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#1686: TidBITS にご支援を、OS セキュリティアップデート、Apple サービスのアンケート結果、自転車に乗って iPhone を使う

あまり騒ぎ立てることはしたくないが、TidBITS を毎週出版し続けるための収入は TidBITS 会員が提供して下さっている。これからも皆さんからのご支援をお願いできるだろうか? 会員の皆さんのお陰で今週お届けできる記事がお伝えするのは、Apple が iOS 17.1.2、iPadOS 17.1.2、macOS 14.1.2、および Safari 17.1.2 のアップデートで 2 件のゼロデイ WebKit 脆弱性に対処したこと、Apple の有料購読サービスのうちどれが TidBITS 読者の人気を集めているかを示すアンケート結果、それから Adam Engst が自転車に乗るワークアウトを楽しくするため iPhone と Apple Music を使っているやり方だ。最後に、Apple の NameDrop 機能がプライバシーへのリスクだとする非難にはきちんと反論するようお勧めするとともに、古いバージョンの 1Password に関する問題を報告する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Affinity Designer, Photo, Publisher 2.3、Agenda 18.3、Arc 1.19.1、Default Folder X 6.0.2、Final Cut Pro 10.7, Compressor 4.7, Motion 5.7、GraphicConverter 12.0.8、MarsEdit 5.1、Mimestream 1.2、Quicken 7.4.1、URL Manager Pro 6.4、それに Zoom 5.16.10 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

2024 年も TidBITS にご支援を

2023 年も終わりに近づき、多くの TidBITS 会員のところに更新のお知らせの電子メールがこれから届く。更新して下さる皆様に、前もって御礼申し上げておきたい。皆様からの変わらぬご支援を頼りにしています! もしも更新に関して何かトラブルがあれば、[email protected] にご連絡いただければ担当の Lauri Reinhardt がお手伝いできるはずだ。TidBITS 会員の仕組みは年次更新によっているので、更新のお知らせが届かない方々は他の時期に加入されたからだと思われる。あなたのアカウントページに、会員期間の満了日が表示される。もしも満了日の欄が空白ならば、自動更新となるはずだ。

TidBITS があなたのご支援を頼りにしているというのは、決して誇張して言っているのではない。会員から収入を得ることこそが、毎週 TidBITS を書いて、編集して、出版するために十分な時間を私が確保できる唯一の方法なのだ。この一年間、私は実用的で個人的な話題に焦点を当てつつ価値ある情報や洞察を提供することに以前よりも心を向けて、業界の馬鹿げた話題を巡る雑音を提供することはしないように努めてきた。

そのような新しい努力の一環として Do You Use It? アンケートを実施してきたが、これが大いに読者の人気を集めて、毎回 500 から 1000 もの投票と、数多くの興味深いコメントが寄せられるようになった。投票が落ち着いた頃を見計らって、投票結果のデータに基づいて業界やテクノロジーの話題を考察した記事を書くようにしてきた。

(日本語)Do You Use It?"Do You Use It?" 調査を紹介する | Do You Use It? Stage Manager の採用率は低い | Do You Use It? Mac の Spotlight | Do You Use It? Launchpad は昔からの Mac ユーザーには受けが悪い | Do You Use It? プロキシアイコン | Do You Use It? Spotlight は主にファイル発見とアプリ起動に使われている | Do You Use It? iPhone 上の Apple の天気アプリ | Do You Use It? プロキシアイコンは静かに生産性を上げる | Do You Use It? Apple の Weather アプリは人気だが他にも人気の代替製品が多種多様 | Do You Use It? iPhone 14 Pro の Always-On ディスプレイ | Do You Use It? iPhone の常時表示ディスプレイは人気だが誰もが使う訳ではない | Do You Use It? Mac のウェブブラウザ | Do You Use It? Safari が Mac Web ブラウザのトップに | Do You Use It? Finder タグ | Do You Use It? Finder タグには集中的な用途あり

会員に支えられていることで、ますます多くの声が交わされるようになっている TidBITS Talk の議論にも、より多くの時間を割くことができている。2023 年 10 月に TidBITS Talk は 470,000 ページビューを記録し、2022 年 10 月の2倍のアクセス数となった。奇妙な技術的問題にも常連の方たちが答を提供して大きな力となって下さっているのも、とてもありがたい。皆さんも、もし助けが必要になればぜひここを使って頂ければと思う。

最後に、TidBITS 会員の皆さんからの財政的支援のお陰で、Agen Schmitz、Glenn Fleishman、Julio Ojeda-Zapata、Jeff Carlson、Michael Cohen たち寄稿者に記事を書いてもらい、またウェブのホスティング、電子メール配布、記事の編集、さらには継続中のメンテナンスのための費用を確保することもできている。これらのことを全部続けて行くのは決して容易なことではないし掛かる費用も決して安くない。

だから、まだTidBITS 会員プログラムに参加して下さっていない皆さん、どうか皆さんも他の 3600 人近くの読者の方々に加わって、TidBITS の後押しの力になることをご考慮願えませんか?

TidBITS 会員には次のような特典がある:

Membership Benefits ページを、ぜひとも一度スクロールしてご覧頂きたい。このページに、会員が割引を受けられるすべての Mac 用アプリが並んでいる。中でも重要なアプリは 1Password、Audio Hijack、ChronoSync、Default Folder X、DEVONthink、Keyboard Maestro、KeyCue、LaunchBar、Nisus Writer Pro、PopChar X、Scrivener、SpamSieve、TextExpander、他にもまだまだある。(あなたの会社の製品をここに含めたい場合には、どうぞ私にご連絡頂きたい。)

Sample TidBITS membership benefits

サポートのレベルはいろいろの異なるものから選べる: $20、$50、$100、$1000、またはお好きな月額あるいは年額を設定して頂くこともできる。また、PayPal を使いたい方や、不定期の追加の寄付をして下さる方のために、会員レベルのページの一番下のところに Boost TidBITS ボタンを追加しておいた。会員特典はどのレベルでも同じだが、一つだけ例外がある。$1000 の TidBITS Angel レベルは終身会員資格であって、あなたがここ Ithaca を訪れた際に、または私たちがあなたの町を訪れた際に、私と Tonya と一緒の素敵なディナーをご馳走したい。

そういうわけで、もしもあなたにとって TidBITS が価値あるものなら、私たちの仕事を支援したいと思って下さるのなら、あるいはもしも私たちスタッフメンバーの誰かに尋ねて個人的に助けを得たことがあるなら、どうかあなたも TidBITS 会員になって下さるようお願いしたい。あなたには不滅の感謝の念をお送りしたいし、2024 年に読む記事のすべてがあなた自身の寛大さによってその一部を支えられているという実感を持って頂けるようになることだろう。どうかよろしくお願いします!

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

WebKit のゼロデイ脆弱性を修正した iOS 17.1.2、iPadOS 17.1.2、macOS 14.1.2、Safari 17.1.2

Google の Threat Analysis Group の Clément Lecigne が WebKit の中に発見した 2 件のゼロデイ脆弱性 (対策が講じられないまま実際に見つかった脆弱性) に対応して、Apple が iOS 17.1.2 と iPadOS 17.1.2 macOS 14.1.2 Sonoma 、および macOS 12 Monterey と macOS 13 Ventura 用の Safari 17.1.2 をリリースした。脆弱性のうち 1 件はウェブコンテンツの処理により機密情報が漏洩する可能性があるもので、もう 1 件は任意のコードが実行される恐れがあるものだ。Apple はそれ以外の変更点を何も述べていない。

Apple によればこれらの脆弱性がバージョン 16.7.1 以前の iOS と iPadOS で悪用された可能性があるとのことで、それはつまり現行の iOS 16.7.2 と iPadOS 16.7.2 は影響を受けないということなのかもしれない。

それ以上の詳細はどこからも発表されていないが、これらの脆弱性は高価値の標的のみを相手に使われたものと考えてよいだろう。なぜなら、私たちのような低価値の標的を相手に使って無駄にするにはゼロデイ攻撃とはあまりにも費用がかかり過ぎるものだからだ。結果として、たいていの人にとってすべてを投げ打ってでも直ちにアップデートをインストールする必要はないけれども、都合の良いときにインストールしておくことをお勧めしたい。

今回の iOS、iPadOS、および macOS のアップデートについて Apple が Rapid Security Response (緊急セキュリティ対応) のやり方を使わなかったことに私は驚いている。(2023 年 5 月 2 日の記事“緊急セキュリティ対応とは何か、なぜこれが重要か”参照。) たった 2 件の WebKit のゼロデイ修正ならば、そのやり方を使うのがぴったりだと思えるのだが。Apple がそれをためらったのは、前回の Rapid Security Response リリースがあまりうまく行かなかったことと関係しているのかもしれない。(2023 年 7 月 13 日の記事“緊急セキュリティ対応による iOS/iPadOS 16.5.1 (c) と macOS Ventura 13.4.1 (c)”参照。)

今年になって Apple がゼロデイ脆弱性への修正を頻繁に出すようになったという印象を受けた人がおられたなら、あなたの判断は間違っていない。Google の Project Zero が 0day “In the Wild” というスプレッドシートを維持していて、年ごとに確認されたゼロデイ攻撃の件数を追跡している。それによれば、2023 年には全部で 56 件のゼロデイ攻撃があり、そのうち 21 件は Apple を標的としていた。2022 年の Apple は 41 件中 9 件のゼロデイ攻撃、2021 年は 69 件中 14 件であった。その年よりも前はずっと件数が少なかった。この表から結論を引き出したい誘惑には駆られるけれども、ここ3年間で急増したことについて何か全般的な結論を出すのは困難だ。そう思う理由を知りたい人は、Google の Threat Analysis Group の Maddie Stone が 2022 年の状況を要約した詳細なブログ記事をぜひお読み頂きたい。

Project Zero overall and Apple-specific exploits

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Do You Use It? Apple サービスの人気はものによって大きく違う

前回の Do You Use It? アンケートではあなたがどの Apple サービスに料金を払って使っているかをお尋ねした。ますます利益を上げつつある Apple の購読サービスのうちどれに TidBITS 読者たちが参加しているのかを知りたいと思ったからだ。これらのサービスの中には抗し難い魅力を持つものもあるが、Apple の当初からの目標には遥かに遠い状態のものもある。

以前にも述べたように、この Do You Use It? アンケートの結果は TidBITS 読者のみを反映したものであって、全体的な Apple ユーザー基盤を反映してはいない。私の想像だが、その場合はアンケート結果がかなり違ってくるのではなかろうか。それは、TidBITS 読者層が平均的な Apple ユーザーに比べて年齢が高く、そのため写真の作業、音楽の聴取、テレビや映画の視聴、あるいはニュースやエクササイズといったことについて、むしろ伝統的なアプローチの方に心地良さを感じる傾向があるからだ。(もちろん、私たちの方が賢く、見栄えも良く、謙遜だということもあるかもしれない。)

全体的な結果

予想通りに Apple のサービスは TidBITS 読者の間でかなり人気を得ていて、Apple のサービスを一つも使わないと答えたのはたった 14% だけだった。ただし、その人たちがどれも購読していない理由を説明する声はコメントの中でかなり大きな部分を占めていた。

Do You Use It? poll results for Apple services
青い棒グラフは私 (Adam) の回答を示し、私がどの程度 TidBITS 読者層と似た考えでいるのかが見て取れる

実に 70% もの人たちが iCloud+ を購読している。これを見ても私は驚かなかった。iCloud Photos を使っていれば追加の iCloud ストレージが必須だろうし、iCloud Backup から Desktop & Documents フォルダ同期まで、他のいろいろな機能も使えるようになるからだ。iCloud+ についてはあとで詳しく考察する。

第2位と第3位は少し意外だった。Apple TV+ が 49% で2位、Apple Music が 37% で3位だ。Apple Music の方がずっと以前から存在していたし、私自身にとってはこちらの方がずっと価値があると思えるからだ。私は毎日自宅では HomePods で、仕事中は Mac で、ワークアウトや運転の最中は iPhone で、音楽を聴いている。(2023 年 12 月 3 日の記事“私が自転車に乗っている間に iphone で音楽を聴く方法”参照。)

音楽ストリーミングが私に向いているのは、私が比較的音楽に知識はないけれども興味はあるからだ。アンケートへのコメントによればストリーミングでなく音楽を購入する方を好む TidBITS 読者が多いようで、CD で購入する人たちさえいる。その一方で私はずっと以前から、自分が気に入るかどうか分からないようなアルバムを買うことに伴う不確かさの感覚が嫌いだった。(わが家の棚で埃をかぶっている CD の使い道は、今や Siri で HomePods に再生を命じる際にアーティストの名前を思い出すための視覚的なきっかけとしてだけだ。) その上、TidBITS 読者にはクラシック音楽が好きな人が多く、そういう人たちは新しく出た Apple Music Classical よりも、自らの手で集めたライブラリの方を好んでいる。(2023 年 3 月 29 日の記事“Apple Music Classical、(ほぼ) 正しい和音を奏でる”参照。)

対照的に、私たちは Ted Lasso, Mythic Quest, Slow Horses やその他いくつかの Apple TV+ 番組を楽しんで観たけれども、私たちがテレビを観るのは一週間に1時間か2時間がせいぜいだ。(その他の番組としては、Severance は良かったけれども本当に奇妙だった。For All Mankind は観ていてストレスが溜まるばかりで最新シーズンを観るのを止めてしまった。それから Lessons in Chemistry は何とか原作本にまあまあ忠実に作られていたけれども、Bonnie Garmus の文章の持つユーモアが完全に欠落していた。) だから、たとえ Apple TV+ がなくなったとしても全然気にならなかったことだろうし、私たちの購読はもはや俎板の上の鯉の状態にある。Apple が最近値上げしたことで、この購読を切る決断がしやすくなったからだ。(2023 年 10 月 25 日の記事“Apple TV+、Apple Arcade、Apple News+、Apple One の値上げ”参照。)

下位に並んだサービス、つまり Apple News+ (19%)、Apple Arcade(10%) と a href="https://www.apple.com/apple-fitness-plus/">Apple Fitness+ (7%) は意外ではなかった。Apple News+ にはスタート当初から厄介な価値提案の問題という弱点があった。似たようなコンテンツが無料でいくらでも手に入るからだ。Apple Arcade のゲームをプレイする TidBITS 読者は少ないだろうという気はしていたが、家族の中の子供たちのために (多くの場合、29% の人たちが使っている Apple One を通じて) Apple Arcade を購読している人たちはいた。Apple Fitness+ は高年齢層にも興味があることはあり得るけれど、全体的な雰囲気とやり方が気に障るというコメントもあった。

iCloud+

iCloud+ 購読にはさまざまのものがあって、$0.99 の 50 GB から $59.99 の 12 TB まで大きく異なる選択肢がある。ほんの数か月前に Apple は 6 TB と 12 TB のプランを発表したばかりだが (2023 年 9 月 12 日の記事“Apple の Wonderlust イベントで発表された意外なもの 5 つ”参照)、これらのプランに投票した人が誰もいなかったことを見れば、TidBITS 読者の中ではこのような追加 iCloud ストレージに対する需要が蓄積されているとは言えないようだ。その反対側の状況を見れば、現在たった 5 GB となっている無料 iCloud プランのサイズを Apple に増やして欲しいと思っている人たちは多いが、Apple はそういう要望に対して iPhone を購入したばかりの人が古い iPhone から移行する作業のために一時的な iCloud ストレージを提供する以外のことを何もしていない。

最も多く使われているのは 2 TB プランで、投票の 45% を占めた。その次が 200 GB で 29%、それから 50 GB で 26% だった。これなら、iCloud+ ストレージの使い方に関する私の全体的な感覚とも合う。自分の Apple デバイスすべてで自分の写真を見られるようにするために iCloud Photos を使おうと決断したなら、必要なストレージ量はすぐに増大するだろう。そして、ストレージがたっぷり使えるようになったならば、iCloud Drive をもっと本格的に使いたくなるだろう。

Do You Use It? poll results for iCloud+

データ使用量が増えて上限を超えた場合に決められた特定のレベルを購読し直さなければならないのが苛立たしいと述べる人たちもいた。確かに私もそう感じたことがある。下の図でご覧の通り、私は 2 TB プランを購読しているのにたった 300 GB 程度しか使っておらず、その一部は他の家族が使っている。頑張って切り詰めればたぶん 200 GB プランに収めることは可能だろうと思うけれども、iCloud ストレージの上限をいつも気にしていなければならないのは快適とは言えない。(2023 年 2 月 17 日の記事“iCloud、Google、Dropbox で空き容量不足にどう対処するか”参照。) 長い目で見れば、余分の出費をしても同期不良やその他のエラーに対処せずに済む方が気が楽だ。

Adam's iCloud storage

もしも Apple が 500 GB なり 1 TB なりのプランを導入してくれさえしたなら、2 TB プランからそちらへダウングレードできて嬉しいと思う人たちは多いだろう。でも、Apple がみすみす儲け話を無駄にするというのは聞いたことがないので、それはあまり期待できない。

Apple Music と iTunes Match

Apple Music は私が持っていたほどには票数を集めなかったけれども、使っている人たちの中では Family プランを購読している人の方が多くて 61% の票が集まった。その昔の日々には一つの家庭に一つのサウンドシステムがあったが、今日それがより個人的な選択によるものになってきたことを考えれば、これは頷ける結果なのだと思う。家族の誰もがそれぞれ個別に自分の音楽ライブラリを作りたいと思うものだ。一方、Student プランを使っている人が非常に少なかったのは驚きだ。このプランは素晴らしくお買い得だが、考えてみれば TidBITS 読者全体の中で既に Apple Music Family プランに加わっているのではないけれども現在学生であるという人たちはきっとごく少数なのだろう。

Do You Use It? poll results for Apple Music

このアンケートの設問を考えていた時点で私は Apple の年額 $24.99 の iTunes Match サービスのことをすっかり忘れていた。これは、購入して作り上げた音楽ライブラリと Apple Music とを結ぶ、歓迎すべきオプションだ。iTunes Match はあなたが持っている音楽を Apple のサーバにアップロードして、その音楽をあなたの他の Apple デバイスへストリーミングできるようにする。

iTunes Match

アンケートに答えた人たちのかなり多くが、iTunes Match を購読していてこれを使えるのが嬉しいとコメントしていた。本来 iTunes Match は Apple Music と競合するものであるので、Apple がその説明を iTunes Store ページの一番下にある小さな文字のテキストの中に隠して、設定項目を一つ切り替えないとそれが Music アプリに表示されないようにしたのも驚くに当たらない。Apple がこんな風に情報を隠した点を Douglas Adams なら感心することだろう。おそらく Apple は iTunes Match を完全に廃止したいと思っているのだろうが、長年の購読者たちの怒りを招くのを恐れてそれをしないでいるのだろう。

Apple One

最後に、Apple One バンドルについて考えよう。バンドルに含まれるサービスを実際に全部使う人にとってはかなりお買い得になる。例えば私は現在 $37.95 の Apple One Premier プランを購読しているが、実際に使っているのは 2 TB の iCloud+ ストレージと、Apple Music のファミリープランと、Apple TV+ だけで、それぞれの通常料金を合計すれば $36.97 となり、結果として Apple One Premier 料金の方が高くなってしまっている。私が予定通りに Apple TV+ を切れば、iCloud+ と Apple Music だけに $26.98 を払うことになって、これならば $25.95 の Apple One Family プランにすればよいような気がするけれども、こちらはたった 200 GB の iCloud+ しか含んでおらず話にならない。

Apple One plans

そもそも Apple はお金を儲けるためにビジネスをしているのであって、ユーザーがお金を節約できることが目的なのではない。それでも、もしも複数個の Apple サービスを購読する人に対して均一 40% 割引にしたならば (現行のどのプランよりも割引率が低い上に) 今よりもっと消費者にフレンドリーな割引となるだろうにと思う。

それはそうとして、Apple One を購読しているのは回答者の 29% であって、そのうち 49% が Apple One Family プランを選び、37% が Apple One Premier の料金を払い、Apple One Individual でも十分価値があると思っているのはたった 14% だった。

Do You Use It? poll results for Apple One

どの Apple サービスやバンドルを選ぶかはその人の嗜好と経験とに依存するので、唯一最良のやり方のようなものはあり得ない。それでも、他の TidBITS 読者たちがどんな風に使っているかを知ることで、このアンケートが少しでもあなたの決断のお役に立てたならば嬉しい。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

私が自転車に乗っている間に iPhone で音楽を聴く方法

私はここ数ヶ月の間、原因不明の膝痛からのリハビリ中で、走る代わりに自転車乗りをしている。私は、運動の時間を自転車に充てるのは好きではないが、そうする時は、通常 ElliptiGO か何年も前に友人がくれた年期ものの仰向けになって乗る Easy Racers Tour Easy Classic を選ぶ。しかし、どちらも膝への負担が強く、Tonya と私が 1989 年に Cornell University を卒業した直後彼女との長旅用に買った古典的な Fuji Saratoga ツーリングバイクの方が負担が少なかった。そこで、週に数回、私はこのしっかり者の Fuji を Subaru Outback の後部荷室に放り込んで近くの公園まで運転して行く。そこは大した坂も無く (膝に悪い) 交通量も少ない道を 12-18 マイル乗ることが出来る。その様な地形はこの辺では簡単には探せない。

しかし、私が話したいことはこれ等の自転車乗りの間に私がどの様に iPhone を使っているかについてである。私は自転車乗りの間は音楽やポッドキャストを聴くことが好きであり、通常であればそれは AirPods Pro の仕事である。しかしながら、New York State では自転車に乗っている間に両耳を覆うのは違法であり、州の警察官に対して Transparency Mode や Adaptive Audio の説明を敢えてする気にはならない ("AirPods ファームウェアアップデートが機能を追加、自動切替を改良" 20 September 2023 参照)。イヤバッドを片方だけ付けるのは合法だし機能もするが、私の好みのやり方は違っていて、それは自転車のハンドルに iPhone を取付けそのスピーカーから音楽を聴くと言うものである。

Tonya と私はこれ迄 iPhone のためのハンドルマウントを使ったことはあるが、それ等は何時も嵩張る、高価なケースを意味し、しかも日常使いのケースから iPhone を外しそしてクラムシェルの中に収める必要があった。更に悪いことに、それ等は特定の iPhone モデルに固有であって、一、二年で無価値なものとなってしまう。高評価の現代のハンドルマウントの解は QuadLock からのもの (必要なケースとマウントで約 $75) と Peak Design からのもの (約 $120) のように見えたが、私の iPhone をハンドル上に置くことが良いのか確信が持てず、かつ高価すぎるように感じた。私が欲しかったのは、自転車間でも移動出来、そして当時持っていた iPhone 14 Pro でも将来それを置き換えるものが何になっても使える解であった。また、日常使いのケースの選択肢に制限が及ぶものも嫌であった。

私が選んだのは $25 未満の Nite Ize Wraptorで、それは縦横の向きを変えられるハンドルマウントで、ほぼどんな電話でも、ケースに入ったものでさえも、保持出来る四つのシリコーンストラップを有している。それはまた、ハンドルに固定するためにシリコーン製の腹帯状のものに依存していて、ネジで固定するクランプ程にはしっかりはしていないが、実用上は殆ど問題なく働く。それは私の自転車上では少し回転したりしたが、ちょっと触ってやれば直ぐに元に戻った。

Nite-Ize Wraptor phone handlebar mount

どうしても知りたいことは、シリコーンストラップが iPhone を十分にしっかりと保持するかどうかであった。8月中旬の最初の数回の自転車乗りはうまく行ったので、iPhone を正しく取り付けることについて自己満足に陥っていたのかもしれない。ある日、私は砕石のレールトレイルでクラブグループ走をしている友人の間を自転車で行ったり来たりしていた時、通り過ぎたばかりの歩行者が私に止まるように叫んだ。私が戻ってみると、彼女は私の iPhone を手渡してくれた。iPhone はストラップから外れてトレイル上に落ちたのだが、私はそれに気付かなかった。幸いなことに、Smartish Wallet Slayer ケースのおかげで、損耗は免れた。それ以来、私は iPhone の各コーナーを跨いで Wraptor のストラップを固定することにもっと注意を払い、その後、落下や心配な状況を全く経験していない - 55 回も乗ったが。荒れた道路やトレイルでマウンテンバイクに乗る時、私はおそらく Wraptor を信用しないだろうが、元々私はそのような自転車乗りはしない。

ハンドル上の iPhone とのやり取りは驚くほどスムーズに機能した。私は自分自身を基本的には走者と見做しているかもしれないが、色々な自転車で何千マイルも乗ってきたので、まっすぐな進路でバックミラーで後ろにやってくる車に注意を払いながらでも、水のボトル、自転車コンピュータ、ハンドルバーバッグウィンドウの地図、ポケットの中のアイテムを扱う能力には自信を持っている。私は乗っている間に iPhone にタイプ入力しようとは思わないが、ロックを解除することは出来るし - Face ID は基本的なかがみ込んだ乗車姿勢では私の顔が見える - アイコンやボタンをタップするのも簡単である。現実の話をすると、私は、音楽の選択、再生の開始と停止、音量の調節、乗車中に思いついたことのリマインダーへの追加など、ほとんどのアクションに "Hey Siri" を使う。

私は主に Music アプリで音楽を聴き、時々ポッドキャストにも切り替えるが (私は 500 Songs ポッドキャストで Andrew Hickey の A History of Rock Music を聴くのがとても好きだ)、数回の電話通話にも成功した。100% の音量で、iPhone 15 Pro のスピーカーは音楽に必要な十分な音量を送り出す。私はポッドキャストや電話を、上り坂や風がある時でより遅い速度で走っている場合にのみ聞く - さもなくば、風の音で言葉が聞き取れないことがある。驚くべきことに、私が電話で話した人々は、会話で私の側からの風の音は聞こえないと言っている。

おそらく、ハンドル上に iPhone を置くことで得られた最も予期せぬ楽しみは、Music アプリで今流れている曲の歌詞を表示することから得られた。 私は言葉の人であり、特に複雑な歌詞には敬意を払うが、覚えるには聴くよりも見ることの方が大事である。それは Cornell にいた時 Ancient Greek を学んでいた時に見つけた方法である。だから、私はお気に入りの曲を知っていると思っていても、iPhone 上でスクロールする歌詞をちらっと見るのは時折啓示的であることが分かった。他の場合で、歌詞を同時に見ることができる状況で音楽を聴くことはない - 私はいつも書いたり、料理をしたり、雑用をしたりしている - これらのアーティストが言っていることをよりよく理解し、Andrew Hickey のポッドキャストを聴いていて、自転車に乗ることで音楽への感謝が大幅に深まったような気がする。ロックンロールを聴きながら、秋の素晴らしさの中で風光明媚な田舎道をサイクリングすることに勝るものは無い。

Fall scene over bike handlebars

屋外での自転車乗りは寒さのために難しくなって来ているが、雨で無い限り、華氏 30度半ばまでなら自転車乗りに適した服装は見当がついている。(昨日は華氏 50 度以上だったが、CARROT Weather の短期予報は雨に関しては当たらず、私はフェンダーや雨天ギアを持っていない。) タイツ、ジャケット、更なるレイヤーに加えて、気温の低下は、指のない自転車用手袋を iPhone の静電容量式タッチスクリーンと何とか互換性のある防風ランニンググローブで補うことを余儀なくさた。それらは華氏 40 度(摂氏 4 度)当りまでは役に立つが、それ以下になると、私はクロスカントリースキーミトンに頼らなければならなくなる。iPhone の画面を使うためには、そのうちの一つを外さなければならない、乗っている間にもできることだが、やりたくはないことである。運が良ければ、すぐに季節に即した雪が降るであろうし、私の膝はクロスカントリースキーなら大丈夫だと思うが、素晴らしい音楽を演奏している iPhone がある自転車に乗る時間を恋しく思うであろう。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

Affinity Designer, Photo, and Publisher 2.3 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Affinity Designer, Photo, Publisher 2.3

Serif が Affinity DesignerAffinity Photo、および Affinity Publisher をバージョン 2.3 にアップデートして、これら3つの macOS 用アプリに機能追加と改良を施した。今回のアップデートでは Linear、Decaying、Fibonacci、Plotted などのスタイルを備えた Spiral Tool を追加し、パスワードで保護された PDF の配置と書き出しができるようにし、Brushes パネルでブラシ名がデフォルトで表示されるようにし、アセットをパネルからタイトルバーへドラッグして新規書類を作成できるようにした。また、Affinity Photo 2.3 では自動ピクセルグリッドを復活させ、Affinity Designer 2.3 では Pencil ツールに Keep Selected 環境設定を追加し、Affinity Publisher 2.3 ではアクセス可能な PDF で画像タグが使えるようにした。(Affinity Designer は新規購入 $69.99、Affinity Photo は新規購入 $69.99、Affinity Publisher は新規購入 $69.99、Serif から三つのアプリをまとめて購入すれば $164.99、個別にも購入可能、Mac App Store では個別に購入可能。いずれも無料アップデート、サイズはいろいろ、リリースノート、macOS 10.15+)

Affinity Designer, Photo, Publisher 2.3 の使用体験を話し合おう

Agenda 18.3 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Agenda 18.3

Momenta がバージョン 18.3 の Agenda をリリースして、ノートをプロジェクトごとにグループ化しそれぞれの Done 状況によって一覧できるようにした。この日付に集中したノート取りアプリはロックされたプロジェクトでより注意深くノートのタイトルを隠すようにし、Add to Note および Append to Note のショートカットが常に終了日フィールドを表示するようにし、同期の最中にバックグラウンドでクラッシュを起こすことがあった問題に対処し、複数の日を選択した際のカレンダーの見栄えの不具合を修正し、強制終了後に認証を要求しなかった問題を解消した。(無料、Premium 機能の年間購読 $34.99、一回払いの Premium 機能購入 $119.99、購読者には無料アップデート、73 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Agenda 18.3 の使用体験を話し合おう

Arc 1.19.1 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Arc 1.19.1

The Browser Company が Arc 1.19.1 をリリースして、2つの便利な新機能と多数の改良をこのウェブブラウザに追加した。今回のアップデートでは URL Bar にライブのピン留め拡張を追加し、Tab Handoff 機能 (どのウィンドウを使っていても個々のタブの位置を保つもの) を追加し、ハイライトして引用したテキストを保った状態でリンクを共有する機能 (コンテクストメニューで Edit > Copy URL as Quote and Copy Link to Highlight を選ぶ) を追加し、Peek で Easel 上の Share ボタンが動作しないという古くからあったバグを修正し、カスタマイズした Space 切替のショートカットが再起動後にリセットされてしまった問題を解消し、Archive からリストアされたタブが自動的に元あった Space に戻されるようにし、Arc Max の ChatGPT Command Bar 統合の速度を改良し、また Chromium の重要なセキュリティ脆弱性をパッチした。(無料、371.7 MB、リリースノート、macOS 12.1+)

Arc

Default Folder X 6.0.2 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Default Folder X 6.0.2

St. Clair Software が Default Folder X 6.0.2 をリリースして、最近アップグレードされたこの Open/Save ダイアログユーティリティに修正と改良を施した。バージョン 6.0.2 では Quick Search ウィンドウで下矢印キーを使って最近のアイテムをブラウズできるようにし、Command-L を Save ダイアログの Enter Filename に対するデフォルトのキーボードショートカットとした。このアップデートではまた、ファイルダイアログでフォルダの切替が遅くなったり全く切り替わらなかったりした問題を修正し、macOS 14 Sonoma のファイルダイアログでカーソルが消えてしまった問題を解消し、Save ダイアログの中でキーボードフォーカスやテキスト選択が正しく動作しなかった問題を修正し、iCloud 経由で設定を同期する際に iCloud Drive 同期に失敗するとフォルダセットが削除されてしまうことがあったバグを解消した。(新規購入 $39.95、バージョン 6 ライセンスからは無料アップデート、TidBITS 会員には新規購入で $10、アップグレードで $5 の値引、Setapp からも入手可、17.3 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Default Folder X 6.0.2 の使用体験を話し合おう

Final Cut Pro 10.7, Compressor 4.7, and Motion 5.7 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Final Cut Pro 10.7, Compressor 4.7, Motion 5.7

Apple が 3 つのプロフェッショナル向けビデオアプリにアップデートをリリースした。Final Cut Pro 10.7Compressor 4.7Motion 5.7 だ。Final Cut Pro は整理機能を拡張して、再生中にクリップが再生ヘッドの下に表示されたままになるようタイムラインを自動的にスクロールするようにし、接続されたクリップの選択したグループを接続されたストーリーラインにまとめることで編集効率を向上させ、ビデオとオーディオロールの両方のカラーを表示して一目で簡単に確認できるようにした。このプロフェッショナル向けビデオポストプロダクションアプリはまた、オフラインメディアのバッジが再接続後もイベント上に残ってしまった問題を解消し、多数のマーカーを含んだライブラリをアップグレードする際のパフォーマンスを高め、マルチカムのアングルエディタでビデオが切り取られることがあったバグを修正している。

Final Cut Pro と Compressor はいずれも、使用可能なメディアエンジンでビデオセグメントを同時処理することにより (macOS 14 Sonoma と M シリーズ Mac が必要) HEVC ファイルと H.264 ファイルを素早く描き出せるようになった。Compressor 4.7 は iTunes Store 用のステレオスコピックパッケージを作成、構成、構築できるようになり、HDR コンテンツが適切な色空間でビューアに表示されるようになり、長いマルチチャンネルの ProRes クリップを有効化・無効化する際のパフォーマンスを高めた。

Motion 5.7 は Object Tracker の一新された機械学習モデルを使用して顔やその他のオブジェクトの動きを分析する際の結果が向上し (M シリーズ Mac が必要)、Title テンプレートの背景をデフォルトで無効にし、分析をキャンセルすると FxPlug ベースのプラグインで応答が停止したバグを修正した。(いずれも無料アップデート、今回から macOS 13.5 Ventura かそれ以降が必要。Final Cut Pro 新規購入 $299.99、4.8 GB、リリースノート、macOS 13.5+。Compressor 新規購入 $49.99、352 MB、リリースノート、macOS 13.5+。Motion 新規購入 $49.99、2.3 GB、リリースノート、macOS 13.5+)

Final Cut Pro 10.7, Compressor 4.7, Motion 5.7 の使用体験を話し合おう

GraphicConverter 12.0.8 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

GraphicConverter 12.0.8

Lemkesoft が GraphicConverter 12.0.8 をリリースして、このグラフィックスプログラム Swiss Army ナイフに新機能と改良とバグ修正を加えた。今回のリリースでは QR code や Exif Date によるサブフォルダのソートへの対応を追加し、ナンバープレートの匿名化を (ブラウザ内のバッチアクションとして) 追加し、顔認識機能に目の周辺情報の匿名化を追加し、File メニューに Import with Image Capture 項目を導入し、macOS 14 Sonoma で iOS からの読み込みに回避策を追加し、サムネイルの下にカラーモードとプロファイルを表示するオプションを追加し、EPS インポートを改良し、PICT インポートに TIFF コーデックのサポートを追加し、Sonoma で画像ウィンドウの復元に関する問題を修正し、Levels ダイアログで起こり得るクリッピングの問題を修正した。GraphicConverter 12 は現在短期間限定で Mac App Store から特別価格 $34.99 で購入できる。(Lemkesoft からも Mac App Store からも新規購入 $39.95、無料アップグレード、257.6 MB、リリースノート,、macOS 10.13+)

GraphicConverter 12.0.8 の使用体験を話し合おう

MarsEdit 5.1 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

MarsEdit 5.1

Red Sweater Software が MarsEdit 5.1 をリリースして Mastodon に対応し、あらゆる Mastodon サービスをダウンロード・編集・出版できるようにした。このブログアプリはまた、マイクロポスティングパネルにいくつかの拡張 (リサイズ、画像の追加、文字数表示、その他) を施し、現行の標準に合うように Micro.blog 文字数上限を更新し、Tumblr Photo 投稿に複数の写真を追加できるようにし、多数のブログ記事をコンテンツ由来のタイトルで並べ替える際のパフォーマンスを改善し、HEIC 画像を PNG でなく JPEG に自動変換するようにし、Safari 拡張のツールバーアイコンを改訂して他の拡張アイコンと見栄えが揃うようにし、Plain Text 編集モードでスペルチェックが動作しないことがあったバグを修正し、いくつかのクラッシュを解消した。(Red Sweater Software からも Mac App Storeからも新規購入 $59.95、21.5 MB、リリースノート、macOS 10.15.4+)

MarsEdit 5.1 の使用体験を話し合おう

Mimestream 1.2 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Mimestream 1.2

Mimestream が Gmail 用電子メールアプリのバージョン 1.2 をリリースして、macOS 14 Sonoma でメッセージを書く際のインラインテキスト予測への対応を追加した。今回のアップデートではまた、カレンダーバナー上に招待を含まない .ics イベント (飛行機の便やウェビナーなど) を追加できるようにし、添付ファイルを (Gmail のように) Downloads フォルダの中で開いたり (Apple の Mail のように) 内部フォルダの中で開いたりするオプションを追加し、送信の際に Gmail が添付を許さないファイルを添付できないようにし、送信した電子メールと一部の迷惑メールフィルターとの互換性を改善し、ウィンドウの復元が Sonoma で正しく働くようにし、招待状を Google Calendar で表示するためのリンクが誤ったアカウントで開くようになっていたバグを修正した。(年間購読 $49.99、12.2 MB、 リリースノート、macOS 12+)

Mimestream 1.2 の使用体験を話し合おう

Quicken 7.4.1 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Quicken 7.4.1

Quicken Inc. が 10 月に個人用財務管理アプリをリブランドして、新しいアイコンを使うとともに製品名も改定した。標準版 Quicken は Quicken Classic と呼ばれるようになり、従来の Quicken Home & Business は Quicken Business & Personal という名前になった。さらに Quicken Classic は2つの版に分かれてそれぞれ Quicken Classic Deluxe と Quicken Classic Premier と呼ばれる。(後者には請求書の支払い、最適化された投資管理、内蔵の税務申告が加わる) Quicken アプリはすべて最低限 macOS 11 Big Sur と年間購読を必要とするようになった。購読料金年額は Quicken Classic Deluxe が $59.88、Quicken Classic Premier が $83.88、Quicken Business & Personal が $119.88 だ。

バージョン 7.4 ではより包括的な Quicken Business & Personal 版にいくつかの改良が施され、ビジネスの健全性を監視する Business Dashboard を搭載して Income Statement、Cashflow、Profitability などの新しいレポートでビジネスデータを分析し、課税控除のためのマイレージ追跡を追加し、税申告用ソフトウェアへビジネス関係の税データを書き出す機能に改良を加えた。Quicken Classic では Spending by Category Card を改良してより多くのカテゴリーを表示するようにし、異なる親カテゴリーを持つ Subcategories を統合できるようにし、Capital One 顧客向けに eBills の利用を再開し、ダウンロードした取引の自動カテゴリー分け機能を改良した。このリリースの後間もなく、Quicken はバージョン 7.4.1 を出していくつかのクラッシュに対処した。(講読年額 $59.88/$83.88/$119.88、購読者は無料アップデート、3.2 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 11+)

Quicken 7.4.1 の使用体験を話し合おう

URL Manager Pro 6.4 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

URL Manager Pro 6.4

Alco Blom が URL Manager Pro のバージョン 6.4 をリリースして、ファイル結合への対応を追加した。また、このブックマークマネージャはウェブサイトを History から除外するオプション (正規表現にも対応) を追加し、Microsoft Edge Dev ウェブブラウザにも対応した。(新規購入 $34.99、無料アップデート、23.9 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

URL Manager Pro 6.4 の使用体験を話し合おう

Zoom 5.16.10 Agen Schmitz  訳: Mark Nagata   

Zoom 5.16.10

Zoom が Zoom ビデオ会議アプリをバージョン 5.16.10 にアップデートして、無料アカウントのローカルストレージ保持期間を一年間に延長した。今回のアップデートではまた、複数個のアカウントにサインインしておいてその後は (アカウントのオーナーが許せば) サインアウトとサインインの手順を経ずにアカウントを切り替えられるようにし、1:1 チャットとグループチャット/チャンネルの双方で相手がインラインにいることを見られる機能を導入し、Continuous Meeting Chat でスケジュールされたミーティングに Chat with Everyone リンクを追加し (ミーティングの前後にチャットできるようになる)、スウェーデン語対応を追加した。macOS 10.11 El Capitan と 10.12 Sierra に対応するのはこれが最後のバージョンとなり、次期バージョン 5.17 からは最低限 10.13 High Sierra かそれ以降を必要とする。(無料、119.2 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Zoom 5.16.10 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

プライバシー関連の NameDrop への非難にきちんと反論する

MacRumors の記事で Juli Clover がこう書いている

The Washington Post の記事にもなった通り、NameDrop に関する警告が Facebook や、ペンシルバニア、オクラホマ、オハイオその他の州の警察などから出されていて、“スマートフォンを近づけただけで”連絡先情報が共有されてしまうとしている。

警察から出されている情報自体は誤りではないけれども、NameDrop がプライバシーのリスクだと非難している点は明らかに間違っている。

Police department warning about NameDrop

残念ながら、批判なしのクリックベイトのように CBS NewsUSA Today でこれが報道された結果、既に私はテクノロジーに詳しくない何人もの友人たちに向けてこの問題について報道を修正しなければならなくなっている。

もしも誰かがあなたにこの問題について言ってきたなら、NameDropが動作を始めるには2つのデバイスをほとんど触れるほどに近付けなければならず、気付かずに動作させてしまうことはあり得ないと指摘しよう。さらにもっと重要な点として、連絡先情報を共有して相手の人の情報を受け取るには、あるいはただ相手の情報を受け取るだけでも、ボタンをタップしてデータ転送を開始する手順が必要だ。

iPhone を巡るプライバシーやセキュリティの正当な懸念はたくさんあり、私たちの記事“New York Times、我々の全ての動きがどれ程完全に追跡されるかを暴露”(2019 年 12 月 19 日) や“iPhone のパスコードを盗まれるとデジタルライフを丸ごと奪われるかも”(2023 年 2 月 26 日) でも紹介している。けれども NameDrop にはそのような懸念はなく、疑心暗鬼を煽るような行動は恥ずべきものだ。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Mac App Store から入手したレガシー版 1Password 6 および 7 の問題

1Password の Joshua_ag がこう書いている

レガシー版の 1Password (Mac App Store からダウンロードしたもの) を使っている顧客にこの 1Password アプリは壊れているというエラーメッセージが出るという問題が起こっていることを認識しています。

1Password チームはまだこの問題の根本原因を特定するに至っていないが、この問題が Mac App Store からダウンロードしたレガシー版の 1Password 6 および iPassword 7 にしか影響せず、現行の 1Password 8 で起こらないことは分かっている。この問題に遭遇した人たちのために、1Password は以下のような方法で問題を解決したユーザーがいると助言している:

  • System Settings > General > Date & Time で Mac のシステム時刻の設定を「自動的に設定」にしておく (ほとんどの人がそうしているだろう)
  • Mac を再起動する (この助言を2番目にしたのは日付と時刻は通常自動設定にしておくべきだからだ)
  • Mac App Store 版の 1Password を削除して、1Password サイトから 1Password 7.9.11 をダウンロードしてインストールする (1Password 6 を使っている人がどうすべきなのかはよく分からない)

これらのレガシー版の 1Password はもう公式にはサポートされていないけれども、ユーザーを助けるために会社が動いてくれたのは素敵なことだ。また、独立ライセンスから 1Password 8 購読にアップグレードする人のための 50% 割引もある。

TidBITS Talk でこの問題について知らせてくれた、いつも頼りになる Doug Miller に感謝したい!

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