watchOS 7.3 で最も目立つ新機能は新しい Unity 文字盤で、Black History Month (黒人歴史月間) を祝うためのものだ。Pan-African 三色旗の黒・緑・赤を使っており、時計の動きに合わせてパターンが変わる。Apple Watch にこの文字盤を加えるには、iPhone 上の Watch アプリで Face Gallery タブをタップし、Unity 文字盤をタップして、Add をタップする。
また、watchOS 7.3 のリリースノートには Apple Fitness+ 登録者のための新しい Time to Walk 機能の宣伝が載っているが、これは watchOS 7.2 で既に利用できるようになった機能であった。(2021 年 1 月 25 日の記事“新しい Apple Fitness+ の特典が歩きに出ることを促す”参照。)
海外の Apple Watch ユーザーに嬉しいニュースがある! 不規則な心拍の通知が日本、マヨット、フィリピン、台湾、およびタイで利用できるようになり、また日本、マヨット、フィリピン、およびタイのユーザーが ECG (心電図) アプリにアクセスできるようになった。
あともう一つ、リリースノートには Zoom 機能を有効にすると Control Center と Notification Center が反応しなくなることがあったバグが修正されたと書いてある。
watchOS 7.3 のダウンロードサイズは Apple Watch Series 4 で 165 MB だ。アップデートをインストールするには、iPhone で Watch アプリを開き、My Watch > General > Software Update へ行く。いつも通りに、Apple Watch が充電器に接続されていて、かつ少なくとも 50% 充電されていることが必要だ。
iOS 14.4 と iPadOS 14.4
iOS 14.4 アップデートは 3 件の変更点を提供する。より小さな QR コードを認識可能になったこと、Settings > Bluetooth で Bluetooth デバイスの種類を分類するオプションにより音声通知を正しいデバイスで受けられるようになったこと、iPhone 12 シリーズモデルのカメラが正規の Apple 製カメラとして確認できない場合に通知を出すようになったことだ。
(iPhone 11 Pro 上で) 344.6 MB の iOS 14.4 アップデートは Settings > General > Software Update からインストールできる。iPadOS 14.4 アップデートは 10.5 インチ iPad Pro 上で 310 MB だ。
HomePod Software Version 14.4
Apple は HomePod Software Version 14.4 も出した。これは新型の iPhone にある超広帯域無線 U1 チップを利用することにより、近所の iPhone から HomePod mini へ音楽を引き継ぎ、パーソナライズされたリスニング提案を HomePod mini の隣にある iPhone に表示し、iPhone を HomePod mini に近付けたときにメディアコントロールを自動表示する。
Apple CEO Tim Cook は、崩れかかった世界における Apple の成功について殆ど謝罪的にすら見え、そして、この四半期投資家電話会見を同社の色々な慈善事業の概要から始めた。例を挙げると、最近発表した人種的公平イニシアチブ ("Apple、新しい人種的公平と正義のイニシアチブのプロジェクトを開始" 13 January 2021 参照)、長年に亘る Product Red への協賛、そして米国経済に対する $350 billion の投資の誓約等である。
この四半期での日本での販売も増加し、売上げは 33.1% 上昇した。好調の一因は記録となる iPad の需要であった。他の地区に目を転じると、Europe は 17.3% 成長し、Rest of Asia Pacific は 12.3% の成長、そして Americas は 11.9% 増加した。
Cook は、Latin America と India における成長の機会にも言及した。後者の地域での販売は昨年倍増したが、彼は、そこでの Apple の市場シェアは余りにも低いので、今後の成長余地は十分にあると表現した。
Apple はお金を手放すことも出来ない
巨人 Apple の快進撃の速度を遅らせられるものはあるのであろうか? 数ヶ月の間、Apple も冷えてきた様に見えた時もあったが、COVID-19 パンデミックの最中にあっても、同社は記録を粉砕し、投資家を驚嘆させる迄に戻った。この四半期電話会談の参加者は誰もが Tim Cook を心から褒め称えることから始めた。事実、その賞賛は余りにも感情にあふれ、繰り返されたので、もしいい加減に聞き流していたら、彼には赤ん坊が生まれたばかりだと思えたかも知れない。
その種のアクセサリーの一つ、Nomad の Base Station Pro を私はテストしてきた。これは魅力的で頑丈に作られた複数デバイス用の充電パッドで、AirPower が宣伝していた機能のすべてを実現する訳ではないが、それでもやはり見事な工業技術の粋と言える。特に注目すべきは、この Base Station Pro が iPhone の正確な位置取りを要求しない点だ。
この Base Station Pro は出荷された製品でありながら同時にテクノロジー上の概念実証の存在でもある。これは、AirPower 後継の座を狙う自由配置充電テクノロジー Aira FreePower の好い見本となるべく意図され、またさらにその先を意図するものでもある。Aira 社を創設した人たちは、充電面をいたる所に、家具に内蔵したり、自動車の室内に統合したり、コーヒーショップのカウンターに取り付けたりすることを目指している。
確かにとてもクールだが、Base Station Pro の購入を検討する人たちは直ちにジレンマに遭遇する。はたしてこれは $199.99 も出して買う価値があるのか? 普通の Qi パッドを 3 台買う方がずっと安いのに?
素敵だが、欠点がある
この Base Station Pro の価格が高い理由の一つは、手の込んだ物理的構造にある。実用的なプラスチックやゴムを使わず、頑丈なアルミニウムの本体の上に革で覆われた充電パッドがある。厚さはたったの半インチ (1.3 cm) ほどだ。旧型の Base Station と見掛けは似ているが、Aira テクノロジーがその価格をさらに押し上げている。
Base Station Pro には一つはっきりした欠点がある。Aira 充電が Apple Watch に対応していないのだ。Nomad はこれを回避するため、ウォッチパック用にクリップオン式のアルミ製マウントを無料で提供する。ただし、それを使うためには Base Station Pro の 30 ワット USB-C アダプタとは別に、そのための電源アダプタを自分で用意しなければならない。その場しのぎの解決策であってケーブルの乱雑さを招くけれども、見た目はそれほど悪くない。
約束の通り、Base Station Pro では iPhone や AirPods ケースを置く場所について融通が利く。苦労して正しい場所に置いたりせずとも、デバイスを斜めに置いてもかまわない。ただし下の図に示すように、それぞれのデバイスがパッド表面の3分の1程度を占めている必要がある。
Aira のテクノロジーは、内蔵基板に六角形の充電コイルを互いに重ね合わせて 18 個組み込むことによって隅から隅まで充電できるようにしていると主張する。けれども私の経験では、AirPods ケースを Base Station Pro の縁に近い部分に置くと時々充電しないことがあった。
Base Station Pro は 7.5 ワットで充電する。これが、標準的な Qi アクセサリーによる iPhone 対応の最大ワット数だ。これと比較して、iPhone 12 を Apple の MagSafe で充電すれば 15 ワットだ。ただし iPhone 12 mini のみは例外で 12 ワットの充電になる。
Base Station Pro の使用に際して起こり得る問題が 3 つある、と Nomad は警告する:
Nomad も解決策の可能性を一つ持っている。Base Station Pro を Mac に接続して updaterアプリを走らせることで、ファームウェアをアップデートすることができる。Nomad によれば、最近のアップデートによって「体験がかなり向上しました。iPhone 12 が初めて出た当時よりも、今ではずっと良い具合になっています」とのことだ。
私の体験もそれを裏付けている。Base Station Pro をテストし始めた頃は充電に信頼性がないという感じがしていたけれども、最近になってパフォーマンスが一貫して良くなったと思う。最近 2 週間はこれを主たる充電器として使っているが、大きな問題は起こっていない。Nomad によれば近日中にまたソフトウェアアップデートを出して充電体験にさらなる向上を図るという。
費用に見合うか?
では、iPhone ユーザーならば $200 出して Base Station Pro を購入することを真剣に検討すべきだろうか? その答は単純ではないだろう。次のような要因を考えてみよう:
通常の Qi パッドでデバイスの位置取りをするのはどの程度面倒か? 私の場合は別に問題でない。最初の試行錯誤を経た後は、パッドの上に正しく置く儀式を何も考えずにできるようになった。Nomad と Aira に問い合わせて、位置取りの自由さは追加の費用に見合う価値があるのかと尋ねてみたところ、彼らは直接の返答を避けて Base Station Pro の高級な仕上げが付加価値だと指摘した。ということはつまり、少なくとも私にとっては、標準的な Qi 充電器を使い続けるべき有力な理由のように聞こえる。
位置取りの問題は他の方法で解決できないか? 一つの方法は MagSafe を使うことだ。Apple から $39 で出ている MagSafe Charger ミニパッドならば 3 つ買っても合計 $82.99 で Base Station Pro より安い。今後出る MagSafe 充電器の中にはさらにもっと安いものもあるだろう。けれども Josh Centers が記事“MagSafe はクールだが、一新するだけの価値はあるか?”(2020 年 11 月 6 日) の中で指摘したように MagSafe の磁石はかなり強力で、私は iPhone を片手で取り外すことができない。大きな困難ではないけれども、私はよく充電器が磁石で付いていることを忘れたまま iPhone を掴んで歩き去ろうとして、コードを思いっきり引っ張ってしまう羽目になる。Base Station Pro ならそんな問題はない。ただ掴んで出掛けるだけだ。
Base Station Pro は家族用の充電器としてもうまく使えるか? 答はイエスだ。Apple や Android のスマートフォンが 3 台以上ある家庭でもちゃんと使える。
マルチデバイスのワイヤレス充電器は他にもあって、かなり安く買えることも多い。ただ、そういうものを買う前に注意して調べておく方が良い。素敵に見えたのに私の机の上で欠陥を見せたのが Belkin の $129.99 の TrueFreedom Pro で、素敵にずっしりとして革で覆われた Qi パッドだ。互いに重なり合ったコイルのメッシュを内蔵していることにより置く場所に融通が利く点は Base Station Pro と同じだ。でも、この TrueFreedom Pro は同時にたった 2 台のデバイスしか充電できず、しかも Apple Watch はどうやっても充電できない。
また、TrueFreedom Pro もやはり iPhone 12 で問題が起こる。Belkin は製品ページの中で「iPhone 12 モデルとは非互換」と説明している。私の iPhone 12 デバイスを充電することはできたけれども、Belkin からのメッセージには他のスマートフォンに比べて遅くて信頼性も劣るかもしれないと書いてあった。Base Station Pro と違って TrueFreedom Pro にはファームウェアアップデートがないので、どのような iPhone 12 非互換性も将来変わる見込みはない。
結論
私は Base Station Pro を使うのが好きで、将来のファームウェアアップデートによってより良いものになるのを楽しみにしているけれども、もっとシンプルでもっと安価な選択肢が他にある以上、その将来は安泰ではない。標準的な Qi 充電器は高級に見えもせず必ずしも最速の充電ができるとも限らないが、それでも一晩かければ私の iPhone を何の問題もなく充電できる。高速充電の必要があれば、Lightning ケーブルを差し込めばよいだけだ。確かに、標準的な Qi パッドの上で iPhone を探りながら動かして充電が始まる位置を見つけるのは厄介かもしれない。でもそれは、少し練習すれば自然にできるようになることだ。
結局、Nomad Base Station Pro で置く場所に融通が利く点は、高いお金を出す理由になるだろうか? もちろん、それだけの余裕のある人には素敵なアクセサリーとなるだろう。でも予算的に厳しい人にとっては、お金の節約をする方が賢いと言えるだろう。
Black History Month 参加の約束の中で、Apple はその広範囲な分野に亘る数々の展示を立ち上げる体勢を整えている:App Store, Apple Music, Apple Maps, Apple TV, Apple News, Apple Books, Apple Podcasts, Apple Fitness+, Shot on iPhone, そして Today at Apple すらも含まれる。
最も目を引きそうなものとして、Apple は "Black Unity コレクション" を用意していて、特別版の Apple Watch Series 6 ($399-$499), Black Unity Sport Band ($49), そして特別の African テーマの文字盤からなる ("watchOS 7.3、iOS 14.4、iPadOS 14.4、tvOS 14.4 が深刻なセキュリティ攻撃に対処" 26 January 2021 参照)。Apple は、そのプレスリリースで、これらの製品からの収益は、平等と公民権に焦点を当てる6つの世界的な非営利団体を支援するために使われると言っている。
Apple は 28 January 2021 を Data Privacy Day と宣言し、その機会を利用して iOS App Store での新しいアプリプライバシーラベルと来るべき App Tracking Transparency 機能を強調した。後者の機能は、ユーザーデータをアプリを通して追跡したり、そのデータを他の会社と共有したりする前に、ユーザーの許可を求めることを開発者に強制するものである ("Apple、アプリのプライバシーに関する開示とオプトインの厳しい要件を発表" 7 January 2021 参照)。
2020 年の Apple の成果についてより微妙な差異を明らかにする全体像を探り出すため、Jason Snell は再び著名な 55 人のテック評論家のグループからアンケートをとり、年次 Six Colors Apple 成績表に取りまとめた。他の多くの良く知られた名前に加えて、そこには我々の仲間 Adam Engst, Josh Centers, Michael Cohen, Glenn Fleishman, そして Rich Mogull, 更に Take Control Books からの Joe Kissell の考えが反映されている。
Mac は M1-powered Mac が展開されたお陰で点数を大幅に上げ、そして Apple の点数は、iPhone, サービス、HomeKit, ハードウェア信頼性、ソフトウェア品質、そして環境と社会問題で改善した。しかしながら、Cupertino では全てがバラ色だったわけではなく、iPad, Apple Watch, Apple TV, 開発者関係、そしてウェアラブルでは点数を下げた。
何時ものことだが、報告書全体が読むに値する、とりわけ、あなたの好きな Apple 賢人からの簡潔な引用は。