MinuteHound はおよそ 9 年前に、当初は指紋スキャナを使ってスタートした。けれども今から 3 年前に、この会社は非接触の方法を目指し始め、顔認証を使った Mac ネイティブな方法を開発した。COVID-19 パンデミックがスタッフの割り当てに激変をもたらし、また共有の表面に触ることを避けたい欲求が高まったのを受けて、MinuteHound は昨年の初めに顔認証を使ったシステムをリリースした。
登録手続きはほんの数分でできる。いったん登録されれば、従業員がするべきなのは MinuteHound のカメラを見ることだけだ。このソフトウェアは Mac でも、PC でも、Android タブレットでも動作する。そして、MinuteHound はその人物が誰であるかを見分け、必要に応じてその人の出退勤を記録する。情報は即座に MinuteHound のウェブポータルに記録される。避け得ない誤りが起こった場合には、ポータルを使って管理者が手動でデータを修正できる。
当然ながらプライバシーが問題となるが、Touch ID や Face ID を使った Apple のやり方と同じように、MinuteHound の生体認証アルゴリズムも実際の指紋や顔スキャンを保存することは一切ない。その代わりに、従業員の指紋または顔スキャンに基づくトークンを作成して、そのトークンを保存する。それ以後のスキャンはその保存されたトークンとの間で照合がなされる。また、すべての情報はクラウドベースのシステム内部で暗号化される。
私が実社会の中で MinuteHound を利用していると言えば嘘になる。私の仕事では厳密な時間追跡はあまり重要でないからだ。でも私は無料の MinuteHound 試用アカウントを作って、オンラインのインターフェイスを使ってみたり、自分の Mac のウェブカメラを見ることで出勤と退勤を記録する練習をしてみたりした。ちゃんと機能したのだが、これ専用のデバイスで走らせる方が良いことにすぐに気付いた。例えば古い Mac ラップトップ機か、あるいは安価な Android タブレットならば、従業員たちが出入りする際にその横を通るようにするのは簡単だろう。
最後にもう一つ、Apple はひっそりと tvOS 14.0.1 をリリースして「全体的なパフォーマンスと安定性の向上」とだけ述べた。Apple TV HD または Apple TV 4K に Settings > System > Software Updates でインストールできるし、特に問題を感じていなければ何もせず放っておいていつか勝手にインストールされるのを待ってもよいだろう。(tvOS が Siri Remote を認識しないという苦情がいくつか聞こえている。)
Back Tap 機能を有効にするのは簡単だ。Settings > Accessibility > Touch > Back Tap (Touch 設定の一番下にある) へ行く。そこが開けば、ダブルタップとトリプルタップそれぞれに実行すべきアクションを設定できる。
Back Tap で使えるアクションは 4 つの基本的カテゴリーに分かれている: System、Accessibility、Scroll Gestures、Shortcuts の 4 つだ。それぞれについて説明しよう:
System: System の選択肢が平均的なユーザーにとって最も便利なもののように思えるが、その大多数はただ単に簡単な Home 画面のジェスチャーやボタンを押すことを再現するだけのアクションだ。興味深いものとして Mute と Screenshot がある。この 2 つは、通常の手順ではより多くの手間がかかるからだ。ただし Mute がコントロールするのは着信音の音量のみであることに注意しよう。オーディオ再生の音量をミュートしたり再生を一時停止したりしたければ、Mute が何を意味するかを TidBITS Talk 読者に教えてもらって私が構築した Toggle Audio ショートカットを使えばよい。(もう一度呼び出せばオーディオが前の音量に戻る。)
Accessibility: これらの Accessibility オプションを必要とする人にとっては、Back Tap で手軽に呼び出せるようになるのは嬉しいことだろう。私の見るところ、一般的に最も魅力あるものは Magnifier、Speak Screen、Voice Control というところだろうか。私は自分のトリプルタップに Voice Control のトグルを割り当ててみたが、これならば Siri を使うよりも手早く滑らかに口述機能へのアクセスができるようになる。
Shortcuts: ここでこそ Back Tap 機能が異彩を放つ。少なくとも、必要なショートカットを見つけるか構築するかできる人にとってそう言える。Shortcuts で作成できるものならば何でも、ダブルタップまたはトリプルタップで呼び出すことができる。現在私はダブルタップに単純な Search Google ショートカットを割り当てて試している。これは、Siri を使って口述してそれを Google 検索にかけ、その結果を Safari に表示させるというものだ。
(余談だが、私は以前から検索にはメインの Google アプリを使っている。極めて正確な音声検索ができ、結果がフルページに表示されるからだ。それに比べると、Siri による認識は正確さが劣り、表示されるのもたった 3 個の回答のみだ。また、あのうるさい Google Assistant アプリはたった 1 個の回答しか出さず、回答を音声で私に話しかけることに固執するので私には煩わしい。Google アプリの問題点は、一部のウェブページで、とりわけレシピのページで、あまりにも多くの広告が表示されてほとんど読めなくなることだ。だから私は Safari で読める方が好みだ。このショートカットを使った私のやり方の欠点は、Siri の音声認識が Google より劣るという点だ。Google の音声認識にアクセスしつつ検索結果を広告をブロックするブラウザで表示させる方法を私はまだ見つけられていない。皆さんからの提案を歓迎します!)
Back Tap (背面タップ) というのはこれだけのことだが、歓迎すべき機能なのに、気付きにくい Accessibility 設定の奥深くに隠れてしまっているので、見過ごしてしまう人もきっと多いだろう。だから、口コミで広めて頂きたい。今の時代、ソーシャルな発見が大流行なのだから。そして、皆さんがどのように使いこなしているかをコメントに書き込んで頂きたい。
私はここ数ヵ月間 Take Control of iOS 14 and iPadOS 14 を書くのに iOS 14 と iPadOS 14 をほぼ毎日使ってきたが、最も興味をそそる新機能の一つを試せたのはつい最近になってからである:それは、デフォルトのメールクライアントと Web ブラウザをサードパーティの代替肢に変更するオプションで、Mail と Safari を置き換える。
私はベータの期間中にこの機能を試すことは出来なかった。その理由は、デフォルトとして機能するアプリは Apple の承認を得なければならないことである。そのためには、悪意の或いは安全性に欠けるアプリからユーザーの安全を守るための厳しいガイドラインに従わなければならない。今や iOS 14 や iPadOS 14 は世に出たので、Apple はこれらのアプリの承認を始めた。
これらのデフォルトを変えたいの何故か? iOS や iPadOS では、だいぶ前から代替のメールクライアントや Web ブラウザを使うことが出来ていたが、メールのリンクや Web ページをタップしたり、或いは何らかのアプリが URL を開くと、それらは無条件に Mail や Safari で開かれる。今や、そうではない - 好みのメールクライアントや Web ブラウザを全てに対して使える。厳密に言うと、後で説明する様に、ほぼ全てに対してである。
どのアプリがデフォルトとして設定出来るか
現時点では、デフォルトとして使えるメールクライアントや Web ブラウザは数が限られている。時と共に、間違いなくもっと登場するであろう。
There are fewer options for replacing Safari as the default Web browser. So far, we know about these apps, and we anticipate Opera will join them soon:
全てのサードパーティ Web ブラウザは全て Apple の WebKit ブラウザエンジンを使わなければならない。その結果、他のブラウザを使う理由は、レンダー速度やレンダーエンジンの選択といったもの以外の機能に関係するものとなる。広告阻止、ブックマーク同期、検索ショートカット等々故に他のブラウザが好きだと言う場合もあるであろう。
ユーザーは何年も前から、デフォルトのメールクライアントと Web ブラウザを変えられるようにしてくれることを望んできた。今や、その機能は実現された。皆さんはもうお使いですか、どのサードパーティアプリと? コメントで知らせて欲しい。また、他にデフォルトを他のものに設定したいのはどの様な型のアプリですか?
この問題は、TidBITS の読者が我々に知らせてくれたものである。Apple は先週第三世代 Apple TV を Apple TV Software Update 7.6 でアップデートし、これは "パフォーマンスと安定性が全体的に向上しています" としかうたっていないが、不幸なことに、全く反対のことが起こっている様に見える。
今年始めに、第三世代 Apple TV は YouTube ビデオの再生に問題があった。これらの問題は、Apple TV Software Update 7.5 のせいであったかも知れないし、YouTube 側の変更に問題があったのかも知れないが、いずれにしろ、Google は変更を行いその問題は修正された様に見えた。
第三世代 Apple TV ユーザーは、今や YouTube ビデオを一時停止した時にクラッシュを経験したり、フリーズしたり、音声だけで画面には何も出ないと言った断続的発生する AirPlay 問題を経験している。唯一つの回避策は、90 秒待って Apple TV をタイムアウトさせそして Home 画面を再度出させるか、或いは、Apple TV を再起動するために、リモコン上で Menu と Down ボタンを同時に押すか又は電源のオンオフを繰り返すしかない。また、Home 画面の一番上にある What to Watch の所で宣伝されている Apple TV+ 番組を読み込むことに関する問題もある。但し、この問題は Apple TV アプリ内からアクセスする時には起こらない。
明らかに第三世代 Apple TV をダウングレードする手もあるようだが、それには、余り当てにはならない可能性のあるソフトウェアのダウンロードと Apple TV を Mac に接続することが必要となる。サポートされないダウングレードという線の外側まで足を踏み出してみたいかどうかに拘わらず、我々はフィードバックを Apple に提出し、そして Apple サポートに電話をして彼らにこの問題を認識させることをお勧めしたい。さもなくば、Apple がこれらの問題に気づかない可能性すらある。
この様な状況はイライラが募る。一方で、Apple が、もう既に市場から消えてもう4年近くになる第三世代 Apple TV の様な年代物の機器をアップデートし続けるのはとても良い話である。しかし、他方で、Apple よ、古いハードウェアに対するアップデートをリリースするのであれば、きちんとしたものにすることとその後にも注意を払うことを忘れないで欲しい!
でも、TidBITS 記事に名前が挙がった他の大多数の人たちと違って、何よりもまず Oliver は Tonya と私の友人であった。彼が個人的にも職業的にもテクノロジーの世界に巻き込まれたのはずっと後になってからであった。結局彼は 30 年間 Cornell 大学の IT 管理者として働き、あの "pumpkin cam" を作成して 15 分間の名声を博した。これは、1997 年に Cornell 大学の高さ 53 m のベル・タワーの先端に不思議にも突き刺さったまま何か月もそこにあった巨大なカボチャを撮影したライブのビデオフィードだ。この件で Oliver は当時 New York Times の記事に載り、その 20 年後には Cornell Daily Sun が彼のサイトの復活を記事にした。世の中はかなり狭いと思わされる気がするが、このカボチャの話を Mark Frauenfelder が BoingBoing の記事にしたし、最終的 (?) な記事を書いたのは他ならぬテクノロジー・ジャーナリスト Farhad Manjoo、彼は Cornell の 2000 年度卒業生で当時は Cornell Daily Sun の編集長、現在は The New York Times で意見記事を書いている。
その期間の Oliver は飛ぶことに熱中していた (彼は自家用機パイロット免許を持っていた) が、そのうち彼は痛みを抑えるためにモルヒネを使わなければならなくなった。数え切れないほどの回数、彼と私は週末の長いハイキングを楽しんだし、彼と Tonya と私で裏庭のベランダにゆったりと座って、大学生時代にしたこととかあれやこれやを語り合いながら午後を過ごしたりした。もう操縦桿を握れないと知った後に、彼は他の趣味に打ち込んで、ウッドチャックが彼の家のポーチの下にトンネルを掘ったり庭の地下を掘り返したりしないようにといろいろな Internet-of-Things デバイスを組み合わせ始めた。そういうことをしている間いつも、彼は淡々として明るい態度で自分の限られた時間に向き合っていたし、それを見て私はいつも彼の心の強さに畏敬の念を抱いていた。彼に言わせれば、別に性格が良いとかそういうことは関係なくて、自分はただ目の前にある人生に取り組んでいるだけだとのことだった。
Oliver が特に喜びを感じていたことの一つは、物事を効率的にするために思いもつかないようなやり方を探り、その自分の手法を他の人たちに知らせることだった。若い大人としていかに早く荷造りして空港にたどり着けるかといったことから、成熟した人間として系統的な調査を通じて書類仕事を仕上げる最良の方法 (Zoho データベースと番号付けした書類ばさみを組み合わせるのだ) を見つけることまでさまざまあって、私たちもしばしば彼から助言をもらっていた。でも、朝食に生のオートミールを、生産性システムとして Getting Things Done を、体を丈夫にしておくために体重エクササイズを薦めても、Oliver は決して知ったかぶりで自分の考えを押し付けることはなかった。彼はそれを話題にして議論をすることが大好きで、たいてい彼は私たちがどの話題を聞くのを好むか (あるいは好まないか) を理解していた。また、彼は私たちの思い付きを快く受け入れてくれた。例えば以前 CrashPlan がピア・ツー・ピアのバックアップ機能を提供していた時期には喜んで私の CrashPlan バディになってくれて、彼の家に私のオフサイト・バックアップをホストし、私もお返しに同じことをできるようにしてくれた。Oliver はがんの診断に取り組むために、自分を生き続けさせるためにとあんなことやこんなことを試してその可能性を調べ、彼なりの根拠をよく私たちと話し合った。もしも私たちが同じ病気で彼と共に死につつあったならば、間違いなく彼は行動可能なアドバイスを私たちと分け合いながら一緒に困難な道を突き進もうとしたことだろう。
これを読んで下さっている皆さんの中に Oliver を知っている人がほとんどおられないことは分かっている。少なくとも、私たちほどには知っておられないだろう。でも、今はもうどうにもならない。私にできるのは、この記事をとにかく出版して、もうお話できることが残っていないのを悔やむことだけだ。さらば、わが友よ。
Apple が macOS 10.14 Mojave 用と 10.13 High Sierra 用にセキュリティアップデート 2020-005 をリリースして、これらの古いオペレーティングシステムにあった少数のセキュリティ脆弱性をパッチした。Mojave と High Sierra の双方に対する今回のアップデートは、悪意あるアプリケーションが制限付きのファイルにアクセスできてしまったサンドボックスのロジックの問題と、悪意を持って作られた画像を処理しようとすると任意のコードが実行される可能性があった ImageIO の問題に対処が施された。また、High Sierra 用のアップデートでは Mail がリモートの攻撃者によってアプリケーションの状態を変えられてしまう可能性があった問題が解消された。
ストリーミングメディアデバイスのメーカー Roku は既に Apple TV 用のアプリを出しているが、今年中に出る予定の Roku OS 9.4 アップデートで「一部の 4K Roku デバイス」に AirPlay 2 対応と HomeKit 対応を追加するという。AirPlay 2 対応があれば、iOS、iPadOS、macOS デバイスから直接 Roku デバイスへオーディオとビデオのコンテンツを送信できる。HomeKit 対応があれば、iOS の Home アプリから Roku デバイスをコントロールできる。
同社は Roku OS 9.4 を今月中に出し始めると言っており、それから数週間かけて対応するプレイヤーのすべてで使えるようにするという。けれども、Roku TV 対応のテレビを使っている人は少し待つ必要があるかもしれない。同社によれば、段階的アップデートは数か月かけてリリースするとのことだ。
Amazon の子会社 Ring は何年も前からさまざまのハイテク監視用製品を販売しているが、登場予定の製品 Ring Always Home Cam はいよいよルビコン川を渡ることになるかもしれない。これは単なる監視カメラでなくて $250 の屋内用ドローンであり、家の中全体を監視すると約束 (脅迫?) する。Ring には以前からセキュリティやプライバシーに関する懸念があった。例えば Amazon が警察に協力してカメラのデータを利用させたり (2019 年 7 月 29 日の記事“Amazon、警察を利用して Ring カメラを販売”参照)、パスワードを暗号化せずに送信したり (2019 年 11 月 21 日の記事“Amazon の Ring ドアホンが Wi-Fi パスワードを暗号化なしで送信”参照) といったことがあり、これらはいずれも同社が空飛ぶ隠しカメラを発表するより前のことであった。
薄気味悪いという点は脇に置くとして、この Ring Always Home Cam はなかなかクールなテクノロジーだ。ただ、Jared Newman が Fast Company の記事で問いかけているように、いったいどれくらいの人たちがそんなものを必要とするだろうか? Amazon は、恐怖を使って製品を売ろうとしているのか? このような製品 (とそれに伴うマーケティング) の存在自体がさらなる恐怖を煽ることになるのではないか? 少なくとも Amazon は Ring カメラに終端間セキュリティへの対応を追加しようとしているし、録音した音声を直ちに消去するオプションを Alexa に追加しようとしている。