TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1204/06-Jan-2014

Happy New Year from TidBITS! ホリデー休暇から戻った私たちは、まず新しい Mac Pro の詳細情報をお届けする。予約注文の受け付けは始まっているが、2 月になる前に届くとは期待できない。Jeff Porten は、将来が楽しみな素敵なおもちゃをいくつか紹介しつつ Consumer Electronics Show からの第一報をお届けするとともに、インターネット自動化サービスの IFTTT を概観する。iPhone 5 または 5s で充電に関する問題に悩んでいる人には、Adam Engst が簡単な解決になるかもしれない一つの方法を紹介する。Josh Centers はホリデーの間に NSA 問題を気にしていなかったという人のために最新の情報を記すとともに、より実際的な話題として 2011 年型 MacBook Pro での GPU 問題を報告する。Josh のストリーム本 "Take Control of Apple TV" の最新の章が写真やホームビデオに焦点をあてて TidBITS 会員向けに出され、彼はまた 2013 年に出された FunBITS 記事のいくつかを振り返る。今週注目すべきソフトウェアリリースは、TinkerTool 5.1、GraphicConverter 9.0.2、Delicious Library 3.1.4、Audio Hijack Pro 2.10.9、LaunchBar 5.6.2、Mac Pro EFI Firmware Update 2.0、Final Cut Pro X 10.1、Logic Pro X 10.0.5 だ。

記事:

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Mac Pro 受注開始、出荷予定は 2014 年 2 月

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

大いに期待された Apple の新型 Mac Pro は、2013 年 6 月の WWDC で初めて発表され、その四ヵ月後にさらなる詳細が発表されたが、今回ようやく受注が開始となった。(2013 年 6 月 10 日の記事“Apple 新 Mac Pro に手をつける”と 2013 年 10 月 22 日の記事“新 Mac Pro の詳細が明らかに”参照。)気付かなかったという方のために簡単に説明しておくと、新型 Mac Pro は高さ 9.9 インチ、幅 6.6 インチ (25.1 × 16.8 cm) の円筒形で、光沢アルミ筐体に収められ、従来のどの Mac よりも強力な CPU と GPU のパワーが詰め込まれている。(色は黒というよりむしろグレイで、iPhone 5s の「スペースグレイ」色に近い。)

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重要なのは今回は「受注」が開始されただけだという点だ。一部のユニットは 2013 年 12 月の末までに出荷開始できると Apple が述べたという話もあるらしいが、現在注文した人に対して Apple Store は 2014 年 2 月出荷予定と表示している。この Mac Pro は米国にある新工場で組み立てられており、全く新しい工業デザインであることを考えれば、Apple が早期に出荷するのに苦労していても無理はないだろう。

Apple は二つの標準構成を提供する。$2,999 のクアッドコアモデルと、$3,999 の 6コアモデルだ。出荷時オプション以外に、両者の違いはあまりないようだ。オプションは四つのカテゴリーに分類される。プロセッサ、メモリ、ストレージ、グラフィックスだ。

プロセッサの選択肢について言えば、コアの数が増えるにつれてクロック速度は若干減る。これは従来から多くの Mac モデルに見られることだ。ただし、あなたの使う重要なアプリが複数コアを最大限に利用するよう最適化されていれば、一般的に言って低いクロック速度を埋め合わせる以上にパフォーマンスが十分に向上する。(また、複数コアの Mac Pro モデルでは L3 キャッシュメモリも多くなるので、それもパフォーマンスの向上に寄与するだろう。)その上、現行のすべての Mac と同様にこの Mac Pro の CPU も Turbo Boost 機能を備えていて、使用するコアの数を動的に減らしてクロック速度を上げることにより複数コアにフル対応していないアプリのパフォーマンスを良くするようになっている。しかしながら、 Marco Arment が詳しく説明している ように、メインに使うアプリに割り当てるコアの個数を選択する際は十分に注意すべきだ。状況によっては、多くのコアを使うことで低いクロック速度による悪影響の方が大きくなることもあるからだ。

メモリについては、最小の構成で 12 GB、追加料金 $100 で 16 GB へ、追加料金 $500 で 32 GB へ、追加料金 $1,300 で 64 GB へ、それぞれジャンプできる。ストレージについても同様で、256 GB のフラッシュストレージが標準、その倍の 512 GB にすれば追加料金 $300 がかかる。最大の 1 TB のフラッシュストレージにするには追加料金が $800 もかかるので、たいていの場合は比較的小さな内蔵 SSD を Mac OS X やアプリのために使い、大量のデータの保存には高速の外付けドライブを使う方が経済的に理に適っているだろう。

最後に、もしもあなたの仕事のためにグラフィックス処理が重要ならば(おそらく多くの Mac Pro ユーザーに当てはまるだろうが)デュアル AMD FirePro D300 GPU にそれぞれ 2 GB ずつの GDDR5 VRAM を装備したものを選ぶか、追加料金 $400 でデュアル D500 GPU にそれぞれ 3 GB ずつの VRAM を装備したもの、あるいは追加料金 $1,000 でデュアル D700 GPU にそれぞれ 6 GB の VRAM を装備したものに増やすこともできる。これとともに使うために Apple は Sharp 製の 32 インチ PN-K321 4K Ultra HD LED Monitor を推奨しているが、その値段が何と $3,595 もする。4K ディスプレイなど要らないという人には、27 インチ Thunderbolt Display がたった $999 だ。お金が有り余っている人のために言えば、この Mac Pro は最大 3 台の 4K ディスプレイ、または最大 6 台の Thunderbolt ディスプレイを動かすことができる。

基本的なスペックについて言えば、この Mac Pro は 4 基の USB 3.0 ポート、6 基の Thunderbolt 2 ポート、デュアル Gigabit Ethernet ポート、それにマルチチャンネルオーディオ出力に対応した HDMI ポートを備えている。標準として 802.11ac Wi-Fi と、Bluetooth 4.0 も内蔵する。オーディオ対応については、光デジタルオーディオ出力/アナログライン出力の混合ミニジャックが付き、ヘッドセットに対応するヘッドフォンミニジャックと、内蔵スピーカーも付く。言うまでもなく、この Mac Pro には OS X 10.9 Mavericks が付属し、それより古いバージョンの Mac OS X に対応しないのは間違いない。

標準構成の価格は 10 月に既に発表されていたけれども、最大限にオプションを装備した Mac Pro の価格がいくらになるかが判明したのは今回が初めてだ。Apple の発表しているオプションをすべて最大限で選べば(ただしモニタ、キーボード、マウスは含まない)価格が $9,599 となる! 確かにこれは大金だが、手早く Dell や HP のウェブサイトを調べてみたところ、同等に近い構成を試みればそれと同様またはそれ以上の数字が出た。

つまるところは、もしもあなたがこの今の時代にハイエンドのハードウェアを購入しようというのならば、間違いなくあなたは専門的な仕事をしているのであり、パフォーマンスのためなら多額の出費もいとわないと考えているだろう。私が現在使っている 2008 年型 Mac Pro を買い替えようという段になれば、私が購入するのは Apple の新しい円筒形の Mac Pro モデルとはならないだろう。なぜなら、私は iMac に処理できないことを何もしないからだ。(いや、おそらく Mac mini に処理できないことすらしないだろう。)以前なら、私はいつも Apple の Power Mac と Mac Pro を買っていた。私が毎日使うワードプロセッサやデータベースがパワー増大の恩恵を受けることができたし、その上 2006 年になるまでは(iMac が 2006 年に第二モニタに対応し、2009 年に Mac mini がそれに続いた)Apple のタワーマシンのみが複数ディスプレイに対応していたからだ。でもこれからの私は、自分がもはやプロではないという事実を受け入れなければならない。少なくとも、Apple の目から見れば。

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2011 年型 MacBook Pro で多くのユーザーが GPU の問題を報告

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS 読者の Andrew Roazen から、2011 年モデルの 15 インチおよび 17 インチ MacBook Pro に搭載されたディスクリートグラフィックプロセッサに問題が広範に存在していてグラフィックスの誤作動やシステムのフリーズを起こしているという警告が届いた。13 インチモデルの MacBook Pro にはディスクリートグラフィックが搭載されていないのでこの問題は起こらない。Apple Support Communities フォーラムでは 三つのスレッドこの問題を議論していて、閲覧数は 850,000 件以上、返信数も 4,400 件を超えている。

2011 年の early および late モデルの 15 インチおよび 17 インチ MacBook Pro のオーナーたちから報告された症状は、次のようなものだ:

YouTube ユーザー MrWojzilla が、彼の early 2011 MacBook Pro 上の深刻なアーチファクトを示した 実例ビデオを作っている。

原因と解決法 -- どうやら問題は、それらの MacBook Pro モデルに搭載された AMD Radeon HD グラフィックチップセット (the 6490M, 6750M, 6770M) にあると切り分けられているようだ。興味深いことに、それ以前 (2007 年まで遡る) とそれ以後の MacBook Pro モデルは、ディスクリートグラフィックプロセッサに AMD でなく Nvidia のチップセットを使っていた。

一時的な回避策は、Cody Krieger の無料のユーティリティ gfxCardStatus を使ってコンピュータに強制的に統合 Intel HD 3000 グラフィックチップへ切り替えさせることだ。また、gfxCardStatus は現在どちらのグラフィックチップが使われているかをいつでも表示することができる。統合グラフィックスの方が遅いが、電源消費が少ない。(2011 年 2 月 21 日の記事“MacBook Pro の電池寿命を gfxCardStatus で伸ばす”参照。)

フォーラムに投稿した人たちの多くは、問題の根源が無鉛はんだ(環境に優しいけれども結合の剛性が弱い)にあると考えている。Xbox 360 で非常に多数のユニットが故障したいわゆる「死の赤リング」問題も、無鉛はんだが適切に使われなかったのが原因とされた。

残念なことに、AMD チップはロジックボードに取り付けられているので、最も安全な解決法は Apple Store または Apple 認証サービスプロバイダに依頼してロジックボードを交換してもらうことだ。ユーザーたちからの報告によれば、保証対象外の場合 Apple での修理価格は定額の通常修理で $320 となりこれにはコンピュータの送料も含まれる。より早く済む店内修理の場合は $500 程度だ。いずれにしても、Apple がコンピュータを丸ごと交換すると判断した場合に備えてあなたのデータの完全なバックアップを必ず作っておこう。

報告されたもう一つの解決法は、もしもあなたに決死の覚悟があって、熟練の技術を備えていて、しかも少しばかり常軌を逸しているならば、熱線銃を使って自分でリフローはんだ付けを試みるというもので、Make Stuff/Do Stuff ブログの Geoff Hill が写真付きで説明している。常軌を逸した人たちに乾杯!

広範に存在しているこの問題を Apple がきちんと認めて、該当するコンピュータをリコールしてくれることを願いたい。

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iPhone 5 の充電問題を修正

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私の iPhone 5 に問題が生じた最初の兆候は、自動車旅行をしていた時のことだった。私は iPhone を充電器に繋いだまま、バッテリ消費の多い GPS ナビゲーション機能を使っていたが、充電器に繋いでいるのにバッテリ切れとなってシャットダウンしてしまった。その後ケーブルをいろいろいじっているうちに接続は復活し、iPhone はきちんと再起動して充電もできた。その後も時折、その iPhone を Lightning ケーブルに繋いでも(どのケーブルを使うかにはよらなかった)接続できず、iPhone が充電中の表示を出さないことがあった。そんなことが起こるだけでもかなり心配だったが、問題はさらに悪化した。最近数週間は、Lightning ケーブルを上向きにかなり力を入れて差し込まなければ接続が生じないようになってしまった。ここ数日間は、私は毎晩数冊の本を iPhone の上に積み上げて十分な圧力を保つようにしてきた。

言うまでもなく、私はとても心配だった。この iPhone 5 はとうに保証期間を過ぎているし、新しいものを買う羽目になるのは嫌だったからだ。充電に問題があるということは、どこかのはんだ接合か内部結線がゆっくりと壊れつつあることを強く示唆していたし、Lightning ケーブルに強い圧力を加えなければならないことは、それ自体ダメージを引き起こす原因ともなりかねない。

これはやはり、 複雑な分解の手順を自分で踏まなければならない(いつも通り iFixit に感謝だ)し、パーツやツールを入手するのに $40 か $50 ほどかかるだろう、と私は覚悟を決めつつ、もう少しだけ情報を得ようとあちこち調べ始めた。その時だった。Apple Support Communities の議論スレッド の中に、問題は単に Lightning ポートの中に糸くずやその他のゴミが入り込んでいるだけのことかもしれないという助言があるのに気付いたのは。私の iPhone は一日中私のポケットに入っているので、細かいほこりか何かがポートに入り込むのは十分考えられることだった。

Lightning ポートの中を覗き込んでも特に異物が入っているようには見えなかったし、圧縮空気の缶でシュッと一吹きしても目に見えるものは何も飛び出さなかった。けれども、それにもかかわらず、この一吹きだけで問題は解消された。ポートに圧縮空気を吹き付けて以後、この iPhone はどの Lightning ケーブルを使ってもきちんと充電されるようになり、もはや余分の圧力を加える必要はなかった。ペーパークリップやピンなどを使って Lightning ポートを清掃するとうまく行ったと報告した人たちもいるが、圧縮空気を使うやり方の方が安全だと私は思う。

ポケットの糸くずが iPhone が充電しなくなる唯一の原因だなどと言うつもりは毛頭ないし、もしもあなたが同種の問題を経験しているのなら、他の可能性も全部考えてみて頂きたい。特定の一つの Lightning ケーブルだけに欠陥があるのかもしれない(特に Apple ブランド以外のケーブルの場合は注意が必要だ)し、USB ポートや壁に取り付ける充電器の方に問題があるかもしれない。さらには、特定の電源コンセントのみブレーカーが落ちている可能性さえある。(私も一度、電動歯ブラシが充電しないので壊れたと思ったことがある。けれどもその後かなり時間が経ってから、一つの回路だけブレーカーをオフにしてあったことに気付いた。この回路には何も差し込んでいないからと思って、私が自分でその回路のブレーカーをオフにしていたのだった。あらら!)

それにもちろん、Lightning ポートについての私の当初の懸念があなたの問題の場合当たっていたという可能性も厳然としてあって、その場合は iFixit を参考にして分解せざるを得ないかもしれない。Apple Support Communities のもう一つのスレッド にそうした可能性がたくさん列挙されているので、もしも私がここに書いた試みがうまく行かなければ、18 ページにわたるそのスレッドに寄せられた返信を読んで、やってみる価値のありそうなものを探してみられるとよい。

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"Take Control of Apple TV" の Chapter 8、入手可に

  文: Adam C. Engst: ace@tidbits.com, @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

私の長いこと温めてはいたが実際には手を付けていない DIY プロジェクトの一つにデジタル写真フレームがある。私が考えているのは、スナップショットにしか適さないちゃちな奴ではなく、ディスプレイには 19- から 24-inch のものを使って、机の片隅に追いやられるのではなく、絵画の様に壁に掛けてもサマになる様なものである。

実際に中々作る気になれなかった理由の一つは、Apple TV が 50-inch Panasonic プラズマ HDTV 上に、我々の広範囲な写真コレクションの中から写真を表示してくれる見事なまでの仕事のせいである。勿論、節電のため何時もつけっぱなしにしておくわけではないが (私の考えているフレームは部屋に動きを感じた時だけ電源が入る)、我々は Netflix を見た後 Apple TV のスクリーンセーバーに次から次と現れる我々の写真を眺めるのが好きである。もしこれまで Josh Centers のストリーム電子本 "Take Control of Apple TV" を読んでこられたのであれば、これがまさに出版されたばかりの Chapter 8, "View Photos & Home Movies" で取り上げている内容でもある。

Josh は、あなたの写真を iCloud Photos や Flickr アプリ経由でテレビ画面上に映すやり方を手順を追って説明し、更に iPhoto や Aperture に蓄えた写真を Apple TV 上に映すやり方も説明する。今やクラウドベースの写真保存はもう取るに足らないものではない。彼はまた解像度の違う写真のためのスクリーンセーバーの構成法についての助言を提供、スライドショーに対する幾つかのアプローチを説明、ビデオを iMovie から Apple TV 上の iMovie Theater アプリに移す方法に触れ、そして写真やホームビデオを映すのは AirPlay を使うだけでも出来ることを思い出させてくれる。

Chapter 7, "Rock Out with Apple TV" Chapter 6, "Apple TV at the Movies" Chapter 5, "Master AirPlay" Chapter 4, "Discover What's on Offer"、Chapter 3, "Control Your Apple TV" そして Chapter 2, "Set Up Your Apple TV" と同様、この章も無料で入手可だが、それは TidBITS 会員に限られる:但し Chapter 1, "Introducing Apple TV" は Josh が何を書こうとしているのかを知って貰うため、皆さん全員に見て頂きたい。どうかコメントは引き続き残して欲しい - これまでの所、これらはとても助けになっている! 本が完成した暁には、誰もがこの電子本を PDF, EPUB, そして Mobipocket (Kindle) フォーマットで購入出来る。TidBITS 会員は、この本だけではなく他の Take Control タイトルも 30% 引きで買える。

この電子本をそっくりそのまま書かれたそばから TidBITS 会員に提供するのは、TidBITS 会員の支援に対する我々からの感謝の印である。また、注意深く検討され、職業的に書かれそして編集された記事を我々が毎週 TidBITS を長年無料で読んでこられた方々にもお届けするのを今後も継続出来るよう援助の手を差し伸べて下さることをお願いしたい (更なる詳細は "2014 年の TidBITS を TidBITS 会員プログラムを通して支援して" 9 December 2013) 参照)。

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CES 2014: CES Unveiled と Startup Debut から

  文: Jeff Porten: jporten@gmail.com
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Las Vegas から今日は。こちらでは International CES の公式開場迄にはまだ二日あるが、もう事前イベントが始まっている。お天気も、私が後にした Philadelphia とは比べものにならないし、到着早々新造語を作りたい気分になってしまった。

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事前イベントには、これら副次イベントに参加するために余分なお金を払っている会社からのデモが含まれる。彼らの望みは、我々が飲み食いしている間に報道陣からより焦点を当てて取り上げて貰おうというものである - この無料の食い物と飲み物に大挙群がっているのは報道陣である。日曜日のイベントには、公式の CES Unveiled と Social Radius Startup Debut が含まれる。

去年と同じ様に、私の CES 報告で 🎁 アイコンの絵文字 (emoji) が付いているものは、その会社から何らかの試供品を受け取ったことを表している。通常はその製品のデモモデルである。(Google Chrome で絵文字が見えるようにするには、 Chromoji機能拡張をインストールする。)

ここに取り上げるものには、私が実際に自分で見たもののだけでなく、メールで送られてきて興味をそそられたが、会場では実際に辿りつけなかったものも含まれる。

EnerPlex Jumpr Slate -- 数年前、私が見た中で最も驚いたのは誘導電力で動作するブレンダーであった ("CES 2010: 未来をブレンドする" 7 January 2010 参照)。今年は、電池である:EnerPlex からの Jumpr Slate 10k で iPad サイズのパッケージに 10,000 mAh を収納している。重さは数オンス (1 オンスは 30 グラム弱) しかなく、もっと驚くのは $100 という価格である。これは外部電池の MacBook Air 版である;下記の写真は真横から見たもの。EnerPlex はまた寿命が半分の 5,000-mAh 電池を $60 で売っている。iPhone 5 及び 5S 用の Surfr iPhone ケースには 2,000 mAh の電池と太陽電池がスリムなケースに組み込まれ、$100 である。

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FUZ Designs EverDock -- FUZ Designsは、同社の EverDock Duo 🎁 の公開前バージョンを事前に送ってくれていた。本品はもう出荷されている。これは電話とタブレットの充電ドックで二台が一度に扱える;ケーブルは組合せ自由で、必要に応じて Lightning か micro-USB のチップが使える。ドックには切り通しの溝が切られており、平らに置いた状態で内蔵のケーブルが相手方の USB パワーに綺麗に到達する。(残念ながら、私が貰ったモデルにはケーブルが付いていなかったので、この平らに置いた時の納まり具合を自分では確認できなかった。) EverDock は Colonel Mustard によってその書斎で 本来の目的とは異なる用途のために使われるに十分な重さと重量感を備えており、両方共魅力的なスタンドとなるだけでなく最前面の機器を充電中でも使わせてくれる。FUZ Designs からの直売価格は $70 である;単一機器の EverDock は $50 である。

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転がり、ジャンプ、そして飛ぶロボット達 -- 転がるロボットの Orbotix Sphero は兄貴分の Sphero 2B を加えた。このロボットは転がる だけでなく 宙返りもする。もし "Batman Begins" を観たことがあるならば、この子犬が動き回る様子は、そこに出てくる Tumbler から大体想像できる。私は iPhone 制御の転げまわる玩具が、あなたが猫でない限り、この先どの位人の心を捉え続けられるのか懐疑的ではあるが、数分間見る分には十分に楽しめる。この新しい Sphero 2B は現時点ではまだ試作段階で、出荷されるのは今年後半になる見込みである。

所で、これまで報道陣の注目を集めた AR.Drone iPhone 制御のクワッドコプターのメーカーは地球上に下りてきて、カメラ搭載の Jumping Sumo という転がりロボットを登場させた。宙返りするのではなく、数フィートの高さまで空中に跳び上がることも出来、デモの人が制御するのに使っていた iPad 上にこれを載せた時には多くの感嘆の声を集めた。Parrot ブースには人垣が出来ていて、出荷の詳細を聞き出すことは出来なかったし、Parrot Web サイト にも現時点では Jumping Sumo は載っていないが、期間中に彼らの CES ブースに近寄れたら詳細を聞き出したいと思う。

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他に目につく程観衆の評価を集めていたのは DJI の Phantom 2 Vision クワッドコプターで、広角の 14-megapixel カメラを搭載している;私に言えることは、暑い部屋の中でこの下に立っていると、極めて心地良いそよ風を感じられることである。これを飛ばすのはとても面白いだろうと思うが、自分のものにするには $1,200 を用意しなければならない。

PowerUp 3.0 スマホ制御の紙飛行機 -- まだ空中にいる間に言うと、この PowerUp 3.0 Smartphone Controlled Paper Airplane の Kickstarter 支持者になる期間がまだ 25 January 2014 迄残されている。これは低出力の Bluetooth 機器で、紙飛行機にプロペラと Bluetooth 制御を付け加える。このプロジェクトはこれまでに $900,000 近くを集めており、初期目標の $50,000 は少々上回っているが、この 3.0 バージョンは (既存の 2.0 モデルに遠隔操作が加わる) May 2014 に出荷の予定である。$40 で Kickstarter の基礎キットが得られる;リリース後の価格はまだ発表されていない。

FrogPad2 -- 私はまだこれを実際に見る機会を得ていないが、まもなく発売予定のFrogPad2 を探し回ろうと思っている。これは Bluetooth 入力を受けられるものなら殆どどんなものにも使えるよう設計された片手キーボードである。FrogPad (会社の名前) は一日使えば毎分 40 語をタイプ出来ると言っているが、より興味を引く疑問は、旅先での書き物用として親指タイピングや音声認識より優れているかどうかである。数年前に QWERTY から Dvorak への苦痛に満ちた移行を経験した一人として、私は片手での筋肉記憶を覚えることで、通常の両手タイピングの技量が邪魔されはしないかどうかを知りたいと思っている。FrogPad は 25 台のキーボードを負傷した退役軍人に使って貰おうとチャリティに寄付しており、更に "You + 2" パッケージを $279 で予約注文してくれた人全員に更に二つを寄付すると報じられている;通常の予約注文価格は $149 である。

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U.S. TechVets -- 退役軍人に対するサービスと言えば、Consumer Electronics Association は新しい組織を立ち上げている。それは U.S. Tech Vets で、退役軍人のために軍から民間の職業への移行を手助けする。10 指に余る他の組織及び Monster.com と共同して、U.S. Tech Vets は "Military Skills Translator" を立ち上げている。これは軍の職務記述を企業の職務へと変換する。サイトのフロントページには継続教育や負傷した退役軍人に対する支援の情報が含まれている。

TREWGrip -- 他の目新しいキーボードニュースに、TREWGrip モバイル QWERTY キーボードの試作品がある。これは 2014 年の後半に出荷予定となっている。使い方は両手でこの TREWGrip を持ち、そして電話やタブレットを真ん中の部分に取り付けるのである;指でタイプするのは TREWGrip の 背面 で、表側では明かりでどのキーが押されたかを表示する。更に表側では、矢印キーや Spacebar の様な一般的な非タイピングキーに親指でアクセスする。TREWGrip が言うには、QWERTY タッチタイピストならば (残念ながら、私は最早そうではない)、一日か二日使い込むだけで通常のタイプ速度の 90% は達成できるという。試作品はシリコーンかフルストロークの機械式キーのどちらかを持っており、どちらのタイプでも、立って、歩き回りながら、或は寝そべってキーボードを使ったタイプが出来る (要練習)。TREWGrip の値段は $250 から $350 の辺りであろう。

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TradeYa -- 新興の TradeYa はインターネット上で物々交換するための新しいプラットフォームの興味深いデモを行っていた。CEO Jared Krause によれば、彼らは物々交換の背後にある社会的衝動を分析し - 彼が言うには、子供たちは本能的にやっている - そしてその研究を使ってお互いの物やサービスを欲しいと思うかもしれない人達を結びつけるインターフェースを設計したという。このサイトは私的なベータを終えた所で、現在新しい申し込みを受け付けている。TradeYa は $3 のサービス料を完了した物々交換の両方から徴収するが、交換したものの価値には依存しない。

CTA Digital トイレットペーパーホルダー付き汎用タブレットスタンド -- 最後に、タブレットから 1 分も離れていられないという人のために、CTA Digital は家の中で一番小さい部屋用のトイレットペーパーホルダー付の汎用タブレットスタンド を発表した。個人的には、この製品の姿は CES でしか見つけられない種類のガジェットに対する公式ロゴにもなり得ると思うが、 CTA Digital が言うには、これは昨年の iPad 専用のモデルが良く売れたので開発したのだという。

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スパイ活動の情報に遅れずついて行こう 2: 修正条項第 4 条の逆襲

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

元 NSA 契約者であった Edward Snowden から暴露された情報は雪だるま式に膨れ上がり続けており、私が前回まとめた記事(2013 年 12 月 10 日の記事“スパイ活動の情報に遅れずついて行こう”)も出版されてほんの数時間後にはもう内容が時代遅れに見えたくらいだった。けれどもこの NSA (国家安全保障局) を巡るドラマが舞台を法廷に移すにつれて、私たちが最新情報に通じていることは以前にもまして重要になりつつある。

私の前回のまとめ記事が出た後、60 Minutes が NSA を特集した番組を放送した。[訳者注: 60 Minutes は、米国で最も人気あるニュースショーのテレビ番組 (CBS 制作) です。]けれども、現実を言えば、そのレポーターはいつも 60 Minutes に登場する記者ではなく、元は Associate Deputy Director of National Intelligence、現在はニューヨーク市警察に Deputy Commissioner (本部長補佐) として雇われている人物による、ちょうちん記事まがいのレポートに過ぎなかった。この人物 John Miller は、レポートの中で「陸軍大将 Alexander [NSA 長官 Keith B. Alexander のこと] は、NSA がこれまで自らの立場をうまく説明してこなかったという考えから今回話をさせてもらうことにした、と私たちに語ってくれた」とさえ述べた。

番組全体にわたり、結局 Miller は NSA 側による話に対して一度も異議を述べなかった。つまり、NSA は極悪人 Edward Snowden の犠牲者であり、自由を愛するアメリカ人をテロリズムから守ろうとする NSA の能力に Snowden は回復不可能なダメージを与えてしまった、という立場を擁護したわけだ。言うまでもなく、この 60 Minutes 番組は The New York TimesThe Verge など各メディアから酷評された。

結局のところ、NSA はありとあらゆる広報手段を駆使して自らの立場を主張しようとしているのだ。その次の日、連邦地方裁判所裁判官 Richard Leon が、 令状なしにデータ収集をした NSA の活動は憲法に違反する可能性が高いという判決を出した。Leon は、NSA 問題の現状が生じた元となった政権を担った George W. Bush 元大統領の被任命者だが、これらのプログラムが「ほとんど Orwell 的である」とさえ述べ、米国憲法を構築した James Madison が今生きていれば「愕然と」しただろうとまで言い切った。

その次の日、Obama 大統領は Apple の Tim Cook、Google の Eric Schmidt、Yahoo の Marissa Mayer といったテクノロジー業界のリーダーたちをホワイトハウスに招いて Healthcare.gov ウェブサイトについて議論しようとしたが、その代わりに大統領が耳にしたのは苦情の嵐だった。報道によれば、ミーティングの話題をヘルスケアに絞ろうと呼びかけられた一人の重役は「そんな話はどうでもいい、私たちは NSA について議論するために今日集まったのだ」と言ったという。別の報道によれば、Zynga 創設者の Marc Pincus は大統領に対して Edward Snowden の赦免を要求し、Obama 大統領はそれはできないと答えたという。(赦免は憲法により大統領に与えられた権限なので、できないのではなくするつもりがないという意味ではないのか?)

その同じ週、状況は Obama 政権と NSA にとってさらに悪化した。大統領の諮問した委員会が NSA 暴露について調査を始めることを決定し、多くの諜報機関元職員たちが プログラムへの全面的な規制を提言したのだ。New York Times は論説で、Obama 大統領は自ら諮問した委員会の提言を実行に移すのをわざとぐずぐず遅らせているようだと述べた。

どうやら多くの事柄がプライバシー擁護者を呼び求めているように見え始めた。それから Edward Snowden 本人がロシアの隠れ場所から一時的に姿を現わしてクリスマスのビデオメッセージを公開し、その中で「今日生まれた子供は、プライバシーという概念を全く持たずに育つだろう。彼らは皆、プライベートなひとときというのがどんなものなのか、知ることはないだろう」と述べた。

でもちょっと待って、お祝い気分になるのはまだ早過ぎるかもしれない。クリスマスの二日後、連邦裁判所判事 William Pauley が NSA による電話記録の大量収集は合憲であるという判決を出した

そのような敗北があってさえも、政府に対する圧力はますます増しつつある。New York Times の論説記事は今や Snowden の恩赦を求めている。「彼が明かした情報の持つ膨大な価値と、彼が暴露した乱用の数々を考えれば、Snowden 氏に無期限の国外追放、不安と逃亡の生活を送らせるのは不当と言わざるを得ない」と同紙の論説委員は述べた。

こうして Snowden と彼が暴露した情報を巡る争いがますます高まる一方で、彼が開いた Pandora の箱の蓋を閉めることはもはやできない。セキュリティ研究者 Jacob Applebaum はドイツの雑誌 Der Spiegel と協力して、 NSA の Tailored Access Operations (TAO) ユニットについて暴露した。このユニットは多数の若いハッカーたちから成っている。TAO はさまざまの能力を持つが、その一つとして Microsoft Windows のエラーレポート機能に侵入することにより PC に遠隔アクセスできるようにしたこともある。

Applebaum はまた、iPhone ユーザーに特に関係するもう一つの NSA プログラム DROPOUTJEEP についても明かした。これは一種のマルウェアで、iPhone に対しては 100 パーセントの成功率を誇ると言われている。幸いにも、どうやらこの DROPOUTJEEP はその iPhone への物理的アクセスを必要とするらしく、また Apple は NSA と協力して自社のソフトウェアにバックドアを有効化したことはないと明言している。

暴露が雪だるま式に膨れ上がるにつれて、多くの事柄がSF小説の雰囲気を漂わせるようになった。どうやら NSA はヨーロッパ各国のパワーと競争するため、理論的には既存のすべての暗号化を破ることが可能な量子コンピュータを開発しようとしているらしい。

NSA のドラマが法廷へ、そして議会へと展開して行く一方で、私たち一般市民にできることはただ一つ、言葉を口に出して、会話を続けることだ。バーモント州上院議員 Bernie Sanders がしたのはまさにそのことで、 NSA に対して単刀直入に NSA は議会をスパイしているのかと尋ねた。それに対する NSA の返答が興味深い。NSA は議会に対するスパイ活動を否定することを拒否しつつ、「議会のメンバーはすべての米国市民と同等のプライバシー保護を受ける」と述べた。NSA が議会をスパイしていてもそれほど驚くには当たらない。元セキュリティ公益通報者であった Russ Tice は、遡ること 2004 年以来ずっと NSA が当時上院議員候補者であった Barack Obama をスパイしていたと述べている。

Sanders の質問状に対するこの返答は、超党派的 USA Freedom Act 法案に向けて大きな影響を持つだろう。これが成立すれば NSA の大量データ収集はなくなるはずだ。けれども悲しいことに、議会こそが NSA による乱用に対処できる最良の手段であるかもしれないが、最高裁判所長官 John Roberts の監督を受けた FISA court (外国諜報活動偵察法による合衆国外国情報活動監視裁判所) が、憲法上の疑義があるにもかかわらず、その後再び NSA の電話メタデータ収集プログラムに認可を与えている。またその一方で、セキュリティ専門家 Richard Clarke が、彼はいくつもの政権の下で働き、あの全面的規制の提言をした大統領諮問委員会のメンバーでもあった人物だが、"On the Media" の Brooke Gladstone に対して FISA court は良い仕事をしたと述べている。

では、次の更新記事まで、皆さんプライバシーをお大切に。

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今は IFTTT がインターネットを自動化、でも次はどうなる?

  文: Jeff Porten: jporten@gmail.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

賢人言葉に「あなたがどこへ行こうとも、あなたはそこにいる」とあるが、あなたがどこへ行こうと、あなたの iPhone もそこにある。今自分が立っている場所の衛星写真が見られたり、夜中に全く初めての場所に到着してもその近くにレストランが見つかるという、比較的新しく手に入れた能力を、私たちはまるで当然のことのように思っている。

けれども、結局のところすべては情報の問題だ。素晴らしく便利な情報だけれども、ただの情報に過ぎない。私たちがまだ手に入れていないのは 自動化 だ。つまり、その情報を利用して有用なことが自動的に私たちの周囲に起こるようにできる能力だ。確かに Apple は iBeacon を使って Apple Store 店内で超局所的販売情報提供をしているし、既に Michael Cohen が記事“iiOS 7 で期待膨らむ iBeacon”(2013 年 9 月 18 日) の中でこのテクノロジーをさらに役立つ(より気味悪さの少ない)目的に応用できることを解説しているけれども、それらはすべて、他の人たちがあなたに代わって何かをコントロールする話だ。では、私が私自身の世界を自動化することが、どうしてそんなに難しいのだろうか?

分かりやすく言えば、どうして私は自分のコーヒーメーカーのタイマーをセットしなければならないのか、ということだ。私が目覚める時間をコーヒーメーカーが知っているようにはできないのか? 私が自宅に帰り着く 30 分前に自動的に暖房のスイッチが入るようにはできないのか? それと、これは Pete に言いたいが、三日も前に飲み切ったミルクを買っておいてくれと頼むのに、どうして私は毎度毎度手でリマインダーをセットしなければならないのか?

これらのことの多くはまだまだ難しいだろうし、相当の時間が経たなければ実現は不可能だろう。けれども、少なくともインターネットの利用に関しては、いくつか興味深い自動化ツールを提供できる魅力的な基盤構造が既に存在している。その名を IFTTT と言い、あなたがそれに指示を出しておきさえすれば、あなたがどこにいるかを追跡してあなたのためにいろいろなことを開始するようにできる。現在それがどんなことをできるかを知るのも価値あることだが、どのような自動化された未来をそれが示唆しているかを考えるのも、意味あることだろう。

IFTTT よ、私のために働け -- IFTTT は "If This, Then That" (これならあれを) の略だが、もう少し日常的な言い回しにすれば "If This (Happens), Then (Do) That" (もしもこれが起これば、その場合あれをせよ) という意味だ。IFTTT には 76 個の異なる "channel" があって、監視すべきイベントと、それぞれに対してすべき事柄が定められている。その大多数は、インターネット上のイベントを、もともとそれとは別のインターネットアクションとを、あなたの意のままに相互に絡み合うようにさせるものだ。あなたが一つのイベントを一つのアクションに結び付ければ、IFTTT はそれを "recipe" と呼ぶ。どんな recipe も他の IFTTT ユーザーたちと共有することができるので、既存の recipe を何千も揃えたライブラリが出来ていて、あなたはそれらを自分の必要に応じて改変して使うことができる。でもたいていの場合改変の必要はない。新規に recipe を作るのも簡単だからだ。

例えば、私は普段から Facebook や Twitter に投稿しているが、機知に富んだ自分の言葉がそれらの貯蔵庫に閉じ込められたまま二度と人の目に触れなくなるのは嫌だと思っている。そこで私は IFTTT の recipe を作って私の投稿を放置されていた私のブロクの中へコピーさせるようにした。また、エッセーを書いて私のブログの "important" カテゴリーに投稿した際には自動的に通知が Facebook と Twitter に行くようにしたが、"important" 以外のカテゴリーに投稿した際には Facebook のみにクロスポストされるようにした。

それからまた、私は自分の iPhone に強制的に日記をつけさせるために一連の IFTTT アクションを設定している。時には、Foursquare にチェックインすると自動的に私の Google Calendar にその時刻を記したイベントが追加されるので、一週間を振り返って自分がいつどこにいたかが一覧できる。また、私が Evernote の中に作っている inbox ノートブックに Foursquare チェックインを記録させることもでき、そうすれば日々つけている音声やテキストのメモと並んでその記録が入り交じるようになる。いつでも好きな時に recipe をオフにすることができ、私は自分のライブラリの中に二十個ほど recipe を用意してその中から気分に応じてオンにして使うようにしている。

IFTTT が iOS 用に初めてリリースされた時点で、他のいくつかの iOS アプリとの間にいくらかの統合が含まれていた。例えば Contacts アプリや Photos アプリと統合されていた。だから、iPhone で撮った新しい写真を Evernote inbox へ自動的に持ち込むことも可能になった。(あるいは、さらに言えば、危険をものともせずどんな公共の場所へでも IFTTT の channel がありさえすれば投稿できるようになった。)また、Contacts に新しい人が追加される度に自動的にその人にあてて自分の連絡先情報を添えつつ「お会いできて嬉しいです」メッセージを送るというアクションを思い付いた人もいた。

IFTTT で最も興味深い点は、いろいろなイベントやアクションを自分の思うままに組み合わせられることだ。どんなイベントでも、IFTTT が理解できる形で切り分けることができさえすれば、そのイベントをあなたの好きな channel に振り向けることができる。一番難しいのは IFTTT が何を理解できるかを見極めるところだが、たいていの場合そこには回避策がある。例えば、TidBITS channel は用意されていないけれども、出来合いの RSS Feed channel を使えば、TidBITS ウェブサイトが更新される度にアクションを生成させるようにできる。行き詰まったら、共有 recipe のライブラリを眺めて、盗めるアイデアがないか探してみるとよい。

大多数のソーシャルネットワークは IFTTT の channel として使える(目立つ例外は Google+ だ)ので、あなたの代わりに情報をさまざまの形で公開共有させることが可能となる。最も人気ある IFTTT recipe の中には、iPhone で撮った新しい写真を電子メールで送信する(Photo Stream を信用していない人たちがどれほど多いかということだ)もの、毎日の天気情報を SMS で受信するもの、Facebook でプロフィール写真を更新すれば Twitter でも自動的に変更するもの、などがある。

まずは使ってみよう -- IFTTT はサインアップするのも使用するのも完全に無料だし、その iOS 用アプリも無料だ。(同社が 20 人のスタッフを抱えていてまだ増員中であることを考えれば、彼らがどうやってお金をもうけようとしているのか、彼らの長期的生き残り戦略は何か、という疑問が浮かぶ。今のところ彼らはベンチャーキャピタルによって食いつないでいる。)

まず ifttt.com で新規のアカウントをセットアップし、それから一番上にある Channels リンクをクリックする。

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手動で channel を有効化しておかなければ recipe で使えるようにならないし、IFTTT が提供しているたくさんの channel のうちあなたに必要となるのはほんの少数だろう。全部を使おうとするのでなく、あなたが以前から使っているサービスに関連のある特定の channel をいくつかクリックしよう。あなたが Facebook のヘビーユーザーなら、その channel をオンにしよう。私と同様、LinkedIn ってどうやって使うのか全然分からないなら、それはオフにしておこう。ただし例外は、あなたの iOS デバイスと統合する channel だ。デバイス自体の上では、それらの channel を有効にしておかねばならない。

それが済んだら、既存の recipe をいろいろ眺めて、IFTTT のトリガーがどんな風に働くのかアイデアを得るのもよいし、いきなり自分用の recipe を作ってみるのもよいだろう。Create をクリックすれば、利用できる channel のリストが表示される。そこで大きな青い "this" という単語をクリックすれば、トリガーとなる channel が表示される。

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それから channel を一つ選べば、その channel で使えるトリガーのリストが出る。例えば、現在のところ Facebook channel は "new status message" や "you are tagged in a photo" など 13 個の監視すべきイベントを提供している。そこからトリガーを一つ選べば 何を 探すべきかをあなたが指定するためのフォームが出るが、このフォームはイベントにより変わる。次に channel リストへ(大きな青い "that" という単語をクリックして)戻る。これもまた、どの channel の中のどのイベントも、他のどこにあるアクションでも呼び出すことができるからだ。何かを起こさせたい channel を選んでから、アクションを選び、ここでもまたフォームに記入する。全部で七つのステップだが、すべての手順は一つの長い、縦にスクロールするページの中で案内される。

そこで Create Recipe をクリックすれば、もう出来上がりだ。何かが起こるのを待って、それが起これば結果として何かをする、そういう recipe を一つあなたは手に入れた。説明が複雑に聞こえても、実際にポイント&クリックしてみれば何でもない。経験豊富な読者の方は、私が説明しているものが インターネット用のビジュアルなスクリプティング言語 だともうお気付きだろう。だからと言って怖がる必要はない。これは、私が使ってみたことのあるうちで最も単純なスクリプティング言語で、ただ IF-THEN 構文を含んでいるのみだ。でも、もしも混乱してしまったなら、公開されている recipe から始めて、それをあなたの必要に合うように変更して使えばうまく行くはずだ。

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現実世界はどうか? -- IFTTT には興味深い channel や recipe が既にいくつかあって、現実世界に自動化を適用することができる。何かのイベントに参加するつもりだけれども長居はしたくないので立ち去る口実が欲しいって? ならば、秘密の脱出用単語を文字で打ち込めば電話が鳴るという IFTTT recipe を作っておくか、あるいは Date and Time トリガーを使って指定の日時に鳴らすようにしてもよい。電話から聞こえる声が text-to-speech の合成音声であることを知っているのはあなただけだ。(ちなみに、どんなトリガーの結果も、text-to-speech の合成音声で読み上げることができる。)

位置情報機能を使えば、IFTTT にはさらに確固とした現実世界の用途が開ける。もちろん、仕事場を出ようとする時に大切な人に電子メールする recipe を作ることもできるけれども、あなたが(あるいは Elvis が)実際に建物を出た瞬間にテキストメッセージを送るようにすればどんなに良いだろうか? 位置情報機能を IFTTT に組み込むのは難しくない。地図の上であなたがトリガーを引き起こしたい場所を見つけ、その位置からどれだけの半径の範囲を指定したいかを決めておいて、あなたがその範囲に入ったり出たりすれば起こしたいアクションを、何百もある中から一つ選べばよいだけだ。IFTTT ではこの指定の作業をウェブブラウザからでも iPhone からでもできるようにしているが、その recipe のトリガーを実行できるのは iPhone の位置情報のみだ。

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確かに、iOS の Reminders アプリを使ってもアラートを出させることができるけれども、IFTTT ならばあなたが仕事場を出る時に帰りに食料品店に寄って買い物するというリマインダーをテキストメッセージとしてあなたに送ることもできるし、あなたの大切な人にあてて何か買い物して帰ろうかと尋ねるメッセージを送ることもできる。

IFTTT はまたいくつかの電気製品と統合してホームオートメーションを提供できる。どんな電気製品でも Belkin WeMo スイッチに連結させれば、IFTTT があなたの好きなようにその電気製品の電源を入れたり切ったりできる。これこそ、魔法のコーヒーポットの入り口だ。あなたが家を出る時に "power down" アクションを送るように IFTTT に命じれば、もう二度とポットを空焚きする心配はない。Belkin WeMo 以外に Philips Hue スマート電球にも対応しているので、実質的に家全体の電源を IFTTT で入れたり切ったりすることは可能だが、ただしそのためには家中のスマート電源やスマート電球に数百ドルほど投資しなければならないだろう。

けれどもこれは単なるお試し段階に過ぎない。そう、あなたがフィットネス追跡器 Jawbone UP を持っていれば、朝目覚めればコーヒーポットの電源が入るようにできる。ただしそれは、コーヒーポットにただ電源が入るだけでなく、その先のこともできなければ意味はない。それから、スマート電源スイッチを使って外出するとすべての電気製品の電源が切れるようにすることはできるけれども、バックアップ用バッテリが付いていない電子機器があって帰宅する度にプログラムし直さなければならない事態になっても私は知らない。

そういったことは、IFTTT チームが悪いのではない。彼らが成し遂げたのはただ、電子メールからあなたの現在位置のインターネットデータまでさまざまの入力を受け入れて、それをもとにさまざまの自動化されたアクションを呼び出すことのできる、組み合わせの能力のみだ。問題があるのは、データを IFTTT の中へ持ち込むことのできる標準規格がまだ存在しないことで、そのため彼らはどんな機器にでも対応できるように独自の解決法を編み出さなければならなかったのだ。

ミルク配達自動化問題 -- 私はもう何年も前から International Consumer Electronics Showに参加して TidBITS に報告記事を書き続けているので信頼して頂けると思うが、Automatic Milk Problem (AMP、ミルク配達自動化問題) は歴然たる問題であり、空飛ぶ自動車が毎度約束されるけれども決して実現しないテクノロジーであるのと同等のレベルのことと言える。

約束されるのは、いつの日か「賢い冷蔵庫」が完成して、ミルクが減ってきたことを感知して自動的にメッセージを発し、あなたの自宅にミルクが配達されるようになるだろうというものだ。(現状で最も AMP に近いのは Amazon を購読するやり方だが、それはスケジュールに従って配達されるだけに過ぎず、実際にミルクが減ったから配達されるということにはならない。)理論的には、そのためのきちんとした統合さえあればこの問題はもう何年も前に解決されているはずだ。けれども実際問題としては、それに対応する特殊な冷蔵庫を購入するにはキッチン全体より高くつくし、メーカーの認可を受けたミルク販売業者が配達しているのは San Francisco 市内の五ブロック平方の範囲内のみというのが現状だ。リンゴも減ってきたって? そっちはもっと無理だ。

その代わりに私たちが必要としているのは、今まで通り頭の悪い冷蔵庫と、安価なセンサーだ。ミルクの1ガロン容器は、満杯のときと空のときでは重さが違う(リンゴ専用の野菜室も、空のときと数センチブッシェルのリンゴが入っているときでは重さが違う)ので、本当に必要なのはたくさんの重量センサーだ。ミルク用に一つ、リンゴ用に一つ、他にもあなたが自動的に補給させたいものに一つずつだ。それらのセンサーを全部一つの半導体機器に繋いで、そこから他のデバイスへ接続させる。この機器は硬貨ほどの大きさで十分だろう。(ここの話はすべて、俗説を叩く人たちの話をもとに私が推測したことだ。)そしておそらく、十分な数が製造されるようになれば硬貨一枚程度の価格となるだろう。(これも私の推測に過ぎない。)

この Automatic Milk Problem は、未だに満足できる解決をみていない。その理由は、どの会社もオールインワンでミルクの問題を解決する製品を売ろうとするからだ。私たちが必要としているのは、メッセージを IFTTT のようなサービスに送ることができる、ごくちっぽけなデバイスなのだ。そして、その会社がそのメッセージを数十社の配達業者に中継するための channel を書くだけでよい。もしもそれがあなたのお住まいの地域で働かないなら、その代わりにあなたの帰宅時にミルクを買うリマインダーを電子メールで送るようにすればよいではないか。重量センサーから出されるメッセージは、何らかの規格を使っている限り、どんなものでもよいはずだ。

(電子メールというのは素晴らしい標準規格だが、あらかじめインターネットに接続されているデバイスでなければ使えない。そうでないデバイスについては、おそらく何らかの 低電力 Bluetooth ネットワークを使って中心的なデバイスに接続し、そのデバイスが信号を電子メールに翻訳するようにすればよい。これもまた、低電力 Bluetooth が非常に興味深いものである根拠の一つだ。この問題に対しても非常に多くの解決法を作り出してくれるからだ。)

いったんこの基盤構造が築かれて、何らかの自動化メッセージングシステムの標準規格が出来れば、もはやこれはミルクだけの話に止まらない。自動車が送ったメッセージによってあなたの目覚まし時計がいつもより 10 分早く鳴り、通勤の途中でガソリン補給ができるようになったり、さらには前夜にあなたにテキストメッセージが届いて早めに寝るよう促されたり、といったことを想像してみよう。携帯電話からは、他のどのデバイスを夜のうちに充電しておく必要があるかの知らせが届く。タブレット機からは、あなたが差し込み忘れたケーブルを今日は持って行くようにとリマインダーが出たり、そのケーブルがまだベッドの脇に置きっぱなしになっていると知らされたりする。

このようなことが可能になるためには、そうしたすべてのデバイスが相互にやり取りできしかもあなた自身のコントロール下にあるようにできる、IFTTT のような(また、同じ標準規格に従う限りにおいて、 数多くの現行および将来の競合相手たちのような)システムこそが肝要だ。そうなれば、新たな自動化方法やリマインダーが欲しければ、ただ recipe を一つ追加するだけでよい。リマインダーが多過ぎて困れば、いくつかをオフにするだけでよい。数限りない小売業者たちが、あなたに自社の製品を買わせようと、競って自動化の処理を提供するようになるだろう。そもそも電子メールのメーリングリストの目的はそのようなものだったのだから。けれども IFTTT のタイプのシステムでは、あなたにコントロールを任せるところにその主眼があり、あなたを膨大な数の宣伝用メッセージやリマインダーの受動的な受け手に貶めようとはしない。

そして同じくらい明白なのは、自動化の進んだ生活に慣れる必要もあるということだ。いつもより早く目覚まし時計が鳴ればデバイスから説明を受けていない人は混乱してしまうかもしれないし、電子機器に子供扱いされることにムッとしてしまう人もいるかもしれない。人によっては、自動化による便利さよりも自らの自主性が失われることの方が大きいと感じるかもしれないし、一方では多くのロボットを支配するのが嬉しい人もいるかもしれない。IFTTT はあなたにコントロールを手渡すけれども、それに伴って複雑さが増すことは万人の好みに合うとは言えないかもしれない。あなたがどのようなシステムをセットアップするにしても、やはりそれは何百もの会社が競ってあなたに通知やイベントを送り付けようとする既存のパラダイムと共存して行かざるを得ない。このシステムにある意味で過剰な情報が組み込まれていることは否定しようがないけれども、全体的に見て、私としてはこのようなシステム、つまり、企業の宣伝部局でなくあなた自身がイベントやアクションをコントロールできるシステムの方を、信頼したいという気持ちがずっと強い。

その一方で... -- いろいろ非現実的な理論を述べ立ててきたが、だからと言って IFTTT が現時点で出来ることの価値を見下そうとしている訳ではない。もしもあなたがご自分のインターネット習慣を自動化したいという強い欲求を持っているなら、あるいは、歩いて部屋に入ればすぐ自動的に部屋が明るくなるという考え方そのものが単純に気に入ったなら、IFTTT を使ってあなたに出来ることが現在既にかなりたくさんあるし、それは私が今までにデモを見たことのあるどの「スマートホーム」製品よりずっと安い価格で手に入る。それに何より、インターネット上にあるものをあなたのレーダーが捉える方式に一歩進んだコントロールが可能だという事実自体、決して小さなことではない。

まずはゆっくり、少しずつ始めてみることをお勧めする。まずは単純に、他の人たちが IFTTT を使って何をしているのかを眺めてみることだ。そうすれば、あなたが今度「こんなことが起こった場合に、あんなことが起こればいいのになあ」という問題に出くわして、うずうずした気持ちになった際に、かゆい所に手が届く素晴らしいツールが使えるようになっていることだろう。

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FunBITS: 2013 年を振り返る

  文: Josh Centers: josh@tidbits.com, @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が TidBITS の編集主任となって初めて担当した大きなものは FunBITS コラム記事だった。Apple のエコシステムの中にある、ゲームやその他の楽しいものを、毎週紹介してきた。昨年中はいろいろとクールなものを見つけてきたが、私たちの世界が一つ所に止まっていることはない。そこで、2014 年の初めにあたり、いくつかの FunBITS 記事を選んで、その後の進展を紹介してみたいと思う。

FunBITS: Matt Neuburg のゲームは一見単純だが... -- 私たちスタッフの一員 Matt Neuburg は、シンプルだが手ごわい彼のゲーム Zotz と Diabelli's Theme を iOS 7 用に更新した。(LinkSame はまだ変わっていない。)ゲームプレイそのものは以前と同じだし、見栄えもそれほど変わっていないが、記事“iOS 7 は開発者に、そしてあなたに、どう影響するか”(2013 年 12 月 16 日) の中で Matt が説明したように、iOS 7 に対応するためにアップデートする必要のあった内部的な変更はかなり大きなものであった。

幸いにも、Matt はこうして苦労して得た知識を二冊の O'Reilly 本 “iOS 7 Programming Fundamentals” と “Programming iOS 7, 4th Edition” に注ぎ込んでくれた。

iPhone のための Dots アプリ -- Betaworks による connect-the-dots ゲームを私たちがレビューして以後、同社は iPad 対応と、マルチプレイヤーモード、それから $1.99 の Endless Mode を追加した。元のバージョンを iPad でプレイすると、iPhone 上と同じサイズのグリッドにドットが描かれたので、とても奇妙な見栄えだった! 幸いにも Betaworks は自らの間違いに気付いて、iPad 上でそのスクリーンを有効に利用できるよういくつかのズームレベルを追加したアップデートを素早く出してくれた。

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Marvel Unlimited アプリは体重 44 キロのやせっぽち -- あなたの iPad の上で、Marvel Comics シリーズの(ほぼ)全冊が安い月額料金で読めるとしたらどうだろうか? それが今、鈍足でバグだらけのアプリに包まれて登場したとしたらあなたはどう思うか、というのが私の Marvel Unlimited レビュー記事の要旨であった。

レビュー記事では辛い評価をしたけれども、結局私はあきらめて年額 $69 の購読料金を払うことにした。全体として私は気に入っているが、記事に書いた批判的な意見は今も変わっていない。

けれども、iPad 2 から iPad Air へアップグレードすることで、パフォーマンス面の苦情の多くは解消された。しかしながら他の問題はまだ残っている。時には漫画が全くロードされないこともあり、またたくさん使ってみて分かったことだが、バックナンバーの中で一部がごっそりライブラリから抜け落ちているものもある。とりわけ困ったのは、Chris Claremont の伝説のシリーズ "Uncanny X-Men" を読んでいて 1980 年代にかなりの冊数が連続して抜けている部分があるのに気付いた時だった。(Claremont が X-Men にとってどれだけ重要かという証拠に、X-Men のテレビ番組や映画版の事実上ほとんど全てが彼の 16 年間にわたる漫画本シリーズのどれか一冊に基づいている。間もなく公開予定の映画 "X-Men: Days of Future Past" にもそれが言える。)

Marvel Unlimited アプリにはさまざまの問題があるけれども、サービス自体はコミックファンにとって最高のものの一つと言える。「熱狂的信者」たちのために、Marvel は Annual Plus 購読レベルも追加した。これは年額 $99 で、Ultron フィギュアや、漫画本を収める素敵な箱、限定版の漫画、Marvel 製品購入時の割引、Marvel イベントへの特別アクセスなどの特典が付く。

Duolingo で楽しく外国語を勉強 -- 英国人の TidBITS 特派員である Chris Armstrong はこのゲーム化された外国語学習アプリに夢中だったが、夢中だったのは彼一人ではなかった。Apple は、Duolingo を同社の 2013 年 App of the Yearに選んだ。Adam と Tonya さえも Duolingo に少々時間を費やしてフランス語を学んだのだったが、この種の目標ではあまりにもよくある通り、その後 Apple が OS X 10.9 Mavericks をリリースしたのに伴って何週間も夜遅くまで忙しく働くうちに、いつの間にか Duolingo は脇に打ち捨てられた。

iOS 用 Badland -- 私が昨年レビューしたすべての iOS 専用ゲームの中で、断然抜きん出て輝いているのが Badland だ。美しいグラフィックス、完璧なタッチスクリーン制御、連続的な無料のコンテンツ更新などが素晴らしい。Apple も同意見らしく、 2013 年 games of the year の一つにこれを選んだ。

私が 2013 年 6 月に Badland をレビューして以後も開発者の Frogmind は活発に開発を続け、追加レベルや、 公式ガイド、Android と BlackBerry 10 への移植などを出している。App Store で $3.99 で買えるゲーミング関係のものとしては、これこそ最高と言える。

iOS 用 Desert Bus -- Penn and Teller による「失われし古典」であり、異論はあろうが史上最悪のゲームとも言える Desert Bus は、プレイしていて大して楽しくないかもしれないが、これはゲーミングの世界で最高の慈善目的資金調達活動の一つ、Desert Bus for Hope を生み出した。

昨年の Desert Bus for Hope は 12 月に開催されたが、LoadingReadyRun クルーは仮想のバスを Tucson から Las Vegas まで 6 時間かけて運転することにより何と $523,500 もの寄付を集めた。

このゲームからの収益金は慈善基金 Child's Play に贈られるので、プレイするのが馬鹿馬鹿しくて退屈だと思っても、そのあなたの努力のお陰で長期入院中の子供たちがもっとずっと楽しいビデオゲームで遊べるようになり、もっとずっと深刻な退屈に押し潰されるのを防ぐことができる。

FTL: Faster Than Light -- 私が昨年レビューしたゲームの中でも FTL はやはり私の大好きなものの一つだ。単純化されたグラフィックスの中に豊かな宇宙と複雑なゲームプレイが隠されている。レビューした当時の私は iOS 版が無いことを嘆いた。iOS 版があれば、ソファにゆったり座って楽しむのに最適だろうからだ。

どうやら、私の願いは叶えられるようだ。FTL の開発者たちは、2014 年の前半に iPad 版を出すと発表したからだ。それだけでなく、無料の拡張版 FTL: Advanced Edition もスタートさせようとしている。このコンテンツの拡張は iPad 版にも組み込まれる。もしもあなたが純粋主義者なら、新しいコンテンツをすべてオフにすることもできる。

FTL がスマートフォン上で使えるようになる予定はないと聞いて落胆する人もいるだろう。開発者たちによれば、スマートフォン上でテストをしてみたけれどもうまく動かなかったという。私が思うに、このゲームの豊かなインターフェイスを考えれば、それは賢明な判断であったのではなかろうか。それでも、私は iPad 版を心待ちにしている。

Thunderspace であなただけの嵐を体験する -- Chris Armstrong が数ヵ月前に FunBITS 記事に書いた通り、Thunderspace は一つの(かなり独特の)ことのみをし、それを極めてうまくやり遂げる。すなわち、あなたの iPhone 上で雷雨のシミュレーションをするのだ。では、雷雨をどう改善するのか?

Thunderspace の開発者 Taptanium は、そのためにどんな苦労もいとわなかった。Thunderspace 2 では世界規模の同期機能が追加され、Thunderspace 2 ユーザーすべてが同時に同じ嵐を体験できる。(おそらく複数の iOS デバイスを使えば家中を雷雨で満たすこともできるだろう。)さらに驚くべきことに、彼らはBelkin WeMo を使って扇風機を制御し風をシミュレーションする機能も追加した。

私は当初にテストした以外 Thunderspace を使っていないが、仮想の世界と現実の世界の間のギャップに橋渡ししたその創造力を称えて、Taptanium に拍手を送りたいと思う。いろいろなゲームにも、もっと現実世界との同期が統合されるようになればとも思う。

Thunderspace にさまざまの改善が加えられたことと引き換えに、価格が $0.99 から $3.99 へと値上がりした。高価というほどではないが、珍しいアプリを衝動買いする対象とはなりにくくなった。

Mac 用 BioShock Infinite に賛辞を -- 異論はあろうがこれは年内最高の Mac 用有名ゲームだろう。BioShock Infinite はそのストーリー、ゲームプレイ、グラフィックス、パフォーマンスで私たちに強い印象を残した。(出版社の Aspyr Media は TidBITS スポンサーだが、私がこのゲームをレビュ−したのは同社が TidBITS スポンサーとなるより前だった。)

Bioshock Infinite をリリースして以後も Aspyr は決してそのペースを緩めていない。同社は Burial at Sea - Episode 1 拡張を($9.99 のアプリ内購入として)他のプラットフォームと同時にリリースし、さらに Clash in the Clouds 拡張を($4.99 のアプリ内購入として)追加し、ゲームの全てのオーナーに対して Columbia's Finest 拡張を無料で(アプリ内ダウンロードとして)提供した。

Burial at Sea はあなたを最初の二つのゲームの舞台へ、廃墟となったユートピアの海底都市 Rapture へと引き戻す。Clash in the Clouds はストーリーには何も追加しないが、四つの新しいレベルと 60 のチャレンジを提供する。そして、Columbia's Finest は新たなコンテンツは提供しないが、新たなアイテムを二つ、錠前破りを五つ、(ゲームの通貨) Silver Eagle を 500、新たな武器を二つ、追加する。

Apple がゲーミング市場で勝てる理由 -- 野心的なこの記事で私は Apple が間もなく A7 チップを持つ Apple TV をリリースして App Store と統合させ、多くの収益をもたらすゲーミング市場に参入するだろうと予想した。

私は間違っていた。予想は大外れだった。Apple は Apple TV ハードウェアをアップデートしなかったのみならず、最初に登場した MFi ゲームコントローラはどれも高価で、厳しい評価を浴びた失敗作.であった。その上、Apple は新たなコンテンツを Apple TV に追加しつつあるけれども、そこに App Store が登場する気配は全く見えない。

ひどく間違ったのは確かだけれど、新しい Apple TV ハードウェアが登場しなかったことは、私にとって多少の慰めとなった。なぜなら、既に私は "Take Control of Apple TV" (現在 TidBITS 会員専用にストリーム提供中、2013 年 11 月 4 日の記事“"Take Control of Apple TV"、TidBITS でストリームする”参照) の最初の原稿にどっぷりとのめり込んでいて、一から書き直さなければならないのだろうかと心配だったからだ。

予想は大外れだったけれど、旧式のゲームコンソールはまだまだ健在らしく、新発売された PlayStation 4Xbox One は 24 時間のうちにそれぞれ百万ユニット以上を売り上げた。他方、Sony Vita TV や Ouya のようなマイクロコンソールはまだまだ姿を見せておらず、Ouya は "Best Joke of the Year" (今年最高のジョーク) とさえ呼ばれている。

それでも、私はやはりゲーミングにこそ Apple が前進すべき余地があると思うのだが、同社がそこに関心を持っているようには見えない。

iPad 用ゲーム Star Wars: Knights of the Old Republic -- このクラシックな Star Wars ロールプレイングゲームを私がレビューしたすぐ後に、Aspyr Media はアップデートを出して グラフィックスと iPhone 対応を改善し、この素晴らしいゲームがさらにもう一歩良くなった。将来のアップデートで、MFi ゲームコントローラ対応や、iCloud を経由した保存ゲームの共有なども盛り込まれるだろう。

FunBITS に次に登場するのは -- 2013 年は iOS のゲーミングにとって驚くべき年であった。私が扱うことのできなかった驚くべきゲームもいくつかある。例えば、 Ridiculous Fishing、あの Zelda 風のOceanhorn、最近リリースされたばかりの Republique もある。この Republique は、iOS のゲームを全く新たなレベルへ引き上げるものとなっている。

2014 年にはこれら三つのゲームも取り上げてみたいと思う。また、iPad 版の FTL や、その他にもたくさんの驚くべきゲームがこの年にはリリースされるに違いない。けれども FunBITS はただゲームのみに限ったものではない。他のいろいろな趣味をテクノロジーに関係して結び付けるものも扱ってみたい。例を挙げればバードウォッチング、家系図研究、サイクリングなどもあるだろう。だから、皆さんがお気に入りのアプリやハードウェアなどで、FunBITS で取り上げて欲しいと思われるものがあれば、どうぞお知らせ願いたい!

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2014 年 1 月 6 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TinkerTool 5.1 -- バージョン 5.0 リリースで OS X 10.9 Mavericks 対応を追加したが、Marcel Bresink が今回リリースした TinkerTool 5.1 ではセキュリティ向上のためサンドボックス化が施された。内部的動作をカスタマイズするためのこのシステムユーティリティはその他に、Mavericks ではもはや意味がなくなったため Login Items 枠を削除し、実際の Lucida Grande 書体と OS X Mavericks で導入された新しいスクリーン用システムフォントとを識別し、Quick Look で表示されるテキストをコピーできる機能 (10.9.1 かそれ以降のみ) を有効にする環境設定項目を復活させ、環境設定リセット機能で使用されるストレージ容量を減らしている。この最新バージョンの TinkerTool は 10.9 Mavericks を必要とするけれども、Bresink は過去の大猫たち (10.1 Puma に至るまですべて) を走らせている人たちのため、従来のバージョンの TinkerTool も引き続き提供 している。(無料、3.9 MB、リリースノート)

TinkerTool 5.1 へのコメントリンク:

GraphicConverter 9.0.2 -- Lemkesoft は古参の GraphicConverter のバージョン 9.0 を 2013 年の末にリリースし、OS X 10.9 Mavericks 完全互換とするとともにいくつか新機能も追加した。新設された非破壊的 Cocooner 編集モードを使えば、元のデータを変更しないまま画像を変更でき、変更された画像を GraphicConverter が対応するあらゆるフォーマットに書き出しできる。バージョン 9 ではまた、このアプリのブラウザの中でファイルやフォルダに対する操作を取り消し (undo) できる機能が追加された。10.7 Lion 以降を要するようになったので、GraphicConverter の Mac App Store 版は二つに分かれた。従来の GraphicConverter という名前のもの(10.6.8 Snow Leopard を走らせているユーザーのために引き続き提供され、現在バージョン 8.8.2)と、新しい GraphicConverter 9 だ。それぞれ $39.99 で入手できる。

2014 年に入り、このグラフィックス変換および編集ユーティリティのバージョン 9.0.2 が出て数々の改善がなされた。主な点を挙げれば、Cocooner モードでレーティングやラベルにより画像をフィルター分けする機能、.snagproj ファイルの読み込み、SkyDrive や Cloud Drive のブラウズ、Convert & Modify から画像を統合あるいはコピーして PDF にする機能などがある。また今回のアップデートではブラウザの中で EXIF、IPTC、およびファイルの日付によりファイルを並べ替えできるようになり、ブラウザの中に独立の Back および Forward メニューコマンドを追加している。(Lemkesoft ウェブサイトからも Mac App Store からも新規購入 $39.95、202 MB、リリースノート)

GraphicConverter 9.0.2 へのコメントリンク:

Delicious Library 3.1.4 -- Delicious Monster が Delicious Library 3.1.4 をリリースし、OS X 10.9 Mavericks のみに関する少数の修正を加えた。具体的にはソースリストの項目がランダムにインデントされたり奇妙な具合に層化されたりしていた問題を修正し、リサイズやズームをすると棚の上の項目にアニメーションが出なくなっていたバグを解消している。また、このメディアカタログ用アプリ(Josh Centers のレビュー記事“FunBITS: Delicious Library 3”(2013 年 11 月 1 日) 参照)の今回のアップデートでは、表紙のグラフィックスのない項目が棚の上でプレースホルダーの表紙を表示しなかった問題に対処がなされた。Delicious Monster は、OS X 10.9.1 の GeForce グラフィックスドライバに二件の問題があって 2013 年型の MacBook Pro および iMac モデルでクラッシュを引き起こしており、同社は既にこれを Apple に報告済みであって次回の Mavericks アップデートで解決されることを期待すると述べている。(Delicious Monster ウェブサイトからも Mac App Store からも新規購入 $25、無料アップデート、77.4 MB)

Delicious Library 3.1.4 へのコメントリンク:

Audio Hijack Pro 2.10.9 -- Rogue Amoeba が Audio Hijack Pro 2.10.9 をリリースして、OS X 10.9 Mavericks との一応の互換性を提供した。やはり最近アップデートされた Rogue Amoeba のオーディオストリーミングアプリ Airfoil と同様(2013 年 12 月 1 日の記事“Airfoil 4.8.2”参照)Audio Hijack Pro のオーディオキャプチャエンジンも全面改訂されて Mavericks に対応するようになり、Rogue Amoeba は一部のオーディオキャプチャソースが以前と異なる挙動をするかもしれないと警告している。このリリースではまた Instant On コンポーネントをバージョン 7.1.2 にアップデートして System Audio のキャプチャと Safari からのオーディオキャプチャを改善している。(インストールの際に再起動する必要はもうない!)その他の変更点としては、Microsoft Lync における VoIP キャプチャへのフル対応や、AAC ファイルのカスタムファイル名拡張子の適切な保持などがある。(新規購入 $32、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、7.1 MB、リリースノート)

Audio Hijack Pro 2.10.9 へのコメントリンク:

LaunchBar 5.6.2 -- Objective Development が LaunchBar 5.6.2 をリリースし、OS X 10.9 Mavericks およびクリップボード履歴除外リストにおけるプライバシー設定の処理を改善した。このキーボードベースのランチャーではまた、Mavericks における環境設定として LaunchBar が最前面にあるウィンドウと同じディスプレイの中に開くようにする設定項目を追加し、1Password コンテンツがクリップボード履歴に現われなかった問題を修正している。(新規購入 $35、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、5.6 MB、リリースノート)

LaunchBar 5.6.2 へのコメントリンク:

Mac Pro EFI ファームウェア・アップデート 2.0 -- Apple が、ピカピカの新型 Mac Pro モデルを既に入手した幸運な少数の人たち向けに Mac Pro EFI ファームウェア・アップデート 2.0 をリリースした。(2013 年 12 月 20 日の記事“Mac Pro 受注開始、出荷予定は 2014 年 2 月”参照。)このファームウェア・アップデートは再起動中のシステムの信頼性を改善し、メモリ・セルフ・テストの問題を解消し、Boot Camp 使用時のグラフィックス電力管理を改善する。いつもと同じく、ファームウェア・アップデートを提供する際にはアップデート作業を途中で中断しないよう注意しよう。(無料、4.7 MB)

Mac Pro EFI ファームウェア・アップデート 2.0 へのコメントリンク:

Final Cut Pro X 10.1 -- Apple が Final Cut Pro X 10.1 をリリースし、さらなる改善と修正を追加しつつ新型 Mac Pro のリリースに備えた。今回のアップデートでは Mac Pro でデュアルグラフィックプロセッサを利用する際の再生とレンダリングを最適化し、超高ピクセルディスプレイでのビデオモニタリングに対応するとともにタイトル、トランジション、およびジェネレータを 4K 解像度で作成できるようにして 4K モニタの使用に向けた準備を整えた。Final Cut Pro X 10.1 ではまた、複数のイベントとプロジェクトを一つのライブラリにまとめることができるようになった。(プロジェクトやイベントのライブラリへの移行に関して詳しくは Apple のサポート FAQ を参照。)また今回のリリースではタイムラインでトランジションを含むクリップを移動してトランジションを含む Primary Storyline (基本シナリオ) から簡単に取り出すことができるようになり、トリムのロール編集を使ってクリップをタイムラインから完全に切り取ることができるようになり、AVCHD ビデオとして読み込まれた 5.1 チャンネルのサウンドトラックサウンドオーディオがステレオにミックスダウンされなくなった。(Mac App Store から新規購入 $299.99、無料アップデート、2.20 GB、リリースノート)

Final Cut Pro X 10.1 へのコメントリンク:

Logic Pro X 10.0.5 -- Apple が Logic Pro X 10.0 をリリースし、非常に多数の新機能や拡張機能、および修正をこのプロフェッショナル向けオーディオアプリに盛り込んだ。今回のアップデートでは、3 個の新しい Drummer と 11 個の新しい Drum Kit Designer パッチを追加し、OS X 10.9 Mavericks 上で複数ディスプレイの処理を改善し、Shuffle コマンドを装備し、Logic が停止している際や Play モードにある際に Metronome ボタンの文字を明るく表示して「録音中にクリック」機能が有効であることを強調するようにした。このリリースではまた、Channel EQ および Linear Phase EQ プラグインにいくつかの機能拡張が施された。Logic Pro X 10.0.5 での膨大な数の変更点はリリースノートを読めば一覧できる。(そうする前にあらかじめカレンダー上でたっぷり時間を確保しておくことをお勧めする。)(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、828 MB)

Logic Pro X 10.0.5 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2014 年 1 月 6 日

  文: TidBITS Staff: editors@tidbits.com
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ホリデー休暇明けなので、華やいだ ExtraBITS が多数ある! Other World Computing が新型 Mac Pro の CPU がアップグレード可能であることを発見し、Joe Kissell が MacVoices ポッドキャストで iCloud について語り、マイクロフォンを使って暗号化をクラックすることができ、Walt Mossberg が The Wall Street Journal で最終記事を書き、Ted Nelson が Douglas Engelbart のために感動的な追悼文を書き、Netflix による隠れた Apple TV 診断ツールが明かされる。

2013 年型 Mac Pro の CPU はアップグレード可能... 高価だが -- アップグレード通の Other World Computing 社が、最新型の Mac Pro の CPU が取り外し可能でありユーザーがアップグレードすることもできることを発見した。彼らが元の Intel E5-1650 を Intel E5-2667 に交換してみたところ、パフォーマンスが 30 パーセントほど向上した。でも、あまり興奮し過ぎてはいけない。E5-2667 の小売価格はおよそ $1,900 なので、この円筒形の Mac Pro からさらなるパフォーマンスを絞り出すのは高くつく。

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Joe Kissell、MacVoices で iCloud を語る -- 私たちスタッフの一員 Joe Kissell がホストの Chuck Joiner と対談し、リリースされたばかりの彼の本 "Take Control of iCloud, Second Edition" について議論した。Apple ユーザー必携の本だ。iCloud Keychain、Contacts、Calendars、Documents in the Cloud、さらには Apple TV まで、クラウド関係で Apple が提供するあらゆるものを Joe は議論する。

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コンピュータの CPU を聴いて暗号化を破る -- もしもこれが映画の話なら、あり得ないことだと笑って済ませるだけだろう。コンピュータの CPU がデータの暗号を解いている際に出る高音のサウンドを聴くだけで、暗号がクラックされてしまうというのだから。でもこれは本当の話だ。パラボラマイクを使えば 4 メートル離れた所からも可能とのことだが、研究者たち (Daniel Genkin, Eran Tromer, それに暗号化システム RSA の S 本人である Adi Shamir) が実演してみせたのは、ラップトップ機のすぐ横に置いたスマートフォンを使っても可能なことだった。さらにハードルを上げて、彼らは共同設置されたサーバの中にマイクロフォンを隠せば近くにある多数のサーバを盗み聞きすることも可能だろうと述べた。要は、もしもセキュリティが最優先であるのなら、極めて強力な暗号化と、物理的な保護との両方が必要だということだ。

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Walt Mossberg の Wall Street Journal 最終記事 -- Wall Street Journal で 22 年間働いてきた Walt Mossberg がパートナーの Kara Swisher と共に同社を去り、新しいメディアベンチャー会社 Re/code に移った。Journal での二十年余の総まとめとして、Walt はその期間中に最も影響力を及ぼしたテクノロジー製品 12 個を集めて記事にした。その多くは Apple 製品であったが、いくつかは意外に思えるかもしれない。

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Ted Nelson が心を打つ Douglas Engelbart 追悼辞で今日のテクノロジー界を批判 -- Ted Nelson は "hypertext" という単語を考案した人物だが、同世代の友人でありコンピューティングの先駆者でもあった Douglas Engelbart に向けた感動的な弔辞を述べた。Engelbart は 2013 年に 88 歳で亡くなったが、彼が初めて世に示した革新の数々には、インタラクティブなキーボードとマウス、テキスト編集、Nelson の hypertext、ビデオ電話、ウィンドウイング、なども含まれる。これらはすべて彼が 1968 年に壇上に立ったプレゼンテーションの中で示され、それは後に "The Mother of All Demos" (あらゆる実演の生みの親) とさえ呼ばれるようになった。けれども、Nelson が Computer History Museum で語った短い追悼文は同時に、今日のコンピューティング組織が Engelbart の画期的な発明の恩恵を受けつつ彼を脇へ追いやっているという非難も述べている。

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Apple TV での Netflix 問題を診断 -- Apple TV でストリーミングに問題が起こっていませんか? TUAW の報告記事によれば、Netflix の中に診断用ツールが隠されているという。"Example Short 23.976" という名前のビデオを探して、それを再生してみよう。このテスト用ビデオは、現在のビットレート、解像度、およびアスペクト比を表示する。もしもビットレートの数値が低ければ、お使いのワイヤレスゲートウェイと cable/DSL モデムを再起動すれば直るかもしれない。ただし、近所の人たちの使用量が多過ぎるというだけの理由で問題が起こっている可能性はあるけれども。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2013 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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