このままではゲーミングへの応用は困難だ。もちろん、それをすればバッテリ寿命に悪影響を与えるだろうが、そもそもゲーミングで電力効率が良かったことなどほとんどない。

あなたがビルドするなら... -- ここまで述べてきたような未来的な想像の多くにおける問題は、現時点でそれらが不可能だという点だ。そこには理由が二つある。Apple Watch が iPhone にしか接続できないことと、開発者の使える機能が極めて限られていることだ。

iPhone の制約は、一つには Bluetooth アクセサリが頑固にも一度に一つのデバイスにしかペアリングできないという事実による。けれども、それを回避する方法を見つけられる者がいるとすれば、それは Apple をおいて他にない。もしもそれができれば、Apple Watch ははるかに興味深い存在となるだろう。(Logitech キーボードの一部の機種は複数のコンピュータとペアリングできるが、ペアリング相手を切り換える際にはキーボードから手動でデバイスを選ばなければならない。)

Apple Watch は、iPhone 用のゲームとやり取りできるし、それは必ず実現するだろう。ただ、それだけでは光り輝く機能とはどう見ても言えない。ゲーミングで光り輝けるためには、Apple Watch が Mac やコンソールと接続できるようになる必要があるだろう。もしも次世代の Apple TV がゲーミング機能を備えて登場するのだとすれば、そこに Apple Watch が組み合わさるのも素晴らしいだろう。

けれども、話がそこに行き着く前に、Apple は Apple Watch を開放して開発者たちがその真の可能性を引き出せるようにしなければならない。記事“最初の Apple Watch アプリは表面をなでるだけとなろう”(2014 年 11 月 20 日) で Michael Cohen が書いたように、WatchKit アプリが提供できるのはたった三つのことのみ、グランスと通知、それにモーダルダイアログ(現在、Apple Watch 用アプリのインターフェイスはモーダルダイアログから成っている)のみだ。現在のところ開発者たちは Apple Watch のセンサーにアクセスできない。ただ、Apple はその点がもうじき変わると約束している。

Apple が当初課した制約は道理にかなっている。それらの制約によりアプリはシンプルに保たれ、ユーザーたちが圧倒されることもない。そうして WatchKit アプリは比較的楽に開発できるものであり続け、プライバシーやセキュリティの懸念が増えることもない。その上、野心的過ぎるアプリがバッテリを食い尽くすこともない。それからまた、Apple Watch が予定通りの出荷に間に合ったのもこれらの制約のお陰に違いないと私は確信している。

私は自分の Apple Watch にそれほど強い感銘を受けなかった。そして、この記事を書いてみて初めて私はその理由に気が付いた。Apple Watch には非常に大きな可能性があるけれども、現在のところ、これは私の iPhone のリモコンに大げさな見せ掛けを被せただけのものに過ぎない。その上で走るソフトウェアも、ミニチュアサイズの HyperCard アプリの現代版といったところだ。私はいつも iPhone を持ち歩いているので、ポケットからほんの数秒のところにリモコンがあっても別にそれほど嬉しくない。(ただし多くの女性たちにとっては、例えば TidBITS 編集長の Tonya Engst にとっては、iPhone を持ち歩くのはなかなかの問題だ。着ている服にポケットがないので、リモコンとしての Apple Watch の役割がずっと魅力的なものとなる。)

もちろん、初代の iPhone もまた極めて大きな制約に満ちていた。それは、ほとんど馬鹿馬鹿しいほどであった。私の質素なプリペイドの Motorola RAZR にできて Apple の $600 の携帯電話にできないことがたくさんある、と冗談を飛ばしたものだ。けれどもその後、歴史が生まれた。iPhone は急速に進化し、今では私のデジタル存在の中心的な座にすっぽりと収まるに至っている。

もしも技術の星の並びが幸運を示すならば、いずれ Apple Watch も同じような進化の道を辿るかもしれない。Apple の Worldwide Developer Conference が間近に迫っているが、このウォッチがこれからどこへ向かうのかについて、そこで何らかのヒントが示されるのではないかと私は願っている。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2015 年 6 月 1 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

DEVONthink/DEVONnote 2.8.5 -- DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版 (Personal、Pro、Pro Office) すべてと DEVONnote をバージョン 2.8.5 にアップデートした。三つの DEVONthink アプリは、電子ブック (.epub および .ibooks) と TextBundle ファイルへのネイティブ対応を追加し、それらのファイルで検索したりプレインテキストに変換したりできるようにした。三つの版の DEVONthink はいずれも、OS X 10.10 Yosemite 互換性を改善し、PDF へのテキスト注釈機能を拡張し、ファイルの共有拡張への対応を追加し、ウェブサイト書き出しを改善して Markdown 書類、フォーマット付けされたメモ、および HTML ページの中のクロスリンクも変換できるようにした。DEVONthink と DEVONnote はまた Finder ラベルを可能な限り内部的ラベルに変換する機能を追加し、新たに隠し設定 DisableFinderTags を追加して Finder タグの読み込みと書き込みを無効にすることもできるようにした。(いずれもアップデートは無料。DEVONthink Pro Office 新規購入 $149.95、リリースノート。DEVONthink Professional 新規購入 $79.95、 リリースノートリリースノート 新規購入 $49.95、リリースノート。DEVONnote は新規購入 $24.95、リリースノートTidBITS 会員には DEVONnote もいずれの版の DEVONthink もそれぞれ 25 パーセント割引。10.7.5+)

DEVONthink/DEVONnote 2.8.5 へのコメントリンク:

Audio Hijack 3.1 -- 人気のあった機能二つ、Silence Monitoring と File Actions を復活させて、Rogue Amoeba が Audio Hijack 3.1 をリリースした。Recorder Block の File Limits セクションを開けば、Audio Hijack が沈黙にどう対処するかを設定できる。その部分を削除するか、そこから新たな録音を開始するか、その時点で完全に録音を止めるかが選べる。File Actions については、Home ウィンドウの Recordings タブでいくつかの録音を選択してそれを別のオーディオエディタ (例えば Rogue Amoeba の Fission) へ送ったり、ファイルを iTunes に追加したり、Share シートでファイルを電子メール、iMessage、その他であちこち送ったりできる。このオーディオ録音ユーティリティは今回から、FaceTime や Mac OS X Dictation などのソースからオートダッキングを強制されないようにし、現われたり消えたりするオーディオデバイスへの対処を改善している。今回のアップデートではまた AIFF や WAV の録音でより高いサンプルレート (88.2 kHz、96 kHz、192 kHz) にも対応し、OS X 10.10 Yosemite での QuickTime のバグを回避し、すべての録音を停止したり一時停止したり、また分割したりするためのキーボードショートカットも追加した。(新規購入 $49、 TidBITS 会員には 20 パーセント割引、バージョン 3.0 のライセンスがあれば無料アップデート、旧バージョンからのアップグレード $25、16.0 MB、 リリースノート、10.9+)

Audio Hijack 3.1 へのコメントリンク:

PopChar X 7.1 -- Ergonis Software が PopChar X 7.1 をリリースして、絵文字への対応を拡張した。現在のフォントに絵文字が用意されていない場合、PopChar の表に空白を生じないようその絵文字が Apple Color Emoji フォントで表示されるようになった。PopChar はまた、絵文字の肌の色合いを名前で表示するようになった。文字発見ユーティリティの起動速度が速まり、一部の文字が挿入されなくなった FileMaker のバグを回避し、フォントを変更すると文字表のスクロールが予想外のオフセットで起こっていた問題を解消し、新バージョンが利用できることを知らせるメッセージの文章が混乱を招くものであったのを修正し、登録情報を表示する方法を改善している。バージョン 7 へのアップグレードをまだ済ませていない場合、アップグレード価格はシングルユーザーライセンスで 14.99 ユーロ、ファミリーパックで 22.99 ユーロだ。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、3.8 MB、 リリースノート、10.6+)

PopChar X 7.1 へのコメントリンク:

BBEdit 11.1.1 -- Bare Bones Software が BBEdit 11.1.1 をリリースした。古参のテキストエディタへの、小規模のメンテナンスリリースだ。今回のアップデートでは前面のウィンドウ中の書類に Save As を使った際に OS X 10.9 Mavericks で起こったクラッシュを修正し、定義済みの名前を補完する際の言語キーワードを組み込み、カスタマイズしたカラースキームが正しく表示されなかったバグを解消し、CSS で一部のクリッピング名 (例えば !important) が自動補完されなかった問題を修正し、いくつかの小さなメモリリークを修正し、Silverlight プラグインをブロックして BBEdit のクラッシュを予防している。($49.99、無料アップデート、11.5 MB、 リリースノート、10.8.5+)

BBEdit 11.1.1 へのコメントリンク:

Little Snitch 3.5.3 -- Objective Development が Little Snitch 3.5.3 をリリースし、Little Snitch メニューバー項目が使用する CPU ロードを大幅に削減した。このネットワーク監視ユーティリティではまた、OS X 10.10.4 Yosemite との互換性を改善し、メニューバー項目がハイライトモードのままになることのあったバグを修正し、Network Monitor で拒否された接続の検索を改良し、複数個のルールを選択して編集することができなくなっていたバグを修正している。(新規購入 $34.95、無料アップデート、21.2 MB、リリースノート、10.8+)

Little Snitch 3.5.3 へのコメントリンク:

OmniFocus 2.2 -- The Omni Group が OmniFocus 2.2 をリリースし、Today Extension をカスタマイズする機能を追加した。すべてのユーザーが Overdue、Due Today、Deferred Until Today、Flagged、Inbox の通知を選べるようになり、Pro 版のユーザーは Custom Perspective も選べる。Getting Things Done に基づくこのタスク管理アプリは今回、利用できない項目もバッジカウントに追加するようになり、Quick Entry で補完セルの中でクリックした後ハングすることのあったバグを修正し、アイドル状態で OmniFocus が同期する間隔に曖昧さを追加してトラフィックの急増を予防し、いくつかのクラッシュを修正している。(The Omni Group ウェブサイトで Standard 版の新規購入 $39.99、Pro 版の新規購入 $79.99、Mac App Store で Standard 版が $39.99、アプリ内購入で Pro 版にアップグレード可能、24 MB、リリースノート、10.10+)

OmniFocus 2.2 へのコメントリンク:

LaunchBar 6.4 -- Objective Development が LaunchBar 6.4をリリースし、Action Editor を追加した。これを使って手早く新規のアクションを作成したり既存のアクションを変更したりできる。新規のアクションは一から作ることも、スクリプトテンプレートを使うこともでき、既存のアクションを複製して必要に応じてそれをカスタマイズしたり、さまざまなスクリプティング言語でアクションスクリプトを構成したり変更したりもでき、アクションリソースの管理もできる。このキーボードベースのランチャーではまた、複数選択に対する New Folder with Selection アクションが追加され、いくつかのスニペットフォルダを他のコンピュータや同僚たち、友人たちと共有できるようになり、電卓計算で通貨記号を無視するようになり、Instant Calculate 機能を改良し、iTunes 12 でシャッフルモードがオンの場合に音楽の再生が不安定であったのを修正し、iCloud 書類がデフォルトのアプリケーションで開かれるようにしている。(新規購入 $29、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、13.2 MB、リリースノート、10.9+)

LaunchBar 6.4 へのコメントリンク:

Microsoft Office 2011 14.5.1 -- Microsoft が Office 2011 スイートのバージョン 14.5.1 を出した。最近リリースされたバージョン 14.5 アップデートで導入された大きなバグを修正している。バージョン 14.5.1 にはバージョン 14.5 と同じセキュリティ脆弱性に対するパッチが含まれており、それは悪意を持って作られた Word、Excel、および PowerPoint ファイルが(Office 2011 がメモり内でファイルを処理する方式の結果として)遠隔コードの実行を許す可能性を持つという脆弱性であった。けれども、前回のリリースのパッチを施すと、OS X 10.10 Yosemite 下では Outlook のメインウィンドウが不可視となってしまい(古いシステムでは問題が起こらなかったようだ)バックアップからバージョン 14.4.9 に戻すか、または Terminal を使って環境設定を削除するか (この Apple Support 討論スレッドで紹介された方法) のいずれかを余儀なくされた。今回の新しいアップデートも、Outlook のウィンドウの透明マント問題が本当に解決しているか否かが判明するまで、インストールを控えておいた方が賢明かもしれない。(Microsoft Download Center または Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、114 MB、リリースノート、10.5.8+)

Microsoft Office 2011 14.5.1 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2015 年 6 月 1 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、App Camp for Girls が新たなクラウドファンディングを開始し、Charter が Time Warner 買収を目指し、コメディアン Stephen Fry が Apple の Jony Ive に関するニュースを明かし、Josh Centers が The Tech Night Owl ポッドキャストで次期 Apple TV を論じ、Michael Cohen と Josh が MacJury ポッドキャストで Apple Watch の利点を巡り意見を戦わす。

App Camp for Girls が 3.0 に上がる -- 2013 年以来 App Camp for Girls はサマーキャンプを開いて女子中学生たちにアプリの開発を教えてきた。そして今回、新たなクラウドファンディングによって開催をより多くの場所に拡張し、新たな App Camp 開催をスタートさせる助けとなるキットを開発し、スタッフに給料を払い、さらには長期的な募金戦略を構築することを目指そうとしている。募金は $10 から $1,000 まで各種レベルがあり、レベルに応じて The Doubleclicks のミックステープ、ボタン、T シャツ、さらには iPhone ケースまでいろいろなボーナスが付く。

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Charter、Time Warner に狙いを定める -- Comcast による Time Warner Cable 買収の試みを規制当局が拒否したのを受けて、ライバルである Charter Communications が 567 億ドルの競り値で参入した。今年の末までには最終的な取り決めに至ると思われる。この買収もまた規制当局の審査を受けることになるが、市場トップの Comcast が受けたものほど厳しい扱いにはならないのではないかと思われる。

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Fry と Ive について -- 英国のコメディアンであり自ら Apple "fanboi" と称する Stephen Fry が、Apple 内部のニュースを明かすという珍しい機会を得た。それによれば、Jony Ive が Chief Design Officer に昇進し、彼の下で Richard Howarth が Industrial Design の責任者を、Alan Dye が User Interface の責任者をそれぞれ務めることになるという。このニュースに加えて、Fry はその昔 Steve Jobs を煩わせたあげく Ive と CEO の Tim Cook に Apple の新しいキャンパスの中を案内してもらったことがあると語った。

コメントリンク: 15685

Josh Centers、Tech Night Owl Live で Apple TV の将来を議論 -- Apple Watch を着けて一ヵ月を過ごした編集主幹 Josh Centers が Tech Night Owl ホストの Gene Steinberg と対談し、その一ヵ月間の体験を語るとともに、噂されている Apple TV アップデートについて何を期待するかを述べた。Josh はまた、4K テレビに対する市場の関心について、彼自身が短期間ながら AOL を使った体験についても議論した。

コメントリンク: 15684

MacJury、TidBITS 編集者たちと Apple Watch を討論 -- Chuck Joiner は先週 MacJury に TidBITS スタッフの Josh Centers と Michael Cohen を集めて Apple Watch について討論した。この新しいデバイスの長所や短所についての深い、真剣な討議による議論なのでぜひお聴きあれ。いや、本当に冗談ではない。私たちはとても楽しく有意義な時を過ごしたし、皆さんも同じ気持ちになるかもしれない。とにかく、クリック一つでお聴きになれるのだから!

コメントリンク: 15678


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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2014 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2015年 6月 5日 金曜日, S. HOSOKAWA