そのような新しい努力の一環として Do You Use It? アンケートを実施してきたが、これが大いに読者の人気を集めて、毎回 500 から 1000 もの投票と、数多くの興味深いコメントが寄せられるようになった。投票が落ち着いた頃を見計らって、投票結果のデータに基づいて業界やテクノロジーの話題を考察した記事を書くようにしてきた。
前回の Do You Use It? アンケートではあなたがどの Apple サービスに料金を払って使っているかをお尋ねした。ますます利益を上げつつある Apple の購読サービスのうちどれに TidBITS 読者たちが参加しているのかを知りたいと思ったからだ。これらのサービスの中には抗し難い魅力を持つものもあるが、Apple の当初からの目標には遥かに遠い状態のものもある。
以前にも述べたように、この Do You Use It? アンケートの結果は TidBITS 読者のみを反映したものであって、全体的な Apple ユーザー基盤を反映してはいない。私の想像だが、その場合はアンケート結果がかなり違ってくるのではなかろうか。それは、TidBITS 読者層が平均的な Apple ユーザーに比べて年齢が高く、そのため写真の作業、音楽の聴取、テレビや映画の視聴、あるいはニュースやエクササイズといったことについて、むしろ伝統的なアプローチの方に心地良さを感じる傾向があるからだ。(もちろん、私たちの方が賢く、見栄えも良く、謙遜だということもあるかもしれない。)
全体的な結果
予想通りに Apple のサービスは TidBITS 読者の間でかなり人気を得ていて、Apple のサービスを一つも使わないと答えたのはたった 14% だけだった。ただし、その人たちがどれも購読していない理由を説明する声はコメントの中でかなり大きな部分を占めていた。
第2位と第3位は少し意外だった。Apple TV+ が 49% で2位、Apple Music が 37% で3位だ。Apple Music の方がずっと以前から存在していたし、私自身にとってはこちらの方がずっと価値があると思えるからだ。私は毎日自宅では HomePods で、仕事中は Mac で、ワークアウトや運転の最中は iPhone で、音楽を聴いている。(2023 年 12 月 3 日の記事“私が自転車に乗っている間に iphone で音楽を聴く方法”参照。)
音楽ストリーミングが私に向いているのは、私が比較的音楽に知識はないけれども興味はあるからだ。アンケートへのコメントによればストリーミングでなく音楽を購入する方を好む TidBITS 読者が多いようで、CD で購入する人たちさえいる。その一方で私はずっと以前から、自分が気に入るかどうか分からないようなアルバムを買うことに伴う不確かさの感覚が嫌いだった。(わが家の棚で埃をかぶっている CD の使い道は、今や Siri で HomePods に再生を命じる際にアーティストの名前を思い出すための視覚的なきっかけとしてだけだ。) その上、TidBITS 読者にはクラシック音楽が好きな人が多く、そういう人たちは新しく出た Apple Music Classical よりも、自らの手で集めたライブラリの方を好んでいる。(2023 年 3 月 29 日の記事“Apple Music Classical、(ほぼ) 正しい和音を奏でる”参照。)
対照的に、私たちは Ted Lasso, Mythic Quest, Slow Horses やその他いくつかの Apple TV+ 番組を楽しんで観たけれども、私たちがテレビを観るのは一週間に1時間か2時間がせいぜいだ。(その他の番組としては、Severance は良かったけれども本当に奇妙だった。For All Mankind は観ていてストレスが溜まるばかりで最新シーズンを観るのを止めてしまった。それから Lessons in Chemistry は何とか原作本にまあまあ忠実に作られていたけれども、Bonnie Garmus の文章の持つユーモアが完全に欠落していた。) だから、たとえ Apple TV+ がなくなったとしても全然気にならなかったことだろうし、私たちの購読はもはや俎板の上の鯉の状態にある。Apple が最近値上げしたことで、この購読を切る決断がしやすくなったからだ。(2023 年 10 月 25 日の記事“Apple TV+、Apple Arcade、Apple News+、Apple One の値上げ”参照。)
下位に並んだサービス、つまり Apple News+ (19%)、Apple Arcade(10%) と a href="https://www.apple.com/apple-fitness-plus/">Apple Fitness+ (7%) は意外ではなかった。Apple News+ にはスタート当初から厄介な価値提案の問題という弱点があった。似たようなコンテンツが無料でいくらでも手に入るからだ。Apple Arcade のゲームをプレイする TidBITS 読者は少ないだろうという気はしていたが、家族の中の子供たちのために (多くの場合、29% の人たちが使っている Apple One を通じて) Apple Arcade を購読している人たちはいた。Apple Fitness+ は高年齢層にも興味があることはあり得るけれど、全体的な雰囲気とやり方が気に障るというコメントもあった。
Apple Music は私が持っていたほどには票数を集めなかったけれども、使っている人たちの中では Family プランを購読している人の方が多くて 61% の票が集まった。その昔の日々には一つの家庭に一つのサウンドシステムがあったが、今日それがより個人的な選択によるものになってきたことを考えれば、これは頷ける結果なのだと思う。家族の誰もがそれぞれ個別に自分の音楽ライブラリを作りたいと思うものだ。一方、Student プランを使っている人が非常に少なかったのは驚きだ。このプランは素晴らしくお買い得だが、考えてみれば TidBITS 読者全体の中で既に Apple Music Family プランに加わっているのではないけれども現在学生であるという人たちはきっとごく少数なのだろう。
このアンケートの設問を考えていた時点で私は Apple の年額 $24.99 の iTunes Match サービスのことをすっかり忘れていた。これは、購入して作り上げた音楽ライブラリと Apple Music とを結ぶ、歓迎すべきオプションだ。iTunes Match はあなたが持っている音楽を Apple のサーバにアップロードして、その音楽をあなたの他の Apple デバイスへストリーミングできるようにする。
アンケートに答えた人たちのかなり多くが、iTunes Match を購読していてこれを使えるのが嬉しいとコメントしていた。本来 iTunes Match は Apple Music と競合するものであるので、Apple がその説明を iTunes Store ページの一番下にある小さな文字のテキストの中に隠して、設定項目を一つ切り替えないとそれが Music アプリに表示されないようにしたのも驚くに当たらない。Apple がこんな風に情報を隠した点を Douglas Adams なら感心することだろう。おそらく Apple は iTunes Match を完全に廃止したいと思っているのだろうが、長年の購読者たちの怒りを招くのを恐れてそれをしないでいるのだろう。
Apple One
最後に、Apple One バンドルについて考えよう。バンドルに含まれるサービスを実際に全部使う人にとってはかなりお買い得になる。例えば私は現在 $37.95 の Apple One Premier プランを購読しているが、実際に使っているのは 2 TB の iCloud+ ストレージと、Apple Music のファミリープランと、Apple TV+ だけで、それぞれの通常料金を合計すれば $36.97 となり、結果として Apple One Premier 料金の方が高くなってしまっている。私が予定通りに Apple TV+ を切れば、iCloud+ と Apple Music だけに $26.98 を払うことになって、これならば $25.95 の Apple One Family プランにすればよいような気がするけれども、こちらはたった 200 GB の iCloud+ しか含んでおらず話にならない。
そもそも Apple はお金を儲けるためにビジネスをしているのであって、ユーザーがお金を節約できることが目的なのではない。それでも、もしも複数個の Apple サービスを購読する人に対して均一 40% 割引にしたならば (現行のどのプランよりも割引率が低い上に) 今よりもっと消費者にフレンドリーな割引となるだろうにと思う。
それはそうとして、Apple One を購読しているのは回答者の 29% であって、そのうち 49% が Apple One Family プランを選び、37% が Apple One Premier の料金を払い、Apple One Individual でも十分価値があると思っているのはたった 14% だった。
どの Apple サービスやバンドルを選ぶかはその人の嗜好と経験とに依存するので、唯一最良のやり方のようなものはあり得ない。それでも、他の TidBITS 読者たちがどんな風に使っているかを知ることで、このアンケートが少しでもあなたの決断のお役に立てたならば嬉しい。
ハンドル上の iPhone とのやり取りは驚くほどスムーズに機能した。私は自分自身を基本的には走者と見做しているかもしれないが、色々な自転車で何千マイルも乗ってきたので、まっすぐな進路でバックミラーで後ろにやってくる車に注意を払いながらでも、水のボトル、自転車コンピュータ、ハンドルバーバッグウィンドウの地図、ポケットの中のアイテムを扱う能力には自信を持っている。私は乗っている間に iPhone にタイプ入力しようとは思わないが、ロックを解除することは出来るし - Face ID は基本的なかがみ込んだ乗車姿勢では私の顔が見える - アイコンやボタンをタップするのも簡単である。現実の話をすると、私は、音楽の選択、再生の開始と停止、音量の調節、乗車中に思いついたことのリマインダーへの追加など、ほとんどのアクションに "Hey Siri" を使う。
私は主に Music アプリで音楽を聴き、時々ポッドキャストにも切り替えるが (私は 500 Songs ポッドキャストで Andrew Hickey の A History of Rock Music を聴くのがとても好きだ)、数回の電話通話にも成功した。100% の音量で、iPhone 15 Pro のスピーカーは音楽に必要な十分な音量を送り出す。私はポッドキャストや電話を、上り坂や風がある時でより遅い速度で走っている場合にのみ聞く - さもなくば、風の音で言葉が聞き取れないことがある。驚くべきことに、私が電話で話した人々は、会話で私の側からの風の音は聞こえないと言っている。
The Browser Company が Arc 1.19.1 をリリースして、2つの便利な新機能と多数の改良をこのウェブブラウザに追加した。今回のアップデートでは URL Bar にライブのピン留め拡張を追加し、Tab Handoff 機能 (どのウィンドウを使っていても個々のタブの位置を保つもの) を追加し、ハイライトして引用したテキストを保った状態でリンクを共有する機能 (コンテクストメニューで Edit > Copy URL as Quote and Copy Link to Highlight を選ぶ) を追加し、Peek で Easel 上の Share ボタンが動作しないという古くからあったバグを修正し、カスタマイズした Space 切替のショートカットが再起動後にリセットされてしまった問題を解消し、Archive からリストアされたタブが自動的に元あった Space に戻されるようにし、Arc Max の ChatGPT Command Bar 統合の速度を改良し、また Chromium の重要なセキュリティ脆弱性をパッチした。(無料、371.7 MB、リリースノート、macOS 12.1+)
Apple が 3 つのプロフェッショナル向けビデオアプリにアップデートをリリースした。Final Cut Pro 10.7、Compressor 4.7、Motion 5.7 だ。Final Cut Pro は整理機能を拡張して、再生中にクリップが再生ヘッドの下に表示されたままになるようタイムラインを自動的にスクロールするようにし、接続されたクリップの選択したグループを接続されたストーリーラインにまとめることで編集効率を向上させ、ビデオとオーディオロールの両方のカラーを表示して一目で簡単に確認できるようにした。このプロフェッショナル向けビデオポストプロダクションアプリはまた、オフラインメディアのバッジが再接続後もイベント上に残ってしまった問題を解消し、多数のマーカーを含んだライブラリをアップグレードする際のパフォーマンスを高め、マルチカムのアングルエディタでビデオが切り取られることがあったバグを修正している。
Final Cut Pro と Compressor はいずれも、使用可能なメディアエンジンでビデオセグメントを同時処理することにより (macOS 14 Sonoma と M シリーズ Mac が必要) HEVC ファイルと H.264 ファイルを素早く描き出せるようになった。Compressor 4.7 は iTunes Store 用のステレオスコピックパッケージを作成、構成、構築できるようになり、HDR コンテンツが適切な色空間でビューアに表示されるようになり、長いマルチチャンネルの ProRes クリップを有効化・無効化する際のパフォーマンスを高めた。
Quicken Inc. が 10 月に個人用財務管理アプリをリブランドして、新しいアイコンを使うとともに製品名も改定した。標準版 Quicken は Quicken Classic と呼ばれるようになり、従来の Quicken Home & Business は Quicken Business & Personal という名前になった。さらに Quicken Classic は2つの版に分かれてそれぞれ Quicken Classic Deluxe と Quicken Classic Premier と呼ばれる。(後者には請求書の支払い、最適化された投資管理、内蔵の税務申告が加わる) Quicken アプリはすべて最低限 macOS 11 Big Sur と年間購読を必要とするようになった。購読料金年額は Quicken Classic Deluxe が $59.88、Quicken Classic Premier が $83.88、Quicken Business & Personal が $119.88 だ。
バージョン 7.4 ではより包括的な Quicken Business & Personal 版にいくつかの改良が施され、ビジネスの健全性を監視する Business Dashboard を搭載して Income Statement、Cashflow、Profitability などの新しいレポートでビジネスデータを分析し、課税控除のためのマイレージ追跡を追加し、税申告用ソフトウェアへビジネス関係の税データを書き出す機能に改良を加えた。Quicken Classic では Spending by Category Card を改良してより多くのカテゴリーを表示するようにし、異なる親カテゴリーを持つ Subcategories を統合できるようにし、Capital One 顧客向けに eBills の利用を再開し、ダウンロードした取引の自動カテゴリー分け機能を改良した。このリリースの後間もなく、Quicken はバージョン 7.4.1 を出していくつかのクラッシュに対処した。(講読年額 $59.88/$83.88/$119.88、購読者は無料アップデート、3.2 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 11+)