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#1702: TidBITS の 34 周年、Apple Watch Ultra 2 とリレー競走、1Password とクレジットカードの謎、Listen Later のアップグレード

今週号で TidBITS は 34 周年の記念日を迎えるので、Adam Engst は TidBITS の現状についていくらかの統計情報をもとに考察するとともに、TidBITS 会員向けの新たな Mac アプリ割引を紹介する。Apple がようやく、人気が集中するほんの少数の観戦スポーツ以外のスポーツに対する熱意の片鱗を見せたが、それは長距離リレー競走に出場したチームの一つに Apple Watch Ultra 2 を提供して宣伝させるというものであった。TidBITS スポンサーである Listen Later がユーザーの声を聞いている (listening) ところを見せて、TidBITS 読者の要望を実装してくれた。それからもう一つ、持っているクレジットカードのうちいくつかの情報が 1Password の自動入力ポップアップに出ないことに気付いた Adam が、その問題を解決するとともに、1Password のサポート担当者と協力して何が問題だったのかを見極めようとする。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Audio Hijack 4.4、Bookends 15.0.1、OmniFocus 4.2、Pages 14, Numbers 14, Keynote 14、それに Pixelmator Pro 3.5.8 だ。

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple、長距離リレーレースでの Apple Watch Ultra 2 の使用を宣伝

私は最近の Apple のスポーツに関連した行動には批判的である。彼らはほんの少数の知名度の高い観客スポーツに焦点を当てている。しかしながら、非常に宣伝的な方法でではあるが、同社が最近ランニングにほんの少しだが注意を払ったことは認めてやっても良いと思う。

毎年、The Speed Project と呼ばれる非公式の無許可のリレーレースは、走者チームに Santa Monica と Las Vegas の間の約 340 マイルを横断する事を求める。固定したコースはなく、想像するに、唯一のルールは、高速道路を走ってはいけないということである。長距離リレーはとても楽しい - 私は近くの Seneca Lakeの周りの 77.7 マイルの一周コースを7人のランナーで走る Seneca 7 リレーで、友人達と走って素晴らしい時間を過ごしたことがある。

Apple が詳細を漏らすことはないが、同社は走者に Apple Watch Ultra 2 時計(そして恐らくイベントを文書化するための iPhone 15 Pro Max 電話) を提供することで、The Speed Project の1チームを後援したのではないかと思われる。結果は、この時計を売り込む誇張した PR 言語を別にすれば、このイベントを伝える他の記事と見栄えも内容もそう変わらない Apple Newsroom の記事となった:

Mojave 砂漠に深く分け入るにつれて、チームは、正確な距離、ペース、ルートデータを提供する Apple Watch Ultra 2 の精密デュアル周波数 GPS に依存する。

私は、Apple がどれだけの設定、訓練、レース中の技術サポートを提供し、Apple Watch Ultra が実際にコースでどれだけうまく機能したかを走者自身から聞きたいと思う。私は Apple Watch Ultra の基本的な機能を疑うわけではないが、多くの走者や Apple Watch ユーザーと仕事をした私の経験からすると、殆どの人は、彼らの時計が出来ることのほんの表面を引っ掻くだけで、特にランニング中には基本的な選択肢を超えてナビゲートするのに苦労している。また、Mojave 砂漠の中で信頼に足る通信を提供するのに十分なセルラーカバレッジがあったとすれば驚きでもある。

The Speed Project のもっと説得力のある話に興味があるのなら、Tracksmith のグラフィックに富んだアカウント と (Apple よりも露骨さを抑えて同社の服を売り込んでいる)、OiselleOn Running チームに関する Women's Running サイトの一対の記事をお勧めする。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Listen Later、TidBITS 読者がリクエストした機能を追加

私たちの現在のスポンサーである Listen Later の Yalim Gerger から、最近になって嬉しいニュースが届いた。記事“Text-to-Podcast サービス Listen Later が TidBITS スポンサーに”(2024 年 3 月 11 日) を出版して以後、TidBITS 読者たちから Listen Later に対する追加機能の提案やバグ報告が寄せられたが、今回彼はその機能追加とバグ修正を実装してくれた。

思い出して頂きたいが、Listen Later を使えば、メッセージ (例えば TidBITS の号やその他の電子メールニュースレター)、ウェブ上の記事へのリンク、テキストが多く含まれた画像、あるいは PDF などを電子メールで送ることで、それらのテキストがポッドキャストのエピソードに変換され、好きなポッドキャスト用アプリを使って聴くことができるようになる。これは、AI ツールの魅力的な応用方法の一つだ。AI がテキストを音声に変換し、不要な部分を取り除く前処理を施して、自然に聴こえる音声に仕上げてくれる。

読者の皆さんからの提案のお陰で、Listen Later はポッドキャストの各エピソードの末尾にアウトロの音楽 (ドイツ人の作曲者からライセンスを受けているもの) を追加するための設定項目を提供するようになった。ごくマイナーな調整ではあるけれども、何個かのエピソードを続けて聴く場合には驚くほどありがたいものだ。ポッドキャスト用アプリが一つのエピソードの終わりから次のエピソードの始めへ休みなく一足飛びにジャンプすると当惑してしまうことがあるが、この設定を使えばそれが防げる。

また、有料ウェブサイトのペイウォールの奥にあるテキストに Listen Later がアクセスできない問題に対して、TidBITS 読者たちから巧みな回避策が届いた。その場合、記事へのリンクを送信する代わりに、まずその記事を PDF として保存してから、その PDF を Listen Later へ送信すればよいのだ。PDF の作成は Mac 上では簡単で、多くのブラウザが Export as PDF オプションを提供しているし、別方法として File > Print を使って PDF として保存してもよい。iPhone や iPad でもこの後者の方法が使える。ページが表示されている状態で、Share ボタンをタップして、Print をタップし、そこで開いた Print Preview 画面でもう一度 Share ボタンをタップしてから、今度は電子メールアプリを選択して、その PDF を添付した新規メッセージを作成する。

Workaround for submitting paywalled articles to Listen Later

最後にもう一つ。Chromium ベースのブラウザ用に新しい Listen Later Extension という拡張が出ているので、記事を Listen Later へ送るのがさらにもっと簡単になった。拡張をあなたのブラウザに追加して、最初に使う際にログインしておきさえすれば、あとはいつでもこの拡張を呼び出すだけで現在のページが送られてオーディオに変換される。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

クレジットカードが 1Password 8 のオートフィルポップアップに現れない問題を解決

私は "Safari 以外で Apple の iCloud Passwords を使う" (1 April 2024) に取り組んでいる間、Arc で 1Password 8 を使っていなかったので、それを再度有効にした時、オートフィルポップアップで金庫内にある6つのクレジットカードのうち4枚しか表示されないことを発見して驚きそして少しイライラした。

1Password credit card autofill pop-up

そんなことが起こった時、一回や二回なら 1Password Quick Access を使って関連情報をコピーするのは難しくはないが、そのような余分な手間にはほとんど我慢がならない。1Password の様々なエントリを比較すると、表示されなかった2つのカードには、Additional Details セクションに "website" エントリがあり、そしてその内の1つには Contact Information セクションに更に別のそのようなエントリがあることが分かった。

Website entries in 1Password credit card item

そこに鍵があった。Additional Details に表示されたウェブサイトのエントリを削除すると、1Password はすぐに自動入力ポップアップでそのクレジットカードの提供を開始した。余分な Additional Details ウェブサイトのエントリがあると、1Password はその指定されたサイトにのみそのクレジットカードを表示するのではないかと想像する。Contact Information のウェブサイトのエントリは、どちらにしても違いは生じさせなかった。

と言うことで、問題は解決した。手動では追加出来ないので、ウェブサイトのエントリが Additional Details セクションにどの様に紛れ込んだのかは私には分からない - ウェブサイトのオプションは Contact Information にフィールドを追加する場合にのみ表示される。私はウェブサイトのエントリを Contact Information に追加し、それを Additional Details にドラッグする事は出来たが、それはこの問題を引き起こさなかった。それに、私はそれらのウェブサイトのエントリを手動で追加したことはないと確信を持って言える。

最初、私はこの余分なウェブサイトのエントリは、1Password に切り替えた時にLastPass からのインポート時の副産物かもしれないと思った ("LastPass がデータ漏洩についてさらなる詳細を公表" 3 March 2023 参照)。この考えは、これ迄1年間の 1Password リリースノートが LastPass インポートプロセスの改良を説明しているやり方にも影響を受けた。しかし、私が確認したところ、LastPass のクレジットカードに関連付けられている URL はなかったので、それが原因ではない。

もっと良い手がかりは、上のスクリーンショットの URL にあった。それはReserveAmerica からのもので、私はそのサイトを毎年恒例の Finger Lakes Runners Club のピクニックのために近くの州立公園にあるパビリオンを予約するために使っている。その予約をいつしたかを確認するためにメールを調べてみたら、4 February 2024 となっていて、それは 1Password が変更された日付として報告している日そのものであった。決定的証拠だ!

そのサイト上のクレジットカード情報の自動入力に関連した何かが、1Passwordにそのカードの Additional Details セクションに ReserveAmerica URL を追加させたに違いない。私はクレジットカード情報を更新するプロンプトを受け入れたとはどうしても思えないので、これはバグのせいだとしたいと思う。他のクレジットカードでも別のサイトで同じことが起こった;我々の主に使う個人カードがより定期的に使われているにも拘わらず、なぜ影響を受けなかったのか私には説明出来ない。

何れにしても、この話の教訓は、1Password が自動入力ポップアップで全てのクレジットカードを提供しない場合、Additional Details の下でウェブサイトのエントリを探して削除することである。

1Password サポートと協力して調べる

終わりに、私はこの問題を 1Password に報告し、反応のとても良いサポート担当者と協力して、何が起こったのかを見つけ出せるかどうかを模索している。私は幾つかの興味深いことを学んだ:

私は何が起こったのかは未だ分かっていないが、近づいてはいる。これらの詳細が、1Password 項目での特異性を調べている他の人に役立つことを願うものである。私が学んだことはコメントで報告する。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

TidBITS の 34 年間と会員向けの新たな Mac アプリ割引

記念日というのは知らないうちにそっと忍び寄るものだ。私は TidBITS 会員が割引を得られるアプリのコレクションに最近付け加えられたものについて短い記事を書くつもりだったが、あれやこれやのことに紛れて数週間が過ぎてしまった。そして今やもう 4 月の中旬、つまり TidBITS の 34 周年の記念日がやって来た。時間の経つのは本当に早い。

私たちは今どこにいるか

1990 年に HyperCard スタックの形で TidBITS を出版し始めたあの心踊る日々以来、多くのことが変わった。macOS は見て分かるかもしれないが、入手可能な唯一の Mac ラップトップ機が Mac Portable であった 1990 年のあなた自身が今日の MacBook Air を見ているところを想像できるだろうか? iPhone はどうだろう? 1990 年にもモバイルフォンは存在していたけれども、私は 1991 年にシアトルに引っ越すまでモバイルフォンを使っている人を直接見る機会はなかった。他の多くの現行の Apple 製品についても同様に考えるとなれば、どうしても 1990 年代のサイエンスフィクション、例えば Star Trek: The Next Generation のようなものに行き着かざるを得ない。そこには Siri 風の音声インターフェイスや、iPad 風の PADD、はたまた今や私たちが Vision Pro で手にしつつあるものに似た仮想現実のホロデッキなどが登場した。

でも、TidBITS が取り上げる内容は大きく変わったけれども、TidBITS の根底にある概念は安定していて変わっていない。長年にわたり、私たちは TidBITS がパーソナルコンピュータの向こう側にいる人々のためのものであり、人々がパーソナルコンピュータから最大限のものを得られるよう助力することこそが今日のテクノロジーにおいて最も重要な点なのだと言い続けてきた。当然ながら私が TidBITS で書く内容はそのことによって決まるのだが、ここ十年ほどの間に問題の持つ性格が次第に全般的なものから個人的なものへと変わりつつあると私は感じるようになってきた。その種の問題の解決は、私自身が解決できて背後にある問題点を説明できる場合には、やはり記事にするべき価値を持っている。(2024 年 4 月 13 日の記事“クレジットカードが 1Password 8 のオートフィルポップアップに現れない問題を解決”が良い例だ。)

けれども、個人的に手の届く範囲の外にいる誰かが問題に遭遇した場合には、テクノロジーに焦点を合わせた問答形式のやり方を使わなければ問題に関係する条件や変量を理解することができず、そこでこそ TidBITS Talk が輝きを放つ。下のグラフでお分かりの通り、過去 4 年間にわたって TidBITS Talk への投稿数 (記事へのコメントとアンケートでの議論は除く) は着実に増加傾向にある。信じられないほど博識な人たちや物惜しみしない寄稿者たちのお陰で、貴重なサポートコミュニティーが形成されている。

TidBITS Talk post stats, 2020–2024

現時点で TidBITS Talk はサイズの面で最良の状態にある。ユーザーの全体数は 6700 人で、そのうち 200 人ほどが去年一年間に 10 回以上投稿しており、日々の投稿数は平均して 35 通から 40 通程度だ。これからもそれはゆっくりと増加するかもしれないが、何万人ものユーザーが何百万通もの投稿をするサイトになることを私は望んでいない。インターネットはいくらでも拡大できるが、人間の脳が維持することのできる関係の数は限られているし、200 人程度という現状はほぼダンバー数の範囲内だと言えるだろう。もしもそれよりずっと多くなれば、個人的な繋がりが失われてしまうような気がする。

それから、私たちの Do You Use It? アンケートに寄せられた反応についても私は大いに満足している。これは、TidBITS Talk の基盤である Discourse ソフトウェアのアンケート機能を利用して実施しているものだ。現在までにこれらのアンケートには 1400 以上の回答 (一つのアンケートあたり 50 から 250 程度) が寄せられており、何万ものページビュー数を記録している。アンケート結果の多くは使用パターンに関する私の考えと一致するものだったが、私にとって驚きだったものや、啓発的だったものもあった。また、これらのアンケートはあまりよく知られていない機能についてより多くの読者に知ってもらえるきっかけともなったと思う。

(日本語)"Do You Use It?" 調査を紹介する | Do You Use It? Stage Manager の採用率は低い | Do You Use It? Mac の Spotlight | Do You Use It? Launchpad は昔からの Mac ユーザーには受けが悪い | Do You Use It? プロキシアイコン | Do You Use It? Spotlight は主にファイル発見とアプリ起動に使われている | Do You Use It? iPhone 上の Apple の天気アプリ | Do You Use It? プロキシアイコンは静かに生産性を上げる | Do You Use It? Apple の Weather アプリは人気だが他にも人気の代替製品が多種多様 | Do You Use It? iPhone 14 Pro の Always-On ディスプレイ | Do You Use It? iPhone の常時表示ディスプレイは人気だが誰もが使う訳ではない | Do You Use It? Mac のウェブブラウザ | Do You Use It? Safari が Mac Web ブラウザのトップに | Do You Use It? Finder タグ | Do You Use It? Finder タグには集中的な用途あり

そういうことを考えてみると、私は今いる状況を気に入っていると言える。上で紹介した TidBITS Talk の利用者数や、英語版、 日本語版オランダ語版を合わせて TidBITS の購読者数がおよそ 26,000 人であることで、全体として管理可能な範囲の事業になっている気がする。その上、会費を払って下さる 3650 名の TidBITS 会員のお陰で私たちは財政的にもしっかりとした基盤の上にいる。苦難にあえぐ今日の出版業界の中で、これはとても大きなことだし、こうして TidBITS を前進させ続けて下さっていることに対してすべての皆さんに心からの感謝を捧げたい。

その話のついでに書き添えれば、先週私は Angel レベルの TidBITS 会員($1000 を寄付して終身会員となった方) の一人と夕食を楽しんだ。彼は日食を見るためニューヨーク州北部まで来ていて、日食の次の日に Tonya と私はニューヨーク州 Geneva の Kindred Fare レストランで待ち合わせ、夕食を囲んで語り合うとても楽しいひとときを過ごした。これまでに私たちはこのような夕べを数回経験したが、そのどれもが大きな支援をして下さる読者と繋がりを持てる素敵な機会となっている。

TidBITS がこの先もっと何年も続くことを願いたい!

TidBITS 会員向けの新たな Mac アプリ割引

TidBITS Angel 会員にディナーをご馳走することを別にすれば、すべてのレベルの TidBITS 会員に同じ特典がある。すなわち、フルテキストの RSS フィード、電子メール号にまとめられる前に個々の記事を電子メールで受け取れるオプション、有料のバナー広告がないバージョンの TidBITS ウェブサイト、Take Control 電子ブック購入の 30% 割引、TidBITS Members ページにお名前を掲載できるオプション、そして、100 近くの Mac アプリで 15% から 50% の割引価格が利用できる。

割引購入ができるアプリの数は着実に増えているが、ここで特に喜びをもってお知らせしたいのが 2 つのウクライナの会社の製品で、この 2 社は一貫して Mac をサポートし続けている。すなわち、Belight Software と MacPaw だ。Belight Software の製品 Amadine (ベクターグラフィックス用アプリ)、Art Text (テキストに特化したグラフィックデザインソフトウェア)、および Live Home 3D (家とインテリアのデザインソフトウェア) が 20% 割引で購入できる。一方、MacPaw も TidBITS 会員に対して CleanMyMac X の 1 年間の購読料金を 20% 割引で提供している。これは不要なアプリを削除し、ディスク上の不要なファイルを取り除き、パフォーマンスを高めるために役立ち、マルウェアのスキャンもする。割引を受けるためには、まず TidBITS サイトにログインしてから、次に Membership Benefits ページへ行って、そこから必要なリンクやクーポンコードにアクセスする。上記の 2 社はいずれも、今も多くの従業員が暮らすウクライナで戦争に対処する努力を支える働きをしている。

Amadine 1 iconArt Text 4 iconLive Home 3D iconCleanMyMac 4_7 icon

最近になって私が TidBITS 会員割引対象リストに追加したそれ以外のアプリとしては次のようなものがある:

DisplayBuddy iconHazeOver iconLunar 5 iconRetrobatch 2 iconTextSniper icon

まだまだもっと多くのアプリをリストに追加したいと思っているので、もしあなたが Mac 開発者で TidBITS 会員向けに割引価格を提供したいと思って下さるなら、どうぞ私にご連絡頂きたい。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

Audio Hijack 4.4 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Audio Hijack 4.4

Rogue Amoeba が新しいオーディオキャプチャ用バックエンド Audio Routing Kit (ARK) 搭載の Audio Hijack 4.4 をリリースした。(最近リリースされた Airfoil 5.12Piezo 1.9 と同等になった。) このオーディオキャプチャ用バックエンド ARK は新しい Mac 上で素早くセットアップできて再起動もパスワードの入力も必要ない。また、Permissions ウィンドウがアップデートされて新しい System Audio Access オプションを備え、あなたが指定したアプリケーションからオーディオを録音できるようになった。

このオーディオ録音ワークフローアプリは今回から macOS の (管理者アカウントとは限らない) 標準的アカウントからオーディオをキャプチャして録音できるようになり、マイクロフォンが使用中という誤ったインジケータをなくし、Application ブロックを改良して複雑なセットアップの下でもよりパワフルなデバイス特定キャプチャができるようにし、Siri スペシャルソースを更新して macOS 14 Sonoma のすべてのリリースの下で期待通りに動作するようにし、Permissions ウィンドウにアクセシビリティの改良を加え、今回から Sonoma かそれ以降を要するようになった。(新規購入 $64、TidBITS 会員には 20% 割引、無料アップデート、37.1 MB、リリースノート、macOS 14+)

Audio Hijack 4.4 の使用体験を話し合おう

Bookends 15.0.1 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Bookends 15.0.1

3 月に Sonny Software が Bookends 15.0 をリリースした。この参照文献管理ツールのメジャーリリースで、アップグレードされたデータベースエンジン、Citation Style Language (CSL) スタイルへの対応、PDF 注釈の改良、その他の新機能を備えた。その後 4 月になってバージョン 15.0.1 が出され、いくつかの調整とバグ修正が施された。具体的には多数の参照文献を同時に読み込む際に PDF のダウンロードを中断する機能の追加や、Journal Glossary の更新によって Command-S で保存し、Command-W で閉じ、コンテクストメニューでジャーナルを削除できるようになった。このアップデートではまた、ジャーナルグロッサリーに施した編集が直ちに反映されるようになり、同期が Bookends クラウド同期に限られるため (Dropbox や iCloud Drive などの) クラウド同期されたフォルダの中に新規ライブラリを作成できないようにし、読み込まれたタイトルの末尾の疑問符が正しく保持されるようにし、ウォッチフォルダから読み込まれた PDF を改名できなかったバグを修正し、ユーザーインターフェイスで Web of Science への言及を削除した。Bookends の新規購入価格は $74.99 となり、Bookends 11 かそれ以降のライセンスを持つ人には $49.99 のアップグレード料金が適用される。(新規購入 $74.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、アップグレード $49.99、バージョン 15 のユーザーには無料アップデート、113.5 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Bookends 15.0.1 の使用体験を話し合おう

OmniFocus 4.2 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

OmniFocus 4.2

The Omni Group が OmniFocus 4.2 をリリースした。Pro 版に新しいカスタム視点ルールを導入して、日付、反復その他の基準でフィルター分けできるようにした。標準版と Pro 版のいずれにもさらなる改良が施されており、Delete 確認プロンプトで Delete オプションをデフォルトにし、Inspector でフラグボタンの配列を改良し、アプリを再起動してもサイドバーの横幅が保たれるようにした。今回のアップデートではまた、空白のフォルダが選択された際にサイドバーが期待通りにリサイズされるようにし、Review で機能しないプロジェクト展開三角形を表示しないようにし、Inspector で編集を加えたノートが誤った行に書き込まれていたバグを修正した。(新規購入は標準版が $74.99、Pro 版が $149.99、または月額 $9.99 の購読、アップグレードは 50% 割引、バージョン 4 からは無料アップデート、31.6 MB、リリースノート、macOS 13+)

OmniFocus 4.2 の使用体験を話し合おう

Pages 14, Numbers 14, and Keynote 14 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Pages 14, Numbers 14, Keynote 14

Apple が iWork アプリをバージョン 14 にアップデートして、複数個所のテキストの不連続選択 (一続きでない文字列の選択) を Command キーを使ってできるようにし、そのようにして選択されたテキストにフォーマッティングの変更やその他のアクションを施せるようにした。3 つのアプリのいずれもアプリ内通知を改良して共同作業書類に誰かが初めて参加した際にアプリ内通知を表示するようにし、iPhone や iPad で撮影した HEIC 写真が最高品質と元のファイルフォーマットを維持するようにした。また、Keynote は Microsoft PowerPoint ファイルを読み込んだり書き出したりした際のスライドトランジションの互換性を改善した。(無料、Pages は 291.8 MB、リリースノートNumbers は 256.8 MB、リリースノートKeynote は 367.7 MB、リリースノート、macOS 13+)

Pages 14, Numbers 14, Keynote 14 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 3.5.8 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Pixelmator Pro 3.5.8

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 3.5.8 をリリースして、Safari、Keynote、Pages など Apple 製アプリを使って作成したものを含むベクター PDF への対応を改良した。ベクター PDF のテキスト要素を通常のテキストレイヤーとして (元のテキスト・フォント・フォーマッティングを保ったまま) 読み込み・編集できるようになっている。その Mac にインストールされていないフォントをその書類が含んでいる場合には、編集可能なテキストレイヤーとして読み込み利用可能なフォントで置き換えることができる。今回のアップデートではまた、テキストレイヤーを囲む線をフルにカスタマイズしてタイポグラフィ要素としてスタイル付けできるようにし、(Style ツール設定を通じて) テキストレイヤーの内部・中央・外部に線を追加でき、製品やアプリの機能を目立たせるための 12 個のカスタマイズ可能な bento (弁当箱風) グリッドテンプレートを追加している。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、644.3 MB、リリースノート、macOS 12+)

Pixelmator Pro 3.5.8 の使用体験を話し合おう