Vision Pro が発売された! 初期に出たレビュー記事の中からいくつか選んで紹介しつつ、Adam Engst が考察と印象を述べる。また、皆さんなら Vision Pro にいくらまで出せるかとお尋ねする。私たちの最新のスポンサー、Vision Pro 用の没入型 Art Authority Museum を出したばかりの Art Authority を歓迎したい。Michael Cohen が寄稿記事で Apple の Q1 2024 業績報告を紹介するが、Apple は 2023 年の売り上げ低迷期を過ぎて増収に転じつつある。最後に、実用的な話題に目を向けて、Adam がインターネット上でセキュアに情報を共有するための8つの方法を検討する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは BBEdit 15.0.1 と Pixelmator Pro 3.5.6 だ。
最新の長期スポンサーである Alan Oppenheimer が共同設立した Art Authorityを歓迎したい。彼は、AppleTalk の創設者の一人であり、Internet サービスプロバイダーを運営し、そして Mac ファイアウォールを開発することから世界の美術を全ての人にアクセスすることを可能とすることを使命とする iPhone、iPad、Apple TV アプリの作成へと進んだ。Art Authority はまた、美術品のプリントや美術館売店販売品の様な傑作の複製を販売するいくつかの企業も買収した。
我々は長年にわたって Art Authority のアプリについて何度も言及してきた。そして同社の最新の発表は仮想博物館、Art Authority Museum である。
Art Authority Museum は、何百人もの史上最も重要な芸術家によって作成された何千もの歴史上最も重要な芸術作品のコレクションを持つ、画期的な新しい没入型美術館です。これらの作品を物理的な博物館 (群衆なし) でと同じように体験するだけでなく、私たち全員が想像し始めることしか出来ない方法でその経験をパーソナライズすることがもうすぐ出来るようになります。
何故思わせぶりの広告なのか? Art Authority Museum は無料の Vision Pro アプリであり、現時点では、ロビーのオープン前ツアーしか提供していない。そこでは、ユーザーは世界で最も歴史的に重要な芸術作品の何十かを体験出来る。Art Authority は、その完全なコレクション - 数万の芸術作品 - が利用可能になる今年後半にグランドオープンを計画している。ユーザーは独自のギャラリーを作成することが出来、そして Art Authority は他にも色々な機能を開発中である。その中には、物理的な美術館では警備員に迷惑をかける傾向があり難しいことである対象物に好きなだけ近づくことが出来るとか、或いは、対象物に没入している間に知らせたり楽しませたりしてくれるカスタムオーディオオーバーレイ等がある。
(皮肉なことに、Alan は、Vision Pro のハードウェアが今週後半まで到着しないため、数日間自分の博物館を訪れることが出来ないと言っていた。Apple は、現在Vision Pro で利用可能なアプリが 600 以上あると言っており、開発者が単なるシミュレータではなく、実際の Vision Pro でアプリがどのように見え、どのように機能するかを見るようになるにつれて、迅速なアップデートが沢山出てくると思われる。)
Apple の新しい Vision Pro ヘッドセットがついに登場した。(2024 年 1 月 8 日の記事“Apple Vision Pro が 2024 年 2 月 2 日 に登場”参照。) いつもと同じく Apple は厳選したレビュー筆者たちにリリース前のユニットを配った。そうして出されたレビュー記事やレビュービデオをすべて読んだり視聴したりしたなら何時間もかかるだろうが、Vision Pro に特に思い入れの強い人でない限りそれは時間の無駄というものだろう。その上、レビュー筆者たちの意見はほとんどの点で一致しているので、どうやら異なる視点はあまりないように思える。もっともそれは予想されたこととも言える。この Vision Pro はあまりにも新しくあまりにも独特なので、ほとんどの人はまだ基本を説明しようとするだけの段階にあるからだ。
レビュー記事いろいろ
まず初めに Wall Street Journal の Joanna Stern のビデオをぜひ観ておこう。長さは 9 分以下だが、その中で彼女は Vision Pro を (多少不自然かもしれないが) 現実の環境の中で試しており、彼女の語り口はいつも通りに示唆に富んでいて楽しませてくれる。
Joanna Stern のビデオを見終えて Vision Pro が大体どんなものか、ユーザーの目には何が見えるかの感じを掴んだなら、次は Daring Fireball の John Gruber が書き上げた長文、単語数 7250 のレビュー記事を読んで 、背景を目の当たりにすべきだ。Gruber の説明と分析は注意深くよく考え抜かれている。この記事にはたった一枚の静止画像しか添えられていないが、文章が素晴らしくてよく伝わる。
それを読み終えたなら、あとはいくつかの選択肢がある。もっと詳しく読みたい人には、Nilay Patel が The Verge に単語数 9000 のレビュー記事を書いており、数多くの静止画像も添えている。彼の論調は他のレビュー筆者たちに比べて否定的な面が強く、ヘッドセットを装着していると本質的に孤立感に襲われるという点を最も強調している。また、彼は髪が乱れるのが嫌だとも言う。The Verge のビデオ映像はよく出来ているが、基本的に Patel 本人が記事のテキストを朗読しているものに過ぎない。(ただし Vision Pro が彼の髪に与えた影響がよく分かる。)
MKBHD の YouTuber である Marques Brownlee が Vision Pro について3つのビデオを作った。まずは 19 分間の「箱から取り出す」ビデオで、私はその初めの方をサッと観ただけだが、彼は梱包されている部品を一つ一つ取り出して説明しており、ここは有用で参考になると思った。次に彼はなかなかよく出来た 38 分間のビデオで Vision Pro の使い方を Joanna Stern より詳しく説明している。でもベストだったのは最後のビデオで、ここで彼は Vision Pro のハードウェアとソフトウェアがいかにうまく働くかについて意見を述べている。
たくさんのレビューを読んだり観たりした私には、Vision Pro についての印象がいくつか残った:
驚くべき VR ヘッドセットだ: レビュー筆者たちは全員、Apple が Vision Pro に組み込んだテクノロジーの数々に感動していた。これまで体験したどの VR ヘッドセットに比べても体験のあらゆる側面が優れているとのことだ。この Vision Pro は高価かもしれないが、中にあるものを考えれば Apple が法外な価格を付けているとは思えない。
これは重い: すべてのレビュー筆者が重さについてコメントしていた。Apple はなかなか良い設計をした上に2種類のヘッドストラップを用意しているが、それでもこの Vision Pro は 650 グラム (1.4 ポンド) の重量を顔の前に取り付けることになる。人間工学的に問題がある (もしも Apple がバッテリーパックを内蔵させていたなら問題がさらに悪化したことだろう) ので、もし Vision Pro を購入するのならば、実際に使うセッションの時間を少しずつ増やすようにして、顔の筋肉への負担を避けるようにすべきだと思う。
EyeSight は奇妙だ: EyeSight は Vision Pro の前面にあなたの両目を映し出して他の人にあなたの顔だと分からせるためのテクノロジーだが、見た目が奇妙であまり役に立たない。Apple のマーケティング資料が示唆したものと比較して、解像度も輝度もずっと低い。目は自然に見えず、特にレビュー筆者 Marques Brownlee のように肌の色が暗い場合、ほとんど何も見て取れない。Apple は EyeSight のお陰でゴーグルを着けたあなたを他の人が見ても自然な感じに見えると大々的に宣伝していたのだが、これではガッカリだ。たぶん、たいていの人は周りに他の人がいる間は Vision Pro を取り外すようになることだろう。
Personas はとても不安な気持ちにさせる: Personas はあなたの上半身のアバターを作る機能だが、これがさらにもっと不快な気持ちを掻き立てる。非常に正確な肖像描写であることが、余計にどこか違うと思わせる。これこそまさに「不気味の谷現象」だ。Apple によれば Personas 機能はまだベータテスト段階にあるとのことだが、不気味の谷を越えられるほどに進化できるとは想像しにくい。
Guest モードはあるが、マルチユーザー対応はないらしい: 他の人にも Vision Pro を試してもらえる Guest モードがある点に少しだけ触れたレビュー筆者が何人かいた。iJustine は実際友人に試してもらっていた。けれども私が見たところでは、これは主に実演目的の機能であって、家族の誰かと普通の意味で共有できる機能ではないようだ。
たった1台の 4K Mac ディスプレイしか持てない: Vision Pro の環境の中に Mac の画面を表示でき、それを拡張することもできる点をすべてのレビュー筆者が気に入っていた。けれどもその画面は 2560×1440 ピクセルに限定されている上に、たった1台のディスプレイしか使えない。ネイティブな Vision Pro を設定して仮想の Mac 画面の隣に互換な iPad アプリを並べて使うことは可能だけれども、これでは Apple が宣伝していたような「無限のキャンバス」には到底及ばない。
Vision Pro について知っておくべき最も重要な点は、これが“その他の私たち”のためのものではないことだ。Vision Pro がいったい誰のためのものかということすらまだ明らかではない。決定的に重要だと言えるアプリはまだ登場していない。Apple は開発者たち、早期導入者たち、最先端のものにお金を注ぎ込むことを厭わないテクノロジーおたくたちに、今は種蒔きをしているところだ。間違いなく Apple は、Meta やその他同じ領域に縄張りを確保しようとする者たちに先んじることを望んでいる。このテクノロジーがこれから進化を遂げて、主流の製品を手頃な価格で届けられるようになるという目標に進めるための体験をすべての人たちに、Apple にも、開発者たちにも、ユーザーたちにも Vision Pro が提供すること、それが Apple の願いなのだ。
あるいはむしろ、それは現状に対する私の分析と言うべきだろうか。でもそれは経験を積んだ多くのテクノロジー業界ウォッチャーたちの分析とも一致している。ただしこれは Apple のマーケティングマシンから聞こえてくる言葉とは一致しない。マーケティングの言葉は Vision Pro がすべての人たちのもの、今ある現実の問題を解決するものと装いつつ語る。初代の Vision Pro が想像の中の未来のために必要な最初の第一歩であると Apple が公言することはできないが、これまで Tim Cook が AR や VR について語ってきたことと照らし合わせて考えれば、何が起こっているかは自ずと明らかだろう。
おそらく第2世代の Vision Pro になれば重量が半減し、第3世代ではバッテリーを内蔵し、第4世代ではパススルー・ビデオを使った VR ヘッドセットの代わりに実際の眼鏡型の製品に生まれ変わるのではなかろうか。(そしてもちろん、どこかの時点で "Vision Air" が登場することだろう。) それは危険なほどSF小説に近いけれども、約束としては魅力的だ。いつの日か Vision Pro があらゆる Apple 製品に取って代わることがあるかもしれない。単なる眼鏡が (代わりにコンタクトレンズを想像するのはSFの範疇だろうが) あらゆる処理、コミュニケーション、録画、仮想ディスプレイを担うことができたならば、いったい誰が iPhone、Mac、Apple Watch、Apple TV といったものを必要とするだろうか? あまりにも遠い未来を見過ぎてしまったかもしれないが、それはそれとして、私としては Apple の構想と、その実装を好ましく思う。他のテクノロジー巨人各社がおそらくあなたに広告を浴びせ、あなたの目の動きを逐一観察し、あなたにもっと品物を売り付けようとする一方で、それとは違う目標を掲げた Apple の構想と、その実装を。
iPad と同様に、Wearables 部門は、昨年の結果とは "比較しにくい" が、売上げが11% 減少した。今年の分にはリリースされたばかりの Apple Watch Series 9 とApple Watch Ultra 2 モデルの売上も含まれている。今後の四半期では、Appleの新しい Vision Pro が Wearables 部門に含まれることになるが、初期生産量が小さいことを考えると、しばらくの間、売上げに大きく貢献することは出来ない。それにもかかわらず、Apple は企業の顧客がこの機器に対して表明している関心の高さを強調した。一人のアナリストに迫られた時、Cook は Vision Pro の販売軌跡を以前の Apple 製品と比較することを控え、"それぞれの製品にはそれぞれの旅がある" と述べるに留めた。
Services
繰り返しになるが、Services 部門は Apple の売上げ図の中の明るいスポットであり、前年比 11% の増加を記録し、Apple の業績集計部門の中で最も高かった。現在、設置ベースで 22 億台の Apple 機器があり、これらの機器にサービスを提供する機会はこの部門が引き続き成長出来る兆しと言える。
地域別業績
Greater China からの売上げは前年比で 13% 減少したが、世界の他の地域はその下落を補うのに役立ち、Cook は Latin America や Middle East 等の新興市場における Apple の業績に喜びを表明した。Americas は、前年の1週間長い四半期と比較しても 2% の売上げ増を絞り出した。更に良いことに、Europe と Asia-Pacific 地域の売上げはそれぞれ史上最高の 10% と 7% の増加を記録し、そしてJapan の売上げは 15% 増加した。
今後
Apple は引き続き高い収益性を保ち成長にも戻っているが、同社は来るべき数ヶ月の間に難しい仕事を抱えている。それは China での販売の減速と、新しい EU アプリ配布要件を満たすための Apple の不承不承の努力の未知の効果である ("EU が壁に囲まれた Apple の庭を開放させる" 29 January 2024 参照)。プラス面では、新しい iPad が今年後半にまず間違いなく登場しその部門を強化するであろうし、Apple の iPhone と Services 部門は引き続き好調に推移する可能性が高い。
パスワード保護付き PDF: 印刷することが可能な機微書類を共有するための最も良い方法はパスワード保護の付いた PDF を作成するやり方だ。どのアプリからでも File > Print > PDF > Save As PDF を選ぶ。Security Options ボタンをクリックして、"Require password to open document" を選び、パスワードを入力する。ここで強力なパスワードを作ることが重要だ。なぜなら、多くのオンラインサービスが弱いパスワードを PDF から削除しているからだ。そうして書類を保存して、それを好きな方法で共有すればよい。ただし、受取人にパスワードを知らせるには必ず別のチャンネルで送るべきだ。
パスワード保護付きディスクイメージ: PDF に変換するのが難しいファイルを共有したり、一連のファイルの集まりを共有したりする場合には、Mac ユーザーを相手にするのならばパスワード保護の付いたディスクイメージを作成することでうまく行くかもしれない。(他のプラットフォームのユーザーも Mac のディスクイメージを開けるかもしれないが、手順が難しかったり、特定のソフトウェアが必要だったりディスクイメージ作成の際に特定の設定を要したりすることもあり得る。) Disk Utility で、新規に圧縮ディスクイメージを作成し (File > New Image > Image from Folder を使うのが手軽だ)、Encryption ポップアップメニューから2つのオプションのどちらかを選び (秘密性の高い情報には 256-bit を選ぼう)、プロンプトが出れば強力なパスワードを入力する。ここでも、パスワードの共有には別のチャンネルを使う。
パスワード保護付き Zip アーカイブ: パスワード保護付き Zip アーカイブはパスワード保護付きディスクイメージと同じ目的に使えるが、こちらの方が Windows やその他のプラットフォームを使っている人にとって情報を取り出しやすいかもしれない。(Mac App Store からでなく) メーカーのウェブサイトからダウンロードした Keka は、無料でパスワード保護付き Zip アーカイブを作成できる。頻繁に作成するのならば BetterZip を検討するとよい。けれども最も高速な方法は、コマンドラインからデスクトップ上にパスワード保護付き Zip アーカイブを作成するやり方だ。次のようにすればよい:
Terminal を開く。
zip -er ~/Desktop/desiredfilename.zip とタイプしてからスペースバーを一度押す。
The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 3.5.6 をリリースして、Photoshop PDF、Adobe Illustrator (.AI)、および Illustrator EPS ファイルへの対応を改良した。今回のアップデートでは、Photoshop PDF ファイルでそのファイルの作成に使用されたすべてのレイヤーが表示されるようにし、注釈 (例えばテキスト、図形、署名など Preview の Markup を使って追加したもの) の付いた PDF を開くことができるようにし、Final Cut Pro 用の PSD ファイルの最適化を改善して Gradient Fill および Color Fill エフェクトレイヤーをサポートし、RAW レイヤーを含む古い Pixelmator Pro 書類のサポートを改善し、画像を HDR JPEG フォーマットで書き出す際に画像の色をより適切に保存するようにした。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、650.7 MB、 リリースノート、macOS 12+)
これはいつもの Do You Use It? アンケートとは少し趣を異にするが、TidBITS 読者層の総意を知りたいという目的は同じだ。Apple の新製品 Vision Pro の価格についてはいろいろの意見が言われている。基本価格は $3499 だが、ストレージ増量、必要なインサートレンズ、AppleCare+、収納ケース、その他を付ければあっという間に税込価格は $4000 を軽く超えるだろう。
だからもちろん Vision Pro は高価だが、それは必ずしも法外な価格という訳ではない。部品にも組み立てにも間違いなくコストが掛かるからだ。報道によれば Apple は発売後の週末だけで 200,000 ユニットを売ったとのことなので、Apple が付けた値札の金額に見合う価値が Vision Pro にあると考えた人たちがいたことは確かだ。
では、あなたはどう考えるだろうか? あなたが Vision Pro について知っていることと、現実にどのような目的に使えるかを考えた上で、いくらなら払えるかを想像してみて頂きたい。単なるテクノロジーへの熱情だけで考えずに、どれだけの価値を Vision Pro から引き出せるかを、他の Apple デバイスと比較しつつ理性的に評価して頂けるとありがたい。
Vision Pro を外した途端、他のデバイスがどれもこれも平面的で退屈に思えてしまう。75 インチ OLED TV はまるで 1990 年代の CRT みたい、iPhone はその昔の折り畳み携帯電話みたい、自分の周りの世界さえ驚くほど平坦に見える。これは、大きな問題だ。ちょうど、ステレオを鳴らさずに自動車を運転するなど考えられないように、スマートフォンなしに人々とコミュニケーションしたり子供たちの写真を撮ったりするなど想像できないように、コンピュータなしに仕事をするなどあり得ないように、いつの日か、私たちは拡張現実なしに暮らすことなど考えられないようになるのではなかろうか。あまりにもテクノロジーに包まれ過ぎて、まるでドラッグを求めるようにこの眼鏡を付けたい気持ちが高まり、今日の私たちが iPhones を求めるよりずっと強い気持ちで、AR に埋もれて浸るドーパミンの快感を求めるようになるのではなかろうか。
心の底で私はこの Apple Vision Pro があまりにも没入的過ぎると知っている。なのに私はこれを通して世界を見てみたいと欲する。シリコンバレーのある投資家は言った。「テクノロジーとしては間違いなく素晴らしいけれど、それでも私はこれが失敗に終わるだろうと思うし、そう願っている。Apple はますます、リハビリ提供者の顔をしたテクノロジー的フェンタニル密売人のごとくになりつつある。」きつい言葉だが、彼は確かに、スマートフォンの奴隷となった私たち多くの感じ方を知っている。彼はこの劇の進行を見届けてきた。第一幕と、第二幕をしっかりと見届けた上で、彼はその終幕を見通せる。