TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1250/24-Nov-2014

ここ米国では今は Thanksgiving (感謝祭) の週なので、2014 年 12 月 1 日の TidBITS の電子メール号を休刊とするが、ウェブサイトでは引き続き新しい記事の出版を続ける。Apple は開発者たちに対して Apple Watch アプリのビルドに必要なツールを提供したが、当初のうちそれらのアプリはかなり限定された内容のものになる。Michael Cohen がその理由を概観するとともに、どんなアプリが期待できるか考える。皆さんは Yosemite に新しいバッチ改名機能が付いたのをご存じだろうか? Josh Centers がその機能の使い方を説明し、また新たな「スパイ活動の情報に遅れずついて行こう」シリーズ記事で NSA スパイ・スキャンダルの最新ニュースを伝える。Take Control 関係のニュースでは、Joe Kissell の改訂版 "Take Control of iCloud" に iCloud Drive、iCloud の紛らわしい写真サービス、ファミリー共有、その他たくさんの新しい内容が盛り込まれ、またこれまで TidBITS 会員のみにストリーミング配信されていた Charles Edge の "Take Control of OS X Server" が電子ブックとして発売された。最後にもう一つ、FunBITS 記事では Josh が Today View ウィジェットの内部でプレイする iOS 用ゲーム Overglide を概観し、iOS 8 におけるウィジェットの未来について考察する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、DEVONthink/DEVONnote 2.8.2、Mactracker 7.4.1、Evernote 6.0、SpamSieve 2.9.18、それに Mailplane 3.3.3 だ。

記事:

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2014 年 12 月 1 日は TidBITS 休刊

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の木曜日 (2014 年 11 月 27 日) は米国では Thanksgiving (感謝祭) の祝日なので(今年ももう残り僅かになってしまった)2014 年 12 月 1 日には TidBITS の電子メール号を休刊にして、私たちスタッフの面々も家族や友人とともに食卓を囲んで一週間を過ごしたいと思う。私たちの多くも、スタッフの一員である Joe Kissell の書いた "Take Control of Thanksgiving Dinner" から印刷した便利なワークシートを脇に置いて、今年もまた感謝祭のディナーの準備をしていることだろう。何を用意すべきかを Joe ほどうまく、しかも分かりやすくレイアウトしてまとめられる人は他にいない。

来週の TidBITS 電子メール号は休刊にさせて頂くが、その間も TidBITS ウェブサイトへの出版はいつも通り続ける。私たちのサイトを時々チェックするか、 RSS フィード を購読するか、 TwitterFacebook でフォローするかして、私たちの最新の記事を読めるようにして頂ければと思う。次回の電子メール号は 2014 年 12 月 8 日の発行となる。

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"Take Control of iCloud, Third Edition" で iCloud の混乱を解く

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple の iCloud サービスは、ここ数週間で大きく変わった。それは、OS X 10.10 Yosemite の新機能と iOS 8 とが、iCloud を通じた仲介を必要とするようになったためだ。iCloud Drive については既にいろいろと書いてきたが(2014 年 10 月 15 日の記事“iCloud Drive への移行”と 2014 年 11 月 6 日の記事“iCloud Drive は Dropbox の代わりにならない”参照)依然としてベータ版の iCloud Photo Library と Family Sharing については忙しさに追われて TidBITS ではまだ取り上げることができないでいる。けれども Take Control の側では、Joe Kissell が iCloud のあらゆる部分を突つき回しつつ、彼のベストセラー本 "Take Control of iCloud" の第三版に取り組み、それが今回刊行された。175 ページあり、価格は $15 だ。

とりわけ、Joe は iCloud の My Photo Stream、iCloud Photo Library、それと iCloud Photo Sharing の違い(と使い方)について詳しく説明している。彼は iCloud Drive に数多くある奇妙な点についても触れる。それから、新しい Family Sharing 機能の解説もする。その他の注目すべき新しい点としては、iCloud ストレージ価格の値下げ、大サイズの電子メール添付ファイルを送るための Mail Drop 機能、iCloud ウェブアプリに施された変更、Apple TV の写真と音楽に関する機能、そして二要素認証や、各アプリ固有のパスワード、盗難品の中古 iOS デバイスを購入してしまわないための保護といったセキュリティ関係の拡張機能の解説もある。

もちろん、"Take Control of iCloud, Third Edition" は iCloud の基礎的な事項、例えば Apple から購入したメディアをデバイス間で共有したり、連絡先やカレンダーを同期したり、iCloud Keychain を使ってすべてのデバイスで同じパスワードを使えるようにしたり、iOS デバイスのバックアップとリストアをしたり、その他もっともっと多くのことも引き続き取り上げている。これは、iCloud に関する最も包括的な解説書だ。

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"Take Control of OS X Server" 一般向けに発売

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

プロジェクトの中には結果的には思ったよりも難しいと分かるものもあるが、Charles Edge の "Take Control of OS X Server" もその一つであった。しかし、この全 235 頁の本がついに入手可となったことを発表出来、本当に嬉しいと思う。この本は、家庭や小さなオフィス環境で Apple の OS X Server を使ってみたいと思っている人達誰をも手助けするもので、PDF, EPUB, そして Mobipocket バージョンで現在入手可である。

皆さんは覚えておられると思うが、我々はこの本を TidBITS 会員に対して章毎に出版してきて、9 月初旬に完了していた (""Take Control of OS X Server" を TidBITS でストリーミング" 12 May 2014 参照)。こうすることで、情報をより早く提供し、執筆と編集の作業を分散出来、そして読者からのコメントを集めることで内容に磨きをかけることが可能であった。

通常、我々は最終編集と出版にすぐ着手するのであるが、9 月中旬以降、我々は OS X 10.10 Yosemite, iOS 8, そして我々の新しい Take Control Crash Course シリーズへと集中せざるを得なかった。我々は休む間もなく働いてきたし、"Take Control of OS X Server" も出版したいとは思っていたが、技術的なことに関しては Take Control に頼っている何千人もの人々のために Apple の新しいオペレーティングシステムについての本を完成させることの方がより重要であると感じた。

その間、我々はこの本全体を Caroline Rose に整理して貰った。彼女は Apple で Inside Macintosh Volumes I から III 迄を編集したこと、そして NeXT での編集主幹としても有名である。更に、我々もこの本の専門用語や例の使い方が一貫しているかを注意深く見直し、配置を最適化し、そして多くのスクリーンショットを改善した。

この遅延に伴う主たる問題は、Apple が OS X Server を、バージョン 3.2.2 (Mavericks Server, 我々がこの本を書いている時使ったもの) から、バージョン 4.0 (Yosemite Server, Yosemite ではこれしか動作しない) へとアップデートしたことであった。この本を Yosemite Server にアップデートしようとすると更に遅れてしまう。我々にとって幸運なことに、経験豊富なシステム管理者は、稼働マシン上の OS X Server を直ちにアップグレードすることなど問題外であると言ってくれている。そして更に幸運なことに、Yosemite Server での変更は極めてマイナーであることが判明したので (Introduction の所のサイドバーに纏めてある)、これから始めたいという人もここに書いてある手順をそのまま使って何ら問題ない。そしてまた、Mavericks Server を買って、それを Mavericks が走る Mac 上にインストールすることも可能で、この本からの正しい Mac App Store リンクがあれば大丈夫である。我々としても、2015 年初期には、この本を Yosemite Server 用にアップデートするつもりである (多くの作業はスクリーンショットの撮り直しと、例にも使われている "mavserver" の名前を変えることである) - 購入者全員に無料のアップデートとなる。

TidBITS 会員は、引き続き我々の Web サイト上で全章を無料で読むことが出来るが、完全にリンクの張られた PDF, EPUB, 或いは Mobipocket バージョンがWeb ブラウザー外で読めるのをご希望なら、"Take Control of OS X Serverr" のコピーを $20 の定価から 30% 引きで手にすることが出来る ( 皆さんの会員特典のページからクリックを続けて Take Control サイトに行き、クーポンをロードする)。TidBITS 会員外で、この本が完成するまで待っておられた方も、待っただけの価値はあると我々は信じている。

出版本の形で、この本は OS X Server を家庭或いは小オフィスユーザーのために解説している。この中で、Charles Edge は全国レベルのコンサルタントと管理サービスプロバイダーでの CTO としての長年に亘る経験を生かし、基本的な背景の説明、段階を踏んだ手順、そして OS X Server を成功裏に設定し、走らせるために必要な現実的な助言を提供する。彼は、ファイル共有の設定、共有カレンダーの作成、自分の Web サーバーと wiki を走らせる、ユーザーのための Mac と iOS ソフトウェアアップデートの調整、組織の iOS 機器の管理、そしてネットワーク化した Time Machine バックアップの提供、等々のやり方を説明する。最後の章では、あなたのサーバーを円滑に走らせ続ける方法について助言する。

遠回しな言い方をするつもりはない - OS X Server を走らせるのは、Mac 上の多くの他の作業よりも多くの知識と努力を必要とする。Apple が Server アプリの中での作業をどれ程簡単にしても、サーバーのインスタレーションと管理に挑戦する前に理解しておかなければならない用語、概念、そして手順がある。何を、何故入力するのか知っていない限り、サーバーは動かないであろうし、或いはもっと悪い事態では、大事なデータが外部からの攻撃やハードウェアの故障に弱くなりかねない。"Take Control of OS X Server" があれば、必要な情報は全てそこにある。

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最初の Apple Watch アプリは表面をなでるだけとなろう

  文: Michael E. Cohen: mcohen@tidbits.com, @lymond
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は iOS 8.2 software development kit (SDK) の最初のベータを登録済みの Apple 開発者に対して先週リリースした。そしてそこには WatchKit の初期リリースも含まれており、これは開発者が Apple Watch アプリを作るのに使用する SDK コンポーネントである。その中身をざっと見てみると、Apple Watch に対する第一世代のサードパーティアプリは、iPhone アプリに対する遠隔表示と入力拡張であることが見て取れる。勿論、これでおかしいと言うつもりはないが、来年初めに開発者からの中身の濃い、夢中になれる Apple Watch アプリが App Store に数多く並ぶであろうと期待されているのであれば、それは改めた方が良さそうである。

この WatchKit の枠組みは、開発者が Apple Watch アプリを作成するのに使うソフトウェアインターフェースを提供する SDK の一部だが、中身は時計上に現れる一連のユーザーインターフェースオブジェクトにすぎない:メニュー、ボタン、スライダー、ラベル、表、等々である。欠けているのは、例を挙げると、音を出したり、ビデオを表示したりするための、或いは、時計のハードウェア機能にアクセスするためのインターフェースである。

Apple Watch Human Interface Guidelines (この SDK に含まれている) が極めて明白にしている様に、Apple Watch アプリは軽量で、iOS アプリを置き換えるのでは無く、補完すべく意図されている。具体的に言うと次のようなものであろう:iOS アプリは WatchKit 対応の機能拡張を iOS 機器の背景で走らせ、ペアとなった Apple Watch とデータ交換を行い、時計を身につけている人に対して情報を表示し、そして簡単な入力を引き出す。例えば、iPhone 上で走っているレストランガイドは近所のレストランのリストを時計に送り、そしてユーザーはそれをぱらぱらっと見て行き先を決めることが出来る。しかしながら、Apple Watch の限られた画面サイズ (38 mm Apple Watch 画面はたったの 340 x 272 ピクセル、もう少し大きな 42 mm モデルでは 390 x 312 ピクセル) を考えれば、その様な情報は最低限まで切り詰められたものでなければならない - 大雑把に言えば、Twitter 上で一回のつぶやきで送れる程度のコンテンツ量。

Apple は Apple Watch を使ったユーザーインターフェースとして二つの基本的な型を示しており、二つとも短時間のやり取りと見なされていて、せいぜい数秒程度で、何分もかかるような複雑なやり取りではない:Glances と Notifications である。これらの型両方とも、時計を嵌めている人が見るために時計を上げた時にだけ表示される。

一つの Glance は、一画面に収まりそして iOS アプリからの情報を表示する。着用者が画面をタップすると、その行動が、リンクして情報を送ってきた iOS 機器上のアプリを開く。一度に一つ以上の iOS アプリが走る事が出来、定期的に情報を時計に送り、そして着用者は現在流れている Glances をスワイプすることで順次見ていくことが出来る。

Notification は着用者に Apple Watch によって提供されるTaptic Engine インターフェース経由で警告する - つまり、腕にタップを感じる。着用者が時計を上げると、通知の "ザッと見" バージョンが現れ、最小必要限の事だけを表示する (例えば、会議が始まる時間だよ)。その通知をタップするか、或いは腕を上げたままにしておくと、より詳細な情報を含む "じっくり見" が現れ (例えば、会議は 7 分後に会議室 C で始まるよ)、またその通知に答えるための最大 4 個までのボタンも使える。じっくり見の通知は、着用者が個別に閉じる必要がある。

WatchKit にはまた Modal Sheets というのもあり、これは Mac や iOS 機器上でのモーダルダイアログ (ユーザーに対してダイアログボックスの中だけで強制的に作業をさせ、それが閉じられない限り作業の続行が出来ない) の様なものである。これらは、Apple Watch インターフェースをユーザーが閉じるまで占有し、そして一つかそれ以上の手順を必要とする短いタスクに用いられる。Modal Sheets には、閉じるかシートをキャンセルするための閉じるボタンが付いている。

サードパーティの Apple Watch アプリが提供出来るやり取りは大体こんなものである。少なくとも、現時点では。プレスリリースで、Apple は "来年後半からは、Apple Watch 向けの完全ネイティブアプリケーションが作成できるようになる予定です" とは言っている。と言う訳で、時間が経てばより十分な機能を発揮するサードパーティ Apple Watch アプリも現れるであろう。しかしそれは今すぐではない。

そして、これは悪い話ではない。Apple が初代の iPhone でやった様に、物事をゆっくり進める方が、後で後悔することになる決定にしがみつくことになるよりも、ずっとましである。

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OS X 10.10 Yosemite でファイルをバッチ改名する方法

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

OS X 10.10 Yosemite の最も便利な新機能の一つ、Finder のバッチ改名機能は、リリース後数週間経ってもほとんどの人に見過ごされている。これまでは、多数のファイルの名前を手早く変更したいと思えば、サードパーティのユーティリティを使うか、Automator を使うか、あるいは何らかのシェルスクリプトを使う必要があった。

バッチ改名にはたくさんの使用目的がある。例えば、仕事場の紙を減らそうとしている場合(Joe Kissell も "Take Control of Your Paperless Office" の中でこれを推奨している)電気料金の請求書をスキャンしたものなど多数の PDF 書類を一挙に改名するのは重要な作業だ。同じように、自動的に生成されたログファイルや、ビデオカメラから取り込んだ静止画像などにもバッチ改名が役立つ。

まず初めに、改名したいファイルを Finder の中で標準的な手段のどれを使ってでもよいので選択する。(Command-A を押して現在のフォルダの内容すべてを選択したり、ドラッグして選択ボックスで囲んだり、並んでいるファイルの最初のものを選んでおいてから最後のものを Shift-クリックしたり、または Command キーを押しながら個々のファイルを選択したりすればよい。)

ファイルを選択し終えたら、選択されたファイルのうち一つを Control-クリックして、Rename # Items を選ぶ。# は選択されているファイルの個数だ。

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そこで開いたダイアログの中で、どのアクションを実行するかをポップアップメニューで選ぶ。テキストの置換、テキストの追加、あるいはもう少し複雑なフォーマッティングもできる。ダイアログ左下に見えるプレビューに特に注意を払おう。ここに、改名後のファイルがどんな名前になるかが示される。次のような選択肢がある:

Format は三つの異なる名前フォーマットを提供する。それぞれファイルの既存の名前に Index (通し番号)、Counter (カウンター)、Date (日付) を組み合わせる。ファイル名の冒頭に付けることも、末尾に付けることもできる。

また、Custom Format フィールドを使えば既存のファイル名を置き換えることもできる。例の中に見えている私の画像ファイルは既に日付と時刻で名付けられているが、下の例ではそれらのファイルの名前をすべて "Harris-Halloween-" の後に通し番号を付けたものに変えている。

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この種の機能は私たちの多くが毎日使う必要があるようなものではないけれども、多数のファイルを単純なパターンに改名するという面倒な作業を避けたいと思う状況になった場合に備えて、そのような機能の存在を覚えていることは重要だ。

もちろん、独立の Mac 開発者たちはずっと以前からもっと多くの機能を備えたユーティリティを提供してきた。Many Tricks の Name Mangler を私たちスタッフの一員 Jeff Carlson や MacStories の Federico Viticci は推薦しているが、その他にも A Better Finder Rename など素晴らしい選択肢がある。また、ファイルが自動的に改名されるよう設定しておきたいなら Noodlesoft の Hazel が使えるが、設定には細心の注意が必要となる。偉大なるパワーは、いとも簡単にものごとを台無しにしてしまうものだからだ。大量のファイルを Hazel に任せる前に、必ずあらかじめ少数のファイルでテストしてみることをお勧めする。Hazel について詳しくは、Joe Kissell の "Take Control of Automating Your Mac" をお読み頂きたい。

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スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 7: スパイが多過ぎる

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

さあ、アルミホイル帽子をきちんと顎の下から止めて、ファラデー箱のドアをしっかりと閉じよう。私たちはもう一度、スパイ活動の情報に遅れずついて行く試みをしたい。

今週最大のニュースは、 上院での USA Freedom Act の否決だ。58 人の上院議員が法案に賛成し、42 人が反対した。可決のためには 60 票が必要であった。今回の投票は大体において党の路線に沿ったもので、民主党が賛成し共和党が反対していた。

この法案は、National Security Agency (NSA、国家安全保障局) による大量監視活動の権力の多くの部分を抑制しようとするものであった。昨年上院議員 Patrick Leahy (民主党、バーモント州) と下院議員 Jim Sensenbrenner (共和党、ウィスコンシン州) が提出した当初の法案に比べれば弱い内容になっているけれども、下院のものに比べれば強い内容であり、Electronic Frontier Foundation は引き続き立法化を公式に支持していた。

もちろん、USA Freedom Act に対する反対論の主たる根拠は、テロリズムと ISIS (あるいは ISIL、IS、Mouse Rat など多くの呼び名が今週も使われた) の脅威であった。「今は私たちの手を後ろ手に縛るには最悪のタイミングだ」と上院議員 Mitch McConnell (共和党、ケンタッキー州) は語った。間もなく彼は上院多数党院内総務となる。一方、Leahy 上院議員は GOP (共和党) が恐怖を煽っていると非難して「恐怖を煽り立てるのは真剣な議論と建設的な解決策を抑え込むことになる」と語り、「もっと良いものこそこの国に値する」と述べた。

ISIS を追跡するために NSA に広範な国内監視の権利が必要だという論拠には疑問の余地がある。既に ISIS はその種の手段の大半を無力化しているからだ。電子的大量監視に反対した Edward Snowden の論拠の一つは、米国の諜報機関がそれに頼り過ぎるようになり、そのため Boston マラソンの爆弾事件のようなものを見落とす結果となってしまったからというものであった。その上、多くの国の政府が電子的手段を止めてタイプライターの時代に戻ることを考慮している今、電子的な大量監視はますます有効性を減じている。

USA Freedom Act に対する驚くべき反対者は、大統領候補者 Rand Paul (共和党、ケンタッキー州) だ。元連邦議会議員で大統領候補でもあった彼の父 Ron Paul (共和党、テキサス州) から自由主義的性質を受け継いだ Paul 上院議員は、以前から NSA の大量監視活動に声を大にして反対していた。Paul が今回の法案に反対の投票をした理由は、これが 2001 年 USA Patriot Act (米国愛国者法) の三つの条項を更新しているからというものであった。しかしながら、Patriot Act にある 100 以上の条項の大多数はそもそも更新を必要とせず、これら三つの条項もいずれ後日更新されるはずのものだ。

上院議員といえば、この「 スパイ活動の情報に遅れずついて行こう」シリーズの以前の記事で、拷問の使用に関する CIA の内部報告書を公開するか否かで上院と CIA が争ったことについて書いた。(2014 年 8 月 6 日の記事“スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 6: 椅子取りゲーム”参照。)その争いの結果として、CIA がハッキングで上院のコンピュータに侵入したことが暴露されるとともに、報告書の公開に対してさまざまの引き伸ばしが行なわれた。

(日本語) スパイ活動の情報に遅れずついて行こうスパイ活動の情報に遅れずついて行こう 2: 修正条項第 4 条の逆襲 | スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 3: 新たな希望 | スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 4: 状況が変になるとき | スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 5: 総まとめの総まとめ | スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 6: 椅子取りゲーム

残念なことにその報告書は未だに公開されていないが、上院情報委員会委員長 Dianne Feinstein (民主党、カリフォルニア州) は 報告書の公開に関する交渉がほぼ終わりに近いと述べた。ただし、それは以前から言われていたことだ。いずれにしても報告書は近々公開されるのかもしれない。任期終了間近の上院議員 Mark Udall (民主党、コロラド州) が、 公記録としてそれを上院議場で朗読することを考慮中だからだ。

CIA の広報担当者にとって今年はあまり良い年ではなかった。CIA と FBI が 1,000 の Nazi 戦争犯罪人たちを雇い、1990 年代になってさえも彼らを訴追から保護していたことが、最近になって暴露された。

監視活動に関する追求の焦点は主に NSA と CIA に集中してきたが、この問題があらゆる法執行機関に影響を与えていることを忘れてはならない。最近になって、U.S. Marshals Service (USMS、連邦保安局) が小型飛行機に "dirtbox" と呼ばれる偽の携帯電話基地局を設置して犯罪者たちをスパイしていることが暴露された。

USMS は裁判所の命令を得てそれをしていたのだけれども、この種の dirtbox(地上設置型の Stingray 電話位置追跡装置をより強力にしたもの)は無差別にセルラーデータをすくいあげてしまう。USMS は不要なデータをすべて破棄していると述べているけれども、危険の可能性はあると心配する法律専門家もいる。すぐ上で引用した Ars Technica の記事には次のようにある:

元合衆国判事であり現在は Indiana 工科大学で法律学の教授をしている Brian Owsley も同様の懸念を表明した:「飛行機を基地局として使うことには、私の意見では問題がある。これはまさに Stingray の使用と類似のものに思える。従って、政府は合衆国憲法修正第 4 条に合致する相当な理由に基づく捜索令状を得る必要があると思う」と Owsley は Ars への電子メールに書いた。

また、Google が数年前に窮地に陥ったことにも触れておくべきだろう。同社の Street View 撮影車両が、Google が収集対象として発表していたよりも多くの情報 を保存していることが見つかった事件だ。

監視活動のトリクルダウン効果(じわじわと広がる効果)は、連邦レベルのみに止まっているとも言えない。最近、Baltimore の検察官たちが、警察の収集方法を問われた結果として証拠を撤回したことがある。The Baltimore Sun の記事にはこうある:

市警察の John L. Haley 刑事は、専門の電話追跡部署の一員であるが、論議を呼んでいる Stingray として知られるデバイスを警官たちが使っていなかったと語った。ただ、それならばどうやって電話の位置追跡が行なわれたのかと追求されて、彼は FBI との間に「守秘義務契約」があるからと応じた。

「裁判には守秘義務契約はない」と Baltimore 巡回裁判所判事 Barry G. Williams は答えた。Williams は Haley が答えなければ法廷侮辱罪に問うと脅した。そこで検察官たちは、代わりに証拠を撤回することにした。

けれども、必ずしもすべての判事が Williams 判事と同じ意見を持っている訳ではない。Foreign Intelligence Surveillance Court (FISC、外国情報監視裁判所) における Yahoo と米国政府との争いは以前には秘密であったが、これまでに 1,500 ページ以上の裁判所文書が公開されている。Yahoo は、最も早くから政府の秘密の PRISM 監視プログラムに異議を申し立てた者の一人であった。最終的に同社は敗訴し、違反に対して一日あたり $250,000 の罰金を支払うようにと脅された。

2014 年 11 月 13 日に、FISC はこの裁判の口頭弁論記録の封印も解いた。そこに記されている判事の意見のいくつかは興味深い。特に、2013 年にこの裁判から離れた Morris S. "Buzz" Arnold 判事の以下のような発言は注目に値する:

Arnold 判事: はて、もしもこの命令が強制的で秘密であるのなら、どうしてそれであなたが困るのかな? 人々は、何らかの方法で監視されていることを、知らないのだ。それで、どうしてあなたに害が及ぶのかな? つまり何が、そう何が、何があなたの、あなたの消費者に対して何が損害となるのかな?

言い替えれば、知らなければ損害にはならない、ということだ。Arnold 判事はまた、合衆国憲法修正第 4 条についても唖然とするようなコメントを残している:

Arnold 判事: 合衆国憲法修正第 4 条の法律的展開は全体として、番人としての司法制度の機能をある意味強調する働きをしてきた。けれども、修正第 4 条の条文のみを見れば、令状が通常必要とされるなどと現実に言っている個所はどこにもない。そんなことは全く言っておらず、令状に関する部分は修正第 4 条の最後の最後の付け足りだ。そして、それなのに、それなのにこれがそういう風に解釈されてきた。

彼のこの最後の一文は、自己矛盾して見えるばかりでなく、修正第 4 条の条文(下記)とも、200 年以上にわたる判例法とも矛盾しているように見える。

合衆国憲法修正第 4 条: 不合理な捜索および押収に対し、身体、家屋、書類および所有物の安全を保障されるという人民の権利は、これを侵してはならない。令状は、宣誓または確約によって裏付けられた相当な理由に基づいてのみ発行され、かつ捜索すべき場所、および逮捕すべき人、または押収すべき物件を特定して示したものでなければならない。

秘密の監視の持つ弊害は政府に限られたものでもない。自動車相乗りサービス Uber は、批判的なジャーナリスト、とりわけ PandoDaily の Sarah Lacy に対してスキャンダル集めをしてやると重役の Emil Michael が発言したことを巡って窮地に陥っている。そればかりでなく、Uber の従業員が "God View" と呼ばれる特殊なツールを使ってジャーナリストたちを追跡していたことが暴露され それに対する調査も進んでいるので、テクノロジーのコミュニティーにおける Uber 社の信用はもはや終わりを迎えているのかもしれない。

でも、プライバシーを取り戻す方法などもはやないのかもしれない。アメリカ人は プライバシーが心配だと言いつつ、今もまださまざまのデジタルサービスに自分の個人情報を差し出さざるを得ないでいる。そして、そこにこそ問題の源泉があるのだ。もしも私たちのこれほど多くが自ら進んでインターネット上にプライベートな情報を共有していなかったならば、政府や企業が(いわんや組織犯罪が)それらの情報に手を伸ばすことがこれほどに可能とはならなかっただろう。産業革命の結果として私たちが汚染やその他の社会悪を受け入れたのと同様に、プライバシーの喪失はインターネット時代に入った私たちが受け入れたファウスト的契約なのかもしれない。

最後にもう一つ、もしあなたがこの話題に強い関心を持っているなら、ドキュメンタリー作家 Laura Poitras の新しい映画 Citizenfourをご覧になるとよい。この映画は内部告発者 Edward Snowden と NSA 監視活動論争に焦点を当てている。(Poitras は Snowden が最初に連絡した人たちの一人だった。)私はまだ(全国公開されている映画ではないので)この映画を観る機会に恵まれていないが、映画レビューサイト Rotten Tomatoesでは 97 パーセントという確固としたランク付けを得ている。Amazon か iTunes でこの映画を借りられればと思っているのだが、現時点ではまだないのかもしれない。

それから、Snowden は情報漏洩などせずもっと適切な手段を使うべきだったと言う人たちに言っておくと(Snowden はそれをしたと主張しているが、 NSA はそれに反論している)既にそのような方策が試みられたことが判明した。ある匿名の NSA 幹部が口を開いて、これらのプログラムに対して内部の反対意見 があったが、当時の NSA 局長 Keith Alexander と Obama 政権によって抑え込まれた、と述べたからだ。

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FunBITS: Overglide、iOS 8 ウィジェットの限界を押し広げる

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

"iOS 8: A Take Control Crash Course" を執筆して以来、私は iOS 8 の Notification Center の中で働くウィジェットを巡る Apple の行動をやたらに気にするようになってしまった。

ある意味で、これは App Store が同様の可能性と課題を抱えつつも穏やかでいた日々の再来とも言える。一方で、私たちは PCalc や Neato など革新的なウィジェット(2014 年 11 月 12 日の記事“Neato、iOS 8 の Notification Center にメモ機能を加える”参照)も目にしつつある。他方、Apple はその種のウィジェットを何とも気まぐれなやり方で取り締まっているように見える。Apple は当初 PCalc のウィジェットを App Store から撤去せよと要求したが、その後考えを変えた(2014 年 10 月 29 日の記事“Apple Demands Removal of PCalc's Today View Widget”参照)にもかかわらず、今度はまた手のひらを返したように Neato の開発者に対しウィジェットを撤去するよう要求した。

話は変わって、新しいゲームが一つ、ほとんど話題にもならず App Store にそっと入り込んだ。AA Mather の作った Overglide ($0.99) だ。それ自体、Overglide は何も注目に値するようなものではない。これは、またもや新手の Flappy Bird クローンに過ぎない。でも興味深いのは、アプリの中ではなく、Notification Center の中でゲームをプレイするという点だ。

いったんこのウィジェットを有効にしておけば、タップするだけでゲームが始められる。ゲームは、紙飛行機がウィジェットの底に向かって落ちて行くところから始まる。あなたはウィジェットの中を押すことで、紙飛行機の高度を上げるようにしなければならない。でも、天井や、床や、あるいは障害物に触れればゲームオーバーとなるので、ひっきりなしに指を押したり離したりしながら紙飛行機がどこにも衝突しないようにしなければならない。Flappy Bird や、数限りなくあるその模倣品のどれかをプレイしたことのある人なら、その感じはもうお分かりだろう。

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PCalc や Neato と同様に、私は Overglide が App Store の審査を通過したことにびっくり仰天している。Overglide のようなゲームが、そもそも許されるのか? Apple の App Extension Programming Guide にはこう書いてある:

忘れてならないのは、GPU がシステムの中の共有リソースであることだ。アプリ拡張は、共有リソースの使用に関して最優先の扱いは受けない。例えば Today ウィジェットがグラフィック負荷の多いゲームを走らせれば、ユーザーに悪い体験を与えることになるかもしれない。システムが、メモリを圧迫するという理由でそのような拡張を終了させることもあり得る。システムリソースを多用する機能性は、アプリに相応しいものであって、アプリ拡張には向いていない。

iOS 8 がデビューして以来、私はこの段落に興味をかき立てられてきた。この段落には、何通りかの解釈の仕方がある:

Apple が Overglide を App Store に置くことを許したという事実そのものに基づいて考えれば、きっと審査担当者たちは第三の解釈で仕事をしているのであろうと私は推察する。けれども、たとえ Apple が考えを変えて Overglide を App Store から削除したとしても、または開発者に依頼してウィジェット無しのアプリに作り替えさせたとしても、私は少しも驚かないだろう。

このように混乱した状態なので、記事“Apple Demands Removal of PCalc's Today View Widget”に書いたことを、ここでもう一度言っておきたい。Apple は、ウィジェットに何ができて何ができないのかの明確なガイドラインを公表すべきだ、と。

私の推測するところ、それがなされていない理由は Apple 自身がまだ確信を持って答を出せないでいるからなのだろう。Apple はユーザーにとって快適な体験を保証したいと思っているけれども、それと同時に開発者の創造性を抑圧したくはないと思っている。けれども、明確なガイドラインを公表 しない ことによって、既に Apple はウィジェットの潜在力を抑圧している。もしも私が開発者だったとしたら、最新鋭のウィジェットに多大な投資を注ぎ込んでもリリースの一ヵ月後に無理矢理 Apple の手で App Store から追い出されるかもしれないと心配しなければならないのは嫌だろう。

しかしながら、Apple が PCalc のウィジェットの逆転受け入れを決めたのは、開発者たちにもう少し自由を与えたいという気持ちを同社が持っていることの証拠だろう。とりわけウィジェットの場合はそれがあるべき道だ。Today View ウィジェットは、単にアプリのインストールを要するのみならず、それに加えてユーザーが Notification Center の中で手動でアクティベートする必要がある。ユーザーが騙されてウィジェットをインストールしてしまうということはあり得ない。ウィジェットをインストールしたり無効にしたりすることについてユーザーにフル制御の権利がある限り、ユーザーたちと開発者たちに選択の権利を与えることに何の問題もないと私は思う。そもそも iOS 8 の拡張性というのは、そのためのものではなかったのか?

Overglide について言えば、私の iPhone 6 の上で完璧に動作している。私が見る限り、パフォーマンスの問題もない。信じられないほどフラストレーションが溜まる(その点はこれに感化を与えたゲーム、Flappy Bird と同じだ)ことを別にすれば、Notification Center の中で驚くほどうまくプレイできる。ゲームプレイの面で Overglide は何も新しいことを提供していないけれども、Notification Center の中にいながらにして手早く気晴らしができるという考え方そのものを私は気に入った。Apple がこれをそのまま置いておいてくれることを願わずにいられない。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2014 年 11 月 24 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

DEVONthink/DEVONnote 2.8.2 -- DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版 (Personal、Pro、Pro Office) すべてと DEVONnote をバージョン 2.8.2 に更新した。DEVONthink の三つの版は今回から iCloud Drive に保存されたファイルやフォルダの索引付けに対応し、環境設定にいくつかのオプションを追加し、OS X 10.10 Yosemite における HUD パネルの見栄えを最適化し、終了時のバックグラウンドタスク終了を改善している。さらに、三つの版のいずれも Yojimbo からプレインテキストのノートを読み込む際の問題点に対処し、サイズの大きな Word や OpenOffice 書類を読み込む際にタイムアウトを設け、暗号化された PDF 書類が 10.9 Mavericks で起こしていた自動レイアウトの問題に対処している。DEVONthink Pro Office では Yosemite における OCR バックグラウンドタスクの起動速度と全体的なパフォーマンスが改善された。(いずれもアップデートは無料。DEVONthink Pro Office は新規購入 $149.95、 リリースノート。DEVONthink Professional は新規購入 $79.95、リリースノート。DEVONthink Personal は新規購入 $49.95、リリースノート。DEVONnote は新規購入 $24.95、 リリースノートTidBITS 会員には DEVONnote もいずれの版の DEVONthink もそれぞれ 25 パーセント割引。10.7.5+)

DEVONthink/DEVONnote 2.8.2 へのコメントリンク:

Mactracker 7.4.1 -- Ian Page は最近、バージョン 7.4 の Mactracker をリリースして最近出された Retina 5K ディスプレイモデルの iMac (2014 年 10 月 31 日の記事“Retina ディスプレイモデル iMac: スクリーンこそすべて”参照) と新しい Mac mini に関する詳細情報を追加した。Mactracker 7.4 にはまた、OS X 10.10 Yosemite、OS X Server 4.0、Wi-Fi およびセルラーモデルの iPad Air 2 と iPad mini 3、第一世代と第二世代の Apple Remote、そして Wi-Fi ベースステーション上の複数ラジオアンテナ (MIMO) に関する詳細情報も加えられた。また Yosemite への対応が追加されるとともに、今回から 10.7 Lion かそれ以降を要するようになった。その後しばらくして Page は Mactracker をバージョン 7.4.1 にアップデートし、最新の OS X と iOS の詳細情報を追加するとともに、vintage および obsolete の Apple 製品に対するサポート情報を最新のものに更新した。まだ Mactracker 7.4.1 は Mac App Store から入手できるようになっていない。(Mactracker ウェブサイトからも Mac App Store からも無料、37.3 MB、リリースノート)

Mactracker 7.4.1 へのコメントリンク:

Evernote 6.0 -- OS X 10.10 Yosemite との間でより緊密なルック&フィールとなるようデザインし直された Evernote 6.0 は、速度を向上するとともにさまざまの新機能も加えている。この情報管理アプリのバージョン 6.0 では、ノートエディタの中で画像や表をリサイズする機能 (表については背景色や縁のスタイルも設定可能)、以前よりクリックしやすい再設計のノートエディタチェックボックス、ノートを検索するための Spotlight 対応などが追加された。Mac App Store ユーザーも新しい Work Chat 機能が使えるようになって(この機能は Evernote 5.7 でリリースされたが、これは Mac App Store には登場しなかった)同僚たちとの間で読み/書き可能の共同作業機能を使ってノートやノートブックを共有でき、Evernote の中でチャットによる討論のやり取りができるようになった。同僚にノートを送るには、ノートエディタ右上隅にある Share ボタンをクリックすれば Work Chat ダイアログが開く。討論のフルリストを見たり新規に会話を始めたりするには Command-Option-0 を押すか、メニューで View > Work Chat を選んで Work Chat 枠を開く。(iOS 用の Evernote アプリもバージョン 7.6.2 にアップデートされ、Work Chat 機能が使えるようになっている。)

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Evernote 6.0 は同期の速度が三倍になると約束しており、最もその恩恵を受けるのは Evernote Business ユーザーや、数多くのノートブックを共有している人たちだろう。Evernote は今回からノートを即座に同期するようになったので他のデバイス上でもすぐアクセスでき、起動や終了にかかる時間が短縮され、アプリがアイドル状態の間に消費するエネルギーが減った。Evernote Premium ユーザーは新しい Context 機能を使って、現在作業中の内容に関連するノートや記事、人々を表示するのみならず、The Wall Street Journal に載った関連記事まで表示させられるようになった。さらに Evernote Premium の Presentation Mode ではスクリーンの端から端までの表示が改善されるとともに新設のテーブルスタイルもある。Evernote 6.0 は 10.7.5 Lion かそれ以降を要するようになった。

Mac App Store から Evernote 6.0 をインストールすると、あなたの Evernote アカウントにサインインし直すよう求められる。Evernote ユーザーフォーラムには(例えば このスレッドに)Evernote 6.0 を Mac App Store からインストールした後でノートエディタが選択したノートでなく空白の領域を表示するようになったと報告がある。私もそれを経験したが、Mac を再起動するだけで Evernote 6.0 がノートを期待通りに表示するようになった。(スレッド上の他のユーザーたちも同じことを報告している。)(Evernote からも Mac App Store からも無料、61.8 MB、10.7.5+)

Evernote 6.0 へのコメントリンク:

SpamSieve 2.9.18 -- C-Command Software の Michael Tsai が SpamSieve 2.9.18 をリリースし、OS X 10.10.1 Yosemite の Apple Mail への対応を追加した。このスパムフィルタリングユーティリティにはまた、最近リリースされた Outlook 15.3 (Office 365 の一部として入手可能、2014 年 11 月 2 日の記事“Microsoft Outlook 15.3 for Mac”参照) に対する予備的対応が追加された。さらに今回のリリースでは大きなメールボックスでの Apple Mail - Discard Spam スクリプトの速度と信頼性を改善し、ディスクが一杯になった際のエラー報告を改善し、起動エージェントファイルのアクセス権が不正だった場合の回復方法を改善し、Yosemite 用にツールバーとディスクイメージアイコンを更新し、Yosemite で起動時に SpamSieve をフリーズさせていた問題を回避している。(新規購入 $30、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、14.9 MB、 リリースノート、10.6+)

SpamSieve 2.9.18 へのコメントリンク:

Mailplane 3.3.3 -- Uncomplex が Mailplane 3.3.3 をリリースし、タスクマネージャ Todoist への対応を追加した。Todoist アプリがインストールされていれば、Mailplane から to-do 項目を作成するには Edit > Save to Todoist を選べばよい。(メッセージが丸ごと to-do にコピーされるのを防ぐため、あらかじめテキストの範囲を選択しておく。)今回のアップデートではまた、未読のメッセージがある場合にメニューバーのステータス項目を赤いアラート色にする機能を復活させ、OS X 10.10 Yosemite におけるバンド幅の過使用と Alias ダウンロード場所を修正し、Google Drive プレビューから画像を印刷しようとした場合のハングを修正し、いくつかのクラッシュに対処を施している。(新規購入 $24.95、無料アップデート、34.3 MB、リリースノート、10.7+)

Mailplane 3.3.3 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2014 年 11 月 24 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の Thanksgiving 版 ExtraBITS では、Continuity がどのネットワーキングテクノロジーを使用するかを Ars Technica が説明し、他の誰も Apple と同じようにはものが作れない理由が判明し、Walt Mossberg が Mac の隆盛を追跡し、Apple がアプリから「無料」のラベルを外す。

Continuity サービスにはどのネットワーキングテクノロジーが必要か? -- OS X 10.10 Yosemite と iOS 8 は Continuity を使ってあらゆる種類の情報を共有するが、Bluetooth、ローカル Wi-Fi 接続、あるいは一般的なインターネット接続など、どのネットワークテクノロジーが必要なのかを個々のサービスごとに見分けるのは難しい。そこで Ars Technica が、AirDrop、AirPlay、Handoff、Instant Hotspot、それから SMS や電話転送など各サービスに分けて調べ、ネットワーキング要件を探り出した。

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Apple のハードウェアデザインを誰もコピーできないのはなぜか -- Apple と同じ品質で製品を作りたいと思っている会社は多いが、それは不可能に近い、と Bolt の Ben Einstein が説明する。一つの理由は、Apple がこれほどの精度をもって製造する能力のあるマシンや会社を時間をかけて育成してきたからだ。それに加えて、Apple は最も困難な製造工程のいくつかをマスターしている。例えば、白いプラスチックの色合わせ、大規模な CNC (コンピュータ数値制御) 機械加工、レーザー穿孔などだ。

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Walt Mossberg、Mac の復活を語る -- Apple の 2014 年度第4会計四半期 (7 月 - 9 月) に Mac の売り上げが伸びたのを見て驚いた人は多いが、ベテランのテクノロジージャーナリスト Walt Mossberg は驚かなかった。Mac が第二幕を迎えた要因として、Steve Jobs のリーダーシップ、ウェブの興隆、Microsoft の犯した多くの過ち、の三つを彼は挙げる。

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App Store のアプリはもはや「無料」ではない -- Apple が、直接的な料金を要しないアプリに付けた "Free" (無料) というラベルを "Get" (入手) に変更した。これは、アプリ内購入の料金に関する規制上の懸案事項によるものと思われる。真の意味で無料のアプリも依然としてある一方で、多くのアプリは「無料」だけれどもアプリ内購入をしなければ使えないようになっている。

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